説明

マイクロ波エレメントへの物体の近接を検出するために使用されるセンサアセンブリ

【課題】マイクロ波エレメントへの物体の近接を検出するために使用されるセンサアセンブリを提供する。
【解決手段】少なくとも1つのマイクロ波信号を発生するように構成された信号発生器104と、信号発生器104に接続された結合器106と、結合器106に結合されたマイクロ波エレメント108と、結合器106に接続された処理モジュール112が含まれている。マイクロ波エレメント108は、少なくとも1つのマイクロ波信号の関数として電磁界を発生するように構成されている。マイクロ波エレメント108は、物体102が電磁界と相互作用すると、装荷信号を結合器106へ反射するように構造化されている。処理モジュール112は、基準信号を使用して装荷信号を処理し、マイクロ波エレメント108への物体の近接を表すデータ信号を生成するように構成されている。データ信号はサブ−マイクロ波周波数を画定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般にセンサアセンブリに関し、より詳細には、マイクロ波エレメントへの物体の近接を検出するために使用されるセンサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくともいくつかの知られているセンサシステムは、金属、液体または他の物質変形形態などの物体の近接を検出するために使用されている。センサへの物体の近接は、監視システムおよび/または制御システムなどの様々な用途に使用することができる。例えば、このような検出方法を使用して、それらに限定されないが、製造システム、監視システム、処理システム、化学薬品システムおよび/または安全システムなどの様々なシステムにおける物体の振動および/または位置を検出することができる。
【発明の概要】
【0003】
知られている検出方法は、うず電流センサ、磁気ピックアップセンサまたは容量センサを使用して実施することができる。しかしながら、通常、このようなセンサは、その測定範囲が限定されており、したがって一般に、このようなセンサを使用することができる位置および環境も限定されている。さらに、このようなセンサは、通常、その周波数応答が遅く、したがってこのようなセンサの精度も場合によっては限定されている。したがって知られている検出システムの利点は、場合によっては限られている。
【0004】
一実施形態では、センサアセンブリが開示される。センサアセンブリには、少なくとも1つのマイクロ波信号を発生するように構成された信号発生器と、信号発生器に接続された結合器と、結合器に結合されたマイクロ波エレメントと、結合器に接続された処理モジュールが含まれている。マイクロ波エレメントは、前記少なくとも1つのマイクロ波信号の関数として電磁界を発生するように構成されている。マイクロ波エレメントは、物体が電磁界と相互作用すると、装荷信号を前記結合器へ反射するように構造化されている。処理モジュールは、基準信号を使用して装荷信号を処理し、マイクロ波エレメントへの物体の近接を表すデータ信号を生成するように構成されている。データ信号はサブ−マイクロ波周波数を画定する。
【0005】
他の実施形態では、電力システムが開示される。電力システムには、コンポーネントと、前記コンポーネントに隣接して配置された少なくとも1つのセンサアセンブリと、少なくとも1つのセンサアセンブリに結合された電気デバイスが含まれている。少なくとも1つのセンサアセンブリには、結合器、結合器に結合されたマイクロ波エレメント、および結合器に結合された処理モジュールが含まれている。マイクロ波エレメントは、少なくとも1つのマイクロ波信号の関数として電磁界を発生するように構成されている。マイクロ波エレメントは、物体が電磁界と相互作用すると、装荷信号を前記結合器へ反射するように構成されている。処理モジュールは、基準信号を使用して装荷信号を処理し、マイクロ波エレメントへの物体の近接を表すデータ信号を生成するように構成されている。データ信号は、少なくとも約30kHz未満の周波数を画定する。
【0006】
さらに他の実施形態では、物体の近接を検出するために使用される方法が開示される。この方法には、マイクロ波エレメントで、少なくとも1つのマイクロ波信号の関数として電磁界を発生するステップと、物体が電磁界と相互作用すると、マイクロ波エレメントに装荷信号を誘導するためにマイクロ波エレメントを離調させるステップと、処理モジュールで、装荷信号および基準信号からデータ信号を生成するステップが含まれている。データ信号は、マイクロ波エレメントへの物体の近接を表している。データ信号はサブ−マイクロ波周波数を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】物体の近接を検出するために使用することができる一例示的センサアセンブリのブロック図である。
