説明

マイクロカプセル及びその製造方法

揮発性物質などの有益剤を長期間にわたって安定して保持でき、芳香剤などをカプセル封入するのにも好適であるマイクロカプセル。かかるカプセルは、揮発性物質と、前記揮発性物質よりも高い融点を有し、前記揮発性物質と相互に溶解できる添加物とを含む混合物をカプセル封入し、ここで前記混合物は融点範囲を示し、前記融点範囲の一部又は全ては−20℃〜60℃の範囲内にある。本発明はまた、かかるマイクロカプセルを含む洗浄及び/又は処理組成物を含む消費者製品、並びにそれらの製造及び使用方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤などの揮発性物質をカプセル封入するマイクロカプセル、及びかかるマイクロカプセルの製造方法に関する。本発明はまた、かかるマイクロカプセルを含む消費者製品、並びにそれらの製造及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
様々な有益剤、かかる芳香剤は、高価であり、及び/又は原液は高い揮発性を示すので原液として送達し難く、並びに大気に曝露させておくと、それらの芳香が迅速に失われる。結果として、芳香剤はマイクロカプセル化されてきた。すなわち、カプセル内に密封すると、その芳香を保持することが可能となる。しかしながら、極めて揮発性の芳香剤などの有益剤が、マイクロカプセル内に密封されても、その芳香剤はなおマイクロカプセルのセル壁内の隙間から漏れることがある。そのため、特に他の材料の存在下で長期間保管することは問題である。日本特許出願公開番号平9−911に記載の技術は、揮発性物質をゲル様のポリウレタン樹脂内に組み込むことによってカプセル封入するものであって、この問題を解決しようと試みている。この技術では、カプセル化プロセス中に、多官能イソシアネートとポリオールをともに反応させて、ゲル様のポリウレタン樹脂を生成し、このポリウレタン樹脂内に揮発性物質を組み込む。このようにして、理論に束縛されるものではないが、カプセルコアからの揮発性物質の放出が抑制されると考えられる。残念なことに、かかる技術は、有益剤、特に芳香剤の芳香を損ねる刺激臭を引き起こす可能性のあるイソシアネートを利用する。加えて、コアにおけるカプセル封入された材料中のポリウレタン樹脂の割合が、目的とする揮発性物質の量に対してかなり大きいという事実に関して、改良も望まれている。このような改良されたマイクロカプセルは、消費者らが通常、洗浄又は処理された物品の臭いを、かかる物品の清浄度又は新鮮度の程度と関連付けるので、特に望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明は、揮発性物質を、長期間、消費者製品製剤などの他の材料の存在下で安定して保持することが可能なマイクロカプセルを提供する。かかるマイクロカプセルは、芳香剤などをカプセル封入するのに特に好適である。加えて、前述のマイクロカプセルを含有する洗浄及び/又は処理組成物を含む消費者製品、並びにその製造及び使用方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、揮発性物質と、前記揮発性物質よりも高い融点を有し、前記揮発性物質と相互に溶解することができる添加物とを含む混合物をカプセル封入するマイクロカプセルであって、前記混合物が融点範囲を示し、前記融点範囲の一部又は全てが−20℃〜60℃の範囲内にあるマイクロカプセルに関する。
【0005】
本発明の別の態様は、本発明の前記態様によるマイクロカプセルの製造方法であって、前記揮発性物質と、前記揮発性物質よりも高い融点を有し、前記揮発性物質と相互に溶解することができる前記添加物とを含む前記混合物のエマルションを調製すること、及び前記エマルションに膜材料を添加し、重合を行い、それによって前記混合物をカプセル封入するマイクロカプセルを形成することを含む方法に関する。
【0006】
本発明は、更に、かかるマイクロカプセルを含む洗浄及び/又は処理組成物を含む消費者製品、並びにそれらの製造及び使用方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
定義
本明細書で使用する時、消費者製品には、物品、並びに洗浄及び処理用組成物が含まれる。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄及び/又は処理組成物」には、指示がない限り、顆粒状又は粉末状の多目的又は「重質」洗浄剤、特に洗濯洗剤;液状、ゲル状、又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる重質液体型;上質布帛用液体洗剤;食器手洗い用洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に高発泡性のもの;家庭用及び業務用途のための様々な錠剤型、顆粒型、液体型、及びすすぎ補助型を含む、食器洗浄機用洗浄剤;液体洗浄及び消毒剤であって、抗菌性の手洗い型のもの、洗濯石鹸、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、車又はカーペット用のシャンプー、風呂用洗浄剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワーゲル及び発泡入浴剤及び金属洗浄剤;並びに漂白添加物及び「染み抜き(stain-stick)」型又は前処理型などの洗浄助剤が含まれる。
【0009】
本明細書で使用するとき、「独立して〜から成る群から選択される」という言い回しは、引用されるマルクーシュ群から選択される部分又は要素が同じであり得る、相違し得る、又は要素の任意の混合であり得ることを意味する。
【0010】
本明細書で使用するとき、冠詞「一つの(a及びan)」は、明細書又は請求項で使用される場合、請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
出願人らの発明の各パラメータ値を求めるために、本出願の試験法欄に開示される試験法を用いねばならない。
【0011】
特に記載のない限り、全ての構成成分又は組成物の濃度は、前記構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0012】
百分率及び比率はすべて、指示がない限り、重量基準で計算される。百分率及び比率はすべて、指示がない限り、組成物全体を基準にして計算される。
本明細書全体を通じて与えられるあらゆる最大数値限定は、より小さいあらゆる数値限定を、あたかもそのようなより小さい数値限定が本明細書中に明確に記載されているかのように含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じて与えられるあらゆる最小数値限定は、より大きいあらゆる数値限定を、あたかもそのようなより大きい数値限定が本明細書中に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入る、より狭いあらゆる数値範囲を、あたかもそのようなより狭い数値範囲が全て、本明細書中に明確に記載されているかのように含む。
【0013】
「発明を実施するための最良の形態」で引用されたすべての文献は、関連部分において、参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献中の用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0014】
マイクロカプセル
本発明による揮発性物質をカプセル封入したマイクロカプセルにおいて、混合物は、揮発性物質よりも高い融点を有する添加物が揮発性物質と相互に溶解されるコアにおいて形成される。この方法で揮発性物質と添加物との混合物を形成することによって、揮発性物質の融点と沸点と揮発温度とを調節して、揮発性物質の揮発性を低いレベルに抑えることができる。
【0015】
結果として、マイクロカプセル内部の揮発性物質の放出を抑えて、長期間にわたる揮発性物質の安定した保持と持続した放出とを可能にする。
加えて、利用可能な添加物の範囲が広いため、添加物は、揮発性物質の特性に従って選択することができる。例えば、芳香剤の場合は無臭の添加物を選択することができ、これは、多様なカプセル封入物質を形成することが可能であることを意味する。
【0016】
本発明によるマイクロカプセル(本明細書では、以降、単に「カプセル」とも呼ばれる)は、揮発性物質と、揮発性物質よりも高い融点を有し、揮発性物質と相互に溶解することができる添加物とを含む混合物(本明細書では、以降、「カプセル封入された材料」又は「カプセル封入材料」とも呼ばれる)をカプセル封入する。
【0017】
揮発性物質と添加物は相互に溶解することができるため、混合物は、前記2つの物質からの一つの均質な物質として存在する。この混合物は、融点範囲(T1〜T2であって、ここでT1<T2)を示し、この融点範囲の一部又は全てのいずれかは−20℃〜60℃の範囲内にある。これには、この融点範囲の下限温度T1及び上限温度T2の少なくとも一方、又は恐らく両方が−20℃〜60℃の範囲内にある場合、並びに融点範囲T1〜T2が−20℃〜60℃の範囲よりも広範であって、−20℃〜60℃の全範囲を含む場合が含まれる。
【0018】
換言すれば、起こり得る場合としては、(1)T1<−20℃<T2<60℃(この場合、T2だけが指定範囲内にある)、(2)−20℃≦T1<T2≦60℃(この場合、T1とT2の両方が指定範囲内にある)、(3)−20℃<T1<60℃<T2(この場合、T1だけが指定範囲内にある)、及び(4)T1<−20℃〜60℃<T2(この場合、T1〜T2は、−20℃〜60℃の指定範囲全体を含む)が挙げられる。
【0019】
揮発性物質の融点(T3)と添加物の融点(T4であって、ここでT3<T4)を含むことにより、関係式T3<T1<T2<T4が得られる。
この融点範囲(T1〜T2)内では、混合物は、固体と液体が共存する状態をとる。本明細書では、この状態を「半固体」状態と呼ぶ。換言すれば、前述の融点範囲は、混合物が半固体として存在する温度範囲である。
【0020】
T2より高い温度では、(a)混合物は均質な溶液(液体)である。温度をT2未満まで徐々に下げると、(b)固体が溶液から徐々に沈殿し始めて、半固体状態が生じる。温度を更に下げると、(c)固体部分が徐々に増加し、(d)流動性が減少して、シャーベット様の状態が生じ、そして(e)混合物全体が剛性になる。最後に、温度をT1未満まで下げると、(f)混合物は完全に固体となる。この方法で温度を徐々に下げることによって、混合物の状態は(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)と変化することができ、用語「半固体」とは、(a)と(f)を除くこれらの状態全てを指す。
【0021】
T2とは、どんなに小さくても、固体材料が液体の中で視認できるようになり始める温度(視覚検査ではもはや、固体を含まない液体を露呈しない温度)を指す。T1とは、流動性が失われる温度(又は流動性が開始する温度)を指す。流動性の有無は、断面直径7mmの円柱形のガラス棒(棒の先端を、断面を通って切断して、平坦な端面を生じさせたもの)を容器(100mLビーカー)内の混合物の表面と垂直に接触させ、6.9N(700gf)の負荷を加え、ガラス棒の先端が混合物に入り込むかどうかを観察することによって判断される。従って、T1とは、ガラス棒がそれ以上混合物に入り込むことができない温度(又は棒が初めて混合物に入り込むことができる温度)を指す。
【0022】
T2とT1の測定は、先ず、混合物を液体に転化させてから、温度を徐々に下げながら、状態の変化を観察することによって行われる。
