説明

マイクロリアクター

【課題】 従来よりも短波長の光を透過させ、紫外線による劣化を防ぐ。
【解決手段】 水晶からなり所定のパターンで形成された流路が形成された第一のプレートと、水晶からなり第一のプレートと接合される第二のプレートと、第一のプレートの流路が形成された面と第二のプレートの流路と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられる接合材と、を備え、第一のプレートに設けられた接合材と第二のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合されて構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体からなる被反応物の化学反応に用いるマイクロリアクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体からなる被反応物の化学反応をするためにマイクロリアクターが用いられている。
この従来のマイクロリアクターは、例えば、石英ガラスからなり、内部に流路パターンが設けられている。
この流路パターン内に被反応物を流し込み、マイクロリアクターに紫外光を照射して被反応物の化学反応をしている(例えば、特許文献1参照)。
このようなマイクロリアクターは、例えば、以下のようにして設けられる。
石英ガラス部材は、第一のプレートとこのプレートに張り合わされる第二のプレートとから構成されている(例えば、特許文献2参照)。
第一のプレートは、球状石英ガラス粉末にアクリル樹脂系バインダーを加熱混合し、シート化した状態で粉砕してフレーク状とし、外形形状が射出形成にて形成される。第二のプレートは、第一のプレートと同様に、射出形成にて形成される。
第一のプレートと第二のプレートとは、接着材を介して重ね合わされて、最大で1300℃まで加熱されて接合される。
【0003】
石英ガラス部材は、例えば、第一のプレートに流路パターンが形成されていれば、マイクロリアクターとして用いることができる。
なお、マイクロリアクターには、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムなどを用いることもできる(例えば、特許文献3参照)。フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムは、短波長の光を透過させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−246394号公報
【特許文献2】特開2009−242129号公報
【特許文献3】特開2007−17155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、石英ガラスを使った従来のマイクロリアクターは、接合のために最大で1300℃で加熱されなければならず、加熱のための設備や製造にかかるコストが高くなることが懸念される。


また、石英ガラスは、170nm以下における紫外光の透過率が著しく悪化する。また、石英ガラスは、紫外光が照射されると劣化するという課題がある。そのため、石英ガラスからなるマイクロリアクターは、交換の頻度が高いという課題がある。
また、マイクロリアクターにフッ化マグネシウムやフッ化カルシウムを用いた場合は、液体からなる被反応物の水分を吸収して劣化する場合があり、劣化するたびに交換が必要となる。
【0006】
そこで、本発明では、前記の問題を解決し、従来よりも短波長の光を透過させ、紫外線による劣化を防ぐマイクロリアクターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のマイクロリアクターは、水晶からなり所定のパターンで形成された流路が形成された第一のプレートと、水晶からなり前記第一のプレートと接合される第二のプレートと、前記第一のプレートの前記流路が形成された面と前記第二のプレートの前記流路と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられる接合材と、を備え、前記第一のプレートに設けられた接合材と前記第二のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合されて構成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のマイクロリアクターは、水晶からなり所定のパターンで形成された流路が形成された第一のプレートと、水晶からなり前記第一のプレートと接合される第二のプレートと、水晶からなり前記第一のプレートと接合される第三のプレートと、前記第一のプレートの他の面よりも面積の大きい2つ面と前記第二のプレートの前記流路と対向させる面と前記第三のプレートの前記流路と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられる接合材と、を備え、前記第一のプレートに設けられた接合材と前記第二のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合され、前記第一のプレートに設けられた接合材と前記第三のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合されて構成されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のマイクロリアクターは、前記第一のプレートにおいて、前記流路の入口と出口とが第一のプレートの側面に設けられていても良い。
