マイクロ波検出器及びその調整方法
【課題】 簡単な構成で、精度が良好なマイクロ波検出器を提供すること。
【解決手段】 ダブルヘテロダイン方式により検波を行う受信部2の出力は、A/D変換器内蔵のマイコン3に入力され、マイクロ波の受信の有無およびレベルの強さ判定は、マイコン3で行われる。具体的には、受信部2内の中間周波IC13から出力される検波出力信号(DET)および検波強度出力信号(RSSI)を直接または簡単なLPFを介してマイコン3に入力し、マイコン3に内蔵されているA/D変換器によりデジタル値に変換される。受信部2内の第2局部発振器10は、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなり、マイコン3に内蔵されているD/A変換器から直接コントロールする。こうすることにより、受信信号検出回路、掃引電圧発生回路等の回路が必要なくなり、非常に簡単な構成で、マイクロ波検出器が実現できる。
【解決手段】 ダブルヘテロダイン方式により検波を行う受信部2の出力は、A/D変換器内蔵のマイコン3に入力され、マイクロ波の受信の有無およびレベルの強さ判定は、マイコン3で行われる。具体的には、受信部2内の中間周波IC13から出力される検波出力信号(DET)および検波強度出力信号(RSSI)を直接または簡単なLPFを介してマイコン3に入力し、マイコン3に内蔵されているA/D変換器によりデジタル値に変換される。受信部2内の第2局部発振器10は、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなり、マイコン3に内蔵されているD/A変換器から直接コントロールする。こうすることにより、受信信号検出回路、掃引電圧発生回路等の回路が必要なくなり、非常に簡単な構成で、マイクロ波検出器が実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波検出器及びその調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両速度測定装置から発射されたマイクロ波を検波し、その車両速度測定装置の存在を報知するマイクロ波検出器が知られている。一般的にこのようなマイクロ波検出器では、アンテナで取り込んだマイクロ波から検出対象のマイクロ波を検出するための各種のヘテロダイン方式の受信系が採用されている。
【0003】
受信系にヘテロダイン構造を備えたマイクロ波検出器は、アンテナの出力(受信信号)と局部発振器の出力をミキサで混合し、その混合して得られた中間周波信号を適宜増幅後、信号処理することで検出対象のマイクロ波は所定の信号となるように構成されている。
【0004】
つまり、周波数混合されて得られ、中間周波数増幅器にて所望帯域の信号を増幅して得られる中間周波は、目的とする周波数のマイクロ波を受信していない時は、微小ノイズ波形となり、目的とする周波数のマイクロ波を受信した時は、ピーク波形が出る。
【0005】
従って、そのピーク波形を検出器で検出し、所定の閾値で2値化してパルス波形を生成すると、検出対象のマイクロ波を受信した時のみパルスが出力するので、それに基づいて検出できる。また、逆にノイズが飽和するほど大きな増幅率を持つ増幅器で増幅するとノイズ成分は高周波で正負が交互に現れるが、検出対象のマイクロ波を受信しているときは正または負に飽和したままの状態が続くので、所定幅のパルスが出力される。この種のヘテロダイン方式の受信型を用いたマイクロ波検出器としては、たとえは、特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−291978
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、通常局部発振器の発振周波数は、検出対象のマイクロ波が存在する周波数帯域を繰り返し掃引するので、検出対象のマイクロ波が1つ存在する場合には、中間周波数信号は、所望の間隔で2つのピークが出力される。そこで、その間隔が一定の間隔になっているか否かにより検出対象の真のマイクロ波で有るか否かを判断する手法がある。
【0008】
また、検出対象のマイクロ波の真偽の判定を正確にするために、受信したマイクロ波の検出特性(Sカーブ特性)が正確に再現された信号をマイコンに入力しようとすると、S字波形の周波数の2倍以上の速度の信号をマイコンに入力しなくてはならないため、回路への負荷が大きすぎるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係るマイクロ波検出器は、(1)アンテナの出力を、繰り返し掃引する局部発振器の出力と混合して得られた信号に基づいてマイクロ波を検出するヘテロダイン方式の受信手段と、前記受信手段の検波出力信号をA/D変換器内蔵のマイコンに直接取り込み、デジタル値に変換する変換手段と、前記変換手段でデジタル値に変換された検波出力信号に基づいて検出対象のマイクロ波の受信を検知する検知手段と、前記局部発振器の掃引を前記マイコンに内蔵されたD/A変換器から直接制御する掃引制御手段を備えた。局部発振器は、実施形態では掃引する第2局部発振器に対応する。掃引は、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)で、マイコンに内蔵されているD/A変換器から直接コントロールする。こうすることにより、受信信号検出回路、掃引電圧発生回路等の回路が必要なくなり、非常に簡単な構成で、マイクロ波検出器が実現できる。
【0010】
(2)前記掃引制御手段は、前記局部発振器に入力する掃引電圧を前記マイコンのプログラムで決定された掃引パターンに従って変化させるものとするとよい。マイコンのプログラムによる処理(ソフト処理)のため、掃引パターンを所望の形にすることが容易に行え、より適切な判断をすることができる。また、ソフト処理で掃引を制御することで、コストダウンを図れる。
【0011】
(3)前記掃引パターンは、設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り替えするものであり、前記一時停止期間中は、前記受信手段の動作も停止するようにするとよい。一時停止期間で受信手段の動作を停止することで、消費電力の削減がはかれる。
【0012】
(4)前記局部発振器の掃引電圧をマイクロ波検出のための可変範囲外の電圧で一定期間動作させて取得した検波出力信号の振幅レベルを基準値とし、その基準値と可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルを比較し、前記可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルが大きい場合に検出対象のマイクロ波を検知したと判断するようにするとよい。ここで、「大きいとき」とは、基準値に対し一定の閾値を設定しても良い。可変範囲外の電圧に基づく検波出力信号の振幅レベルを求めることで、マイクロ波を受信していないときの出力信号となり、ノイズ等に基づく装置の特性が影響する基準値が得られる。そして、その基準値と比較することで、装置間でのばらつきがない、精度のよいマイクロ波検出器が得られる。
【0013】
(5)前記局部発振器の掃引電圧を低い電圧から高い電圧へ掃引するとよい。こうすることにより、電源OFF時から掃引電圧を高い電圧にした時に生じる誤検波(全電圧を走査してしまうため)を防ぐことができる。
【0014】
