マイクロ波再加熱の向上のための生地ターゲティング
本発明は、最適な消費者経験及び品質利益を得るために、焼成された後マイクロ波再加熱に対して異なる反応を示す生地製品中に第1及び第2の生地部分をターゲティング及び配置することによって、マイクロ波で再加熱される焼成された生地製品の官能特性を改善するための方法に関する。本方法によって得られる焼成された生地製品は、本発明の別の実施形態である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成及びその後の電子レンジでの再加熱の後の生地製品の官能特性を向上させるために、生地製品中に戦略的に置いた又は配置した2種以上の全く異なる生地タイプを有する生地製品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
予備焼成した電子レンジ調理可能な冷凍ベーカリー生地製品は、配膳直前に最小限の準備しか必要としないため、人気が高まっている。しかし、電子レンジと通常のオーブンの加熱特徴の違いのために、電子レンジでベーカリー製品を再加熱した後に望ましい官能特性を達成するためには課題が残っている。通常のオーブンでは、加熱特徴は外から内なので、クラストが最も熱い部分であり、中心が最も冷たい。対照的に、電子レンジでは、食品の加熱はランダムであり、製品全体にわたっているので、生地製品の内部又は高水分の部位がマイクロ波を吸収し、マイクロ波を熱に転換し、蒸発冷却によってしばしば外部が最も冷たい部分になる逆の加熱特徴をもたらす。結果として、製品に対する伝統的な消費者の期待を減らし、べとべとした内部及び固くて噛みきれないクラストを有するピザ又はパニーニなどの製品をもたらす、高エネルギー加熱域が生じる。
【0003】
Moradらの米国特許出願公開第2005/0025862号は、電子レンジで、軟らかくしっとりした内部領域及びサクサクしたフレーク状の外部領域を有する独特の構造に焼成することができる、複数の層を含む2次元構造を備えたベーカリー生地製品を開示している。開示は、従来の又はマイクロ波による焼成で達成される結果として生じるその特性を向上させるために、従来の生地製品を改変しなければならないことを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特に、最初に焼成され、次いでマイクロ波再加熱に供された生地製品の食感、味、外観、栄養、色、及び風味を向上させる必要性が産業において依然として存在する。特に焼成された生地製品が電子レンジでの再加熱に供される場合、様々な生地タイプの1種又は複数を使用して、生地製品中の特定の位置又は配置をターゲティングして(標的にして)、最適な消費者経験及び品質利益を達成することによって、本発明は、産業のこの必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、マイクロ波を用いて再加熱される焼成された生地製品の官能特性を改善する方法に関する。本方法は、焼成前に接触した状態に置いたときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があり、焼成された後に第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有する、第1及び第2のベーカリー生地部分を選択するステップ、第1又は第2の生地部分の少なくとも一方に膨張剤を供給し、焼成前にその生地部分の発酵を要するステップ、焼成された製品のマイクロ波再加熱に対する反応の向上をもたらすように前記2つの生地部分をターゲティング及び配置して、未焼成の構造で第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部を第2のベーカリー生地部分と結合させるステップ、ベーカリー生地部分を通常のオーブンで焼成してベーカリー生地製品を得るステップ、及びベーカリー生地製品を輸送及び販売のために包装するステップを含む。最終ベーカリー生地製品は、焼成された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、電子レンジでの加熱に供された場合、最適に再加熱されて、したがって、かかるターゲティング及び配置された第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて望ましい官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る。
【0006】
一実施形態では、本発明は、第2の生地部分が第1の生地部分を囲むように第1及び第2のベーカリー生地部分を同時押出するステップをさらに含む。代替として、本方法は、第1のベーカリー生地部分をシート状に敷くステップ、及び第2のベーカリー生地部分をシート状に敷いた第1の生地部分の上に、隣接して、又は特定の位置に置くステップをさらに含む。
【0007】
包装材料に応じて、最終生地製品は、包装から取り出して電子レンジで再加熱でき、或いは、包装中で再加熱し、次いで摂取するために包装から取り出すことができる。
【0008】
別の実施形態では、本方法は、第1のベーカリー生地部分をその外周に沿って縁があるほぼ平らな形状に形成し、第2の生地部分を、第1のベーカリー生地部分の縁の少なくとも一部を囲むように並べるステップをさらに含む。例えば、第1のベーカリー生地部分は、実質的に円形又は長方形形状に成形でき、一方第2の生地部分は、前記縁と接触している連続帯状体を形成する。特に、生地製品は、ピザ生地であってよく、第1のベーカリー生地部分がピザ生地の中心部分を形成し、第2のベーカリー生地部分がピザ生地の外周を形成する。それによって、クラストは、電子レンジ中で再加熱した後に所望の食感を有する。
【0009】
別の実施形態では、本発明の方法は、第1のベーカリー生地部分を、ほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面形状を有する塊に成形し、第1のベーカリー生地部分を第2のベーカリー生地部分で実質的に包むステップをさらに含む。一例として、第1のベーカリー生地部分は、実質的に円柱形形状であってもよく、第2のベーカリー生地部分は、第1のベーカリー生地部分を覆う。次いで円柱は、電子レンジで再加熱した後、切って所望の外部及び内部の食感をもつパンのスライスをもたらすことができる。
【0010】
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、膨張剤を含み、焼成前に発酵を要する第3のベーカリー生地部分を提供するステップであって、第3のベーカリー生地部分が、第1及び第2のベーカリー生地部分と接触しているときに第1及び第2のベーカリー生地部分との混和性を阻害又は防止するのに十分粘性がある、前記ステップ、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、第3のベーカリー生地部分が第1及び第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有する第3のベーカリー生地部分を提供するステップ、並びに第3のベーカリー生地部分を第1又は第2のベーカリー生地部分の少なくとも一部を囲むように並べて、第1、第2、及び第3のベーカリー生地部分の同時焼成のための未焼成の構造を形成するステップをさらに含む。一例として、未焼成の構造は、(i)第1のベーカリー生地部分を辺及び角を有する一般的な多角形形状に成形すること、(ii)第2の生地部分を多角形形状の辺に沿って角の間に配置すること、及び(iii)第3のベーカリー生地を多角形形状の角に隣接して並べることによって得ることができる。別の例として、未焼成の構造は、(i)第1のベーカリー生地部分を、外表面を有するほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面を有する塊に成形すること、(ii)塊の外表面の一部を囲うように第2の生地部分を配置すること、及び(iii)第2及び第3のベーカリー生地部分が一緒に第1のベーカリー生地部分を包むように、塊の外表面の残りの部分を囲うように第3の生地部分を配置することによって得ることができる。
【0011】
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、第1及び第2のベーカリー生地部分内に肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せなどのフィリングを包むステップをさらに含む。
【0012】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、第1のベーカリー生地部分は、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後、第2のベーカリー生地部分よりも軟らかくなるように配合することができる。代替として、第1のベーカリー生地部分は、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を受容するように配合でき、一方、第2のベーカリー生地部分は、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合する。特定の実施形態では、第1及び第2のベーカリー生地部分は、第2の生地部分が焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合され、その結果、最終ベーカリー製品が焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンを形成するようなパン生地であってよい。
【0013】
他の実施形態では、第1又は第2のベーカリー生地部分は、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含んでいてよい。所望であれば、又は必要なら、第1及び第2のベーカリー生地部分を用いて所定のパターンを形成することができる。
【0014】
本発明はまた、本発明の方法によって生成した電子レンジ調理可能な生地製品に関する。この製品は、焼成前に接触しているときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があるが、焼成された後に、第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波加熱に異なる反応を示すような特性を有する第1及び第2のベーカリー生地部分を含む。第1又は第2の生地部分の少なくとも一方は、膨張剤を含み、焼成前に発酵され、第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部は第2のベーカリー生地部分と結合しており、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の向上をもたらすようにターゲティング及び配置される。この焼成された生地製品は、電子レンジで加熱された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、最適に再加熱されて、かかるターゲティング及び配置した第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて望ましい官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る。
【0015】
本発明はまた、焼成され、次いでマイクロ波再加熱に供されるベーカリー生地製品における、マイクロ波加熱に異なる反応を示す第1及び第2のベーカリー生地部分の使用に関し、ここで生地部分は、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の向上をもたらすようにターゲティング及び配置されて、かかるターゲティング及び配置された第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて望ましい官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る。上で述べたように、第1又は第2の生地部分の少なくとも一方は、膨張剤を含み、焼成前に発酵され、焼成された生地製品は、電子レンジで加熱された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、均一に再加熱される。
【0016】
本発明は、好ましい実施形態を例示している添付図に関して、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】A〜Cは本発明の3種の異なるパニーニの実施形態の断面図を示しており、太矢印は内側の生地部分を示し、細矢印は外側の生地部分を示す。
【図2】本発明の丸い(A)及び四角い(B)ピザの実施形態を示す図である。Cは本発明のフランスパンピザの実施形態を示す図であり、太矢印は内側の生地部分を示し、細矢印は外側の生地部分を示す。
【図3】本発明のピタ及びケサディヤ製品の上面及び側面図を示し、太矢印は内側の生地部分を示し、細矢印は外側の生地部分を示す。
