説明

マイクロディスペンサ及びマイクロディスペンサへの薬液充填方法

【課題】ディスペンサ本体内への薬液充填を簡便にすると共に薬液の一部が無駄に消費されるのを抑制する。
【解決手段】本体内に充填された薬液8を適量吐出するマイクロディスペンサであって、両端部が開口し、先端部1bがテーパ状に細くなったニードル管1と、ニードル管1内にその後端部1bの開口から挿入可能に形成され、両端部が開口し内部に薬液8を吸引するキャピラリ管2と、を備え、薬液8を吸引したキャピラリ管2を、その外周面2dとニードル管1の内周面1dとの間の隙間10が封止されるようにニードル管1内に挿入した状態で、ニードル管1及びキャピラリ管2の後端部1b,2bに一定圧のエアを同時に供給可能に形成されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内に充填された薬液を適量吐出するマイクロディスペンサに関し、特に本体内への薬液充填を簡便にすると共に薬液の一部が無駄に消費されるのを抑制しようとするマイクロディスペンサ及びマイクロディスペンサへの薬液充填方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロディスペンサは、例えば加熱軟化させたガラスパイプを引き伸ばして針先を針本体部よりも細い形状に形成したものとなっていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなマイクロディスペンサへの薬液充填は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の製造時に発生する種々のパターン欠陥を修正する作業の直前に、例えば、両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管の後端開口部を穴部に挿入させて保持するコネクタ部と、該コネクタ部の穴部に供給管によって接続され、ニードル管に充填するインクを貯留するインクタンクと、該インクタンクに圧縮空気を導入して、その空気圧によりインクタンク内のインクを、供給管を介してコネクタ部の穴部に所定量だけ送出する充填量調整部と、を備えた専用の薬液充填装置を使用して行われていた(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
したがって、このような専用の薬液充填装置を使用した薬液充填においては、例えばパターン欠陥の修正作業の直前に薬液をニードル管内に充填することができるので、薬液充填から薬液使用までの時間を短縮することができ、薬液材料が乾燥、凝集、反応といった経時的変性を起こし、薬液の塗布性能や修正部の各種性能が不安定になるという問題を解消することができるという利点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−068627号公報
【特許文献2】特開2009−189902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来のマイクロディスペンサにおいては、上述したように、コネクタ部の穴部にニードル管の後端開口部側を挿入して保持し、インクを貯留するインクタンク内に圧縮空気を導入し、その空気圧によりインクタンク内のインクをコネクタ部の穴部に供給管を介して所定量だけ送出し、ニードル管の後端開口部からニードル管内にインクを充填するようになっているため、薬液充填のための手順が煩雑で充填に時間がかかること、及びコネクタの穴部内及び供給管内に残った薬液が無駄になってしまうなどの欠点があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、ディスペンサ本体内への薬液充填を簡便にすると共に薬液の一部が無駄に消費されるのを抑制しようとするマイクロディスペンサ及びマイクロディスペンサへの薬液充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によるマイクロディスペンサは、本体内に充填された薬液を適量吐出するマイクロディスペンサであって、両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管と、前記ニードル管内にその後端部の開口から挿入可能に形成され、両端部が開口し内部に前記薬液を吸引するキャピラリ管と、を備え、前記薬液を吸引した前記キャピラリ管を、その外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間が封止されるように前記ニードル管内に挿入した状態で、前記ニードル管及び前記キャピラリ管の後端部に一定圧のエアを同時に供給可能に形成されたものである。
【0009】
