説明

マイクロプリンティングによる印刷システム、方法、及び製品

本発明は、銀行小切手等の文書の印刷に関する。本発明のいろいろな態様によると、マイクロプリントを有する印刷システム、プロセス、及び製品が提供される。前記のように印刷された文書は、デジタル的に可変なマイクロプリントとその他のエンハンスメントを含む。本発明は、画質改善されたセキュリティ文書とその作成に特に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機能を有する、銀行小切手等の文書の印刷に関する。
[発明の背景]
【0002】
ある種の文書(例えば、銀行小切手等)に関連する詐欺は、古くからあるよく知られた問題である。問題としては、改ざん、偽造、及び(偽造の一部である)コピーなどがある。詐欺の防止策として、いろいろな対策とそれに付随する技術が開発されている。例えば、複雑なデザイン、マイクロプリンティング、カラーシフティングインク、蛍光インク、透かし、蛍光糸、カラー糸、セキュリティストリップ、ホログラム、ファイルプリンティング、その他がある。
【0003】
マイクロテキストは、小切手表面の署名ラインまたはボックスの形で使われることが多いセキュリティ機能である。例えば、1ポイント以下のテキストは、肉眼(enhanced eye)では単純な線のように見えるが、少し拡大すると読むことができる。印刷する文字のサイズが小さいので、リソグラフィで印刷されるテキストに限定されている。リソグラフィで印刷されたマイクロテキストは、詐欺者がマイクロテキストの存在を知らなかったり、非常に小さいテキストを印刷するのに十分な技術を有していなかったりすれば、偽造詐欺に対する防止策となる。リソテキスト(litho text)はその制作方法故に本質的に静的である。マイクロテキストは、元のテキストが小さくて読むことが不可能でなくても困難である場合、少なくともある程度は、コピーに対する防止策となる。しかし、既知の電子写真印刷システムで印刷したマイクロプリントは、十分読み取りやすいとは言えない。
【0004】
さらに、マイクロテキストは、現在実用化されているところでは、例えば、受取人及び/または金額の改ざんに対しては、防止策となったとしてもほとんど有効ではない。第1に、リソグラフィ印刷プロセスにおいて他の要素が静的であれば、情報は静的である。第2に、リソグラフィの要素は、文書を変更する目的でそれを取り除く困難さは、可変のトナー画像から取り除く困難さとは少なくとも異なり、より強固である。マイクロテキストを損なわずにそのマイクロテキストからトナーを取り除くことは可能である。
[発明の詳細な説明]
【0005】
図1と図2を参照して、印刷機10は、光伝導性ベルト18等の可動電子写真画像化部材を含む。この光導電性ベルト18は、複数のローラその他の支持部21aないし21gにより動かされている。ローラその他の支持部21aないし21gは、その1つ以上がモータにより駆動されており、ベルトを進める。例として、ローラ21aがモータ20により駆動されているとして図示した。モータ20は、印刷装置10の一連のワークステーションを通過して矢印Pで示した方向に、例えば毎秒20インチ以上の高速でベルトを進めることが好ましい。あるいは、ベルト18は、単一のドラムの回りに巻き付けて固定されていてもよく、またはドラムであってもよい。
【0006】
印刷装置10は、コントローラまたは論理制御部(LCU)24を含む。これは印刷装置10内のワークステーションを順次駆動し、印刷装置10及びそのサブシステムを全体的に制御する、格納プログラムにより動作するデジタルコンピュータまたはマイクロプロセッサであることが好ましい。またLCU24は、いろいろなセンサやエンコーダからの信号に応答して、印刷装置10を閉ループ制御するようにプログラムされている。プロセス制御の態様については、米国特許第6,121,986号に記載されており、ここに参照援用する。
【0007】
印刷装置10の主チャージ部28は、ベルト18の表面18aに、所定の主電圧をかけた高電圧チャージワイヤから一様な静電コロナチャージを行うことにより、ベルト18に感光性を与える。チャージ部28の出力はプログラマブル電圧コントローラ30により安定化されている。プログラマブル電圧コントローラ30は、LCU24により制御され、例えば、グリッドの電位を制御して、それによりコロナ放電の動きを制御することにより、この主電圧を調節する。ブラシやローラ等その他の形体のチャージャを使用してもよい。
【0008】
印刷装置10の露光ステーション34は、書込部34aからベルト18に光を照射する。この光は、光導電ベルト18上の静電荷を消して、コピーまたは印刷すべき文書の静電潜像を形成する。書込部34aは、発光ダイオード(LED)の配列として構成されていることが好ましいが、レーザまたは空間的光モジュレータ等の他の光源でもよい。書込部34aは、以下に説明するやり方で、安定化した強さで、ベルト18の個々の画像要素(ピクセル)を露光する。露光により光導電体の選択されたピクセルが放電され、光導電体上の局在化した電圧パターンが印刷すべき画像と対応する。画像は、文字、言葉、テキストや、その他のグラフィックス、写真等を含む、物理的な光のパターンである。画像には、文書のページの画像等、1つ以上の画像が含まれていてもよい。1つの画像を複数のセグメント、オブジェクト、または構造に分割してもよい。このセグメント、オブジェクト、構造はそれぞれが画像である。画像のセグメント、オブジェクト、または構造は、その画像全体以下のいかなる大きさであってもよい。
【0009】
印刷すべき画像データは、画像データソース36により提供される。この画像データソース36は、画像を画成するデジタルデータを提供できる装置である。このようなタイプの装置にはいろいろあるが、例えば、コンピュータ、マイクロコンピュータ、コンピュータワークステーション、スキャナ、デジタルカメラなどである。これらのデータは、プリンタにより露光される各ピクセルの位置と強さを表す。データ源36からの信号は、LCU24からの制御信号と共に、ラスター画像プロセッサ(RIP)37に供給される。デジタル画像(書式設定されたテキストを含む)は、RIP37により、ページ記述言語(PDL)の形式から電子写真プリンタ用のシリアル命令シーケンスに変換される。このプロセスは一般に「リッピング」として知られ、マーキング画像プロセッサ(MIP)38として知られる画像記憶読み出しシステムにリッピングされた画像を提供する。
【0010】
