説明

マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器

【課題】レンズ面を滑らかに形成することができるマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】光を透過する基板の表面にマイクロレンズのレンズ面を曲面状に形成するレンズ面形成工程と、前記レンズ面の一部をエッチングすることで当該レンズ面の一部を分割するレンズ面分割工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターのライトバルブとして用いられる液晶装置の画像表示領域には、光を射出する画素部と、当該画素部に電気信号を供給する配線が形成された画素間領域とが設けられている。例えば、液晶装置においては、当該画素間領域は遮光部によって覆われ、遮光部において光が透過しないようになっている。
【0003】
このような液晶装置においては、画素部から射出される光の光量はできるだけ多く、明るい光であることが望まれており、高い光利用効率を実現することが求められている。これに対して、例えば液晶装置の対向基板などにマイクロレンズを形成することにより、液晶パネルの表示に寄与しない部分に入射した光を、液晶パネルの画素部に収束し、液晶パネルの実質的な開口率の向上を図る構成が知られている。
【0004】
マイクロレンズは、基板の厚さ方向へ突出もしくは凹んだ曲面が形成され、屈折率の異なる材料で曲面部分を埋めこむ必要があるが、曲面部分の高さが高いと埋め込み層が厚くなるため工程負荷が大きく、厚膜によるソリや割れのリスクが大きい問題がある。これに対して、例えばマイクロレンズをフレネル型に形成する構成が知られている。例えば、特許文献1に示されるように、レンズ面として複数の薄膜を階段状に形成する手法が知られている。また、例えば特許文献2に示されるように、グレースケールマスクを用いてエッチングマスクを曲面状に形成し、当該エッチングマスクを用いてエッチングする手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−66204号公報
【特許文献2】特表平08−504515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の手法においては、レンズ面が滑らかに形成されず階段状に形成されてしまう。また、特許文献2に記載の手法においては、例えばレンズ径が数μm程度になると微小領域に対してグレースケールマスクの濃度分布を持たせる必要があるため、レンズ面を滑らかに形成するのは困難である。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明は、レンズ面を滑らかに形成することができるマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマイクロレンズ基板の製造方法は、光を透過する基板の表面にマイクロレンズのレンズ面を曲面状に形成するレンズ面形成工程と、前記レンズ面の一部をエッチングすることで当該レンズ面の一部を分割するレンズ面分割工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、光を透過する基板の表面にマイクロレンズのレンズ面を曲面状に形成した後、当該レンズ面の一部をエッチングすることで当該レンズ面の一部を分割させることとしたので、レンズ面を分割する場合であっても、レンズ面の各部分を滑らかに形成することができる。
【0010】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記レンズ面分割工程は、平面視で前記レンズ面の径方向に段階的に前記レンズ面の一部を分割する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、レンズ面分割工程において、平面視でレンズ面の径方向に段階的に当該レンズ面の一部を分割することとしたので、基板の表面に対して垂直な方向(基板の厚さ方向)におけるマイクロレンズの寸法を小さくすることができる。これにより、薄型のマイクロレンズ基板を製造することができる。
【0011】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記レンズ面形成工程は、前記基板の表面に前記マイクロレンズの形状に対応した形状のレンズ形状部を形成する工程と、前記レンズ形状部及び前記基板の表面に対してドライエッチングを行うことにより、前記レンズ形状部の形状を前記基板の表面に転写する工程と、を含むことが好ましい。
本発明によれば、レンズ面形成工程において、基板の表面にマイクロレンズの形状に対応した形状のレンズ形状部を形成し、その後、レンズ形状部及び基板の表面に対してドライエッチングを行うことにより、レンズ形状部の形状を基板の表面に転写することとしたので、基板に対して直接エッチングすることなくマイクロレンズの形状を調整することができる。
【0012】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記レンズ面形成工程は、前記レンズ形状部を含めた前記基板の表面に対して前記エッチングを行い、前記レンズ形状部の形状を前記基板に転写する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、レンズ形成工程は、レンズ形状部を含めた基板の表面に対してエッチングを行い、レンズ形状部の形状を基板に転写することとしたので、基板とマイクロレンズとが一部材で形成された構成とすることができる。これにより、マイクロレンズの耐衝撃性等の強度に優れたマイクロレンズ基板を製造することができる。
【0013】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記レンズ面分割工程は、前記基板上に前記レンズ形状部の少なくとも一部が残っている状態で前記エッチングを行うことが好ましい。
本発明によれば、レンズ面分割工程において、基板にレンズ形状部の少なくとも一部が残っている状態でエッチングを行うこととしたので、レンズ面を形成する動作と、レンズ面を分割する動作とを一のエッチング動作で行うことができる。これにより、レンズ面を形成しながらレンズ面を分割させることができ、効率的にマイクロレンズ基板を製造することができる。
【0014】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記レンズ面は、前記基板の表面に対して凸状に形成され、前記レンズ面の一部を移動させた後、前記マイクロレンズを含む前記基板の表面に、前記基板よりも光屈折率の低い材料を用いて光透過層を形成する光透過層形成工程を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、レンズ面が基板の表面に対して凸状に形成されている場合、レンズ面に基板よりも光屈折率の低い材料を用いて光透過層を形成することとしたので、光透過層からレンズ面に入射する光を、平面視でレンズ面の中央部に屈折させることができる。これにより、光を効率的に集光可能なマイクロレンズ基板を製造することができる。
【0015】
上記のマイクロレンズ基板の製造方法において、前記レンズ面は、前記基板の表面に対して凹状に形成され、前記レンズ面の一部を移動させた後、前記マイクロレンズを含む前記基板の表面に、前記基板よりも光屈折率の高い材料を用いて光透過層を形成する光透過層形成工程を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、レンズ面が基板の表面に対して凹状に形成されている場合、レンズ面の一部を移動させた後、マイクロレンズを含む基板の表面に、基板よりも光屈折率の高い材料を用いて光透過層を形成するので、レンズ面の形状が凹状である場合にも、効率的にマイクロレンズ基板を製造することができる。
【0016】