【図2】物体の近接を検出するために使用することができる代替センサアセンブリのブロック図である。
【図3】一例示的電力システムのブロック図である。
【図4】本開示による、物体の近接を検出するために使用することができる一例示的方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において説明されている例示的方法およびアセンブリによれば、物体の近接を検出するために使用される、知られているセンサシステムが抱えている少なくともいくつかの欠点が克服される。詳細には、本明細書において説明されている実施形態によれば、マイクロ波エレメントへの物体の近接を検出するために使用することができるアセンブリが提供され、その一方で、物体の近接を表すサブ−マイクロ波周波数データ信号が提供される。以下の説明は、何ら制限されることのない一例として、いくつかの実施形態を実例で示したものである。
【0009】
図1は、物体102の近接を検出するために使用することができる一例示的センサアセンブリ100を示したものである。この例示的実施形態では、物体102は、液体、金属などの固体および/または任意の他の製品、あるいは本明細書において説明されているセンサアセンブリと相互作用する物体であってもよい。明確にしておくが、本明細書において説明されている方法およびセンサアセンブリは、何らかの1つの特定の用途および/またはシステムに限定されず、また、当業者には、本明細書において説明されている方法およびセンサアセンブリは、それには限定されないが、以下で説明されているガスタービンエンジンなどの様々な用途、機械および/またはシステムと関連して使用することができることは理解されよう。
【0010】
この例示的実施形態では、センサアセンブリ100には、信号発生器104および信号発生器104に結合された結合器106が含まれている。本明細書において使用されているように、「接続された」および「結合された」という用語は、コンポーネント間の直接的な機械的および/または電気的接続に限定されず、複数のコンポーネント間の間接的な機械的および/または電気的接続を含むことも可能であることに留意されたい。信号発生器104は、マイクロ波周波数の少なくとも1つの電気信号を生成するように構成されている(以下、「マイクロ波信号」と呼ぶ)。さらに、センサアセンブリ100には、それらに限定されないが、マイクロ波放出器、マイクロ波アンテナまたは他の適切なマイクロ波デバイスなどのマイクロ波エレメント108が含まれている。マイクロ波エレメント108は結合器106に接続されている。この例示的実施形態では、マイクロ波エレメント108は、信号発生器104によって生成されるマイクロ波信号の関数として電磁界110を発生している。本明細書において使用されているように、「マイクロ波」という用語は、信号を意味しているか、あるいは約300メガヘルツ(MHz)と約300ギガヘルツ(GHz)の間の周波数を有する信号を受信および/または送信するコンポーネントを意味している。例えばマイクロ波信号は、3.25GHzまたは5.8GHzの周波数を有することができる。
【0011】
マイクロ波エレメント108を使用することにより、物体の近接を検出するために現在使用されている、知られているうず電流センサ、磁気ピックアップセンサまたは容量センサと比較すると、本明細書において説明されている、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を検出するために使用されるセンサアセンブリの検出範囲を実質的に拡張することができる。さらに、マイクロ波エレメント108を使用することにより、知られているうず電流センサ、磁気ピックアップセンサおよび/または容量センサと比較すると、本明細書において説明されているセンサアセンブリの位置選定および/または位置に対する制限が著しく緩和される。さらに、知られているセンサと比較すると、マイクロ波エレメント108はその周波数応答がより速いため、本明細書において説明されているセンサアセンブリ100は、知られているセンサアセンブリより正確な測定を提供することができる。
【0012】
センサアセンブリ100には、結合器106に接続された処理モジュール112が含まれている。この例示的実施形態では、処理モジュール112には、周波数混合器114および周波数混合器114に接続されたフィルタ116が含まれている。
【0013】