一般に、RIP37の主要な役割は以下の通りである:サーバからのジョブ情報の受信;印刷ジョブからのヘッダの解析及びそのジョブの印刷と仕上げの決定;PDL(ページ記述言語)を分析してヘッダに記載されていないジョブまたはページ要求への反映;ジョブ要求とマーキングエンジン構成間の摩擦の解消(すなわち、RIP時間ミスマッチ解消);アカウンティング記録とエラーログの保存及びこの情報の要求に応じた提供;画像転送要求のマーキングエンジンへの送信;PDL(ページ記述言語)から印刷用ラスターへの翻訳;及びユーザアプリケーション間の診断通信のサポート。RIPは、ポストスクリプト、PDF、PCL等のページ記述言語(PDL)の形式の印刷ジョブを受け付け、マーキングエンジンが受け付けられる形式であるラスターに変換する。RIPが受け取るPDLファイルは、ユーザが使用するホストコンピュータ上で作成されたように文書のレイアウトを記述する。この変換プロセスはラスター化と呼ばれる。RIPは、その文書が記述されているPDLに基づき、その文書を以下に処理するかを決定する。この決定は、文書の最初の2Kを見て決定される。ジョブマネージャは、イーサネット(登録商標)を解してMSS(マーキングサブシステムサービス)にジョブ情報を送り、その文書の残りをさらにRIPに送りラスター化する。明りょうにするため、文書ヘッダには、ジョブをステープルするか複写するかを示すプリンタ特有の情報を含む。インタープリターの1つにより文書がラスターに変換されると、ラスターデータはRTS(ラスター転送サービス)を介してMIP38に行く。これによりデータがIDB(画像データバス)を介して転送される。
【0011】
MIP機能は、光学式コピー機の再循環フィーダを代替する。つまり、再スキャンが必要なジョブであっても画像を機械的に再スキャンする必要はなく、画像はMIPから電子的に読み出され、再スキャンプロセスを代替する。MIPはデジタル画像入力を受け付け、限定された時間だけそれを格納して、必要に応じてそれを読み出してジョブを完了する。MIPは、RIPから受信したデジタル画像入力を格納するメモリを有する。画像は、MIPメモリに格納されると、繰り返しメモリから読み出され、描画回路に出力される。与えられた数の画像を格納するのに必要なメモリ量は、画像を圧縮することにより減らせる。よって、画像はMIPメモリ記憶に先立ち圧縮され、次に、MIPメモリから読み出される時に解凍される。
【0012】
MIPの出力は、画像描画回路39に送られる。画像描画回路39は、画像を改変し、改変した画像を書き込みインターフェイス32(あるいは、書き込みヘッド、印刷ヘッドとして知られている)に送る。この書き込みインターフェイス32は、光導電体18等の露光媒体に露光パラメータを送る。
【0013】
露光後、露光媒体ベルト18の帯電潜像を形成された部分は現像部35に移動する。現像部35は、ベルト18に並置された磁気ブラシを含む。磁気ブラシ現像部は本技術分野において周知であり、多くのアプリケーションで好ましく使用される。あるいは、他の既知のタイプの現像部または装置を用いてもよい。複数の色や異なる物理特性のトナーで画像を現像するために、複数の現像部35を設けてもよい。このプロセスを4つのトナーカラー(例えば、黒、シアン、マゼンタ、黄色)のそれぞれに対してこのプロセスを利用することにより、フルプロセス・カラー電子写真印刷を実行することができる。
【0014】
ベルト18の画像が形成された部分が現像部35に到達すると、LCU24は、ベルト18に対してバックアップローラまたはバー35aを動かして磁気ブラシに接触または近接させて、現像部35を選択的に駆動して、ベルト18にトナーを付着させる。あるいは、磁気ブラシはベルト18方向に動かされ、ベルト18と選択的に接触する。いずれの場合にも、磁気ブラシ上の帯電したトナー粒子は、ベルト18上にある潜像パターンに選択的に引き寄せられ、その画像パターンを現像する。露光された光導電体が現像部を通過する時、光導電体のピクセル位置にトナーが付着され、その結果、印刷すべき画像に対応するトナーパターンが光導電体上に現れる。本技術分野で知られているように、導電アプリケータシリンダ等の現像部35の導電体部分は、電極として動作するようにバイアスされる。電極は、LCU24の制御に応じてプログラマブル電圧コントローラ40により安定化された、いろいろな供給電圧に接続されている。現像プロセスはそのLCU24により制御される。
【0015】
現像部35は、トナーとキャリア粒子のドライミクスチャを含む2成分現像剤ミックスを含む。一般的に、キャリアは保持力が高い(硬磁性)フェライト粒子を含むことが好ましい。例として、キャリア粒子は約30μの体積加重直径(volume-weighted diameter)を有する。ドライトナー粒子は非常に小さく、体積加重直径で6μないし15μのオーダーである。現像部35は、シェル内に回転可能磁気コアを有するアプリケータを含む。そのシェルは、モータまたはその他の好適な駆動手段により回転駆動可能であってもよい。コアとシェルの相対的な回転により、電場中の現像領域を現像剤が移動する。現像の際にトナーは静電気により光導電ベルト18に選択的に付着して、その静電画像を現像し、キャリア材料は現像部35に残る。トナーは静電画像の現像により現像部からなくなるので、トナーオーガー42によりトナーを現像部35に定期的に追加して、キャリア粒子とミックスし、現像ミクスチャの量を一定にする。この現像ミクスチャはいろいろな現像制御プロセスに従って制御される。単一成分現像部及び従来の液体トナー現像部を使用することもできる。
【0016】
印刷装置10の転送部46は、レシーバシートSを動かして光導電ベルト18に接触させ、現像画像を転送してレシーバシートSに記録する。レシーバシートSは、印刷装置10が取り扱える普通紙、コート紙、プラスチック、その他の媒体である。一般的に、転送部46は、ベルト18からレシーバシートSにトナー粒子を静電気によりバイアスをかけて動かす帯電装置を含んでいる。この例において、バイアス装置はローラ46bであり、このローラ46bはシートSの背面に接触し、プログラマブル電圧コントローラ46aに接続されている。電圧コントローラ46aは、転送中、一定の電流モードで動作する。あるいは、画像を中間部材に転送してから、その画像をレシーバシートSに転送してもよい。トナー画像をレシーバシートSに転送した後、シートSをベルト18から外し、フューザ部49に送る。画像は、フューザ部49で、一般的には熱と圧力をかけてシートSに固定される。あるいは、画像は転送時点でシートSに固定される。
