説明

マイクロミシン目線を用いたラベル

【課題】ラベルの一部を分離する切り込みを有するラベルにおいて、ラベルの一部の分離操作を円滑にでき、かつ、ラベルの一部を分離する線の方向に確実に剥がすことができ、分離後のラベルの切断端はギザギザが生じることなく綺麗な形状となるラベルを提供する。
【解決手段】大ラベル部1bと小ラベル部1aが結合する部分にマイクロミシン目線3,R切込線4a,直切込線6およびツナギ部5aが形成されている。つまみ部9を摘んで持ち上げると、マイクロミシン目線3に沿って小ラベル部1aは剥がれていき、コーナー部4にさしかかるとR切込線4aで剥がす方向が90度方向転換し、さらに直切込線6で切り離され、終端部5のツナギ部5aが切断されて小ラベル部1aがラベル1より剥がされ、切断端は綺麗な直線状となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器,ビン,カルテ,収納庫などに貼付してその内容物の名称や特性などを表示するラベル、さらに詳しくいえば、ミシン目線を施した部分で結合され、ラベルの一部をミシン目線で分離できるラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の名称や特性などを表示するため物品を内包する容器やビンにラベルが貼付されるのが一般的である。
容器などに貼付されているラベルはそのものを表示する役割を果たすとともにその一部がミシン目線などで容易に分離できるようになっているものが従来より存在する。
分離されたラベルの一部は他の物品に貼付され、他の物品の中身を表示するための目的のために用いられる場合がある。
例えば、薬品ビンの中の薬品の一部を取り出して他の容器に入れる場合、他の容器に何が入っていて、どれだけの分量を服用するかなどを表示したラベルの一部を貼り付けることにより使用者が間違いなく確実に分かるようにするためである。
【0003】
他の使用方法として、例えば蓋を有する容器に容器本体と連続して蓋部分にもラベルを貼り付けておき、蓋部分に及んでいるラベルの一部をラベル本体から分離することにより開封の有無を確認するものなどがある。
【0004】
従来はラベルの一部を分離する場合、ピッチの大きなカット部とツナギ部が繰り返されてなるミシン目線を用いてラベル本体から一部のラベル部の分割を図っている。
一直線方向のみにミシン目線が設けられている場合、一方向のみに力を掛けて分離するときはラベルの一部が裂けるということが生じる可能性は少ないが、途中で分離する方向が変わるパターンのミシン目線では、方向の変わった位置で違った方向に裂けることが度々起こる。
また、分離した後のラベルの切断縁部分は切り込みが一定間隔で生じてミシン目線のあとが目立ってしまう。これはラベル本体側および分離した一部のラベル側にも残り見苦しくなり、ラベルが持つ本来の機能も阻害されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−268567号公報
【特許文献2】特開2007−320623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラベル本体からラベルの一部を容易に分離する構造を有するものとして特許文献1および2が提案されている。
特許文献1は、注射器や輸血容器などに貼付する部分を容易に分離することができ、かつ製造コストの低減を図ることを目的としたもので、その構造はラベル本体の一部が点線状のミシン目線等の分断線で形成された分離ラベル部が設けられたものである。
分離ラベル部はつまみ部を有し、そのつまみ部を摘んで引き上げることにより、ミシン目線に沿って分断されるように構成されている。
【0007】
特許文献2はラベルを剥がす場合、傾斜ミシン線の破断から横ミシン線の破断へとスムーズに移行させることができ、キャップ部を回転させて開封する場合は液体収納容器の開封時の痕跡が明瞭に確認でき、開封・未開封の識別が容易にできることを目的としており、その構成は、ラベルに形成された横ミシン線の中間位置に繋がるように傾斜ミシン線を設け、さらに傾斜ミシン線の途中上部に縦ミシン線で形成されたつまみ部を設けたものである。つまみ部を摘んで傾斜ミシン線方向に引っ張り上げると、分離したつまみ部の端部が傾斜ミシン線に達し、さらに引き上げると傾斜ミシン線に沿って分断され、分断された傾斜ミシン線の端部が横ミシン線に達してキャップ部を覆う第1領域部分が剥がれる。