動作中、信号発生器104は、マイクロ波エレメント108の共振周波数に等しいか、および/またはほぼ等しいマイクロ波信号を発生する。信号発生器104は、マイクロ波信号を結合器106に送信する。結合器106は、受け取ったマイクロ波信号をマイクロ波エレメント108に送信する。さらに、この特定の実施形態では、結合器106は、基準信号を処理モジュール112に送信する。より具体的には、結合器106は、マイクロ波信号から誘導される、該マイクロ波信号にほぼ等しい基準信号を周波数混合器114に送信する。他の実施形態では、基準信号はマイクロ波信号とは異なっていてもよい。
【0014】
マイクロ波信号がマイクロ波エレメント108を介して送信されると、電磁界110がマイクロ波エレメント108から外側に向かって放出される。物体102などの物体が電磁界110の中に入ると、物体102と電磁界110の間で電磁結合を生じさせることができる。電磁界110の中に物体102が存在しているため、物体102内の誘導効果および/または容量効果によって電磁界110が破壊され、そのために電磁界110の少なくとも一部が電流および/または電荷として物体102に誘導結合および/または容量結合されることになる。このような例では、マイクロ波エレメント108が離調され(つまりマイクロ波エレメント108の共振周波数が減少および/または変化する、等々)、また、マイクロ波エレメント108に装荷が誘導される。マイクロ波エレメント108に装荷が誘導されると、マイクロ波エレメント108および結合器106内のマイクロ波信号(以下、「装荷信号」と呼ぶ)の反射が結合器106を介して処理モジュール112へ送信される。装荷信号は、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を表しており、電磁界110内における物体102の存在および/またはマイクロ波エレメント108から物体102までの距離を示すことができる。
【0015】
物体102のため、誘導される装荷信号はより小さい電力振幅を有し、および/または誘導される装荷信号は、信号発生器104からマイクロ波エレメント108に供給されるマイクロ波信号の電力振幅および/または位相とは異なる位相の電力振幅である。より一般的には、装荷信号は、電磁界110に対する物体102の効果を除き、マイクロ波信号と実質的に同じである。したがってマイクロ波信号と装荷信号の間の差は、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を表している。
【0016】
装荷信号は、結合器106を介して処理モジュール112へ送信される。処理モジュール112は、装荷信号を受け取り、かつ、基準信号と相俟って処理し、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を表すデータ信号を生成する。データ信号は、サブ−マイクロ波周波数を画定する。
【0017】
より具体的には、周波数混合器114は、基準信号の周波数に基づいて装荷信号の周波数をシフトさせ、あるいはその逆に装荷信号の周波数に基づいて基準信号の周波数をシフトさせる。この例示的実施形態では、周波数混合器114は、装荷信号の周波数(fl)および基準信号の周波数(fr)を加減算している。したがって周波数混合器114は、2つの周波数帯域、つまりアップ変換帯域(fl+fr)およびダウン変換帯域(fl−fr)でデータ信号を提供している。結果として得られるアップ変換帯域の周波数は、マイクロ波周波数に等しいか、あるいはそれより高い。一方、結果として得られるダウン変換帯域の周波数は、実質的に公称周波数であり、したがって実質的に直流データ信号が提供される。より一般的には、基準信号および装荷信号は、電磁界110に対する物体102の効果を除き、実質的に同じである。当業者には理解されるように、電磁界110中への物体102の物理的な運動、電磁界110外への物体102の物理的な運動、および/または電磁界110内における物体102の物理的な運動は、通常、300MHzよりはるかに低い周波数で生じ、したがって300MHz未満の周波数、つまりサブ−マイクロ波周波数で生じる。
【0018】
この例示的実施形態では、センサアセンブリ100は、マイクロ波エレメント108によって提供される範囲および/または周波数応答を達成することができ、その一方でサブ−マイクロ波周波数データ信号の単純な事後処理を許容することができる。より具体的には、周波数混合器114を使用することにより、サブ−マイクロ波周波数帯域内のデータ信号が提供され、本明細書において説明されているセンサアセンブリは、データ信号の処理、取扱いおよび/または送信を著しく単純にすることができる。様々な実施形態では、例えば、データ信号上で動作させるために、サブ−マイクロ波周波数信号に対して定格化された、より広い範囲にわたる様々なコンポーネントを商用的に入手することができる。さらに、本開示によれば、サブ−マイクロ波周波数データ信号帯域の処理、フィルタリングおよび/または送信のための基板レベルの回路の複雑性および/またはコストを低減することができる。