本発明に係るマイクロレンズ基板は、光を透過する基板と、前記基板の表面に形成された複数のマイクロレンズを有するレンズ層とを備え、前記マイクロレンズは、平面視で中央部から外周部へ向けて径方向に複数の領域に分割されたレンズ面を有し、前記レンズ面のうち複数の前記領域は、それぞれ曲面状に形成されており、前記レンズ面のうち複数の前記領域同士の間には、前記基板の厚さ方向に沿ったエッチング面が形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、光を透過する基板と、基板の表面に形成された複数のマイクロレンズを有するレンズ層とを備え、当該マイクロレンズが平面視で中央部から外周部へ向けて径方向に複数の領域に分割されたレンズ面を有し、レンズ面のうち複数の領域がそれぞれ曲面状に形成されており、レンズ面のうち複数の領域同士の間には基板の厚さ方向に沿ったエッチング面が形成されているので、光の利用効率に優れたマイクロレンズ基板を得ることができる。
【0018】
上記のマイクロレンズ基板は、前記レンズ面のうちそれぞれの前記領域の内周部は、前記レンズ面の平面視中央部との間で、前記基板の厚さ方向の寸法が揃うように形成されていることが好ましい。
本発明によれば、レンズ面のうちそれぞれの領域の内周部が、レンズ面の平面視中央部との間で基板の厚さ方向の寸法が揃うように形成されているので、レンズ層の層厚を均一にすることができる。
【0019】
本発明に係る電気光学装置は、上記のマイクロレンズ基板を備える。
本発明によれば、光の利用効率に優れたマイクロレンズ基板を備えるので、品質の高い電気光学装置を得ることができる。
【0020】
本発明に係る電子機器は、上記の電気光学装置を備える。
本発明によれば、発光特性の高い電気光学装置を備えるので、所期の表示品質を備えた安価な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図。
【図2】本実施形態に係る液晶装置の断面構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る液晶装置の電気的構成を示す配線図。
【図4】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図5】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図6】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図7】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図8】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図9】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図10】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図11】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図12】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図13】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図14】本発明の第二実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図15】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図16】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図17】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図18】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図19】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図20】本発明の第三実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図21】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図22】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図23】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図24】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図25】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図26】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図27】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図28】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図29】本発明の第四実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図30】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図31】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図32】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図33】本発明の第五実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図34】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図35】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図36】本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造過程を示す図。
【図37】本発明の第六実施形態に係るプロジェクターの構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶装置120の構成を示す平面図である。図2は、液晶装置120のA−A断面に沿った構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、液晶装置120は、TFTアレイ基板230と対向基板210とを重ね合わせるとともに、両者の間に設けられたシール材52により貼り合わせた構成を有する。シール材52によって区画された領域内には液晶層250が封入されている。シール材52の形成領域の内側には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。
【0024】
シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路41および外部回路実装端子42がTFTアレイ基板230の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路54が形成されている。TFTアレイ基板230の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路54の間を接続するための複数の配線55が設けられている。また、対向基板210の角部においては、TFTアレイ基板230と対向基板210との間で電気的導通をとるための基板間導通材56が配設されている。
【0025】
なお、データ線駆動回路41および走査線駆動回路54をTFTアレイ基板230の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板230の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。
【0026】
液晶装置120のうちシール材52の形成領域の内側には、画素領域235及び画素間領域236が設けられている。画素領域235は、光を透過可能に形成された複数の領域であり、例えば所定の間隔を空けてマトリクス状に配置されている。画素間領域236は、画素領域235同士の間の領域であり、光が遮られるようになっている。