【0017】
クリーニング部48は、例えばブラシ、ブレード、ウェブ等であり、転送部46の後ろにあり、ベルト18から残留トナーを削除する。クリーニングを補助するプリクリーンチャージャ(図示せず)をクリーニング部48またはその前に置いてもよい。クリーニング後、ベルト18のこの部分に再帯電及び再露光をすることができる。もちろん、ベルト18の他の部分が印刷装置10のいろいろなワークステーションに同時に位置して、印刷プロセスを実質的に連続的に実行できるようにしてもよい。
【0018】
LCU24は装置全体とそのいろいろなサブシステムを制御することは周知である。LCU24は、一般的に、一時的なデータ記憶メモリ、中央処理装置(CPU)、タイミング及びサイクル制御部を有し、記憶されたプログラムにより制御される。データ入出力はプログラム制御により順次実行される。入力データは、入力信号バッファまたはインターラプト信号プロセッサを介して入力データプロセッサに送られる。入力データは、印刷装置10の内部にある種々のスイッチ、センサ、アナログ・デジタルコンバータを含む。または、入力データは、人間のユーザやネットワーク制御等である、印刷装置10の外部信号源から受信される。LCU24からの出力データ及び制御信号は、好適な出力ドライバに直接または記憶ラッチを介して送られ、次に印刷装置10内の適当なサブシステムに送られる。
【0019】
プロセス制御ストラテジは、一般的に、いろいろなセンサを利用して、電子写真プロセスのリアルタイム閉ループ制御を提供し、ユーザの観点から、印刷装置10が「一定の」画像品質の出力をするようにする。電子写真印刷では写真プリンタの外部環境の変化と、動作中に時間の経過によって起こるプリンタの動作状態の変化(レスト/ラン効果)とを考慮するリアルタイムプロセス制御が必要である。プロセス制御を要する重要な環境状態パラメータは、相対湿度である。相対湿度の変化は、トナー粒子のチャージ対質量比Q/mに影響するからである。比Q/mは、現像中に光導電体に付着するトナー密度を直接決定するので、結果として得られる画像の密度に直接影響する。時間の経過により生じるシステムの変化には、印刷ヘッド(露光部)のエージングによる変化、トナーの消費につれてトナー中の磁気キャリア粒子の凝縮の変化、主チャージャ要素の機械的位置の変化、光導電体のエージング、電子部品及び光導電体の製造誤差、パワーオン後にプリンタがウォームアップする状態の変化、トナーに帯電する摩擦電気、電子写真プロセス状態のその他の変化などがある。これらの影響及び電子写真印刷の解像度の高さにより、プロセス制御方法は非常に複雑になってしまった。
【0020】
プロセス制御センサは濃度計76である。この濃度計76は、LCU24の制御の下に、光導電ベルト18の非画像領域に露光されて現像されたテストパッチをモニターする。濃度計76は、赤外または可視光LEDを含む。このLEDは、ベルトを通して光を照射するか、または濃度計76のフォトダイオード上にベルトにより反射される。これらの階調付けされたテストパッチは、最高密度といろいろな中間密度でトナー密度レベルを変化させて露光される。そのため、パッチにおける実際のトナー密度をいろいろな制御電圧と信号により示された所望のトナー密度と比較することができる。これらの濃度計による測定を使って、主帯電電圧Vo、最大露光強度Eo、及び現像部電極バイアスVBを制御する。また、トナー充填制御信号値またはトナー集中設定点値のプロセス制御は、印刷装置10のプロセス制御の正確性を高めるため、トナー帯電が低いために生じるダストや中空文字形成を防止し、トナー帯電が高いために生じるブレークダウンや転送斑を防止するレベルに帯電対質量比Q/mを維持する。階調づけしたテストパッチをベルト18のフレーム間領域に形成して、印刷出力スループットを下げることなく、プロセス制御をリアルタイムで実行することができる。印刷装置10のプロセスパラメータをモニターするのに有用な他のセンサは、ベルト18の動きの方向Pに対して、コロナ帯電部28の下流側に設置された電気メータプローブ50である。電気メータの例は、米国特許第5,956,544号に記載されており、ここに参照援用する。
【0021】
電子写真印刷プロセスに対する他のアプローチを用いてもよい。例えば、国際公開第WO02/10860A1号及び第WO02/14957A1号に記載されたものがある。両者とも共通の出願人に譲渡され、ここに参照援用する。
【0022】
ラスター画像処理は、所望の画像を作成するために使用したコンピュータアプリケーションにより精製されたページ記述で始まる。ラスター画像プロセッサは、このページ記述を解釈してオブジェクトの表示リストを求める。この表示リストは、印刷すべきテキスト及び非テキストオブジェクトそれぞれの記述子を含んでいる。記述子は、各テキスト文字、そのフォント、及びページ上におけるその位置を指定する。例えば、書式を指定されたテキストを有するワープロ文書のコンテンツは、RIPによりシリアルプリンタ命令に翻訳される。その命令は、2値のモノクロプリンタの場合、ピクセルが黒か白かを示すビットを各ピクセル位置に対して含んでいる。2値印刷とは、画像がピクセルのデジタル配列に変換され、各ピクセルにはそれに割り当てられた値を有し、すべてのピクセルのデジタル値が1か0のいずれかである、2つの数字のみによって表されることを意味する。このような場合のデジタル画像は2値画像として知られている。代替的に、複数ビット画像は、ピクセルに割り当てられる数字の可能性が2つより多いピクセルのデジタル配列により表される。RIPは、印刷すべきページの「contone(連続階調)」バイトマップに表示リストを書き込む。この連続階調バイトマップは、印刷すべき各色について、1つの濃度レベル(1バイトマップ表示の場合、一般的に8ビットすなわち1バイト)で印刷すべきページ上の各ピクセル位置を表す。白黒のテキストは、一般的に、文字内の各ピクセルに対してフル濃度値(8ビット表示の場合、255)により表される。バイトマップは、一般的に、プリンタが使用するより多くの情報を含んでいる。最後に、RIPはバイトマップをプリンタが使用するビットマップにラスター化する。中間階調濃度は、特に印刷すべき画像オブジェクトの場合、バイトマップに中間階調「スクリーン」を適用することにより作られる。プリプレス調節は、例えば、結果として得られる画像のコントラストを調節するための、適用する中間階調スクリーンの選択を含む。
【0023】