【0019】
もう一度図1を参照すると、フィルタ116は、周波数混合器114と信号プロセッサ118の間に結合されている。この実施形態例では、フィルタ116は、周波数が30kHzより高い信号を減衰させるように構造化された低域通過フィルタであり、したがって30kHz未満の周波数を有する信号を通過させる。したがって動作中、低域通過フィルタ116は、周波数混合器114からの、ダウン変換周波数帯域のデータ信号を通過させ、その一方でアップ変換周波数帯域のデータ信号を減衰させる。フィルタ116は、フィルタリングされた、実質的にダウン変換周波数帯域のデータ信号のみを含んだデータ信号を提供する。他の実施形態では、1つまたは複数の周波数の信号を通過させ、その一方で他の周波数の信号を減衰させるように低域通過フィルタまたは他のフィルタを構造化することも可能であることを理解されたい。
【0020】
信号プロセッサ118は、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を、フィルタリングされたデータ信号の関数として決定する。信号プロセッサ118は、近接を示す処理済みデータ信号を出力する。信号プロセッサ118は、データ信号を処理して、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を提供するための機能を実行する。上記関数は、一次関数であっても、あるいは高次多項式関数であってもよい。この関数は、製造中に完了した個々のセンサアセンブリ毎の較正試験を表すことができ、それによりセンサアセンブリを改善し、および/またはセンサアセンブリの精度を保証することができる。関数は、信号プロセッサ118に記憶される。信号プロセッサ118には、信号プロセッサ118がディジタルデータ信号を処理することができるよう、フィルタリングされたデータ信号をディジタルデータ信号に変換するためのアナログ−ディジタル(A/D)変換器120が含まれている。
【0021】
図に示し、かつ、説明した信号プロセッサ118および/またはA/D変換器120は、処理モジュール112の中に含まれているが、他の実施形態では、信号プロセッサ118および/またはA/D変換器120は、処理モジュール112に隣接して配置された、および/または処理モジュール112から離れて配置された他のモジュールを含むことも可能であることを理解されたい。さらに他の実施形態では、信号プロセッサ118および/またはA/D変換器120のいずれかを省略することも可能であり、および/またはデータ信号を本明細書において説明されているように処理し、フィルタリングし、および/または送信することができるよう、他のコンポーネントを処理モジュール112の中に含めることも可能である。
【0022】
図2は、物体202の近接を検出するために使用することができる一例示的センサアセンブリ200を示したものである。センサアセンブリ200には、信号発生器204、信号発生器204に接続された結合器206、および結合器206に結合されたマイクロ波エレメント208が含まれている。センサアセンブリ200には、結合器206に結合された処理モジュール212が含まれている。より具体的には、結合器206は、処理モジュール212の中に含まれている周波数混合器214に結合されている。結合器206は、動作中、センサアセンブリ100と同様、装荷信号を周波数混合器214に送信する。
【0023】
この例示的実施形態では、センサアセンブリ200には、基準信号発生器220が含まれている。基準信号発生器220は周波数混合器214に結合されている。基準信号は、信号発生器204によって生成されるマイクロ波信号と実質的に同じであってもよい。それとは逆に、基準信号は、信号発生器204によって生成されるマイクロ波信号とは異なっていても、また、実質的に同じでなくてもよい。図1を参照して上で説明したように、動作中、周波数混合器214は、ダウン変換帯域およびアップ変換帯域でデータ信号を提供する。ダウン変換帯域は、通常、装荷信号周波数と基準信号周波数の差に配置される。したがって基準信号を選択することにより、任意の所望の周波数でデータ信号を提供することができる。例えばマイクロ波信号が約5.80GHzの周波数を画定し、また、基準信号が約5.79GHzの周波数を画定する場合、ダウン変換帯域は、実質的に約10.0Mhzに存在する。
