説明

マイクロプレートリーダー

【課題】本発明は、蓄電池でも駆動でき、小型、低価格で、屋外でも使用することができるマイクロプレートリーダー、及び測定対象物質の濃度を簡易に測定することができる濃度測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、ウェルに被測定液を充填するマイクロプレートがスライドする空間を設けた測定部と、前記被測定液に光りを照射する発光ダイオードと、前記被測定液を透過した透過光或いは被測定液からの励起光を受光するフォトダイオードと、前記フォトダイオードの電圧を表示する表示部を有する本体とからなることを特徴とするマイクロプレートリーダーの構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定液(検体)中の特定の物質の濃度等を求める際に、測定物質に依存した光り(透過光、発光、励起光)の強度、経時的変化を測定する光検出器の1つであるマイクロプレートリーダー及びそれを用いた物質の濃度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプレートリーダーとは、マイクロプレート上の検体の透過光、微弱発光を光電子増倍管を用いた、生物・化学発光、蛍光、比色などをマイクロプレートを用いることで短時間で多検体の測定できる装置である。
【0003】
マイクロプレートとは、測定液、反応液を注ぐ複数のウェル(穴)が連なった、少量の複数の検体を短時間で測定する光検出器(吸光度計、マイクロプレートリーダー)用のプレートである。
【0004】
マイクロプレートリーダーとして、特許文献1に記載の光検出器がある。該光検出器は、組成物からの光を検出する装置であって、 試験領域において組成物を支持するステージと、 少なくとも二つの光源、及び、これら光源のうち一つの光源からの光を前記組成物に向ける第一の光学リレー構造体と、 検出器、及び、前記組成物からの光を該検出器に向ける第二の光学リレー構造体と、 前記第一の光学リレー構造体のアライメントを一の光源から別の光源に変更し、それにより、異なる応用のために異なる光源を選択して前記試験領域に向けることを可能とする第一のスイッチ機構と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0005】
また、前記光検出器は光源として発光ダイオード(請求項75)、光検出器としてフォトダイオード(請求項79)が採用されている。
【特許文献1】特表2002−509235号公報
【0006】
また、簡易な光検出器として、特許文献2に記載の簡易吸光度測定器がある。該簡易吸光度測定器は、波長域350〜800nmに複数の吸収ピークのある連続的な吸収スペクトルを有するピリジルアゾ−2−ナフトールまたはジメチルフェニルアゾ−2−ナフトール色素含浸フィルムの吸収スペクトルを計測するための光源部と受光部とを備えた簡易吸光度測定器において、波長450nm付近に相対発光強度のピークを有する発光ダイオードと、フタロシアン系青顔料及び/又は有機系紫顔料をバインダー樹脂に微分散した塗料を塗布した樹脂フィルム又はガラス板より成り、光透過率のピークが40%以上で、330〜480nmにあり、かつ260nm以下と520nm以上の光透過率が1%以下のバンドパスフィルターとを有し、上記発光ダイオードの光を上記フィルターに通して光源部からの照射光としたことを特徴とする(請求項1)。また受光部に、照射光の波長に感応し得るフォトダイオード、増幅器及びデジタル電圧表示器を備える請求項1記載の吸光度測定器(請求項2)の構成とする。
【特許文献2】特開平8−219875号公報
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の光検出器は、大掛かりな装置であり、一般に電源は交流100Vなど屋内に据え付けで使用することが前提である。従って、屋外、電源事情の悪い発展途上国で使用することは困難である。さらに、とても高価なものである。
【0008】
また、特許文献2に記載の簡易吸光度測定器は、小型、簡易吸光度測定装置ではあるが、測定部分の構成は明らかではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、蓄電池でも駆動でき、小型、低価格で、屋外でも使用することができるマイクロプレートリーダー、及び測定対象物質の濃度を簡易に測定することができる濃度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために、被測定液(検体9)を充填するウェル7aが複数あるマイクロプレート7がスライドする空間2bを有する測定部2と、前記被測定液に光りを照射する発光ダイオード3と、前記被測定液を透過した透過光3d或いは被測定液からの発光・励起光を受光するフォトダイオード4と、前記フォトダイオード4の電圧を表示するデジタル式表示部5fを有する本体5とからなることを特徴とするマイクロプレートリーダーの構成、
