マイクロメートル及びナノメートルのサイズの粒子を得るための方法及び装置
本発明は制御され、再現性のある形でマイクロメートル及びナノメートルのサイズのポリマー粒子を得るための方法及び装置に関する。前述の粒子は球形状、及び狭く、均一なサイズ分布を有する。さらに特定すると、本発明はエマルジョンを形成する新たな方法、及び溶剤の抽出/蒸発を含むマイクロ及びナノカプセル化技術におけるその応用に関する。特に、本発明は蛍光物質のカプセル化とこれに続くその応用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御されて再現可能な方法によるマイクロメートル及びナノメートルの範囲のポリマー粒子の生成に関する。前記粒子は球形状、及び極めて狭く均質な分布を有する。特に、本発明は溶剤抽出/蒸発によるエマルジョンの生産及びそのマイクロカプセル化及びナノカプセル化への応用のための新たな方法を記述する。特に、本発明は蛍光化合物のカプセル化及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、微粒子の使用は薬学、生物医学、化粧品産業、食品産業、農業、獣医学、繊維産業、化学などといった極めて多様な分野に広範に広がっている。中でも、最も興味深い応用は周囲環境から製品を安定化及び保護するための方法として、及び/又はカプセル化した化合物の分布/進路をその応用/相互作用点への道のりで最適化するための手段として微粒子を使用する可能性である。
【0003】
微粒子の使用が特別な卓越性を獲得している分野の1つはゲノムとプロテオームの科学であって、ここでは微粒子は生物分子の相互作用を研究するための新たな方法として使用されている。多様な性質のマイクロアレイの生産及び応用で生じる膨大な進歩にもかかわらず、従来型のマイクロアレイは未だ解決されていないいくつかの不都合を示す。主要な問題の1つは、どちらかと言えば遅くもある試料調製のプロトコルの複雑さ、及び結果を分析するために使用される技術の費用の増大である。得られる結果の再現性及び信頼性は未だ従来型のアレイで十分に達成されていない。
【0004】
現在、修飾された表面を備えた蛍光微粒子のアレイの使用は従来型の2Dマイクロアレイの使用に対して利点を取っている。概して、微粒子は多数で同時の検査を可能にし、これらは大量であっても安価で保管し易く、分子の結合のための高い単位体積当たりの使用可能表面を有する。付け加えると、ミクロスフィアは多様なサイズ及び化学組成で生産されることが可能であり、様々な性質の分子で遂行される生物学的検査におけるこれらの用途で高い汎用性を与える。
【0005】
微粒子のアレイを使用する別の大きな利点は、生じる分子相互作用のための検出技術としてのフローサイトメトリの使用をこれらが可能にすることである。フローサイトメトリは広範に普及した技術であり、検出の速度、分析の感度及び信頼性の大幅な増大という大きな進化を受けてきており、したがって複雑な試料検査の分析に関して他の技術に置き換わりつつある。ますます洗練された高い感度を備えた分析機器の開発が、微粒子の製造のためのますます汎用性のある技術の向上と一緒になって基礎研究と臨床診断の両方で将来への大きな期待を喚起してきた。
【0006】
他方で、カプセル化されたフルオロフォアの応用は独立した有機分子又は蛍光ナノ結晶の応用に比べて多くの利点を示す。フルオロフォアは溶剤、pH、イオン力、光退色などからこれらを保護して発光の強度を安定化させるマトリックスの内側にある。さらに、粒子の表面は、染料の蛍光品質に影響を及ぼすことなく粒子の外側に配置されるタンパク質、核酸、又は他のタイプの生体分子との結合のための官能基を備えて自由を保っている。したがって、生物学的結合体蛍光微粒子の応用は、過剰の蛍光染料に起因する凝集又は不活化を回避して検出の感度を大幅に増大させることを可能にする。
【0007】
カプセル化しようと試みる蛍光材料によって変わると見込まれるいくつかのカプセル化技術が存在する。中でも、最も使用されるものはポリマーのマトリックスを通る有機フルオロフォア又は蛍光ナノ結晶の微粒子の内部への吸着/拡散(例えばHan,M.Y.;Gao,X.;Su,J.Z.;Nie,S.「生体分子の多重光符号化のための量子ドットで標識したミクロビーズ(Quantum−dot−tagged microbeads for multiplexed optical coding of biomolecules)」Nat Biotechnol 2001,19,631〜635;米国特許第6680211号明細書、Biocrystal Ltd.;米国特許第5723218号明細書、Molecular Probes;L.B.Bangs,「均質なラテックス粒子(Uniform Latex Particles)」,Seragen Diagnostics Inc,1984;米国特許第6649414号明細書、Luminex Corp.(ここでは著者らはフルオロフォアの吸収によって得られる蛍光ナノ粒子の一層大きいサイズの微粒子への共有結合もやはり記述している));重合及び/又は被膜処理などで微粒子形成中の蛍光物質の組入れ(例えば米国特許第5073498号明細書、Caribbean Microparticles Corp.;国際公開0113119号パンフレット、Luminex Corp.);蛍光物質へのポリマーの層毎の閉じ込め(例えばWang,D.;Rogach,A.;Carruso,F.,「段階的な自己組織化によって調製される半導体の量子ドットで標識したミクロスフィア生物学的結合体(Semiconductor quantum dot−labeled microsphere bioconjugates prepared by stepwise self−assembly.Nano Lett 2002,2,857〜861))。
【0008】
蛍光物質へのポリマーの層の閉じ込めは「その場(in situ)」での粒子の製造を意味し、高い均質の程度を備えた必要なサイズの粒子を得るために処理の各々の工程に高度な制御を要求する。これは困難な処理であって多数の工程を意味する。
【0009】
蛍光物質が拡散によって粒子の内部に導入されるケースでは、粒子は既に作製されているが、初期のフルオロフォア溶液の均質性及び各々のフルオロスフィアの特定の負荷を得るために要する時間全体にわたる大きな制御を有することが必要である。この方法の主な不都合の1つは微粒子内部のフルオロフォアの最終分布の均質性の欠如であり、したがって表面における蛍光物質の最終濃度はどちらかと言えば高く、核心に近付くと徐々に減少する。それに加えて、フルオロフォアはマトリックスの内側で保護されているが、拡散によって作り出される粒子のケースでは高い割合(約30%)のフルオロフォアが表面に存在し、マトリックスの内部に埋め込まれたものとは異なる特性を示し、これは確かに最終微粒子の凝集体及びフォトルミネッセンスの損失を作り出すことがある。
【0010】
最後に、微粒子形成中の蛍光物質の組入れはフルオロフォアの存在下でのモノマーの重合による初期粒子の成長を概して意味する方法であり、前のものより良くない代替選択肢である。
【0011】
前に述べられたすべてを考慮に入れると、単純な方式で体系化された粒子を作り出して粒子の構造及び均質性、並びにその符号化に使用される蛍光物質の分布を徹底的に制御することを可能にするために新たなカプセル化方法の応用及び最適化を必要とする。
【0012】
本特許は、流体力学的力の適用と系の特異的な幾何学形状を組合わせる流動集束系によるエマルジョンの生成に基づいた粒子製造の新たなシステムに言及する。液滴の固化の後、球形状及び極めて狭く、且つ再現性のあるサイズ分布を備えたナノメートル及びマイクロメートルのサイズの粒子を得る。
【0013】
本発明によって目標とされる粒子の製造のためのシステムは、作製されるエマルジョンの外部の相になるであろう液体中に浸漬された流動集束装置によって構成される。正確に述べると、この流動集束装置は流体の連続的供給によって加圧されるチャンバから成る(図1)。このチャンバの壁に作られた穴の前方に置かれた供給点を通じてチャンバの内側に第2の流体が注入される。チャンバを加圧する流体流は第2の流体を取り囲み、第2の流体が穴を通じてチャンバの外側に吐出されることで制御された方式で細いマイクロジェットを作り出す。
【0014】
毛管の不安定性のせいで、層流の内部に位置する毛管マイクロジェットは装置が浸漬される液体の内部で壊れ、制御されたサイズの液滴を備えた均質なエマルジョンを作り出す。いったんエマルジョンが作り出されて液滴が固化した後に、球形状を備えた乾燥粒子を得る。この手順の中で、両方の前述の流体は安定なマイクロジェットの発生を可能にするために互いに十分に異なる液体であることが好ましい。概して、内側の流体は1つ又は複数の成分の溶液、液化固体、様々な性質の化合物のサスペンジョン及び/又はエマルジョンである。
【0015】
第1の手順では、或る単一の流体が第2の流体によって加圧されたチャンバの内側に或る単一の供給用チューブを通じて注入され、次いで、供給用チューブの端部の前方の壁に配置された穴を通じて外側に吐出される。
【0016】
本発明に含まれる第2の手順では、注入される流体は異なる流体から成り、これらが同心の毛管チューブを通じて導入される。チャンバの内側でこれらの流体が接触し、いくつかの層の同心流体によって形成される毛管マイクロジェットを作り出す。この毛管マイクロジェットは供給用チューブの端部の前方の壁に配置された穴を通じてチャンバを加圧する液体によって加圧されて外側に吐出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
加圧されたチャンバの内側で複数の流体供給用チューブを使用し、各々の供給用チューブの前方に作られた穴を通って外側に出る複数のマイクロジェットを作り出すことが本発明の目的である。エマルジョン、及び後に大量の粒子を作り出すための複数の毛管マイクロジェットの発生用の装置及び手順が本発明の目的である。
【0018】
場合によっては、均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる作製を促進するために、周期的で制御された(例えば機械的、音響的などの)外的不安定性を1つ又は複数の流体に加える可能性も本発明に含まれる。
【0019】
予測可能であって制御されたサイズの乾燥粒子を極めて低い分散速度で作り出すための新たな方法を提供することが本発明の目的である。粒子の内部の多様な物質をカプセル化するための処理が本発明に含まれる。主に、制御された方式で、或る単一工程で蛍光物質をカプセル化するための処理が本発明に含まれる。
【0020】
粒子の外部環境に晒される生物学的関心対象の分子を含む粒子を作り出すための方法もやはり本発明に含まれる。
【0021】
本発明の別の目的は、薬学的及び生物医学的用途(カプセル化及び薬剤供給、細胞及び微生物のカプセル化、診断及び臨床分析)などで微粒子のアレイの製造の較正標準(サイズ、蛍光など)として使用されることが可能な粒子を作り出すことである。
【0022】
いずれかの他の既存の方法論に比べて、幾何学形状と流体力学的効果のこの組合せの主要な刷新的で有利な特徴は以下である。
a)装置のいずれの他の寸法(穴、供給用端部など)よりもはるかに小さいサイズの粒子が製造されることが可能であり、これは注入穴によって粒子のサイズを強制する他の既存の押し出し成形技術では不可能である。
b)粒子のサイズが制御可能であり、予測可能である。
c)ジェットを操作するため、又は後の選別処理を遂行するための一層複雑なメカニズムを使用することなく、粒子のサイズ分布は極めて狭い。
d)完全に再現性のある処理である。
e)内部の流体と出口穴の間の接触が無く、したがって直接押し出しに付随する大きな剪断応力に伴う問題を未然に防ぐ。それは目詰まりもやはり防ぐ。
f)作り出されるエマルジョンの外部の相の内側で粒子の形成が起こることで粒子の最終幾何学形状の変形の問題を未然に防ぐ。
g)様々な物理化学的特性(粘度、化学組成など)を備えた流体の膨大な組合せの使用を可能にする。
h)最終粒子の組成及び構造がまさに処理の開始から完全に制御可能である。
i)連続的な方式での粒子の製造のためのシステムであり、これは製造処理の各々の工程において徹底的な品質管理を実行することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の目的の方法及び装置の説明の前に、本発明が本願明細書に述べられる特定の構成部品にも具体的な手順にも限定されず、これらがもちろんそれ自体で変わり得ることは理解されるべきである。概して、本願明細書に使用されるすべての用語は本発明の多様な態様を述べるために使用され、いずれの場合でも限定する意図ではないことが意図される。
【0024】
本発明の達成のために使用される装置は国際公開第9930833号パンフレット(「乾燥粒子を作り出すための装置及び方法」)、国際公開第9930834号パンフレット(「薬剤供給用のエアロゾルを作り出すための装置及び方法」)、米国特許第6234402号明細書(「安定化毛管マイクロジェット及びこれを製造するための装置と方法」)の文書に記述されている。
【0025】
概して、及び記述された以外、本願明細書に使用されるすべての科学的及び技術的用語は、関連する環境で適用されるときに普通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0026】
(定義)
本願明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形「或る」、「1つの」、及び「この」は文脈が別のものを示さない限り複数もやはり示すことは留意されるべきである。例えば、「或る粒子」と書かれるとき、それは粒子の群も含み、「或るフルオロフォア」と言及されるとき、それはフルオロフォアの組合せも含む。
【0027】
本発明では、スフィア、粒子、及びカプセルという用語は、それらが中まで同材質、中空、多孔質、異なる層を備えたO型多層のいずれであるかに関係無く、本特許に述べられる微粒子及びナノ粒子の記述のために置き換え可能である。これらの粒子は最終用途に応じていずれの物質で作られることもあり得る。
【0028】
蛍光物質という用語でもって、それらが個別又はそれらのいくつかの組合せとして有機化合物、生体分子、ナノ結晶、ナノ粒子、液体、固体などのいずれであっても蛍光信号を発するいずれかのタイプの物質に言及する。
【0029】
反応表面という用語でもって、いずれかの組成を有すると、粒子と分子の間の1つ又は複数の共有結合の形成を可能にする適切な化学的機能を含むいずれかのタイプの分子と反応することができる一連の官能基を有する粒子の表面に言及する。
【0030】
本発明では、流体という用語は気体又は液体を指名するための区別を伴わずに使用される。液体の場合では、単純な液体、混合物、溶解液、サスペンジョン、エマルジョン、液化固体などを含む。
【0031】
マイクロジェットという用語でもって、加圧されたチャンバの内側の内部流体の集束から得られてチャンバに実施された穴を通って外側に出る毛管糸状体に言及する。この用語はナノメートル及びマイクロメートルの直径を備え、多様な組成のジェットを含む。
【0032】
(発明の記述)
本発明の目的はエマルジョンの生成のための新たな方法論に基づいた粒子の製造である。この新たな手順は流動集束と命名される毛管集束系に基づいており、流体力学的力の適用とシステムの特定の幾何学形状を組合わせ、将来のエマルジョンの外部の相の内部で生じる。いったんエマルジョンが作り出されて液滴が固化した後に、球形状及び極めて狭く再現性のあるサイズ分布を備えたナノメートル及びマイクロメートルのサイズの粒子を得る。
【0033】
本発明の基礎技術は、第2の流体によって加圧されたチャンバの内側への第1の流体の導入のためのシステムにある。第1の流体は液体又は気体であることが可能であり、第2の流体は液体である。両方の流体が、供給用端部から加圧されたチャンバの周囲環境への出口ポイントへと移動する第1の流体の安定なマイクロジェットの発生を可能にするために互いに十分に異なる液体であることが好ましい。両方の見込まれる組合せ、気体−液体及び液体−液体を考慮に入れて、本発明は液体−液体の組合せに関して一般的手順を記述する。