【0008】
上記特許文献1の分断部の構成は、Y字状切断部(切り込み)が一定の間隔で繰り返し形成されたものであり、図8A(a)に示すようにミシン目線54を形成する多数のY字状の切り込み51とツナギ部の寸法は数mm以上である。そのため分離ラベル部の分断部分は図8A(b)に示したような多数のぎざぎざ部52を含む切断線53となる。
また、特許文献2のつまみ部はミシン目線で分断線が形成され、傾斜ミシン線は屈曲状剪断部が一定の間隔で繰り返し形成され、さらに横ミシン線はY字状切断部が一定間隔で繰り返し形成されているので、つまみ部を摘んで分離した後のキャップ部を覆う第1領域の分断部分はやはり、ミシン目線の切断線の見苦しさが目立つだけでなく、ラベル機能も損なう恐れがある。
【0009】
さらに図8B(a)に示すように直線の切り込み57とツナギ部59を繰り返して形成されるミシン目線が従来のものとして用いられるが、切り込み57とツナギ部59の寸法が数mm以上の範囲であるため、その切断線58の切り込み57の部分は直線で分離されるが、切り込み57の間のツナギ部59の部分は破断となり、その切断線58は特許文献1,2の場合と同様、裂け目などが生じ易く見苦しい切れ目となり、ラベル機能も損なう恐れがある。
以上のような背景から、ラベル部の一部を分離する構造を有するラベルについて、分離する部分に裂け目を発生することなく、剥がし易く、かつ取れにくい構造であることが要請される。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みなしたもので、その目的は、ラベルの一部を分離する切り込みを有するラベルにおいて、ラベルの一部の分離操作を円滑にでき、かつ、ラベルの一部が分離する線の方向に確実に剥がすことができ、分離後のラベルの切断端にギザギザが生じることなく綺麗な形状となり、かつラベルが持つ本来の機能を損なわないラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明による請求項1は、文字,記号,図柄または写真などを表示した大ラベル部および該大ラベル部に結合する文字,記号,図柄または写真などを表示した小ラベル部とからなり、前記大ラベル部と小ラベル部の裏面は粘着剤が施され、前記大ラベル部と小ラベル部を結合する部分は、カット部とツナギ部を交互に繰り返して形成されるマイクロミシン目線が形成され、前記マイクロミシン目線に沿ったラベルの裏面側の粘着剤の機能を停止する部材を塗布し、前記カット部とツナギ部の寸法はそれぞれ0.01mm〜0.5mm,0.01mm〜0.5mmの範囲であることを特徴とする。
本発明による請求項2は、請求項1記載の発明において前記カット部とツナギ部の寸法比率は、略3:2であることを特徴とする。
本発明による請求項3は、請求項1または2記載の発明において前記小ラベル部の端部は、摘むためのつまみ部を有することを特徴とする。
本発明による請求項4は、請求項1,2または3記載の発明において前記小ラベル部は、前記大ラベル部に2つの辺で結合され、該2つの辺の延伸する方向は異なる方向であり、一方の辺は前記マイクロミシン目線で形成され、他方の辺は切込線で形成されることを特徴とする。
本発明による請求項5は、請求項4記載の発明において前記一方の辺と他方の辺とが結合する部分は、曲線形状の切込線で結合され、他方の辺の端部は前記大ラベル部と小ラベル部とを結合するツナギ部を有することを特徴とする。
本発明による請求項6は、請求項1,2または3記載の発明において前記大ラベル部および前記小ラベル部は曲線形状であることを特徴とする。
本発明による請求項7は、請求項1,2または3記載の発明において前記大ラベル部は矩形形状、前記小ラベル部は曲線形状であり、前記小ラベル部は前記大ラベル部の1辺に結合し、該1辺にマイクロミシン目線が形成されたことを特徴とする。
本発明による請求項8は、請求項1,2または3記載の発明において前記大ラベル部および前記小ラベル部はともに矩形形状であり、前記大ラベル部と前記小ラベル部はマイクロミシン目線が形成される1辺で結合されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、ラベルの一部を分離する部分を有するラベルにおいて、分離操作が円滑にでき、かつ形成されているマイクロミシン目線の方向に正確に分離でき、分離後のラベルの切断端はギザギザが生じることなく略直線的な綺麗な形状となる。