(6)前記掃引制御手段は、前記局部発振器が設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り返すように制御するものであり、前記動作期間の掃引は、前記一時停止期間の電圧値に近い側から離れた側まで掃引するようにしてもよい。一時停止期間が、電源OFF(0V)とした場合、動作期間の掃引は、一時停止期間の電圧値に近い側からの掃引となるので、比較電圧から高い電圧へ掃引することになる。
【0015】
(7)前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、前記局部発振器の掃引時間を通常掃引時間よりも短く設定し、前記検知手段によりマイクロ波を検知したと判断した時、掃引時間を通常掃引時間に戻す制御を行い、かつ、前記検知手段によるマイクロ波の検知前の検知感度は、前記通常掃引時間における検知感度よりも敏感に設定するようにした。検知感度を敏感に設定することで、ノイズらしい信号も検知しやすくなるが、短い掃引時間にしても少なくとも検出対象のマイクロ波が存在している場合には、それを確実に受信・検知することができる。そして、マイクロ波を検知するまでは掃引時間を短く設定することで、通常時は、短い掃引時間で動作しており、検波した時のみ長い掃引時間になるため、消費電流のさらなる削減が見込め、低消費電力化が図れる。また、ノイズらしい信号に基づく検知の弊害は、その後に行う通常掃引に基づく通常の(正規の)受信可否の判断で解消できる。
【0016】
(8)(7)の発明を前提とし、前記マイクロ波の検知前の掃引時間は、正常にマイクロ波を検波できる掃引時間よりも短い設定とし、前記通常掃引時間で掃引中に前記検知手段がマイクロ波を検知したことを条件に警報を発するようにするとよい。実際の警報は、通常掃引時間の掃引に基づいて行うことで、短い掃引時間時にノイズ信号等に基づいて誤判断した場合に、誤警報が発するのが抑止できる。
【0017】
(9)前記受信手段からの出力が、前記検波出力信号と、強度出力信号であり、前記検知手段でマイクロ波を検知した場合、前記強度出力信号の大きさに応じた警報音を警報手段から出力させる警報制御手段を備え、前記マイコンがA/D変換器を1個のみ内蔵し、前記検知出力信号と前記強度出力信号は、切り替え手段を介していずれか一方がA/D変換器を介してマイコン内部に取り込まれるようにし、前記切り替え手段は、前記マイクロ波の検知するまで前記検波出力信号を前記A/D変換器へ入力し、前記マイクロ波を検知した場合、前記掃引中に前記検波出力信号と前記強度出力信号が交互に前記A/D変換器に入力するように動作し、前記警報制御手段は、前記検波出力信号のみが前記A/D変換器へ入力されている際に前記検知手段でマイクロ波を受信したと判断した場合、前記検波出力信号の振幅の大きさに基づいて警報音を鳴らし、次の掃引時間に前記強度出力信号を取得してその大きさに応じた警報音を鳴らすものとするとよい。A/D変換器が1個の廉価なマイコンでもマイクロ波を検知するとともに、適切な警報音で放置することができる。
【0018】
(10)前記掃引制御手段は、前記局部発振器の掃引を2回に分けて行い、1回目の掃引は可変電圧範囲の一方から中間電位まで行い、2回目の掃引は可変電圧範囲の他方から中間電位まで行い、2回の掃引で可変電圧の全範囲をカバーするとよい。例えば1回目の掃引は可変電圧範囲の高い方(低い)から中間電位まで行い、2回目の掃引は可変電圧範囲の低い方(高い方)から中間電位まで行って、2回の掃引で可変電圧範囲をカバーするようにする。マイクロ波が基準の周波数で入力した場合、中間電位より±10.7MHz離れたところに相当する電圧値で検波されるので、1回目および2回目のどちらの掃引でも検波することが可能となる。こうすることにより掃引時間を半分に短縮することができる。消費電力は掃引時間に依存するので、電力削減が実現できる。
【0019】
(11)上記の(10)の発明を前提とし、前記1回目あるいは2回目の掃引で検知手段がマイクロ波の受信を検知した場合、前記掃引制御手段は、可変電圧の全範囲を1回で掃引するとよい。これにより、全区間の掃引に基づいて精度のよい判定を行うことができる。この場合の警報は、半分の掃引範囲に基づいて検出した場合に、すぐに報知しても良いし、全区間の掃引に基づく判定を待って報知をしても良い。
【0020】
(12)前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、設定された基本パターンで掃引を繰り返し行い、掃引中にマイクロ波が検知された場合には、その基本パターンと反対のパターンで掃引を行う制御を行い、
前記検知手段は、前記基本パターンの掃引時に取得した検波出力信号と、前記反対のパターンで掃引時に取得した検波出力信号から検出対象のマイクロ波の受信か否かを判断することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【0021】
(13)前記掃引制御手段は、1回の掃引中に時間経過に対する掃引電圧の変化率を異ならせた区間を設けるとよい。(14)この場合に、基準周波数近辺の変化率が低く、基準周波数から離れた区間での変化率が高くなるようにするとよい。変化率が低いと、精度がよいが掃引時間が長くなるため消費電力は高くなる。そこで、基準周波数近辺では、高精度な検出を行い、それ以外の区間では、消費電力の削減を図ることができる。
【0022】
(15)本発明のマイクロ波検出器の調整方法は、基準周波数のマイクロ波を設定し、前記局部発振器を全領域掃引し、前記検波器から出力される強度出力信号を前記マイコンに取り込み前記A/D変換器で変換し、そのA/D変換したデジタル値の二つのピークに相当する掃引電圧値を求め、前記二つのピークに相当する掃引電圧値から掃引電圧の下限値および上限値を求め、前記下限値および上限値を前記マイコン内蔵のメモリ部もしくは外部メモリに記録するようにした。また、係る調整方法を実行する機能を上記のマイクロ波検出器に備えても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、A/D変換器とD/A変換器が内蔵されたマイコンを使用し、検波出力を直接マイコンに取り込み、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)の電圧をマイコンから直接制御するため、周辺の回路が不要になり、小型化、コスト削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るマイクロ波検出器の好適な実施形態を示すブロック回路図である。
【図2】本発明に係るマイクロ波検出器の他の実施形態を示すブロック回路図である。
【図3】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなる第2局部発振器の掃引電圧の一例を示す波形図である。(b)、(c)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、検波回路から出力される検波信号(DET)および検波強度信号(RSSI)の波形図であり、交互にサンプリングすることを説明するための図である。
【図4】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、掃引電圧の一例を示す図で、1回目と2回目が短い掃引で、3回目が通常時間での掃引を示す図である。(b)は検波回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目の掃引時が検波なしのレベル、2回目の掃引時が検波ありのレベルで、3回目の掃引時に正確な判別を行うことを説明する図である。