温度を徐々に下げたときに最初に沈澱し始める固体は、主に、より高い融点の構成成分(すなわち添加物)を含むが、この固体には揮発性物質の一部も組み込まれていると考えられる。温度を下げると、固体内での揮発性物質の割合が増加すると考えられる。対照的に、半固体内の液相は主に揮発性物質を含むが、この液体は添加物の一部も組み込んでいると考えられる。換言すれば、半固体内での固体構成成分と液体構成成分との割合、及びこの2つの構成成分のそれぞれの組成は、温度に依存して変化するが、固体構成成分と液体構成成分が融点範囲内で共存するという事実は、揮発性物質の安定性を向上させることができると考えられる。
【0023】
純粋な物質の融点範囲は通常、かなり狭いが、混合物の融点範囲ははるかに広い場合が多い。融点に大差のある物質の混合物の場合、更に広範な融点範囲を得ることができる。
本発明では、揮発性物質自体は、異なる融点を有する有機化合物の混合物である場合が多く、添加物を添加することで、更により多くの化合物の混合物が生成され、これは、より広範な融点範囲を有する混合物が得られることを意味する。
【0024】
この方法で混合物の融点範囲を広げることは、本発明では有利である。半固体状態では、揮発性物質の揮発と保持との間で均衡が維持されて、揮発と保持を共に好ましいバランスで達成することができる。
【0025】
揮発性物質の揮発性を抑制するために、前記混合物の融点範囲の一部又は全てのいずれかが−20℃〜60℃の範囲内にある必要があり、好ましくは−10〜55℃の範囲内にある。加えて、前記混合物の融点範囲の一部又は全てのいずれかが、通常の人間の生活が営まれる温度帯域を表す0〜50℃の範囲内にある場合は、更になお望ましい。この望ましい状況の理由は、半固体状態の上限温度T2が0℃未満であれば、揮発性物質を含むカプセル封入された材料が通常の使用条件下では液体であって、揮発性を十分に抑制することができないという危険が増え、対照的に、半固体状態の下限温度T1が50℃を超えれば、揮発性物質を含むカプセル封入された材料は通常の使用条件下では完全に固体になり、揮発性が過度に抑えられるという危険が増えて、揮発性物質の効果が十分に発現しないということである。
【0026】
更に、融点範囲の上限温度T2が60℃以下であって、その結果、混合物が60℃を超える温度で液体であれば、現場重合法が以下に記載するマイクロカプセル化法として選択される場合に、カプセル化を60〜80℃の温度で容易に達成することができるという点で更なる利益が得られる。
【0027】
換言すれば、融点範囲が(1)T1<−20℃<T2<60℃又は(2)−20℃≦T1<T2≦60℃のいずれかを満足する場合が好ましい。あるいは、T2は好ましくは40〜60℃の範囲内であり、更により好ましくは40〜55℃、最も好ましくは40〜50℃である。
【0028】
他方で、融点範囲の下限温度T1は、好ましくは30℃以下であり、更により好ましくは20℃以下、最も好ましくは10℃以下である。T1に特定の下限はないが、通常の使用条件と、要求される融点範囲を達成するための必要性とを考慮すると、少なくとも−10℃のT1値で十分であるが、−20℃以上の値は非常に満足のいくものである。
【0029】
加えて、T1とT2の差(融点範囲)は、好ましくは、少なくとも約10℃であり、好ましくは少なくとも約20℃、更により好ましくは少なくとも約30℃、更により好ましくは少なくとも約40℃であり、最も好ましくは50℃以上である。
【0030】
本発明では、マイクロカプセル化の結果として得られる持続放出効果に加えて、カプセル封入された材料が半固体状態であるという事実は、揮発性物質の貯蔵安定性及び持続した放出可能性を劇的に改良することができる。
【0031】
更に、カプセル封入された材料は半固体であるため、外圧に対する膜強度を、液体材料の場合に比べて高めることが可能である。結果として、膜材料(セル材料又は壁材料)が占めるカプセルの割合が低下し、カプセル封入された材料の割合が増加しても、適度な強度のカプセルを形成することができる。
【0032】
一般に、マイクロカプセルが、液体インク、液体化粧品、又は液体洗浄剤などのような液体溶媒中に分散すると、カプセル膜を通過してカプセル内部に浸透する溶媒が揮発性物質の安定性の低下を引き起こし得るという危険がある。更に、カプセル封入された材料が液体の場合、カプセル封入された材料は、カプセル膜を通過し外部相に溶出する傾向がある。
【0033】
対照的に、本発明では、揮発性物質は、半固体状態の混合物内に組み込まれており、このことは、揮発性物質の特性が、外部溶媒によるこの種の攻撃の下でも安定して維持できることを意味し、また外部相へのカプセル封入された材料の溶出を避けることができ、それ故にカプセルの外部相と比べて改良された安定性を提供する。
【0034】
加えて、カプセル封入された材料内で高価な揮発性物質の一部を比較的安価な添加物に置き換えることができるため、本発明は費用の面からも有利である。
好適な揮発性物質の例としては、様々な芳香剤、植物系の精油、防臭剤、脱臭剤、忌避剤、防虫剤、殺虫剤、及び農薬などの、揮発性を示す様々な試薬(活性成分)が挙げられ、活性成分の効果を長期間にわたって現すことができることが重要である場合、本発明は、これらの材料のいずれにも適している。これらの揮発性物質の2つ以上の組み合わせを使用してもよい。
【0035】
好適な芳香剤の具体例としては、動物系及び植物系の天然芳香剤、例えば、ムスク、シベット、カストリウム、バラ、ジャスミン、オレンジ、ラベンダー、ビャクダン、桂皮、ローズマリー、レモン、アイリス、スミレ、スズラン、ユリ、ライム、バニラ、及びミント;これら天然芳香剤の合成種;並びに合成芳香剤、例えば、ライラック、カーネーション、コスモス、アマリリス、モクセイ、チューリップ、スイートブライア、ハマナス、サザンカ、アザミ、ツバキ、セージ、ヒヤシンス、キク、ヒマラヤスギ、ブーケ、シトロン、カボス、コーヒー、カレー、ニンニク、マツタケ、バナナ、チョコレート、ヨーグルト、スイカ、ビーフ、ソース、及びステーキが挙げられる。
【0036】
これらの中でも、油性芳香剤が好ましく、オレンジ、ブドウ、グレープフルーツ、リンゴ、イチゴ、パイナップル、桃、メロン、ライム、ブルーベリー、レモン、ミント、ラベンダー、ユーカリ、バラ、ローズマリー、スズラン、ユリ、フリージア、サイプレス、及びヌマヒノキなどの芳香剤が特に好ましい。
【0037】
好適な植物系の精油(天然精油)の例としては、ユーカリ、オレンジ、ラベンダー、レモン、レモングラス、ペパーミント、ティーツリー、ローズウッド、コウスイガヤ、ローズマリー、イランイラン、ベルガモット、マジョラム、ギンバイカ、カモミール、ネロリ、ジャスミン、桂皮、ショウガ、タイム、パルマローザ、ウイキョウ、ライム、バジル、パチョリ、ブラックペッパー、及びローズアブソリュートが挙げられる。
【0038】
好適な忌避剤及び防虫剤の例としては、カプサイシン、ペパーミント油、ユーカリ、サイプレス、ヌマヒノキ、メントール油、アリルイソチオシアネート、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、及びノニル酸バニリルアミドが挙げられる。
【0039】
好適な防臭剤及び脱臭剤の例としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、植物系油抽出物、及びテルペン系脱臭剤が挙げられる。
好適な農薬の例としては、フェニトロチオン、メチルパラチオン、パラチオン、ジアジノン、ワルファリン、アラクロール、ピレトリン、シクロヘキシミド、セトキシジム、及びトリフューミゾール(trifiumizole)が挙げられる。
【0040】
好適な殺虫剤の例としては、ペルメトリン、ピレスロイド化合物、及びフィプロニルが挙げられる。
添加物が揮発性物質の融点T3よりも高い融点T4(すなわち、T3<T4)を有し、カプセル封入された揮発性物質と相互に溶解することができ、また溶解時に−20℃〜60℃の範囲にある融点を有する混合物を形成することができれば、添加物に特に制限はない。
【0041】
例えば、添加物が25℃〜200℃の範囲にある融点T4を有する化合物であれば、融点範囲(T1〜T2)の一部又は全てのいずれかが前記範囲内にある揮発性物質との混合物を調製することは比較的簡単であり、それ故に、かかる添加物が好ましい。添加物が200℃超の融点を有するのであれば、揮発性物質の性質によっては揮発性物質と溶解し難くなる場合がある。
【0042】
マイクロカプセルに関する使用条件に従って、40℃〜120℃、又は更により好ましくは50℃〜100℃の範囲にある融点T4を有する化合物が特に望ましい。
添加物の一般的な特性に関して、添加物自体は好ましくは無臭であるか又は極めて臭いが少なく、その結果、芳香剤を揮発性物質としてカプセル封入する場合に、添加物が芳香剤の特徴を悪化させない。加えて、熱及び光の下で安定した化合物の使用も好ましい。
【0043】
マイクロカプセル化中の加工性及び揮発性物質における溶解性の観点から、一般には、添加物は好ましくは、(水中での低い溶解性を有する)親油性化合物である。
具体的には、ヒドロキシル基及び/又はカルビキシル基を含有する化合物が好ましく、25℃〜200℃の範囲内に融点を有するアルコール、カルボン酸、又はヒドロキシ酸の使用が特に望ましい。あるいは、パラフィン(パラフィン炭化水素)の使用もまた望ましい。これら化合物に加えて、揮発性物質に溶解可能なポリマー化合物(例えば、プラスチック及び未加硫ゴム)も使用することができる。
【0044】
これら添加物は、単独で、又は2つ以上の異なる化合物の組み合わせのいずれかで使用することができる。
好適なアルコールの具体例としては、炭素原子数12以上の直鎖又は分枝鎖高級脂肪族アルコール、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、及びベヘニルアルコールが挙げられる。これらアルコールの2つ以上を混合することによって生成される混合アルコールもまた使用可能である。
【0045】
あるいは、炭素原子数12以上のこれらアルコールの1つ以上と、炭素原子数12未満の1つ以上の脂肪族アルコールとの混合物もまた好ましく使用することができる。
加えて、脂肪族アルコールはまた、スルホン酸又はリン酸の誘導体、あるいはハロゲン、窒素、硫黄、又はリンなどを含有する誘導体であってもよい。
【0046】
脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の両方をカルボン酸として使用することができ、好適な酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、リグノセリン(ligonceric)酸、クロトン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸、安息香酸、及びメチル安息香酸が挙げられる。
【0047】
好適なヒドロキシ酸の例はサリチル酸である。
好適なパラフィン化合物としては、炭素原子数20以上の炭化水素を含有する混合物が挙げられる。これら混合物は、炭素原子数20未満の炭化水素を含んでもよい。
【0048】
混合物中の揮発性物質と添加物との比率には特別な制限はなく、この比率は、好ましくは、2つの材料の融点に従って調節される。例えば、添加物の融点が揮発性物質の融点及び沸点に対して比較的高い場合(又は揮発性物質の融点及び沸点が添加物の融点に対して比較的低い場合、換言すれば、T4〜T3が大きい場合)、混合物の融点が指定温度範囲内にあることを保証するのに必要とされる添加物のブレンド量は比較的少ない。対照的に、添加物の融点が揮発性物質の融点及び沸点に対して比較的低い場合(又は揮発性物質の融点及び沸点が添加物の融点に対して比較的高い場合、換言すれば、T4〜T3が小さい場合)、添加物を極めて大量に添加しなければならない。