【0034】
マイクロジェットの形成、その加速、及び最後の粒子の生成はチャンバを加圧する第1の流体が、チャンバの出口穴を通って進むときに受ける急激な加速に付随する突然の圧力降下に基づいている。これは両方の流体の間の大きい圧力差を引き起こし、これは穴に近い第2の流体の表面の高度に湾曲した領域の出現に由来し、穴が吸い込むのと同じ量の液体を供給すれば静止マイクロジェットが流れるであろう頂点(peak point)を得る。このようにして、加圧されたチャンバ内の流体は第1の流体を取り囲んでそれを集束させ、直径がチャンバの出口穴の直径よりはるかに小さい安定なマイクロジェットを作り出して目詰まりを防ぐ。
【0035】
殆どすべての液体(動粘性係数10−4から1Kg/(m・s))に当てはめるのに十分に広いパラメータの余地(流体の特性、供給される流量、供給用端部の直径、出口穴のサイズ、圧力の関係など)を使用し、したがって供給用チューブから生じる毛管マイクロジェットは完全に安定であり、マイクロジェット分裂過程の不安定性が上流で進展することはあり得ない。下流では単純に毛管の不安定性によってマイクロジェットが規則正しいサイズの液滴へと壊れる(例えばRayleigh「ジェットの不安定性(On the inestability of jets)」Proc.London Math.Soc,4〜13,1878)。
【0036】
マイクロジェットは、予測されたサイズの類似した複数液滴へとマイクロジェットが壊れるときにエマルジョンが生成される方式で動いている流体の内側に作り出される。いずれかの既に知られている方法による溶剤の抽出/蒸発の後に、流動集束理論によって予測されたように、球形状及び極めて狭く、且つ再現性のあるサイズ分布を備えたナノメートル及びマイクロメートルのサイズの粒子を得る。
【0037】
液滴の発生のための装置及びエマルジョンの外部の相が配置されるこれらの液滴を集めるための容器で構成されるシステムが本発明の目的である。このシステムは以下から構成される(図1)。
1.供給源又は供給用ニードル又は先端又は端部又は供給用端部とも呼ばれる供給用チューブ。
2.内部流体を導入するために使用される供給用チューブの開始部。
3.加圧されたチャンバ。
4.流体加圧用注入口として使用されるオリフィス。
5.加圧されたチャンバ内に第1の流体を導入する供給用チューブの端部。
6.引き抜きがそれを通って起こるオリフィス。
7.微小液滴。
8.生成した液滴が集められる容器。
9.液滴の生成のためのネブライザが浸漬され、エマルジョンの外部の相となるであろう液体。
10.生成中のエマルジョンを振動させるための外部システム。
【0038】
D0は供給用チューブの直径であり、Dはマイクロジェットが通過させられるオリフィスの直径であり、eは引き抜きがそれを通って起こるオリフィスの軸方向長さであり、Hは供給用チューブからマイクロジェットの出口までの距離であり、P0はチャンバ内側の圧力であり、Pαは大気圧である。
【0039】
本発明に含まれる装置は様々な設計で構成されることが可能であるが、これらの多様な設計は図1に示される必須の部品類、又は同等の機能を遂行し、望ましい結果を得る部品類をすべて含むであろう。特に、本発明の装置は両方の端部(内部流体の導入のための一方(2)及びそれを加圧されたチャンバ(3)内に吐出するための他方(5))で開口した内部流体用の少なくとも1つの供給源(1)を含み、これは0.002〜2mm、好ましくは0.01〜0.4mmの内径を備えている。供給用チューブ(1)又は少なくとも出口端部(5)は加圧されたチャンバ(3)の内側になければならない。このチャンバ(3)は第2の流体をチャンバ(3)の中に供給するために使用される入口開口(4)及び0.002〜2mm、好ましくは0.01〜0.25mmの内径を備えてこれを通って毛管マイクロジェットが流れる出口開口(6)を有さなければならない。供給用チューブ(3)の出口端部(5)はチャンバの出口穴の前方で、0.01〜2mm、好ましくは0.2〜0.5mmの距離になければならない。
【0040】
付け加えると、供給源の先端の直径、チャンバのオリフィスの直径、及びそれらの間の距離が、流体間の相互作用のための条件を得るために変更及び調節されることが可能であって層流の内側の安定な毛管マイクロジェットにつながる装置が本発明の目的である。
【0041】
流体の導入は、流量の変動を伴わずに連続的な流体の供給を可能にするいずれかの方法(コンプレッサ、加圧されたチャンバ、容量ポンプなど)によって生じるであろう。
【0042】
図1では、供給源及び加圧されたチャンバは液滴サイズが小さく、一様な分布を有するエマルジョンを得るように設計される。この発明によると、溶剤除去に起因する粒子の体積の減少のみを生じるように溶剤の抽出/蒸発が起こる。この除去は液滴の合体現象、目詰まり、又は類似現象の発生を伴わずに迅速に起こり、したがって液滴の相対的サイズ分布を最終の粒子に維持する。得られる粒子のサイズは流動集束理論によって予測されたサイズに一致する(図3)。いくつかのケースでは、集束流体の外部ジェットによって経験される減速度に起因して壊れる前に集束された流動マイクロジェットの低速化及び広がりが生じるので予測よりわずかに大きいサイズが得られる。
【0043】
最終の粒子は好ましくは0.01μmと1000μmの間、さらに好ましくは0.01μmと200μmの間、最も好ましくは0.01μmと80μmの間の直径を有するべきである。得られる最終の粒子は10から30%、さらに好ましくは3から10%、最も好ましくは3%以下の相対的標準偏差を伴う等しいサイズであるべきである。
【0044】
場合によっては、均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる生成を促進するために(例えば機械的、音響的などの)定期的で制御された外部からの撹拌を加える可能性もこの発明には含まれる。これらの不安定性は一様であって制御されるべきであり、これらの頻度は作り出されるマイクロジェットの特性及び必要とされる最終粒子サイズによって決定される。
【0045】
加圧されたチャンバの壁に配置された多数のオリフィスのうちの1つの前方に各々が置かれた多数の流体供給用チューブの使用による多数の毛管マイクロジェットの生成のための流動集束装置が本発明の目的である。多数の装置のケースで最適の結果を得るために、注入される流体の流量はすべてのポイントで可能な限り一様であるべきであり、流体の導入は多数の毛管ニードル、多孔質の媒体、又は多様な供給用チューブの中で一様な流量を配分することが可能ないずれかの他の媒体によって起こることが見込まれる。
【0046】
このネブライザは、基本的にこの装置が使用されるであろう特定の用途に応じて複数の材料(金属、プラスチック、セラミック、ガラスなど)で製造されることが見込まれる。
【0047】
その設計が互いに同心に配置された複数の供給用ニードルを含んで出口で或る単一の毛管マイクロジェットを作り出す装置がこの発明の別の目的である(図2)。図2の実施形態の部品類は以下の通りである。
21.チューブ又は流体源又は供給用端部とも呼ばれる供給用ニードル。
22.供給源に流体を導入するために使用される供給用チューブの開始部。
23.加圧されたチャンバ。
24.加圧用流体の注入口として使用される入口オリフィス。
25.加圧されたチャンバ内に霧化されるべき第1の流体を導入する供給用チューブの端部。
26.それを通ってマイクロジェットが加圧されたチャンバを出るオリフィス。
27.微小液滴。
28.粒子の中核を構成するであろう流体。
29.粒子の外被を構成するであろう流体。
30.チャンバを加圧する流体。
31.供給源の内部毛管。
32.供給源の外部毛管。
33.生成した液滴が集められる容器。
34.液滴形成のためのネブライザが浸漬され、エマルジョンの外部の相を構成するであろう液体。
35.生成中のエマルジョンを振動させるための外部システム。
【0048】
Diは供給用チューブの内部毛管の直径であり、D0は供給用チューブの外部毛管の直径であり、マイクロジェットが通過させられるオリフィスの直径であり、eは引き抜きがそれを通って起こるオリフィスの軸方向長さであり、Hは供給用チューブからマイクロジェットの出力部までの距離であり、P0はチャンバ内側の圧力であり、Pαは大気圧である。
【0049】
本発明に含まれる装置は、図2に示される基本部品類又は同じ機能を達成して望ましい結果を得る部品類をなおも含むような多数の方式で設計されることが見込まれる。
【0050】
図2に述べられたシステムは1つ又は複数の多様な物質でコーティングされた物質を得ようとするときに使用される。このシステムは図1に述べられたものと同じ基本部品で構成され、第1の円筒状供給源の周囲に同心で配置された第2の供給源をさらに含む。外部毛管は前のものの周囲に同心に配置された新たな毛管によって取り巻かれてもよい。
【0051】
エマルジョン生成のための手順は前のものと同じであり、それにより、これらの流体は同心の毛管で作り上げられた特定の供給源(21)を通じて別々に注入される。粒子が2つの物質から成る場合、内部毛管(31)を通じて粒子の核/芯を構成するであろう物質が注入され、外部毛管(32)を通じて粒子をコーティングするであろう物質が導入される。両方の供給用チューブは0.002〜2mm(好ましくは0.01〜0.4mm)の内径を有し、Di<D0である。これら同心のチューブの先端の間の相対距離もやはり、前記外部チューブの内径(32)の値より大きい距離で内部チューブ(31)が外部チューブ(32)に入ってはならないことを考慮に入れて変わることが可能である。連続したチューブ間のこれらの相対位置を維持して2つの同心の毛管を使用する場合、これらの同じ基準が有効である。
【0052】
供給源(25)の出口で、これらの流体は加圧されたチャンバの内側で同心に合体し、これらはチャンバを加圧する流体によって加速され、少なくともマイクロジェット処理の生成及び崩壊以外の間で、異なる流体の2つ以上の同心の層のマイクロジェットを生成する。供給源はチャンバの出口穴の前方に置かれ、0.002〜2mm(好ましくは0.01〜0.25mm)の内径を有し、穴から0.01〜2mm(好ましくは0.2〜0.5mm)の距離に置かれる。好ましくは、内部毛管の供給用端部とチャンバのオリフィスの間の距離はゼロと外部毛管内径の値の3倍の間に含まれるべきである。いったんマイクロジェットが生成されると、毛管の不安定性に起因して、これは壊れて類似したサイズの球状の液滴を均一に生成し、これらは程度の差はあるが同心の層の異なる流体によって構成される。微粒子を構成する異なる層のサイズ及び厚さ、並びにそれらの相対的分布は異なる流体の流量の間の関係及びそれらの供給用毛管の内径の間の関係及びそれらの相対位置によって決定され、これらは正確に調節されることが可能である。
【0053】
付け加えると、供給源の先端の直径、チャンバの出口穴の直径、及びそれらの間の距離が、流体間の相互作用の条件を得るために変更及び調節されることが可能であって層流の内側の安定な毛管マイクロジェットにつながる流動集束装置が本発明の目的である。
【0054】
流体の導入は、流量の変動を伴わずに連続的な流体の供給を可能にするいずれかの方法(コンプレッサ、加圧されたチャンバ、容量ポンプなど)によって生じるであろう。
【0055】
図2では、供給源及び加圧されたチャンバは液滴サイズが小さく、一様な分布を有するエマルジョンを得るように設計される。この発明によると、溶剤除去に起因する粒子の体積の減少のみを生じるように溶剤の抽出/蒸発が起こる。液滴の合体現象、目詰まり、又は類似現象の発生は起こらず、したがって液滴を最終の粒子の相対的サイズ分布に維持する。最終の粒子は好ましくは0.01μmと1000μmの間、さらに好ましくは0.01μmと200μmの間、最も好ましくは0.01μmと80μmの間の直径を有するべきである。得られる最終の粒子は10から30%、さらに好ましくは3から10%、最も好ましくは3%以下の相対的標準偏差を伴う等しいサイズであるべきである。
【0056】
場合によっては、均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる生成を促進するために(例えば機械的、音響的などの)定期的で制御された外部からの撹拌を加える可能性もこの発明に含まれる。これらの撹拌は一様であって制御されるべきであり、これらの頻度は作り出されるマイクロジェットの特性及び必要とされる最終の粒子のサイズによって決定される。
【0057】
加圧されたチャンバの壁に配置された多数の穴のうちの1つの前方に各々が置かれた2つ以上の同心の毛管によって各々が構成される多数の流体供給用チューブの使用による多数の毛管マイクロジェットの生成のための装置が本発明の目的である。多数の装置のケースで最適の結果を得るために、注入される流体の流量はすべてのポイントで可能な限り一様であるべきであり、流体の導入は多数の毛管ニードル、多孔質の媒体、又は多様な供給用チューブの中で一様な流量を配分することが可能ないずれかの他の媒体によって起こることが見込まれる。
【0058】
このネブライザは、基本的にこの装置が使用されるであろう特定の用途に応じて複数の材料(金属、プラスチック、セラミック、ガラスなど)で製造されることが見込まれる。
【0059】
この発明で言及される流体の性質及び組成は粒子の組成及び構造、及びそれらが作り出される最終用途によって決まる。本発明では、流体という用語は気体又は液体を指名するための区別を伴わずに使用される。液体の場合では、単純な液体、混合物、溶解液、サスペンジョン、エマルジョン、液化固体などを含む。
【0060】
粒子の最終の組成及び構造を考慮に入れて、本特許に含まれる毛管流動集束装置のいずれかによる安定な毛管マイクロジェットの生成のために必要とされる特性を有する流体の組合わせ、壊れて安定なエマルジョンを生成し、これが液滴の固化後に予測されたサイズ及び一様なサイズ分布を備えた粒子を得ることを可能にする毛管マイクロジェットを生成する流体の組合せを使用しなければならない。例えば、限定を意図しないが、疎水性材料からの単純粒子の生成については、溶剤の抽出/蒸発の後に予期された粒子を生成するエマルジョンを作り出すために、加圧用材料及び液滴の生成が起こる溶解液の両方が親水性溶液であって集束流体と非混和性であろう。
【0061】
これらの粒子は、限定はされないがポリマー、シリカ、金属、セラミックなどの多様な材料で製造されることが可能である。この発明はポリマー材料を含むことが好ましい。ポリマーは合成又は天然であってもよく、水又は有機溶剤に可溶性である。この発明の目的はポリマー材料を含む流体であり、これらの中でも、本発明を限定することなく、ポリアルコール、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(カプロラクトン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリオルトエステル、ポリ無水物(例えばポリセバシン酸、ポリフマル酸、ポリ(カルボキシフェノキシプロパン)、ポリ(カルボキシフェノキシヘキサン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート及びこれらの誘導体とコポリマー、ポリ(シアンクリレート)、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化物、ポリフッ化物、ポリビニル誘導体、ポリオレフィン、ポリフォスフェート、ポリ(有機フォスファセン)、ポリ(無水物−コ−イミド)、多糖類及び炭水化物誘導体、ポリ(アミノ酸)、巨大分子から派生するポリマー、及び上述のものの誘導体すべて、及びこれらのコポリマーを含むことがあり得る。
【0062】