グレイスケールプリントヘッドを有する電子写真プリンタも知られており、国際公開第WO01/89194A2号に記載されている。これはここに参照援用する。この公開公報に記載されているように、レンダリングアルゴリズムが隣接するピクセルを隣接セルの組みにグループ分けする。各セルは、印刷する画像の中間階調ドットに対応する。グレイトーンは、セル中の各ピクセルの露光レベルを高くしたり、プリントヘッド中の対応するLEDをオンにしておく時間を長くしたり、セル中の隣接ピクセルに露光を「成長」させたりすることにより、印刷する。
【0024】
リッピングは、使用するプリンタの書き込み特性をプリンタビットマップの作成で考慮する点で、プリンタごとに決まる。例えば、ピクセルサイズ(dpi)とコントラスト解像度(contoneバイトマップのビット深さ)の両方におけるプリンタの解像度により、contoneバイトマップが決まる。上で留意したように、プリンタのコントラスト性能を用いてプリプレスにおいて、適当な中間階調スクリーンを選択することができる。よって、RIPレンダリングは、印刷すべき画像データに、プリンタ自体の属性を組み込む。
【0025】
RIP出力におけるプリンタの特異性により、RIP出力が異なる電子写真プリンタに転送された場合、問題が発生する。そのような問題の1つは、印刷された画像が、元のRIPを実行したプリンタで印刷されるだろう画像よりも暗いか明るくなることである。場合によっては、元の画像データは、新しいプリンタのための色調調整がされる他のRIPで再処理するためには利用できない。
【0026】
ドライトナーを用いて静電画像を現像するプロセスは、本技術分野において周知である。「エレクトログラフィック(electrographic)プリンタ」という用語は、光導電体を使わないイオノグラフィック(ionographic)プリンタ及びコピー機だけでなく、光導電体エレメントを利用する電子写真プリンタとコピー機を含むものである。エレクトログラフィックプリンタに関して説明するが、デジタル的に可変なマイクロプリンティングに好適なプリンタや印刷パントグラフで本発明を実施してもよい。
【0027】
エレクトログラフィックプリンタは、一般的には、レジンの顔料であるトナー粒子、磁気キャリア粒子、その他の成分よりなる、2以上の成分を有する現像剤を使用する。現像剤はエレクトログラフィック画像化部材上に担われた静電画像により近くに移動する。そこでは、紙に移されて最終的な画像を作る前に、現像剤のトナー成分が画像化部材に移される。現像剤は、多くの場合、画像化部材と平行して回転するローラである電気的にバイアスされた導電トナーシェルにより、画像化部材の近くに移動し、画像化部材とトナーシェルの対向する表面は同じ方向に動く。複数の磁石を有する多極磁気コアがトナーシェルに隣接して配置される。この多極磁気コアは、トナーシェルに対して固定されていてもよいし、トナーシェルとは反対の方向に回転していてもよい。現像剤がトナーシェルに入れられ、トナーシェルがその現像剤を回転させて、画像化部材に近づけ、画像化部材とトナーシェルが最も近くなる位置にする。この位置は「トナーニップ(toning nip)」と呼ばれている。
【0028】
ここで図3を参照する。図3には、現像部35の一実施形態を示した。現像部35は、磁気ブラシ54と、回転シェル58と、硬磁性キャリアとトナーのミクスチャ56(ここでは「現像剤」と呼ぶ)と、回転シェル58の内側にある回転している複数の磁石60とを有する。図1のバックアップ構造35aは、バッカーバー52のペアとして構成されている。磁気ブラシ54は、米国特許第4,473,029号及び第4,546,060号に記載された原理に従って動作する。これらの文献の内容は、ここで参照援用する。米国特許第4,546,060号の2成分ドライ現像剤は、帯電したトナー粒子と、反対電荷に帯電した磁気キャリア粒子を含む。これらは、(a)少なくとも300ガウスの保持力により特徴付けられる、「硬」磁性特性を示す磁性材料を含み、(b)100ガウスの印加磁場中で少なくとも20EMU/gmの誘導磁場モーメントを示す。上記の‘060特許に記載したように、現像剤は、静電画像を現像する回転可能磁気コアと外部の磁化しないシェルを含む磁気アプリケータとともに使用する。硬磁気キャリア粒子を使用する場合、回転するコアアプリケータから発する連続した磁場にさらされることにより、粒子がひっくり返り動いてそれぞれの新しい磁場内で磁化がそろう。それぞれのフリップ(flip)には、さらに、粒子の磁気モーメントと磁性材料の保持力の両方の結果として、回転コアの動きと反対の方向に、各粒子の急激な円周ステップが伴う。その結果として、‘060特許の現像剤は、コアが反対方向に回転する間、シェルの回りをなめらかに速いレートで流れ、光導電体に新しいトナーを素早く供給し、大量のコピー及びプリンタのアプリケーションを容易にする。
【0029】
図1と3の静電画像部材18は、シート状のフィルムとして構成されている。しかし、静電画像部材18は、アプリケーションに応じて、ドラム等の他の方法で構成してもよい。フィルム状の静電画像化部材12は、比較的弾力があり、一般的にはテンションをかけられている。シェル18に対して画像化部材を所望の位置に保持するバッカーバー52のペアが設けられる。
【0030】
本発明のさらに別の態様によると、本プロセスは、静電画像化部材18を部材速度64で動かし、シェル58を静電画像化部材18と隣接して部材速度64と同方向にシェル表面速度66で回転させる。シェル58と磁極60が硬磁気キャリアとトナーのミクスチャ56を静電画像化部材18と接触させる。ミクスチャ56は、Lで示した長さで、静電画像化部材18と接触する。静電画像化部材は電気的に接地62されおり、接地面を画成する。シェル58に面した静電画像化部材の表面は、光導電体であるが、プロセスのこの時点では電気的には絶縁体であるとして扱うことができる。接地された対向するシェルは電気的に導電体である。グランド62に対して電圧Vでシェルをバイアスすることにより、一様なトナー濃度で静電画像にトナー粒子を引きつける電場を生じる。その電場は、シェル58が静電画像部材18と隣接するところで最大となる。トナーセットポイントは、米国特許第6,526,247号に記載されているように、最適化される。この文献の内容はここに参照援用する。磁気コアは14個の磁石を有し、最大磁場強度は950ガウスであり、最小磁場強度は850ガウスである。毎分110ページの速度では、リボンブレンダは355RPMで回転し、トナーシェルは129.1RPMで回転し、磁気コアは1141RPMで回転する。毎分150ページの速度では、リボンブレンダは484RPMで回転し、トナーシェルは176RPMで回転し、磁気コアは1555.9RPMで回転する。