【図4】A〜Cはネスレホットポケッツ(Nestle’HOT POCKETS)(登録商標)サンドイッチ製品の3種の異なる実施形態を示す図である。
【図5】A及びBは同時押出した2種配合の生地(A)の製造工程、及びこのような生地(B)から作製したパンのスライスの断面を示す図である。
【図6】パンの粘り強さを測定する機器(インストロン(Instron))及び工程を示す図である。
【図7】粘り強さの測定を行った、パンのスライス上の種々の位置を示す図である。
【図8】貫通の関数としての、所与の速度でパンのスライスを貫通するのに要する平均荷重(N)を示す図である。3つの上側の曲線は、クラスト部分を指し、下側の3つの曲線は中心部分を指す。
【図9】内部の生地配合物は、制限せずに焼成したとき(図9C及びD)、著しく広がるが、同時押出したクッキーは、外部の生地の膨張が少ないことによって過剰な膨張が制限された(図9A及びB)ことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、製品をマイクロ波で再加熱した後消費者によって楽しまれ得る製品に特定の特質を与えるために、2種以上の全く異なる生地タイプを製品中に戦略的にターゲティング又は配置することによってマイクロ波で再加熱される焼成された生地製品の官能特性を改善する方法に関する。生地タイプの違いは、生地の配合、生地の混合、又は生地の製造若しくは混合技術の形態の違いであってよい。本発明の生地のターゲティング方法は、電子レンジ独特の加熱方法によって単一のベーカリー生地又は単一の配合物単独で作製された生地製品では達成できない、適切な食感、味、外観、色、風味、及び栄養素、又はその組合せを電子レンジ調理可能な製品中の適した位置に送達することを可能にする。
【0019】
本発明はまた、三次元構造を形成するため、また焼成された製品をマイクロ波で再加熱した後消費者によって楽しまれ得る製品に特定の特質を与えるために、2種以上の全く異なる生地タイプを製品中に戦略的にターゲティング又は配置する、本発明の方法によって生成されるマイクロ波製品に関する。焼成された生地製品は、電子レンジで再加熱された後、均一に再加熱されていないにもかかわらず、かかる第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を獲得する。したがって、製品は、電子レンジで再加熱された後、均一な特徴を有するので、第1及び第2の生地部分の間の違いは、消費者には気づかれない可能性がある。対照的に、単一生地配合物を使用した場合、生地製品の縁、角及びクラストは、製品の他の部分よりも硬いはずであり、摂取するには望ましくない。
【0020】
第1又は第2のベーカリー生地部分は、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を通常含んでいる。穀粉含有量は、重量によって一般に約30%〜65%、好ましくは約40%〜60%、より好ましくは約45%〜55%である。食感形成剤は卵又は卵白であることが好ましい。矯味矯臭剤は、天然又は人工であってもよく、含まれている場合、重量によって約0%〜5%、好ましくは約0%〜1%の量で通常存在する。
【0021】
さらに別の実施形態では、電子レンジで再加熱された後、第1のベーカリー生地部分は、軽く柔らかいクラストを提供するように配合した薄層状の生地であってよく、第2のベーカリー生地部分は、しっかりしていて堅いクラストを提供するように配合した非薄層状の生地である。
【0022】
生地部分の同時押出は、宇都宮(日本)のレオン自動機株式会社(Rheon Automatic Machinery Company)、Leingarten(ドイツ)のホソカワビーペックス社(Hosokawa Bepex GmbH)、Plano(米国テキサス州)のSASIB、Rosemont(米国イリノイ州)のAPV Systems、Farum(デンマーク)のAasted−Mikroverk Bakery Equipmentなどで市販されている押出し成形機を用いて達成することができる。
【0023】
一実施形態では、生地は、チャブパック、円柱形又はソーセージ形の形態として調製する。この形態では、生地製品の中心部分の直径は、約1〜3インチであり、縁部分の幅は、約0.1〜1インチである。生地製品の中心部分の直径は、約1〜2.5インチであることが好ましい。最も好ましい一実施形態では、生地製品の中心部分の直径は、約1〜2インチであり、縁部分の幅は、約0.5〜1インチである。
【0024】
別の実施形態では、焼成された製品が円形又は丸形の焼成された周縁部を有するように、生地製品は、四角形、長方形、三角形、楕円形、又は他の断面構造を有するブロックの形態に成形される。生地は、一般により小さいピースに切断してから焼成する。
【0025】
本発明の電子レンジ調理可能な製品の具体例には、それだけには限らないが、ストウファーズ(STOUFFER’S)(登録商標)、リーンクイジーン(LEANCUISINE)(登録商標)及びスライスしたパニーニパン;フラットパン、ピタ及びケサディヤなどのフラットパン;丸形、四角形及び長方形のピザ;フランスパンピザ;並びにホットポケッツ(登録商標)サンドイッチが含まれる。本発明のマイクロ波生地製品は、クラストの内側よりもクラストの外側に異なる生地タイプを含むピザ又はパニーニであってもよい。消費者は、2種類の異なる生地タイプを使用していることは認識する、又は認識しない可能性があるが、生地ターゲティングを利用して作製した製品の優れた品質に気が付くはずである。さらに、本発明の生地ターゲティングは、栄養送達などの他の利益を得るために使用することもできる。
【0026】
生地製品は、通常のオーブンで焼成した後、冷蔵又は冷凍してもよい。通常、製品は、電子レンジで再加熱する前に貯蔵又は陳列するために約50°F(10℃)未満の温度、好ましくは約32°F〜40°F(0℃〜4.5℃)で冷蔵する。
【0027】
様々な生地部分は、当業者が一般によく知っているいくつかの方法で得ることができる。異なる穀粉又は穀粉の組合せを使用することができる。通常、小麦粉を使用するが、焼成された生地のマイクロ波再加熱に対する異なる反応を得るために、異なるタイプ及び組合せの小麦粉を使用することができる。
【0028】
マイクロ波再加熱に異なる反応を示す焼成された生地を提供するために、多くの他のタイプの穀粉を単独又は組み合わせて使用することができる。これらには、アマランス粉、豆粉、白米又は玄米粉、ソバ粉、栗粉、ヒヨコマメ粉、ジャガイモ粉、トウモロコシ粉、油性ナッツをすり潰したナッツ粉、エンドウ豆粉、ピーナッツ粉、ライ麦粉、タピオカ粉、又は大豆粉が含まれる。穀粉はまた、クズウコン、タロイモ、ガマ、殻斗果、キノア、種などから作られていてもよい。当業者は、配合物を調製し、通常の方法で焼成し、次いで電子レンジ中で再加熱に供することによって、任意の特定の穀粉配合物及びそのマイクロ波加熱に対する反応を最適に決定することができる。本発明の製品は複数の生地部分を使用するので、製品は、2、3、4又はさらに多くの異なる生地部分を用いて作製することができ、次いで焼成し、最終的に再加熱して、異なる焼成された生地部分の相対的な性能を測定する。実施例は、いくつかの好ましい組合せを例示する。
【0029】
マイクロ波加熱に対する異なる反応の所望の効果を得るための別の方法は、やはり水分移動が起こる原因となるものの、生地部分の含水量を制御することである。これは、配合物中の水の量を単純に変えることによって、或いは水を保持する添加剤を生地に与えることによって行うことができる。例えば、繊維を加えることが、これを行うための1つの方法である。繊維は、生地部分の1つに加えてもよく、又は異なる繊維を異なる生地部分に加えてもよい。食物繊維は、通常可溶性又は不溶性である。可溶性繊維は、豆果(エンドウ豆、大豆、及び他の豆)、オートムギ、ライムギ、チーア、及びオオムギ、いくつかの果物及び果汁(プルーン果汁、プラム、液果類、バナナ、並びにリンゴと梨の内側を含む)、ブロッコリー、ニンジン及びキクイモなどいくつかの野菜、ジャガイモ、サツマイモ、及び玉ねぎなどの根菜類、並びにオオバコ種子殻を含む、全ての植物性食品中に様々な量で含まれている。不溶性繊維の供給源には、全粒粉食品、コムギ及びトウモロコシふすま、ナッツ及び種子、ジャガイモの皮、亜麻仁、リグナンと、サヤインゲン、カリフラワー、ズッキーニ(zucchini、courgette)、セロリ、及びノパルサボテンなどいくつかの野菜と、トマトなどいくつかの果実の皮が含まれる。マイクロ波加熱に対する異なる反応、それによって加熱後に所望の生地食感を得るために、全ての量及び/又はタイプの繊維を生地部分に加えることができる。
【0030】
生地部分に含めるための別のタイプの添加剤は、Caravan Ingredients of Lenexa(米国カンサス州)から入手可能なMicro Sure 2.5として知られている従来の製品である。Micro Sure 2.5は、コムギグルテン、オートムギ繊維、ステアロイル乳酸ナトリウム、モノグリセリド、グアールガム、アルギン、キサンタンガム及び酵素を含む、生地改良剤の組合せである。
【0031】
生地は、ライムギ、硬質又は軟質コムギ、ライコムギ、オオムギ、オートムギ、トウモロコシ、キノア、スペルトコムギ、ソバ、コメ、カムート、又はアマランスなどの異なる穀粉タイプの使用によって改変することもできる。
【0032】
本発明の別の実施形態は、マイクロ波で調理したクッキーの広がりを制御するために異なる生地を合わせることである。軟らかさ/しっとりさが増大するように配合したクッキー生地は、より高い含水量及び乳化剤、糖類などの湿潤剤の存在によって、通常はより大きく広がる。マイクロ波焼成では、これは問題になり得る。この問題を解決するため、内部及び外部の生地の2種の配合物を使用して、同時押出した生地を作製する。内部の生地は、マイクロ波で加熱したとき、軟らかいままだが、外部の生地はよりしっかりしており、マイクロ波で加熱したとき、広がりにくい。生地改質剤を1種の単一生地ミックスに加えてもよりしっかりした外部とより軟らかい内部を備えたマイクロ波で加熱したクッキーという望ましい最終結果が得られないので、この2種の配合物は異なる。
【0033】
異なるマイクロ波再加熱性能をもたらすように生地を改変又は配合できる別の方法は、生地の脂肪分を変えることである。例えば、脂肪分を増大することによって、パン又はピザ生地をより柔らかくすることができる。このような生地配合物は、それを使用しなければ噛みごたえがありすぎる、又は堅すぎる製品中の部位を構成するのに使用することができる。
【0034】
マイクロ波再加熱性能を改変できる機能成分のさらに別のグループは、酵素、特にタンパク質分解酵素である。これらの酵素は、グルテン構造を弱めることによって作用し、これによって再加熱した生地が堅くなる傾向が減る。さらに、このような生地配合物は、それを使用しなければ堅くなりすぎるであろう製品の一部で使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明の利益を得るため、ベーカリー製品中のターゲティング及び位置決定のための異なる生地部分を配合するための様々な好ましい方法を例示する。
【0036】
パニーニ製品への生地ターゲティング(同時押出又は手製)
栄養面での利益をもたらすために、内部の生地は、全粒小麦から作られている。この位置でのフィリング又はトッピングのマスキング効果によって、全粒粉の栄養面での利益を全粒小麦又は全粒粉の風味なしでもたらすことができる。
【0037】
パニーニのマイクロ波再加熱特性を向上させるために、内部の生地は、マイクロ波加熱中にガミーにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように設計される。さらに、外部の生地は、生地製品のマイクロ波再加熱中によく見られる問題であるマイクロ波加熱中に硬化すること及び固くなることを防ぐように設計されている。
【0038】
図2Bに示すように、内部の生地は、イタリアの白小麦から作ることができ、一方外部の生地は、クラストのない特徴を与え、これは子供にとって特に望ましい。
【0039】
図1Cに示すように、ハッピーフェイスのデザインなどの色及び外観の利益は、内部の生地を着色した白パンとして、また外部の生地を、髪の毛の外観を表すために全粒小麦パンとして配合することによって達成することができる。
【0040】
外部の生地がバター、塩味又はガーリックパンから作られている場合、パンのスライスの縁にフィリングの経験を加えることによって、風味の利益を達成することができる。
【0041】
丸形、四角形、及び長方形のピザ製品(同時押出、シート状又は手製)及びフランスパンピザ製品(同時押出又は手製)への生地のターゲティング
生地製品のマイクロ波再加熱特性を向上させるために、内部の生地は、マイクロ波加熱中にガミー及びべとべとにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように設計され、一方、長方形又は四角形の形をしたピザの輪又は縁を形成する外部の生地は、マイクロ波加熱中に硬化すること及び固くなることを防ぐように設計されている。四角形及び長方形のピザの角で3種目の異なるタイプの生地を使用して、多くのマイクロ波エネルギーが集中する角が硬化すること及び固くなることを防ぐことによって、さらなる改善を達成することができる(図2B)。角の生地部分は、水分移動によって機能するように適合するように配合されており、一方縁の生地部分は、中間レベルの水分保持力を有する。