粒子の製造に使用されるポリマー材料が、粒子と分子の間の1つ又は複数の共有結合の形成を可能にする適切な化学的機能を有するいずれかのタイプの分子と反応することができる反応性官能基を有することが本発明の目的である。これらの反応基が粒子の外表面に向いて粒子の表面に位置することがこの発明の目的であることが好ましい。表面に結合する分子の中でも、限定はされないが、生物学的関心対象の分子、好ましくはペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、PNA、LNA、タンパク質、糖タンパク質、脂質、リン脂質、炭水化物、少糖類、及びこれらの混合物がこの発明に含まれる。
【0063】
製造方法の或る単一の工程内で生物学的関心対象の分子を粒子の外側に向けて加えることが可能な粒子生成のための方法もやはりこの発明に含まれる。
【0064】
粒子のマトリックス又は複数マトリックス(多層カプセルの場合)を構成するであろう主要構成要素に加えて、流体は他の物質、含まれる中でも、限定はされないが治療及び/又は予防活性を備えた薬剤及び化合物、タンパク質、微生物、細胞、生体分子、動物界の生物学的活性を備えた物質、金属、磁気特性を備えた物質、着色剤、フルオロフォアなどで構成されることがあり得る。
【0065】
それらが個別又はそれらのいくつかの組合せとして有機化合物、生体分子、ナノ結晶、ナノ粒子、液体、固体などのいずれであっても蛍光信号を発するいずれかのタイプの物質がこの発明に含まれることが好ましい。主として、個々に使用されるのに加えて他との組合せで同じ粒子内に使用されることが可能であり、同じ波長範囲の励起スペクトルを有すること、及び同時に使用されるとそれらを見分けることを可能にする発光スペクトルを有することを特徴とするいずれかのタイプの蛍光物質がこの発明に含まれる。エマルジョンの製造工程の中で注入されるであろう流体との均質な混合物(溶液、サスペンジョン、エマルジョンなど)を構成するこれらの蛍光物質が明らかにこの発明に含まれる。注入混合物中の蛍光物質の組成と液滴生成のための条件の両方の制御が予測可能で差別化される所望のサイズ及び必要な蛍光特性を備えた粒子を得ることを可能にする。体系化された蛍光粒子は常套的な技術(分光計、蛍光顕微鏡など)、好ましくはフローサイトメトリによって分析及び差別化されることが可能である。
【0066】
内部に蛍光物質を含む粒子がその表面に蛍光粒子と他の分子の間の共有結合を作り出すことができる反応性官能基を有することもやはりこの発明の目的である。
【0067】
エマルジョン生成工程の中で液滴生成のための装置がエマルジョンの外部の相を構成するであろう流体中に浸漬され、したがって液滴がエマルジョンの生成中にどのような変形過程も経験しないことがこの発明の目的である。この流体は、水性又は有機性の性質を有し、毛管ジェットの解離によって作り出されるものとサイズが等しい液滴を備えたエマルジョンを作り出すためにその特性が液滴を構成する流体又は複数の流体とは十分に異なる液体である。また、装置が浸漬される流体は粒子を得るための液滴固化過程でエマルジョンの均一性及び均質性の作成及び維持を促進する物質を溶液中に有することがあり得る。付け加えると、エマルジョンが生成する流体は動いている。
【0068】
使用時の流体の性質に従って極めて多様な特性を備えたエマルジョン(例えばw/o、o/w、o/o、w/o/w、w/o/oなど)の生成のための手順がこの発明に含まれる。
【0069】
さらに、粒子の修飾形態及びサイズ分布を変えるはずの合体過程、目詰まりなどを伴わず、初期の特性の損失を伴わずにエマルジョンから粒子を生成するために普通に使用される溶剤の抽出/蒸発のための方法がこの発明に含まれる。
【0070】
付け加えると、この発明は好ましい手順として、反応性表面を備えた粒子の生成及び蛍光物質のカプセル化がこの発明に述べられて含まれる装置のうちの1つを使用して或る単一の工程で起こる手順を有する。蛍光粒子の生成は、カプセル用材料とフルオロフォア又は複数のフルオロフォアの組合せで構成される均質な混合物の加圧されたチャンバ内側への供給用チューブを通した注入、注入される流体の供給点の反対側に位置するチャンバのオリフィスを通って加圧チャンバを出るときに加圧用流体によって受ける圧力変化に由来する吸引に起因する安定な毛管ジェットの生成、エマルジョンを作り出す装置が浸漬される流体内部での毛管マイクロジェットの軸対称の解離、及び最後に蛍光粒子を生成するための溶剤の抽出/蒸発によって起こる。これらの体系化された蛍光粒子の表面に生物学的関心対象の分子を共有結合させる。
【0071】
この発明の別の目的は、薬学的及び生物医学的応用(薬剤のカプセル化及び供給、細胞及び微生物のカプセル化、診断及び臨床分析)などにおける微粒子のアレイの製造に較正標準(サイズ、蛍光など)として使用されることが可能な粒子を作り出すことである。この発明は生物学的多重検査に使用するための表面修飾された体系化蛍光粒子のアレイの製造を含むことが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
(実施例1)
(5ミクロンのポリスチレン微粒子(図4a)の調製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して5ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。エマルジョンの生成は単一の供給用端部(D0=H=150μm)を備えた毛管流動集束装置(D=100μm)を使用して行われる。毛管流動集束のための装置が撹拌された1%w/vのPVA水溶液中に撹拌しながら浸漬される。供給用チューブを通じて酢酸エチル(Panreac Chemistry)中の4%w/vのポリスチレン溶解液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)を1mL/hの流量で注入する。チャンバは水を3mL/minの連続的流量で導入することによって加圧される。生成したo/wエマルジョンは室温で16時間撹拌条件下に保たれ、それにより、溶剤の抽出/蒸発が起こる。固体粒子が遠心分離(Orto Alresa mod.Digicen 20、4,000rpm、10分間)され、水で3回洗浄され、凍結乾燥され、4℃で保存される。
【0073】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(daverage5.29μm、DS 0.509)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された(図4a)。
【0074】
(実施例2)
(9ミクロンのポリスチレン微粒子(図4b)の調製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して9ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。実施例1と同じ毛管流動集束のための装置を使用する。微粒子を得るための手順及び流体の組成は実施例1に述べられたものと同じであり、流体注入条件のみを変更する。ポリマー溶解液は2mL/hの流量で注入され、水の流量は2mL/minである。
【0075】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(daverage9.28μm、DS 0.86)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された(図4b)。
【0076】
(実施例3)
(13ミクロンのポリスチレン微粒子の調製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して13ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。エマルジョンの生成は単一の供給用端部(D0=H=150μm)を備えた毛管流動集束装置(D=200μm)を使用して行われる。毛管流動集束のための装置が1%w/vのPVA水溶液中に撹拌しながら浸漬される。供給用チューブを通じてジクロロメタン(Aldrich)中の4%w/vのポリスチレン溶液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)を3mL/hの流量で注入する。チャンバは水を4mL/minの連続的流量で導入することによって加圧される。生成したo/wエマルジョンは室温で16時間撹拌条件下に保たれ、それにより、溶剤の抽出/蒸発が起こる。固体粒子が遠心分離(Orto Alresa mod.Digicen 20、4,000rpm、10分間)され、水で3回洗浄され、水の沸騰槽中に導入することによって乾燥させられ、4℃で保存される。
【0077】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(daverage13.58μm、DS 1.65)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された。
【0078】
(実施例4)
(ポリスチレンとローダミンB蛍光粒子の作製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して5ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。実施例1と同じ毛管流動集束のための装置及び同じ試験条件を使用する。ここでは、注入される流体は酢酸エチル(Panreac Chemistry)中の4%w/vポリスチレン溶解液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)と様々な濃度のローダミンBの均質な混合物である。
【0079】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(表1)及び蛍光顕微鏡(Leica DMR)(図5)、フローサイトメータ(FACScalibur,Becton Dickinson)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された。
【0080】
本方法の再現性を表1の中に見ることが可能である。
【表1】
【0081】
(実施例5)
(ポリスチレンとフルオレセイン蛍光粒子の作製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して5ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。使用されるフルオロフォアを変えて、実施例4と同じ毛管流動集束のための装置及び同じ試験条件を使用する。ここでは、注入される流体は酢酸エチル(Panreac Chemistry)中の4%w/vポリスチレン溶解液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)と様々な濃度のフルオレセインの均質な混合物である。
【0082】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(表2)、蛍光顕微鏡(Leica DMR)、フローサイトメータ(FACScalibur,Becton Dickinson)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された。
【0083】
本方法の再現性を表2の中に見ることが可能である。
【表2】
【0084】
(実施例6)
(上記の実施例で得られる多様な蛍光粒子の混合物の分析及び説明)
この実施例は、この発明に述べられた毛管流動集束処理によって得られる多様な蛍光微粒子の集合を常套技術の蛍光分析を使用して識別することが可能であることを際立たせる。
【0085】
上記の実施例に従って調製された5μmのポリスチレン微粒子、フルオレセイン1mMを備えたポリスチレン、及びローダミンB0.6mMを備えたポリスチレンの混合物が水に懸濁され、これらが5分間超音波処理され、多様なフィルタを使用する蛍光顕微鏡(Leica DMR)(図6)、及びフローサイトメータ(FACScalibur,Becton Dickinson)(図7)で分析される。両方の技術を使用して、混合物中のすべての粒子の集合を同時に明らかに識別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本願明細書に述べられる手順に従った単一流体の注入による粒子の生成のための装置の基本的部品類の概略図である。
【図2】2つの同心の流体の注入による粒子の生成のための装置の基本的部品類の概略図である。
【図3】いくつかの実施された実験及びそれらの流動集束予測との一致についてd50部分/d0対Q/Q0を描くチャートである。
【図4a】この発明に述べられる手順によって作り出された5ミクロンのポリスチレン粒子の電子顕微鏡写真である。
【図4b】この発明に述べられる手順によって作り出された5ミクロンのポリスチレン粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5a】この発明に述べられる手順によって作り出された2つの異なり、差別化されたローダミン濃度(0.006mMと0.6mM)中の5ミクロンのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図5b】この発明に述べられる手順によって作り出された2つの異なり、差別化されたローダミン濃度(0.06mMと0.6mM)中の5ミクロンのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図5c】この発明に述べられる手順によって作り出された2つの異なり、差別化されたローダミン濃度(0.006mMと0.6mM)中の5ミクロンのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図6a】フィルタ(L5)を使用し2つの粒子の集合が見られることが可能である、フルオレセイン(1mM)及びローダミン(0.6mM)の濃度を備えた5μmのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図6b】フィルタ(N3)を使用しローダミンBを含む粒子だけが見られることが可能である、フルオレセイン(1mM)及びローダミン(0.6mM)の濃度を備えた5μmのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図7】この発明に述べられる手順によって作り出された蛍光を伴わないポリスチレン粒子、ローダミンBを伴うポリスチレン粒子、及びフルオレセインを伴うポリスチレン粒子の混合物のフローサイトメトリ分析のチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御されて再現可能な方法によるマイクロメートル及びナノメートルの範囲のポリマー粒子の生成に関する。前記粒子は球形状、及び極めて狭く均質な分布を有する。特に、本発明は溶剤抽出/蒸発によるエマルジョンの生産及びそのマイクロカプセル化及びナノカプセル化への応用のための新たな方法を記述する。特に、本発明は蛍光化合物のカプセル化及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、微粒子の使用は薬学、生物医学、化粧品産業、食品産業、農業、獣医学、繊維産業、化学などといった極めて多様な分野に広範に広がっている。中でも、最も興味深い応用は周囲環境から製品を安定化及び保護するための方法として、及び/又はカプセル化した化合物の分布/進路をその応用/相互作用点への道のりで最適化するための手段として微粒子を使用する可能性である。
【0003】
