マイクロ構造の製造方法、マイクロ構造体、受光素子及び粒子検出器
【課題】入射角が大きな光に対する感度を向上させる。
【解決手段】マイクロ構造の製造方法は、シリコン基板50の被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する第1エッチング工程と、第1エッチング工程の実行後に、被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程とを含み、シリコン基板50の内部に向かい弧状に膨出する複数の凹部50cから成るマイクロ構造を形成する。
【解決手段】マイクロ構造の製造方法は、シリコン基板50の被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する第1エッチング工程と、第1エッチング工程の実行後に、被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程とを含み、シリコン基板50の内部に向かい弧状に膨出する複数の凹部50cから成るマイクロ構造を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロ構造の製造方法、マイクロ構造体、受光素子及び粒子検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば反応性イオンエッチングにより受光面に複数の溝を設け、受光面に入射する光の吸収率を向上させた受光素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−46227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る受光素子においては、光に対する感度を、より一層、向上させることが望まれており、特に、受光面に対する入射角が大きな光に対する感度を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、入射角が大きな光に対する感度を向上させることが可能なマイクロ構造の製造方法、マイクロ構造体、受光素子及び粒子検出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の請求項1に係るマイクロ構造の製造方法は、基板の被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと前記被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する第1エッチング工程と、前記第1エッチング工程の実行後に、前記被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程とを含み、前記基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を形成する。
【0007】
さらに、本発明の請求項2に係るマイクロ構造の製造方法では、前記基板はシリコンにより形成されている。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るマイクロ構造体は、請求項1または請求項2に記載のマイクロ構造の製造方法により製造されたマイクロ構造(例えば、実施の形態でのマイクロ構造20)を備える。
【0009】
また、本発明の請求項4に係るマイクロ構造体は、基板(例えば、実施の形態でのシリコン基板50)の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造(例えば、実施の形態でのマイクロ構造20)を有する。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る受光素子は、請求項3または請求項4に記載のマイクロ構造(例えば、実施の形態でのマイクロ構造20)を受光面(例えば、実施の形態での受光面12A)に備える。
【0011】
また、本発明の請求項6に係る粒子検出器は、請求項5に記載の受光素子(例えば、実施の形態での受光素子12)と、試料流体に向けて光を照射する光源(例えば、実施の形態での光源11)とを備え、前記受光素子は、前記光源から発せられた前記光が前記試料流体中の粒子によって散乱されることで生じた散乱光を検出する。
【0012】
さらに、本発明の請求項7に係る粒子検出器では、前記受光素子の受光面は、前記光源から発せられる前記光の光路に沿って、前記光路に平行である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るマイクロ構造の製造方法によれば、基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を容易に製造することができる。
【0014】
このマイクロ構造は、基板の表面上に形成された複数の凹部を備え、各凹部は、基板の表面上の開口端から適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状膨大部と、さらに、適宜の深さから凹部の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状縮小部とから成る形状を有している。
【0015】
このため、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、各凹部の弧状膨大部に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
また、基板の表面に対する入射角が大きな光が弧状膨大部で反射されたとしても、この反射による反射光は凹部の内部に向かい、凹部の内壁面に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
また、凹部に入射した光が内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光が凹部の外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部の内部での多重反射を生じさせ易くなっている。
これらにより、光に対する感度を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に係るマイクロ構造によれば、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、多重反射を生じさせ易くなっており、感度を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に係るマイクロ構造によれば、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、多重反射を生じさせ易くなっており、感度を向上させることができる。
すなわち、このマイクロ構造は、基板の表面上に形成された複数の凹部を備え、各凹部は、基板の表面上の開口端から適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状膨大部と、さらに、適宜の深さから凹部の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状縮小部とから成る形状を有している。
【0018】
このため、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、各凹部の弧状膨大部に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
また、基板の表面に対する入射角が大きな光が弧状膨大部で反射されたとしても、この反射による反射光は凹部の内部に向かい、凹部の内壁面に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
また、凹部に入射した光が内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光が凹部の外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部の内部での多重反射を生じさせ易くなっている。