【0027】
図2に示すように、対向基板210は、基材200、光透過基板201、遮光部203、保護層204、共通電極205及び配向膜206を有している。図2においては、TFTアレイ基板230と対向基板210との対向方向をZ方向とし、対向基板210側からTFTアレイ基板230側へ向けた方向を正方向として説明する。
【0028】
基材200は、例えば樹脂などの光透過性を有する材料を用いて構成されている。なお、基材200に用いられる材料としては、光透過基板201よりも光屈折率の低い材料が用いられる。基材200は、光透過基板201のうち液晶層250とは反対側の第一面201aを覆うように形成されている。
【0029】
光透過基板201は、例えばガラスや石英などの光透過可能な材料(基材200よりも光屈折率の高い材料)を用いて形成されている。光透過基板201の第一面201aのうち画素領域235に重なる部分には、それぞれマイクロレンズMLが形成されている。マイクロレンズMLは、レンズ面MLfが複数の領域(第一領域MLa〜第四領域MLd)に分割されており、いわゆるフレネルレンズを構成している。
【0030】
第一領域MLaは、平面視で円形に形成され、レンズ面MLfの中央部に配置されている。第一領域MLaは、−Z側に突出するように湾曲された形状となっている。第一領域MLaの平面視中央部は、最も−Z側に位置している。第一領域MLaの外周部には、境界面S1が形成されている。境界面S1は、第一領域MLaの外周部から−Z方向へ向けて形成されている。境界面S1は例えばドライエッチング法などのエッチング法によって円筒状に形成されている。
【0031】
第二領域MLbは、平面視で円環状に形成されている。当該第二領域MLbの内周部は、平面視においては、第一領域MLaの外周部と連続して形成されている。一方、図2に示すように断面視においては、第二領域MLbの内周部は、第一領域MLaとの間で境界面S1を介して接続されている。
【0032】
第二領域MLbは、外周側から内周側にかけて−Z側に突出するように形成されている。したがって、第二領域MLbは、内周部が最も−Z側に位置している。なお、第二領域MLbの内周部は、第一領域MLaの平面視中央部との間でZ方向上の位置が揃うように形成されている。第二領域MLbの外周部には、境界面S2が形成されている。境界面S2は、第二領域MLbの外周部から−Z方向へ向けて形成されている。境界面S2の内周面は例えばドライエッチング法などのエッチング法によって円筒状に形成されている。
【0033】
第三領域MLcは、平面視で円環状に形成されている。当該第三領域MLcの内周部は、平面視においては、第二領域MLbの外周部と連続して形成されている。一方、図2に示すように断面視においては、第三領域MLcの内周部は、第二領域MLbとの間で境界面S2を介して接続されている。
【0034】
第三領域MLcは、外周側から内周側にかけて−Z側に突出するように形成されている。したがって、第三領域MLcは、内周部が最も−Z側に位置している。なお、第三領域MLcの内周部は、第一領域MLaの平面視中央部及び第二領域MLbの内周部との間で、それぞれZ方向上の位置が揃うように形成されている。第三領域MLcの外周部には、境界面S3が形成されている。境界面S3は例えばドライエッチング法などのエッチング法によって円筒状に形成されている。境界面S3は、第三領域MLcの径方向の外側に配置されている。
【0035】
第四領域MLdは、平面視で円環状に形成されている。当該第四領域MLdの内周部は、平面視においては、第三領域MLcの外周部と連続して形成されている。一方、図2に示すように断面視においては、第四領域MLdの内周部は、第三領域MLcとの間で境界面S3を介して接続されている。
【0036】
第四領域MLdは、外周側から内周側にかけて−Z側に突出するように形成されている。したがって、第四領域MLdは、内周部が最も−Z側に位置している。なお、第四領域MLdの内周部は、第一領域MLaの平面視中央部、第二領域MLbの内周部及び第三領域MLcの内周部との間で、それぞれZ方向上の位置が揃うように形成されている。
【0037】
マイクロレンズMLは、上記のように第一領域MLa〜第四領域MLdが境界面S1〜S3を介して接続された構成により、断面視で鋸歯状の構成を有することになる。この第一領域MLa〜第四領域MLdを滑らかに接続した場合、図2の破線で示すような仮想レンズ面MLpが形成される。なお、第一領域MLa〜第四領域MLdの−Z側端部と第一面201aとの距離(高さ)は、仮想レンズ面MLpの−Z側端部と第一面201aとの距離に対して、1/nであることが好ましい。ただし、nは正の整数である。
【0038】
本実施形態では、基材200と光透過基板201とによってマイクロレンズ基板202が構成されている。当該マイクロレンズ基板202においては、上記のように基材200の光屈折率よりも光透過基板201の光屈折率の方が高くなるように形成されている。このため、当該基材200と光透過基板201との間の光屈折率の差により、マイクロレンズMLに入射した光は、平面視で当該マイクロレンズMLの中央部側へ屈折する。
【0039】
遮光部203は、光透過基板201の第二面201bのうち画素間領域236に重なる領域に形成されている。保護層204は、光透過基板201の第二面201b及び遮光部203を覆うように形成されている。保護層204は、当該第二面201bのほぼ全面に亘って形成されている。共通電極205は、保護層204のほぼ全面に亘って形成されている。配向膜206は、共通電極205を覆うように形成されている。
【0040】
TFTアレイ基板230は、基材220、第一遮光部222、第一絶縁層223、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)224、第二絶縁層225、第二遮光部226、第三絶縁層227、画素電極228及び配向膜229を有している。
【0041】
基材220は、光透過基板201と同様、例えばガラスや石英など、光透過性を有する材料を用いて形成されている。下地層221は、基材220の表面に形成されている。第一遮光部222は、下地層221の液晶層250側の表面221aに設けられている。第一絶縁層223は、第一遮光部222を含む下地層221の表面221aを覆うように形成されている。
【0042】
TFT224は、画素電極228を駆動するスイッチング素子である。当該TFT224は、半導体層224a及び不図示のゲート電極を有して構成されている。半導体層224aには、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面には、例えばLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
【0043】
ゲート電極は、TFTアレイ基板230上において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に第二絶縁層225の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略しているが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線242(図3参照)にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT224をオン/オフ制御している。
【0044】
第一遮光部222及び第二遮光部226は、上記対向基板210の遮光部203に平面視で重なるように格子状に形成されている。第一遮光部222及び第二遮光部226は、TFTアレイ基板230の厚さ方向において、TFT224を挟むように配置されている。第一遮光部222及び第二遮光部226が設けられていることにより、TFT224への光の入射が抑制されている。第一遮光部222に囲まれている矩形状の領域(開口部222a)、及び、第二遮光部226に囲まれている矩形状の領域(開口部226a)は、光が透過する領域となる。
【0045】
画素電極228は、開口部222a及び開口部226aに平面視で重なる領域に設けられている。TFT224や当該TFT224に電気信号を供給する不図示の電極や配線55(図1等参照)等は、第一遮光部222及び第二遮光部226に平面視で重なる領域に設けられている。なお、これらの電極や配線55等が第一遮光部222及び第二遮光部226を兼ねた構成であっても構わない。また、配向膜229は、画素電極228を覆うように形成されている。