微粒子の使用が特別な卓越性を獲得している分野の1つはゲノムとプロテオームの科学であって、ここでは微粒子は生物分子の相互作用を研究するための新たな方法として使用されている。多様な性質のマイクロアレイの生産及び応用で生じる膨大な進歩にもかかわらず、従来型のマイクロアレイは未だ解決されていないいくつかの不都合を示す。主要な問題の1つは、どちらかと言えば遅くもある試料調製のプロトコルの複雑さ、及び結果を分析するために使用される技術の費用の増大である。得られる結果の再現性及び信頼性は未だ従来型のアレイで十分に達成されていない。
【0004】
現在、修飾された表面を備えた蛍光微粒子のアレイの使用は従来型の2Dマイクロアレイの使用に対して利点を取っている。概して、微粒子は多数で同時の検査を可能にし、これらは大量であっても安価で保管し易く、分子の結合のための高い単位体積当たりの使用可能表面を有する。付け加えると、ミクロスフィアは多様なサイズ及び化学組成で生産されることが可能であり、様々な性質の分子で遂行される生物学的検査におけるこれらの用途で高い汎用性を与える。
【0005】
微粒子のアレイを使用する別の大きな利点は、生じる分子相互作用のための検出技術としてのフローサイトメトリの使用をこれらが可能にすることである。フローサイトメトリは広範に普及した技術であり、検出の速度、分析の感度及び信頼性の大幅な増大という大きな進化を受けてきており、したがって複雑な試料検査の分析に関して他の技術に置き換わりつつある。ますます洗練された高い感度を備えた分析機器の開発が、微粒子の製造のためのますます汎用性のある技術の向上と一緒になって基礎研究と臨床診断の両方で将来への大きな期待を喚起してきた。
【0006】
他方で、カプセル化されたフルオロフォアの応用は独立した有機分子又は蛍光ナノ結晶の応用に比べて多くの利点を示す。フルオロフォアは溶剤、pH、イオン力、光退色などからこれらを保護して発光の強度を安定化させるマトリックスの内側にある。さらに、粒子の表面は、染料の蛍光品質に影響を及ぼすことなく粒子の外側に配置されるタンパク質、核酸、又は他のタイプの生体分子との結合のための官能基を備えて自由を保っている。したがって、生物学的結合体蛍光微粒子の応用は、過剰の蛍光染料に起因する凝集又は不活化を回避して検出の感度を大幅に増大させることを可能にする。
【0007】
カプセル化しようと試みる蛍光材料によって変わると見込まれるいくつかのカプセル化技術が存在する。中でも、最も使用されるものはポリマーのマトリックスを通る有機フルオロフォア又は蛍光ナノ結晶の微粒子の内部への吸着/拡散(例えばHan,M.Y.;Gao,X.;Su,J.Z.;Nie,S.「生体分子の多重光符号化のための量子ドットで標識したミクロビーズ(Quantum−dot−tagged microbeads for multiplexed optical coding of biomolecules)」Nat Biotechnol 2001,19,631〜635;米国特許第6680211号明細書、Biocrystal Ltd.;米国特許第5723218号明細書、Molecular Probes;L.B.Bangs,「均質なラテックス粒子(Uniform Latex Particles)」,Seragen Diagnostics Inc,1984;米国特許第6649414号明細書、Luminex Corp.(ここでは著者らはフルオロフォアの吸収によって得られる蛍光ナノ粒子の一層大きいサイズの微粒子への共有結合もやはり記述している));重合及び/又は被膜処理などで微粒子形成中の蛍光物質の組入れ(例えば米国特許第5073498号明細書、Caribbean Microparticles Corp.;国際公開0113119号パンフレット、Luminex Corp.);蛍光物質へのポリマーの層毎の閉じ込め(例えばWang,D.;Rogach,A.;Carruso,F.,「段階的な自己組織化によって調製される半導体の量子ドットで標識したミクロスフィア生物学的結合体(Semiconductor quantum dot−labeled microsphere bioconjugates prepared by stepwise self−assembly.Nano Lett 2002,2,857〜861))。
【0008】
蛍光物質へのポリマーの層の閉じ込めは「その場(in situ)」での粒子の製造を意味し、高い均質の程度を備えた必要なサイズの粒子を得るために処理の各々の工程に高度な制御を要求する。これは困難な処理であって多数の工程を意味する。
【0009】
蛍光物質が拡散によって粒子の内部に導入されるケースでは、粒子は既に作製されているが、初期のフルオロフォア溶液の均質性及び各々のフルオロスフィアの特定の負荷を得るために要する時間全体にわたる大きな制御を有することが必要である。この方法の主な不都合の1つは微粒子内部のフルオロフォアの最終分布の均質性の欠如であり、したがって表面における蛍光物質の最終濃度はどちらかと言えば高く、核心に近付くと徐々に減少する。それに加えて、フルオロフォアはマトリックスの内側で保護されているが、拡散によって作り出される粒子のケースでは高い割合(約30%)のフルオロフォアが表面に存在し、マトリックスの内部に埋め込まれたものとは異なる特性を示し、これは確かに最終微粒子の凝集体及びフォトルミネッセンスの損失を作り出すことがある。
【0010】
最後に、微粒子形成中の蛍光物質の組入れはフルオロフォアの存在下でのモノマーの重合による初期粒子の成長を概して意味する方法であり、前のものより良くない代替選択肢である。
【0011】
前に述べられたすべてを考慮に入れると、単純な方式で体系化された粒子を作り出して粒子の構造及び均質性、並びにその符号化に使用される蛍光物質の分布を徹底的に制御することを可能にするために新たなカプセル化方法の応用及び最適化を必要とする。
【0012】
本特許は、流体力学的力の適用と系の特異的な幾何学形状を組合わせる流動集束系によるエマルジョンの生成に基づいた粒子製造の新たなシステムに言及する。液滴の固化の後、球形状及び極めて狭く、且つ再現性のあるサイズ分布を備えたナノメートル及びマイクロメートルのサイズの粒子を得る。
【0013】
本発明によって目標とされる粒子の製造のためのシステムは、作製されるエマルジョンの外部の相になるであろう液体中に浸漬された流動集束装置によって構成される。正確に述べると、この流動集束装置は流体の連続的供給によって加圧されるチャンバから成る(図1)。このチャンバの壁に作られた穴の前方に置かれた供給点を通じてチャンバの内側に第2の流体が注入される。チャンバを加圧する流体流は第2の流体を取り囲み、第2の流体が穴を通じてチャンバの外側に吐出されることで制御された方式で細いマイクロジェットを作り出す。
【0014】
毛管の不安定性のせいで、層流の内部に位置する毛管マイクロジェットは装置が浸漬される液体の内部で壊れ、制御されたサイズの液滴を備えた均質なエマルジョンを作り出す。いったんエマルジョンが作り出されて液滴が固化した後に、球形状を備えた乾燥粒子を得る。この手順の中で、両方の前述の流体は安定なマイクロジェットの発生を可能にするために互いに十分に異なる液体であることが好ましい。概して、内側の流体は1つ又は複数の成分の溶液、液化固体、様々な性質の化合物のサスペンジョン及び/又はエマルジョンである。
【0015】
第1の手順では、或る単一の流体が第2の流体によって加圧されたチャンバの内側に或る単一の供給用チューブを通じて注入され、次いで、供給用チューブの端部の前方の壁に配置された穴を通じて外側に吐出される。
【0016】
本発明に含まれる第2の手順では、注入される流体は異なる流体から成り、これらが同心の毛管チューブを通じて導入される。チャンバの内側でこれらの流体が接触し、いくつかの層の同心流体によって形成される毛管マイクロジェットを作り出す。この毛管マイクロジェットは供給用チューブの端部の前方の壁に配置された穴を通じてチャンバを加圧する液体によって加圧されて外側に吐出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
加圧されたチャンバの内側で複数の流体供給用チューブを使用し、各々の供給用チューブの前方に作られた穴を通って外側に出る複数のマイクロジェットを作り出すことが本発明の目的である。エマルジョン、及び後に大量の粒子を作り出すための複数の毛管マイクロジェットの発生用の装置及び手順が本発明の目的である。
【0018】
場合によっては、均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる作製を促進するために、周期的で制御された(例えば機械的、音響的などの)外的不安定性を1つ又は複数の流体に加える可能性も本発明に含まれる。
【0019】
予測可能であって制御されたサイズの乾燥粒子を極めて低い分散速度で作り出すための新たな方法を提供することが本発明の目的である。粒子の内部の多様な物質をカプセル化するための処理が本発明に含まれる。主に、制御された方式で、或る単一工程で蛍光物質をカプセル化するための処理が本発明に含まれる。
【0020】
粒子の外部環境に晒される生物学的関心対象の分子を含む粒子を作り出すための方法もやはり本発明に含まれる。
【0021】
本発明の別の目的は、薬学的及び生物医学的用途(カプセル化及び薬剤供給、細胞及び微生物のカプセル化、診断及び臨床分析)などで微粒子のアレイの製造の較正標準(サイズ、蛍光など)として使用されることが可能な粒子を作り出すことである。
【0022】
いずれかの他の既存の方法論に比べて、幾何学形状と流体力学的効果のこの組合せの主要な刷新的で有利な特徴は以下である。
a)装置のいずれの他の寸法(穴、供給用端部など)よりもはるかに小さいサイズの粒子が製造されることが可能であり、これは注入穴によって粒子のサイズを強制する他の既存の押し出し成形技術では不可能である。
b)粒子のサイズが制御可能であり、予測可能である。
c)ジェットを操作するため、又は後の選別処理を遂行するための一層複雑なメカニズムを使用することなく、粒子のサイズ分布は極めて狭い。
d)完全に再現性のある処理である。
e)内部の流体と出口穴の間の接触が無く、したがって直接押し出しに付随する大きな剪断応力に伴う問題を未然に防ぐ。それは目詰まりもやはり防ぐ。
f)作り出されるエマルジョンの外部の相の内側で粒子の形成が起こることで粒子の最終幾何学形状の変形の問題を未然に防ぐ。
g)様々な物理化学的特性(粘度、化学組成など)を備えた流体の膨大な組合せの使用を可能にする。
h)最終粒子の組成及び構造がまさに処理の開始から完全に制御可能である。
i)連続的な方式での粒子の製造のためのシステムであり、これは製造処理の各々の工程において徹底的な品質管理を実行することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の目的の方法及び装置の説明の前に、本発明が本願明細書に述べられる特定の構成部品にも具体的な手順にも限定されず、これらがもちろんそれ自体で変わり得ることは理解されるべきである。概して、本願明細書に使用されるすべての用語は本発明の多様な態様を述べるために使用され、いずれの場合でも限定する意図ではないことが意図される。
【0024】
本発明の達成のために使用される装置は国際公開第9930833号パンフレット(「乾燥粒子を作り出すための装置及び方法」)、国際公開第9930834号パンフレット(「薬剤供給用のエアロゾルを作り出すための装置及び方法」)、米国特許第6234402号明細書(「安定化毛管マイクロジェット及びこれを製造するための装置と方法」)の文書に記述されている。
【0025】
概して、及び記述された以外、本願明細書に使用されるすべての科学的及び技術的用語は、関連する環境で適用されるときに普通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0026】
(定義)
本願明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形「或る」、「1つの」、及び「この」は文脈が別のものを示さない限り複数もやはり示すことは留意されるべきである。例えば、「或る粒子」と書かれるとき、それは粒子の群も含み、「或るフルオロフォア」と言及されるとき、それはフルオロフォアの組合せも含む。
【0027】
本発明では、スフィア、粒子、及びカプセルという用語は、それらが中まで同材質、中空、多孔質、異なる層を備えたO型多層のいずれであるかに関係無く、本特許に述べられる微粒子及びナノ粒子の記述のために置き換え可能である。これらの粒子は最終用途に応じていずれの物質で作られることもあり得る。
【0028】
蛍光物質という用語でもって、それらが個別又はそれらのいくつかの組合せとして有機化合物、生体分子、ナノ結晶、ナノ粒子、液体、固体などのいずれであっても蛍光信号を発するいずれかのタイプの物質に言及する。
【0029】
反応表面という用語でもって、いずれかの組成を有すると、粒子と分子の間の1つ又は複数の共有結合の形成を可能にする適切な化学的機能を含むいずれかのタイプの分子と反応することができる一連の官能基を有する粒子の表面に言及する。
【0030】
本発明では、流体という用語は気体又は液体を指名するための区別を伴わずに使用される。液体の場合では、単純な液体、混合物、溶解液、サスペンジョン、エマルジョン、液化固体などを含む。
【0031】
マイクロジェットという用語でもって、加圧されたチャンバの内側の内部流体の集束から得られてチャンバに実施された穴を通って外側に出る毛管糸状体に言及する。この用語はナノメートル及びマイクロメートルの直径を備え、多様な組成のジェットを含む。
【0032】
(発明の記述)
本発明の目的はエマルジョンの生成のための新たな方法論に基づいた粒子の製造である。この新たな手順は流動集束と命名される毛管集束系に基づいており、流体力学的力の適用とシステムの特定の幾何学形状を組合わせ、将来のエマルジョンの外部の相の内部で生じる。いったんエマルジョンが作り出されて液滴が固化した後に、球形状及び極めて狭く再現性のあるサイズ分布を備えたナノメートル及びマイクロメートルのサイズの粒子を得る。
【0033】
本発明の基礎技術は、第2の流体によって加圧されたチャンバの内側への第1の流体の導入のためのシステムにある。第1の流体は液体又は気体であることが可能であり、第2の流体は液体である。両方の流体が、供給用端部から加圧されたチャンバの周囲環境への出口ポイントへと移動する第1の流体の安定なマイクロジェットの発生を可能にするために互いに十分に異なる液体であることが好ましい。両方の見込まれる組合せ、気体−液体及び液体−液体を考慮に入れて、本発明は液体−液体の組合せに関して一般的手順を記述する。
【0034】
マイクロジェットの形成、その加速、及び最後の粒子の生成はチャンバを加圧する第1の流体が、チャンバの出口穴を通って進むときに受ける急激な加速に付随する突然の圧力降下に基づいている。これは両方の流体の間の大きい圧力差を引き起こし、これは穴に近い第2の流体の表面の高度に湾曲した領域の出現に由来し、穴が吸い込むのと同じ量の液体を供給すれば静止マイクロジェットが流れるであろう頂点(peak point)を得る。このようにして、加圧されたチャンバ内の流体は第1の流体を取り囲んでそれを集束させ、直径がチャンバの出口穴の直径よりはるかに小さい安定なマイクロジェットを作り出して目詰まりを防ぐ。
【0035】
殆どすべての液体(動粘性係数10−4から1Kg/(m・s))に当てはめるのに十分に広いパラメータの余地(流体の特性、供給される流量、供給用端部の直径、出口穴のサイズ、圧力の関係など)を使用し、したがって供給用チューブから生じる毛管マイクロジェットは完全に安定であり、マイクロジェット分裂過程の不安定性が上流で進展することはあり得ない。下流では単純に毛管の不安定性によってマイクロジェットが規則正しいサイズの液滴へと壊れる(例えばRayleigh「ジェットの不安定性(On the inestability of jets)」Proc.London Math.Soc,4〜13,1878)。
【0036】