【0042】
丸形のピザの場合には、内部及び外部の生地部分は、内部の円の半径が4.5インチであり、外部の円の厚さが1.5インチの同心円に並べられ、ロッド形状のブロックを形成している。各ピザ1ピースをロッドから薄く切り取り、平鍋に置き、必要に応じてたたいて平らにし、所定量の時間膨張させ、通常のオーブンで焼成する。その後、予備焼成ピザを冷凍及び包装する。
【0043】
栄養面での利益をもたらすために、内部の生地は、全粒小麦から作られている。この位置でのトッピングのマスキング効果によって、全粒粉の栄養面での利益を全粒小麦又は全粒粉風味なしでもたらすことができる。外部の生地は、マイクロ波性能を向上させるために、オートムギ繊維と配合した従来のピザ生地として配合している。
【0044】
食感の利益は、マイクロ波加熱又は従来の加熱中にガミーにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように内部の生地を配合することによって達成することができる。さらに、外部の生地は、ピザ製品の色及び外観を改善するために、ハーブ及びサンドライトマトなどを包含していてもよい。ピザの風味を向上させるために、外部の生地は、パンのスライスの縁にフィリングの経験を加えるために、バター、塩味、又はガーリック風味のパンとして配合することができる。
【0045】
ピタ及びケサディヤ製品への生地ターゲティング
図3に示すピタ及びケサディヤ製品のマイクロ波再加熱特性を向上させるために、内部の生地は、マイクロ波加熱中にガミーにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように配合され、一方外部の生地は、マイクロ波加熱中に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合されている。
【0046】
これらの製品の栄養価を改善するために、内部の生地は、全粒小麦から作られており、全粒小麦又は全粒粉風味は、この位置でフィリング又はトッピングによってマスキングされている。
【0047】
内部及び外部の生地部分の食感、色及び褐色化は、それぞれ再構成のために最適化することができる。消費者の好みに基づいて、内部の生地は、強化した風味で配合でき、一方外部の生地は、パンのスライスの縁にフィリングの経験を加えるために、バター、塩味、又はガーリック風味のパンとして配合する。
【0048】
ネスレのホットポケット(Nestle’s HOT POCKET)(登録商標)サンドイッチ製品(シート状又は手製)への生地ターゲティング
図4Aに示すネスレのホットポケット(登録商標)サンドイッチは、二重食感の生地からなり、底面の生地部分は、上面の生地部分と異なるタイプである。フィリングは、ハムとチーズからペパローニピザまでの任意のフィリングであってよい。
【0049】
栄養面での利益をもたらすために、底面の生地部分は、全粒小麦及び/又は追加の繊維から作られている。この位置でのフィリングのマスキング効果又は底面クラストの褐色化によって、全粒小麦又は追加の繊維は、全粒小麦又は全粒粉風味なしでもたらされる。
【0050】
マイクロ波再加熱特性を改善するために、上面の生地部分は、マイクロ波加熱中に追加のサクサクさ及び柔らかさを提供するように配合され、一方、底面の生地部分は、マイクロ波加熱中にガミーにならずにフィリングの水分移動に適合するように配合されている。より高いインパクト及び潜在的なコスト削減は、底面の生地部分の配合を変えずに風味を放つように上面の生地部分を特別に配合することによって達成することができる。さらに、色及び外観の利益を得るために、上面の生地部分は、より良い焼成及び褐色化のために還元糖を含んでいてよく、一方底面の生地部分は、しっかりしていること、堅いこと及び焼成の最適化のために配合されてもよい。
【0051】
食感の利益はまた、上面の生地部分を薄層状の、軽い及び柔らかい上面クラストに配合し、一方底面の生地を非薄層状の、しっかりした及び堅い底面クラストに配合することによって達成することができる。
【0052】
図4Bに示すネスレのホットポケット(登録商標)サンドイッチは、二重食感の生地からなり、サンドイッチの両端は中央と異なる生地を有する。
【0053】
マイクロ波再加熱特性を改善するため、端の生地は、サンドイッチの両端への高濃度のマイクロ波エネルギーが原因の長方形形状の製品でよく見られる問題を解決するために、電子レンジで再加熱中に硬化に耐える又は硬化を減らすように配合される。中央の生地はまた、電子レンジで加熱している間に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合されている。
【0054】
食感の利益を伝えるために、端及び中央の生地部分は、それぞれフィリングへの近接性に応じて、食感の最適化のために配合されている。
【0055】
端の生地部分は、通常白パンの色であり、一方中央の生地部分は、端の生地部分と異なる色をもたらすように配合される。中央と端の生地部分の色の違いは、ラクトースなどの着色剤によって強調することができる。
【0056】
図4Cに示すネスレのホットポケット(登録商標)サンドイッチは、3種の異なる食感の生地部分、すなわち中央の上面の生地部分、中央の底面の生地部分及び端の生地部分からなる。様々な位置における異なる生地部分の配置又はターゲティングは、固い縁及び角の両方を排除し、それによって消費者により良い食事経験を提供することによって生地製品のマイクロ波性能を改善するための手段を提供する。
【0057】
同時押出した2種配合のパン
一塊のパンを2種の異なる生地配合物から作製した(表1)。内側部分は、全粒粉の比率が30%(「内部の生地」又は「配合1」と呼ぶ)であり、一方外側部分は、100%白小麦粉であり、またマイクロ波再加熱中に固くなることを減らすためにパン改良剤も含んでいた(「外部の生地」又は「配合2」と呼ぶ)。これらの試料を、「混合生地」と称した。試料はまた、配合1だけ又は配合2だけでも作製された。
【表1】
【0058】
生地は、ホバートミキサーで混合し、寝かせ、球形に形成し、休ませ、次いでパン形に形成した。レオンを使用して、直径60mmの外型を直径36mmの内型と併せて使用することによって、2種配合の生地(図5A)を同時押出した。同時押出した生成物を、次いで適当な長さに切断し、85°F、85%相対湿度(RH)で50〜55分間平鍋に置いた。任意で、深さが半インチのスリットを外部の生地に入れてもよい。次いで、同時押出した生成物を350°Fで22分間焼成し、室温で2時間冷やし、一定時間冷凍貯蔵し、解凍し、最後に5/8”スライスに切った。
【0059】
次いでスライス(各約40〜45g)を1枚ずつ、1100Wの電子レンジで30秒間加熱し、3分間冷ましてから食感を評価した。図5Bは、パンのスライスの断面を示しており、外部の生地52が内部の生地51を囲んでいる。プラスチック製ナイフ(幅20mm)及び細長い穴(38×8mm)の開いた台を備えたインストロンを用いてパンの食感を評価した(図6)。ナイフは、3mm/秒の速度でスライスの縁又は中心部を貫通した。破裂は、切断よりも裂ける特徴をより多く示し、最大荷重(N)は、訓練された官能検査員によって測定されたように、粘り強さと十分な相関関係があることが既にわかっている。各スライス(図7、位置1、2、3、及び4)についていくつかの測定を行い、各試料についていくつかのスライスを評価した。パンのスライスを所与の速度で貫通するのに要する最大荷重(N)を記録した。位置1、2及び3の測定値は、クラストの食感として合わせ、位置4の測定値は、中心部の食感として合わせた。平均最大荷重は、食感の測定値として使用した。
【0060】
図8に示すように、インストロンによって測定したクラストの粘り強さは、試料間で異なっていた。配合1によって作製した塊からのスライスは、配合2から作製したスライス又は外部の生地として配合2を用いた塊(「混合生地」試料)よりも高いクラストの粘り強さを有していた。中心の粘り強さは、全ての試料のクラストよりもはるかに低く、中心の食感は、その位置でマイクロ波再加熱に対する感受性がより低かった。
【表2】
【0061】
表2に示すように、2種の異なる生地配合物の組合せは、改善した食感の利益(クラストの粘り強さの低下)が得られ、さらに栄養価の高い全粒粉含有生地のかなりの部分を取り込んでいる。スライスの内側部分は、クラスト部分と同じ食感効果を受けておらず、したがって、内側部分を構成する生地は、より高い栄養価及び水分移動へのさらなる適合など他の基準から配合することができる。
【0062】
同時押出したクッキー生地の例
2種の異なる生地配合物をレオン080808で同時押出によって混合した。生地は、丸太のように押出し、50gのクッキーに手動でスライスし、或いはレオン機上のアイリス装置によって自動で切断して50gのピースにした。焼成は、1100Wのシャープ製電子レンジで40秒間行った。
【0063】
外部の生地は、広がりが少ないようマイクロ波で焼成したときに広がりが小さいように配合し、一方内部の生地は、軟らかさ/しっとりさ(表3)がより多くなるように配合した。
【表3】
【0064】
外部の生地も内部の生地も、小麦粉、バター、スクロース、水、卵黄、糖蜜、コーンシロップ固体、デンプン、メチルセルロース、炭酸水素ナトリウム、塩及びバニラ香料を含有する。しかし、内部の生地は、さらに、精製モノグリセリド(0.7%)、米粉(1.5%)、ビート繊維(0.2%)、粉末ココア(4.4%)、及びチョコレート一片(21%)を含有する。
【0065】
内部の生地配合物は、マイクロ波で焼成した後、著しく軟らかくてよりしっとりさがあり、制限せずに焼成した場合にはるかに大きく広がった(図9C及びD)。対照的に、焼成した場合、同時押出したクッキーは、より流動性の高い内部の生地の容器として機能する外部の生地の膨張が小さいことによって、過剰な膨張が制限された(図9A及びB)。
【0066】
本発明は、本明細書に例示及び記載されている正確な構造に限定されるべきではないことを理解されたい。したがって、本明細書に記載されている開示から当業者によって、又はそこから通常の実験によって、容易に達成できる全ての好都合な変更形態は、添付の請求項によって定義されている本発明の精神及び範囲内であると考えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成及びその後の電子レンジでの再加熱の後の生地製品の官能特性を向上させるために、生地製品中に戦略的に置いた又は配置した2種以上の全く異なる生地タイプを有する生地製品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
予備焼成した電子レンジ調理可能な冷凍ベーカリー生地製品は、配膳直前に最小限の準備しか必要としないため、人気が高まっている。しかし、電子レンジと通常のオーブンの加熱特徴の違いのために、電子レンジでベーカリー製品を再加熱した後に望ましい官能特性を達成するためには課題が残っている。通常のオーブンでは、加熱特徴は外から内なので、クラストが最も熱い部分であり、中心が最も冷たい。対照的に、電子レンジでは、食品の加熱はランダムであり、製品全体にわたっているので、生地製品の内部又は高水分の部位がマイクロ波を吸収し、マイクロ波を熱に転換し、蒸発冷却によってしばしば外部が最も冷たい部分になる逆の加熱特徴をもたらす。結果として、製品に対する伝統的な消費者の期待を減らし、べとべとした内部及び固くて噛みきれないクラストを有するピザ又はパニーニなどの製品をもたらす、高エネルギー加熱域が生じる。
【0003】