【0049】
具体的には、添加物のブレンド量は、揮発性物質100重量部につき、好ましくは10〜200重量部、更により好ましくは10〜100重量部、最も好ましくは20〜50重量部の範囲内である。特に、揮発性物質が芳香剤である場合、芳香の適度な発現を保証するために、添加物のブレンド量は、芳香剤100重量部につき、好ましくは100重量部以下、すなわち、10〜100重量部の範囲内であり、更により好ましくは20〜50重量部である。
【0050】
より具体的には、50℃〜100℃の融点を有する添加物20〜50重量部を揮発性物質100重量部に添加し、それによって、融点が0℃〜50℃の範囲内にある混合物を生成することが極めて望ましい。好ましい実施形態の混合物内における揮発性物質の相対ブレンド量を増加させるこの能力は、本発明の特性の一つである。このような場合、添加物は揮発性物質内に溶解する。
【0051】
マイクロカプセルのカプセル封入された材料を構成する混合物は、揮発性物質と添加物に加えて他の構成成分を含んでもよい。これら他の構成成分の例としては、有機溶媒、例えば、トルエン、キシレン、及びヘキサン、並びに潤滑剤、染料、有機及び無機顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び他の有機化合物が挙げられる。
【0052】
マイクロカプセルの膜材料には特別な制限はなく、好適な例としては、有機高分子材料、例えば、ゼラチン、ゼラチン−アラビアゴム、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ナイロン、ポリエーテル、アルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、パラフィン、及びセルロース、並びに無機材料、例えば、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ、アルカリ土類金属、ケイ酸塩、酸化鉄、炭酸コバルト、及び酸化亜鉛が挙げられる。
【0053】
マイクロカプセルの製造方法
カプセル封入材料のマイクロカプセル化は、様々な方法を用いて行うことができ、これには、界面重合、現場重合、コアセルベーション、液中乾燥、スプレー乾燥、液中硬化、及び気中懸濁が含まれる。これらの方法のうち、界面重合、現場重合、及びコアセルベーションが好ましく、現場重合法が特に望ましい。
【0054】
カプセル封入材料が油性(油相)である場合、マイクロカプセルは、水性系で調製されてよい。
例えば、現場重合には、揮発性物質と、揮発性物質よりも高い融点を有し、揮発性物質と相互に溶解することができる添加物とを含む混合物のエマルションを調製すること、及びエマルションに膜材料を添加して、重合を行い、それによって混合物をカプセル封入するマイクロカプセルを形成することが含まれる。この製造方法を用いることによって、本発明によるマクロカプセルを好ましく製造することができる。
【0055】
本発明の好ましい実施形態の説明は以下の通りである。
最初に、油性芳香剤などの揮発性物質と添加物とを合わせて、添加物の融点T4を超える温度で混合することで、2つの材料が相互に溶解している混合物が得られる。好ましくはpH調整剤を使用して、混合物のpHを調整する。pH調整剤としての酸の例としては、蟻酸、酢酸、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、酒石酸、ホウ酸、及びフマル酸が挙げられる。アルカリの例としては、アルカリ金属水酸化物、アンモニア、及びトリエタノールアミンが挙げられる。
【0056】
まだ液体の状態にある間に、次にこの(親油性)混合物を水と混合し、乳化して、エマルションを調製する。この工程中に、エマルション促進剤などを好ましくは使用して、混合物の油滴を安定化する。アニオン性水溶性ポリマーを、好ましくは、マイクロカプセル化におけるエマルション促進剤として使用する。アニオン性水溶性ポリマーの例としては、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、アクリル酸−スチレンスルホン酸コポリマー、アクリル酸−アクリルアミド−アクリロニトリル三元コポリマー、及びアクリル酸−アクリロニトリル−酸ホスホキシポリエチレングリコールメタクリレート三元コポリマーが挙げられる。
【0057】
その後、膜材料(例えば、プレポリマー)をこのエマルションに添加し、この膜材料を次に、油滴の表面周辺で重合して、マイクロカプセル壁を形成する。これにより、マイクロカプセルスラリーが得られる。必要に応じて、溶媒をスラリーから除去して、マイクロカプセル粉末を製造することができる。
【0058】
混合物の乳化は、典型的な乳化−分散装置、例えば、攪拌器、ホモミキサー、ホモジスパー、ホモジェッター、コロイドミル、超音波分散装置、又は超音波乳化機を用いて行うことができる。好適な市販装置の具体例としては、一般の攪拌器、例えば、BL−シリーズ3−1のモータ攪拌器(新東科学株式会社(Shinto Scientific Co., Ltd.)製)及びA520ポータブルミキサー(佐竹化学機械工業株式会社(Satake Chemical Equipment Mfg., Ltd.)製)、並びに一般のホモミキサー、例えば、TKホモミキサーマークII(Mark II)20(特殊機化工業株式会社(Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.)製)及びTKパイプラインホモミキサーSL(特殊機化工業株式会社製)が挙げられる。
【0059】
上記マイクロカプセル化は、好ましくは、混合物の融点範囲の上限温度(T2)よりも高い温度で行われ、例えば、60℃〜80℃の範囲内の温度で維持される系全体で好ましくは行われる。
【0060】
カプセル化が完了すると、カプセル内部のカプセル封入された材料内の温度変化によって引き起こされる固体−液体又は液体−気体の相変化に関する問題は全く無い。相変化がカプセル封入された材料内で生じたかどうかに関わらず、カプセルを同じ方法で処理することができるこの特性は、マイクロカプセルの有意な利点の一つである。
【0061】
現場重合中に用いられる膜材料の好適な例としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリレートエステル、及びポリイソシアネートが挙げられる。メラミン樹脂(メラミンとホルムアルデヒド)、尿素−ホルマリン樹脂(尿素とホルムアルデヒド)を膜材料として使用することが特に好ましい。
【0062】
例えば、メラミン樹脂を膜材料として用いる場合、製造は、好ましくは、以下に説明する方法で行われる。最初に、揮発性物質と添加物とを合わせて、カプセル封入しようとする混合物の融点範囲の上限温度(T2)を超える温度で混合して、カプセル封入材料(A)(油相)を形成する。別個の調製において、混合物の油滴の促進及び安定化を可能にするために、エマルション促進剤としてのエチレン無水マレイン酸樹脂を水に溶解して、エマルション促進剤液(B)を生成する。別の調製において、メラミン樹脂プレポリマーの水溶液(C)も調製する。T2を超える温度において、材料(A)をその後、液体(B)と混合し、乳化してエマルションを調製し、所望の平均粒径が得られるまで攪拌数を調節する。溶液(C)を次に添加し、攪拌を続け、それによってカプセル封入材料の油滴の表面周辺にメラミン樹脂膜を生成し、マイクロカプセルスラリーを得る。
【0063】
乳化混合物内の油滴の平均粒径は、最終製品であるマイクロカプセルにとって望ましい平均粒径に合わせて適切に設定することができる。
尿素−ホルマリン樹脂を用いる現場重合の場合の好ましい実施形態は、以下に説明する通りである。最初に、尿素樹脂モノマーと、レゾルシン樹脂モノマーと、エチレン無水マレイン酸樹脂(乳化促進剤)とを水に溶解する。この溶液を、カプセル封入しようとする混合物の融点範囲の上限温度(T2)を超える温度に加熱し、次にこの溶液に、上述と同様の方法で調製したカプセル封入材料(油相)を添加し、乳化し、所望の平均粒径が得られるまで攪拌を続ける。ホルムアルデヒドを次に添加し、攪拌を続け、それによって、カプセル封入材料の表面周辺に尿素−ホルマリン樹脂膜を生成し、マイクロカプセルスラリーを得る。
【0064】
次に、コアセルベーション法を説明する。最初に、膜材料を水相に溶解し、カプセル封入材料の油相をその後添加して攪拌し、それによって、カプセル封入材料を微細な液滴として分散する。こうして得たO/W分散液系(エマルション)の水相に、膜材料に対する貧溶媒(膜材料を容易に溶解できない液体)を徐々に添加し、それによって、膜材料の溶解度を低下させ、膜材料を、微細な液滴を取り囲む方法で析出させる。あるいは、O/W分散系の温度を下げてもよく、それによって膜材料の溶解度を低下させ、析出を生じさせる。
【0065】
上述では、膜材料を油相として、そしてカプセル封入材料を水相として調製することにより、W/O分散系を形成することも可能である。
界面重合の場合、互いに反応して膜を形成する、油溶性膜材料モノマーと水溶性モノマーとを用いる。最初に、油溶性膜材料モノマーとカプセル封入材料との均一な混合物を含む油相プレミックス、及び水溶性モノマーと乳化促進剤とを含む水相を調製する。油相プレミックスを次に水相に分散し、得られるO/W又はW/O分散系を加熱し、それによって油相と水相との間の界面で重合をもたらす。
【0066】
マイクロカプセルの粒径は、それらの意図される用途に従って選択することができる。特別な制限はないが、広範な潜在的用途における適合性を考慮すれば、平均粒径は好ましくは0.5〜約100μmの範囲内である。粒径が大きすぎると、カプセル自体が破裂しやすくなって、それらを様々な用途に対して不適切にする。対照的に、粒径が小さすぎると、カプセルが過度の破裂抵抗を有することとなり、内容物の効果が適度に発現できないという危険が増す。
【0067】
例えば、カプセルを含有するインクの場合、又はカプセルが繊維、紙若しくはインク消し等にブレンドされている場合は、分散及び加工の点から、約1〜20μmの小さな粒径が好ましい。対照的に、カプセルを成形品などの表面に接着させる用途、及び破裂しやすいカプセルが求められる用途では、接触頻度を高めかつカプセルの強度を低下させる点から、約20〜100μmの大きな粒径が好ましい。
【0068】
現場重合、界面重合、又は幾つかの他の重合法が使用されるかに関わらず、カプセルの粒径は、マイクロカプセル化プロセスの乳化工程中に使用される攪拌器又はホモミキサーの攪拌ブレード若しくは回転ブレードの回転速度や形などの因子を変更することにより、あるいは膜材料に関する重合条件(例えば、反応温度及び時間)を変更することによって反応速度を調整することにより、制御することができる。
【0069】
マイクロカプセルは、様々な用途に利用可能である。マイクロカプセルの利用技術としては、液体材料の場合は、それらを単に加え分散させること、又は紙若しくは布帛を製造するための基材の場合は、コーティング技術、スプレー技術、接着技術、又は混練技術によってマイクロカプセルを組み込むことが挙げられる。
【0070】
マイクロカプセルは広範な製品の内部に使用することができ、揮発性物質が芳香剤である場合の潜在的用途としては、マイクロカプセルをインク、コーティング材料(ペン又はスプレー型用途などのための水性系及び油性系の両者)、化粧品、空気清浄化剤、防臭剤、洗浄剤、及び柔軟仕上げ剤などに添加すること、マイクロカプセルを印刷物(例えば、新年の挨拶状、カタログ、便箋、及びシール)、布帛、織物、織物製品(例えば、衣類及びタオル)、及びティッシュペーパーにスプレー又は付着させること、並びにマイクロカプセルを成形樹脂、ゴム、織物、及びインク消しなど、又はそれらの原材料の中にブレンド又は混合することが挙げられる。