【図5】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第2の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図である。(b)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第2の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目の掃引では未検出と判断し、2回目の掃引では検知ありと判断したことを説明するための図である。
【図6】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第2の実施形態において、掃引電圧の一例を示す図である。(b)、(c)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、検波回路から出力される検波信号(DET)および検波強度信号(RSSI)の波形図であり、受信ありと判断するまでは検波信号(DET)のみマイコンでA/D変換し、検波した時のみ検波信号(DET)と検波強度信号(RSSI)を交互にマイコンに取り込むことを説明するための図である。
【図7】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第3の実施形態において、掃引電圧の掃引方法の他の実施例を示す図である。(b)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第3の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目の掃引では未検知と判断し、2回目の掃引では検知ありと判断したことを説明するための図である。
【図8】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第4の実施形態において、掃引電圧の掃引方法の他の実施例を示す図である。(b)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第4の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目と2回目の掃引では未検知と判断し、3回目の掃引で検知したと判断し、4回目の掃引が通常掃引になることを説明するための図である。(c)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第4の実施形態において、検波強度信号(RSSI)の出力波形を示す図であり、4回目の掃引でマイコンにデータを取り込むことを説明するための図である。
【図9】本発明に係るマイクロ波検出器の第5の実施形態を説明する図である。
【図10】掃引パターンの変形例を示す図である。
【図11】本発明に係るマイクロ波検出器の調整方法の好適な実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るマイクロ波検出器の好適な第1の実施形態を示している。図1に示すように、マイクロ波検出器1は、マイクロ波を受信する受信部2と、受信部2の後段に接続されたマイコン3を備えている。マイコン3は、受信部2から出力される信号に基づいて、検出対象のマイクロ波を受信しているか否かを判断する。
【0026】
受信部2は、ダブルヘテロダイン方式によって構成される。すなわち、受信部2は、入力側に、マイクロ波を補足するホーンアンテナ6と、第1局部発振器7と、それらホーンアンテナ6で捕捉したマイクロ波の受信信号と第1局部発振器7の出力とを周波数混合する第1混合器8を備える。この第1混合器8の後段に、第1中間周波回路9が接続される。この第1中間周波回路9は、第1混合器8から出力された信号の中から、所定の中間周波を抽出するとともに増幅する。さらに、その第1中間周波回路9の出力と第2局部発振器10の出力を第2混合器11で周波数混合する。第2混合器11の出力は、第2中間周波回路12に入力し、その第2中間周波回路12にて所定の中間周波を抽出するとともに増幅する。これら第1中間周波回路9や第2中間周波回路12はそれぞれバンドパスフィルタやアンプ等によって構成できる。
【0027】
さらに、第2中間周波回路12の出力を検波器13に与える。そして、検波器13は、所定周波数の信号が受信された場合に、それを検波し、出力する。この検波器13で検波される所定周波数は、検出対象のマイクロ波が受信された時に第2中間周波回路12から出力される信号の周波数に合わせてある。
【0028】
従って、検出対象のマイクロ波が受信された時には、検出器13の出力(検波信号出力DETおよび受信信号強度出力RSSI)は大きくなる。また、係るマイクロ波が受信されない時には、検波器13の出力はノイズ出力となり、小刻みに変動する。
【0029】
また、第2局部発振器10は、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなり、その発振周波数は、マイコン3に内蔵されているD/A変換器16から出力されるアナログ信号に応じた周波数となる。後述するように、マイコン3に内蔵されているD/A変換器16から出力され、ローパスフィルタ18を通して供給される掃引電圧は、所定電圧範囲で繰り返し掃引される。従って、第2局部発振器10の発振周波数も、所定の周波数範囲で繰り返し掃引することになり、その掃引電圧範囲に対応するマイクロ波が受信されると、検波器13から検波信号が出力される。
【0030】
なお、本実施形態では、第1局部発振器7は一定とするが、第1局部発振器7を掃引して第2局部発振器10の出力を固定周波数で発振させても良い。また、上記した受信部2の基本的な構成は従来のものと同様であるので、各処理回路、素子の詳細な説明は省略する。一方、受信部2の出力(DET,RSSI)は、それぞれがローパスフィルタ14a、ローパスフィルタLPF14bによりノイズ成分が除去され、マイコン3に入力される。マイコン3に内蔵されているA/D変換器15が1個のみの場合は、図3に示すようにソフト処理によりスイッチ17を交互に切り替えて検波信号(DET)と強度出力信号(RSSI)が交互に取り込まれ、デジタル値に変換される。マイコン3は検波信号(DET)を監視し、掃引中に所定周波数のマイクロ波の受信信号があったか否かを弁別する。
【0031】
もちろん、図2に示すように、マイコン3に内蔵されているA/D変換器が2個ある場合は、検波信号(DET)および強度出力信号(RSSI)をそれぞれ独立にA/D変換器に取り込んでも良い。
【0032】
検波信号(DET)は、検波するとS字波形となり、DET信号の振幅が大きくなるため、この振幅がある閾値以上になったら検波したと判断し、警報回路4に受信したことを知らせ、警報ブザー5を鳴らすようにする。検波の強さはRSSI信号の大きさで判断し、その大きさに応じてブザー音を変える(RSSI信号が大きいほど、ブザー音も大きくなる)ようにする。なお、警報手段は音に限らず、LEDの点灯またはパネル表示等の方法でも実現できる。
【0033】
マイコン3による第2局部発振器10の出力の制御は、以下のようにしている。まず図3に示すように、マイコン3は、第2局部発振器10の出力が間欠的に掃引動作するように制御する。すなわち、1回掃引したらならば、第2局部発振器10の出力を一定期間0にして一時停止する。この一時停止時には、受信型の電源をOFFにする。これにより、一時停止中は電力消費を抑えることができるので、繰り返し連続して掃引する場合に比べて、省エネ効果を発揮する。一時停止する期間が長いほど省エネ効果は高くなる。