【0031】
質量速度(バルク速度とも呼ぶ)は、米国特許出願公報第2002/0168200A1に記載されたような流れ特性を有する。この文献の内容はここに参照援用する。一実施形態において、現像剤は、画像化部材の方向に画像現像領域を通って動き、その現像剤質量速度は画像化部材速度より約37%高い。別の実施形態において、現像剤の質量速度は画像化部材速度より約50%速い。さらに別の実施形態において、現像剤の質量速度は画像化部材速度より約75%速い。さらに別の実施形態において、現像剤の質量速度は画像化部材速度より約90%速い。さらに別の実施形態において、現像剤の質量速度は画像化部材速度の40%から130%の間であり、好ましくは画像化部材速度の90%から110%の間である。別の実施形態において、現像剤の質量速度は実質的に画像化部材速度と同じである。
【0032】
トナー粒子は、MICR(磁気インク特性認識)トナー粒子を含む。好適なMICRトナーは、米国特許第6,610,451号(発明の名称「DEVELOPMENT SYSTEMS FOR MAGNETIC TONERS HAVING REDUCED MAGNETIC LOADINGS」)に記載されている。このMICRトナーは、重量で約23%の酸化鉄と約8%のオレフィン系ワックスを含み、シリカで表面処理している。この6,610,451号特許はここに参照援用する。ポリメチルメタクリル酸エステルによる表面処理を実施してもよい。これは、例えば、日本国東京都のSoken Chemical & Engineering Co.,Ltd.のカタログ番号MP1201や、フロリダ州サラソタ市のEsprix Technologiesにより市販されている。キャリア粒子は、ポリメチルメタクリル酸エステルをコーティングしたSrFe12O19でもよい。Aerosizer粒子サイズ測定装置(ミネソタ州ショアビュー市のTSI Incorporated社)を用いて測定したところ、体積平均直径は20.5ミクロンであった(キャリア剤を10回生産したところσ=0.7ミクロンであった)。好適なキャリアは、Lake Shore振動サンプル磁力計(オハイオ州ウェストビル市のLake Shore Cryotronics, Inc.)で測定したところ、保持力が2050ガウス、飽和磁化が55emu/g、残留磁気32emu/gであった。本発明はMICRトナーに限定されない。
【0033】
本発明の実施においては、他のトナーも好適である。例えば、本発明を限定するものではないが、ポリエステルベーストナーやスチレンアクリルポリマーベースのトナーを実施してもよい。これらは、公開された米国特許出願第2003/0073017号、第2003/0013032号、第2003/0027068号、第2003/0049552号に記載されており、また、未公開の特許出願第10/460,528号(2003年6月12日出願、発明の名称「Electrophotographic Toner and Developer with Humidity Stability」)、第10/460,514号(2003年6月12日出願、発明の名称「Electrophotographic Toner with Uniformly Dispersed Wax」)にも記載されている。
【0034】
言うまでもなく、一般に「アクセントカラー」と呼ばれる、上記のようにプリンタで使用するのに好適ないかなるポリマー、または「プロセスカラー」に好適なポリマーで作った色つきトナーを本発明の実施に使用してもよい。「アクセントカラー」という用語は、一般的にその色自体を印刷するために使用される(黒以外の)色つきトナーを示し、一方、「プロセスカラー」という用語は、多くの場合、元の色とは異なる視覚的印象を与えるために組み合わせて使用する(黒以外の)色つきトナーを指す。マーキングは1つ以上のプロセスカラートナーを用いた印刷を含んでもよい。プロセスカラートナーは、明らかに、アクセントカラートナーと同様に、単一のトナーとして使用できる。さらに、本発明は、紫外線または赤外線の放射に敏感な色素を含み、それらの放射にさらされたとき蛍光を発するクリアトナーまたはカラートナーの使用も含む。実施例が米国特許第5,385,803号、第5,554,480号、第5,824,447号、第6,664,017号、及び第6,673,500号に開示されている。
【0035】
ここで図5、6、7を参照して、マイクロテキスト印刷に好適なフォントの例を3つ提示する。フォントは、メモリ中で電子的に画成されるピクセルの配列またはパターンからなる。各ピクセルは、印刷した時に1インチの約600分の1である(600dpi)。もちろん、800dpiや1200dpi等の他の印刷解像度においても、本発明を実施することができる。図4、5、6には、印刷媒体上にマーキングするピクセルが特定されており、特定されたもの以外のピクセルはマーキングされない。フォントを印刷すると、マークされたピクセルはにじんだり少なくとも隣接するマークされていないピクセルに部分的に重なり、可読な2ポイント以下の文字が描画される。(1ポイントは通常1/72インチであり、印刷業界では周知である。)本発明の別の態様によると、1ポイント以下の文字を描画できる。「可読な」とは、一般的には、例えば、低倍率で拡大することが好ましいが、その文字を人間が読むことができることを意味する。「文字」は、例えば、英語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、フランス語等の英数字の文字を含み、アルファベットと数字を含む。「文字」には、例えば、日本語や中国語の文字等である、人間が読み取れる東洋の文字も含む。
【0036】
文字は、実施において所望されるように、文書、支払人、受領人、小切手の金額等の情報であるがこれには限定されない、人間が読んで理解することができる情報を担う文字列として構成されることもある。
【0037】