Moradらの米国特許出願公開第2005/0025862号は、電子レンジで、軟らかくしっとりした内部領域及びサクサクしたフレーク状の外部領域を有する独特の構造に焼成することができる、複数の層を含む2次元構造を備えたベーカリー生地製品を開示している。開示は、従来の又はマイクロ波による焼成で達成される結果として生じるその特性を向上させるために、従来の生地製品を改変しなければならないことを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特に、最初に焼成され、次いでマイクロ波再加熱に供された生地製品の食感、味、外観、栄養、色、及び風味を向上させる必要性が産業において依然として存在する。特に焼成された生地製品が電子レンジでの再加熱に供される場合、様々な生地タイプの1種又は複数を使用して、生地製品中の特定の位置又は配置をターゲティングして(標的にして)、最適な消費者経験及び品質利益を達成することによって、本発明は、産業のこの必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、マイクロ波を用いて再加熱される焼成された生地製品の官能特性を改善する方法に関する。本方法は、焼成前に接触した状態に置いたときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があり、焼成された後に第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有する、第1及び第2のベーカリー生地部分を選択するステップ、第1又は第2の生地部分の少なくとも一方に膨張剤を供給し、焼成前にその生地部分の発酵を要するステップ、焼成された製品のマイクロ波再加熱に対する反応の向上をもたらすように前記2つの生地部分をターゲティング及び配置して、未焼成の構造で第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部を第2のベーカリー生地部分と結合させるステップ、ベーカリー生地部分を通常のオーブンで焼成してベーカリー生地製品を得るステップ、及びベーカリー生地製品を輸送及び販売のために包装するステップを含む。最終ベーカリー生地製品は、焼成された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、電子レンジでの加熱に供された場合、最適に再加熱されて、したがって、かかるターゲティング及び配置された第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて望ましい官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る。
【0006】
一実施形態では、本発明は、第2の生地部分が第1の生地部分を囲むように第1及び第2のベーカリー生地部分を同時押出するステップをさらに含む。代替として、本方法は、第1のベーカリー生地部分をシート状に敷くステップ、及び第2のベーカリー生地部分をシート状に敷いた第1の生地部分の上に、隣接して、又は特定の位置に置くステップをさらに含む。
【0007】
包装材料に応じて、最終生地製品は、包装から取り出して電子レンジで再加熱でき、或いは、包装中で再加熱し、次いで摂取するために包装から取り出すことができる。
【0008】
別の実施形態では、本方法は、第1のベーカリー生地部分をその外周に沿って縁があるほぼ平らな形状に形成し、第2の生地部分を、第1のベーカリー生地部分の縁の少なくとも一部を囲むように並べるステップをさらに含む。例えば、第1のベーカリー生地部分は、実質的に円形又は長方形形状に成形でき、一方第2の生地部分は、前記縁と接触している連続帯状体を形成する。特に、生地製品は、ピザ生地であってよく、第1のベーカリー生地部分がピザ生地の中心部分を形成し、第2のベーカリー生地部分がピザ生地の外周を形成する。それによって、クラストは、電子レンジ中で再加熱した後に所望の食感を有する。
【0009】
別の実施形態では、本発明の方法は、第1のベーカリー生地部分を、ほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面形状を有する塊に成形し、第1のベーカリー生地部分を第2のベーカリー生地部分で実質的に包むステップをさらに含む。一例として、第1のベーカリー生地部分は、実質的に円柱形形状であってもよく、第2のベーカリー生地部分は、第1のベーカリー生地部分を覆う。次いで円柱は、電子レンジで再加熱した後、切って所望の外部及び内部の食感をもつパンのスライスをもたらすことができる。
【0010】
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、膨張剤を含み、焼成前に発酵を要する第3のベーカリー生地部分を提供するステップであって、第3のベーカリー生地部分が、第1及び第2のベーカリー生地部分と接触しているときに第1及び第2のベーカリー生地部分との混和性を阻害又は防止するのに十分粘性がある、前記ステップ、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、第3のベーカリー生地部分が第1及び第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有する第3のベーカリー生地部分を提供するステップ、並びに第3のベーカリー生地部分を第1又は第2のベーカリー生地部分の少なくとも一部を囲むように並べて、第1、第2、及び第3のベーカリー生地部分の同時焼成のための未焼成の構造を形成するステップをさらに含む。一例として、未焼成の構造は、(i)第1のベーカリー生地部分を辺及び角を有する一般的な多角形形状に成形すること、(ii)第2の生地部分を多角形形状の辺に沿って角の間に配置すること、及び(iii)第3のベーカリー生地を多角形形状の角に隣接して並べることによって得ることができる。別の例として、未焼成の構造は、(i)第1のベーカリー生地部分を、外表面を有するほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面を有する塊に成形すること、(ii)塊の外表面の一部を囲うように第2の生地部分を配置すること、及び(iii)第2及び第3のベーカリー生地部分が一緒に第1のベーカリー生地部分を包むように、塊の外表面の残りの部分を囲うように第3の生地部分を配置することによって得ることができる。
【0011】
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、第1及び第2のベーカリー生地部分内に肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せなどのフィリングを包むステップをさらに含む。
【0012】
本発明の方法のさらに別の実施形態では、第1のベーカリー生地部分は、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後、第2のベーカリー生地部分よりも軟らかくなるように配合することができる。代替として、第1のベーカリー生地部分は、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を受容するように配合でき、一方、第2のベーカリー生地部分は、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合する。特定の実施形態では、第1及び第2のベーカリー生地部分は、第2の生地部分が焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合され、その結果、最終ベーカリー製品が焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンを形成するようなパン生地であってよい。
【0013】
他の実施形態では、第1又は第2のベーカリー生地部分は、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含んでいてよい。所望であれば、又は必要なら、第1及び第2のベーカリー生地部分を用いて所定のパターンを形成することができる。
【0014】
本発明はまた、本発明の方法によって生成した電子レンジ調理可能な生地製品に関する。この製品は、焼成前に接触しているときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があるが、焼成された後に、第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波加熱に異なる反応を示すような特性を有する第1及び第2のベーカリー生地部分を含む。第1又は第2の生地部分の少なくとも一方は、膨張剤を含み、焼成前に発酵され、第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部は第2のベーカリー生地部分と結合しており、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の向上をもたらすようにターゲティング及び配置される。この焼成された生地製品は、電子レンジで加熱された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、最適に再加熱されて、かかるターゲティング及び配置した第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて望ましい官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る。
【0015】
本発明はまた、焼成され、次いでマイクロ波再加熱に供されるベーカリー生地製品における、マイクロ波加熱に異なる反応を示す第1及び第2のベーカリー生地部分の使用に関し、ここで生地部分は、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の向上をもたらすようにターゲティング及び配置されて、かかるターゲティング及び配置された第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて望ましい官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る。上で述べたように、第1又は第2の生地部分の少なくとも一方は、膨張剤を含み、焼成前に発酵され、焼成された生地製品は、電子レンジで加熱された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、均一に再加熱される。
【0016】
本発明は、好ましい実施形態を例示している添付図に関して、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】A〜Cは本発明の3種の異なるパニーニの実施形態の断面図を示しており、太矢印は内側の生地部分を示し、細矢印は外側の生地部分を示す。
【図2】本発明の丸い(A)及び四角い(B)ピザの実施形態を示す図である。Cは本発明のフランスパンピザの実施形態を示す図であり、太矢印は内側の生地部分を示し、細矢印は外側の生地部分を示す。
【図3】本発明のピタ及びケサディヤ製品の上面及び側面図を示し、太矢印は内側の生地部分を示し、細矢印は外側の生地部分を示す。
【図4】A〜Cはネスレホットポケッツ(Nestle’HOT POCKETS)(登録商標)サンドイッチ製品の3種の異なる実施形態を示す図である。
【図5】A及びBは同時押出した2種配合の生地(A)の製造工程、及びこのような生地(B)から作製したパンのスライスの断面を示す図である。
【図6】パンの粘り強さを測定する機器(インストロン(Instron))及び工程を示す図である。
【図7】粘り強さの測定を行った、パンのスライス上の種々の位置を示す図である。
【図8】貫通の関数としての、所与の速度でパンのスライスを貫通するのに要する平均荷重(N)を示す図である。3つの上側の曲線は、クラスト部分を指し、下側の3つの曲線は中心部分を指す。
【図9】内部の生地配合物は、制限せずに焼成したとき(図9C及びD)、著しく広がるが、同時押出したクッキーは、外部の生地の膨張が少ないことによって過剰な膨張が制限された(図9A及びB)ことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、製品をマイクロ波で再加熱した後消費者によって楽しまれ得る製品に特定の特質を与えるために、2種以上の全く異なる生地タイプを製品中に戦略的にターゲティング又は配置することによってマイクロ波で再加熱される焼成された生地製品の官能特性を改善する方法に関する。生地タイプの違いは、生地の配合、生地の混合、又は生地の製造若しくは混合技術の形態の違いであってよい。本発明の生地のターゲティング方法は、電子レンジ独特の加熱方法によって単一のベーカリー生地又は単一の配合物単独で作製された生地製品では達成できない、適切な食感、味、外観、色、風味、及び栄養素、又はその組合せを電子レンジ調理可能な製品中の適した位置に送達することを可能にする。
【0019】
本発明はまた、三次元構造を形成するため、また焼成された製品をマイクロ波で再加熱した後消費者によって楽しまれ得る製品に特定の特質を与えるために、2種以上の全く異なる生地タイプを製品中に戦略的にターゲティング又は配置する、本発明の方法によって生成されるマイクロ波製品に関する。焼成された生地製品は、電子レンジで再加熱された後、均一に再加熱されていないにもかかわらず、かかる第1及び第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を獲得する。したがって、製品は、電子レンジで再加熱された後、均一な特徴を有するので、第1及び第2の生地部分の間の違いは、消費者には気づかれない可能性がある。対照的に、単一生地配合物を使用した場合、生地製品の縁、角及びクラストは、製品の他の部分よりも硬いはずであり、摂取するには望ましくない。
【0020】
第1又は第2のベーカリー生地部分は、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を通常含んでいる。穀粉含有量は、重量によって一般に約30%〜65%、好ましくは約40%〜60%、より好ましくは約45%〜55%である。食感形成剤は卵又は卵白であることが好ましい。矯味矯臭剤は、天然又は人工であってもよく、含まれている場合、重量によって約0%〜5%、好ましくは約0%〜1%の量で通常存在する。