また、本発明のマイクロリアクターは、前記第一のプレートにおいて、前記流路の少なくとも2つの端部が側面に貫通せずに設けられ、前記第二のプレートにおいて、前記流路の端部に対応する位置に貫通穴が設けられ、前記流路の入口と出口を形成されていても良い。
【0010】
また、本発明のマイクロリアクターは、前記第一のプレートにおいて、前記流路の少なくとも2つの端部が側面に貫通せずに設けられ、前記第二のプレート又は前記第三のプレートにおいて、前記流路の一方の端部に対応する位置に貫通穴が設けられて前記流路の入口が形成され、前記第二のプレート又は前記第三のプレートにおいて、前記流路の他方の端部に対応する位置に貫通穴が設けられて前記流路の出口が形成されていても良い。
【発明の効果】
【0011】
このような本発明のマイクロリアクターは、第一のプレートと第二のプレートとに水晶が用いられており、これら第一のプレートと第二のプレートとが1nm以下の厚みで設けられる接合材で接合されており、この接合材は、原子拡散接合法により接合されているので、紫外光が第一のプレートと第二のプレートとに照射されても劣化することがない。
また、接合材が1nm以下の厚みで設けられるため、成膜にかかる時間を少なくすることができ、また、成膜された接合材は、原子拡散接合により接合されるので、500℃を超える温度を用いることなく接合することができる。
【0012】
このような本発明のマイクロリアクターは、水晶からなり、厚み方向に貫通した流路を備えた第一のプレートを第二のプレートと第三のプレートで挟んだ構成となっており、1nm以下の厚みで設けられる接合材で第一のプレートと第二のプレートが原子拡散接合法により接合され、第一のプレートと第三のプレートとが原子拡散接合法により接合されるので、紫外光が第一のプレートと第二のプレートとに照射されても劣化することがない。
また、接合材が1nm以下の厚みで設けられるため、成膜にかかる時間を少なくすることができ、また、成膜された接合材は、原子拡散接合により接合されるので、500℃を超える温度を用いることなく接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るマイクロリアクターの一例を示す分解斜視図である。
【図2】(a)は第一のプレートと第二のプレートに接合材を設ける前の状態を示す概念図であり、(b)は第一のプレートと第二のプレートに接合材を設けた後の状態を示す概念図である。
【図3】接合材を介して第一のプレートと第二のプレートとを接合した状態を示す概念図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係るマイクロリアクターの一例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第三の実施形態に係るマイクロリアクターの一例を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係るマイクロリアクターの他の一例を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第三の実施形態に係るマイクロリアクターの他の一例を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の第四の実施形態に係るマイクロリアクターの一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。また、説明を明確にするために、発明の構成を誇張して図示している。
【0015】
(第一の実施形態)
図1〜図3に示すように、本発明の第一の実施形態に係るマイクロリアクター100は、所定のパターンで形成される流路11を有する第一のプレート10と、第二のプレート20と、接合材30と、から主に構成されている。
このマイクロリアクター100は、流路11内に液体からなる被反応物を流し込み、第一のプレート10又は第二のプレート20の外側から短波長の光を照射して流路11内の被反応物を化学反応させるのに用いられる。
【0016】
図1に示すように、第一のプレート10は、水晶からなり所定のパターンで形成された流路11が形成されている。
この第一のプレート10は、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により外形形状を形成することができる。また、第一のプレート10に設けられる流路11は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により所定のパターンで形成することができる。