例えば、請求項5によれば、つまみ部を摘んでマイクロミシン目線の方向に引けば、分離していく際のカツカツという感覚が生じることなく円滑にマイクロミシン目線に沿って剥がすことができ、マイクロミシン目線と切込線との間は曲線形状の切込線で結合しているため、つまみ上げた小ラベル部は直線の切込線に沿って持ち上がり、切込線の端部のツナギ部を切ることにより小ラベル部を分離することができる。分離した辺の切断端は滑らかとなり、大ラベル部の切断端および分離した小ラベル部の切断端はほぼ直線的な形状で綺麗である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるマイクロミシン目線を用いたラベルの実施の形態を示す図で、(a)は正面図,(b)はAの拡大図,(c)はマイクロミシン目線の拡大図である。
【図2A】ラベルのマイクロミシン目線に沿った部分の接着の機能を停止する構造を説明するための図で、ラベルを上面側から見た図である。
【図2B】ラベルのマイクロミシン目線に沿った部分の接着の機能を停止する構造を説明するための図で、ラベルを側面から見た図である。
【図3】本発明に係るマイクロミシン目線のカット部とツナギ部の具体的数値例を示す図である。
【図4】本発明によるマイクロミシン目線を用いたラベルの製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明によるラベルのマイクロミシン目線の形状の他の実施の形態を示す図である。
【図6】本発明によるラベルの他の実施の形態を説明するための図である。
【図7】本発明によるラベルの利用例を説明するための図である。
【図8A】従来のミシン目線の切り口の一例を説明するための図である。
【図8B】従来のミシン目線の切り口の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるマイクロミシン目線を用いたラベルの実施の形態を示す図で、(a)は正面図,(b)はAの拡大図,(c)はマイクロミシン目線の拡大図である。
ラベル1は、文字,記号,図柄または写真などの表示2を印刷した矩形状の大ラベル部1bと、文字,記号,図柄または写真などの表示8を印刷した小ラベル部1aとが一体に構成されている。
小ラベル部1aはラベル1の右上に形成され、マイクロミシン目線3,R切込線4a,直切込線6およびツナギ部5aの終端部5で分離できる結合部で大ラベル部1bに繋がれている。
【0015】
ラベル1の材質は紙,合成紙またはフィルムであり、その厚さは例えば55μ,80μ,100μなどのものが使用される。小ラベル部1aの寸法は例えば横31mm,縦10mmである。
小ラベル部1aは、右端に舌形状のつまみ部9が形成されている。結合部はつまみ部9の一端から左方向に直線のマイクロミシン目線3が形成され、マイクロミシン目線3の端部は90度直角に曲がるR切込線4aに接続され、90度直角に曲がったR切込線4aの端部は上方向に伸びる直切込線6につながっている。直切込線6の端部は、ツナギ部5aで形成される終端部5に接続されている。
このような結合部によって図1(b)に示すような舌形状のつまみ部9を有する矩形状の小ラベル部1aをラベル1から剥がすことができる。
【0016】
切込線とは大ラベル部1bと小ラベル部1aを完全に切り分けた線である。ツナギ部とは大ラベル部1bと小ラベル部1aが繋がっている部分である。また、カット部は大ラベル部1bと小ラベル部1aが切り離された部分である。
マイクロミシン目線3は、直線形状のカット部3aと一列方向に並んで隣接する直線形状のカット部3a間を結ぶカットがないツナギ部3bの繰り返しによって形成されており、カット部3aとツナギ部3bのそれぞれの寸法は所定の寸法範囲以下となっている(図3参照)。
この実施の形態では図1(c)に示すように、カット部3aとツナギ部3bの長さはそれぞれ0.3mm,0.2mmである。
【0017】
コーナー部4は、マイクロミシン目線3がコーナー部4に達する手前でその端部がコーナー部4側の切込線に接続され、コーナーの位置では切込線はR形状となり、90度曲がって上方向に向きを変え、直切込線6の端部に接続されて構成されている。