これらにより、光に対する感度を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る受光素子によれば、受光素子の受光面に対する入射角が大きな光を、受光素子の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造での多重反射により効率よく検出することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に係る粒子検出器によれば、受光素子の受光面に対する入射角が大きな散乱光を、受光素子の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造での多重反射により効率よく検出することができる。
【0021】
さらに、本発明の請求項7に係る粒子検出器によれば、受光素子の受光面は、光源から発せられる光の光路に沿って、光路に平行であることから、各種の散乱光のうち、光源から発せられる光の光路の前方方向に指向性が強い散乱光、例えばMie散乱の散乱光に対する感度を向上させることができる。
しかも、光の波長および粒子の粒径などに対する所定の条件において、Mie散乱の散乱光は、他の散乱光に比べて散乱強度が高いことから、粒子検出器が大型化することを防止しつつ、散乱光に対する感度を向上させ、十分な散乱光を得て粒子の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の一部を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の一部を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の一部を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る所定波長の光に対する所定粒径の粒子によるMie散乱の散乱光の出力強度の角度分布の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る複数の所定波長の光を粒子に入射したときのMie散乱の出力強度の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の受光素子の受光面に形成されたマイクロ構造を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の受光素子の受光面に形成されたマイクロ構造を示す断面図である。
【図9】図9(A)は本発明の実施の形態に係る実施例での受光素子のマイクロ構造における光の反射および吸収の例を示す図であり、図9(B),(C)は本発明の実施の形態に係る第1比較例および第2比較例での受光素子における光の反射および吸収の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る実施例および第1比較例での受光素子の受光面での散乱光の受光強度の入射角に応じた変化の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の受光素子の受光面に設けられるマイクロ構造を製造する方法の各工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係るマイクロ構造の製造方法およびマイクロ構造体および受光素子および粒子検出器について添付図面を参照しながら説明する。
【0024】
本実施の形態による粒子検出器10は、例えば、クリーンルーム内に設置され、クリーンルーム内の空気清浄度を管理するシステムとして用いられ、試料流体とされる空気中に含まれる、例えば微粒子状の塵埃や、細菌やウイルスなどの浮遊微生物などの粒子を検出するものである。
【0025】
本実施の形態による粒子検出器10は、例えば図1(A),(B)に示すように、空気などの試料流体Fに向けて光Lを照射する光源11と、該光源11から発せられた光Lが試料流体F中の粒子Pによって散乱されることで生じた散乱光SLを検出する受光素子12とを備えて構成されている。
【0026】
光源11は、例えば所定の波長のレーザ光を所定の出力で出射するレーザ光源などである。
受光素子12は、例えばフォトダイオードなどであって、受光素子12の受光面12Aは、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行に配置されている。
そして、粒子検出器10は、受光素子12から出力される光学的出力波形(つまり、散乱光SLの出力波形)から試料流体F中の粒子Pの粒径や数を検出する。
【0027】
より詳細には、この粒子検出器10は、例えば図2に示すように、試料流体Fを通過させる流路13と、流路13内に試料流体Fを導入するポンプ14と、流路13に連通する光吸収部15とを備えて構成されている。
【0028】
流路13は、例えば、所定間隔をおいて互いの受光面12A,12A同士を対向させて平行に配置された1対の板状の受光素子12,12と、1対の受光素子12,12間を接続し、かつ互いの反射面16A,16A同士を対向させて平行に配置された1対の板状の反射鏡16,16とにより、4角筒状に形成されている。
【0029】
そして、流路13の両端で開口する入口部13aおよび出口部13bのうち、出口部13bは、例えば吸引用のポンプ14に接続され、試料流体Fは外部に連通するように開口する入口部13aから流路13内に導入され、流路13内を流通した試料流体Fは出口部13bからポンプ14に吸引される。
【0030】
光源11は、流路13の入口部13aにおいて、1対の反射鏡16,16の一方側にずれた位置に配置され、この一方側から他方側に向かう方向に対して所定角度だけ流路13の出口部13b側に傾斜した方向に向けて光Lを出射するように配置されている。
そして、1対の受光素子12,12は、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行に配置され、互いの受光面12A,12Aによって光路に直交する方向の両側から光路を挟み込むように配置されている。
【0031】
また、各反射鏡16の反射面16A上には、例えば図3および図4に示すように、光路に直交する方向の中央部から両側つまり1対の受光素子12,12側にずれた位置に1対の第2受光素子17,17が設けられている。
第2受光素子17は、例えばフォトダイオードなどであって、第2受光素子17の受光面は、例えば光Lの光路を含む平面に対して直交するように配置されている。
そして、光源11から出射された光Lは、1対の反射鏡16,16の反射面16A,16A間を往復反射して流路13の入口部13aから出口部13bに導光される。
【0032】
光吸収部15は、流路13の出口部13bに連通しており、流路13内を往復反射しつつ導光されて出口部13bに到達した光Lを、流路13内から光吸収部15の内部に導く形状を有する光吸収体により形成されている。
【0033】
このように、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行に配置される受光素子12は、光源11から出射された光Lが試料流体F中の粒子Pによって散乱されることで生じた各種の散乱光SLのうち、特に、光源11から発せられる光Lの光路の前方方向に指向性が強い散乱光SL、例えばMie散乱の散乱光SLに対する感度を向上させることができる。
【0034】
例えば図5に示すように、所定波長(例えば、660nm)の光Lに対する所定粒径(例えば、直径d=1.0μm、0.5μm)の粒子PによるMie散乱の散乱光SLの出力強度の角度分布によると、クリーンルーム内の粒子Pの平均的な大きさである直径d=1.0μmの粒子Pに対して、Mie散乱の散乱光SLは、光Lの光路の前方方向に指向性が強いことが認められる。
しかも、所定波長(例えば、660nm)の光Lに対する所定粒径(例えば、直径d=1.0μm)の粒子Pによる散乱では、Mie散乱が支配的となることから、Mie散乱の散乱光SLに対する感度を向上させることで、十分な散乱光SLを得て粒子Pの検出精度を向上させることができる。
【0035】
したがって、各受光素子12の受光面12Aと、光源11から出射される光Lの光路との間の間隔は、小さい方が好ましい。