このような構成により、両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管の後端部の開口から両端部が開口し内部に薬液を吸引したキャピラリ管を、その外周面とニードル管の内周面との間の隙間が封止されるようにニードル管内に挿入し、その状態でニードル管及びキャピラリ管の後端部に一定圧のエアを同時に供給してニードル管の先端部から薬液を適量吐出する。
【0010】
また、前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部側外周縁が前記ニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまで前記ニードル管内に挿入して行うものである。これにより、キャピラリ管の先端部側外周縁がニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまでニードル管内にキャピラリ管を挿入し、キャピラリ管の外周面とニードル管の内周面との間の隙間を封止する。
【0011】
さらに、前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部が前記ニードル管の先端部側に予め吐出された前記薬液に浸かるまで前記ニードル管内に挿入して行うものである。これにより、キャピラリ管の先端部がニードル管の先端部側に予め吐出された薬液に浸かるまでニードル管内にキャピラリ管を挿入し、キャピラリ管の外周面とニードル管の内周面との間の隙間を封止する。
【0012】
また、本発明によるマイクロディスペンサへの薬液充填方法は、両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管と、該ニードル管内にその後端部の開口から挿入可能に形成され、両端部が開口したキャピラリ管と、を備えたマイクロディスペンサへの薬液充填方法であって、前記キャプラリ管内に前記薬液を吸引し、前記薬液を吸引した前記キャピラリ管を、その外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間が封止されるように前記ニードル管内に挿入するものである。
【0013】
このような構成により、両端部が開口したキャピラリ管内に薬液を吸引し、両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管の後端部の開口からキャピラリ管を、その外周面とニードル管の内周面との間の隙間が封止されるようにニードル管内に挿入する。
【0014】
さらに、前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部側外周縁が前記ニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまで前記ニードル管内に挿入して行うものである。これにより、キャピラリ管の先端部側外周縁がニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまでニードル管内にキャピラリ管を挿入し、キャピラリ管の外周面とニードル管の内周面との間の隙間を封止する。
【0015】
そして、前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部が前記ニードル管の先端部側に予め吐出された前記薬液に浸かるまで前記ニードル管内に挿入して行うものである。これにより、キャピラリ管の先端部がニードル管の先端部側に予め吐出された薬液に浸かるまでニードル管内にキャピラリ管を挿入し、キャピラリ管の外周面とニードル管の内周面との間の隙間を封止する。
【0016】
また、前記ニードル管の先端部側に予め吐出された薬液は、前記薬液を充填した前記キャピラリ管を前記ニードル管内に挿入し、前記キャピラリ管の後端部に一定圧のエアを供給して前記薬液の一部を前記ニードル管の先端部側に吐出したものである。これにより、キャピラリ管の後端部に一定圧のエアを供給してキャピラリ管に充填された薬液の一部をニードル管の先端部側に予め吐出する。
【0017】
さらに、前記キャピラリ管内には、前記薬液を毛細管現象により吸引又は陰圧吸引するものである。これにより、薬液を毛細管現象により吸引又は陰圧吸引してキャピラリ管内に薬液を充填する。
【0018】
そして、前記ニードル管内への前記キャピラリ管の挿入は、前記ニードル管の後端部の外周面に外側から嵌合する穴部を形成し、該穴部の底面の中心部に前記穴部側から外方に向かってテーパ状に広がり、前記穴部側の内径が前記ニードル管の後端部の開口の内径と略等しい略逆円錐形の貫通孔を形成した治具を前記ニードル管の後端部側に装着し、前記治具の前記貫通孔の内壁に前記キャピラリ管の先端部側外周縁を沿わせて該キャピラリ管を前記ニードル管内に案内することによって行われるものである。