【0021】
さらに別の実施形態では、電子レンジで再加熱された後、第1のベーカリー生地部分は、軽く柔らかいクラストを提供するように配合した薄層状の生地であってよく、第2のベーカリー生地部分は、しっかりしていて堅いクラストを提供するように配合した非薄層状の生地である。
【0022】
生地部分の同時押出は、宇都宮(日本)のレオン自動機株式会社(Rheon Automatic Machinery Company)、Leingarten(ドイツ)のホソカワビーペックス社(Hosokawa Bepex GmbH)、Plano(米国テキサス州)のSASIB、Rosemont(米国イリノイ州)のAPV Systems、Farum(デンマーク)のAasted−Mikroverk Bakery Equipmentなどで市販されている押出し成形機を用いて達成することができる。
【0023】
一実施形態では、生地は、チャブパック、円柱形又はソーセージ形の形態として調製する。この形態では、生地製品の中心部分の直径は、約1〜3インチであり、縁部分の幅は、約0.1〜1インチである。生地製品の中心部分の直径は、約1〜2.5インチであることが好ましい。最も好ましい一実施形態では、生地製品の中心部分の直径は、約1〜2インチであり、縁部分の幅は、約0.5〜1インチである。
【0024】
別の実施形態では、焼成された製品が円形又は丸形の焼成された周縁部を有するように、生地製品は、四角形、長方形、三角形、楕円形、又は他の断面構造を有するブロックの形態に成形される。生地は、一般により小さいピースに切断してから焼成する。
【0025】
本発明の電子レンジ調理可能な製品の具体例には、それだけには限らないが、ストウファーズ(STOUFFER’S)(登録商標)、リーンクイジーン(LEANCUISINE)(登録商標)及びスライスしたパニーニパン;フラットパン、ピタ及びケサディヤなどのフラットパン;丸形、四角形及び長方形のピザ;フランスパンピザ;並びにホットポケッツ(登録商標)サンドイッチが含まれる。本発明のマイクロ波生地製品は、クラストの内側よりもクラストの外側に異なる生地タイプを含むピザ又はパニーニであってもよい。消費者は、2種類の異なる生地タイプを使用していることは認識する、又は認識しない可能性があるが、生地ターゲティングを利用して作製した製品の優れた品質に気が付くはずである。さらに、本発明の生地ターゲティングは、栄養送達などの他の利益を得るために使用することもできる。
【0026】
生地製品は、通常のオーブンで焼成した後、冷蔵又は冷凍してもよい。通常、製品は、電子レンジで再加熱する前に貯蔵又は陳列するために約50°F(10℃)未満の温度、好ましくは約32°F〜40°F(0℃〜4.5℃)で冷蔵する。
【0027】
様々な生地部分は、当業者が一般によく知っているいくつかの方法で得ることができる。異なる穀粉又は穀粉の組合せを使用することができる。通常、小麦粉を使用するが、焼成された生地のマイクロ波再加熱に対する異なる反応を得るために、異なるタイプ及び組合せの小麦粉を使用することができる。
【0028】
マイクロ波再加熱に異なる反応を示す焼成された生地を提供するために、多くの他のタイプの穀粉を単独又は組み合わせて使用することができる。これらには、アマランス粉、豆粉、白米又は玄米粉、ソバ粉、栗粉、ヒヨコマメ粉、ジャガイモ粉、トウモロコシ粉、油性ナッツをすり潰したナッツ粉、エンドウ豆粉、ピーナッツ粉、ライ麦粉、タピオカ粉、又は大豆粉が含まれる。穀粉はまた、クズウコン、タロイモ、ガマ、殻斗果、キノア、種などから作られていてもよい。当業者は、配合物を調製し、通常の方法で焼成し、次いで電子レンジ中で再加熱に供することによって、任意の特定の穀粉配合物及びそのマイクロ波加熱に対する反応を最適に決定することができる。本発明の製品は複数の生地部分を使用するので、製品は、2、3、4又はさらに多くの異なる生地部分を用いて作製することができ、次いで焼成し、最終的に再加熱して、異なる焼成された生地部分の相対的な性能を測定する。実施例は、いくつかの好ましい組合せを例示する。
【0029】
マイクロ波加熱に対する異なる反応の所望の効果を得るための別の方法は、やはり水分移動が起こる原因となるものの、生地部分の含水量を制御することである。これは、配合物中の水の量を単純に変えることによって、或いは水を保持する添加剤を生地に与えることによって行うことができる。例えば、繊維を加えることが、これを行うための1つの方法である。繊維は、生地部分の1つに加えてもよく、又は異なる繊維を異なる生地部分に加えてもよい。食物繊維は、通常可溶性又は不溶性である。可溶性繊維は、豆果(エンドウ豆、大豆、及び他の豆)、オートムギ、ライムギ、チーア、及びオオムギ、いくつかの果物及び果汁(プルーン果汁、プラム、液果類、バナナ、並びにリンゴと梨の内側を含む)、ブロッコリー、ニンジン及びキクイモなどいくつかの野菜、ジャガイモ、サツマイモ、及び玉ねぎなどの根菜類、並びにオオバコ種子殻を含む、全ての植物性食品中に様々な量で含まれている。不溶性繊維の供給源には、全粒粉食品、コムギ及びトウモロコシふすま、ナッツ及び種子、ジャガイモの皮、亜麻仁、リグナンと、サヤインゲン、カリフラワー、ズッキーニ(zucchini、courgette)、セロリ、及びノパルサボテンなどいくつかの野菜と、トマトなどいくつかの果実の皮が含まれる。マイクロ波加熱に対する異なる反応、それによって加熱後に所望の生地食感を得るために、全ての量及び/又はタイプの繊維を生地部分に加えることができる。
【0030】
生地部分に含めるための別のタイプの添加剤は、Caravan Ingredients of Lenexa(米国カンサス州)から入手可能なMicro Sure 2.5として知られている従来の製品である。Micro Sure 2.5は、コムギグルテン、オートムギ繊維、ステアロイル乳酸ナトリウム、モノグリセリド、グアールガム、アルギン、キサンタンガム及び酵素を含む、生地改良剤の組合せである。
【0031】
生地は、ライムギ、硬質又は軟質コムギ、ライコムギ、オオムギ、オートムギ、トウモロコシ、キノア、スペルトコムギ、ソバ、コメ、カムート、又はアマランスなどの異なる穀粉タイプの使用によって改変することもできる。
【0032】
本発明の別の実施形態は、マイクロ波で調理したクッキーの広がりを制御するために異なる生地を合わせることである。軟らかさ/しっとりさが増大するように配合したクッキー生地は、より高い含水量及び乳化剤、糖類などの湿潤剤の存在によって、通常はより大きく広がる。マイクロ波焼成では、これは問題になり得る。この問題を解決するため、内部及び外部の生地の2種の配合物を使用して、同時押出した生地を作製する。内部の生地は、マイクロ波で加熱したとき、軟らかいままだが、外部の生地はよりしっかりしており、マイクロ波で加熱したとき、広がりにくい。生地改質剤を1種の単一生地ミックスに加えてもよりしっかりした外部とより軟らかい内部を備えたマイクロ波で加熱したクッキーという望ましい最終結果が得られないので、この2種の配合物は異なる。
【0033】
異なるマイクロ波再加熱性能をもたらすように生地を改変又は配合できる別の方法は、生地の脂肪分を変えることである。例えば、脂肪分を増大することによって、パン又はピザ生地をより柔らかくすることができる。このような生地配合物は、それを使用しなければ噛みごたえがありすぎる、又は堅すぎる製品中の部位を構成するのに使用することができる。
【0034】
マイクロ波再加熱性能を改変できる機能成分のさらに別のグループは、酵素、特にタンパク質分解酵素である。これらの酵素は、グルテン構造を弱めることによって作用し、これによって再加熱した生地が堅くなる傾向が減る。さらに、このような生地配合物は、それを使用しなければ堅くなりすぎるであろう製品の一部で使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明の利益を得るため、ベーカリー製品中のターゲティング及び位置決定のための異なる生地部分を配合するための様々な好ましい方法を例示する。
【0036】
パニーニ製品への生地ターゲティング(同時押出又は手製)
栄養面での利益をもたらすために、内部の生地は、全粒小麦から作られている。この位置でのフィリング又はトッピングのマスキング効果によって、全粒粉の栄養面での利益を全粒小麦又は全粒粉の風味なしでもたらすことができる。
【0037】
パニーニのマイクロ波再加熱特性を向上させるために、内部の生地は、マイクロ波加熱中にガミーにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように設計される。さらに、外部の生地は、生地製品のマイクロ波再加熱中によく見られる問題であるマイクロ波加熱中に硬化すること及び固くなることを防ぐように設計されている。
【0038】
図2Bに示すように、内部の生地は、イタリアの白小麦から作ることができ、一方外部の生地は、クラストのない特徴を与え、これは子供にとって特に望ましい。
【0039】
図1Cに示すように、ハッピーフェイスのデザインなどの色及び外観の利益は、内部の生地を着色した白パンとして、また外部の生地を、髪の毛の外観を表すために全粒小麦パンとして配合することによって達成することができる。
【0040】
外部の生地がバター、塩味又はガーリックパンから作られている場合、パンのスライスの縁にフィリングの経験を加えることによって、風味の利益を達成することができる。
【0041】
丸形、四角形、及び長方形のピザ製品(同時押出、シート状又は手製)及びフランスパンピザ製品(同時押出又は手製)への生地のターゲティング
生地製品のマイクロ波再加熱特性を向上させるために、内部の生地は、マイクロ波加熱中にガミー及びべとべとにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように設計され、一方、長方形又は四角形の形をしたピザの輪又は縁を形成する外部の生地は、マイクロ波加熱中に硬化すること及び固くなることを防ぐように設計されている。四角形及び長方形のピザの角で3種目の異なるタイプの生地を使用して、多くのマイクロ波エネルギーが集中する角が硬化すること及び固くなることを防ぐことによって、さらなる改善を達成することができる(図2B)。角の生地部分は、水分移動によって機能するように適合するように配合されており、一方縁の生地部分は、中間レベルの水分保持力を有する。
【0042】
丸形のピザの場合には、内部及び外部の生地部分は、内部の円の半径が4.5インチであり、外部の円の厚さが1.5インチの同心円に並べられ、ロッド形状のブロックを形成している。各ピザ1ピースをロッドから薄く切り取り、平鍋に置き、必要に応じてたたいて平らにし、所定量の時間膨張させ、通常のオーブンで焼成する。その後、予備焼成ピザを冷凍及び包装する。
【0043】
栄養面での利益をもたらすために、内部の生地は、全粒小麦から作られている。この位置でのトッピングのマスキング効果によって、全粒粉の栄養面での利益を全粒小麦又は全粒粉風味なしでもたらすことができる。外部の生地は、マイクロ波性能を向上させるために、オートムギ繊維と配合した従来のピザ生地として配合している。
【0044】
食感の利益は、マイクロ波加熱又は従来の加熱中にガミーにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように内部の生地を配合することによって達成することができる。さらに、外部の生地は、ピザ製品の色及び外観を改善するために、ハーブ及びサンドライトマトなどを包含していてもよい。ピザの風味を向上させるために、外部の生地は、パンのスライスの縁にフィリングの経験を加えるために、バター、塩味、又はガーリック風味のパンとして配合することができる。
【0045】
ピタ及びケサディヤ製品への生地ターゲティング
図3に示すピタ及びケサディヤ製品のマイクロ波再加熱特性を向上させるために、内部の生地は、マイクロ波加熱中にガミーにならずにトッピング又はフィリングの水分移動に適合するように配合され、一方外部の生地は、マイクロ波加熱中に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合されている。
【0046】
これらの製品の栄養価を改善するために、内部の生地は、全粒小麦から作られており、全粒小麦又は全粒粉風味は、この位置でフィリング又はトッピングによってマスキングされている。
【0047】
内部及び外部の生地部分の食感、色及び褐色化は、それぞれ再構成のために最適化することができる。消費者の好みに基づいて、内部の生地は、強化した風味で配合でき、一方外部の生地は、パンのスライスの縁にフィリングの経験を加えるために、バター、塩味、又はガーリック風味のパンとして配合する。
【0048】
ネスレのホットポケット(Nestle’s HOT POCKET)(登録商標)サンドイッチ製品(シート状又は手製)への生地ターゲティング
図4Aに示すネスレのホットポケット(登録商標)サンドイッチは、二重食感の生地からなり、底面の生地部分は、上面の生地部分と異なるタイプである。フィリングは、ハムとチーズからペパローニピザまでの任意のフィリングであってよい。
【0049】