【0071】
これらの種類の製品に使用される場合、マイクロカプセルのブレンド量は、所望の製品特徴に合わせて適切に調整することが可能である。
消費者製品
本出願人らの発明の第1態様では、出願人らの発明には、本発明による有益剤を含有するマイクロカプセルを少なくとも0.00001重量%含む物品並びに/又は洗浄及び/若しくは処理組成物などの消費者製品が含まれ、前記組成物の残部は1つ以上の補助物質である。
【0072】
本出願人らの発明の第2の態様では、本出願人らの発明には、本発明による有益剤を含有するマイクロカプセルを約0.00001〜約99.9重量%、約0.00001〜約10重量%、約0.02〜約5重量%、又は更に約0.2〜約2重量%含む物品並びに/又は洗浄及び/若しくは処理組成物などの消費者製品が含まれ、前記組成物の残部は1つ以上の補助物質である。
【0073】
試験法1に従って試験する場合、本出願人らの上記態様は、ホルムアルデヒドを50ppm以下、ホルムアルデヒドを25ppm以下、ホルムアルデヒドを10ppm以下、又は更にホルムアルデヒドを5ppm以下含んでよい。
【0074】
試験法2に従って試験する場合、本出願人らの発明の上記態様は、水を少なくとも5%、約5〜約99%、約8〜約80%、又は更に約10〜約60%含んでよい。
本出願人らの発明の前述の態様のうちいずれかが水性重質液体洗剤であれば、かかる洗剤のpHは約2〜約12、約4〜約10、又は更に約6〜約9であってよい。そうでなければ、かかる消費者製品のpHは、方法3で測定された場合に、約8〜約12、約8.5〜約11、又は更に約9〜約11であってよい。
【0075】
本出願人らの発明の前述の態様は、典型的に、界面活性剤である補助物質を含有する。かかる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選択されてよい。アニオン性界面活性剤は、典型的に、液体洗剤中で約1〜約80重量%、約1〜約50重量%、又は更に約2〜約20重量%の濃度で使用される。界面活性剤の代表的な一覧は、本明細書の補助物質の項で見られる。しかしながら、アニオン性界面活性剤が特に水性液体洗剤などの液体洗剤中で用いられる場合、かかる界面活性剤は、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、第一級の分枝ランダムC10〜C20スルフェート(AS)、及びこれらの混合物から成る群より選択されてよい。
【0076】
本出願人らの発明の前述の態様は、本発明のマイクロカプセルを含有してよく、その場合、カプセル封入された有益剤は、香料、又は香料混合物を含む。
本出願人らの消費者製品発明の前述の態様には、他の香料系、例えば、遊離香料、プロ香料(例えば、β−ケトエステル、エステル、アセタール、オキサゾリジン、オルト−エステル、β−アミノケトン、及びシッフ塩基)、ゼオライト系を含有する香料、並びにシクロデキストリンなどの材料が含まれてもよい。
【0077】
補助物質
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される補助剤の非限定的な一覧は、該組成物において使用するのに適しており、例えば、洗浄性能を補助若しくは高めるために、洗浄されるべき基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように洗浄組成物の審美性を修正するために、本発明の特定の実施形態に望ましく組み込まれてよい。これら追加の構成成分の正確な性質、及びこれらの組み込み濃度は、組成物の物理的な形態、及び該組成物が用いられる洗浄作業の性質に左右される。好適な補助物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予備形成過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、並びに/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。以下の開示に加えて、このようなその他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812B1号、及び米国特許第6,326,348B1号に見出され、これらは参照により組み込まれる。上述の如く、前記補助成分は、本出願人らの組成物には必須ではない。従って、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助物質のうち1つ以上を含有しない:界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予備形成過酸、ポリマー分散剤類、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、並びに/又は顔料。しかしながら、1つ以上の補助剤が存在する場合、かかる1つ以上の補助剤は、以下に詳細されるように存在することができる。
【0078】
漂白剤−本発明の洗浄組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予備形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を使用する場合、本発明の組成物は、対象洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更に約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでよい。好適な漂白剤の例としては、次のものが挙げられる。
【0079】
(1)光漂白剤、例えばスルホン化亜鉛フタロシアニン、
(2)予備形成過酸:好適な予備形成過酸としては、過カルボン酸及び塩類、過炭酸及び塩類、ペルイミド酸及び塩類、ペルオキシ一硫酸及び塩類(例えば、オキシゾーン(Oxzone)(登録商標))並びにこれらの混合物から成る群より選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な過カルボン酸としては、式R−(C=O)O−O−Mを有する疎水性及び親水性過酸が挙げられ、ここで、Rは、過酸が疎水性である場合は、炭素原子数6〜14、又は炭素原子数8〜12の、過酸が親水性である場合は、炭素原子数6未満、又は更に炭素原子数4未満の、任意に分枝状のアルキル基であり、Mは対イオン、例えば、ナトリウム、カリウム、又は水素である、
(3)過酸化水素供給源、例えば、無機過水和物塩であって、アルカリ金属塩、例えば、過ホウ酸のナトリウム塩(通常は、一又は四−水和物)、過炭酸のナトリウム塩、過硫酸のナトリウム塩、過リン酸のナトリウム塩、過ケイ酸のナトリウム塩、及びこれらの混合物など。本発明の一態様では、無機過水和物塩は、過ホウ酸のナトリウム塩、過炭酸のナトリウム塩、及びこれらの混合物から成る群から選択される。用いた場合、無機過水和物塩は、典型的には、全組成物の0.05〜40重量%、又は1〜30重量%の量で存在し、典型的にはかかる組成物中へ、コーティングされていてよい結晶性固体として組み込まれる。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、若しくはホウ酸アルカリ金属塩、又はこれらの混合物、あるいは有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油類又は脂肪石鹸が挙げられる、並びに
(4)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤であって、ここで、Rは、漂白活性化剤が疎水性である場合は、炭素原子数6〜14、又は炭素原子数8〜12の、漂白活性化剤が親水性である場合は、炭素原子数6未満、又は更に炭素原子数4未満の、任意に分枝状のアルキル基であり、Lは脱離基である。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。好適な漂白活性化剤は、PCT国際公開特許WO98/17767にも開示されている。いかなる好適な漂白活性化剤を使用してもよいが、本発明の一態様では、対象洗浄組成物は、NOBS、TAED、又はこれらの混合物を含んでよい。
【0080】
存在する場合、過酸び/又は漂白活性化剤は、一般に、組成物を基準にして、約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、又は更に約0.6〜約10重量%の量で、組成物中に存在する。1つ以上の疎水性過酸又はその前駆体は、1つ以上の親水性過酸又はその前駆体と組合せて使用してもよい。
【0081】
過酸化水素供給源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、(過酸化物供給源から)得られる酸素対過酸のモル比が、1:1〜35:1、又は更に2:1〜10:1となるように選択されてよい。
【0082】
界面活性剤−本発明による洗浄組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでよく、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択することができる。存在する場合、界面活性剤は、典型的に、対象組成物の約0.1重量%〜約80重量%、約1重量%〜約50重量%、又は更に約5重量%〜約40重量%までの濃度で存在する。
【0083】
ビルダー−本発明の洗剤組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含んでよい。ビルダーを使用する場合、対象組成物は、典型的には、対象組成物の少なくとも約1重量%、約5重量%〜約60重量%、又は更に約10重量%〜約40重量%のビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリリン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルカノールアンモニウム塩、ケイ酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類及びアルカリ金属塩、アルミノケイ酸塩ビルダー、並びにポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩に加えて、例えば、メリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びにこれらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
キレート化剤−本明細書の洗浄組成物は、キレート化剤を含有してもよい。好適なキレート化剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート化剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。キレート化剤を使用する場合、対象組成物は、対象組成物の約0.005重量%〜約15重量%、又は更に約3.0重量%〜約10重量%のキレート化剤を含んでよい。
【0085】
移染防止剤−本発明の洗浄組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適な高分子移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。対象組成物中に存在する場合、移染防止剤は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更に約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してよい。