【0024】
様々な異なるマイクロ波周波数および/または基準信号周波数を選択して、任意の所望の周波数にデータ信号を配置することができることを理解されたい。より具体的には、マイクロ波信号および/または装荷信号の周波数を調整または選択して、データ信号の周波数を、例えば約200MHz、約100MHz、約100kHz、約30kHz、約20kHz、約5kHz、約1kHz、および/または任意の離散サブ−マイクロ波周波数を含む他の適切な周波数、等々などの任意の所望の値未満にさらに制限することができる。データ信号の周波数は、場合によっては1つまたは複数の環境制約、センサアセンブリ要求事項、および/またはデータ信号を処理し、フィルタリングし、および/または送信するための所望のコンポーネントに基づいて選択することができる。
【0025】
明確にしておくが、フィルタ216は、ダウン変換帯域の位置に応じて選択することができる。具体的には、例えばデータ信号が20kHzの周波数を画定する場合、フィルタ216は帯域通過フィルタであっても、あるいはノッチフィルタであってもよい。ノッチフィルタ216は、中心周波数を20kHzに画定することができ、ダウン変換帯域のデータ信号が公称減衰を超えて減衰することなく通過することを保証し、一方、アップ変換帯域が矛盾なく効果的に減衰することを保証するだけの十分な帯域幅を有している。さらに、フィルタ216は、データ信号に含まれている、フィルタ216の帯域幅外の雑音および/または他のアーチファクトをフィルタ除去するように作用することができる。
【0026】
もう一度図2を参照すると、センサアセンブリ200には、プローブハウジング224が含まれている。図に示されているように、結合器206およびマイクロ波エレメント208の各々は、プローブハウジング224内に配置されている。プローブハウジング224は、電磁界210の伝送および/または特定の位置、機械および/またはシステムへの取り付けを容易にするように構造化することができる。
【0027】
さらに、図2に示されているように、処理モジュール212には、信号プロセッサおよび/またはA/D変換器は含まれていない。したがってデータ信号はアナログ信号であり、電磁界210内における物体202の存在および/または物体202とマイクロ波エレメント208の間の距離を含む、マイクロ波エレメント208への物体202の近接を決定するために他のデバイスがこのアナログ信号を使用することができる。
【0028】
本明細書において説明されている方法およびアセンブリは、様々な用途に使用することができる。例示的用途には、それらに限定されないが、制御システム、監視システム、運転システム、安全システムおよび/または診断システムを含むことができる。図3は、一例示的電力システム326を示したものである。電力システム326には、コンポーネント328、コンポーネント328に隣接して配置された少なくとも1つのセンサアセンブリ300、およびセンサアセンブリ300に結合された電気デバイス330が含まれている。コンポーネント328は、それらに限定されないが、回転タービンシャフト、タービンケーシングなどのガスタービンエンジンコンポーネント、燃料またはガスタービンエンジンの他の移動または不動コンポーネント、等々を含むことができる。この特定の実施形態では、コンポーネント328には、負荷332を駆動する回転タービンシャフトが含まれている。この例示的実施形態では、センサアセンブリ300は、コンポーネント328を監視するために使用されており、例えば位置、振動および/または運転中の他の挙動を監視するために使用されている。詳細には、電気デバイス330には、コンポーネント328を監視するための監視システム、および/または監視されている挙動に応じて、その必要があればコンポーネント328を制御するための制御システムが含まれている。例えば電気デバイス330は、振動(センサアセンブリ300によって監視されている時の)が定義済みの閾値を超えると、コンポーネント328、例えば回転タービンシャフトの回転を停止させることができる。
【0029】
センサアセンブリ300は、本明細書において説明されているセンサアセンブリ実施形態のうちの1つまたは複数、あるいは本開示の1つまたは複数の教示と矛盾しない他のセンサアセンブリのうちの1つまたは複数を含むことができる。この例示的実施形態では、センサアセンブリ300は、コンポーネント328を制御および/または監視するために電気デバイス330にデータ信号を提供している。
【0030】