【0036】
なお、Mie散乱の出力強度は、光Lの波長λと粒子Pの大きさ(例えば、直径d)との関係に依存して変化する。
例えば、図6に示すように、複数の所定波長(例えば、300nm、600nm、900nm)の光Lを粒子Pに入射したときのMie散乱の出力強度から、全ての所定波長(例えば、300nm、600nm、900nm)において、d/λが所定値(例えば、0.5)未満では、出力強度の低下が増大することが認められる。
これにより、d/λに対する下限値として、d/λ=0.5を設定することが好ましい。
なお、図6では、横軸を、直径d/波長λとし、縦軸を、Mie散乱の出力強度をd/λ=20の値で規格化した値としている。
【0037】
また、例えばクリーンルーム内の所望の空気清浄度に応じて、例えば粒子Pの直径dに対する上限値として、例えばd=5μmを設定することが好ましい。
【0038】
そして、例えば図7(A),(B)に示すように、受光素子12の受光面12Aは、受光素子12の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造20を有している。
【0039】
このマイクロ構造20は、例えば図8に示すように、受光素子12の受光面12A上に形成された複数の凹部21を備えている。
そして、各凹部21は、受光素子12の受光面12A上の開口端21aから適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の受光内壁面31Aを有する弧状膨大部31と、さらに、適宜の深さから凹部21の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の受光内壁面32Aを有する弧状縮小部32とから成る形状を有している。
【0040】
このマイクロ構造20により、例えば図9(A)に示す実施例のように、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな散乱光SLであっても、各凹部21の弧状膨大部31に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
【0041】
また、この散乱光SLが弧状膨大部31で反射されたとしても、この反射による反射光SLaは凹部21の内部に向かい、凹部21の内壁面(例えば、弧状縮小部32の受光内壁面32Aなど)に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
【0042】
また、凹部21に入射した散乱光SLが内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光SLa,SLb,…が凹部21の外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部21の内部での多重反射を経て検出される可能性が高くなっている。
【0043】
このマイクロ構造20により、例えば図10に示す実施例のように、受光素子12の受光面12Aに対する散乱光SLの入射角が増大することに伴い、この散乱光SLに対する感度は増大傾向に変化していることが認められる。
【0044】
一方、例えば図9(B)に示す第1比較例のように、受光素子12の受光面12Aが平坦である場合(つまり、マイクロ構造を有していない場合)には、例えば図10に示す第1比較例のように、受光素子12の受光面12Aに対する散乱光SLの入射角が所定角度(例えば、70°など)以上に増大することに伴い、散乱光SLは受光面12Aで反射され易くなり、散乱光SLに対する感度は減少傾向に変化していることが認められる。
【0045】
また、例えば図9(C)に示す第2比較例のように、受光素子12の受光面12A上の開口端21aから内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化するテーパ状の凹部、あるいは内部空間の横断面積が一定である凹部などから成るマイクロ構造を有するだけでは、実施例に比べて、凹部21に入射した散乱光SLが内部での反射によって凹部21の外部に抜け出し易く、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな散乱光SLに対する感度を向上させることは困難であることが認められる。
【0046】
以下に、マイクロ構造20の製造方法およびマイクロ構造20を有するマイクロ構造体(例えば、フォトダイオードである受光素子12)の製造方法について説明する。
【0047】
先ず、例えば図11(A)に示すように、例えばp型などのシリコン基板50を用意する。
次に、所定温度(例えば、1100℃など)による所定時間(例えば、60分など)の熱酸化によって、例えば図11(B)に示すように、所定厚さ(例えば、100nmなど)の酸化膜51を形成する。
【0048】
次に、酸化膜51の表面上に液状のフォトレジストをスピンコーティングなどにより塗布して、例えば図11(C)に示すように、レジスト層52を形成する。
次に、露光マスクを用いてレジスト層52を露光し、現像液によって現像することにより、例えば図11(D)に示すように、所定パターンの開口52aを有するレジストマスク52bを形成する。
【0049】
次に、レジストマスク52bの所定パターンに応じて酸化膜51をウェットエッチングし、例えば図11(E)に示すように、所定パターンの開口51aを有する酸化膜マスク51bを形成する。
次に、例えば図11(F)に示すように、レジストマスク52bを除去する。
【0050】
次に、酸化膜マスク51bの所定パターンに応じて、開口51aにより露出するシリコン基板50の領域を被エッチング部として、DRIE(deep reactive ion etching)により、シリコン基板50に対して異方性エッチング処理を行なう第1エッチング工程を実行し、例えば図11(G)に示すように、シリコン基板50の表面上に凹部50aを形成する。
【0051】
この第1エッチング工程は、被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと、被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを、所定周期(例えば、18秒など)で交互に所定回数(例えば、2回など)実行する。
【0052】
この第1エッチング工程は、いわゆるボッシュプロセスであって、主に6フッ化硫黄ガスを用いて等方性プラズマエッチングを行なうステップと、フッ素樹脂系のガス(C4F8ガスなど)を用いて被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する。
これにより、被エッチング部の深さ方向(シリコン基板50の厚さ方向)にエッチングを行なう際に、被エッチング部の側面を保護して横方向のエッチングを抑制している。
【0053】
したがって、この第1エッチング工程により形成される凹部50aは、シリコン基板50の表面上の開口端50bから深さ方向(つまり、シリコン基板50の厚さ方向)の内部に向かうことに伴い、側面においてスキャロップと呼ばれる凹凸形状を有している。
【0054】
次に、第1エッチング工程の実行終了後に、被エッチング部に所定期間(例えば、23秒など)に亘って、主に6フッ化硫黄ガスを用いて等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程を実行する。
これにより、例えば図11(H)に示すように、シリコン基板50の表面上の開口端50bから深さ方向(つまり、シリコン基板50の厚さ方向)の内部に向かうことに伴い、弧状に膨出する凹部50cを形成する。
【0055】
この凹部50cは、シリコン基板50の表面上の開口端50bから適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面61Aを有する弧状膨大部61と、さらに、適宜の深さから凹部50cの底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面62Aを有する弧状縮小部62とから成る形状を有している。