【0086】
増白剤−本発明の洗浄組成物はまた、洗浄される物品に色合いを付けることができる追加成分、例えば、蛍光増白剤を含有することもできる。好適な蛍光増白剤の濃度には、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、又は更に約0.2重量%の低い濃度から、0.5重量%、又は更に0.75重量%の高い濃度まで含まれる。
【0087】
分散剤−本発明の組成物は、分散剤を含有することもできる。好適な水溶性有機材料には、ホモ−若しくはコ−ポリマー性酸又はそれらの塩類が含まれ、その場合、ポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子により互いから分離された少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含む。
【0088】
酵素−洗浄組成物は、洗浄性能及び/又は布帛ケア効果をもたらす1つ以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、これらに限定されないが、へミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タイマーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。典型的な組合せは、例えば、プロテアーゼとリパーゼをアミラーゼと併せて含むことができる酵素反応混液である。洗浄組成物中に存在する場合、前述の酵素は、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更に約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在してよい。
【0089】
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤に使用する酵素を安定化させることができる。本明細書で用いられる酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって、安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を改善するために、可逆性のタンパク質分解酵素抑制剤、例えば、ホウ素化合物を添加することができる。
【0090】
触媒作用性金属錯体−本出願人らの洗浄組成物は、触媒作用性金属錯体を含むことができる。一つの種類の金属含有漂白触媒は、規定した漂白触媒活性の遷移金属カチオン、例えば、銅カチオン、鉄カチオン、チタンカチオン、ルテニウムカチオン、タングステンカチオン、モリブデンカチオン、又はマンガンカチオンと、漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助的な金属カチオン、例えば、亜鉛カチオン又はアルミニウムカチオンと、触媒作用性及び補助的な金属カチオンに関して規定した安定化定数を有するセクエスト化剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの水溶性塩類とを含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0091】
必要に応じて、本明細書中の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒作用を受けることができる。このような化合物及び使用濃度は、当該技術分野では周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が含まれる。
【0092】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0093】
本明細書中の組成物はまた、ビスピドンなどの配位子(PCT国際公開特許WO05/042532A1)及び/又は巨大多環固定配位子(「MRL」と略す)の遷移金属錯体を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及びプロセスは、水性洗浄媒体において、少なくとも約1億分の1部の活性MRL種を提供するように調整することができ、典型的には、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更に約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0094】
本遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えば、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0095】
好適な遷移金属MRLは、例えばPCT国際公開特許WO00/32601、及び米国特許第6,225,464号において教示されるような既知の手順によって容易に調製される。
【0096】
溶媒−好適な溶媒としては、水、及び親油性流体などの他の溶媒が挙げられる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン、その他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリン誘導体、例えば、グリセリンエーテル、ペルフルオロアミン、ペルフルオロ溶媒及びハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、その他の環境に優しい溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0097】
消費者製品の製造方法本発明の製品は、いかなる好適な形態にも処方することができ、配合者によって選択されるいかなる方法によって調製することもでき、それらの非限定例は、本出願人らの実施例、並びに米国特許第5,879,584号、米国特許第5,691,297号、米国特許第5,574,005号、米国特許第5,569,645号、米国特許第5,565,422号、米国特許第5,516,448号、米国特許第5,489,392号、米国特許第5,486,303号に記載されており、これら全ては参照により本明細書に組み込まれる。有益剤を含有するマイクロカプセルを消費者製品に組み込むとき、かかるマイクロカプセルは、更に加工する必要がある場合がある。かかる加工は、典型的には、混合又は攪拌することによって液体カプセルスラリーを均質化すること、このカプセルスラリーに水を添加すること、このカプセルスラリーに構造剤を添加すること、カプセル内容物の密度を調節すること、このカプセルスラリー又はその混合物に分散剤又は沈殿防止剤(anti-sedimentation)を添加することを伴う。かかる加工は、典型的に、有益剤を含有するマイクロカプセルを含む製剤及び/又は物品の要件に左右される。特定の場合、マイクロカプセルは、消費者製品が製造若しくは形成されるときに、消費者製品の中に埋め込まれてもよく、並びに/又は接着剤を含む物理的及び/若しくは化学的手段によってかかる消費者製品の表面に接着されてもよい。
【0098】
使用方法
本発明は、場所(situs)、とりわけ表面又は布帛を洗浄及び/又は処理するための方法を含む。かかる方法は、本出願人らの消費者製品のある実施形態を、組成物が原液の形態であるか又は洗浄溶液で希釈されている場合、表面又は布帛の少なくとも一部と接触させる工程、及び次に所望によりかかる表面又は布帛をすすぎ洗いする工程を含む。表面又は布帛は、前述のすすぎ工程の前に洗浄工程に付されてよい。本発明の目的上、洗浄には、擦ることと機械的攪拌とが含まれるが、これらに限定されない。当業者には自明となるように、本発明の消費者製品は、理想的には、例えば洗濯用途における表面の洗浄又は処理を含む、様々な用途での使用に適している。従って、本発明は、布帛の洗濯方法を含む。この方法は、洗濯しようとする布帛を、本出願人らの洗浄組成物、洗浄添加物、又はこれらの混合物のうち少なくとも一つの実施形態を含む前記洗浄洗濯溶液と接触させる工程を含む。布帛は、通常の消費者の使用条件で洗濯できる、大抵のいかなる布帛をも含み得る。溶液のpHは、好ましくは約8〜約10.5である。組成物は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用されてもよい。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布帛の比率は、典型的には約1:1〜約30:1である。
【0099】
試験方法
方法1:ホルムアルデヒドを、アルデヒド及びカルボニル化合物に特有の誘導体化を用いて分析する。これは、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を用いて室温での誘導体化を行ってから、UV/可視検出(波長設定=365nm)による逆相クロマトグラフィーを利用してクロマトグラフ分離することによって達成される。較正は、「外部標準較正」により、市販の36〜37%ホルムアルデヒド溶液から作られた基準ホルムアルデヒド溶液を用いて行う。この材料の活性は、酸化還元滴定によって求めることができる。
【0100】
方法2:カール・フィッシャー滴定法によるASTM E203−01
方法3:pHは、カナダ保健省(Health Canada)の方法「水溶液中での消費者製品のpHの決定(Determination of the pH of Consumer Products in Aqueous Solution)」製品安全性の解説書、第5巻−実験規定及び手順2001年10月28日有効、パートB(Product Safety Reference Manual, Book 5 -Laboratory Policies and Procedures Effective 2001-10-28 Part B):試験法欄、方法C−13、改訂内容#29によって求める。
【0101】
方法4.香料の漏れ(%)の測定手順
液体洗剤中の香料マイクロカプセルからの香料の漏れ(%)を求める場合、同濃度の遊離香料を有する(香料マイクロカプセルを有さない)液体洗剤の新たに調製した試料もまた、参照のために同時に分析しなければならない。
【0102】
1.内標準溶液の調製
−トナリド原液:トナリド70mgを秤量し、20mLのヘキサンp.a.を添加する
−内標準溶液:原液200μLを20mLのヘキサンp.a.に希釈する。
【0103】
−混合して均質化する
2.香料マイクロカプセルを有さない液体洗剤からの香料の抽出(基準)
−液体洗剤製品2gを抽出容器に秤量する
−エタノール2mL及び脱イオン水1mLを加える
−穏かに振盪して均質化する
−内標準溶液2mLを加え、容器を閉じる
−抽出容器を穏かに上下逆さまに20回(手で)ひっくり返すことによって香料を抽出する
−スプーンの先ほどの硫酸ナトリウムを加える
−層が分離した後、直ぐにヘキサン層をガスクロマトグラフのオートサンプラーバイアル瓶に移して、バイアル瓶に蓋をする
−スプリットレス(1.5μL)をガスクロマトグラフの注入口に注入する
−ガスクロマトグラフ−質量分析を実行する:デュラワックス−4(Durawax-4)(60m、ID 0.32mm、0.25μmフィルム)40℃/4℃/分/230℃/20’でガスクロマトグラフ分離する
3.香料マイクロカプセルを有する液体洗剤からの香料の抽出
−液体洗剤製品20gを50mLの遠心分離器容器に秤量する
−366.5rad/s(3500rpm)で5分間遠心分離する
−上部カプセル層と接触しないように、液層(下層)2gを採取する
−エタノール2mL及び脱イオン水1mLを加える