【0046】
液晶層250は、対向基板210側の配向膜206と、TFTアレイ基板230側の配向膜229との間に封入されている。
【0047】
図3は、液晶装置120の電気的な構成を示す回路図である。
図3に示すように、画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極228、及びTFT224が形成されている。TFT224は、画素電極228に電気的に接続されており、液晶装置120の動作時において、画素電極228に対する画像信号の供給及び非供給を相互に切り替えるように、画素電極228をスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線241は、TFT224のソース領域に電気的に接続されている。
【0048】
TFT224のゲートには走査線242が電気的に接続されている。液晶装置120は、所定のタイミングで、走査線242にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極228は、TFT224のドレインに電気的に接続されている。画素電極228には、スイッチング素子であるTFT224を一定期間だけ閉じることにより、データ線241から供給される画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
【0049】
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極228と対向基板210に形成された共通電極205との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号がリークするのを防止するため、画素電極228と容量線243との間に蓄積容量270が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
【0050】
液晶層250を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
【0051】
図2に示すように、上記のように構成された液晶装置120において、例えば対向基板210の基材200に入射した光L1(平行光)は、マイクロレンズMLの例えば第四領域MLdによって開口部203bの中央部側へ屈折される。その後、液晶層250を通過した光L1は、第二遮光部226の開口部226a及び第一遮光部222の開口部222aを通過して、TFTアレイ基板230の−Z側の面から射出される。
【0052】
また、基材200に入射した光L2については、マイクロレンズMLの例えば第一領域MLaによって開口部203bの中央部側へ屈折される。この光屈折により、光L2の進行方向は、遮光部226から逸れた方向に屈折される。その後、液晶層250を通過した光L2は、第二遮光部226の開口部226a及び第一遮光部222の開口部222aを通過して、TFTアレイ基板230の−Z側の面から射出される。
【0053】
更に、基材200に入射した光L3については、マイクロレンズMLの例えば第二領域MLbによって開口部203bの中央部側へ屈折され、液晶層250を通過した後、第二遮光部226の開口部226a及び第一遮光部222の開口部222aを通過して、TFTアレイ基板230の−Z側の面から射出される。
【0054】
このように、対向基板210側のマイクロレンズMLにより、対向基板210からTFTアレイ基板230へと液晶装置120を透過する光が開口部203b、開口部222a及び開口部226aの中央部側へ向けて進行することになる。この結果、TFTアレイ基板230側から射出される光の量が多くなるため、光の利用効率が高められることになる。
【0055】
次に、上記のマイクロレンズ基板202の製造方法を説明する。
まず、図4に示すように、ガラスや石英などを用いて板状に形成された光透過基板201の第一面201aにレンズ形状部280を形成する。なお、図4以下の説明においては、複数のマイクロレンズMLのうち1つを代表させて説明する。また、図2に示すZ方向について、図4以下の説明においても適用させるものとする。
【0056】
この工程では、上記のマイクロレンズMLの仮想レンズ面MLpに一致する形状の凸面280aが設けられるようにレンズ形状部280を形成する。当該レンズ形状部280の形成については、フォトリソグラフィ法など公知の手法によって行うことができる。この場合、例えば光透過基板201の第一面201aにポジ型の感光性樹脂を10μm程度塗布し、グレースケールマスクなどを用いて感光性樹脂を露光し、その後現像することにより、レンズ形状部280を形成することができる。
【0057】
グレースケールマスクとしては、例えば露光時に用いる露光装置の解像限界以下のグリッドサイズ内に微小な孔を形成し、孔のサイズを変えることにより光の透過率を制御する種類のものを用いる。なお、光の透過率は、レンズ形成部280の平面視中央部から外周部に向けて高くなるように予め設計しておく。
【0058】
レンズ形状部280を形成する手法としては、フォトリソグラフィ法の他、例えば加熱によるリフロー処理を行うリフロー法や、開口部の径が段階的に変化する複数のフォトマスクを用いた多重露光法、などが挙げられる。
【0059】
次に、光透過基板201の第一面201a及びレンズ形状部280の凸面280aに対して、ICP(Inductively Coupled Plasmas:誘導結合型プラズマ)装置等のドライエッチング装置を用いてエッチング処理を行う。この場合、エッチングガスとしては、例えばCFやCHFなどのフロロカーボンガスを用いることができる。この工程により、図5に示すように、Z方向に光透過基板201及びレンズ形状部280が+Z方向に等しい厚さずつ除去されていく。
【0060】
このドライエッチング処理を、レンズ形状部280が全て除去されるまで行うことにより、図6に示すように、光透過基板201の第一面201aに、仮想レンズ面MLp(図2参照)と同一の形状を有するレンズ面MLgが形成される(レンズ面形成工程)。したがって、光透過基板201の第一面201aに形成されたレンズ形状部280の形状がドライエッチングによって光透過基板201に転写されることになる。
【0061】
次に、図7に示すように、光透過基板201の第一面201aからレンズ面MLgの一部にかけて、エッチングマスク281を形成する。当該エッチングマスク281は、レンズ面MLgのうち上記マイクロレンズMLの第四領域MLdに対応する部分を覆うと共に、第一領域MLa〜第三領域MLcに対応する領域を露出するように形成する。
【0062】
この工程では、まず光透過基板201の第一面201及びレンズ面MLgの全面に亘ってエッチングマスク層を形成しておき、その後、例えばOプラズマによって所望の位置に開口部を形成することでエッチングマスク281を形成する。この場合、フォトリソグラフィ法を用いずにエッチングマスク281を形成することができるため、工数を削減することができる。
【0063】
次に、レンズ面MLgのうちエッチングマスク281から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ面MLgの露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図8に示すように、レンズ面MLgの一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分がレンズ面MLhとなる。また、エッチングマスク281に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第四領域MLdと、境界面S3とが形成される(レンズ面分割工程)。
【0064】
次に、図9に示すように、光透過基板201の第一面201aからレンズ面MLhの一部にかけて、エッチングマスク282を形成する。当該エッチングマスク282は、レンズ面MLhのうち上記マイクロレンズMLの第三領域MLcに対応する部分を覆うと共に、第一領域MLaと第二領域MLbとに対応する領域を露出するように形成する。
【0065】