本開示の様々な用途に加えて、本明細書において説明されている方法およびアセンブリは、様々な条件の下で物体の近接を検出するために使用することも可能である。多くの例示的実施形態では、方法およびアセンブリには、静的検出および/または動的検出を含むことができる。静的検出には、例えば、物体の膨張および/または収縮を決定するための、マイクロ波エレメントへの物体の近接の検出を含むことができる。また、動的検出には、例えば、機械コンポーネントの運動、例えば回転タービンシャフトの振動を検出するための、マイクロ波エレメントへの物体の近接の検出を含むことができる。
【0031】
図4は、図1に示されている物体102などの物体の近接を検出するために使用することができる一例示的方法400である。方法400は、本明細書においては、図1を参照して本明細書において説明されているセンサアセンブリを参照して説明されている。しかしながら、本明細書において説明されている方法は、広範囲にわたる様々なセンサアセンブリに適用することができ、したがって本明細書において説明されているセンサアセンブリの特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。そうではなく、本明細書において説明されているセンサアセンブリは、本明細書において説明されている特定の方法に限定されるべく理解してはならない。
【0032】
この例示的実施形態では、方法400には、マイクロ波エレメント108で、少なくとも1つのマイクロ波信号の関数として電磁界110を発生するステップ402と、物体102が電磁界110と相互作用すると、マイクロ波エレメント108に装荷信号を誘導するためにマイクロ波エレメント108を離調させるステップ404と、処理モジュール112で、前記装荷信号および基準信号からデータ信号を生成するステップ406が含まれている。データ信号は、マイクロ波エレメント108への物体102の近接を表している。データ信号はサブ−マイクロ波周波数を画定する。
【0033】
また、方法400は、データ信号をディジタル信号に変換するステップと、マイクロ波エレメント108への物体102の近接をディジタルデータ信号の関数として決定するステップを含むことも可能である。追加または別法として、データ信号を生成するステップ406は、装荷信号の周波数と基準信号の周波数を混合するステップを含むことも可能である。さらに、方法400は、基準信号が少なくとも1つのマイクロ波信号とは異なる周波数を画定するように基準信号を生成するステップを含むことも可能である。
【0034】
上で説明した実施形態によれば、物体の近接を検出するために使用される、効果的で、かつ、費用有効性が高いセンサアセンブリが提供される。詳細には、本明細書において説明されている実施形態によれば、マイクロ波エレメントへの物体の近接を検出するセンサアセンブリが提供される。これらのセンサアセンブリを含むことにより、応力監視(例えば回転タービンシャフト)、二値スイッチまたはカウンタ、誘電体モニタ(例えば電磁応答を測定するための1つまたは複数の流体中への浸水)、ひずみゲージ(例えば可撓基板の上に形成されたマイクロ波エレメントを曲げる)、および/または他の適切な用途を提供することができる。
【0035】
本明細書において説明されているセンサアセンブリ実施形態は、マイクロ波エレメントへの物体の近接を検出するために現在使用されている、知られているうず電流センサ、磁気ピックアップセンサまたは容量センサと比較すると、実質的に拡張された検出範囲を含むことができる。さらに、知られているうず電流センサ、磁気ピックアップセンサおよび/または容量センサと比較すると、本明細書において説明されているセンサアセンブリの位置選定および/または位置に対する制限を著しく緩和することができる。さらに、知られているセンサと比較すると、マイクロ波エレメントはその周波数応答がより速いため、本明細書において説明されているセンサアセンブリは、知られているセンサアセンブリより正確な測定を提供することができる。
【0036】
この成文説明には、最良モードを含む本発明を開示するために、また、すべての当業者による、任意のデバイスまたはシステムの構築および使用、ならびに組み込まれている任意の方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、いくつかの例が使用されている。本発明の特許請求可能範囲は、特許請求の範囲によって定義されており、当業者に思い浮ぶ他の例を包含することができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文字言語とは異ならない構造構成要素をそれらが有している場合であっても、あるいは特許請求の範囲の文字言語とは非現実的に異なる等価構造構成要素をそれらが含んでいる場合であっても、本特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0037】