さらに図4、5、6を参照して、配列100、200、または300は、ピクセル102、202、または302がマーキングされ、これらのピクセル102、202、302と隣接する他のピクセル104、204、304はマーキングされない。前記ピクセル102、202、302に対応するレシーバ上の領域と前記他のピクセル104、204、304に対応する前記レシーバ上の他の領域とを少なくとも部分的にマーキングすることにより、前記レシーバ上に読み取り可能な2ポイント以下の文字を描画する。本発明の別の態様によると、1ポイント以下の文字を描画できる。レシーバは、紙シート、プラスチックシート、静電画像化部材18等である。本発明のさまざまな態様によると、高さが0.028インチ(2/72インチ)以下であり、0.014インチ(1/72インチ)以下である可読な英数字を印刷することができる。600dpiにおいて、図4のフォントの高さは通常0.008インチであり、図6のマークされたフォントの高さは通常0.012インチである。隣接するピクセルへのにじみと重なりマーキングにより、図4のマークされたフォントの高さは約0.011インチであり、図6のマークされたフォントの高さは約0.014インチである。これは静電画像化部材18の露光に少なくとも部分的に依存する。これについては以下に説明する。マークされたフォントの高さは名目上の高さよりも小さい。
【0038】
ここで図7を参照して、文字Dの配列100は、ピクセル102とその他のピクセル104とを含む。図8は、レシーバ上に描画された文字Dのグラフィカルな表示である。領域106はピクセル102に対応し、他の領域108はピクセル104に対応する。領域106は、ピクセル102に対応し、図8に示したように、完全にマークされることが好ましい。
【0039】
図4、5、6の文字は、水平に並んだ単一ピクセルのラインと、垂直に並んだ単一ピクセルのラインと、単一ピクセルの対角線上のラインと、孤立したピクセルとから構成されている(例えば、図4の文字K参照)。文字は、このように、ピクセル102に隣接した他のピクセル104の部分的なマーキングを予想して、マーキング後の可読な文字ができるように構成される。図7で文字Dの例で示したように、ピクセル102の垂直ラインと水平ラインは、互いに隣接する他のピクセル104に干渉する。上と下の水平ラインは、それぞれ文字の右側にある垂直ラインの上部と下部と干渉する。マーキングされない干渉する他のピクセル104の一方は、上の水平ラインと右の垂直ラインと互いに隣接しており、他方は、下の水平ラインと右の垂直ラインと互いに隣接している。図8に例示したように、可読な文字Dが描画される。文字KとMの例を図9−12に示した。
【0040】
ここで図13を参照して、本発明の一態様によるパントグラフ302を含む文書300が示されている。文書300のコピー304には「VOID(無効)」という言葉が現れている。その目的は文書300をコピーしないようにすることである。本技術分野においてパントグラフを作るいろいろなパターンと方法が知られており、本発明を特定のタイプのパントグラフに限定するつもりはない。図13の拡大部に示したように、パントグラフ302は細かい破線または点線で構成されている。肉眼には一様なトーンで表れるように(一定トーン濃度)、テキスト領域内で、ダッシュまたはドットの頻度と大きさがバックグラウンドに対して変化している。コピーをした時、テキスト領域内の頻度が高いより小さい構造は一体となってラインになる。こうしてテキストが前面に出て、容易に視認することができる。
【0041】
図13から明らかなように、パントグラフはオリジナル上のパターンであって、そのオリジナルをコピーした時に視認できるようになるものである。パントグラフは、文書によって変わらない、「VOID」、「COPY」、「UNAUTHORIZED」等の静的な情報である。また、パントグラフは、印刷の際に文書ごとに変わる可変情報を含んでいてもよい。ここで図14を参照して、いろいろな情報306は、例えば受取人や小切手の金額等、文書ごとの情報である。改変された小切手の元の金額は、それをコピーすることにより簡単に判断できる。特定の範囲で配布するために文書を印刷することが多い。文書の受取人名等の管理情報を有する可変データパントグラフを埋め込むことにより、コピーされた文書をオリジナルに簡単にトレースすることができる。可変データパントグラフを用いてタンデムで使用する可変データマイクロ印刷により、文書のセキュリティを強化することができる。
【0042】
図4−14のパターンは、1つか2つのピクセルオブジェクトまたはラインにより構成される。米国仮出願第60/526,466号(発明の名称「POST RIP IMAGE RENDERING FOR MICROPRINTING」、出願日2003年12月3日、発明者Gregory G. Rombola, Thomas J. Foster, and John F. Crichton)によると、これらのオブジェクトまたはラインの密度を他のピクセルに対して制御する。この文献の内容はここに参照援用する。グレイレベル機能を有する書込部を用いて、ピクセルに対応するレシーバ上の領域に適用するマーキング媒体の濃度を制御することができる。例えば、ピクセル当たり8ビットの場合、0はマーキングしないことに対応し、255は最高マーキング濃度に対応する。0−255の範囲にあるマーキング濃度は、1ピクセルオブジェクトまたはライン、2ピクセルオブジェクトまたはライン、または両方に適用できる。印刷された画像を含む残りのピクセルの濃度は、他の露光レベル(例えば、255)にしてもよい。このように、一般的には、調節をしてその結果を印刷する反復的なインターラクティブなプロセスを通して、マイクロプリントされた英数字またはパントグラフの印刷の可読性を最適化する。特許出願「POST RIP IMAGE RENDERING IN AN ELECTROGRAPHIC PRINTER FOR MICROPRINTING」の図9に示したように(特に、「1ピクセル幅」と「2ピクセル幅」の調節)、適当なソフトウェアインターフェイスを用いて、濃度レベルをインターラクティブに変更する。エレクトログラフィック画像化部材を用いて、その部材の露光を変化させてトナー濃度を変える。
【0043】
例えば有価証券である文書に、受取人名や金額、あるいは暗号化された暗号コード等の特有な情報を組み込んだマイクロプリントラインを用いて、文書のセキュリティを強化することができる。マイクロプリントで印刷された文書に付随する、受取人、金額、及び/またはその他の可変情報である境界、ボックス、ラインを有するチェックは、小切手を改変して検出できないようにしたい詐欺犯にとって高いハードルとなる。
【0044】
文書特有であることに加えて、マイクロプリントラインを削除するには文書上の他の情報と同じ困難を伴う。マイクロプリントされた署名ライン状にあるデジタル的に適用された署名は、そのラインを損なわずに削除することは非常に難しい。