マイクロジェットは、予測されたサイズの類似した複数液滴へとマイクロジェットが壊れるときにエマルジョンが生成される方式で動いている流体の内側に作り出される。いずれかの既に知られている方法による溶剤の抽出/蒸発の後に、流動集束理論によって予測されたように、球形状及び極めて狭く、且つ再現性のあるサイズ分布を備えたナノメートル及びマイクロメートルのサイズの粒子を得る。
【0037】
液滴の発生のための装置及びエマルジョンの外部の相が配置されるこれらの液滴を集めるための容器で構成されるシステムが本発明の目的である。このシステムは以下から構成される(図1)。
1.供給源又は供給用ニードル又は先端又は端部又は供給用端部とも呼ばれる供給用チューブ。
2.内部流体を導入するために使用される供給用チューブの開始部。
3.加圧されたチャンバ。
4.流体加圧用注入口として使用されるオリフィス。
5.加圧されたチャンバ内に第1の流体を導入する供給用チューブの端部。
6.引き抜きがそれを通って起こるオリフィス。
7.微小液滴。
8.生成した液滴が集められる容器。
9.液滴の生成のためのネブライザが浸漬され、エマルジョンの外部の相となるであろう液体。
10.生成中のエマルジョンを振動させるための外部システム。
【0038】
D0は供給用チューブの直径であり、Dはマイクロジェットが通過させられるオリフィスの直径であり、eは引き抜きがそれを通って起こるオリフィスの軸方向長さであり、Hは供給用チューブからマイクロジェットの出口までの距離であり、P0はチャンバ内側の圧力であり、Pαは大気圧である。
【0039】
本発明に含まれる装置は様々な設計で構成されることが可能であるが、これらの多様な設計は図1に示される必須の部品類、又は同等の機能を遂行し、望ましい結果を得る部品類をすべて含むであろう。特に、本発明の装置は両方の端部(内部流体の導入のための一方(2)及びそれを加圧されたチャンバ(3)内に吐出するための他方(5))で開口した内部流体用の少なくとも1つの供給源(1)を含み、これは0.002〜2mm、好ましくは0.01〜0.4mmの内径を備えている。供給用チューブ(1)又は少なくとも出口端部(5)は加圧されたチャンバ(3)の内側になければならない。このチャンバ(3)は第2の流体をチャンバ(3)の中に供給するために使用される入口開口(4)及び0.002〜2mm、好ましくは0.01〜0.25mmの内径を備えてこれを通って毛管マイクロジェットが流れる出口開口(6)を有さなければならない。供給用チューブ(3)の出口端部(5)はチャンバの出口穴の前方で、0.01〜2mm、好ましくは0.2〜0.5mmの距離になければならない。
【0040】
付け加えると、供給源の先端の直径、チャンバのオリフィスの直径、及びそれらの間の距離が、流体間の相互作用のための条件を得るために変更及び調節されることが可能であって層流の内側の安定な毛管マイクロジェットにつながる装置が本発明の目的である。
【0041】
流体の導入は、流量の変動を伴わずに連続的な流体の供給を可能にするいずれかの方法(コンプレッサ、加圧されたチャンバ、容量ポンプなど)によって生じるであろう。
【0042】
図1では、供給源及び加圧されたチャンバは液滴サイズが小さく、一様な分布を有するエマルジョンを得るように設計される。この発明によると、溶剤除去に起因する粒子の体積の減少のみを生じるように溶剤の抽出/蒸発が起こる。この除去は液滴の合体現象、目詰まり、又は類似現象の発生を伴わずに迅速に起こり、したがって液滴の相対的サイズ分布を最終の粒子に維持する。得られる粒子のサイズは流動集束理論によって予測されたサイズに一致する(図3)。いくつかのケースでは、集束流体の外部ジェットによって経験される減速度に起因して壊れる前に集束された流動マイクロジェットの低速化及び広がりが生じるので予測よりわずかに大きいサイズが得られる。
【0043】
最終の粒子は好ましくは0.01μmと1000μmの間、さらに好ましくは0.01μmと200μmの間、最も好ましくは0.01μmと80μmの間の直径を有するべきである。得られる最終の粒子は10から30%、さらに好ましくは3から10%、最も好ましくは3%以下の相対的標準偏差を伴う等しいサイズであるべきである。
【0044】
場合によっては、均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる生成を促進するために(例えば機械的、音響的などの)定期的で制御された外部からの撹拌を加える可能性もこの発明には含まれる。これらの不安定性は一様であって制御されるべきであり、これらの頻度は作り出されるマイクロジェットの特性及び必要とされる最終粒子サイズによって決定される。
【0045】
加圧されたチャンバの壁に配置された多数のオリフィスのうちの1つの前方に各々が置かれた多数の流体供給用チューブの使用による多数の毛管マイクロジェットの生成のための流動集束装置が本発明の目的である。多数の装置のケースで最適の結果を得るために、注入される流体の流量はすべてのポイントで可能な限り一様であるべきであり、流体の導入は多数の毛管ニードル、多孔質の媒体、又は多様な供給用チューブの中で一様な流量を配分することが可能ないずれかの他の媒体によって起こることが見込まれる。
【0046】
このネブライザは、基本的にこの装置が使用されるであろう特定の用途に応じて複数の材料(金属、プラスチック、セラミック、ガラスなど)で製造されることが見込まれる。
【0047】
その設計が互いに同心に配置された複数の供給用ニードルを含んで出口で或る単一の毛管マイクロジェットを作り出す装置がこの発明の別の目的である(図2)。図2の実施形態の部品類は以下の通りである。
21.チューブ又は流体源又は供給用端部とも呼ばれる供給用ニードル。
22.供給源に流体を導入するために使用される供給用チューブの開始部。
23.加圧されたチャンバ。
24.加圧用流体の注入口として使用される入口オリフィス。
25.加圧されたチャンバ内に霧化されるべき第1の流体を導入する供給用チューブの端部。
26.それを通ってマイクロジェットが加圧されたチャンバを出るオリフィス。
27.微小液滴。
28.粒子の中核を構成するであろう流体。
29.粒子の外被を構成するであろう流体。
30.チャンバを加圧する流体。
31.供給源の内部毛管。
32.供給源の外部毛管。
33.生成した液滴が集められる容器。
34.液滴形成のためのネブライザが浸漬され、エマルジョンの外部の相を構成するであろう液体。
35.生成中のエマルジョンを振動させるための外部システム。
【0048】
Diは供給用チューブの内部毛管の直径であり、D0は供給用チューブの外部毛管の直径であり、マイクロジェットが通過させられるオリフィスの直径であり、eは引き抜きがそれを通って起こるオリフィスの軸方向長さであり、Hは供給用チューブからマイクロジェットの出力部までの距離であり、P0はチャンバ内側の圧力であり、Pαは大気圧である。
【0049】
本発明に含まれる装置は、図2に示される基本部品類又は同じ機能を達成して望ましい結果を得る部品類をなおも含むような多数の方式で設計されることが見込まれる。
【0050】
図2に述べられたシステムは1つ又は複数の多様な物質でコーティングされた物質を得ようとするときに使用される。このシステムは図1に述べられたものと同じ基本部品で構成され、第1の円筒状供給源の周囲に同心で配置された第2の供給源をさらに含む。外部毛管は前のものの周囲に同心に配置された新たな毛管によって取り巻かれてもよい。
【0051】
エマルジョン生成のための手順は前のものと同じであり、それにより、これらの流体は同心の毛管で作り上げられた特定の供給源(21)を通じて別々に注入される。粒子が2つの物質から成る場合、内部毛管(31)を通じて粒子の核/芯を構成するであろう物質が注入され、外部毛管(32)を通じて粒子をコーティングするであろう物質が導入される。両方の供給用チューブは0.002〜2mm(好ましくは0.01〜0.4mm)の内径を有し、Di<D0である。これら同心のチューブの先端の間の相対距離もやはり、前記外部チューブの内径(32)の値より大きい距離で内部チューブ(31)が外部チューブ(32)に入ってはならないことを考慮に入れて変わることが可能である。連続したチューブ間のこれらの相対位置を維持して2つの同心の毛管を使用する場合、これらの同じ基準が有効である。
【0052】
供給源(25)の出口で、これらの流体は加圧されたチャンバの内側で同心に合体し、これらはチャンバを加圧する流体によって加速され、少なくともマイクロジェット処理の生成及び崩壊以外の間で、異なる流体の2つ以上の同心の層のマイクロジェットを生成する。供給源はチャンバの出口穴の前方に置かれ、0.002〜2mm(好ましくは0.01〜0.25mm)の内径を有し、穴から0.01〜2mm(好ましくは0.2〜0.5mm)の距離に置かれる。好ましくは、内部毛管の供給用端部とチャンバのオリフィスの間の距離はゼロと外部毛管内径の値の3倍の間に含まれるべきである。いったんマイクロジェットが生成されると、毛管の不安定性に起因して、これは壊れて類似したサイズの球状の液滴を均一に生成し、これらは程度の差はあるが同心の層の異なる流体によって構成される。微粒子を構成する異なる層のサイズ及び厚さ、並びにそれらの相対的分布は異なる流体の流量の間の関係及びそれらの供給用毛管の内径の間の関係及びそれらの相対位置によって決定され、これらは正確に調節されることが可能である。
【0053】
付け加えると、供給源の先端の直径、チャンバの出口穴の直径、及びそれらの間の距離が、流体間の相互作用の条件を得るために変更及び調節されることが可能であって層流の内側の安定な毛管マイクロジェットにつながる流動集束装置が本発明の目的である。
【0054】
流体の導入は、流量の変動を伴わずに連続的な流体の供給を可能にするいずれかの方法(コンプレッサ、加圧されたチャンバ、容量ポンプなど)によって生じるであろう。
【0055】
図2では、供給源及び加圧されたチャンバは液滴サイズが小さく、一様な分布を有するエマルジョンを得るように設計される。この発明によると、溶剤除去に起因する粒子の体積の減少のみを生じるように溶剤の抽出/蒸発が起こる。液滴の合体現象、目詰まり、又は類似現象の発生は起こらず、したがって液滴を最終の粒子の相対的サイズ分布に維持する。最終の粒子は好ましくは0.01μmと1000μmの間、さらに好ましくは0.01μmと200μmの間、最も好ましくは0.01μmと80μmの間の直径を有するべきである。得られる最終の粒子は10から30%、さらに好ましくは3から10%、最も好ましくは3%以下の相対的標準偏差を伴う等しいサイズであるべきである。
【0056】
場合によっては、均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる生成を促進するために(例えば機械的、音響的などの)定期的で制御された外部からの撹拌を加える可能性もこの発明に含まれる。これらの撹拌は一様であって制御されるべきであり、これらの頻度は作り出されるマイクロジェットの特性及び必要とされる最終の粒子のサイズによって決定される。
【0057】
加圧されたチャンバの壁に配置された多数の穴のうちの1つの前方に各々が置かれた2つ以上の同心の毛管によって各々が構成される多数の流体供給用チューブの使用による多数の毛管マイクロジェットの生成のための装置が本発明の目的である。多数の装置のケースで最適の結果を得るために、注入される流体の流量はすべてのポイントで可能な限り一様であるべきであり、流体の導入は多数の毛管ニードル、多孔質の媒体、又は多様な供給用チューブの中で一様な流量を配分することが可能ないずれかの他の媒体によって起こることが見込まれる。
【0058】
このネブライザは、基本的にこの装置が使用されるであろう特定の用途に応じて複数の材料(金属、プラスチック、セラミック、ガラスなど)で製造されることが見込まれる。
【0059】
この発明で言及される流体の性質及び組成は粒子の組成及び構造、及びそれらが作り出される最終用途によって決まる。本発明では、流体という用語は気体又は液体を指名するための区別を伴わずに使用される。液体の場合では、単純な液体、混合物、溶解液、サスペンジョン、エマルジョン、液化固体などを含む。
【0060】
粒子の最終の組成及び構造を考慮に入れて、本特許に含まれる毛管流動集束装置のいずれかによる安定な毛管マイクロジェットの生成のために必要とされる特性を有する流体の組合わせ、壊れて安定なエマルジョンを生成し、これが液滴の固化後に予測されたサイズ及び一様なサイズ分布を備えた粒子を得ることを可能にする毛管マイクロジェットを生成する流体の組合せを使用しなければならない。例えば、限定を意図しないが、疎水性材料からの単純粒子の生成については、溶剤の抽出/蒸発の後に予期された粒子を生成するエマルジョンを作り出すために、加圧用材料及び液滴の生成が起こる溶解液の両方が親水性溶液であって集束流体と非混和性であろう。
【0061】
これらの粒子は、限定はされないがポリマー、シリカ、金属、セラミックなどの多様な材料で製造されることが可能である。この発明はポリマー材料を含むことが好ましい。ポリマーは合成又は天然であってもよく、水又は有機溶剤に可溶性である。この発明の目的はポリマー材料を含む流体であり、これらの中でも、本発明を限定することなく、ポリアルコール、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(カプロラクトン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリオルトエステル、ポリ無水物(例えばポリセバシン酸、ポリフマル酸、ポリ(カルボキシフェノキシプロパン)、ポリ(カルボキシフェノキシヘキサン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート及びこれらの誘導体とコポリマー、ポリ(シアンクリレート)、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化物、ポリフッ化物、ポリビニル誘導体、ポリオレフィン、ポリフォスフェート、ポリ(有機フォスファセン)、ポリ(無水物−コ−イミド)、多糖類及び炭水化物誘導体、ポリ(アミノ酸)、巨大分子から派生するポリマー、及び上述のものの誘導体すべて、及びこれらのコポリマーを含むことがあり得る。
【0062】
粒子の製造に使用されるポリマー材料が、粒子と分子の間の1つ又は複数の共有結合の形成を可能にする適切な化学的機能を有するいずれかのタイプの分子と反応することができる反応性官能基を有することが本発明の目的である。これらの反応基が粒子の外表面に向いて粒子の表面に位置することがこの発明の目的であることが好ましい。表面に結合する分子の中でも、限定はされないが、生物学的関心対象の分子、好ましくはペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、PNA、LNA、タンパク質、糖タンパク質、脂質、リン脂質、炭水化物、少糖類、及びこれらの混合物がこの発明に含まれる。
【0063】
製造方法の或る単一の工程内で生物学的関心対象の分子を粒子の外側に向けて加えることが可能な粒子生成のための方法もやはりこの発明に含まれる。
【0064】
粒子のマトリックス又は複数マトリックス(多層カプセルの場合)を構成するであろう主要構成要素に加えて、流体は他の物質、含まれる中でも、限定はされないが治療及び/又は予防活性を備えた薬剤及び化合物、タンパク質、微生物、細胞、生体分子、動物界の生物学的活性を備えた物質、金属、磁気特性を備えた物質、着色剤、フルオロフォアなどで構成されることがあり得る。
【0065】