−穏かに振盪して均質化する
−内標準溶液2mLを加え、容器を閉じる
−抽出容器を穏かに上下逆さまに20回(手で)ひっくり返すことによって香料を抽出する
−スプーンの先ほどの硫酸ナトリウムを加える
−層を分離した後、直ぐにヘキサン層をガスクロマトグラフのオートサンプラーバイアル瓶に移して、バイアル瓶に蓋をする
−スプリットレス(1.5μL)をガスクロマトグラフの注入口に注入する
−ガスクロマトグラフ−質量分析を実行する:デュラワックス−4(Durawax-4)(60m、ID 0.32mm、0.25μmフィルム)40℃/4℃/分/230℃/20’でガスクロマトグラフ分離する
4.計算:個々の香料原材料当たりの、カプセルからの香料の漏れ
香料原材料capsの面積×内標準溶液refの面積×重量ref×100
香料の漏れ(%)=内標準溶液capsの面積×香料原材料refの面積×重量caps
【実施例】
【0104】
以下の通り、一連の実施例に基づいて本発明を更に詳述するが、本発明は、以下に挙げる実施例に限定されるものではない。以下の説明において、単位「重量%」及び「重量部」は、マイクロカプセル発明を指す場合、それぞれ「%」及び「部」と略す。
【0105】
(実施例1):メラミン樹脂膜/芳香剤マイクロカプセルの製造(現場重合法)
(A)カプセル封入材料(混合物)の調製:ミント芳香剤(高砂香料工業株式会社(Takasago International Corporation)製のX−7028、これは、ミントに関する全ての以降の言及にも当てはまる)75%と、パルミチン酸(融点:63℃)25%とを含む混合物を70℃で攪拌し、それによってパルミチン酸を芳香剤に溶解する。得られた混合物の融点範囲(T1〜T2)は5℃〜45℃である(視覚的に確認した)。混合物は、乳化前に凝固しないように55℃に保持する。
【0106】
(B)エマルション促進剤液体の調製:エチレン無水マレイン酸樹脂(モンサント社(Monsanto Company)製のスクリプセット−520(Scripset-520))15%と、水85%とを合わせて60℃で混合し、酢酸を用いてその混合物をpH4に調整する。
【0107】
(C)メラミン樹脂プレポリマー水溶液の調製:メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(住友化学株式会社(Sumitomo Chemical Co., Ltd.)製のスミレッツ樹脂(Sumirez Resin)615K)15%を水85%に60℃で溶解する。
【0108】
(D)カプセル化:上記エマルション促進剤液体(B)100部をTKホモミキサー・マークII 20(TK Homomixer Mark II 20)(特殊機化工業株式会社(Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.)製)を用いて60℃において314.2rad/s(3,000rpm)で攪拌し、上記カプセル封入材料(A)100部を加えて乳化し、その後、回転速度を徐々に上げて、733.0rad/s(7,000rpm)で30分間攪拌を行い、カプセル封入材料の油滴の平均粒径がレーザ回折粒径分析器SALD−3100(株式会社島津製作所(Shimadzu Corporation)製(この分析器は、その後の全ての粒径を測定するためにも使用される)で測定した場合に約3μmであるエマルションを得る。
【0109】
このエマルションに上記メラミン樹脂プレポリマー水溶液(C)50部を加え、2時間攪拌を続け、そうしてメラミン樹脂膜をカプセル封入材料の表面周辺に生じさせて、固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを形成する。
【0110】
(実施例2):メラミン樹脂膜/芳香剤マイクロカプセルの製造(現場重合法)
カプセル封入材料(A)は、ミント芳香剤75%とベヘニルアルコール(融点:70℃)25%とを75℃で混合し、それによってベヘニルアルコールを芳香剤に溶解して、混合物を形成することによって調製する。こうして得られた混合物の融点範囲は10℃〜50℃である。混合物は、乳化前に凝固しないように60℃で保持する。
【0111】
このカプセル封入材料(A)を用いること以外は、実施例1と同様の方法で、固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを調製する。
(実施例3):メラミン樹脂膜/芳香剤マイクロカプセルの製造(現場重合法)
カプセル封入材料(A)は、ミント芳香剤65%とパラフィンワックス(日本精蝋株式会社(Nippon Seiro Co., Ltd.)製のEMW−0003、融点:50℃)35%とを60℃で混合し、それによってパラフィンワックスを芳香剤に溶解して、混合物を形成することによって調製する。こうして得られた混合物の融点範囲は0℃〜40℃である。混合物は、乳化前に凝固しないように50℃で保持する。
【0112】
このカプセル封入材料(A)を用いること以外は、実施例1と同様の方法で、固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを調製する。
(実施例4):尿素−ホルマリン樹脂膜/芳香剤マイクロカプセルの製造(現場重合法)
尿素樹脂モノマー(試薬級、日産化学工業株式会社(Nissan Chemical Industries, Ltd.)製)10%と、レゾルシン樹脂モノマー(試薬級、三井化学株式会社(Mitsui Chemicals, Inc)製)2%と、エチレン無水マレイン酸樹脂(モンサント社(Monsanto Company)製のスクリプセット−520(Scripset-520))3%とを水85%に溶解し、酢酸を用いてこの溶液をpH3に調整する。
【0113】
こうして得られた水溶液50部を60℃に加熱し、実施例1と同じカプセル封入材料40部を加えて乳化し、平均粒径3μmの油滴が形成されるまで攪拌を約30分間行う。このエマルションに、ホルムアルデヒド10部を添加し、その後、2時間攪拌を続け、こうして尿素−ホルマリン樹脂をカプセル封入材料の表面周辺に生じさせて、固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを形成する。
【0114】
(実施例5):ゼラチン−アラビアゴム膜/芳香剤マイクロカプセルの製造(コアセルベーション法)
ゼラチン(新田ゼラチン株式会社(Nitta Gelatin Inc.)製のAPH)を水に溶解してゼラチン濃度3.6%の水溶液を生成し、酢酸を用いてこの溶液をpH6に調整する。この水溶液30部にアラビアゴム(試薬級、五協産業株式会社(Gokyo Trading Co., Ltd.)製)の3.6%水溶液25部を加え、それによってマイクロカプセル膜形成用の水溶液を調製する。この水溶液55部を約60℃に加熱し、pHを5に調整し、実施例1と同じカプセル封入材料40部を加えて乳化し、平均粒径約5μmの油滴が形成されるまで攪拌を続ける。
【0115】
得られたエマルション/分散液を10℃まで徐々に冷却し、こうしてカプセル封入材料の表面周辺にゼラチン−アラビアゴム高分子膜を生じさせる。次にグルタルアルデヒド(試薬級、ダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries, Ltd.)製)の25%水溶液5部を加え、高分子膜を硬化し、こうして固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを得る。
【0116】
比較例1:カプセル封入材料(A)をミント芳香剤100%に変更すること以外は、実施例1と同じ方法で、固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを調製する。
比較例2:カプセル封入材料(A)は、ミント芳香剤75%と、フタル酸(融点:234℃)25%とを240℃で混合し、それによってフタル酸をミント芳香剤に溶解して混合物を形成することによって調製する。こうして得られた混合物の融点範囲は60〜90℃である。混合物は、乳化前に凝固しないように、90℃以上に保持する。
【0117】
エマルション促進剤液体(B)の温度をできる限り高い温度(90℃以上)で保持しながら、実施例1と同じ方法でカプセル封入材料をカプセル化するための試みを行うが、乳化工程中に混合物が凝固し沈澱した。これは、エマルションが得られず、またカプセル化が完了できなかったことを表す。
【0118】
比較例3:カプセル封入材料(A)は、ミント芳香剤75%と、フタル酸ジエチル(固定剤、融点:−40℃)25%とを混合し、それによって液体混合物を形成することによって調製する。この混合物は、−20℃でも液体のままであった。この液体を用い、実施例1と同じ方法でマイクロカプセル化を行い、固体画分濃度が約40%のマイクロカプセルスラリーを得る。
【0119】
比較例4:カプセル化されていないミント芳香剤原液(100%)を比較のために用いる。
実施例1〜5並びに比較例1及び3で得られたマイクロカプセル、並びに比較例4からの芳香剤原液を用いて、以下の評価を行う。
【0120】
(1)カプセル化の達成可能性
カプセル化が可能な混合物は「A」と評価され、カプセル化が不可能な混合物は「C」と評価される。
【0121】
(2)印刷直後の芳香強度
得られたマイクロカプセルスラリー50部を水性バインダー(ヴォンディック(Vondic)1980NS、大日本インキ化学工業株式会社(Dainippon Ink and Chemicals, Incorporated)製の水分散型ウレタン樹脂、固体画分:45%)50部に加え、こうして水性スクリーンインクを形成する。
【0122】
このインクを、PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社(Teijin DuPont Films)製のテトロン(登録商標)、印刷表面積:3cm×3cm)から製造された100−メッシュスクリーン板を用いて高品質用紙に印刷した後、室温で24時間乾燥させる。
【0123】
各印刷物の表面を、指の爪を10回往復運動させることで軽く擦り、ミント芳香の強度を評価する。比較例4は単に芳香剤原液であるので、水性バインダーと混合できなかったため、原液の芳香が評価される。
【0124】
評価は、5人のパネリストの男女混合パネルを用いた官能評価で行う。印刷物を、徐々に鼻に近づけて、芳香を検出できる最長距離(cm)を測定した後、以下の評価基準に基づいて点をつける。12cm以上:5点(鼻から12cm以上離れていても芳香が検出できる)、9cm以上12cm未満:4点、6cm以上9cm未満:3点、3cm以上6cm未満:2点、0cm以上3cm未満:1点、そして接触しても(0cmでも)芳香が検出できない場合は0点。最高可能点は25点である。
【0125】
(3)印刷後、40℃で1週間そのままにした後の芳香強度
上記(2)からの各印刷物を、40℃で1週間放置した後、再度、印刷物の表面を、指の爪を10回往復運動させることで軽く擦り、上記(2)に記載したのと同じ方法でミント芳香の強度を評価する。
【0126】
(4)有機溶媒中での安定性
製造された各マイクロカプセルスラリーを、噴霧乾燥機を用いて粉末化し、マイクロカプセル粉末を得る。
【0127】
この粉末30部をトルエン70部に加え、混合物を密封容器内で25℃において1週間保管する。その後、トルエンは室温条件下で蒸発する。比較例4の場合、芳香剤原液30部をトルエン70部に直接添加する。
【0128】
蒸発後に残ったマイクロカプセルを、指の爪を10回往復運動させることで軽く擦ることによって破裂させ、上記(2)に記載したのと同じ方法で芳香の強度を評価する。
得られた結果を表1に示す。
【0129】
【表1】