前記発光ダイオード3及び前記フォトダイオード4を前記測定部2の枠2a中に埋設したことを特徴とする前記マイクロプレートリーダーの構成、前記マイクロプレート7と前記フォトダイオード4の間に、特定の波長の光りのみを透過させるバンドパスフィルター2lを配置したことを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、
前記発光ダイオード3の光りを光ファイバ2jを介し被測定液に照射し、かつ透過光3d或いは発光・励起光も光ファイバ2jを通しフォトダイオード4に照射されることを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、
前記マイクロプレート7のウェル7aに対応した位置の外側に溝6cが形成された前記空間2bの幅に形成され、底部にスリット6bが設けられたホルダー6の収納部6aにマイクロプレート7を収納し、前記測定部2の枠2a内部に、前記溝6cを係止するストッパー機構2nを有し、前記空間2bにおいてウェル7aの位置決めをさせながら前記ホルダー6をスライドさせることを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、
前記ストッパー機構2nが、前記測定部2の枠2a内部から突出し前記溝6cを係止するストッパー2fと、前記ストッパー2fの突出、陥入を調節するバネ2gとからなることを特徴とする前記記載のマイクロプレートリーダーの構成、
前記スライドが、手動であることを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、
前記発光ダイオード3及び電圧表示部5fが蓄電池で駆動することを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、前記本体5に、外部コンピューター8に測定データを出力するシリアル通信部5gを設けたことを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、
前記発光ダイオード3が青色光で、かつ前記フォトダイオード4の感度波長が400〜540nmの範囲であり、被測定液中の測定対象物質に反応する抗体に結合した酵素と反応した基質を、前記青色光で励起させ、或いは青色光の吸収を前記フォトダイオード4の電圧値として測定することを特徴とする前記何れかに記載のマイクロプレートリーダーの構成、前記測定対象物質が、ミクロシスチンであることを特徴とする前記記載のマイクロプレートリーダーの構成とした。
また、前記何れかに記載のマクロプレートリーダーで得られたフォトダイオード4の電圧値と、測定対象物質の既知の濃度に対応した電圧値から予め求めた検量線とを比較し、被測定液中の測定対象物質の濃度を求めることを特徴とする物質の濃度測定方法の構成とした。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。マイクロプレートを用いて、簡易に、ELISA法によって、検体中の目的物質濃度を測定することができる。発光ダイオード、フォトダイオードを測定部中に埋設することで、微弱な光りも太陽光、蛍光灯等の外部光源により影響がない。さらに、バンドパスフィルターをマイクロプレートとフォトダイオードの間に配置させることにより、外部の光りに影響されることなく、目的の範囲の波長をフォトダイオードに照射させることができる。
【0012】
測定部内の発光ダイオードの光り及び透過光が通るに貫通孔に光ファイバを装填することで、外部光源の光りの影響を一層低減させ、かつゴミ、塵等の被測定液へ混入、フォトダイオードへの付着を防止することができる。
【0013】
溝を設けたマイクロプレートのストッパー機構を設けることで、マイクロプレート上のウェルを発光ダイオードの照射光下に確実に位置決めさせることができる。
【0014】
前記スライドを手動とし、電源を蓄電池とすることで、小型で低廉、携帯性に優れたマイクロプレートリーダーを提供することができ、屋外、電源供給の不安定な地域においても、現地で物質濃度、吸光度等を測定することができる。採取直後から劣化する物質等の測定に特に有効なマイクロプレートリーダーを提供できる。
【0015】
アオコ毒であるミクロシスチンの測定においては、LC−MSを用いた測定が主流である。しかし、開発途上国においてLC−MSを用いたミクロシスチンの分析を行うことは、困難であり代替の方法としてELISA法の普及が検討されている。ELISA法では、吸光度を測定するためにマイクロプレートリーダーを用いるが、マイクロプレートリーダーは安定した商用電源を必要とし、高価であるため広く普及させることはやはり難しい。そこで、野外調査の現場にも持ち込め、どこにでもある乾電池で動作する吸光度計が望まれた。本発明であるマイクロプレートリーダーを用いることで、ミクロシスチンの分析をする際に、乾電池など蓄電池で作動する吸光度計を用いてELISA法による簡易分析を行うことで、調査現場において数時間で簡単に結果を知ることができる。このような用途は、分析機器の導入や分析技術が遅れている開発途上国において特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