直切込線6の端部は終端部5のツナギ部5aに接続されている。
【0018】
図2Aおよび図2Bは、ラベルのマイクロミシン目線に沿った部分の接着の機能を停止する構造を説明するための図で、図2Aはラベルを上面側から、図2Bはラベルを側面からそれぞれ見た図である。
図2Aに示すように小ラベル部18の外周に沿って一定の幅で裏面にニス17が塗布されている。ラベル15は、図2Bに示すようにラベル基台15aの裏面に粘着剤であるノリ16が塗布されている。このノリ16の上に上述のようにニス17が塗布されることにより、この部分のノリとしての機能を停止させている。すなわち、ラベル15の他の部分はノリ16により容器などに接着するが、小ラベル部18の結合部分に沿って一定の幅で接着の機能を停止させている。なお、ノリとしての機能を停止させる部材はニスに限ることなく他の部材を用いても良い。
このように小ラベル部18の結合部分に沿って接着機能を停止させるのは、小ラベル部18が容易に剥がれ易くするためである。
【0019】
図3は、本発明に係るマイクロミシン目線のカット部とツナギ部の具体的数値例を示す図である。
本発明に係るマイクロミシン目線のカット部とツナギ部の寸法は、剥がす操作をしていない場合には容易に剥がれず、かつ剥がす操作では円滑に剥がれ、剥がした後の小ラベル部および大ラベル部の切断端が直線状に綺麗になっており、ラベル機能を阻害させないという効果を得るために一定の寸法範囲に納まることが要求される。
マイクロミシン目線のカット部の寸法を0.20mmから0.90mmまで、ツナギ部の寸法は0.15mmから0.30mmまでの範囲とする性能試験であり、そのマイクロミシン目線に沿って接着機能を停止させた構造(業界用語では「ノリ殺し」ともいう)である。
【0020】
図3においてMC020015の記号は、カット部0.20mm,ツナギ部0.15mmのラベルを特定するものである。ラベルの厚みが80μmの例である。
このようにしてカット部,ツナギ部の組み合わせラベルを(1)MC020015,(2)MC035015,(3)MC030020,(4)MC050020,(5)MC028023,(6)MC035023,(7)MC050023,(8)MC050030,(9)MC070030,(10)MC090030として実験をした。
このようなカット部とツナギ部の寸法の組み合わせはいずれも、本発明の目的である、剥がす操作をしていない場合には容易に剥がれず、かつ剥がす操作では円滑に剥がれ、剥がした後の小ラベル部および大ラベル部の切断端が直線状に綺麗になり、ラベル機能を阻害させないという一定の効果が得られた。
この性能試験は、上述したようにカット部は0.20mm以上,0.90mm以下とツナギ部は0.15mm以上,0.30mmの範囲について行ったが、本発明の目的を達成するためのカット部およびツナギ部の寸法はそれぞれ0.01mm以上で、1mm以下の範囲であることが必要である。より良好に目的を達成するためには、0.01mm以上,0.5mm以下が望ましい。
【0021】
図4は、本発明によるマイクロミシン目線を用いたラベルの製造方法を説明するための図である。
ノリが塗布されたラベル基台に文字,記号,絵柄または写真の表示部を印刷する。その後、ラベル基台から台紙を剥がし、大ラベル部と小ラベル部を分離するためのマイクロミシン目線,切込線を構成する部分に粘着剤であるノリの機能を停止させるニスを塗布する。そして図4の例のようにラベルが多列で横方向に連続して形成されるように分離切断して台紙に貼り付け、小ラベル部を分離するマイクロミシン目線および各切込線を入れて完成する。
図4において、小ラベル部10−1aと大ラベル部10−1bで形成されるラベル10−1および小ラベル部10−2aと大ラベル部10−2bで形成されるラベル10−2が配置され、さらに小ラベル部10−3aと大ラベル部10−3bで形成されるラベル10−3および小ラベル部10−4aと大ラベル部10−4bで形成されるラベル10−4が横方向に配置されている。同じように横方向には多列でラベル(図示されていない)が形成されている。
【0022】
図1に戻って上記のように構成されたラベルを剥がす操作を説明する。