次に、レンズ面MLhのうちエッチングマスク282から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ面MLhの露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図10に示すように、レンズ面MLhの一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分がレンズ面MLiとなる。また、エッチングマスク282に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第三領域MLcと、境界面S2とが形成される(レンズ面分割工程)。
【0066】
次に、図11に示すように、光透過基板201の第一面201aからレンズ面MLiの一部にかけて、エッチングマスク283を形成する。当該エッチングマスク283は、レンズ面MLiのうち上記マイクロレンズMLの第二領域MLbに対応する部分を覆うと共に、第一領域MLaに対応する領域を露出するように形成する。
【0067】
次に、レンズ面MLiのうちエッチングマスク283から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ面MLiの露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図12に示すように、レンズ面MLiの一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分がマイクロレンズMLの第一領域MLaとなる。また、エッチングマスク283に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第二領域MLbと、境界面S1とが形成される(レンズ面分割工程)。
【0068】
以上の工程を経て、マイクロレンズMLは、第一領域MLa〜第四領域MLdと、境界面S1〜境界面S3とを有するフレネルレンズとして形成される。その後、図13に示すように、マイクロレンズMLを含めた光透過基板201の第一面201aのほぼ全面を覆うように基材200を形成する。この工程により、マイクロレンズ基板202が形成される。この工程では、第一領域MLa〜第四領域MLdの−Z側端部のZ方向の位置(高さ)が揃っているため、マイクロレンズMLの一部が基材200からはみ出すといった製造状の不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、光を透過する光透過基板201の第一面201aにレンズ面MLgを曲面状に形成した後、当該レンズ面MLgの一部をエッチングすることで、当該レンズ面MLgの一部(例、レンズ面MLh、レンズ面MLi)を分割して光透過基板201の第一面201a側に移動させることとしたので、分割されたレンズ面MLfを形成する場合であっても、各領域(第一領域MLa〜第四領域MLd)を滑らかに形成することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、レンズ面分割工程において、レンズ面MLgのうち分割する部分とは異なる部分をエッチングマスクで覆い、当該エッチングマスクから露出した部分をZ方向(一方向)にエッチングすることとしたので、効率的にレンズ面MLgを分割させることができる。なお、レンズ面MLh及びレンズ面MLiを分割する場合においても同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、レンズ面分割工程を複数回行うことで、マイクロレンズMLの径方向についてレンズ面MLgを段階的に分割することとしたので、マイクロレンズMLのZ方向の寸法を抑えることができる。これにより、薄型のマイクロレンズ基板202を製造することができる。
【0072】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
本実施形態では、第一実施形態とはマイクロレンズ基板202の製造工程の一部が異なるため、当該相違点を中心に説明する。
【0073】
まず、第一実施形態と同様の工程で当該光透過基板201の第一面201aに凸面280aを有するレンズ形状部280を形成した後、光透過基板201の第一面201a及びレンズ形状部280の凸面280aに対して、ドライエッチング装置を用いてエッチング処理を行う。本実施形態では、この工程において、レンズ形状部280の一部が残るようにエッチング処理を行う。
【0074】
具体的には、図14に示すように、マイクロレンズMLの第四領域MLdが形成された状態でエッチング処理を停止させ、当該第四領域MLd及び光透過基板201の第一面201aを覆うようにエッチングマスク284を形成する。このとき、光透過基板201に残ったレンズ形状部280の全面を露出するようにエッチングマスク284を形成する。
【0075】
次に、エッチングマスク284から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程では、図15に示すように、マイクロレンズMLの第三領域MLcが形成された状態でエッチング処理を停止させるようにする。この工程により、第三領域MLcと境界面S2とが形成される。なお、図15に示すように、この工程の後には、レンズ形状部280の一部が残った状態となる。
【0076】
次に、図16に示すように、光透過基板201のうち第一面201aから第三領域MLcの内周部にかけての領域にエッチングマスク285を形成する。この工程においては、光透過基板201に残ったレンズ形状部280の全面が露出するようにエッチングマスク285を形成する。
【0077】
次に、エッチングマスク285から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程では、図17に示すように、マイクロレンズMLの第二領域MLbが形成された状態でエッチング処理を停止させるようにする。この工程により、第二領域MLbと境界面S1とが形成される。なお、図17に示すように、この工程の後には、レンズ形状部280の一部が残った状態となる。
【0078】
次に、図18に示すように、光透過基板201のうち第一面201aから第二領域MLbの内周部にかけての領域にエッチングマスク286を形成する。この工程においては、光透過基板201に残ったレンズ形状部280の全面が露出するようにエッチングマスク286を形成する。
【0079】
次に、エッチングマスク286から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程では、図19に示すように、残りのレンズ形状部280を全て除去することにより、マイクロレンズMLの第一領域MLaが形成される。また、第一領域MLaの外周部には、境界面S1が形成される。
【0080】
このようにして、第一領域MLa〜第四領域MLdと、境界面S1〜境界面S3とを有するマイクロレンズMLが形成される。その後、第一実施形態と同様に、マイクロレンズMLを含めた光透過基板201の第一面201aのほぼ全面を覆うように光透過層を形成する。この工程により、マイクロレンズ基板が形成される。
【0081】
以上のように、本実施形態によれば、光透過基板201にレンズ形状部280の少なくとも一部が残っている状態でレンズ面分割工程を行うこととしたので、レンズ面MLfを形成する動作と、当該レンズ面MLfを分割する動作とを一のエッチング動作で行うことができる。これにより、レンズ面MLfを形成しながらレンズ面MLfを分割させることができ、効率的にマイクロレンズ基板202を製造することができる。
【0082】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
本実施形態では、光透過基板201の第一面201aに対して、+Z側に凹んだ形状のマイクロレンズMLを製造する場合を例に挙げて説明する。本実施形態では、光透過基板201として例えば石英基板を用いることが好ましい。
【0083】
まず、図20に示すように、光透過基板201の第一面201aにレンズ形状部290を形成する。この工程では、マイクロレンズMLの仮想レンズ面MLpに一致する形状の凹面290aが設けられるようにレンズ形状部290を形成する。
【0084】