マイクロプレート7を収納し、前記マイクロプレート7のウェル7aに対応した位置の外側に溝6cが形成され、底部にスリット6bが設けられ、測定部2の枠2aの空間2bの幅に形成されたホルダー6と、被測定液を充填したホルダー6がスライドする空間2bを有し、前記測定部2の枠2a内部から突出し前記溝6cを係止するストッパー2fと、前記ストッパー2fの突出、陥入をバネ2gにより調節するストッパー機構2nを備えた測定部2と、
前記被測定液に光りを光ファイバ2jを介して照射する測定部2の枠2a内部に埋設された発光ダイオード3と、前記被測定液を透過した光りを光ファイバ2jを介して受光する測定部2の枠2a内部に埋設されたフォトダイオード4と、前記マイクロプレート7と前記フォトダイオード4の間に配置され前記発光ダイオード3の特定の波長の光りを透過させるバンドパスフィルター2lと、前記フォトダイオード4の電圧を表示する表示部5fを有する本体5とからなり、
前記空間2bにおいてウェル7aの位置決めをさせながら前記ホルダー6を手動でスライドさせ、蓄電池で駆動することを特徴とするマイクロプレートリーダー1。
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明であるマイクロプレートリーダーについて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明であるマイクロプレートリーダーの平面図である。本発明の一例であるマイクロプレートリーダー1は、マイクロプレート7がスライドする空間を有する測定部2と、光源である発光ダイオード3と、光検出部であるフォトダイオード4と、電圧を表示する表示部5fを有する本体5からなる。
【0019】
発光ダイオード3は、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことで、LEDとも呼ばれる。発光色は用いる材料によって異なり、赤外線領域から可視光域、紫外線領域で発光するものまで様々あり、目的の波長を適宜選択する。ELISA法には、青色ダイオード、例えばOptoSupply International社製、(型番OSUB3131A) が好適である。
【0020】
フォトダイオード4は、PN接合に光が入射すると、P領域に正孔・N領域に電子が集まり電圧が生じる(光起電力効果)。その電圧または電流を測定し光センサとして利用するものである。例えば、浜松ホトニクス株式会社製、RGBカラーセンサSiフォトダイオード、S6428−01(λp=460nm)、S6429−01(λp=540)、S6430−01(λp=660nm)、S7505−01(RGB3ch)が採用できる。これらのなかから適宜目的の波長の最適な感度のものを選択することができる。特に、ELISA法において、青色の発光を受光する必要があることから、S6428−01(λp=460nm)がよい。
【0021】
図2は測定部の斜視図である。図3は測定部のAーA断面模式図である。測定部2は、略正方形状で、中央部にマイクロプレート7がスライドする空間2bを設けた枠2aと、マイクロプレート7を収納するホルダー6と、前記空間2b内に突設したホルダー6の上下方向の振動を防止する左右の突部2c、2cと、マイクロプレート7の位置決めをするストッパー機構2nと、フォトダイオード4の前に配置されたバンドパスフィルター2lとからなる。
【0022】
測定部2の枠2aには、中央付近にホルダー6に収納されたマイクロプレート7がスライドする空間2bが貫通され、前記空間2bに接続する発光ダイオード3からの照射光3cを通す照射路2iと、検体9を透過した光、或いは検体9中からの発光・励起光が通る貫通孔2kが前記空間2bから穿設され、貫通孔2kの他端部に透過光3d、発光・励起光を受光するフォトダイオード4を設置する空間がある。なお、枠2aは上下に分割成型し、枠2aを形成することもできる。
【0023】
発光ダイオード3は、衝突等による破損を防ぐため、保護筒3a内部に収納し、照射路2iに陥入し、ネジ3eで固定され、本体5にコード3fを介して接続する。保護筒3a内部には、発光ダイオード3前方に、発光ダイオード3から照射された光りを絞るレンズ3bを設置する。これにより、外部の光りを遮断し、照射光3cを細く形成し、光強度を高めることができる。
【0024】
なお、発光ダイオード3は、図中上方向から枠2aに埋設することもできるが、図3のように示したように配置することで、発光ダイオード3及びフォトダイオード4の配線を枠2aの一面にまとめることができ、よりコンパクトにすることができ、有効である。従って、枠2aの側壁に、発光ダイオード3を埋設する場合は、照射光を90°屈折させる必要があるため、プリズム2dをプリズムホルダー2eに固定し、照射路2iに配置させる。
【0025】