栄養面での利益をもたらすために、底面の生地部分は、全粒小麦及び/又は追加の繊維から作られている。この位置でのフィリングのマスキング効果又は底面クラストの褐色化によって、全粒小麦又は追加の繊維は、全粒小麦又は全粒粉風味なしでもたらされる。
【0050】
マイクロ波再加熱特性を改善するために、上面の生地部分は、マイクロ波加熱中に追加のサクサクさ及び柔らかさを提供するように配合され、一方、底面の生地部分は、マイクロ波加熱中にガミーにならずにフィリングの水分移動に適合するように配合されている。より高いインパクト及び潜在的なコスト削減は、底面の生地部分の配合を変えずに風味を放つように上面の生地部分を特別に配合することによって達成することができる。さらに、色及び外観の利益を得るために、上面の生地部分は、より良い焼成及び褐色化のために還元糖を含んでいてよく、一方底面の生地部分は、しっかりしていること、堅いこと及び焼成の最適化のために配合されてもよい。
【0051】
食感の利益はまた、上面の生地部分を薄層状の、軽い及び柔らかい上面クラストに配合し、一方底面の生地を非薄層状の、しっかりした及び堅い底面クラストに配合することによって達成することができる。
【0052】
図4Bに示すネスレのホットポケット(登録商標)サンドイッチは、二重食感の生地からなり、サンドイッチの両端は中央と異なる生地を有する。
【0053】
マイクロ波再加熱特性を改善するため、端の生地は、サンドイッチの両端への高濃度のマイクロ波エネルギーが原因の長方形形状の製品でよく見られる問題を解決するために、電子レンジで再加熱中に硬化に耐える又は硬化を減らすように配合される。中央の生地はまた、電子レンジで加熱している間に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合されている。
【0054】
食感の利益を伝えるために、端及び中央の生地部分は、それぞれフィリングへの近接性に応じて、食感の最適化のために配合されている。
【0055】
端の生地部分は、通常白パンの色であり、一方中央の生地部分は、端の生地部分と異なる色をもたらすように配合される。中央と端の生地部分の色の違いは、ラクトースなどの着色剤によって強調することができる。
【0056】
図4Cに示すネスレのホットポケット(登録商標)サンドイッチは、3種の異なる食感の生地部分、すなわち中央の上面の生地部分、中央の底面の生地部分及び端の生地部分からなる。様々な位置における異なる生地部分の配置又はターゲティングは、固い縁及び角の両方を排除し、それによって消費者により良い食事経験を提供することによって生地製品のマイクロ波性能を改善するための手段を提供する。
【0057】
同時押出した2種配合のパン
一塊のパンを2種の異なる生地配合物から作製した(表1)。内側部分は、全粒粉の比率が30%(「内部の生地」又は「配合1」と呼ぶ)であり、一方外側部分は、100%白小麦粉であり、またマイクロ波再加熱中に固くなることを減らすためにパン改良剤も含んでいた(「外部の生地」又は「配合2」と呼ぶ)。これらの試料を、「混合生地」と称した。試料はまた、配合1だけ又は配合2だけでも作製された。
【表1】
【0058】
生地は、ホバートミキサーで混合し、寝かせ、球形に形成し、休ませ、次いでパン形に形成した。レオンを使用して、直径60mmの外型を直径36mmの内型と併せて使用することによって、2種配合の生地(図5A)を同時押出した。同時押出した生成物を、次いで適当な長さに切断し、85°F、85%相対湿度(RH)で50〜55分間平鍋に置いた。任意で、深さが半インチのスリットを外部の生地に入れてもよい。次いで、同時押出した生成物を350°Fで22分間焼成し、室温で2時間冷やし、一定時間冷凍貯蔵し、解凍し、最後に5/8”スライスに切った。
【0059】
次いでスライス(各約40〜45g)を1枚ずつ、1100Wの電子レンジで30秒間加熱し、3分間冷ましてから食感を評価した。図5Bは、パンのスライスの断面を示しており、外部の生地52が内部の生地51を囲んでいる。プラスチック製ナイフ(幅20mm)及び細長い穴(38×8mm)の開いた台を備えたインストロンを用いてパンの食感を評価した(図6)。ナイフは、3mm/秒の速度でスライスの縁又は中心部を貫通した。破裂は、切断よりも裂ける特徴をより多く示し、最大荷重(N)は、訓練された官能検査員によって測定されたように、粘り強さと十分な相関関係があることが既にわかっている。各スライス(図7、位置1、2、3、及び4)についていくつかの測定を行い、各試料についていくつかのスライスを評価した。パンのスライスを所与の速度で貫通するのに要する最大荷重(N)を記録した。位置1、2及び3の測定値は、クラストの食感として合わせ、位置4の測定値は、中心部の食感として合わせた。平均最大荷重は、食感の測定値として使用した。
【0060】
図8に示すように、インストロンによって測定したクラストの粘り強さは、試料間で異なっていた。配合1によって作製した塊からのスライスは、配合2から作製したスライス又は外部の生地として配合2を用いた塊(「混合生地」試料)よりも高いクラストの粘り強さを有していた。中心の粘り強さは、全ての試料のクラストよりもはるかに低く、中心の食感は、その位置でマイクロ波再加熱に対する感受性がより低かった。
【表2】
【0061】
表2に示すように、2種の異なる生地配合物の組合せは、改善した食感の利益(クラストの粘り強さの低下)が得られ、さらに栄養価の高い全粒粉含有生地のかなりの部分を取り込んでいる。スライスの内側部分は、クラスト部分と同じ食感効果を受けておらず、したがって、内側部分を構成する生地は、より高い栄養価及び水分移動へのさらなる適合など他の基準から配合することができる。
【0062】
同時押出したクッキー生地の例
2種の異なる生地配合物をレオン080808で同時押出によって混合した。生地は、丸太のように押出し、50gのクッキーに手動でスライスし、或いはレオン機上のアイリス装置によって自動で切断して50gのピースにした。焼成は、1100Wのシャープ製電子レンジで40秒間行った。
【0063】
外部の生地は、広がりが少ないようマイクロ波で焼成したときに広がりが小さいように配合し、一方内部の生地は、軟らかさ/しっとりさ(表3)がより多くなるように配合した。
【表3】
【0064】
外部の生地も内部の生地も、小麦粉、バター、スクロース、水、卵黄、糖蜜、コーンシロップ固体、デンプン、メチルセルロース、炭酸水素ナトリウム、塩及びバニラ香料を含有する。しかし、内部の生地は、さらに、精製モノグリセリド(0.7%)、米粉(1.5%)、ビート繊維(0.2%)、粉末ココア(4.4%)、及びチョコレート一片(21%)を含有する。
【0065】
内部の生地配合物は、マイクロ波で焼成した後、著しく軟らかくてよりしっとりさがあり、制限せずに焼成した場合にはるかに大きく広がった(図9C及びD)。対照的に、焼成した場合、同時押出したクッキーは、より流動性の高い内部の生地の容器として機能する外部の生地の膨張が小さいことによって、過剰な膨張が制限された(図9A及びB)。
【0066】
本発明は、本明細書に例示及び記載されている正確な構造に限定されるべきではないことを理解されたい。したがって、本明細書に記載されている開示から当業者によって、又はそこから通常の実験によって、容易に達成できる全ての好都合な変更形態は、添付の請求項によって定義されている本発明の精神及び範囲内であると考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を用いて再加熱される焼成されたベーカリー生地製品の官能特性を改善する方法であって、
焼成前に接触した状態に置いたときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があり、焼成された後に第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有する、第1のベーカリー生地部分及び第2のベーカリー生地部分を選択するステップと、
前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の少なくとも一方に膨張剤を供給し、焼成前にその生地部分の発酵を要するステップと、
焼成された製品のマイクロ波再加熱に対する反応の改善をもたらすように前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分をターゲテング及び配置して、未焼成の構造で前記第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部を前記第2のベーカリー生地部分と結合させるステップと、
前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を通常のオーブンで焼成してベーカリー生地製品を得るステップと、
前記ベーカリー生地製品を輸送及び販売のために包装するステップと
を含み、最終のベーカリー生地製品が、焼成された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、電子レンジでの加熱に供された場合、均一に再加熱されて、かかるターゲティング及び配置された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る、方法。
【請求項2】
前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を囲むように前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を同時押出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最終の前記ベーカリー生地製品を前記包装から取り出し、最終の前記ベーカリー生地製品を電子レンジで再加熱するステップ、又は最終の前記ベーカリー生地製品を前記包装中で再加熱し、摂取するために前記包装から再加熱した製品を取り出すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(a)前記第1のベーカリー生地部分をその外周に沿って縁があるほぼ平らな形状に形成し、前記第2のベーカリー生地部分を、前記第1のベーカリー生地部分の縁の少なくとも一部を囲むように並べるステップ、又は
(b)前記第1のベーカリー生地部分を、ほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面形状を有する塊に成形し、前記第1のベーカリー生地部分を前記第2のベーカリー生地部分で実質的に包むステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円形又は長方形の平らな形状に成形され、前記第2のベーカリー生地部分が前記縁と接触している連続帯状体を形成し、例えば、前記ベーカリー生地製品がピザ生地であり、前記第1のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の中心部分を形成し、前記第2のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の外周を形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円柱形断面形状を有し、前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を覆い、任意選択で前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分内にフィリングを包み、前記フィリングが、肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
(a)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、前記第2のベーカリー生地部分よりも軟らかくなるように配合される、又は
(b)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を受容するように配合され、一方、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合される、又は
(c)前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分がパン生地であり、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合され、その結果、最終の前記ベーカリー製品が焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンを形成する、又は
(d)前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の一方が、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法から得られる電子レンジ調理可能な生地製品。
【請求項9】