【0130】
表1から分かるように、実施例1〜5のマイクロカプセルは、芳香剤の芳香を好ましく保持することが可能であった。これは、40℃の条件では、カプセル封入材料が半固体であり、芳香剤の揮発性を抑制できたためである。更に、マイクロカプセルはまた、外部相のトルエンとの相互作用も示さなかったため、安定した方式で混合することができる。
【0131】
対照的に、比較例1及び3のいずれにおいても、カプセル封入材料が液体であるため、それがメラミン樹脂膜内の微細な孔から徐々に漏れて、芳香が長期間にわたって保持できなかったことを表している。更に、有機溶媒中では、カプセル封入材料が液体であるため、トルエンとの相互溶解性を達成しようとする作用が、液体芳香剤を外部相へ引き出すものと考えられる。
【0132】
比較例4では、芳香剤原液は、トルエンの蒸発と同時に揮発した。
比較例3は、従来使用されていた固定剤を用いて芳香剤の揮発を抑制し、芳香の保持を延長する例を表している。典型的な固定剤の例としては、ベンジルアルコール(融点:15℃)、安息香酸ベンジル(融点:21℃)、トリエチレンシトレート(融点:−55℃)、及びジプロピレングリコール(融点:−40℃)が挙げられ、これらはいずれも、25℃未満の融点を有しており、これは、これらが−20〜60℃の範囲では半固体を形成できないことを表している。
【0133】
比較例2では、カプセル封入材料は、マイクロカプセル化の乳化工程中、液体のままである必要があったが、乳化促進剤液体とエマルションの両方の温度を、混合物の融点範囲の上限温度(T2=90℃)を超える温度で維持することができないことが証明されたため、マイクロカプセル化が達成できなかったと考えられる。
【0134】
実施例5に関する評価点は、実施例1〜4に関する評価点よりも低く、このことは、カプセル膜のゼラチン−アラビアゴムの気密性が、メラミン樹脂及び尿素−ホルマリン樹脂の両方の気密性よりも低いという事実を反映していると考えられる。ただし、実施例5の結果は、それでも比較例の結果よりも非常に優れている。
【0135】
消費者製品の実施例
次の定義は、以下に挙げる消費者製品の実施例で用いられる。以下に挙げる消費者製品の実施例はいずれも、本明細書において請求又は開示されるマイクロカプセルを1つ以上含んでもよい。
【0136】
【表2】