【0034】
本実施形態のマイクロ波検出器1は、掃引電圧をマイコン3で制御するので、掃引時間は自由に設定することができる。そして、掃引時間は短い方が消費電力は少なくて済む点で好ましいが、検波の感度が落ちてしまう。また、検出対象のマイクロ波は、車両の移動中に常時検出するわけではなく、車両が特定の位置に至ったときに検出される。そして、車両の全走行区間に対する当該マイクロ波を検出する区間はきわめて短くなることが多い。そのため、当該マイクロ波を検出する区間では、1回の掃引時間を長くして検波の感度を高くし確実に検出することが望ましいが、全ての走行区間に渡り、係る長い掃引時間で掃引すると、もともと検出対象のマイクロ波が存在しない多くの区間でも消費電力がかかる長い掃引時間で動作してしまい、無駄に電力を消費するので好ましくない。
【0035】
そこで、本実施形態では、検出対象のマイクロ波が存在しない区間では掃引時間を短くして省エネで動作させ、検出対象のマイクロ波が存在する区間では掃引時間を長くして確実にマイクロ波を検出できるようにした。係る掃引時間の切替をマイクロ波の受信状態に応じて行うべく、マイコン3は、図4に示すように、マイクロ波を検出する前は、掃引時間を短くするとともに(図4(a))、検出対象のマイクロ波を検波したと判断するDET信号の振幅に対する閾値を低めに設定する。これにより、検知感度が敏感になり、掃引時間が短くなっても、検出対象のマイクロ波を受信した際には検波できるようにしている。
【0036】
そして、上記の条件(短い掃引時間+低い閾値)でマイクロ波を検知したと判断した場合には、通常の掃引期間(長い掃引時間)に戻すとともに、DET信号の振幅に対する閾値も通常(高め)に戻し、検出対象のマイクロ波の受信信号であったか否かを弁別することにより、検波の精度を落とすことなく、低消費電力化が図れる。すなわち、閾値を低く設定したことにともないノイズ等の検出対象のマイクロ波の受信以外でも検波してしまう可能性はあるが、通常の条件(長い掃引時間+高めの閾値)で最終判断することで、誤検出することなく検出対象のマイクロ波の受信を検出できる。そして、多くの区間では、短い掃引時間で動作するので、電力消費を抑えることができる。
【0037】
図5は、第2の実施形態を示している。マイコン3が制御する掃引パターンと、マイクロ波の検知の有無の判断基準となる閾値の切替制御を異ならせている。ノイズ量は素子によって違うため、閾値近辺の振幅のマイクロ波が入力された場合、製品によって検知したり検知しなかったりする現象が生じる可能性がある。そこで、マイコン3は、無信号時のDET信号の振幅と、掃引時に検出されたDET信号の振幅を比較し、その差から、マイクロ波の受信信号か否かを判断する。具体的には、掃引時に検出されたDET信号の振幅が、無信号時のDET信号の振幅よりも大きい場合にマイクロ波の受信信号と判断する。この場合に、掃引時に検出されたDET信号の振幅が、無信号時のDET信号の振幅よりも一定の基準以上大きい場合のように、所定のマージンを設けることは妨げない。
【0038】
無信号時のDET信号の振幅の取得をするため、本実施形態では、まずマイコン3は、第2局部発振器10の掃引電圧を可変範囲外の電圧で一定期間動作させ、その期間のDET信号の振幅を取得する。このとき取得した振幅を無信号時のDET信号の振幅とし、当該期間の終了後に行う掃引時のDET信号の振幅と比較する基準値とする。具体的には、たとえば図5に示すように、電圧制御型可変周波数発振器である第2局部発振器10の可変可能な電圧が0V〜3.0Vとし、掃引電圧範囲が0.5V〜2.5Vとする。係る条件において、まずマイコン3により掃引電圧を3.0Vに設定し、ある一定期間ホールドする。この電圧に相当する周波数は掃引範囲外なので、無信号時に相当するDET信号が出力される。マイコン3は、この期間のDET信号の振幅(Vpp(off))を読みとり、比較基準値として記憶する。
【0039】
次にマイコン3は、掃引電圧を2.5Vに設定し、0.5Vまで掃引させる。マイコン3は、この掃引期間のDET信号の振幅(Vpp(sweep))を読みとる。掃引期間にマイクロ波の受信がなければ、無信号時に相当するDET信号が出力されるので、Vpp(off)のレベルとほぼ等しい。マイクロ波の受信があれば、S字特性の出力となり、Vpp(sweep)>Vpp(off)の関係になる。そこで、Vpp(sweep)−Vpp(off)の値がある閾値(α)よりも大きければマイクロ波を受信したと判断する。こうすることにより、素子のバラツキによるノイズ量の違いはVpp(off)に現れてくるので、製品間の検出精度のバラツキを吸収することができる。
【0040】
この第2の実施形態に示した検出アルゴリズムを、廉価版のマイコン3で実現するためには、以下のようにすることができる。一般に廉価版のマイコンに内蔵されているA/D変換器は1個で、入力ポートが複数ピン用意されており、ソフト処理で入力を切り替えて使用する(図1参照)。そして、ソフト処理は、簡単な方が負荷は軽くて済む。
【0041】
そこで、図6に示すように、マイクロ波を検出していない通常動作時では、掃引期間に受信部2から出力される2つの信号(DET,RSSI)のうちのDET信号のみをA/D変換するようにする。そして、マイコン3は、係るDET信号に基づき、マイクロ波の受信信号だと判断した時、すなわち、Vpp(sweep)−Vpp(off)が検知レベル閾値α以上になった場合(図6では、3回目の掃引時)に、マイコン3は、DET信号とRSSI信号を交互にA/D変換するように切り替え制御をする。
【0042】
また、上述したように、検出対象のマイクロ波を受信したと検知した場合、警報ブザー5からブザー音が出力されるが、そのときの大きさはRSSI信号の大きさに応じて変えるようにしている。しかし、上記のように通常動作時ではDET信号のみをマイコン3に取り込むようにした場合、DET信号の振幅に基づき最初に受信したと判断した時の掃引期間はRSSI信号をA/D変換していないため、RSSI信号に基づくブザー音の音量の決定ができない。そこで、この時のブザー音は、DET信号の振幅、すなわちVpp(sweep)の大きさに基づいて決定する。マイクロ波の強度が強い(RSSI信号が大きい)ほどS字特性が強く現れる(Vpp(sweep)の値が大きくなる)ので、Vpp(sweep)に基づいてブザー音を決定しても問題はない。
なお、その他の構成並びに作用効果は、上記の第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0043】
上述した各実施形態では、マイコン3が第2局部発振器10に与える掃引電圧を、高い電圧(高い周波数)から低い電圧(低い周波数)に掃引するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、これとは逆に低い電圧(低い周波数)から高い電圧(高い周波数)に掃引してもよい。また、上述した各実施形態では、掃引電圧の変化率を一定に行うようにしたが、掃引期間の途中で変化率を変えてもよい。このように掃引電圧のパターンを変更することで、以下に説明するように各種のより良い効果を発揮する。
【0044】