さらに、本実施例では、開口端50bが内壁面において最も突出する構造となる。
【0056】
次に、例えば図11(I)に示すように、酸化膜マスク51bをエッチング除去する。
【0057】
次に、複数の凹部50cが形成されたシリコン基板50の表面に対して、所定温度(例えば、935℃など)による所定時間(例えば、40秒など)の熱拡散処理によってリンを熱拡散させて、例えば図11(J)に示すように、不純物層71を形成する。
【0058】
次に、例えば図11(K)に示すように、複数の凹部50cが形成されたシリコン基板50の表面に対する裏面にアルミニウム(Al)膜72を成膜し、所定のパターニングを行ない、所定温度(例えば、450℃など)による所定時間(例えば、10分など)のアニールを行ない、アルミニウム(Al)膜72を結合させる。
【0059】
次に、例えば図11(L)に示すように、複数の凹部50cが形成されたシリコン基板50の表面の所定位置(例えば、端部など)にアルミニウム(Al)膜73を成膜し、所定のパターニングを行なうと共に、アルミニウム(Al)膜73を結合させる。
このとき、必ずしもアニールを行なう必要はない。n型シリコンを用いた場合、アニールを行なわなくてもオーミックコンタクトを実現できる。
【0060】
上述したように、本実施の形態による粒子検出器10によれば、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな散乱光SLを、受光素子12の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造20での多重反射により効率よく検出することができる。
【0061】
さらに、受光素子12の受光面12Aは、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行であることから、各種の散乱光SLのうち、光源11から発せられる光Lの光路の前方方向に指向性が強い散乱光SL、例えばMie散乱の散乱光SLに対する感度を向上させることができる。
【0062】
しかも、光の波長および粒子の粒径などに対する所定の条件において、Mie散乱の散乱光SLは、他の散乱光SLに比べて散乱強度が高いことから、粒子検出器10が大型化することを防止しつつ、散乱光SLに対する感度を向上させ、十分な散乱光SLを得て粒子の検出精度を向上させることができる。
【0063】
上述したように、本実施の形態による受光素子12によれば、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな光を、受光素子12の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造20での多重反射により効率よく検出することができる。
【0064】
上述したように、本実施の形態によるマイクロ構造20を有するマイクロ構造体によれば、シリコン基板50の表面に対する入射角が大きな光であっても、多重反射を生じさせ易くなっており、感度を向上させることができる。
【0065】
すなわち、このマイクロ構造20は、シリコン基板50の表面上に形成された複数の凹部50cを備え、各凹部50cは、シリコン基板50の表面上の開口端50bから適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面61Aを有する弧状膨大部61と、さらに、適宜の深さから凹部の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面62Aを有する弧状縮小部62とから成る形状を有している。
さらに、本実施例では、開口端50bが内壁面において最も突出する構造となる。
【0066】
このため、シリコン基板50の表面に対する入射角が大きな光であっても、各凹部50cの弧状膨大部61に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
また、シリコン基板50の表面に対する入射角が大きな光が弧状膨大部61で反射されたとしても、この反射による反射光は凹部50cの内部に向かい、凹部50cの内壁面(例えば、弧状縮小部32の受光内壁面32Aなど)に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
【0067】
また、凹部50cに入射した光が内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光が凹部50cの外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部50cの内部での多重反射を生じさせ易くなっている。
これらにより、光に対する感度を向上させることができる。
【0068】
上述したように、本実施の形態によるマイクロ構造の製造方法によれば、シリコン基板50の内部に向かい弧状に膨出する複数の凹部50cから成るマイクロ構造20を容易に製造することができる。
【0069】
なお、上述した実施の形態において、マイクロ構造20は、第1エッチング工程と第2エッチング工程とに製造されるとしたが、これに限定されず、他のエッチング工程によって製造されてもよい。
【0070】
なお、上述した実施の形態においては、マイクロ構造体をフォトダイオードとしたが、これに限定されず、他の受光素子であってもよい。この場合、マイクロ構造20の製造方法において、酸化膜マスク51bの代わりに、アルミニウム(Al)膜マスクや、金(Au)膜マスクなどを用いてもよい。
【0071】
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10は1つの受光素子12を備えるだけであってもよい。
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10の第2受光素子17は省略されてもよい。
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10の反射鏡16は省略されてもよい。
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10のポンプ14は省略されてもよい。
【0072】
なお、上述した実施の形態においては、粒子検出器10をクリーンルーム内に設置し、試料流体とされる空気中に含まれる、例えば微粒子状の塵埃や、細菌やウイルスなどの浮遊微生物などの粒子を検出するとしたが、これに限定されず、例えば、空気以外の特定のガスなどに含まれる粒子を検出してもよい。例えば、成膜装置などに流入する特定のガスに含まれる不純物である粒子を検出してもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 粒子検出器
11 光源
12 受光素子
12A 受光面
13 流路
13a 入口部
13b 出口部
16 反射鏡
17 第2受光素子
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロ構造の製造方法、マイクロ構造体、受光素子及び粒子検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば反応性イオンエッチングにより受光面に複数の溝を設け、受光面に入射する光の吸収率を向上させた受光素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−46227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る受光素子においては、光に対する感度を、より一層、向上させることが望まれており、特に、受光面に対する入射角が大きな光に対する感度を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、入射角が大きな光に対する感度を向上させることが可能なマイクロ構造の製造方法、マイクロ構造体、受光素子及び粒子検出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の請求項1に係るマイクロ構造の製造方法は、基板の被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと前記被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する第1エッチング工程と、前記第1エッチング工程の実行後に、前記被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程とを含み、前記基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を形成する。