また。照射路2i、貫通孔2kには、光ファイバ2jを充填し、光りの散乱防止と、ゴミの測定部2内への侵入を防止している。
【0026】
ストッパー機構2nは、枠2aの内部から突出し、マイクロプレート7のウェル7aに対応した位置の溝6cを係止する球状のストッパー2fと、前記ストッパー2fの突出、陥入を調節するバネ2gと、バネ2gが固定され、枠2aの側壁に取り付けるネジ2hとからなる。
【0027】
なお、ホルダー6が空間2bに挿入されていないとき、球状のストッパー2fが脱落しないよう、ストッパー2fとバネ2gを連結すること、或いはストッパー2fを収納する孔の空間2b側を球状のストッパー2fの直径より、僅かに狭くすることが望ましい。
【0028】
このようにストッパー機構2nを設けることで、マイクロプレート7を空間2b内で位置決めしながらスライドさせることができる。また、手動でスライドしたとしても、常に所定の位置に、容易かつ確実にウェル7aを位置決めさせることができる。
【0029】
バンドパスフィルター2lは、マイクロプレート7とフォトダイオード4の間に配置し、特定の波長の光りを透過させる。これにより、外部からの光りの影響を低減させ、野外においても測定可能とする。なお、マイクロプレート7自体が所定の色で着色された場合は、バンドパスフィルター2lを用いなくてもよい。フォトダイオード4は、貫通孔2kに連設する空間に収納し、底蓋2mで封をされ、コード4aを介して本体5に接続する。
【0030】
図4は、マイクロプレート(A)及びホルダー(B)の斜視図である。マイクロプレート7は、複数の被測定液を充填し、反応穴である複数のウェル7aが一列に配置されたプレートで、一般に市販されているものが使用できる。
【0031】
ホルダー6は、前記マイクロプレート7を収納する収納部6aを有する容器で、マイクロプレート7のウェル7aに対応した位置の外側に溝6cが形成され、測定部2の空間2bの幅とし、底部に被測定液を透過した透過光3d或いは被測定液で発光・励起光を通すスリット6bが設けられている。
【0032】
前記溝6cは、前記枠2aの内部に設置されたストッパー機構2nによって、ウェル7aの位置決めするための溝である。これにより、空間2bにおいてウェル7aの照射光下に位置決めをさせ、かつ前記ホルダー6をスライドさせることができる。
【0033】
図5は、本発明であるマイクロプレートリーダーのブロック図である。本体5のケース5a内部には、蓄電池(乾電池、単3)2本の電源5bと、発光ダイオード3を安定的に発光させるLED用電源5cと、フォトダイオードからの電圧シグナルを増幅し、データ処理部5eへ送る安定化電源及びアンプからなる信号増幅部5dと、信号増幅部5dから送られた電圧信号を表示部5f、シリアル通信部5g、記憶部5iに送るデータ処理部5eと、データ処理部5eから送られた電圧値を4、5桁の文字として表示する液晶ディスプレイ(LCD)である表示部5fと、EIA−574プロトコルにより外部コンピューター(PC8)へ電圧データを送信するシリアル通信部5gと、データ処理部5eに、計算式等のプログラムを設定するために、外部コンピューター(PC8)と接続するコネクタ(JTAG用コネクタ5hなど)が収納されている。
【0034】
図6は、本発明であるマイクロプレートリーダーと従来のマイクロプレートリーダーによるミクロシスチン濃度の測定結果の比較である。
【0035】
横軸が、従来のマイクロプレートリーダーとして株式会社モリテックス社製フルオスターによる測定結果である。縦軸が実施例1に示した本発明であるマイクロプレートリーダー1による測定結果である。
【0036】
測定対象であるミクロシスチンは、和光純薬工業(株)販売のミクロシスチン測定キット(コード番号300−05191)に付録のミクロシスチン標準溶液(50、100、200、400、1600pg/ml)である。測定のための前処理は、前記キットの取扱い説明書に記載の手順に従った(間接競合法ELISA)。
【0037】
本発明であるマイクロプレートリーダー1の測定結果は、表示部5fに表示された電圧値をミクロシスチン標準溶液(50、100、200、400、1600pg/ml)を用いて予め求めた電圧値とミクロシスチン濃度の関係からすでに求めてある回帰式によりミクロシスチン濃度に換算した。
【0038】
本発明の測定結果と従来のマイクロプレートリーダーの測定結果を比較すると、本発明であるマイクロプレートリーダー1によって得られたミクロシスチン濃度値は、従来の高価なマイクロプレートリーダーの測定結果と同等で、高精度で測定できていることが判る。従って、本発明のマイクロプレートリーダー1は、低価格で、小型で、乾電池で駆動し、高精度かつ携帯性に優れた屋外で使用できるマイクロプレートリーダーであると言える。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明であるマイクロプレートリーダーの平面図である。
【図2】測定部の斜視図である。
【図3】測定部のAーA断面模式図である。
【図4】マイクロプレート及びホルダーの斜視図である。