これにより、ニードル管の後端部の外周面に外側から嵌合する穴部を形成し、該穴部の底面の中心部に穴部側から外方に向かってテーパ状に広がり、穴部側の内径がニードル管の後端部の開口の内径と略等しい略逆円錐形の貫通孔を形成した治具をニードル管の後端部側に装着し、治具の貫通孔の内壁にキャピラリ管の先端部側外周縁を沿わせてキャピラリ管をニードル管内に案内し、ニードル管内へキャピラリ管を挿入する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1又は4に係る発明によれば、薬液を貯留したボトルから直接吸引又は適量取り出した容器から吸引することによりキャピラリ管内に薬液を充填し、これをニードル管内に挿入するだけでよいので、従来技術のような専用の充填装置を使用することなく行なうことができ薬液充填が簡便になる。また、ニードル管内への薬液充填に必要な薬液総量を減らすことができ、薬液の一部が無駄に消費されるのを抑制することができる。したがって、ニードル管内への薬液の充填コストを低減することができる。
【0020】
また、請求項2又は5に係る発明によれば、キャピラリ管を、その先端部側外周縁がニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまでニードル管内に挿入するだけで、キャピラリ管の外周面とニードル管の内周面との間の隙間を封止することができる。したがって、ニードル管及びキャピラリ管の後端部に一定圧のエアを同時に供給することによって、キャプラリ管内の薬液をニードル管の先端部から安定して吐出することができる。
【0021】
さらに、請求項3又は6に係る発明によれば、キャピラリ管を、その先端部がニードル管の先端部側に予め吐出された薬液に浸かるまでニードル管内に挿入するだけで、キャピラリ管の外周面とニードル管の内周面との間の隙間を封止することができる。したがって、ニードル管及びキャピラリ管の後端部に一定圧のエアを同時に供給することによって、キャプラリ管内の薬液をニードル管の先端部から安定して吐出することができる。
【0022】
また、請求項7に係る発明によれば、ニードル管の先端部側に予め吐出された薬液は、キャピラリ管をニードル管内に挿入する際に、キャピラリ管内に充填された薬液の一部を吐出すればよいので、ニードル管内への薬液の充填作業が単純化されて薬液充填を容易に行なうことができる。
【0023】
さらに、請求項8に係る発明によれば、キャピラリ管内への薬液の吸引を容易に行なうことができる。
【0024】
そして、請求項9に係る発明によれば、ニードル管内へのキャピラリ管の挿入を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によるマイクロディスペンサの実施形態を示す中心線断面図である。
【図2】本発明によるマイクロディスペンサの接続部材を示し、(a)は正面図、(b)はニードル管とエア供給パイプの接続状態を示す説明図である。
【図3】本発明によるマイクロディスペンサのキャプラリ管内への薬液の吸引手順を示す説明図である。
【図4】本発明によるマイクロディスペンサへの薬液充填方法を示す説明図である。
【図5】本発明によるマイクロディスペンサの薬液吐出を示す説明図であり、(a)はニードル管内へのキャプラリ管挿入状態の良い例で、(b)は悪い例である。
【図6】上記ニードル管内へのキャプラリ管挿入時に使用する治具の一構成例を示す中心線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるマイクロディスペンサの実施形態を示す中心線断面図である。このマイクロディスペンサは、本体内に充填された薬液を適量吐出するもので、ニードル管1と、キャピラリ管2と、接続部材3と、を備えて成る。
【0027】
上記ニードル管1は、両端部が開口し、先端部1a側がテーパ状に細くなったものであり、例えば内径が0.7mm〜0.8mm程度のガラスパイプの一部を加熱軟化させて引き伸ばし、針先が本体部よりも細い形状、例えば内径が数μm〜数十μmとなるように形成されている。また、先端部1aから後端部1bまでの長さは、約58mmに形成されている。
【0028】
上記ニードル管1内には、キャピラリ管2が設けられている。このキャピラリ管2は、先端部2aの開口から薬液を毛細管現象により吸引又はスポイトを使用して陰圧吸引して内部に保持するものであり、上記ニードル管1内にその後端部1bの開口から挿入可能に、ニードル管1の内径よりも外径が小さく両端部が開口したガラスパイプにより形成されており、その外周面2dとニードル管1の内周面1dとの間の隙間10が封止されるようにニードル管2内に挿入されている。また、キャピラリ管2は、内径が約0.2mm〜約0.3mmで全長が約50mmに形成され、約6μl〜約7μlの薬液を充填することができるようになっている。
【0029】
