説明

マイクロバブル発生装置

【課題】マイクロバブルの径を自動的に調整するようにしたマイクロバブル発生装置を提供する。
【解決手段】マイクロバブル発生装置100は、バブル発生構造体1の先端側外周部に設置され、微細気泡(マイクロバブル)によって発生した振動を検出するセンサ部7と、センサ部7で検出された振動によってバブル発生構造体1に供給する空気の量を調整し、発生させる微細気泡の径を適宜変更できる制御部9と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状流体中に微細気泡(マイクロバブル)を生成するマイクロバブル発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液状流体中に微細気泡(以下、マイクロバブルと称する)を生成するマイクロバブル発生装置が存在している。
【0003】
そのようなものとして、「液状流体が一端から他端へ通過できる流路を有するケーシングと、前記液状流体を前記流路の他端へ向けて加速する加速手段と、前記ケーシングに気体を導入する気液混合手段とを備えるマイクロバブル発生器であって、前記加速手段は、前記ケーシングを前記液状流体が通過する軸流方向に交差する方向から、前記ケーシングの流路に前記液状流体を導入する導入口と、前記ケーシングの一端から他端へ向うに従い前記流路の断面積を絞るスロート部を形成したコーン形部と、前記スロート部に前記軸流方向に変位自在に設けられ、前記スロート部を通過する前記液状流体を規制する弁体と、前記コーン形部に接続され、前記ケーシングの他端に向うに従い前記流路の断面積が広がる末広ノズル部と、を備えるマイクロバブル発生器」が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、「バルブの端部にマイクロバブル発生部を設け、このバルブの弁体開度に応じて一次側流入量を変化させた液体を前記マイクロバブル発生部に流入させ、それによって生じるマイクロバブル発生部内の負圧の増減に対応させて空気の取入量を変えてバブル径とバブル量の双方或は一方を適宜に調整するようにしたマイクロバブル発生装置」が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
これらのマイクロバブル発生装置は、液体に気体(空気)を取り入れて液状流体とし、マイクロバブルを生成する手段を有し、特に排出口近くに成形されている弁体の開閉によって、均一的なマイクロバブルを常時得るようにしたものである。特許文献1に記載の技術は、液状流体中に弁体を用いて、この弁体を開閉することで任意のマイクロバブルを得ているものである。特許文献2に記載の技術は、液状流体中に外部ポンプで強制的に空気を流入させてマイクロバブルを得ているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−023435号公報(第1図等)
【特許文献2】特開2010−000420号公報(弟1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び特許文献2に記載されているいずれの技術も、一定の径を有するマイクロバブルを常時得ようとするもので有り、手動で対応したものである。換言すれば、必要なバブル径を事前に得るための手動的なマイクロバブル発生装置と言える物である。つまりは、何らかの外乱によってマイクロバブルの径が変動したとしても、調整を行う意図が使用者にない限り、弁体の開閉度及びポンプ流量などを調整することはできないことになっている。
【0008】
このように、従来は、一定の径を有するマイクロバブルを常時得るための構造であり、接触及び非接触に関わらず、マイクロバブルの状態を物理的な数値として検知することは不可能であった。つまり、従来は、一定の径を有するマイクロバブルを得るための手段は、殆どが使用者の目視判断及び使用者の手動によってマイクロバブルの径の調整が行われていた。
【0009】