【0045】
MICRトナーを使用するとMICRライン自体に加えて、装置を一回パスすることでマイクロプリントが可能となるが、非MICRトナーもマイクロプリントラインまたはボックス自体では同じように機能する。
【0046】
MICRトナーのデジタル的にマイクロプリントされたラインは、磁気的に検知することもできる。E13bフォントまたはCMC−7フォンとで印刷されていないと数字として磁気的に読み取ることはできないが、ラインを作っている材料が磁気的にアクティブであることは、標準的なチェックリーダで分かる。
【0047】
デジタル的に適用されたマイクロプリントは、リソグラフ的に印刷されたラインのセキュリティ特性を有する。すなわち、コピーできず、表面的には視認できなく、低倍率で容易に読み取ることができる。これらの特徴に加えて、ニューヨーク州ロチェスター市のHeidelberg Digital L. L. C.により製造されているDigimaster 9110mプリンタを用いたマイクロプリントは、デジタル的に可変の他のエレメントに対してリムーバルレジスタントであり、文書の他の可変データと同じ装置印刷パスで適用できる。
【0048】
ここで図15を参照して、マイクロプリント402を有するライン400の拡大図を示した。ライン400は、マイクロプリント402のいずれかの側に、かつ好ましくはマイクロプリント402にすぐ隣接する、対向する境界ライン404と406を有する。境界ライン404と406を設けることにより、肉眼でより連続して見えるラインを引くことができる。マイクロプリント402は、静的またはデジタル的に可変な情報を含む。
【0049】
ここで図16を参照して、本発明の一態様によるリバースビデオマイクロプリント502を含む文字500の拡大図が示されている。文字500は、文書を印刷するために通常使用するサイズである。リバースビデオマイクロプリントは、静的またはデジタル的に可変な情報を含む。提示した例において、情報には小切手の受取人と金額を含むが、本発明はこれに限定されるものではない。リバースビデオは、マイクロプリントの端のピクセルを変えて、画質改善して可読性を高めてもよい。これは、前に参照した特許出願「POST RIP IMAGE RENDERING FOR MICROPRINTING」に記載されている。例えば、0−15ビットグレイスケールの露光書き込み装置を使用して、端のピクセルの露光を7ビットに減らすことにより、可読性を高めることができる。ここで開示したMICRトナー及び現像システムは、リバースビデオ文字の可読性を高めるエッジ改善現像(enhanced edge development)を提供する。リバースビデオ文字は、前述のように、文字列として構成することもできる。
【実施例1】
【0050】
図4、5、6に示したフォントは、ニューヨーク州ロチェスター市のHeidelberg Digital L. L. C.により製造されたDigimaster 9110mプリンタで印刷された。MICRトナーは、米国特許第6,610,451号(発明の名称「DEVELOPMENT SYSTEMS FOR MAGNETIC TONERS HAVING REDUCED MAGNETIC LOADINGS」)に記載されたものを使用した。重量で約23%の酸化鉄と約8%のオレフィンワックスを含み、シリカ表面処理を施してある。Digimaster 9110mプリンタは600dpiの解像度を有し、光導電体ベルトの速度は毎秒約17インチである。ここに説明したポストRIP処理は実施しなかった。印刷結果の写真を拡大して図7に示した。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による電子写真マーキングまたは複写システムを示す概略図である。
【図2】本発明による電子写真マーキングまたは複写システムを示す概略図である。
【図3】図1と図2の電子写真マーキングまたは再生システムにおいて実施される現像ステーション例を示す図である。
【図4】本発明によるマイクロプリンティングに好適なフォントを示す図である。
【図5】本発明によるマイクロプリンティングに好適なフォントを示す図である。
【図6】本発明によるマイクロプリンティングに好適なフォントを示す図である。
【図7】本発明による文字Dのピクセルアレイを示す図である。
【図8】本発明によるレシーバにマーキングした後の図7のピクセルアレイを示す図である。
【図9】本発明による文字Kのピクセルアレイを示す図である。
【図10】本発明によるレシーバにマーキングした後の図9のピクセルアレイを示す図である。
【図11】本発明による文字Mのピクセルアレイを示す図である。
【図12】本発明によるレシーバにマーキングした後の図11のピクセルアレイを示す図である。
【図13】本発明によるパントグラフを含む文書を示す図である。
【図14】本発明による図13の文書のコピーを示す図である。
【図15】本発明によるマイクロプリントされた線を示す拡大図である。
【図16】本発明によるリバースビデオマイクロキャラクタを有する文字を示す拡大図である。
【図17】実施例1により描画されたマイクロプリントを示す図である。
【符号の説明】
【0052】
L 長さ
P 矢印
S レシーバシート
V 電圧
10 プリンタ装置
18 光導電ベルト
18a 表面
20 モータ
21a−21g ローラ
24 ロジック・制御部(LCU)
28 主帯電部
30 プログラマブル電圧コントローラ
32 書き込みインターフェイス
34 露光部
34a 書込部
35 現像部
35a バックアップローラ
36 画像データ源
37 ラスター画像プロセッサ(RIP)
38 マーキング画像プロセッサ(MIP)
39 画像描画回路
40 プログラマブルコントローラ
41 補給モータ
42 トナーオーガー
43 補給モータ制御
46 転送部
46a プログラマブル電圧コントローラ
46b ローラ
48 クリーニング部
49 フューザ部
50 エレクトロメータプローブ
52 バッカーバー
54 磁気ブラシ
56 硬磁性キャリアとトナーのミクスチャ
58 回転シェル
60 複数の回転磁石
62 電気的接地
64 部材速度
66 シェル表面速度
76 濃度計
100 配列
102 ピクセル
104 その他のピクセル
106 領域
108 その他の領域
200 配列
202 ピクセル
204 その他のピクセル
300 文書
302 パントグラフ
304 コピー
306 可変情報