ラベル1は例えば薬容器の周面に貼り付けられて使用され、この状態から矢印7の方向に持ち上げられながら小ラベル部1aが剥がされ、薬容器から取り出された薬を移し変えた別の容器に、剥がされた小ラベル部1aが貼付されて使用される。小ラベルには元の容器に入った薬の名称,用法等が記載され、例えば、「1日3回、食後に3錠ずつ服用」が表示されている。
【0023】
図5は、本発明によるラベルのマイクロミシン目線の形状の他の実施の形態を示す図である。図1のマイクロミシン目線の形状は直線のカット部と、カット部間をつなぐツナギ部を繰り返して形成したものであるが、以下のような形状も本発明に含まれるものである。
図5(a)はマイクロミシン目線方向に対し、所定の角度(例えば45度)で形成されたカット部40と、1つのカット部40の一端部40aと隣接する他のカット部40の他端部40bとの間のツナギ部41との繰り返しにより構成される例である。
図5(b)はマイクロミシン目線方向に対し、所定の角度で形成された第1カット部42と、第1カット部42を垂直方向を中心にして水平方向に反転させた隣接する第2カット部43および、第1カット部42の一端部42aと第2カット部43の一端部43bをつなぐツナギ部44との繰り返しにより構成される例である。
図5(c)は円弧または曲線状の第1カット部45と、第1カット部45を180度回転させた角度で上下方向にずらして配置した隣接する第2カット部46および、第1カット部45の一端部45aと第2カット部46の他端部46bをつなぐツナギ部47との繰り返しにより構成される例である。
図5(d)は直線の第1カット部48と、第1カット部48に対し上下方向にずらして配置した隣接する第2カット部49および、第1カット部48の一端部48aと第2カット部49の他端部49bをつなぐツナギ部50との繰り返しにより構成される例である。
(a)(b)(c)および(d)のマイクロミシン目線の形状のカット部aおよびツナギ部bの寸法はそれぞれ0.01mmから1mmまでの範囲であり、好ましくは0.01mmから0.5mmまでの範囲にする。
このような形状によっても、本発明の目的を達成することができる。
【0024】
図6は、本発明によるラベルの他の実施の形態を説明するための図である。
図6(a)は矩形状のラベル20であり、大ラベル部20bと小ラベル部20aにはそれぞれ絵や文字,記号,または写真が印刷されている。小ラベル部20aはラベル20の右寄りに縦長で形成され、小ラベル部20aの先端部分はつまみ部20dが形成されている。マイクロミシン目線20cに沿ってノリの機能が停止している。
対象となる容器に貼付した状態で、つまみ部20dを摘んで持ち上げると、マイクロミシン目線20cに沿って小ラベル部20aは円滑に剥がれ、ラベル20から剥がすことができる。剥がした小ラベル20aの切断端は直線状であって滑らかな断面となる。
小ラベル部20aを剥がした容器に残った大ラベル部20bの切断端も滑らかで、切断端に沿ってノリの機能も停止しているため、その部分を摘むことができ、剥がし残しがないように大ラベル部20bを完全に容器から取り除くことも可能となる。そのため、従来はリサイクルするには困難であった容器のリサイクルも可能となる。
【0025】
図6(b)のラベル21は、小ラベル部21aが突出したつまみ部21dを有する円形状であり、大ラベル部21bは一方側が曲線形状で、他方側が矩形形状である。大ラベル部21bの曲線形状部分と小ラベル部21aとがマイクロミシン目線21cで結合され、マイクロミシン目線21cに沿ってノリの機能が停止している。
対象となる容器に貼付した状態で、つまみ部21dを摘んで持ち上げると、マイクロミシン目線21cに沿って小ラベル部21aは円滑に剥がれ、ラベル21から剥がすことができる。剥がした小ラベル21aの切断端は直線状であって滑らかな断面となっている。
【0026】
図6(c)は矩形形状のラベル22であり、小ラベル部22aは横長形状でラベル22の下部右隅に形成されている。大ラベル部22bは矩形形状であって下部右隅の小ラベル部22aを欠除した形状となる。マイクロミシン目線22cは横方向に形成され、このマイクロミシン目線22cの端部から、90度直角方向下部に向きを変えた切込線22eに接続される。切込線22eの終端部にはツナギ部が形成されている。マイクロミシン目線22cおよび切込線22eに沿って接着機能が停止している。