したがって、調整を行う意図が使用者にない限り、マイクロバブルの径を調整することはできない(実施しない)ことになり、マイクロバブルの状態が理想ではない状態でマイクロバブルの放射が行われていた。つまり、マイクロバブルの径の調整は、使用者に依存するようになっており、マイクロバブルの状態を理想の状態にしようとするのであれば、使用者が継続的に監視、調整しなければならず、使用者負担が非常に増加してしまっていた。また、弁体の開度によっては、水流に影響を与えてしまうことがあり、必要な水流が得られなかったり、逆に装置そのもののある部分を破砕してしまったりなど、品質的な問題が生じてしまうこともあった。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、マイクロバブルの径を自動的に調整するようにしたマイクロバブル発生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るマイクロバブル発生装置は、液体及び気体を取り入れ、これらが混ぜ合わさった液状流体を内部で高速旋回させるバブル発生構造体を備え、前記バブル発生構造体の先端部分から微細気泡を放出するマイクロバブル発生装置において、前記バブル発生構造体の先端側外周部に設置され、微細気泡によって発生した振動を検出するセンサ部と、前記センサ部で検出された前記振動に応じて前記バブル発生構造体に供給する気体の量を調整し、発生させる微細気泡の径を変更する制御部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るマイクロバブル発生装置によれば、マイクロバブルの径を自動的に調整することができる。したがって、本発明に係るマイクロバブル発生装置によれば、所望の径を有するマイクロバブルを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマイクロバブル発生装置の構成を模式的に示す一部断面構造図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るマイクロバブル発生装置のセンサ部で検出した信号を制御部でFFT処理した周波数特性例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るマイクロバブル発生装置100の構成を模式的に示す一部断面構造図である。図2は、マイクロバブル発生装置100のセンサ部7で検出した信号を制御部9でFFT処理した周波数特性例を示す図である。図1及び図2に基づいて、マイクロバブル発生装置100について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0015】
マイクロバブル発生装置100は、マイクロバブルの径を自動的に調整し、所望のバブル径を有するマイクロバブルを生成するものである。このマイクロバブル発生装置100は、バブル発生構造体1と、水流取入口5と、空気流入口6と、センサ部7と、外部弁部8と、制御部9と、スイッチ(選択手段)50と、を有している。
【0016】
バブル発生構造体1は、内部に円筒形状の旋回室2が形成されている。旋回室2の上流側に位置する側面(紙面左側の側面)には、任意の傾斜角度で傾斜している傾流面3が設置されている。この傾流面3は、後述する水流放射口11から放射された水と空気が混ぜ合わさった状態の流体(以下、液状流体と称する)を衝突させ、液状流体を旋回室2の軸方向の流れに変更させるものである。なお、傾流面3は、バブル発生構造体1の内壁面を傾斜させて構成してもよく、バブル発生構造体1とは別部材を取り付けて構成してもよい。また、液体が水、気体が空気である場合を例に説明するが、液体及び気体を特に限定するものではない。
【0017】
旋回室2は、流路断面が上流側(傾流面3側)から下流側に行くに従って徐々に縮径されるように傾斜され、最小開口部10で最も径が小さくなるように絞られている。つまり、旋回室2は、テーパー形状に形成されている。そして、旋回室2の最小開口部10よりも下流側には、せん断室4が形成されている。つまり、せん断室4の入口径と最小開口部10の開口径は、同等の径になっている。そして、せん断室4は、流路断面が下流側に行くに従って徐々に拡径するように形成されている。
【0018】
バブル発生構造体1の最下流部分(せん断室4)は、その端部側の面(せん断室4の壁面)が下流側に行くに従って拡径していくようになっており、下流に向かって徐々に開口面積が広がっていく任意の開口面積Aを有した「すり鉢状」の形状を成している。なお、ここでは、バブル発生構造体1と、旋回室2と、せん断室4とが一体的に形成されている状態を例に示している。ただし、それぞれ別体のバブル発生構造体1と、旋回室2と、せん断室4とを組み合わせて形成してもよい。
【0019】
水流取入口5は、バブル発生構造体1(傾流面3を含めたバブル発生構造体1)を貫通し、傾流面3の任意の位置に備えられている。この水流取入口5は、旋回室2に水等の液体を供給するものである。水流取入口5は、傾流面3に近づくに伴い細くなり、傾流面3に合体する部分で最も絞られた形状となっている。つまり、水流取入口5は、下流に向かって流路断面積が小さくなるようになっており、傾流面3と合体、つまり傾流面3を貫通する部分で流路断面積が最も小さくなっている。そして、この最も絞った部分が水流放射口11であり、傾流面3に対して水流を噴出するための噴射開口面12を有している。