図7は、第3の実施形態を示している。本実施形態では、マイコン3が第2局部発振器10に与える掃引電圧として、低い電圧から高い電圧に上昇するようにした。そして、本実施形態でも、間欠動作をさせて、1回の掃引期間と次の掃引期間との間に一時停止期間を設けるので、掃引開始時の第2局部発振器10への入力電圧(VCO電圧)は0Vから開始する。そこで、掃引開始に先立ち、掃引電圧が0V(或いはマイクロ波検出のための掃引電圧の下限値である0.5V未満で、0Vに近い電圧)の状態を一定期間ホールドする。このときのDET信号の振幅は、第2の実施形態における無信号時に相当するDET信号となる。そこで、マイコン3は、この期間のDET信号の振幅(Vpp(off))を読みとり、比較基準値として記憶する。そして、マイコン3は、掃引電圧を0.5Vに設定し、2.5Vまで掃引させる。マイコン3は、この掃引期間のDET信号の振幅(Vpp(sweep))を読みとる。掃引期間にマイクロ波の受信がなければ、無信号時に相当するDET信号が出力されるので、Vpp(off)のレベルとほぼ等しい。マイクロ波の受信があれば、S字特性の出力となり、Vpp(sweep)>Vpp(off)の関係になる。そこで、Vpp(sweep)−Vpp(off)の値がある閾値(α)よりも大きければマイクロ波を受信したと判断する。
【0045】
すなわち、第2の実施形態のように、掃引を高い電圧から低い電圧へ行う方式では、一旦、第2局部発振器10への入力電圧を、0V(電源OFF状態)から3Vへ遷移させる必要がある。そのとき、瞬間的ではあるが、0Vから3Vに上昇することから、結果として全電圧(全周波数)を走査してしまう。従って、図8に示すように、瞬間にDET信号が応答してしまい、可変範囲外(3V)で計測する検波出力信号の振幅レベル(Vpp(of))の値に影響してしまう。例えば、図に示すように検波対象のマイクロ波が入力した場合、(b)DET信号はS次特性を現す。この時、0Vから3Vに遷移させた瞬間も検波電圧を通過してしまうので、(b)DET信号が応答してしまい、OFF時と比べてVpp(off)の値が大きくなる。この影響を受けないようにするには、3V一定期間を長めに設定して、計測期間をずらすという方法が考えられるが、3V一定期間を延ばした分、電源ON期間が増えたことになり、消費電流の増加につながる。
【0046】
これに対し、本実施形態のように掃引方法を、低い電圧から高い電圧に掃引することにより、係る問題は生じない。すなわち、電源をONさせてからある一定期間0Vをホールドする。この電圧に相当する周波数は、掃引範囲外なので、無信号時に相当するDET信号が出力される。この掃引電圧は電源ONしてから、変化させていない(0.5Vから2.5Vの掃引電圧の範囲が加わらない)ため、純粋な無信号時のDET信号が出力される。
【0047】
これから得られた計測値(Vpp(off))は、高い電圧から低い電圧に掃引する方法に比べて精度が高い。次に掃引電圧を掃引範囲の下限値である0.5Vに遷移させ、ある一定の傾きで掃引電圧の上限値である2.5Vまで掃引させる。掃引が終了したら、電源をOFFする。
【0048】
また、掃引電圧を2.5Vから0Vに戻す際に、瞬間的ではあるが掃引電圧の範囲内を再度通過する。しかし、その時にはすでに受信系の電源がOFFになっているので、仮に2.5Vから0Vに遷移した時にDET信号が反応したとしても、データとしては使用しないので問題ない。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記の第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0049】
図8は、本発明の第4の実施形態を示している。本実施形態の検波器13は、10.7MHzの信号を検出するようになっている。第2局部発振器10に入力する掃引電圧が0.5Vから2.5Vの全区間を掃引すると、基準のマイクロ波が入力した時、検波器13の入力周波数が10.7MHzを一度通過してゼロになり、再び10.7MHzを通過するので、検波器13からは時間軸上で左右対称なパルス波からなる検波信号(DET)が出力される。基本的にどちらか一方の検波ができればマイクロ波を受信したかどうかの判断ができるので、掃引区間を通常の全範囲を2つに分け、1回目の掃引は高い電圧(高い周波数)から中間の電圧(可変範囲の中間周波数)まで掃引(2.5Vから1.5Vまで掃引)し、2回目の掃引は低い電圧(低い周波数)から中間の電圧(可変範囲の中間周波数)まで掃引(0.5Vから1.5Vまで掃引)する。そして、それぞれの掃引の間は、一定期間動作を停止する。
【0050】
これにより、マイクロ波が入力した時、どちらの掃引の時でも検波することができるので、時間遅れもなく警報ができ、掃引時間を半分に削減することができるため、消費電力を減らすことができる。
【0051】
但し、このように半分の区間により片方の検波出力に基づく判断よりも、全区間を掃引することで得られるS字カーブ(2つのパルス波)の検波出力に基づいて判断する方が、検出対象のマイクロ波を受信したか否かの正確な判断を行える。そこで、係る半分の掃引区間による処理は、マイクロ波が検出されるまで繰り返し行い、どちらかの掃引で検波したら、その次の掃引は通常の全区間の掃引に戻して、正確な検波出力を得ることで、先に検出したマイクロ波が検出対象のものであったか否か正確な判断を行うようにするようにしても良い。このように最終判断を全区間掃引に基づいて行う機能を付加することで、性能を落とさずに低消費電力化が図れる。
【0052】
図8では、1回目と2回目の掃引では未検知と判断し、3回目の掃引で検知したと判断したため4回目以降では、通常の全区間の掃引に切り替え、マイクロ波検出の判断を行う。また、図8(c)に示すように、マイコン3は、半分の区間の掃引による簡易なマイクロ波検出処理の際には、検波強度信号(RSSI)の取り込みを行わず(図1に示すスイッチ17は、DET信号側に接続しづける)、全区間掃引の際に、スイッチ17を交互に切り替えて検波強度信号(RSSI)の取り込みを行い、取得した検波強度信号の大きさで警報音のレベルを決定する。なお、図2に示すように、DET信号とRSSI信号に対し、それぞれA/D変換器15a,15bを設けた装置の場合、全区間の掃引を行っているときのみ、RSSI信号の大きさを求めるようにしてもよい。
【0053】
図9は、本発明の第5の実施形態を示している。本実施形態では、マイコン3は、第2局部発振器10に対し、マイクロ波の検出前は、0Vで一定期間保持した後0.5Vから2.5Vまで上昇させる掃引パターンを、一時停止期間を挿入しながら繰り返し行う。そして、マイコン3は、上記の各実施形態と同様に、0Vで保持した期間のDET信号の振幅(Vpp(off))を読みとり、比較基準値として記憶し、0.5Vから2.5Vまで掃引された期間のDET信号の振幅(Vpp(sweep))を読みとるとともに、上記の比較基準値との差が閾値α以上か否かを判断する。閾値以上の場合、暫定的にマイクロ波を検知したと判断する。そして、閾値未満の場合(マイクロ波未検知)には、一定期間の一時停止期間経過後、上記の掃引を行う。
【0054】
一方、0.5Vから2.5Vまで掃引された期間のDET信号の振幅(Vpp1(sweep))と比較基準値(Vpp(off))との差が、閾値以上になった場合、マイコン3は、第2局部発振器10に入力する掃引電圧を2.5Vから0.5Vに徐々に低下させる反対の掃引パターンとなるように制御する。その時、1stLOの発振をOFFして、検波信号が出力されないような制御を行う。そして、この反対の掃引パターンの期間のDET信号の振幅(Vpp2(sweep))を取得し、最初の掃引時に得られたDET信号の振幅(Vpp1(sweep))と比較する。
【0055】
マイコン3は、その比較結果が、
Vpp1(sweep)>Vpp2(sweep)
であればマイクロ波を検知したと正式な判断をし、
Vpp1(sweep)≒Vpp2(seep)