【0137】
(実施例#6):漂白用の高負荷(high duty)洗濯洗剤組成物を調製する。
【0138】
【表3−1】

【0139】
【表3−2】

【0140】
(実施例#7)
以下の洗濯組成物は、顆粒形態又は錠剤形態であることができ、本発明に従って調製される。
【0141】
【表4】

【0142】
(実施例#8):以下の顆粒洗剤を調製する。
【0143】
【表5】

【0144】
(実施例#9):「洗濯によって柔軟化」を提供する以下の顆粒布帛洗剤組成物を調製する。
【0145】
【表6】

【0146】
(実施例#10):以下の液体洗剤製剤を調製する。
【0147】
【表7】

【0148】
(実施例#11):「洗濯によって柔軟化」を提供する以下の液体洗剤組成物を調製する。
【0149】
【表8】

【0150】
(実施例#12):以下の濃縮液体洗剤製剤を調製する。
【0151】
【表9】

【0152】
(実施例#13):以下の濃縮/希釈液体柔軟仕上げ組成物を調製する。
【0153】
【表10】

【0154】
(実施例#14)以下のヘアコンディショナーを調製する。
【0155】
【表11】

【0156】
(実施例#15):以下のシャンプーを調製する。
【0157】
【表12】

【0158】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質と、前記揮発性物質よりも高い融点を有し、前記揮発性物質と相互に溶解することができる添加物とを含む混合物をカプセル封入するマイクロカプセルであって、前記混合物が融点範囲を示し、前記融点範囲の一部又は全てが−20℃〜60℃の範囲内にある、マイクロカプセル。
【請求項2】
前記添加物が、25℃〜200℃の範囲内の融点を有する化合物である、請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
前記添加物が、アルコール、カルボン酸、ヒドロキシ酸、及びパラフィンから成る群より選択される1つ以上の化合物である、請求項1又は2に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
前記混合物が、前記揮発性物質100重量部につき前記添加物を10〜200重量部を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
前記揮発性物質が芳香剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
前記揮発性物質と、前記揮発性物質よりも高い融点を有し、前記揮発性物質と相互に溶解することができる前記添加物とを含む前記混合物のエマルションを調製すること、及び前記エマルションに膜材料を添加し、重合を行い、それによって前記混合物をカプセル封入するマイクロカプセルを形成することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロカプセルを含む消費者製品。
【請求項8】
物品、表面及び/又は布帛を、請求項7に記載の消費者製品と接触させること、並びにその後任意に前記物品、表面及び/又は布帛を洗浄する及び/又はすすぎ洗いすることを含む、洗浄方法。

【公表番号】特表2009−509750(P2009−509750A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533556(P2008−533556)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/037609
【国際公開番号】WO2007/038570
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508093078)ザ・プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー (3)
【出願人】(000105305)ケミテック株式会社 (13)
【Fターム(参考)】