上記ニードル管1の後端部1b側には、接続部材3が設けられている。この接続部材3は、後述のエア供給パイプ6(図2参照)とニードル管1とを接続するもので、弾性を有する例えばシリコンゴムからなり、図2(a)に示すように、端面3aから内部に向かって内径がテーパ状に小さくなった穴部4を形成し、該穴部4の底面部4aに外部に連通する貫通孔5を形成し、同図(b)に示すように、上記穴部4によってニードル管1の後端部1b側の外周面1cに外側から密着状態に嵌合し、上記貫通孔5によってエア供給パイプ6の端部の外周面6aに外側から密着状態に嵌合してニードル管1とエア供給パイプ6とを接続するようになっている。これにより、ニードル管1及びキャピラリ管2の後端部1b,2bにエア供給管6を介して一定圧のエアを同時に供給し、キャピラリ管2内の薬液をニードル管1の先端部1a側に押出してニードル管1の先端部1aから適量吐出することが可能となる。
【0030】
次に、このように構成されたマイクロディスペンサへの薬液充填方法について説明する。
先ず、マイクロディスペンサを使用した、例えばパターン欠陥の修正作業の直前に、図3(a)に示すように、図示省略のボトルから一定の大きさの容器7に薬液8を適量だけ取り出す。
【0031】
次に、図3(b)に示すように、キャピラリ管2の先端部2a側を容器7内の薬液8に浸けて一定時間保持する。これにより、薬液8が毛細管現象により吸引されてキャピラリ管2内に充填される。又は、同図(c)に示すように、キャピラリ管2の後端部2b側にスポイト9を取り付けてこのスポイト9により薬液8を陰圧吸引してもよい。
【0032】
薬液8を吸引したキャピラリ管2は、図4(a)に示すようにニードル管1の後端部1bの開口から同図において矢印方向にニードル管1内に挿入される。このとき、キャピラリ管2は、同図(b)に拡大して示すように、その先端部2a側の外周縁2cがニードル管1の内周面1dの内径の細くなった部分に突き当たるまで挿入される。
【0033】
又は、図4(c)に示すように、キャピラリ管2は、その先端部2aがニードル管1の先端部1a側に予め吐出された薬液8に浸かるまで挿入するようにしてもよい。この場合、ニードル管1の先端部1a側に予め吐出された薬液8は、薬液8を充填したキャピラリ管2の後端部2bに例えばスポイト9を取り付け、キャピラリ管2の先端部2a側をニードル管1内に挿入した状態で、スポイト9を押してキャピラリ管2の後端部2bに一定圧のエアを供給し、薬液8の一部をニードル管1の先端部1a側に吐出するとよい。
【0034】
キャピラリ管2を上述のようにニードル管1内に挿入することにより、キャピラリ管2の外周面2dとニードル管1の内周面1dとの間の隙間10が封止されてマイクロディスペンサへの薬液8の充填が完了する。
【0035】
このような状態において、ニードル管1及びキャピラリ管2の後端部1b,2bに一定圧のエアを同時に供給した場合、キャピラリ管2内の薬液8には、図5(a)に示すような矢印A方向の圧力がかかり、薬液8はキャピラリ管2内からニードル管1の先端部1a側に押出され、さらにニードル管1の先端部1aから適量吐出される。
【0036】
一方、キャピラリ管2の外周面2dとニードル管1の内周面1dとの間の隙間10が封止されていない場合には、ニードル管1及びキャピラリ管2の後端部1b,2bに一定圧のエアを同時に供給しても、エア圧は、図5(b)に示すように上記隙間10を通してキャピラリ管2の先端部2a側にも後端部2b側と同じように作用するため(矢印A,B参照)、キャピラリ管2内の薬液8をニードル管1の先端部1a側に押出すことができない。
【0037】
したがって、キャピラリ管2内の薬液8をニードル管1の先端部1a側に押出せるようにするには、本発明のようにキャピラリ管2を、その外周面2dとニードル管1の内周面1dとの間の隙間10が封止されるようにニードル管1内に挿入することが必要である。
【0038】
なお、容器7内に残った薬液8は、薬液8を貯留するボトルに戻すようにするとよい。又は、薬液8を小分けしたボトルからキャピラリ管2内に直接吸引してもよい。これにより、薬液8の一部が無駄に消費されるのを抑制することができる。
【0039】
また、キャピラリ管2の外周面2dに紫外線の透過を遮断する膜を形成してもよい。これにより、薬液8が紫外線に感光するものである場合に、キャピラリ管2内の薬液8が紫外線に感光して変性するのを防止することができ、取り扱いが容易になる。
【0040】
さらに、ニードル管1内にキャピラリ管2を挿入する際に、図6に示すような、ニードル管1の後端部1b側の外周面1cに外側から嵌合する穴部11を形成し、該穴部11の底面11aの中心部に穴部11側から外方に向かってテーパ状に広がり、穴部11側の内径がニードル管1の後端部1bの開口の径と略等しい略逆円錐形の貫通孔12を形成した治具13をニードル管1の後端部1b側に着脱可能に装着し、貫通孔12の内壁12aにキャピラリ管2の先端部2a側の外周縁2cを沿わせてニードル管1内に案内するようにすればキャピラリ管2の挿入が容易になる。
【符号の説明】
【0041】
1…ニードル管
1a…ニードル管の先端部
1b…ニードル管の後端部
1c…ニードル管の外周面
1d…ニードル管の内周面