この流路11には、少なくとも2つの端部11A,11Bが設けられており、第一のプレート10の主面内に位置させた状態となっている。この流路11には底があり、第一のプレート10の厚み内で収まる深さで設けられている。
【0017】
流路11のパターンは、例えば、直線状に形成してもよいし、又は、図示しないが、蛇行させたパターンで形成してもよいし、円形や円弧系のパターンで形成しても良い。
なお、直線状以外のパターンで流路を形成するのは、短波長の光を受ける時間が長くなり、その分、均一な反応を被反応物にさせることができる。
ここで、主面とは、第一のプレート10において、最も広い平面積となる面を主面とし、厚みをもって形成される第一のプレート10には、平行となる2つの主面が存在している。
【0018】
第二のプレート20は、水晶からなり前記第一のプレート10と接合材30を介して接合され、第一のプレート10に形成される流路の所定の部分を覆う役割を果たす。
この第二のプレート20は、第一のプレート10と同じ大きさで、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により外形形状を形成することができる。
第二のプレート20は、一方の主面を第一のプレート10の流路11が設けられた主面側に向けた状態で、後述する接合材30を介して接合される。これにより、流路11を覆うことができる。
【0019】
なお、この第二のプレート20には、第一のプレート10に設けられている流路11の端部11A,11Bに対応する位置に貫通穴21A,21Bが設けられている。
これら貫通穴21A,21Bが被反応物の入口・出口として用いられる。
なお、これら貫通穴21A,21Bは、どちらを入口にするかを適宜、決定することが出来る。
【0020】
接合材30は、図2(a)及び(b)に示すように、前記第一のプレート10の前記流路11が形成された面と前記第二のプレート20の前記流路11と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられ、第一のプレート10と第二のプレート20とを接合する役割を果たす。
この接合材30は、例えば、Cr(クロム)などを用いることができ、厚みが1nm以下で成膜される。なお、接合材30の厚みは、1nmを超えて厚くなると、短波長の光が透過しにくくなる。そのため、接合材30の厚みは1nm以下とするのが良い。
【0021】
接合材30は、例えば、従来周知のスパッタ技術により真空雰囲気中において所定の温度で第一のプレート10と第二のプレート20とに成膜される。この成膜の際の温度は、例えば、約250℃となっている。
【0022】
図3に示すように、第一のプレート10と第二のプレート20とに成膜された接合材30は、この真空雰囲気中のまま第一のプレート10に設けられた接合材30と第二のプレート20とに設けられた接合材30とを向かい合わせにされ重ねることで原子拡散接合法により接合される。
この原子拡散接合は、真空雰囲気中でスパッタ等で成膜すると、成膜された接合材の表面が高い活性状態となっており、この表面活性が高い状態のまま重ね合わせることで接合することができる。
なお、接合材30は、1nm以下と薄く成膜されるので、短波長の光を透過させることができる。
【0023】
このような本発明のマイクロリアクター100は、第一のプレート10と第二のプレート20とに水晶が用いられており、これら第一のプレート10と第二のプレート20とが1nm以下の厚みで設けられる接合材30で接合されており、この接合材30が、原子拡散接合法により接合されているので、紫外光が第一のプレート10と第二のプレート20とに照射されても劣化することがない。
また、接合材30が1nm以下の厚みで設けられるため、成膜にかかる時間を少なくすることができ、また、成膜された接合材30は、原子拡散接合により接合されるので、500℃を超える温度を用いることなく接合することができる。
【0024】
(第二の実施形態)
図4に示すように、本発明の第二の実施形態に係るマイクロリアクター101は、第一のプレート10Bに設けられる流路11の端部11C,11Dが、第一のプレート10Bの側面に設けられ、第二のプレート20Bが貫通穴のない平板状に設けられている点で第一の実施形態と異なる。
このように第二の実施形態を構成しても、第一の実施形態に係るマイクロリアクター100と同様の効果を奏する。
【0025】
(第三の実施形態)
図5に示すように、本発明の第三の実施形態に係るマイクロリアクター102は、所定のパターンで形成され厚み方向に貫通する流路11を有する第一のプレート10Cと、第二のプレート20Cと、第三のプレート40と、接合材30と、から主に構成されている。
【0026】
第一のプレート10Cは、水晶からなり所定のパターンで形成されつつ厚み方向に貫通した流路11が形成されている。