焼成前に接触しているときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があるが、焼成された後に、第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波加熱に異なる反応を示すような特性を有する前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を含み、前記第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部が前記第2のベーカリー生地部分と結合しており、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の改善をもたらすようにターゲティング及び配置されており、焼成された前記生地製品が、電子レンジで加熱された後、焼成された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、均一に再加熱されて、かかるターゲティング及び配置した前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る、焼成された生地製品。
【請求項10】
前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を囲むように前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分が同時押出される、請求項9に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項11】
取り出すことができる包装に入れ、その結果、最終の生地製品を電子レンジで再加熱することができる、又は電子レンジで再加熱することができる包装に入れ、再加熱された最終の前記生地製品が再加熱された後に摂取するために前記包装から取り出される、請求項9に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項12】
前記第1のベーカリー生地部分がその外周に沿って縁があるほぼ平らな形状であり、前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分の縁の少なくとも一部を囲む、又は前記第1のベーカリー生地部分がほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面形状を有する塊を形成し、前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を実質的に包む、請求項9に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項13】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円形又は長方形の平らな形状であり、前記第2のベーカリー生地部分が前記縁と接触している連続帯状体を形成し、例えば、ピザ生地の形態において、前記第1のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の中心部分を形成し、前記第2のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の外周を形成する、請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項14】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円柱形断面形状を有し、前記第2のベーカリー生地部分が第1のベーカリー生地部分を覆い、任意選択で前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分内に包まれたフィリングを含み、前記フィリングが、肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せを含む、請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項15】
膨張剤を含み、焼成前に発酵を要する第3のベーカリー生地部分をさらに含み、前記第3のベーカリー生地部分が、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分と接触しているときに前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分との混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があり、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有し、前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の少なくとも一部を囲むように並べられて、前記第1のベーカリー生地部分、前記第2のベーカリー生地部分及び前記第3のベーカリー生地部分の同時焼成のための未焼成の構造を形成して最終的な焼成された生地製品を得る、請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項16】
(a)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、前記第2のベーカリー生地部分よりも軟らかく及び柔らかくなるように配合される、
(b)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を可能にするように配合され、一方、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合される、又は
(c)前記生地製品が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンの形態であり、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分がパン生地であり、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合される、又は
(d)前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分が、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含む、
請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項17】
焼成され、次いでマイクロ波再加熱に供されるベーカリー生地製品における、マイクロ波加熱に異なる反応を示す前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分の使用であって、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分が、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の改善をもたらすようにターゲティング及び配置されて、かかるターゲティング及び配置された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る、使用。
【請求項18】
前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分の両方が、膨張剤を含み、焼成前に発酵され、焼成された生地製品が、電子レンジで加熱された後、焼成された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分のマイクロ波加熱に対する反応に違いがあるにもかかわらず均一な食感を有し、任意選択で前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分内に包まれたフィリングを含み、前記フィリングが、肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せを含む、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示す第3のベーカリー生地部分をさらに含み、前記第3のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の少なくとも一部を囲むように並べられて、前記第1のベーカリー生地部分、前記第2のベーカリー生地部分及び前記第3のベーカリー生地部分の同時焼成のための未焼成の構造を形成して、最終的な焼成された生地製品を得る、請求項17に記載の使用。
【請求項20】
(a)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、前記第2のベーカリー生地部分よりも軟らかくなるように配合される、又は
(b)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を受容するように配合され、一方、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合される、又は
(c)前記生地製品が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンの形態であり、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分がパン生地であり、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合される、又は
(d)前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分が、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含む、請求項17に記載の使用。
【請求項1】
マイクロ波を用いて再加熱される焼成されたベーカリー生地製品の官能特性を改善する方法であって、
焼成前に接触した状態に置いたときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があり、焼成された後に第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有する、第1のベーカリー生地部分及び第2のベーカリー生地部分を選択するステップと、
前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の少なくとも一方に膨張剤を供給し、焼成前にその生地部分の発酵を要するステップと、
焼成された製品のマイクロ波再加熱に対する反応の改善をもたらすように前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分をターゲテング及び配置して、未焼成の構造で前記第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部を前記第2のベーカリー生地部分と結合させるステップと、
前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を通常のオーブンで焼成してベーカリー生地製品を得るステップと、
前記ベーカリー生地製品を輸送及び販売のために包装するステップと
を含み、最終のベーカリー生地製品が、焼成された後、焼成された生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、電子レンジでの加熱に供された場合、均一に再加熱されて、かかるターゲティング及び配置された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る、方法。
【請求項2】
前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を囲むように前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を同時押出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最終の前記ベーカリー生地製品を前記包装から取り出し、最終の前記ベーカリー生地製品を電子レンジで再加熱するステップ、又は最終の前記ベーカリー生地製品を前記包装中で再加熱し、摂取するために前記包装から再加熱した製品を取り出すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(a)前記第1のベーカリー生地部分をその外周に沿って縁があるほぼ平らな形状に形成し、前記第2のベーカリー生地部分を、前記第1のベーカリー生地部分の縁の少なくとも一部を囲むように並べるステップ、又は