それらが個別又はそれらのいくつかの組合せとして有機化合物、生体分子、ナノ結晶、ナノ粒子、液体、固体などのいずれであっても蛍光信号を発するいずれかのタイプの物質がこの発明に含まれることが好ましい。主として、個々に使用されるのに加えて他との組合せで同じ粒子内に使用されることが可能であり、同じ波長範囲の励起スペクトルを有すること、及び同時に使用されるとそれらを見分けることを可能にする発光スペクトルを有することを特徴とするいずれかのタイプの蛍光物質がこの発明に含まれる。エマルジョンの製造工程の中で注入されるであろう流体との均質な混合物(溶液、サスペンジョン、エマルジョンなど)を構成するこれらの蛍光物質が明らかにこの発明に含まれる。注入混合物中の蛍光物質の組成と液滴生成のための条件の両方の制御が予測可能で差別化される所望のサイズ及び必要な蛍光特性を備えた粒子を得ることを可能にする。体系化された蛍光粒子は常套的な技術(分光計、蛍光顕微鏡など)、好ましくはフローサイトメトリによって分析及び差別化されることが可能である。
【0066】
内部に蛍光物質を含む粒子がその表面に蛍光粒子と他の分子の間の共有結合を作り出すことができる反応性官能基を有することもやはりこの発明の目的である。
【0067】
エマルジョン生成工程の中で液滴生成のための装置がエマルジョンの外部の相を構成するであろう流体中に浸漬され、したがって液滴がエマルジョンの生成中にどのような変形過程も経験しないことがこの発明の目的である。この流体は、水性又は有機性の性質を有し、毛管ジェットの解離によって作り出されるものとサイズが等しい液滴を備えたエマルジョンを作り出すためにその特性が液滴を構成する流体又は複数の流体とは十分に異なる液体である。また、装置が浸漬される流体は粒子を得るための液滴固化過程でエマルジョンの均一性及び均質性の作成及び維持を促進する物質を溶液中に有することがあり得る。付け加えると、エマルジョンが生成する流体は動いている。
【0068】
使用時の流体の性質に従って極めて多様な特性を備えたエマルジョン(例えばw/o、o/w、o/o、w/o/w、w/o/oなど)の生成のための手順がこの発明に含まれる。
【0069】
さらに、粒子の修飾形態及びサイズ分布を変えるはずの合体過程、目詰まりなどを伴わず、初期の特性の損失を伴わずにエマルジョンから粒子を生成するために普通に使用される溶剤の抽出/蒸発のための方法がこの発明に含まれる。
【0070】
付け加えると、この発明は好ましい手順として、反応性表面を備えた粒子の生成及び蛍光物質のカプセル化がこの発明に述べられて含まれる装置のうちの1つを使用して或る単一の工程で起こる手順を有する。蛍光粒子の生成は、カプセル用材料とフルオロフォア又は複数のフルオロフォアの組合せで構成される均質な混合物の加圧されたチャンバ内側への供給用チューブを通した注入、注入される流体の供給点の反対側に位置するチャンバのオリフィスを通って加圧チャンバを出るときに加圧用流体によって受ける圧力変化に由来する吸引に起因する安定な毛管ジェットの生成、エマルジョンを作り出す装置が浸漬される流体内部での毛管マイクロジェットの軸対称の解離、及び最後に蛍光粒子を生成するための溶剤の抽出/蒸発によって起こる。これらの体系化された蛍光粒子の表面に生物学的関心対象の分子を共有結合させる。
【0071】
この発明の別の目的は、薬学的及び生物医学的応用(薬剤のカプセル化及び供給、細胞及び微生物のカプセル化、診断及び臨床分析)などにおける微粒子のアレイの製造に較正標準(サイズ、蛍光など)として使用されることが可能な粒子を作り出すことである。この発明は生物学的多重検査に使用するための表面修飾された体系化蛍光粒子のアレイの製造を含むことが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
(実施例1)
(5ミクロンのポリスチレン微粒子(図4a)の調製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して5ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。エマルジョンの生成は単一の供給用端部(D0=H=150μm)を備えた毛管流動集束装置(D=100μm)を使用して行われる。毛管流動集束のための装置が撹拌された1%w/vのPVA水溶液中に撹拌しながら浸漬される。供給用チューブを通じて酢酸エチル(Panreac Chemistry)中の4%w/vのポリスチレン溶解液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)を1mL/hの流量で注入する。チャンバは水を3mL/minの連続的流量で導入することによって加圧される。生成したo/wエマルジョンは室温で16時間撹拌条件下に保たれ、それにより、溶剤の抽出/蒸発が起こる。固体粒子が遠心分離(Orto Alresa mod.Digicen 20、4,000rpm、10分間)され、水で3回洗浄され、凍結乾燥され、4℃で保存される。
【0073】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(daverage5.29μm、DS 0.509)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された(図4a)。
【0074】
(実施例2)
(9ミクロンのポリスチレン微粒子(図4b)の調製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して9ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。実施例1と同じ毛管流動集束のための装置を使用する。微粒子を得るための手順及び流体の組成は実施例1に述べられたものと同じであり、流体注入条件のみを変更する。ポリマー溶解液は2mL/hの流量で注入され、水の流量は2mL/minである。
【0075】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(daverage9.28μm、DS 0.86)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された(図4b)。
【0076】
(実施例3)
(13ミクロンのポリスチレン微粒子の調製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して13ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。エマルジョンの生成は単一の供給用端部(D0=H=150μm)を備えた毛管流動集束装置(D=200μm)を使用して行われる。毛管流動集束のための装置が1%w/vのPVA水溶液中に撹拌しながら浸漬される。供給用チューブを通じてジクロロメタン(Aldrich)中の4%w/vのポリスチレン溶液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)を3mL/hの流量で注入する。チャンバは水を4mL/minの連続的流量で導入することによって加圧される。生成したo/wエマルジョンは室温で16時間撹拌条件下に保たれ、それにより、溶剤の抽出/蒸発が起こる。固体粒子が遠心分離(Orto Alresa mod.Digicen 20、4,000rpm、10分間)され、水で3回洗浄され、水の沸騰槽中に導入することによって乾燥させられ、4℃で保存される。
【0077】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(daverage13.58μm、DS 1.65)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された。
【0078】
(実施例4)
(ポリスチレンとローダミンB蛍光粒子の作製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して5ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。実施例1と同じ毛管流動集束のための装置及び同じ試験条件を使用する。ここでは、注入される流体は酢酸エチル(Panreac Chemistry)中の4%w/vポリスチレン溶解液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)と様々な濃度のローダミンBの均質な混合物である。
【0079】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(表1)及び蛍光顕微鏡(Leica DMR)(図5)、フローサイトメータ(FACScalibur,Becton Dickinson)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された。
【0080】
本方法の再現性を表1の中に見ることが可能である。
【表1】
【0081】
(実施例5)
(ポリスチレンとフルオレセイン蛍光粒子の作製)
以下の実施例はこの発明に述べられた方法論を使用して5ミクロンのポリスチレン微粒子を作り出すための手順を示す。使用されるフルオロフォアを変えて、実施例4と同じ毛管流動集束のための装置及び同じ試験条件を使用する。ここでは、注入される流体は酢酸エチル(Panreac Chemistry)中の4%w/vポリスチレン溶解液(Aldrich、Mw=4,000〜200,000)と様々な濃度のフルオレセインの均質な混合物である。
【0082】
微粒子の分析は光学顕微鏡(Leica DM LS)及び画像編集プログラム(表2)、蛍光顕微鏡(Leica DMR)、フローサイトメータ(FACScalibur,Becton Dickinson)及び走査型電子顕微鏡(Philips XL30)を使用して為された。
【0083】
本方法の再現性を表2の中に見ることが可能である。
【表2】
【0084】
(実施例6)
(上記の実施例で得られる多様な蛍光粒子の混合物の分析及び説明)
この実施例は、この発明に述べられた毛管流動集束処理によって得られる多様な蛍光微粒子の集合を常套技術の蛍光分析を使用して識別することが可能であることを際立たせる。
【0085】
上記の実施例に従って調製された5μmのポリスチレン微粒子、フルオレセイン1mMを備えたポリスチレン、及びローダミンB0.6mMを備えたポリスチレンの混合物が水に懸濁され、これらが5分間超音波処理され、多様なフィルタを使用する蛍光顕微鏡(Leica DMR)(図6)、及びフローサイトメータ(FACScalibur,Becton Dickinson)(図7)で分析される。両方の技術を使用して、混合物中のすべての粒子の集合を同時に明らかに識別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本願明細書に述べられる手順に従った単一流体の注入による粒子の生成のための装置の基本的部品類の概略図である。
【図2】2つの同心の流体の注入による粒子の生成のための装置の基本的部品類の概略図である。
【図3】いくつかの実施された実験及びそれらの流動集束予測との一致についてd50部分/d0対Q/Q0を描くチャートである。
【図4a】この発明に述べられる手順によって作り出された5ミクロンのポリスチレン粒子の電子顕微鏡写真である。
【図4b】この発明に述べられる手順によって作り出された5ミクロンのポリスチレン粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5a】この発明に述べられる手順によって作り出された2つの異なり、差別化されたローダミン濃度(0.006mMと0.6mM)中の5ミクロンのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図5b】この発明に述べられる手順によって作り出された2つの異なり、差別化されたローダミン濃度(0.06mMと0.6mM)中の5ミクロンのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図5c】この発明に述べられる手順によって作り出された2つの異なり、差別化されたローダミン濃度(0.006mMと0.6mM)中の5ミクロンのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図6a】フィルタ(L5)を使用し2つの粒子の集合が見られることが可能である、フルオレセイン(1mM)及びローダミン(0.6mM)の濃度を備えた5μmのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図6b】フィルタ(N3)を使用しローダミンBを含む粒子だけが見られることが可能である、フルオレセイン(1mM)及びローダミン(0.6mM)の濃度を備えた5μmのポリスチレン蛍光粒子の混合物の蛍光顕微鏡画像である。
【図7】この発明に述べられる手順によって作り出された蛍光を伴わないポリスチレン粒子、ローダミンBを伴うポリスチレン粒子、及びフルオレセインを伴うポリスチレン粒子の混合物のフローサイトメトリ分析のチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子の製造のための手順であって、以下の工程すなわち
・2つ以上の流体を毛管流動集束装置に導入する工程と、
・前記毛管流動集束装置を、前段で前記毛管流動集束装置に導入された流体と等しいか又は異なる別の流体内部に浸漬させる工程と、
・連続した相が、少なくとも前記毛管流動集束装置が浸漬された流体を含み、前記毛管流動集束装置を通って集束した前記流体又は複数の流体によって構成される分散相であるエマルジョンを生成する工程と、
・前段で生成した前記分散相から前記マイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を作り出す工程であって、これらの粒子を初期に生成する前記エマルジョンの液滴に関して:a)統計学的サイズ分布で同じ形態に保ち、すなわち平均に対して正規化された平均(この平均は前記液滴からの前記粒子の生成過程に起因して変わると見込まれる)より高い位数の同じモーメントを保ち、b)多様な構成要素の相対的内部構造に関して同じ構造と形態を保つ工程と、
を含むことを特徴とする上記手順。
【請求項2】
前記毛管流動集束装置内での前記集束した流体のうちの少なくとも1つが、前記マイクロメートル及びナノメートルのサイズの粒子を生成するために抽出/蒸発によって除去されることを受容可能な少なくとも1つの溶剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項3】
前記流体の前記導入が、流量の変動を伴わずに連続的な流体の供給を可能にするいずれかの方法によって、特にコンプレッサ、加圧されたチャンバ、及び容量ポンプによって行われることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項4】
前記エマルジョンの前記分散相を構成する前記液滴が0.01μmと1000μmの間、好ましくは0.01μmと200μmの間、さらに好ましくは0.01μmと80μmの間の最終の直径を有することを特徴とする、請求項3に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項5】
前記エマルジョンの前記分散相を構成する前記液滴が10から30%、好ましくは3から10%、さらに好ましくは3%以下の相対的標準偏差を備えたサイズ分布を有することを特徴とする、請求項4に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項6】
前記毛管流動集束装置内の前記流体の前記導入の間に、さらに均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる生成を促進するために、1つ又は複数の流体に定期的で制御された外部からの撹拌、特に機械的及び音響的撹拌を加えることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項7】
前記加えられる流体が液体又は気体であることが可能であることを特徴とする、請求項6に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項8】