この第一のプレート10Cは、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により外形形状を形成することができる。また、第一のプレート10Cに設けられる流路11は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により所定のパターンで形成することができる。
この流路11には、少なくとも2つの端部11E,11Fが設けられており、第一のプレート10Cの主面内に位置させた状態となっている。この流路11は第一のプレート10Cの厚み方向に貫通している。
【0027】
流路11のパターンは、例えば、直線状に形成してもよいし、又は、図示しないが、蛇行させたパターンで形成してもよいし、円形や円弧系のパターンで形成しても良い。
なお、直線状以外のパターンで流路を形成するのは、短波長の光を受ける時間が長くなり、その分、均一な反応を被反応物にさせることができる。
【0028】
第二のプレート20Cは、水晶からなり前記第一のプレート10Cと接合材30を介して接合され、第一のプレート10Cに形成される流路の所定の部分を覆う役割を果たす。
この第二のプレート20Cは、第一のプレート10Cと同じ大きさで、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により外形形状を形成することができる。
第二のプレート20Cは、一方の主面を第一のプレート10Cの流路11が設けられた主面側に向けた状態で、後述する接合材30を介して接合される。これにより、流路11を覆うことができる。
【0029】
第三のプレート40は、水晶からなり前記第一のプレート10Cと接合材30を介して接合され、第一のプレート10Cに形成される流路11の所定の部分を覆う役割を果たす。
この第三のプレート40は、第一のプレート10Cと同じ大きさで、例えば、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により外形形状を形成することができる。
第三のプレート40は、一方の主面を第一のプレート10Cの流路11が設けられた主面側に向けた状態で、後述する接合材30を介して接合される。これにより、流路11を覆うことができる。
【0030】
なお、第二のプレート20C又は第三のプレート40には、第一のプレート10Cに設けられた流路11の端部11E,11Fに対応した位置に貫通穴21C,21Dが設けられる。
例えば、図5に示すように、入口となる貫通孔21Cを第二のプレート20Cに設け、出口となる貫通穴21Dを第二のプレート20Cに設けることができる。
また、他の一例として、図6に示すように、入口となる貫通孔21Cを第二のプレート20Cに設け、出口となる貫通穴21Dを第三のプレート40に設けることができる。
また、他の一例として、図7に示すように、入口となる貫通孔21Cを第三のプレート40に設け、出口となる貫通穴21Dを第三のプレート40に設けることができる。
【0031】
接合材30は、前記第一のプレート10Cの前記流路11が形成された2つの面と前記第二のプレート20Cの前記流路11と対向させる面と前記第三のプレート40の前記流路11と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられ、第一のプレート10Cと第二のプレート20Cとを接合し、第一のプレート10Cと第三のプレート40とを接合する役割を果たす。
この接合材30は、例えば、Cr(クロム)などを用いることができ、厚みが1nm以下で成膜される。
【0032】
接合材30は、例えば、従来周知のスパッタ技術により真空雰囲気中において所定の温度で第一のプレート10Cと第二のプレート20Cと第三のプレート40とに成膜される。この成膜の際の温度は、例えば、約250℃となっている。
【0033】
第一のプレート10Cと第二のプレート20Cとに成膜された接合材30は、この真空雰囲気中のまま第一のプレート10Cに設けられた接合材30と第二のプレート20Cとに設けられた接合材30とを向かい合わせにされ重ねることで原子拡散接合法により接合される。
同様に、第一のプレート10Cと第三のプレート40とに成膜された接合材30は、この真空雰囲気中のまま第一のプレート10Cに設けられた接合材30と第三のプレート40とに設けられた接合材30とを向かい合わせにされ重ねることで原子拡散接合法により接合される。
【0034】
このようにして、第一のプレート10Cを第二のプレート20Cと第三のプレート40とで挟んで接合することができる。
この原子拡散接合は、真空雰囲気中でスパッタ等で成膜すると、成膜された接合材の表面が高い活性状態となっており、この表面活性が高い状態のまま重ね合わせることで接合することができる。
なお、接合材30は、1nm以下と薄く成膜されるので、短波長の光を透過させることができる。
【0035】
このような本発明のマイクロリアクター102は、水晶からなり、厚み方向に貫通した流路を備えた第一のプレートを第二のプレートと第三のプレートで挟んだ構成となっており、1nm以下の厚みで設けられる接合材で第一のプレートと第二のプレートが原子拡散接合法により接合され、第一のプレートと第三のプレートとが原子拡散接合法により接合されるので、紫外光が第一のプレートと第二のプレートとに照射されても劣化することがない。