暫定的なマイクロ波の検知との判断は、誤検知であったと正式な判断をする。
【0056】
この場合の警報であるが、暫定的マイクロ波の検知後すぐに正式な判断ができるので、正式なマイクロ波の検知の判断を待って行うと良い。また、この実施形態では、0Vにホールドして比較基準値を求め、それと比較するようにしたが、必ずしも係る比較基準を求める必要はなく、最初から全区間での掃引を行うようにしても良い。また、時間経過に伴い掃引電圧を増加させるのではなく、逆に減少させるようにしても良い。
【0057】
上述したように、各実施形態では、マイコン3で直接、第2局部発振器10へ入力する掃引電圧の掃引パターンを作るので、いろんなパターンが作れる。つまり、通常の掃引パターンは、傾き一定の同一パターンの繰り返しであったが、上記のように、検出状況等に応じて異なる掃引パターンに変更することができる。掃引パターンとしては、上述したものに限ることはなく、各種のパターンを採用できる。そして、上記の各実施形態では、マイクロ波の検知状況に応じてパターンを変更したが、いずれも、個々の掃引では、掃引電圧の増加あるいは減少させる際の変化率(傾き)を一定としていたが、異ならせても良い。たとえば、図10に示すように掃引開始付近の期間と、掃引終了付近の変化率(傾き)を大きくして感度を低くし、その中間の基準周波数近辺の変化率(傾き)を小さくして感度を高くする。これにより、掃引期間の開始/終了付近では、掃引時間が短くなり省エネ効果が発揮され、マイクロ波の検波出力が出現しやすい中間期間では感度を高くしているので、掃引期間全体での性能はさほど落とすことなく、消費電力の削減を図ることができる。図示した例では、全掃引期間を3つの区間に分けて変化率を異ならせるようにしたが、さらに多くの区間に分けても良いし、連続的に変化率を変えるようにしても良い。その場合に、基準周波数近辺の感度を高くして、離れるほど感度を低めなるようにするとよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、警報手段として警報ブザー5による聴覚に訴えるものを用いたが、本発明はこれに限ることはなく、表示装置やLEDなどの視覚に訴えるものでも良く、それらを併用しても良い。そして、検出対象のマイクロ波の受信を検知した場合、マイコン3は、警報メッセージ(テキスト、イメージ)を表示装置に描画したり、LEDを所定の色で発光したり、所定の点灯パターンで発光させたりする。また、暫定的なマイクロ波の検知をした場合にLEDを点灯し、正確な判定によりマイクロ波の検知が確定した場合に表示装置に警報を出力するようにしたり、表示装置に表示する内容を暫定的な検知と正確な検知の各停で帰るようにしたりすることもできる。
【0059】
さらに、表示装置を設けた場合、上記のようにマイクロ波の検知を報知する場合に使用することはもちろんのこと、マイクロ波のみ検知の待機状態のときに、掃引パターンを描画したり、掃引をストップさせた状態に関する情報(周波数、強度等)を示す情報(具体的な数値でもよいし、マークやグラフ、文字列等でもよい)を表示したりする機能を設けても良い。実際の車両の走行において、マイクロ波を検知するのは一部の区間であるが、それ以外の多くの区間において、係る掃引パターン等を表示装置に出力することで、動作していることを確認することができると共に、動作の内容を知ることができる。このように待機状態の時の表示は、表示装置を用いるものに限ることはなく、LED等の色や点灯パターン等で示したり、対応する情報を音声などで報知したりすることもできる。
【0060】
次に、本発明のバンド幅の調整方法について説明する。 今、受信バンドがXバンド(10.525GHz)で、バンド幅が±30MHzになるように調整するとする。 まず、Xバンドの信号(10.525GHz)をアンテナ6より入力する。
第1局部発振器7の第1ローカル周波数(1)を11.558GHzに調整したとすると、第1混合器8から出力される信号は、
11.558GHz−10.525GHz=1.033GHz
の周波数に変換される。
【0061】
第2局部発振器10から出力される第2ローカル周波数(2)は、1.033GHzを中心とした電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなり、マイコン3に内蔵されているD/A変換器16によりVCOの電圧を0Vから3Vフルに掃引させる。
【0062】
検波器13は10.7MHzの信号を検波するようになっているため、第2局部発振器10の出力周波数が1.033GHz±10.7MHzの時に、第2混合器11の出力が10.7MHzとなり、図に示す(b)DET信号および(c)RSSI信号のようになる。今、RSSI信号をマイコン3内でA/D変換して、2点のピーク点を求め、それに対応するVCO電圧値(Vmh,Vml)を調べる。VCOの電圧値と周波数が線形だとすると、
Vmh−Vmlの電圧差は周波数に換算すると10.7MHz*2=21.4MHzに相当する。このことを利用し、バンド幅を±30MHzに設定するには、次式で求めれば良い。
【0063】
掃引範囲の上限値:
Vh=(30/(10.7+10.7))・(Vmh−Vml)+Vml (V)
掃引範囲の下限値:
Vl=Vmh−(30/(10.7+10.7))・(Vmh−Vml) (V)
この値を、製品毎にメモリ等の記憶媒体に記録する。記録された値(Vh,Vl)は掃引制御に使用され、受信可能範囲(VlからVhまたはVhからVl)を掃引する動作を行う。この値を用いることにより、VCOの掃引周波数のバラツキ、および1stローカル周波数のバラツキがあっても、受信帯域を保障することができる。つまり、本発明によれば、対象バンドの 基準周波数を入力するだけで、所望のバンド幅が保障できるため、調整に関する工数を削減することが可能となる
【符号の説明】
【0064】
1 マイクロ波検出器
2 受信部
3 マイコン(判定手段、制御手段)
4 警報回路
5 警報ブザー(警報手段)
6 ホーンアンテナ(アンテナ)
7 第1局部発振器(局部発振器)
8 第1混合器(中間周波発生手段)
9 第1中間周波回路(中間周波発生手段)
10 第2局部発振器(局部発振器)
11 第2混合器(中間周波発生手段)
12 第2中間周波回路(中間周波発生手段)
13 検波器
14a 低域通過フィルタ(LPF)
14b 低域通過フィルタ(LPF)
15 A/D変換器
16 D/A変換器
17 スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波検出器及びその調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両速度測定装置から発射されたマイクロ波を検波し、その車両速度測定装置の存在を報知するマイクロ波検出器が知られている。一般的にこのようなマイクロ波検出器では、アンテナで取り込んだマイクロ波から検出対象のマイクロ波を検出するための各種のヘテロダイン方式の受信系が採用されている。
【0003】
受信系にヘテロダイン構造を備えたマイクロ波検出器は、アンテナの出力(受信信号)と局部発振器の出力をミキサで混合し、その混合して得られた中間周波信号を適宜増幅後、信号処理することで検出対象のマイクロ波は所定の信号となるように構成されている。
【0004】
つまり、周波数混合されて得られ、中間周波数増幅器にて所望帯域の信号を増幅して得られる中間周波は、目的とする周波数のマイクロ波を受信していない時は、微小ノイズ波形となり、目的とする周波数のマイクロ波を受信した時は、ピーク波形が出る。
【0005】