100、200、300 センサアセンブリ
102、202 物体
104、204 信号発生器
106、206 結合器
108、208 マイクロ波放出器
110、210 電磁界
112、212 処理モジュール
114、214 周波数混合器
116、216 フィルタ
118 信号プロセッサ
120 ADC変換器
220 基準信号発生器
224 プローブハウジング
326 電力システム
328 コンポーネント
330 電気デバイス
332 負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマイクロ波信号を発生するように構成された信号発生器(104、204)と、
前記信号発生器に接続された結合器(106、206)と、
前記結合器に結合されたマイクロ波エレメント(108、208)であって、前記少なくとも1つのマイクロ波信号の関数として電磁界(110、210)を発生するように構成され、物体(102、202)が前記電磁界と相互作用すると、装荷信号を前記結合器へ反射するように構造化されるマイクロ波エレメント(108、208)と、
前記結合器に接続された処理モジュール(112、212)であって、基準信号を使用して前記装荷信号を処理し、前記マイクロ波エレメントへの前記物体の近接を表すデータ信号を生成するように構成され、前記データ信号がサブ−マイクロ波周波数を画定する処理モジュール(112、212)と
を備えるセンサアセンブリ(100、200)。
【請求項2】
前記処理モジュール(112、212)が、最大約1MHzの周波数を有する前記データ信号を生成するように構成される、請求項1記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記処理モジュール(112、212)が、前記装荷信号と前記基準信号を結合するように構成された周波数混合器(114、214)を備える、請求項1記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記信号発生器(104、204)が前記処理モジュール(112、212)に結合され、また、前記基準信号が前記少なくとも1つのマイクロ波信号と実質的に同じである、請求項3記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記処理モジュール(112、212)に結合された基準信号発生器(220)をさらに備え、前記処理モジュールが、前記信号発生器(104、204)によって生成される前記基準信号を使用して前記装荷信号を処理するように構成される、請求項3記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記信号発生器(104、204)が、約300MHzと約6.0GHzの間の周波数を有する前記基準信号を生成するように構成される、請求項5記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記処理モジュール(112、212)が、信号プロセッサ(118)と、前記周波数混合器(114、214)と前記信号プロセッサの間に結合された低域通過フィルタ(116、216)とを備え、前記低域通過フィルタが少なくとも約100kHzより高い周波数を減衰させるように構造化される、請求項3記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
前記信号プロセッサ(118)が、前記マイクロ波エレメント(108、208)への前記物体(102、202)の近接を、フィルタリングされたデータ信号の関数として決定するように構成される、請求項7記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
前記結合器(106、206)および前記マイクロ波エレメント(108、208)が単一のプローブハウジング(224)内に密閉される、請求項1記載のセンサアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−3151(P2013−3151A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−137390(P2012−137390)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】