(b)前記第1のベーカリー生地部分を、ほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面形状を有する塊に成形し、前記第1のベーカリー生地部分を前記第2のベーカリー生地部分で実質的に包むステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円形又は長方形の平らな形状に成形され、前記第2のベーカリー生地部分が前記縁と接触している連続帯状体を形成し、例えば、前記ベーカリー生地製品がピザ生地であり、前記第1のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の中心部分を形成し、前記第2のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の外周を形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円柱形断面形状を有し、前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を覆い、任意選択で前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分内にフィリングを包み、前記フィリングが、肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
(a)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、前記第2のベーカリー生地部分よりも軟らかくなるように配合される、又は
(b)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を受容するように配合され、一方、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合される、又は
(c)前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分がパン生地であり、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合され、その結果、最終の前記ベーカリー製品が焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンを形成する、又は
(d)前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の一方が、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法から得られる電子レンジ調理可能な生地製品。
【請求項9】
焼成前に接触しているときにベーカリー生地部分の混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があるが、焼成された後に、第1のベーカリー生地部分が第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波加熱に異なる反応を示すような特性を有する前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を含み、前記第1のベーカリー生地部分の少なくとも一部が前記第2のベーカリー生地部分と結合しており、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の改善をもたらすようにターゲティング及び配置されており、焼成された前記生地製品が、電子レンジで加熱された後、焼成された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分のマイクロ波加熱に対する反応の違いのために、均一に再加熱されて、かかるターゲティング及び配置した前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る、焼成された生地製品。
【請求項10】
前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を囲むように前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分が同時押出される、請求項9に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項11】
取り出すことができる包装に入れ、その結果、最終の生地製品を電子レンジで再加熱することができる、又は電子レンジで再加熱することができる包装に入れ、再加熱された最終の前記生地製品が再加熱された後に摂取するために前記包装から取り出される、請求項9に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項12】
前記第1のベーカリー生地部分がその外周に沿って縁があるほぼ平らな形状であり、前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分の縁の少なくとも一部を囲む、又は前記第1のベーカリー生地部分がほぼ円形、楕円形、三日月形、又は多角形の断面形状を有する塊を形成し、前記第2のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分を実質的に包む、請求項9に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項13】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円形又は長方形の平らな形状であり、前記第2のベーカリー生地部分が前記縁と接触している連続帯状体を形成し、例えば、ピザ生地の形態において、前記第1のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の中心部分を形成し、前記第2のベーカリー生地部分が前記ピザ生地の外周を形成する、請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項14】
前記第1のベーカリー生地部分が実質的に円柱形断面形状を有し、前記第2のベーカリー生地部分が第1のベーカリー生地部分を覆い、任意選択で前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分内に包まれたフィリングを含み、前記フィリングが、肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せを含む、請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項15】
膨張剤を含み、焼成前に発酵を要する第3のベーカリー生地部分をさらに含み、前記第3のベーカリー生地部分が、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分と接触しているときに前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分との混和性を阻害又は防止するのに十分粘性があり、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示すような特性を有し、前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の少なくとも一部を囲むように並べられて、前記第1のベーカリー生地部分、前記第2のベーカリー生地部分及び前記第3のベーカリー生地部分の同時焼成のための未焼成の構造を形成して最終的な焼成された生地製品を得る、請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項16】
(a)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、前記第2のベーカリー生地部分よりも軟らかく及び柔らかくなるように配合される、
(b)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を可能にするように配合され、一方、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成及びマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合される、又は
(c)前記生地製品が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンの形態であり、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分がパン生地であり、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合される、又は
(d)前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分が、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含む、
請求項12に記載の最終的な焼成された生地製品。
【請求項17】
焼成され、次いでマイクロ波再加熱に供されるベーカリー生地製品における、マイクロ波加熱に異なる反応を示す前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分の使用であって、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分が、焼成された生地製品のマイクロ波加熱に対する反応の改善をもたらすようにターゲティング及び配置されて、かかるターゲティング及び配置された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分を利用していない生地製品と比べて均一な官能特性を有する、摂取するための焼成及び再加熱された生地製品を得る、使用。
【請求項18】
前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分の両方が、膨張剤を含み、焼成前に発酵され、焼成された生地製品が、電子レンジで加熱された後、焼成された前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分のマイクロ波加熱に対する反応に違いがあるにもかかわらず均一な食感を有し、任意選択で前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分内に包まれたフィリングを含み、前記フィリングが、肉、チキン、魚、デンプン、野菜、ナッツ、乳製品、ソース、香辛料、又はその組合せを含む、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分と比べてマイクロ波再加熱に異なる反応を示す第3のベーカリー生地部分をさらに含み、前記第3のベーカリー生地部分が前記第1のベーカリー生地部分と前記第2のベーカリー生地部分の少なくとも一部を囲むように並べられて、前記第1のベーカリー生地部分、前記第2のベーカリー生地部分及び前記第3のベーカリー生地部分の同時焼成のための未焼成の構造を形成して、最終的な焼成された生地製品を得る、請求項17に記載の使用。
【請求項20】
(a)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後、前記第2のベーカリー生地部分よりも軟らかくなるように配合される、又は
(b)前記第1のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にガミーにならずに水分移動を受容するように配合され、一方、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後に硬化すること及び固くなることを防ぐように配合される、又は
(c)前記生地製品が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストのないパンの形態であり、前記第1のベーカリー生地部分及び前記第2のベーカリー生地部分がパン生地であり、前記第2のベーカリー生地部分が、焼成されマイクロ波再加熱に供された後にクラストを形成しないように配合される、又は
(d)前記第1のベーカリー生地部分又は前記第2のベーカリー生地部分が、他方のベーカリー生地部分に含まれていない穀粉、穀粒、矯味矯臭剤、着色剤、食感付与剤、繊維、及び栄養添加剤の1種又は複数を含む、請求項17に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【公表番号】特表2013−514063(P2013−514063A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543546(P2012−543546)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066059
【国際公開番号】WO2011/072925
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066059
【国際公開番号】WO2011/072925
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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