【0020】
また、バブル発生構造体1の外部であって水流取入口5の任意位置には、外部から自然又は強制的に空気を取り入れるための空気流入口6が接続されている。つまり、水流取入口5は、空気流入口6を介して流入された空気が混合された状態で液体を旋回室2に供給するようになっている。さらに、空気流入口6の上流側の任意位置には、空気の取入量を制御するための外部弁部8が設置されている。つまり、外部弁部8の開度(開閉も含む)が制御されることで、空気流入口6に取り入れる空気の量を調整するようになっている。
【0021】
なお、外部弁部8の弁開閉手段は特に限定しない。たとえば、ステッピングモーター駆動式で空気流入口6を流れる空気の流量を制御してもよく、開閉を含め、開度が調整できる二方弁や三方弁等で空気流入口6を流れる空気の流量を制御してもよい。
【0022】
次に、マイクロバブル発生装置100のマイクロバブルの発生動作について簡単に説明する。図示省略のポンプなどの回転力を利用して液体(水)を加圧して、水流取入口5に導き、液体を送り出すとき、水流取入口5の内部ではポンプの作用によって圧力が加わった水流が発生している。さらに、水流取入口5には空気流入口6から空気が取り込まれており、水流取入口5で水と空気が混ぜ合わされる。水と空気が混ぜ合わさった状態の液状流体は、水流取入口5の噴射開口面12から、高い圧力を維持したままの状態で傾流面3に対して放射される。
【0023】
傾流面3に対して放射された液状流体は、傾流面3に衝突し、旋回室2の軸方向に向かった流れに変更される。そして、旋回室2に放射された液状流体は、旋回室2の中で回転しながら、最小開口部10に向かって進んでいく。最小開口部10では、液状流体が最も高速で回転しており、次のせん断室4に圧力を伴って一斉に放射される。このときに、空気が水から引きちぎられ、マイクロバブルが形成される。このマイクロバブルは、バブル発生構造体1の先端開口部(せん断室4の下流側開口部)から外部に向けて放射されることになる。
【0024】
この時に発生するマイクロバブルのバブル径は、バブル発生構造体1よりも上流側に設置している空気流入口6から取り込む空気量と相まって決定される。そこで、空気流入口6から取り込む空気量を調整するために、マイクロバブル発生装置100には以下の構造体(センサ部7、振動導波部15)が装着されている。また、マイクロバブル発生装置100には、センサ部7を介して電送される信号に基づいて、外部弁部8の開度を制御する制御部9が設けられている。この制御部9には、図示省略の周波数解析部(FFT部:高速フーリエ変換部)が一構成要素として設けられている。
【0025】
バブル発生構造体1の外周面にはセンサ部7が設置されている。このセンサ部7は、たとえば速度、加速度、変位などのいずれか、又は3種の形態信号全てを取り扱えるものであればよい。センサ部7には振動導波部15が接続されている。振動導波部15は、センサ部7と対になるように設置されている。振動導波部15は、バブル発生構造体1の最小開口部10の略近傍に装着されている。たとえば、バブル発生構造体1の側壁内部に埋没するように振動導波部15を装着するとよい。この振動導波部15は、空気が水に引きちぎられてマイクロバブルが発生すると同時に、発生したマイクロバブルが最小開口部10とせん断室4の壁面にぶつかって発生する「バブルの振動」を検出するものである。
【0026】
振動導波部15で検出された「バブルの振動」が、以下に説明する制御に必要な物理量として使用される。つまり、振動導波部15で検出された「バブルの振動」が、センサ部7によって信号(時間−電圧信号)に変換され、以下に説明する制御部9に送られ、制御に必要な物理量として使用されるのである。
【0027】
振動導波部15で検出された「バブルの振動」は、センサ部7を介して制御部9に時間−電圧信号として伝送される。制御部9は、受け取った時間−電圧信号を周波数解析部で周波数分析する。周波数分析した結果の一例を図2に示している。図2では、縦軸が振動レベルを、横軸が周波数(Hz)を、それぞれ示している。
【0028】