400 ライン
402 マイクロプリント
404 境界ライン
406 境界ライン
500 文字
502 リバースビデオマイクロプリント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷方法であって、
マーキング用に特定されたピクセル及び前記ピクセルに隣接するマーキング用に特定されていない他のピクセルを有する配列を画成するステップと、
前記ピクセルに対応するレシーバ上の領域と前記他のピクセルに対応する前記レシーバ上の他の領域を少なくとも部分的にマーキングすることにより、前記レシーバ上に読み取り可能な2ポイント以下の文字を印刷するステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記文字をデジタル的に変更するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングはトナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングはアクセントカラートナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングはクリアトナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングは1つ以上のプロセスカラートナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングは黒以外のカラートナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングは紫外放射にさらされた時に蛍光を発するトナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記マーキングは赤外放射にさらされた時に蛍光を発するトナーによるマーキングを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の印刷方法で印刷された印刷物。
【請求項11】
印刷方法であって、
MICRトナーを用いてレシーバ上に読み取り可能な2ポイント以下の文字を印刷するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記文字をデジタル的に変更するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の印刷方法で印刷された印刷物。
【請求項14】
印刷方法であって、
トナーを用いてレシーバ上に読み取り可能な2ポイント以下の文字を印刷するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記文字をデジタル的に変更するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記印刷はアクセントカラートナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、
前記印刷はクリアトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、
前記印刷は1つ以上のプロセスカラートナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、
前記印刷は黒以外のカラートナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、
前記印刷は紫外放射にさらされた時に蛍光を発するトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法であって、
前記印刷は赤外放射にさらされた時に蛍光を発するトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項14に記載の印刷方法で印刷された印刷物。
【請求項23】
印刷方法であって、
レシーバ上の読み取り可能な2ポイント以下の文字列と前記文字列のいずれかの側に対抗する囲みラインとを印刷するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記レシーバ上に前記読み取り可能な2ポイント以下の文字列と前記文字列のいずれかの側に前記対抗する囲みラインとをトナーにより印刷するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
前記文字列をデジタル的に変更するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷はアクセントカラートナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷は1つ以上のプロセスカラートナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷はMICRトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷はクリアトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷は黒以外のカラートナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷は紫外放射にさらされた時に蛍光を発するトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項23に記載の方法であって、
前記印刷は赤外放射にさらされた時に蛍光を発するトナーによる印刷を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項23に記載の印刷方法で印刷された印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−523361(P2007−523361A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547209(P2006−547209)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/042729
【国際公開番号】WO2005/066885
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】