対象となる容器に貼付した状態で、つまみ部22dを摘んで持ち上げると、マイクロミシン目線22cに沿って滑らかに剥がれ、切込線のコーナー部で分離する方向が下部に変化し、最後のツナギ部が切断されて小ラベル部22aが剥がれる。
【0027】
図6(d)は矩形形状のラベル23であり、小ラベル部23aは横長形状でラベル23の上部に形成されている。大ラベル部23bは矩形形状である。
マイクロミシン目線23cは横方向に形成されている。このマイクロミシン目線23cに沿って接着機能が停止している。
対象となる容器に貼付した状態で、つまみ部23dを摘んで持ち上げると、マイクロミシン目線23cに沿って小ラベル部23aが滑らかに剥がれる。
【0028】
図6(e)のラベル24は、大ラベル部24bが矩形形状であり、小ラベル部24aが円形状である。大ラベル部24bの上辺中央に円形状の小ラベル部24aが結合部分であるマイクロミシン目線24cで接続されている。マイクロミシン目線24cに沿って接着機能が停止している。
対象となる容器に貼付した状態で、小ラベル部24aを摘んで持ち上げると、マイクロミシン目線24cに沿って小ラベル部24aが滑らかに剥がれる。
【0029】
図7は、本発明による各形状のラベルの利用例を説明するための図である。
図7(a)は長方形状の商品表示ラベル部30bとアイキャッチラベル部30aが結合部でマイクロミシン目線30cによって結合された一体形ラベル30の例である。マイクロミシン目線30cを含む一定の幅部分にはニス30dが塗布されノリの機能が停止させられている(ノリ殺し)ため粘着性はない。
商品表示ラベル部30bが容器31の本体に貼付され、商品表示ラベル部30bの上辺に結合されたアイキャッチラベル部30aはそのまま立ち上がった状態で容器本体の一部には貼付されない状態となる。
容器31の内容物を使用する場合、アイキャッチラベル部30aをマイクロミシン目線30cで分離する。分離した切断線は綺麗な直線となる。
【0030】
図7(b)は長方形状の商品表示ラベル部33bの上辺に長方形状の封緘ラベル部33aがマイクロミシン目線33cによって結合されているラベル33の例である。マイクロミシン目線33cを含む一定の幅部分にはニス33dが塗布されノリの機能が停止させられているため粘着性はない。
商品表示ラベル部33bが容器32の本体に貼付されるとともに封緘ラベル部33aは蓋39の上に貼付される。容器32を開封する場合は封緘ラベル部33aをマイクロミシン目線33cで切り離し、蓋39を回して外し容器32の内容物を取り出す。開封の有無も容易に確認できるマイクロミシン目線33cによる切断線は綺麗な直線となる。
【0031】
図7(c)は間違い防止ラベル部35aがマイクロミシン目線35cで表示ラベル部35bに結合されているラベル35の例である。マイクロミシン目線35cを含む一定の幅部分にはニス35dが塗布され、マイクロミシン目線35cに沿った部分の粘着性は除かれる。
ラベル35は容器34の周囲に巻き付けられて貼付される。容器34の内容物を使用する場合、間違い防止ラベル部35aは表示ラベル部35bから剥がされ、剥がされた間違い防止ラベル部35aは薬を入れるピルケース36に貼付される。これによりピルケース36の中身と使用方法などが分かる。剥がされた間違い防止ラベル部35aの切断線は綺麗な直線であるため、間違い防止ラベル部35aは見た目が見苦しくない状態でピルケース36に貼って表示できる。
【0032】
図7(d)は分別ラベル部38aがマイクロミシン目線38cで表示ラベル部38bに結合されているラベル38の例である。マイクロミシン目線38cを含む幅広い部分にはニス38dが塗布され、この部分の粘着性が除かれる。
ラベル38はビン容器37の周囲に巻き付けられて貼付される。分別ラベル部38aをマイクロミシン目線38cによって剥がし、ビン容器37からラベル38を取り外すことにより、ビン容器37とラベル38とを容易に分別することができる。
【0033】