バブル内に含まれる空気量が多い場合、バブル径は大きくなる。そのときに発生する「バブルの振動」は、低い周波数帯域にピーク性を有する周波数成分(F1)として検出される。逆に、バブル内に含まれる空気量が少ない場合又は空気が強力に圧縮された場合、バブル径は小さくなる。そのときに発生する「バブルの振動」は、前記F1よりも高い周波数帯域にピーク性を有する周波数成分(F2)として検出される。つまり、検出した周波数成分のピーク性を用いることで、マイクロバブル径の大きさを分析/確認することができる。なお、基準となる所定の周波数成分を予め設定しておき、この基準周波数成分との比較で周波数の高い、低いを分析するとよい。
【0029】
そして、制御部9は、分析したピーク性の周波数をモニターし、得たいマイクロバブルを含むバブル径を、外部弁部8の開度を制御することで自在に変化させることが可能になっている。たとえば、次のような制御によって、得たいバブル径を有するマイクロバブルを創生することができる。
【0030】
(1)バブル径一定制御
水流取入口5に導かれる水の量や外部環境(たとえば、水温など)で、バブル発生構造体1で発生するマイクロバブルを含むバブル径が変化してしまうことがある。外部環境の変動によっては、所望のマイクロバブルが得られないという事態の発生も考えられる。センサ部7で検出したバブル径に応じた「バブルの振動」を分析することによって、上述したようにバブル発生状態が確認できる。
【0031】
事前に、任意の寸法に成形したバブル発生構造体1で発生するマイクロバブル又はバブルそのものの径に応じて発生する理想的な「バブル振動」のピーク性を有する周波数成分を「正」として記憶しておく。そうすれば、何らかの環境要因により、「正」とした「バブル振動」による周波数成分と異なる周波数成分が検出された場合、所望のバブル径が得られていないと分析することが可能になる。そして、制御部9は、「正」とした数値と異なると判断した場合、その比較判断した結果に基づいてフィードバック制御処理し、外部弁部8の開度を調整する。こうすることで、所望としているバブル径を有するマイクロバブルを得ることが可能となる。なお、外部弁部8は、必要に応じて、手動での制御も可能にしておいてもよい。
【0032】
(2)バブル径リアルタイム制御(ユーザーの所望に併せてバブル径をリアルタイムで変更できる制御)
マイクロバブルは、血流促進による温浴効果発現、たとえば浴槽タブや浴槽配管内の洗浄や殺菌などに効果を発揮する。また、マイクロバブルよりも大きなバブル径は、たとえば浴槽内を白濁化することができ、見た目から来る「癒し」などの効果を発揮する。さらに、たとえば、浴槽に浸かっている時に、更に大きな径を有するバブルを発生すると、泡による振動で体全体が「痩せる」などの生体活性効果が期待できる。そこで、マイクロバブル発生装置100では、ユーザーが所望するバブル径を、用途に合わせて選択することが可能になっている。
【0033】
マイクロバブル発生装置100には、ユーザーからの指示を受け付けるスイッチ50が設けられている。このスイッチ50は、制御部9に電気的に接続されている。つまり、ユーザーは、所望のバブル径をスイッチ50を介して任意に選択できる。所望のバブル径を発生させたい場合、またはバブル径を変更したい場合、ユーザーはスイッチ50を介して任意のバブル径を選択すればよい。そして、バブル径の発生状態はセンサ部7で検出されているので、制御部9で周波数分析しながら外部弁部8をリアルタイム制御することができる。
【0034】
このようにすることで、バブルの発生状態をリアルタイムで確認しつつ、ユーザーが選択した所望のバブル径が検出された時点での外部弁部8の開度の状態を常に維持するように制御動作させることができ、ユーザーが選択した所望のバブル径を確実に得ることができる。なお、スイッチ50は、ユーザーからの指示を受け付けることができるものであればよく、構成を特に限定するものではない。
【0035】
以上のようにマイクロバブル発生装置100によれば、バブル発生構造体1を流れる液状流体が水温変化などの外乱を受けてマイクロバブルのバブル径が変動したとしても、変動要因が振動周波数として検出され、その周波数が必要なバブル径を得られない周波数に変化したと分析した場合に、必要なバブル径が得られるように外部弁部8の開度を自動的に制御して、必要なバブル径を瞬時に得ることが可能になっている。
【0036】
また、マイクロバブル発生装置100によれば、設置環境下においてユーザーが任意のバブル径を選択した際、その選択されたバブル径に応じて、発生させるバブル径を変化させる必要が生じた場合には、そのバブル径に応じて外部弁部8の開度を調整することで、ユーザーが選択したバブル径を瞬時に安定して自動的に得ることが可能になっている。つまり、必要な振動特性を有する周波数成分が検出されたところで外部弁部8の開度の状態を維持して、ユーザーが選択したバブル径を創生することが可能になっているのである。また、常に「バブル振動」を測定/分析処理(モニタリング)することで、外部弁部8の開度制御にフィードバックすることで安定したバブル径を常に得ることができるようになっている。