次に、光透過基板201の第一面201a及びレンズ形状部290の凹面290aに対して、ドライエッチング装置を用いてエッチング処理を行う。この工程により、Z方向に光透過基板201及びレンズ形状部290が+Z方向に等しい厚さずつ除去される。本実施形態では、レンズ形状部290が全て除去されるまでドライエッチング行う。すると、図21に示すように、光透過基板201の第一面201aにレンズ面MLjが形成される(レンズ面形成工程)。このように、光透過基板201の第一面201aに形成されたレンズ形状部290の形状がドライエッチングによって光透過基板201に転写されることになる。
【0085】
次に、図22に示すように、レンズ面MLjの一部にエッチングマスク291を形成する。当該エッチングマスク291は、レンズ面MLjのうち上記マイクロレンズMLの第一領域MLaに対応する部分を覆うと共に、光透過基板201の第一面201a及び第二領域MLb〜第四領域MLdに対応する領域を露出するように形成する。
【0086】
次に、レンズ面MLjのうちエッチングマスク291から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ面MLjの露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図23に示すように、光透過基板201の第一面201aが+Z方向に移動する。また、レンズ面MLjの一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分がレンズ面MLkとなる。また、エッチングマスク291に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第一領域MLaと、境界面S1とが形成される(レンズ面分割工程)。
【0087】
次に、図24に示すように、レンズ面MLkの一部にエッチングマスク292を形成する。当該エッチングマスク292は、上記工程で形成された第一領域MLaと、マイクロレンズMLの第二領域MLbに対応する部分とを覆うと共に、光透過基板201の第一面201a及び第三領域MLcと第四領域MLdとに対応する領域を露出するように形成する。
【0088】
次に、レンズ面MLkのうちエッチングマスク292から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ面MLkの露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図25に示すように、光透過基板201の第一面201aが+Z方向に移動する。また、レンズ面MLkの一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分がレンズ面MLlとなる。また、エッチングマスク292に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第二領域MLbと、境界面S2とが形成される(レンズ面分割工程)。
【0089】
次に、図26に示すように、レンズ面MLlの一部にエッチングマスク293を形成する。当該エッチングマスク293は、上記工程で形成された第一領域MLa、第二領域MLbと、マイクロレンズMLの第三領域MLcに対応する部分を覆うと共に、光透過基板201の第一面201aと、マイクロレンズMLの第四領域MLdに対応する領域とを露出するように形成する。
【0090】
次に、レンズ面MLlのうちエッチングマスク293から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ面MLlの露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図27に示すように、レンズ面MLlの一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分がマイクロレンズMLの第四領域MLdとなる。また、エッチングマスク293に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第三領域MLcと、境界面S3とが形成される(レンズ面分割工程)。
【0091】
このようにして、光透過基板201の第一面201aに対して凹んだ形状の第一領域MLa〜第四領域MLdと、境界面S1〜境界面S3とを有するマイクロレンズMLが形成される。その後、図28に示すように、マイクロレンズMLを含めた光透過基板201の第一面201aのほぼ全面を覆うように基材200を形成する。基材200の材料としては、例えば光透過基板201よりも光屈折率の高い材料(例、樹脂、ガラスペーストなど)を用いることができる。この工程により、マイクロレンズ基板202が形成される。
【0092】
以上のように、本実施形態によれば、光透過基板201の第一面201aに対して凹んだ状態のマイクロレンズMLを形成する場合においても、第一面201aに凹状のレンズ面MLjをまず形成し、レンズ面MLjの一部を分割して光透過基板201の第一面201a側に移動させることとしたので、マイクロレンズMLの第一領域MLa〜第四領域MLdのそれぞれを滑らかに形成することができる。
【0093】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態を説明する。
本実施形態では、本実施形態では、上記実施形態とはマイクロレンズ基板202の製造工程の一部が異なるため、当該相違点を中心に説明する。
【0094】
まず、図29に示すように、光透過基板201の第一面201aにレンズ形状部260を形成する。この工程では、上記のマイクロレンズMLの仮想レンズ面MLpに一致する凸面260fが設けられるようにレンズ形状部260を形成する。
【0095】
次に、光透過基板201の第一面201aからレンズ形状部260の一部にかけて、エッチングマスク261を形成する。当該エッチングマスク261は、レンズ形状部260のうち上記マイクロレンズMLの第四領域MLdに対応する部分を覆うと共に、第一領域MLa〜第三領域MLcに対応する部分を露出するように形成する。
【0096】
次に、レンズ形状部260のうちエッチングマスク261から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ形状部260の露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図30に示すように、レンズ形状部260の一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分が凸面260gとなる。また、エッチングマスク261に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第四領域MLdに対応する第四部分260dと、境界面S3に対応する境界面260uとが形成される。
【0097】
その後、上記第一実施形態と同様に、レンズ形状部260に対してエッチングマスクを形成してドライエッチングを行うことにより、図31に示すように、マイクロレンズMLの第三領域MLcに対応する第三部分260c、第二領域MLbに対応する第二部分260b及び第一領域MLaに対応する第一部分260aをそれぞれ形成する。
【0098】
次に、光透過基板201の第一面201a及びレンズ形状部260の第一部分260a〜第四部分260dに対して、ドライエッチング装置を用いてエッチング処理を行う。この工程により、Z方向に光透過基板201及びレンズ形状部260が+Z方向に等しい厚さずつ除去されていく。その後、レンズ形状部260の第一部分260a〜第四部分260dが全て除去されると、図32に示すように、第一領域MLa〜第四領域MLdと、境界面S1〜境界面S3とを有するマイクロレンズMLが形成される。
【0099】
このように、まずマイクロレンズMLの形状に一致するようにレンズ形状部260の形状を整形した後、整形されたレンズ形状部260の形状をドライエッチングによって光透過基板201に転写することにより、上記第一実施形態と同様の構成を有するマイクロレンズMLを光透過基板201に形成することができる。
【0100】