すべての流体が液体であることを特徴とする、請求項7に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項9】
液体である前記流体が単純な液体、混合物、溶液、サスペンジョン、エマルジョン、液化固体などであることが可能であり、集束用流体によって集束させられる前記流体又は複数の流体の安定なマイクロジェットを生成するように選択されることを特徴とする、請求項8に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項10】
前記供給される流体がポリマー材料、シリカ、金属、又はセラミックを含み、これが粒子のマトリックスを構成し、追加的に他の物質を含むこともあり得ることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項11】
これら追加的な物質が前記得られた粒子内で結果としてカプセル化されることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項12】
前記集束した流体が好ましくはポリマー材料の溶解液、混合物、サスペンジョン、及び/又は均質なエマルジョンであることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項13】
前記注入されるポリマー材料が合成物又は天然物であることが可能であり、水又は有機溶剤に可溶性であることを特徴とする、請求項12に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項14】
前記ポリマー材料が好ましくは以下、すなわちポリアルコール、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(カプロラクトン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリオルトエステル、ポリ無水物(例えばポリセバシン酸、ポリフマル酸、ポリ(カルボキシフェノキシプロパン)、ポリ(カルボキシフェノキシヘキサン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート及びこれらの誘導体とコポリマー、ポリ(シアンクリレート)、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化物、ポリフッ化物、ポリビニル誘導体、ポリオレフィン、ポリフォスフェート、ポリ(有機フォスファセン)、ポリ(無水物−コ−イミド)、多糖類及び炭水化物誘導体、ポリ(アミノ酸)、巨大分子から派生するポリマー、及び上述のものの誘導体すべて、及びこれらのコポリマーの中から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項15】
前記ポリマー材料がポリスチレン、及びその誘導体又はコポリマーであることを特徴とする、請求項14に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項16】
前記加えられるポリマー材料が、粒子と分子の間の1つ又は複数の共有結合の形成を可能にする適切な化学的機能を有するいずれかのタイプの分子と反応することができる反応性官能基を有することを特徴とする、請求項12に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項17】
使用される前記材料のこれらの反応基が外部環境に晒される前記液滴に表面に配置されることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項18】
前記カプセル化される物質が好ましくは蛍光物質を含むことを特徴とする、請求項11に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項19】
カプセル化される蛍光物質として、それらが個別又はいくつかの混合物として有機化合物、生体分子、ナノ結晶、ナノ粒子、液体、固体などのいずれであっても、蛍光信号を発するいずれかのタイプの物質が含まれることが可能であることを特徴とする、請求項18に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項20】
前記蛍光物質が
・同じ波長範囲の励起スペクトルを有すること、及び
・同時に使用されるとそれらを見分けることを可能にする発光スペクトルを有すること、
を満たすように同じ粒子内に個別又は他との組合せでカプセル化されることを特徴とする、請求項19に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項21】
前記蛍光物質を含む前記注入される流体が、分かっている組成を備えた均質な混合物(溶液、サスペンジョン、エマルジョンなど)をエマルジョンの完全な生成過程の間に構成することを特徴とする、請求項20に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項22】
前記流体の中に存在する前記追加的な物質が、生物学的関心対象の分子、好ましくはペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、PNA、LNA、タンパク質、糖タンパク質、脂質、リン脂質、炭水化物、少糖類、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項10に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項23】
前記毛管流動集束装置が浸漬される前記流体が水性又は有機性の液体であり、これが、前記分散相を構成する前記流体又は複数の流体がエマルジョン液滴のサイズを毛管ジェットの解離によって作り出されるものに等しく保つ前記エマルジョンの前記生成を可能にすることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一項に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項24】
前記毛管流動集束装置が浸漬される前記流体が、場合によっては、完全な生成過程及び前記溶剤の抽出/蒸発の間に前記エマルジョンの均一性及び均質性の維持を促進する物質、特に乳化剤又は界面活性剤の溶解液を含むことが可能であることを特徴とする、請求項23に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項25】
得られる前記粒子が中まで同材質、中空、又は多孔質であることが見込まれることを特徴とする、請求項24に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項26】
前記粒子が均質なマトリックスを有することを特徴とする、請求項25に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項27】
前記粒子がいくつかの/異なる層を有することを特徴とする、請求項25に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項28】
前記粒子がその表面に、生物学的関心対象の分子、好ましくはペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、PNA、LNA、タンパク質、糖タンパク質、脂質、リン脂質、炭水化物、少糖類、及びこれらの混合物と共有結合を形成することができる反応性官能基を有することを特徴とする、請求項26又は27に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項29】
請求項28に記載の手順によってマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置であって、
・流体の連続的供給によって加圧され、その壁に1つの出口オリフィスを有するチャンバ、及び
・このチャンバの内側に配置された流体の供給源、
を含む毛管流動集束装置であることを特徴とする装置。
【請求項30】
前記チャンバの内側に配置された前記供給源がチャンバの壁に存在する穴の前方に配置された単一の毛管チューブで構成されることを特徴とする、請求項29に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項31】
請求項28に記載の手順によってマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置であって、
・流体の連続的供給によって加圧され、その壁に外側への複数の出口オリフィスを有するチャンバ、及び
・前記加圧されたチャンバの内側に配置され、各々がチャンバの前記壁に配置された前記複数の出口穴のうちの1つの前方に配置された単一の毛管チューブによって構成される複数の供給用チューブで構成された前記流体の1つの流体供給源、
を含む毛管流動集束装置であることを特徴とする装置。
【請求項32】
前記チャンバの内側に配置された前記流体供給源がチャンバの前記出口オリフィスの前方に互いに同心に配置された毛管チューブの束によって構成されることを特徴とする、請求項29に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項33】
前記加圧されたチャンバの内側に配置された前記複数の供給用端部の各々が、このチャンバの前記壁に配置された前記複数の穴のうちの1つの前方に配置された同心の毛管の束によって構成されることを特徴とする、請求項31に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項34】
各々の供給用端部が、前記チャンバの壁に配置された単一の出口穴の前方に置かれることを特徴とする、請求項33に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項35】
前記チャンバの内側に配置された前記供給源の一部である内部毛管の出口端部及び前記チャンバの前記出口穴が好ましくはゼロと前記供給源の一部である外部毛管の内径の値の3倍の間の距離で置かれることを特徴とする、請求項32又は33に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項36】
前記供給源の一部である同心チューブの出口端部の間の相対的距離が変わることが可能であり、好ましくは前記内部毛管チューブの前記出口端部が隣り合う外部毛管チューブに、前記外部チューブの内径の値より大きい距離で中に入らないことを特徴とする、請求項35に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項37】
好ましくは前記内部毛管チューブの前記出口端部が前記隣り合う外部毛管チューブから、その内径の値の2倍より大きい距離で突き出ないことを特徴とする、請求項36に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項38】
前記加圧されたチャンバの内側にある前記供給源の前記端部を構成する前記毛管が好ましくは0.002から2mm、さらに好ましくは0.01mmと0.30mmの間の内径を有することを特徴とする、請求項29から37までのいずれか一項に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項39】
前記チャンバの前記出口穴が好ましくは0.002mmと2mmの間、さらに好ましくは0.01mmと0.25mmの間の内径を有することを特徴とする、請求項38に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項40】
前記チャンバの各々の出口穴及びそれに対応する前記チャンバの内側に配置された前記流体供給源の出口端部が0.01mmと2mmの間、好ましくは0.2mmと0.6mmの間の距離で分離されることを特徴とする、請求項39に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項41】
前記供給源が好ましくは毛管チューブ、多孔質の媒体、又は多様な供給用端部の中で一様な流量を配分することが可能ないずれかの他の媒体であることを特徴とする、請求項40に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項42】
前記供給源を構成する前記毛管チューブの前記内径、前記チャンバの前記出口穴の前記直径、及びそれらの間の距離が、層流の内側の安定な毛管マイクロジェットにつながる前記流体間の相互作用条件を得るために変更及び調節されることが可能であることを特徴とする、請求項41に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項43】
多数の材料、好ましくは金属、プラスチック、セラミック、ガラスで製造されることが可能であることを特徴とする、請求項42に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項44】
請求項1から28までのいずれか一項に記載の手順によって作り出される粒子の、較正標準としての使用法。
【請求項45】
薬学的及び生物医学的応用、好ましくは薬剤のカプセル化及び供給、細胞及び微生物のカプセル化、並びに診断及び臨床分析における、請求項1から28までのいずれか一項に記載の手順によって作り出される粒子の使用法。
【請求項46】
蛍光物質を備えて表面を生物学的関心対象の化合物で修飾された体系化された粒子のアレイを形成するための、請求項1から28までのいずれか一項に記載の手順によって作り出される粒子の使用法。
【請求項1】
マイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子の製造のための手順であって、以下の工程すなわち
・2つ以上の流体を毛管流動集束装置に導入する工程と、
・前記毛管流動集束装置を、前段で前記毛管流動集束装置に導入された流体と等しいか又は異なる別の流体内部に浸漬させる工程と、
・連続した相が、少なくとも前記毛管流動集束装置が浸漬された流体を含み、前記毛管流動集束装置を通って集束した前記流体又は複数の流体によって構成される分散相であるエマルジョンを生成する工程と、
・前段で生成した前記分散相から前記マイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を作り出す工程であって、これらの粒子を初期に生成する前記エマルジョンの液滴に関して:a)統計学的サイズ分布で同じ形態に保ち、すなわち平均に対して正規化された平均(この平均は前記液滴からの前記粒子の生成過程に起因して変わると見込まれる)より高い位数の同じモーメントを保ち、b)多様な構成要素の相対的内部構造に関して同じ構造と形態を保つ工程と、
を含むことを特徴とする上記手順。
【請求項2】
前記毛管流動集束装置内での前記集束した流体のうちの少なくとも1つが、前記マイクロメートル及びナノメートルのサイズの粒子を生成するために抽出/蒸発によって除去されることを受容可能な少なくとも1つの溶剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項3】
前記流体の前記導入が、流量の変動を伴わずに連続的な流体の供給を可能にするいずれかの方法によって、特にコンプレッサ、加圧されたチャンバ、及び容量ポンプによって行われることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項4】
前記エマルジョンの前記分散相を構成する前記液滴が0.01μmと1000μmの間、好ましくは0.01μmと200μmの間、さらに好ましくは0.01μmと80μmの間の最終の直径を有することを特徴とする、請求項3に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項5】