【0007】
さらに、本発明の請求項2に係るマイクロ構造の製造方法では、前記基板はシリコンにより形成されている。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るマイクロ構造体は、請求項1または請求項2に記載のマイクロ構造の製造方法により製造されたマイクロ構造(例えば、実施の形態でのマイクロ構造20)を備える。
【0009】
また、本発明の請求項4に係るマイクロ構造体は、基板(例えば、実施の形態でのシリコン基板50)の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造(例えば、実施の形態でのマイクロ構造20)を有する。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る受光素子は、請求項3または請求項4に記載のマイクロ構造(例えば、実施の形態でのマイクロ構造20)を受光面(例えば、実施の形態での受光面12A)に備える。
【0011】
また、本発明の請求項6に係る粒子検出器は、請求項5に記載の受光素子(例えば、実施の形態での受光素子12)と、試料流体に向けて光を照射する光源(例えば、実施の形態での光源11)とを備え、前記受光素子は、前記光源から発せられた前記光が前記試料流体中の粒子によって散乱されることで生じた散乱光を検出する。
【0012】
さらに、本発明の請求項7に係る粒子検出器では、前記受光素子の受光面は、前記光源から発せられる前記光の光路に沿って、前記光路に平行である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るマイクロ構造の製造方法によれば、基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を容易に製造することができる。
【0014】
このマイクロ構造は、基板の表面上に形成された複数の凹部を備え、各凹部は、基板の表面上の開口端から適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状膨大部と、さらに、適宜の深さから凹部の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状縮小部とから成る形状を有している。
【0015】
このため、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、各凹部の弧状膨大部に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
また、基板の表面に対する入射角が大きな光が弧状膨大部で反射されたとしても、この反射による反射光は凹部の内部に向かい、凹部の内壁面に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
また、凹部に入射した光が内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光が凹部の外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部の内部での多重反射を生じさせ易くなっている。
これらにより、光に対する感度を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の請求項3に係るマイクロ構造によれば、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、多重反射を生じさせ易くなっており、感度を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に係るマイクロ構造によれば、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、多重反射を生じさせ易くなっており、感度を向上させることができる。
すなわち、このマイクロ構造は、基板の表面上に形成された複数の凹部を備え、各凹部は、基板の表面上の開口端から適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状膨大部と、さらに、適宜の深さから凹部の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面を有する弧状縮小部とから成る形状を有している。
【0018】
このため、基板の表面に対する入射角が大きな光であっても、各凹部の弧状膨大部に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
また、基板の表面に対する入射角が大きな光が弧状膨大部で反射されたとしても、この反射による反射光は凹部の内部に向かい、凹部の内壁面に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
また、凹部に入射した光が内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光が凹部の外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部の内部での多重反射を生じさせ易くなっている。
これらにより、光に対する感度を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る受光素子によれば、受光素子の受光面に対する入射角が大きな光を、受光素子の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造での多重反射により効率よく検出することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に係る粒子検出器によれば、受光素子の受光面に対する入射角が大きな散乱光を、受光素子の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造での多重反射により効率よく検出することができる。
【0021】
さらに、本発明の請求項7に係る粒子検出器によれば、受光素子の受光面は、光源から発せられる光の光路に沿って、光路に平行であることから、各種の散乱光のうち、光源から発せられる光の光路の前方方向に指向性が強い散乱光、例えばMie散乱の散乱光に対する感度を向上させることができる。
しかも、光の波長および粒子の粒径などに対する所定の条件において、Mie散乱の散乱光は、他の散乱光に比べて散乱強度が高いことから、粒子検出器が大型化することを防止しつつ、散乱光に対する感度を向上させ、十分な散乱光を得て粒子の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の一部を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の一部を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の一部を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る所定波長の光に対する所定粒径の粒子によるMie散乱の散乱光の出力強度の角度分布の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る複数の所定波長の光を粒子に入射したときのMie散乱の出力強度の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の受光素子の受光面に形成されたマイクロ構造を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の受光素子の受光面に形成されたマイクロ構造を示す断面図である。