なお、本実施形態においては、レンズ形状部260として、光透過性を有する材料であって、かつ、光透過基板201よりも光屈折率の低い材料を用いることにより、第一部分260a〜第四部分260dと、境界面260s〜境界面260uとが形成されたレンズ形状部260をマイクロレンズとして用いても構わない。この場合、光透過基板201に対して直接エッチングすることなくマイクロレンズを形成することができるため、第一部分260a〜第四部分260dのそれぞれに対してエッチング選択比などのエッチング条件を調整することが可能となる。これにより、レンズ曲率を所望の曲率に調整することができるため、マイクロレンズの設計の幅が広くなる。
【0101】
なお、本実施形態では、第一領域MLaから第四領域MLdへ向けて、−Z側端部と第一面201aとの距離(高さ)が大きくなるように形成されているが、これとは逆に、第四領域MLdから第一領域MLaへ向けて−Z側端部と第一面201aとの距離が大きくなる構成であっても構わない。
【0102】
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態を説明する。
本実施形態では、本実施形態では、上記実施形態とはマイクロレンズ基板202の製造工程の一部が異なるため、当該相違点を中心に説明する。
【0103】
まず、図33に示すように、光透過基板201の第一面201aにレンズ形状部265を形成する。この工程では、上記のマイクロレンズMLの仮想レンズ面MLpの形状に一致する凹面265fが設けられるようにレンズ形状部265を形成する。
【0104】
次に、光透過基板201の第一面201aからレンズ形状部265の一部にかけて、エッチングマスク261を形成する。当該エッチングマスク261は、レンズ形状部265のうち上記マイクロレンズMLの第一領域MLaに対応する部分を覆うと共に、第二領域MLb〜第四領域MLdに対応する部分を露出するように形成する。
【0105】
次に、レンズ形状部265のうちエッチングマスク261から露出した部分に対して、ドライエッチング処理を行う。この工程により、レンズ形状部265の露出部分の全体について、Z方向に等しい厚さ分が除去される。この結果、図34に示すように、レンズ形状部265の一部分が+Z方向に移動した状態となり、この部分が凹面265gとなる。また、エッチングマスク261に覆われた部分には、マイクロレンズMLの第一領域MLaに対応する第一部分265aと、境界面S1に対応する境界面265sとが形成される。
【0106】
その後、上記第一実施形態と同様に、レンズ形状部265に対してエッチングマスクを形成してドライエッチングを行うことにより、図35に示すように、マイクロレンズMLの第二領域MLbに対応する第二部分265b、第三領域MLcに対応する第三部分265c及び第四領域MLdに対応する第四部分265dをそれぞれ形成する。
【0107】
次に、光透過基板201の第一面201a及びレンズ形状部265の第一部分265a〜第四部分265dに対して、ドライエッチング装置を用いてエッチング処理を行う。この工程により、Z方向に光透過基板201及びレンズ形状部265が+Z方向に等しい厚さずつ除去されていく。その後、レンズ形状部265の第一部分265a〜第四部分265dが全て除去されると、図36に示すように、第一領域MLa〜第四領域MLdと、境界面S1〜境界面S3とを有するマイクロレンズMLが形成される。
【0108】
このように、まずマイクロレンズMLの形状に一致するようにレンズ形状部265の形状を整形した後、整形されたレンズ形状部265の形状をドライエッチングによって光透過基板201に転写することにより、凹状のマイクロレンズMLを光透過基板201に形成することができる。
【0109】
なお、本実施形態においては、レンズ形状部265として、光透過性を有する材料であって、かつ、光透過基板201よりも光屈折率の高い材料を用いることにより、第一部分265a〜第四部分265dと、境界面265s〜境界面265uとが形成されたレンズ形状部265をマイクロレンズとして用いても構わない。この場合、光透過基板201に対して直接エッチングすることなくマイクロレンズを形成することができるため、第一部分265a〜第四部分265dのそれぞれに対してエッチング選択比を制御することが可能となる。これにより、レンズ曲率を所望の曲率に調整することができるため、マイクロレンズの設計の幅が広くなる。
【0110】
なお、本実施形態では、第一領域MLaから第四領域MLdへ向けて、+Z側端部と第一面201aとの距離(高さ)が大きくなるように形成されているが、これとは逆に、第四領域MLdから第一領域MLaへ向けて+Z側端部と第一面201aとの距離が大きくなる構成であっても構わない。
【0111】
[第六実施形態]
次に、本発明の第六実施形態を説明する。
図37は、本実施形態に係るプロジェクター100の光学系を示す模式図である。
図37に示すように、プロジェクター100は、光源装置101と、インテグレーター104と、偏光変換素子105と、色分離導光光学系102と、光変調装置としての液晶光変調装置110R,液晶光変調装置110G, 液晶光変調装置110Bと、クロスダイクロイックプリズム112及び投写光学系114と、を具備して構成されている。液晶光変調装置110R、110G及び110Bには、後述するように、液晶装置120R、120G及び120Bが設けられている。この液晶装置120R、120G及び120Bとして、例えば上記各実施形態において説明した液晶装置120を用いることができる。
【0112】
光源装置101は、第1色光である赤色光(以下、「R光」という。)、第2色光である緑色光(以下、「G光」という。)、及び第3色光である青色光(以下、「B光」という。)を含む光を供給する。光源装置101としては、例えば超高圧水銀ランプを用いることができる。
【0113】
インテグレーター104は、光源装置101からの光の照度分布を均一化する。照度分布を均一化された光は、偏光変換素子105にて特定の振動方向を有する偏光光、例えば色分離導光光学系102の反射面に対してs偏光したs偏光光に変換される。s偏光光に変換された光は、色分離導光光学系102を構成するR光透過ダイクロイックミラー106Rに入射する。
【0114】
色分離導光光学系102は、R光透過ダイクロイックミラー106Rと、B光透過ダイクロイックミラー106Gと、3枚の反射ミラー107と、2枚のリレーレンズ108と、を具備して構成されている。
【0115】
R光透過ダイクロイックミラー106Rは、R光を透過し、G光、B光を反射する。R光透過ダイクロイックミラー106Rを透過したR光は、反射ミラー107に入射する。
【0116】
反射ミラー107は、R光の光路を90度折り曲げる。光路を折り曲げられたR光は、R光用液晶光変調装置110Rに入射する。R光用液晶光変調装置110Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。
【0117】
R光用液晶光変調装置110Rは、λ/2位相差板123R、ガラス板124R、第1偏光板121R、液晶装置120R、及び第2偏光板122Rを有する。λ/2位相差板123R及び第1偏光板121Rは、偏光方向を変換させない透光性のガラス板124Rに接する状態で配置される。なお、図1において、第2偏光板122Rは独立して設けられているが、液晶装置120Rの射出面や、クロスダイクロイックプリズム112の入射面に接する状態で配置しても良い。
【0118】
R光透過ダイクロイックミラー106Rで反射された、G光とB光とは光路を90度折り曲げられる。光路を折り曲げられたG光とB光とは、B光透過ダイクロイックミラー106Gに入射する。B光透過ダイクロイックミラー106Gは、G光を反射し、B光を透過する。B光透過ダイクロイックミラー106Gで反射されたG光は、G光用液晶光変調装置110Gに入射する。G光用液晶光変調装置110GはG光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。G光用液晶光変調装置110Gは、液晶装置120G、第1偏光板121G及び第2偏光板122Gを有する。
【0119】
G光用液晶光変調装置110Gに入射するG光は、s偏光光に変換されている。G光用液晶光変調装置110Gに入射したs偏光光は、第1偏光板121Gをそのまま透過し、液晶装置120Gに入射する。液晶装置120Gに入射したs偏光光は、画像信号に応じた変調により、G光がp偏光光に変換される。液晶装置120Gの変調により、p偏光光に変換されたG光が、第2偏光板122Gから射出される。このようにして、G光用液晶光変調装置110Gで変調されたG光は、クロスダイクロイックプリズム112に入射する。