2…キャピラリ管
2a…キャピラリ管の先端部
2b…キャピラリ管の後端部
2c…キャピラリ管の先端部側外周縁
2d…キャピラリ管の外周面
8…薬液
10…隙間
11…穴部
11a…穴部の底面
12…貫通孔
12a…貫通孔の内壁
13…治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に充填された薬液を適量吐出するマイクロディスペンサであって、
両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管と、
前記ニードル管内にその後端部の開口から挿入可能に形成され、両端部が開口し内部に前記薬液を吸引するキャピラリ管と、を備え、
前記薬液を吸引した前記キャピラリ管を、その外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間が封止されるように前記ニードル管内に挿入した状態で、前記ニードル管及び前記キャピラリ管の後端部に一定圧のエアを同時に供給可能に形成されたことを特徴とするマイクロディスペンサ。
【請求項2】
前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部側外周縁が前記ニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまで前記ニードル管内に挿入して行うことを特徴とする請求項1記載のマイクロディスペンサ。
【請求項3】
前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部が前記ニードル管の先端部側に予め吐出された前記薬液に浸かるまで前記ニードル管内に挿入して行うことを特徴とする請求項1記載のマイクロディスペンサ。
【請求項4】
両端部が開口し、先端部がテーパ状に細くなったニードル管と、該ニードル管内にその後端部の開口から挿入可能に形成され、両端部が開口したキャピラリ管と、を備えたマイクロディスペンサへの薬液充填方法であって、
前記キャプラリ管内に前記薬液を吸引し、
前記薬液を吸引した前記キャピラリ管を、その外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間が封止されるように前記ニードル管内に挿入する、
ことを特徴とするマイクロディスペンサへの薬液充填方法。
【請求項5】
前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部側外周縁が前記ニードル管の内周面の内径の細くなった部分に突き当たるまで前記ニードル管内に挿入して行うことを特徴とする請求項4記載のマイクロディスペンサへの薬液充填方法。
【請求項6】
前記キャピラリ管の外周面と前記ニードル管の内周面との間の隙間の封止は、前記キャピラリ管を、その先端部が前記ニードル管の先端部側に予め吐出された前記薬液に浸かるまで前記ニードル管内に挿入して行うことを特徴とする請求項4記載のマイクロディスペンサへの薬液充填方法。
【請求項7】
前記ニードル管の先端部側に予め吐出された薬液は、前記薬液を充填した前記キャピラリ管を前記ニードル管内に挿入し、前記キャピラリ管の後端部に一定圧のエアを供給して前記薬液の一部を前記ニードル管の先端部側に吐出したものであることを特徴とする請求項6記載のマイクロディスペンサへの薬液充填方法。
【請求項8】
前記キャピラリ管内には、前記薬液を毛細管現象により吸引又は陰圧吸引することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のマイクロディスペンサへの薬液充填方法。
【請求項9】
前記ニードル管内への前記キャピラリ管の挿入は、前記ニードル管の後端部の外周面に外側から嵌合する穴部を形成し、該穴部の底面の中心部に前記穴部側から外方に向かってテーパ状に広がり、前記穴部側の内径が前記ニードル管の後端部の開口の内径と略等しい略逆円錐形の貫通孔を形成した治具を前記ニードル管の後端部側に装着し、前記治具の前記貫通孔の内壁に前記キャピラリ管の先端部側外周縁を沿わせて前記ニードル管内に案内することによって行われることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のマイクロディスペンサへの薬液充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−91074(P2012−91074A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238129(P2010−238129)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(500171707)株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Fターム(参考)】