【0037】
なお、実施の形態で示したセンサ部7については、「バブルの振動」の速度、加速度、変位等どの信号を検出してもよいし、それのうちのいくつかを検出してもよい。また、センサ部7の構成材料も、圧電材料やピエゾ材料など特別な材料選定の必要はない。また、実施の形態1では、接触式のセンサを例に説明したが、これに限定するものではなく、光や音を利用した非接触のセンサでも同等の効果を発揮できる。
【0038】
また、バブル発生構造体1の構成内容によっては、図2に示すバブル径に伴うピーク周波数の数値は変化する。ただし、バブル径の大小に伴うピーク周波数の値そのものが入れ替わることはなく、バブル径が小さい場合よりもバブル径が大きい場合の方がピーク周波数の値は低い周波数帯域に発生することに変化はない。
【符号の説明】
【0039】
1 バブル発生構造体、2 旋回室、3 傾流面、4 せん断室、4A せん断室、5 水流取入口、6 空気流入口(気体流入口)、7 センサ部、8 外部弁部、9 制御部、10 最小開口部、11 水流放射口、12 噴射開口面、15 振動導波部、
100 マイクロバブル発生装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体及び気体を取り入れ、これらが混ぜ合わさった液状流体を内部で高速旋回させるバブル発生構造体を備え、前記バブル発生構造体の先端部分から微細気泡を放出するマイクロバブル発生装置において、
前記バブル発生構造体の先端側外周部に設置され、微細気泡によって発生した振動を検出するセンサ部と、
前記センサ部で検出された前記振動に応じて前記バブル発生構造体に供給する気体の量を調整し、発生させる微細気泡の径を変更する制御部と、を備えた
ことを特徴とするマイクロバブル発生装置。
【請求項2】
前記バブル発生構造体は、
流路断面が下流側に向けて縮径し、前記液状流体を高速旋回させる旋回室と、
前記旋回室の上流側に位置し、任意の傾斜角度で傾斜している傾流面と、
前記旋回室の下流側に位置し、最も径が小さい最小開口部と、
前記最小開口部を介して前記旋回室と連通し、流路断面が下流に向けて拡径するせん断室と、で構成されており、
前記旋回室には外部から液体を取り入れるための水流取入口が連結されており、
前記水流取入口には外部から気体を取り入れるための気体流入口が連結されており、
前記気体流入口には気体の取入量を制御するための外部弁部が設けられており、
前記制御部は、
前記外部弁部の開度を制御することにより、前記バブル発生構造体に供給する気体の量を調整している
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロバブル発生装置。
【請求項3】
前記水流取入口は、
前記傾流面を貫通するように設けられており、
前記傾流面に対して水流を噴出する
ことを特徴とする請求項2に記載のマイクロバブル発生装置。
【請求項4】
前記センサ部は、
微細気泡によって発生した振動の、速度、加速度、及び変位の少なくとも1つを検出するものである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロバブル発生装置。
【請求項5】
微細気泡の径を選択できる選択手段を設け、
前記制御部は、
前記選択手段からの信号に応じて前記外部弁部の開度を制御するとともに、発生させた微細気泡が前記選択手段で選択された径になっているかどうかを確認し、その結果に基づいて前記外部弁部の開度を更に制御する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロバブル発生装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記センサ部で検出された信号をFFT分析する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロバブル発生装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−107043(P2013−107043A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254324(P2011−254324)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】