【0036】
また、接合材が1nm以下の厚みで設けられるため、成膜にかかる時間を少なくすることができ、また、成膜された接合材は、原子拡散接合により接合されるので、500℃を超える温度を用いることなく接合することができる。
【0037】
(第四の実施形態)
図8に示すように、本発明の第四の実施形態に係るマイクロリアクター103は、第一のプレート10Dに設けられる流路11の端部11G,11Hが、第一のプレート10Cの側面に設けられ、第二のプレート20Dが貫通穴のない平板状に設けられている点で第一の実施形態と異なる。
このように第四の実施形態を構成しても、第三の実施形態に係るマイクロリアクター102と同様の効果を奏する。
【0038】
このような本発明のマイクロリアクターを用いれば、従来の石英では透過しない波長である170nm以下の光であっても反応に寄与させることが可能となるため短時間で効率の良い反応を行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、適宜変更して用いることが出来る。
例えば、流路は、途中で分岐して入口又は出口が複数となっても良く、また、複数の流路を形成しても良い。
また、流路内に設けられた接合材30を酸やアルカリからなる溶液でエッチングして除去しても良い。この場合、接合面は極めて隙間が小さいため、エッチングで用いる溶液が入り込むことはない。
【符号の説明】
【0040】
100 マイクロリアクター
10 第一のプレート
11 流路
20 第二のプレート
21A,21B 貫通穴
30 接合材
40 第三のプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶からなり所定のパターンで形成された流路が形成された第一のプレートと、
水晶からなり前記第一のプレートと接合される第二のプレートと、
前記第一のプレートの前記流路が形成された面と前記第二のプレートの前記流路と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられる接合材と、
を備え、
前記第一のプレートに設けられた接合材と前記第二のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合されて構成されることを特徴とするマイクロリアクター。
【請求項2】
水晶からなり所定のパターンで形成された流路が形成された第一のプレートと、
水晶からなり前記第一のプレートと接合される第二のプレートと、
水晶からなり前記第一のプレートと接合される第三のプレートと、
前記第一のプレートの他の面よりも面積の大きい2つ面と前記第二のプレートの前記流路と対向させる面と前記第三のプレートの前記流路と対向させる面とに1nm以下の厚みで設けられる接合材と、
を備え、
前記第一のプレートに設けられた接合材と前記第二のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合され、
前記第一のプレートに設けられた接合材と前記第三のプレートとに設けられた接合材とが原子拡散接合法により接合されて構成されることを特徴とするマイクロリアクター。
【請求項3】
前記第一のプレートにおいて、
前記流路の入口と出口とが第一のプレートの側面に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマイクロリアクター。
【請求項4】
前記第一のプレートにおいて、
前記流路の少なくとも2つの端部が側面に貫通せずに設けられ、
前記第二のプレートにおいて、
前記流路の端部に対応する位置に貫通穴が設けられ、前記流路の入口と出口を形成することを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクター。
【請求項5】
前記第一のプレートにおいて、
前記流路の少なくとも2つの端部が側面に貫通せずに設けられ、
前記第二のプレート又は前記第三のプレートにおいて、
前記流路の一方の端部に対応する位置に貫通穴が設けられて前記流路の入口が形成され、
前記第二のプレート又は前記第三のプレートにおいて、
前記流路の他方の端部に対応する位置に貫通穴が設けられて前記流路の出口が形成され、
ていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロリアクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−27844(P2013−27844A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167302(P2011−167302)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)
【Fターム(参考)】