【図9】図9(A)は本発明の実施の形態に係る実施例での受光素子のマイクロ構造における光の反射および吸収の例を示す図であり、図9(B),(C)は本発明の実施の形態に係る第1比較例および第2比較例での受光素子における光の反射および吸収の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る実施例および第1比較例での受光素子の受光面での散乱光の受光強度の入射角に応じた変化の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る粒子検出器の受光素子の受光面に設けられるマイクロ構造を製造する方法の各工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係るマイクロ構造の製造方法およびマイクロ構造体および受光素子および粒子検出器について添付図面を参照しながら説明する。
【0024】
本実施の形態による粒子検出器10は、例えば、クリーンルーム内に設置され、クリーンルーム内の空気清浄度を管理するシステムとして用いられ、試料流体とされる空気中に含まれる、例えば微粒子状の塵埃や、細菌やウイルスなどの浮遊微生物などの粒子を検出するものである。
【0025】
本実施の形態による粒子検出器10は、例えば図1(A),(B)に示すように、空気などの試料流体Fに向けて光Lを照射する光源11と、該光源11から発せられた光Lが試料流体F中の粒子Pによって散乱されることで生じた散乱光SLを検出する受光素子12とを備えて構成されている。
【0026】
光源11は、例えば所定の波長のレーザ光を所定の出力で出射するレーザ光源などである。
受光素子12は、例えばフォトダイオードなどであって、受光素子12の受光面12Aは、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行に配置されている。
そして、粒子検出器10は、受光素子12から出力される光学的出力波形(つまり、散乱光SLの出力波形)から試料流体F中の粒子Pの粒径や数を検出する。
【0027】
より詳細には、この粒子検出器10は、例えば図2に示すように、試料流体Fを通過させる流路13と、流路13内に試料流体Fを導入するポンプ14と、流路13に連通する光吸収部15とを備えて構成されている。
【0028】
流路13は、例えば、所定間隔をおいて互いの受光面12A,12A同士を対向させて平行に配置された1対の板状の受光素子12,12と、1対の受光素子12,12間を接続し、かつ互いの反射面16A,16A同士を対向させて平行に配置された1対の板状の反射鏡16,16とにより、4角筒状に形成されている。
【0029】
そして、流路13の両端で開口する入口部13aおよび出口部13bのうち、出口部13bは、例えば吸引用のポンプ14に接続され、試料流体Fは外部に連通するように開口する入口部13aから流路13内に導入され、流路13内を流通した試料流体Fは出口部13bからポンプ14に吸引される。
【0030】
光源11は、流路13の入口部13aにおいて、1対の反射鏡16,16の一方側にずれた位置に配置され、この一方側から他方側に向かう方向に対して所定角度だけ流路13の出口部13b側に傾斜した方向に向けて光Lを出射するように配置されている。
そして、1対の受光素子12,12は、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行に配置され、互いの受光面12A,12Aによって光路に直交する方向の両側から光路を挟み込むように配置されている。
【0031】
また、各反射鏡16の反射面16A上には、例えば図3および図4に示すように、光路に直交する方向の中央部から両側つまり1対の受光素子12,12側にずれた位置に1対の第2受光素子17,17が設けられている。
第2受光素子17は、例えばフォトダイオードなどであって、第2受光素子17の受光面は、例えば光Lの光路を含む平面に対して直交するように配置されている。
そして、光源11から出射された光Lは、1対の反射鏡16,16の反射面16A,16A間を往復反射して流路13の入口部13aから出口部13bに導光される。
【0032】
光吸収部15は、流路13の出口部13bに連通しており、流路13内を往復反射しつつ導光されて出口部13bに到達した光Lを、流路13内から光吸収部15の内部に導く形状を有する光吸収体により形成されている。
【0033】
このように、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行に配置される受光素子12は、光源11から出射された光Lが試料流体F中の粒子Pによって散乱されることで生じた各種の散乱光SLのうち、特に、光源11から発せられる光Lの光路の前方方向に指向性が強い散乱光SL、例えばMie散乱の散乱光SLに対する感度を向上させることができる。
【0034】
例えば図5に示すように、所定波長(例えば、660nm)の光Lに対する所定粒径(例えば、直径d=1.0μm、0.5μm)の粒子PによるMie散乱の散乱光SLの出力強度の角度分布によると、クリーンルーム内の粒子Pの平均的な大きさである直径d=1.0μmの粒子Pに対して、Mie散乱の散乱光SLは、光Lの光路の前方方向に指向性が強いことが認められる。
しかも、所定波長(例えば、660nm)の光Lに対する所定粒径(例えば、直径d=1.0μm)の粒子Pによる散乱では、Mie散乱が支配的となることから、Mie散乱の散乱光SLに対する感度を向上させることで、十分な散乱光SLを得て粒子Pの検出精度を向上させることができる。
【0035】
したがって、各受光素子12の受光面12Aと、光源11から出射される光Lの光路との間の間隔は、小さい方が好ましい。
【0036】
なお、Mie散乱の出力強度は、光Lの波長λと粒子Pの大きさ(例えば、直径d)との関係に依存して変化する。
例えば、図6に示すように、複数の所定波長(例えば、300nm、600nm、900nm)の光Lを粒子Pに入射したときのMie散乱の出力強度から、全ての所定波長(例えば、300nm、600nm、900nm)において、d/λが所定値(例えば、0.5)未満では、出力強度の低下が増大することが認められる。
これにより、d/λに対する下限値として、d/λ=0.5を設定することが好ましい。
なお、図6では、横軸を、直径d/波長λとし、縦軸を、Mie散乱の出力強度をd/λ=20の値で規格化した値としている。
【0037】
また、例えばクリーンルーム内の所望の空気清浄度に応じて、例えば粒子Pの直径dに対する上限値として、例えばd=5μmを設定することが好ましい。
【0038】
そして、例えば図7(A),(B)に示すように、受光素子12の受光面12Aは、受光素子12の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造20を有している。
【0039】
このマイクロ構造20は、例えば図8に示すように、受光素子12の受光面12A上に形成された複数の凹部21を備えている。
そして、各凹部21は、受光素子12の受光面12A上の開口端21aから適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の受光内壁面31Aを有する弧状膨大部31と、さらに、適宜の深さから凹部21の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の受光内壁面32Aを有する弧状縮小部32とから成る形状を有している。
【0040】
このマイクロ構造20により、例えば図9(A)に示す実施例のように、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな散乱光SLであっても、各凹部21の弧状膨大部31に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
【0041】
また、この散乱光SLが弧状膨大部31で反射されたとしても、この反射による反射光SLaは凹部21の内部に向かい、凹部21の内壁面(例えば、弧状縮小部32の受光内壁面32Aなど)に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