従って、そのピーク波形を検出器で検出し、所定の閾値で2値化してパルス波形を生成すると、検出対象のマイクロ波を受信した時のみパルスが出力するので、それに基づいて検出できる。また、逆にノイズが飽和するほど大きな増幅率を持つ増幅器で増幅するとノイズ成分は高周波で正負が交互に現れるが、検出対象のマイクロ波を受信しているときは正または負に飽和したままの状態が続くので、所定幅のパルスが出力される。この種のヘテロダイン方式の受信型を用いたマイクロ波検出器としては、たとえは、特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−291978
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、通常局部発振器の発振周波数は、検出対象のマイクロ波が存在する周波数帯域を繰り返し掃引するので、検出対象のマイクロ波が1つ存在する場合には、中間周波数信号は、所望の間隔で2つのピークが出力される。そこで、その間隔が一定の間隔になっているか否かにより検出対象の真のマイクロ波で有るか否かを判断する手法がある。
【0008】
また、検出対象のマイクロ波の真偽の判定を正確にするために、受信したマイクロ波の検出特性(Sカーブ特性)が正確に再現された信号をマイコンに入力しようとすると、S字波形の周波数の2倍以上の速度の信号をマイコンに入力しなくてはならないため、回路への負荷が大きすぎるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係るマイクロ波検出器は、(1)アンテナの出力を、繰り返し掃引する局部発振器の出力と混合して得られた信号に基づいてマイクロ波を検出するヘテロダイン方式の受信手段と、前記受信手段の検波出力信号をA/D変換器内蔵のマイコンに直接取り込み、デジタル値に変換する変換手段と、前記変換手段でデジタル値に変換された検波出力信号に基づいて検出対象のマイクロ波の受信を検知する検知手段と、前記局部発振器の掃引を前記マイコンに内蔵されたD/A変換器から直接制御する掃引制御手段を備えた。局部発振器は、実施形態では掃引する第2局部発振器に対応する。掃引は、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)で、マイコンに内蔵されているD/A変換器から直接コントロールする。こうすることにより、受信信号検出回路、掃引電圧発生回路等の回路が必要なくなり、非常に簡単な構成で、マイクロ波検出器が実現できる。
【0010】
(2)前記掃引制御手段は、前記局部発振器に入力する掃引電圧を前記マイコンのプログラムで決定された掃引パターンに従って変化させるものとするとよい。マイコンのプログラムによる処理(ソフト処理)のため、掃引パターンを所望の形にすることが容易に行え、より適切な判断をすることができる。また、ソフト処理で掃引を制御することで、コストダウンを図れる。
【0011】
(3)前記掃引パターンは、設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り替えするものであり、前記一時停止期間中は、前記受信手段の動作も停止するようにするとよい。一時停止期間で受信手段の動作を停止することで、消費電力の削減がはかれる。
【0012】
(4)前記局部発振器の掃引電圧をマイクロ波検出のための可変範囲外の電圧で一定期間動作させて取得した検波出力信号の振幅レベルを基準値とし、その基準値と可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルを比較し、前記可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルが大きい場合に検出対象のマイクロ波を検知したと判断するようにするとよい。ここで、「大きいとき」とは、基準値に対し一定の閾値を設定しても良い。可変範囲外の電圧に基づく検波出力信号の振幅レベルを求めることで、マイクロ波を受信していないときの出力信号となり、ノイズ等に基づく装置の特性が影響する基準値が得られる。そして、その基準値と比較することで、装置間でのばらつきがない、精度のよいマイクロ波検出器が得られる。
【0013】
(5)前記局部発振器の掃引電圧を低い電圧から高い電圧へ掃引するとよい。こうすることにより、電源OFF時から掃引電圧を高い電圧にした時に生じる誤検波(全電圧を走査してしまうため)を防ぐことができる。
【0014】
(6)前記掃引制御手段は、前記局部発振器が設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り返すように制御するものであり、前記動作期間の掃引は、前記一時停止期間の電圧値に近い側から離れた側まで掃引するようにしてもよい。一時停止期間が、電源OFF(0V)とした場合、動作期間の掃引は、一時停止期間の電圧値に近い側からの掃引となるので、比較電圧から高い電圧へ掃引することになる。
【0015】
(7)前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、前記局部発振器の掃引時間を通常掃引時間よりも短く設定し、前記検知手段によりマイクロ波を検知したと判断した時、掃引時間を通常掃引時間に戻す制御を行い、かつ、前記検知手段によるマイクロ波の検知前の検知感度は、前記通常掃引時間における検知感度よりも敏感に設定するようにした。検知感度を敏感に設定することで、ノイズらしい信号も検知しやすくなるが、短い掃引時間にしても少なくとも検出対象のマイクロ波が存在している場合には、それを確実に受信・検知することができる。そして、マイクロ波を検知するまでは掃引時間を短く設定することで、通常時は、短い掃引時間で動作しており、検波した時のみ長い掃引時間になるため、消費電流のさらなる削減が見込め、低消費電力化が図れる。また、ノイズらしい信号に基づく検知の弊害は、その後に行う通常掃引に基づく通常の(正規の)受信可否の判断で解消できる。
【0016】
(8)(7)の発明を前提とし、前記マイクロ波の検知前の掃引時間は、正常にマイクロ波を検波できる掃引時間よりも短い設定とし、前記通常掃引時間で掃引中に前記検知手段がマイクロ波を検知したことを条件に警報を発するようにするとよい。実際の警報は、通常掃引時間の掃引に基づいて行うことで、短い掃引時間時にノイズ信号等に基づいて誤判断した場合に、誤警報が発するのが抑止できる。
【0017】
(9)前記受信手段からの出力が、前記検波出力信号と、強度出力信号であり、前記検知手段でマイクロ波を検知した場合、前記強度出力信号の大きさに応じた警報音を警報手段から出力させる警報制御手段を備え、前記マイコンがA/D変換器を1個のみ内蔵し、前記検知出力信号と前記強度出力信号は、切り替え手段を介していずれか一方がA/D変換器を介してマイコン内部に取り込まれるようにし、前記切り替え手段は、前記マイクロ波の検知するまで前記検波出力信号を前記A/D変換器へ入力し、前記マイクロ波を検知した場合、前記掃引中に前記検波出力信号と前記強度出力信号が交互に前記A/D変換器に入力するように動作し、前記警報制御手段は、前記検波出力信号のみが前記A/D変換器へ入力されている際に前記検知手段でマイクロ波を受信したと判断した場合、前記検波出力信号の振幅の大きさに基づいて警報音を鳴らし、次の掃引時間に前記強度出力信号を取得してその大きさに応じた警報音を鳴らすものとするとよい。A/D変換器が1個の廉価なマイコンでもマイクロ波を検知するとともに、適切な警報音で放置することができる。
【0018】