前記エマルジョンの前記分散相を構成する前記液滴が10から30%、好ましくは3から10%、さらに好ましくは3%以下の相対的標準偏差を備えたサイズ分布を有することを特徴とする、請求項4に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項6】
前記毛管流動集束装置内の前記流体の前記導入の間に、さらに均質なサイズ分布を備えた粒子のさらなる生成を促進するために、1つ又は複数の流体に定期的で制御された外部からの撹拌、特に機械的及び音響的撹拌を加えることを特徴とする、請求項5に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項7】
前記加えられる流体が液体又は気体であることが可能であることを特徴とする、請求項6に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項8】
すべての流体が液体であることを特徴とする、請求項7に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項9】
液体である前記流体が単純な液体、混合物、溶液、サスペンジョン、エマルジョン、液化固体などであることが可能であり、集束用流体によって集束させられる前記流体又は複数の流体の安定なマイクロジェットを生成するように選択されることを特徴とする、請求項8に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項10】
前記供給される流体がポリマー材料、シリカ、金属、又はセラミックを含み、これが粒子のマトリックスを構成し、追加的に他の物質を含むこともあり得ることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項11】
これら追加的な物質が前記得られた粒子内で結果としてカプセル化されることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項12】
前記集束した流体が好ましくはポリマー材料の溶解液、混合物、サスペンジョン、及び/又は均質なエマルジョンであることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項13】
前記注入されるポリマー材料が合成物又は天然物であることが可能であり、水又は有機溶剤に可溶性であることを特徴とする、請求項12に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項14】
前記ポリマー材料が好ましくは以下、すなわちポリアルコール、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル(例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(カプロラクトン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリオルトエステル、ポリ無水物(例えばポリセバシン酸、ポリフマル酸、ポリ(カルボキシフェノキシプロパン)、ポリ(カルボキシフェノキシヘキサン)、及び類似体とこれらのコポリマーなど)、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート及びこれらの誘導体とコポリマー、ポリ(シアンクリレート)、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化物、ポリフッ化物、ポリビニル誘導体、ポリオレフィン、ポリフォスフェート、ポリ(有機フォスファセン)、ポリ(無水物−コ−イミド)、多糖類及び炭水化物誘導体、ポリ(アミノ酸)、巨大分子から派生するポリマー、及び上述のものの誘導体すべて、及びこれらのコポリマーの中から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項15】
前記ポリマー材料がポリスチレン、及びその誘導体又はコポリマーであることを特徴とする、請求項14に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項16】
前記加えられるポリマー材料が、粒子と分子の間の1つ又は複数の共有結合の形成を可能にする適切な化学的機能を有するいずれかのタイプの分子と反応することができる反応性官能基を有することを特徴とする、請求項12に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項17】
使用される前記材料のこれらの反応基が外部環境に晒される前記液滴に表面に配置されることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項18】
前記カプセル化される物質が好ましくは蛍光物質を含むことを特徴とする、請求項11に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項19】
カプセル化される蛍光物質として、それらが個別又はいくつかの混合物として有機化合物、生体分子、ナノ結晶、ナノ粒子、液体、固体などのいずれであっても、蛍光信号を発するいずれかのタイプの物質が含まれることが可能であることを特徴とする、請求項18に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項20】
前記蛍光物質が
・同じ波長範囲の励起スペクトルを有すること、及び
・同時に使用されるとそれらを見分けることを可能にする発光スペクトルを有すること、
を満たすように同じ粒子内に個別又は他との組合せでカプセル化されることを特徴とする、請求項19に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項21】
前記蛍光物質を含む前記注入される流体が、分かっている組成を備えた均質な混合物(溶液、サスペンジョン、エマルジョンなど)をエマルジョンの完全な生成過程の間に構成することを特徴とする、請求項20に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項22】
前記流体の中に存在する前記追加的な物質が、生物学的関心対象の分子、好ましくはペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、PNA、LNA、タンパク質、糖タンパク質、脂質、リン脂質、炭水化物、少糖類、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項10に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項23】
前記毛管流動集束装置が浸漬される前記流体が水性又は有機性の液体であり、これが、前記分散相を構成する前記流体又は複数の流体がエマルジョン液滴のサイズを毛管ジェットの解離によって作り出されるものに等しく保つ前記エマルジョンの前記生成を可能にすることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一項に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項24】
前記毛管流動集束装置が浸漬される前記流体が、場合によっては、完全な生成過程及び前記溶剤の抽出/蒸発の間に前記エマルジョンの均一性及び均質性の維持を促進する物質、特に乳化剤又は界面活性剤の溶解液を含むことが可能であることを特徴とする、請求項23に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項25】
得られる前記粒子が中まで同材質、中空、又は多孔質であることが見込まれることを特徴とする、請求項24に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項26】
前記粒子が均質なマトリックスを有することを特徴とする、請求項25に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項27】
前記粒子がいくつかの/異なる層を有することを特徴とする、請求項25に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項28】
前記粒子がその表面に、生物学的関心対象の分子、好ましくはペプチド、オリゴヌクレオチド、核酸、PNA、LNA、タンパク質、糖タンパク質、脂質、リン脂質、炭水化物、少糖類、及びこれらの混合物と共有結合を形成することができる反応性官能基を有することを特徴とする、請求項26又は27に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための手順。
【請求項29】
請求項28に記載の手順によってマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置であって、
・流体の連続的供給によって加圧され、その壁に1つの出口オリフィスを有するチャンバ、及び
・このチャンバの内側に配置された流体の供給源、
を含む毛管流動集束装置であることを特徴とする装置。
【請求項30】
前記チャンバの内側に配置された前記供給源がチャンバの壁に存在する穴の前方に配置された単一の毛管チューブで構成されることを特徴とする、請求項29に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項31】
請求項28に記載の手順によってマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置であって、
・流体の連続的供給によって加圧され、その壁に外側への複数の出口オリフィスを有するチャンバ、及び
・前記加圧されたチャンバの内側に配置され、各々がチャンバの前記壁に配置された前記複数の出口穴のうちの1つの前方に配置された単一の毛管チューブによって構成される複数の供給用チューブで構成された前記流体の1つの流体供給源、
を含む毛管流動集束装置であることを特徴とする装置。
【請求項32】
前記チャンバの内側に配置された前記流体供給源がチャンバの前記出口オリフィスの前方に互いに同心に配置された毛管チューブの束によって構成されることを特徴とする、請求項29に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項33】
前記加圧されたチャンバの内側に配置された前記複数の供給用端部の各々が、このチャンバの前記壁に配置された前記複数の穴のうちの1つの前方に配置された同心の毛管の束によって構成されることを特徴とする、請求項31に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項34】
各々の供給用端部が、前記チャンバの壁に配置された単一の出口穴の前方に置かれることを特徴とする、請求項33に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項35】
前記チャンバの内側に配置された前記供給源の一部である内部毛管の出口端部及び前記チャンバの前記出口穴が好ましくはゼロと前記供給源の一部である外部毛管の内径の値の3倍の間の距離で置かれることを特徴とする、請求項32又は33に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項36】
前記供給源の一部である同心チューブの出口端部の間の相対的距離が変わることが可能であり、好ましくは前記内部毛管チューブの前記出口端部が隣り合う外部毛管チューブに、前記外部チューブの内径の値より大きい距離で中に入らないことを特徴とする、請求項35に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項37】
好ましくは前記内部毛管チューブの前記出口端部が前記隣り合う外部毛管チューブから、その内径の値の2倍より大きい距離で突き出ないことを特徴とする、請求項36に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項38】
前記加圧されたチャンバの内側にある前記供給源の前記端部を構成する前記毛管が好ましくは0.002から2mm、さらに好ましくは0.01mmと0.30mmの間の内径を有することを特徴とする、請求項29から37までのいずれか一項に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項39】
前記チャンバの前記出口穴が好ましくは0.002mmと2mmの間、さらに好ましくは0.01mmと0.25mmの間の内径を有することを特徴とする、請求項38に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項40】
前記チャンバの各々の出口穴及びそれに対応する前記チャンバの内側に配置された前記流体供給源の出口端部が0.01mmと2mmの間、好ましくは0.2mmと0.6mmの間の距離で分離されることを特徴とする、請求項39に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項41】
前記供給源が好ましくは毛管チューブ、多孔質の媒体、又は多様な供給用端部の中で一様な流量を配分することが可能ないずれかの他の媒体であることを特徴とする、請求項40に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項42】
前記供給源を構成する前記毛管チューブの前記内径、前記チャンバの前記出口穴の前記直径、及びそれらの間の距離が、層流の内側の安定な毛管マイクロジェットにつながる前記流体間の相互作用条件を得るために変更及び調節されることが可能であることを特徴とする、請求項41に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項43】
多数の材料、好ましくは金属、プラスチック、セラミック、ガラスで製造されることが可能であることを特徴とする、請求項42に記載のマイクロメートル及びナノメートルの範囲の粒子を得るための装置。
【請求項44】
請求項1から28までのいずれか一項に記載の手順によって作り出される粒子の、較正標準としての使用法。
【請求項45】
薬学的及び生物医学的応用、好ましくは薬剤のカプセル化及び供給、細胞及び微生物のカプセル化、並びに診断及び臨床分析における、請求項1から28までのいずれか一項に記載の手順によって作り出される粒子の使用法。
【請求項46】
蛍光物質を備えて表面を生物学的関心対象の化合物で修飾された体系化された粒子のアレイを形成するための、請求項1から28までのいずれか一項に記載の手順によって作り出される粒子の使用法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【公表番号】特表2008−528268(P2008−528268A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552669(P2007−552669)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/ES2006/000033
【国際公開番号】WO2006/082263
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507101495)ウニベルシダ デ セビリャ (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/ES2006/000033
【国際公開番号】WO2006/082263
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507101495)ウニベルシダ デ セビリャ (4)
【Fターム(参考)】
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