【0120】
B光透過ダイクロイックミラー106Gを透過したB光は、2枚のリレーレンズ108と、2枚の反射ミラー107とを経由して、B光用液晶光変調装置110Bに入射する。
【0121】
B光用液晶光変調装置110Bは、B光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。B光用液晶光変調装置110Bは、λ/2位相差板123B、ガラス板124B、第1偏光板121B、液晶装置120B、及び第2偏光板122Bを有する。
【0122】
B光用液晶光変調装置110Bに入射するB光は、s偏光光に変換されている。B光用液晶光変調装置110Bに入射したs偏光光は、λ/2位相差板123Bによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されたB光は、ガラス板124B及び第1偏光板121Bをそのまま透過し、液晶装置120Bに入射する。液晶装置120Bに入射したp偏光光は、画像信号に応じた変調により、B光がs偏光光に変換される。液晶装置120Bの変調により、s偏光光に変換されたB光が、第2偏光板122Bから射出される。B光用液晶光変調装置110Bで変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム112に入射する。
【0123】
このように、色分離導光光学系102を構成するR光透過ダイクロイックミラー106RとB光透過ダイクロイックミラー106Gとは、光源装置101から供給される光を、第1色光であるR光と、第2色光であるG光と、第3色光であるB光とに分離する。
【0124】
色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム112は、2つのダイクロイック膜112a、112bをX字型に直交して配置して構成されている。ダイクロイック膜112aは、B光を反射し、G光を透過する。ダイクロイック膜112bは、R光を反射し、G光を透過する。このように、クロスダイクロイックプリズム112は、R光用液晶光変調装置110R、G光用液晶光変調装置110G、及びB光用液晶光変調装置110Bでそれぞれ変調されたR光、G光及びB光を合成する。
【0125】
投写光学系114は、クロスダイクロイックプリズム112で合成された光をスクリーン116に投射する。これにより、スクリーン116上でフルカラー画像を得ることができる。
【0126】
以上のように、本実施形態によれば、光の利用効率に優れた液晶装置120R、120G及び120B(液晶装置120)を備えるので、表示品質の高いプロジェクター100を得ることができる。
【0127】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、電気光学装置として液晶装置120を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、電気泳動素子をTFTアレイ基板(素子基板)と対向基板とで挟持した電気泳動表示装置や、TFTアレイ基板(素子基板)に有機EL層が形成された有機EL装置など、他の電気光学装置に対しても、本発明の適用は可能である。
【0128】
また、本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも、適用することができる。
【0129】
また、電子機器としては、上記プロジェクター100以外にも、マルチメディア対応のパーソナルコンピューター(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワープロ、テレビ、ビューファインダー型またはモニター直視型のビデオテープレコーダー、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【符号の説明】
【0130】
ML…マイクロレンズ MLf…レンズ面 MLa…第一領域 MLb…第二領域 MLc…第三領域 MLd…第四領域 S1〜S3…境界面 MLp…仮想レンズ面 MLg、MLh、MLi、MLj、MLk、MLl…レンズ面 120(120R、120G、120B)…液晶装置 200…基材 201…光透過基板 201a…第一面 201b…第二面 202…マイクロレンズ基板 260、280、290、…レンズ形状部 261、281〜286、291〜293…エッチングマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過する基板の表面にマイクロレンズのレンズ面を曲面状に形成するレンズ面形成工程と、
前記レンズ面の一部をエッチングすることで当該レンズ面の一部を分割するレンズ面分割工程と、
を含むマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項2】
前記レンズ面分割工程は、平面視で前記レンズ面の径方向に段階的に前記レンズ面の一部を分割する工程を含む
請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項3】
前記レンズ面形成工程は、
前記基板の表面に前記マイクロレンズの形状に対応した形状のレンズ形状部を形成する工程と、
前記レンズ形状部及び前記基板の表面に対してドライエッチングを行うことにより、前記レンズ形状部の形状を前記基板の表面に転写する工程と、
を含む
請求項1又は請求項2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項4】
前記レンズ面形成工程は、前記レンズ形状部を含めた前記基板の表面に対して前記エッチングを行い、前記レンズ形状部の形状を前記基板に転写する工程を含む
請求項3に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項5】
前記レンズ面分割工程は、前記基板上に前記レンズ形状部の少なくとも一部が残っている状態で前記エッチングを行う
請求項4に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
【請求項6】
前記レンズ面は、前記基板の表面に対して凸状に形成され、
前記レンズ面の一部を移動させた後、前記マイクロレンズを含む前記基板の表面に、前記基板よりも光屈折率の低い材料を用いて光透過層を形成する光透過層形成工程を更に備える
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
【請求項7】
前記レンズ面は、前記基板の表面に対して凹状に形成され、
前記レンズ面の一部を移動させた後、前記マイクロレンズを含む前記基板の表面に、前記基板よりも光屈折率の高い材料を用いて光透過層を形成する光透過層形成工程を更に備える
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のマイクロレンズの製造方法。
【請求項8】
光を透過する基板と、
前記基板の表面に形成された複数のマイクロレンズを有するレンズ層と
を備え、
前記マイクロレンズは、平面視で中央部から外周部へ向けて径方向に複数の領域に分割されたレンズ面を有し、
前記レンズ面のうち複数の前記領域は、それぞれ曲面状に形成されており、
前記レンズ面のうち複数の前記領域同士の間には、前記基板の厚さ方向に沿ったエッチング面が形成されている
マイクロレンズ基板。
【請求項9】
前記レンズ面のうちそれぞれの前記領域の内周部は、前記レンズ面の平面視中央部との間で、前記基板の厚さ方向の寸法が揃うように形成されている
請求項8に記載のマイクロレンズ基板。
【請求項10】
請求項8及び請求項9に記載のマイクロレンズ基板を備える
電気光学装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電気光学装置を備える
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2013−57780(P2013−57780A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195736(P2011−195736)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)