以上の実施の形態におけるラベルの材質は紙,合成紙,フィルムまたはシート等であるが、さらにツナギ部が容易に切り離せる材料であれば、他の材質のものでも良い。また、大ラベル部と小ラベル部とが結合される部分はマイクロミシン目線が施された直線またはL字形状の切断線の実施の形態について説明したが、マイクロミシン目線が施される結合部分の形状は半円形や曲線形状であっても良い。また、矩形波のような形状であっても良い。大ラベル部に対し小ラベル部を分離する切断線の形状が複雑な形状になると、特に途中で方向を変える部分でR形状の切り込みなどを設けて容易に剥がす方向に向きを変えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
ビンや容器などに貼付されその内容物に関する情報を表示するラベルである。
【符号の説明】
【0035】
1 ラベル
1a,10−1a,10−2a,10−3a,10−4a 小ラベル部
1b,10−1b,10−2b,10−3b,10−4b 大ラベル部
2,8 文字,記号,図柄または写真表示
3 マイクロミシン目線
4 コーナー部
4a R切込線
5 終端部
5a ツナギ部
6 直切込線
7 矢印
9 つまみ部
15 ラベル
16 ノリ
17 ニス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字,記号,図柄または写真などを表示した大ラベル部および該大ラベル部に結合する文字,記号,図柄または写真などを表示した小ラベル部とからなり、
前記大ラベル部と小ラベル部の裏面は粘着剤が施され、
前記大ラベル部と小ラベル部を結合する部分は、カット部とツナギ部を交互に繰り返して形成されるマイクロミシン目線が形成され、
前記マイクロミシン目線に沿ったラベルの裏面側の粘着剤の機能を停止する部材を塗布し、
前記カット部とツナギ部の寸法はそれぞれ0.01mm〜0.5mm,0.01mm〜0.5mmの範囲であることを特徴とするマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項2】
前記カット部とツナギ部の寸法比率は、略3:2であることを特徴とする請求項1記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項3】
前記小ラベル部の端部は、摘むためのつまみ部を有することを特徴とする請求項1または2記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項4】
前記小ラベル部は、前記大ラベル部に2つの辺で結合され、該2つの辺の延伸する方向は異なる方向であり、
一方の辺は前記マイクロミシン目線で形成され、他方の辺は切込線で形成されることを特徴とする請求項1,2または3記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項5】
前記一方の辺と他方の辺とが結合する部分は、曲線形状の切込線で結合され、
他方の辺の端部は前記大ラベル部と小ラベル部とを結合するツナギ部を有することを特徴とする請求項4記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項6】
前記大ラベル部および前記小ラベル部は曲線形状であることを特徴とする請求項1,2または3記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項7】
前記大ラベル部は矩形形状、前記小ラベル部は曲線形状であり、
前記小ラベル部は前記大ラベル部の1辺に結合し、該1辺にマイクロミシン目線が形成されたことを特徴とする請求項1,2または3記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。
【請求項8】
前記大ラベル部および前記小ラベル部はともに矩形形状であり、
前記大ラベル部と前記小ラベル部はマイクロミシン目線が形成される1辺で結合されたことを特徴とする請求項1,2または3記載のマイクロミシン目線を用いたラベル。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2013−76794(P2013−76794A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215857(P2011−215857)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000239563)福島印刷工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】