【0042】
また、凹部21に入射した散乱光SLが内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光SLa,SLb,…が凹部21の外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部21の内部での多重反射を経て検出される可能性が高くなっている。
【0043】
このマイクロ構造20により、例えば図10に示す実施例のように、受光素子12の受光面12Aに対する散乱光SLの入射角が増大することに伴い、この散乱光SLに対する感度は増大傾向に変化していることが認められる。
【0044】
一方、例えば図9(B)に示す第1比較例のように、受光素子12の受光面12Aが平坦である場合(つまり、マイクロ構造を有していない場合)には、例えば図10に示す第1比較例のように、受光素子12の受光面12Aに対する散乱光SLの入射角が所定角度(例えば、70°など)以上に増大することに伴い、散乱光SLは受光面12Aで反射され易くなり、散乱光SLに対する感度は減少傾向に変化していることが認められる。
【0045】
また、例えば図9(C)に示す第2比較例のように、受光素子12の受光面12A上の開口端21aから内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化するテーパ状の凹部、あるいは内部空間の横断面積が一定である凹部などから成るマイクロ構造を有するだけでは、実施例に比べて、凹部21に入射した散乱光SLが内部での反射によって凹部21の外部に抜け出し易く、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな散乱光SLに対する感度を向上させることは困難であることが認められる。
【0046】
以下に、マイクロ構造20の製造方法およびマイクロ構造20を有するマイクロ構造体(例えば、フォトダイオードである受光素子12)の製造方法について説明する。
【0047】
先ず、例えば図11(A)に示すように、例えばp型などのシリコン基板50を用意する。
次に、所定温度(例えば、1100℃など)による所定時間(例えば、60分など)の熱酸化によって、例えば図11(B)に示すように、所定厚さ(例えば、100nmなど)の酸化膜51を形成する。
【0048】
次に、酸化膜51の表面上に液状のフォトレジストをスピンコーティングなどにより塗布して、例えば図11(C)に示すように、レジスト層52を形成する。
次に、露光マスクを用いてレジスト層52を露光し、現像液によって現像することにより、例えば図11(D)に示すように、所定パターンの開口52aを有するレジストマスク52bを形成する。
【0049】
次に、レジストマスク52bの所定パターンに応じて酸化膜51をウェットエッチングし、例えば図11(E)に示すように、所定パターンの開口51aを有する酸化膜マスク51bを形成する。
次に、例えば図11(F)に示すように、レジストマスク52bを除去する。
【0050】
次に、酸化膜マスク51bの所定パターンに応じて、開口51aにより露出するシリコン基板50の領域を被エッチング部として、DRIE(deep reactive ion etching)により、シリコン基板50に対して異方性エッチング処理を行なう第1エッチング工程を実行し、例えば図11(G)に示すように、シリコン基板50の表面上に凹部50aを形成する。
【0051】
この第1エッチング工程は、被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと、被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを、所定周期(例えば、18秒など)で交互に所定回数(例えば、2回など)実行する。
【0052】
この第1エッチング工程は、いわゆるボッシュプロセスであって、主に6フッ化硫黄ガスを用いて等方性プラズマエッチングを行なうステップと、フッ素樹脂系のガス(C4F8ガスなど)を用いて被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する。
これにより、被エッチング部の深さ方向(シリコン基板50の厚さ方向)にエッチングを行なう際に、被エッチング部の側面を保護して横方向のエッチングを抑制している。
【0053】
したがって、この第1エッチング工程により形成される凹部50aは、シリコン基板50の表面上の開口端50bから深さ方向(つまり、シリコン基板50の厚さ方向)の内部に向かうことに伴い、側面においてスキャロップと呼ばれる凹凸形状を有している。
【0054】
次に、第1エッチング工程の実行終了後に、被エッチング部に所定期間(例えば、23秒など)に亘って、主に6フッ化硫黄ガスを用いて等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程を実行する。
これにより、例えば図11(H)に示すように、シリコン基板50の表面上の開口端50bから深さ方向(つまり、シリコン基板50の厚さ方向)の内部に向かうことに伴い、弧状に膨出する凹部50cを形成する。
【0055】
この凹部50cは、シリコン基板50の表面上の開口端50bから適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面61Aを有する弧状膨大部61と、さらに、適宜の深さから凹部50cの底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面62Aを有する弧状縮小部62とから成る形状を有している。
さらに、本実施例では、開口端50bが内壁面において最も突出する構造となる。
【0056】
次に、例えば図11(I)に示すように、酸化膜マスク51bをエッチング除去する。
【0057】
次に、複数の凹部50cが形成されたシリコン基板50の表面に対して、所定温度(例えば、935℃など)による所定時間(例えば、40秒など)の熱拡散処理によってリンを熱拡散させて、例えば図11(J)に示すように、不純物層71を形成する。
【0058】
次に、例えば図11(K)に示すように、複数の凹部50cが形成されたシリコン基板50の表面に対する裏面にアルミニウム(Al)膜72を成膜し、所定のパターニングを行ない、所定温度(例えば、450℃など)による所定時間(例えば、10分など)のアニールを行ない、アルミニウム(Al)膜72を結合させる。
【0059】
次に、例えば図11(L)に示すように、複数の凹部50cが形成されたシリコン基板50の表面の所定位置(例えば、端部など)にアルミニウム(Al)膜73を成膜し、所定のパターニングを行なうと共に、アルミニウム(Al)膜73を結合させる。
このとき、必ずしもアニールを行なう必要はない。n型シリコンを用いた場合、アニールを行なわなくてもオーミックコンタクトを実現できる。
【0060】
上述したように、本実施の形態による粒子検出器10によれば、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな散乱光SLを、受光素子12の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造20での多重反射により効率よく検出することができる。
【0061】
さらに、受光素子12の受光面12Aは、光源11から発せられる光Lの光路に沿って、光路に平行であることから、各種の散乱光SLのうち、光源11から発せられる光Lの光路の前方方向に指向性が強い散乱光SL、例えばMie散乱の散乱光SLに対する感度を向上させることができる。
【0062】
しかも、光の波長および粒子の粒径などに対する所定の条件において、Mie散乱の散乱光SLは、他の散乱光SLに比べて散乱強度が高いことから、粒子検出器10が大型化することを防止しつつ、散乱光SLに対する感度を向上させ、十分な散乱光SLを得て粒子の検出精度を向上させることができる。
【0063】