【図5】本発明であるマイクロプレートリーダーのブロック図である。
【図6】本発明であるマイクロプレートリーダーと従来のマイクロプレートリーダーによるミクロシスチン濃度の測定結果の比較である。
【符号の説明】
【0040】
1 マイクロプレートリーダー
2 測定部
2a 枠
2b 空間
2c 突部
2d プリズム
2e ホルダー
2f ストッパー
2g バネ
2h ネジ
2i 照射路
2j 光ファイバ
2k 貫通孔
2l バンドパスフィルター
2m 底蓋
2n ストッパー機構
3 発光ダイオード
3a 保護筒
3b レンズ
3c 照射光
3d 透過光
3e ネジ
3f コード
4 フォトダイオード
4a コード
5 本体
5a ケース
5b 電源
5c LED用電源
5d 信号増幅部
5e データ処理部
5f 表示部
5g シリアル通信部
5h JTAG用コネクタ
5i 記憶部
6 ホルダー
6a 収納部
6b スリット
6c 溝
7 マイクロプレート
7a ウェル
8 PC
9 検体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェルに被測定液を充填するマイクロプレートがスライドする空間を設けた測定部と、前記被測定液に光りを照射する発光ダイオードと、前記被測定液を透過した透過光或いは被測定液からの励起光を受光するフォトダイオードと、前記フォトダイオードの電圧を表示する表示部を有する本体とからなることを特徴とするマイクロプレートリーダー。
【請求項2】
前記発光ダイオード及び前記フォトダイオードを前記測定部の枠中に埋設したことを特徴とする請求項1に記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項3】
前記マイクロプレートと前記フォトダイオードの間に、特定の波長の光りのみを透過させるバンドパスフィルターを配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項4】
前記発光ダイオードの光りを光ファイバを介し被測定液に照射し、かつ透過光或いは励起光も光ファイバを通しフォトダイオードに照射されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項5】
前記マイクロプレートのウェルに対応した位置の外側に溝が形成された前記空間の幅に形成され、底部にスリットが設けられたホルダーの収納部にマイクロプレートを収納し、前記測定部の枠内部に、前記溝を係止するストッパー機構を有し、前記空間においてウェルの位置決めをさせながら前記ホルダーをスライドさせることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項6】
前記ストッパー機構が、前記測定部の内部から突出し前記溝を係止するストッパーと、前記ストッパーの突出、陥入を調節するバネとからなることを特徴とする請求項5の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項7】
前記スライドが、手動であることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項8】
前記発光ダイオード及び電圧表示部が蓄電池で駆動することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項9】
前記本体に、外部コンピューターに測定データを出力するシリアル通信部を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項10】
前記発光ダイオードが青色で、かつ前記フォトダイオードの感度波長が400〜540nmの範囲であり、被測定液中の測定対象物質に反応する抗体に結合した酵素と反応した基質を、前記青色光で励起させ、或いは青色光の吸収を前記フォトダイオードの電圧値として測定することを特徴とする請求項1〜請求項9の何れかに記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項11】
前記測定対象物質が、ミクロシスチンであることを特徴とする請求項10に記載のマイクロプレートリーダー。
【請求項12】
請求項1〜請求項10の何れかに記載のマクロプレートリーダーで得られたフォトダイオードの電圧値と、測定対象物質の既知の濃度に対応した電圧値から予め求めた検量線とを比較し、被測定液中の測定対象物質の濃度を求めることを特徴とする物質の濃度測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−103480(P2009−103480A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273369(P2007−273369)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(501273886)独立行政法人国立環境研究所 (30)
【Fターム(参考)】