上述したように、本実施の形態による受光素子12によれば、受光素子12の受光面12Aに対する入射角が大きな光を、受光素子12の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造20での多重反射により効率よく検出することができる。
【0064】
上述したように、本実施の形態によるマイクロ構造20を有するマイクロ構造体によれば、シリコン基板50の表面に対する入射角が大きな光であっても、多重反射を生じさせ易くなっており、感度を向上させることができる。
【0065】
すなわち、このマイクロ構造20は、シリコン基板50の表面上に形成された複数の凹部50cを備え、各凹部50cは、シリコン基板50の表面上の開口端50bから適宜の深さまで内部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が増大傾向に変化する曲面状の内壁面61Aを有する弧状膨大部61と、さらに、適宜の深さから凹部の底部に向かうことに伴い、内部空間の横断面積が減少傾向に変化する曲面状の内壁面62Aを有する弧状縮小部62とから成る形状を有している。
さらに、本実施例では、開口端50bが内壁面において最も突出する構造となる。
【0066】
このため、シリコン基板50の表面に対する入射角が大きな光であっても、各凹部50cの弧状膨大部61に対しては入射角が小さくなって反射が抑制される。
また、シリコン基板50の表面に対する入射角が大きな光が弧状膨大部61で反射されたとしても、この反射による反射光は凹部50cの内部に向かい、凹部50cの内壁面(例えば、弧状縮小部32の受光内壁面32Aなど)に対して入射角が小さくなるように反射される可能性が高くなり、さらなる反射が抑制される。
【0067】
また、凹部50cに入射した光が内部で反射を繰り返す場合であっても、反射光が凹部50cの外部に抜け出てしまうことは抑制されており、凹部50cの内部での多重反射を生じさせ易くなっている。
これらにより、光に対する感度を向上させることができる。
【0068】
上述したように、本実施の形態によるマイクロ構造の製造方法によれば、シリコン基板50の内部に向かい弧状に膨出する複数の凹部50cから成るマイクロ構造20を容易に製造することができる。
【0069】
なお、上述した実施の形態において、マイクロ構造20は、第1エッチング工程と第2エッチング工程とに製造されるとしたが、これに限定されず、他のエッチング工程によって製造されてもよい。
【0070】
なお、上述した実施の形態においては、マイクロ構造体をフォトダイオードとしたが、これに限定されず、他の受光素子であってもよい。この場合、マイクロ構造20の製造方法において、酸化膜マスク51bの代わりに、アルミニウム(Al)膜マスクや、金(Au)膜マスクなどを用いてもよい。
【0071】
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10は1つの受光素子12を備えるだけであってもよい。
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10の第2受光素子17は省略されてもよい。
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10の反射鏡16は省略されてもよい。
なお、上述した実施の形態において、粒子検出器10のポンプ14は省略されてもよい。
【0072】
なお、上述した実施の形態においては、粒子検出器10をクリーンルーム内に設置し、試料流体とされる空気中に含まれる、例えば微粒子状の塵埃や、細菌やウイルスなどの浮遊微生物などの粒子を検出するとしたが、これに限定されず、例えば、空気以外の特定のガスなどに含まれる粒子を検出してもよい。例えば、成膜装置などに流入する特定のガスに含まれる不純物である粒子を検出してもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 粒子検出器
11 光源
12 受光素子
12A 受光面
13 流路
13a 入口部
13b 出口部
16 反射鏡
17 第2受光素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと前記被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する第1エッチング工程と、
前記第1エッチング工程の実行後に、前記被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程とを含み、
前記基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を形成することを特徴とするマイクロ構造の製造方法。
【請求項2】
前記基板はシリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマイクロ構造の製造方法により製造されたマイクロ構造を備えることを特徴とするマイクロ構造体。
【請求項4】
基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を有することを特徴とするマイクロ構造体。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のマイクロ構造を受光面に備えることを特徴とする受光素子。
【請求項6】
請求項5に記載の受光素子と、試料流体に向けて光を照射する光源とを備え、
前記受光素子は、前記光源から発せられた前記光が前記試料流体中の粒子によって散乱されることで生じた散乱光を検出することを特徴とする粒子検出器。
【請求項7】
前記受光素子の受光面は、前記光源から発せられる前記光の光路に沿って、前記光路に平行であることを特徴とする請求項6に記載の粒子検出器。
【請求項1】
基板の被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なうステップと前記被エッチング部の少なくとも側面に保護膜を形成するステップとを交互に実行する第1エッチング工程と、
前記第1エッチング工程の実行後に、前記被エッチング部に等方性プラズマエッチングを行なう第2エッチング工程とを含み、
前記基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を形成することを特徴とするマイクロ構造の製造方法。
【請求項2】
前記基板はシリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマイクロ構造の製造方法により製造されたマイクロ構造を備えることを特徴とするマイクロ構造体。
【請求項4】
基板の内部に向かい弧状に膨出するマイクロ構造を有することを特徴とするマイクロ構造体。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のマイクロ構造を受光面に備えることを特徴とする受光素子。
【請求項6】
請求項5に記載の受光素子と、試料流体に向けて光を照射する光源とを備え、
前記受光素子は、前記光源から発せられた前記光が前記試料流体中の粒子によって散乱されることで生じた散乱光を検出することを特徴とする粒子検出器。
【請求項7】
前記受光素子の受光面は、前記光源から発せられる前記光の光路に沿って、前記光路に平行であることを特徴とする請求項6に記載の粒子検出器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図7】
【公開番号】特開2012−187674(P2012−187674A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54224(P2011−54224)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(ロボット・新機械イノベーションプログラム)「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(ロボット・新機械イノベーションプログラム)「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
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