(10)前記掃引制御手段は、前記局部発振器の掃引を2回に分けて行い、1回目の掃引は可変電圧範囲の一方から中間電位まで行い、2回目の掃引は可変電圧範囲の他方から中間電位まで行い、2回の掃引で可変電圧の全範囲をカバーするとよい。例えば1回目の掃引は可変電圧範囲の高い方(低い)から中間電位まで行い、2回目の掃引は可変電圧範囲の低い方(高い方)から中間電位まで行って、2回の掃引で可変電圧範囲をカバーするようにする。マイクロ波が基準の周波数で入力した場合、中間電位より±10.7MHz離れたところに相当する電圧値で検波されるので、1回目および2回目のどちらの掃引でも検波することが可能となる。こうすることにより掃引時間を半分に短縮することができる。消費電力は掃引時間に依存するので、電力削減が実現できる。
【0019】
(11)上記の(10)の発明を前提とし、前記1回目あるいは2回目の掃引で検知手段がマイクロ波の受信を検知した場合、前記掃引制御手段は、可変電圧の全範囲を1回で掃引するとよい。これにより、全区間の掃引に基づいて精度のよい判定を行うことができる。この場合の警報は、半分の掃引範囲に基づいて検出した場合に、すぐに報知しても良いし、全区間の掃引に基づく判定を待って報知をしても良い。
【0020】
(12)前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、設定された基本パターンで掃引を繰り返し行い、掃引中にマイクロ波が検知された場合には、その基本パターンと反対のパターンで掃引を行う制御を行い、
前記検知手段は、前記基本パターンの掃引時に取得した検波出力信号と、前記反対のパターンで掃引時に取得した検波出力信号から検出対象のマイクロ波の受信か否かを判断することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【0021】
(13)前記掃引制御手段は、1回の掃引中に時間経過に対する掃引電圧の変化率を異ならせた区間を設けるとよい。(14)この場合に、基準周波数近辺の変化率が低く、基準周波数から離れた区間での変化率が高くなるようにするとよい。変化率が低いと、精度がよいが掃引時間が長くなるため消費電力は高くなる。そこで、基準周波数近辺では、高精度な検出を行い、それ以外の区間では、消費電力の削減を図ることができる。
【0022】
(15)本発明のマイクロ波検出器の調整方法は、基準周波数のマイクロ波を設定し、前記局部発振器を全領域掃引し、前記検波器から出力される強度出力信号を前記マイコンに取り込み前記A/D変換器で変換し、そのA/D変換したデジタル値の二つのピークに相当する掃引電圧値を求め、前記二つのピークに相当する掃引電圧値から掃引電圧の下限値および上限値を求め、前記下限値および上限値を前記マイコン内蔵のメモリ部もしくは外部メモリに記録するようにした。また、係る調整方法を実行する機能を上記のマイクロ波検出器に備えても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、A/D変換器とD/A変換器が内蔵されたマイコンを使用し、検波出力を直接マイコンに取り込み、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)の電圧をマイコンから直接制御するため、周辺の回路が不要になり、小型化、コスト削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るマイクロ波検出器の好適な実施形態を示すブロック回路図である。
【図2】本発明に係るマイクロ波検出器の他の実施形態を示すブロック回路図である。
【図3】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなる第2局部発振器の掃引電圧の一例を示す波形図である。(b)、(c)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、検波回路から出力される検波信号(DET)および検波強度信号(RSSI)の波形図であり、交互にサンプリングすることを説明するための図である。
【図4】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、掃引電圧の一例を示す図で、1回目と2回目が短い掃引で、3回目が通常時間での掃引を示す図である。(b)は検波回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目の掃引時が検波なしのレベル、2回目の掃引時が検波ありのレベルで、3回目の掃引時に正確な判別を行うことを説明する図である。
【図5】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第2の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図である。(b)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第2の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目の掃引では未検出と判断し、2回目の掃引では検知ありと判断したことを説明するための図である。
【図6】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第2の実施形態において、掃引電圧の一例を示す図である。(b)、(c)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第1の実施形態において、検波回路から出力される検波信号(DET)および検波強度信号(RSSI)の波形図であり、受信ありと判断するまでは検波信号(DET)のみマイコンでA/D変換し、検波した時のみ検波信号(DET)と検波強度信号(RSSI)を交互にマイコンに取り込むことを説明するための図である。
【図7】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第3の実施形態において、掃引電圧の掃引方法の他の実施例を示す図である。(b)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第3の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目の掃引では未検知と判断し、2回目の掃引では検知ありと判断したことを説明するための図である。
【図8】(a)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第4の実施形態において、掃引電圧の掃引方法の他の実施例を示す図である。(b)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第4の実施形態において、検出回路から出力される検波信号(DET)の波形図であり、1回目と2回目の掃引では未検知と判断し、3回目の掃引で検知したと判断し、4回目の掃引が通常掃引になることを説明するための図である。(c)は、本発明に係るマイクロ波検出器の第4の実施形態において、検波強度信号(RSSI)の出力波形を示す図であり、4回目の掃引でマイコンにデータを取り込むことを説明するための図である。
【図9】本発明に係るマイクロ波検出器の第5の実施形態を説明する図である。
【図10】掃引パターンの変形例を示す図である。
【図11】本発明に係るマイクロ波検出器の調整方法の好適な実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るマイクロ波検出器の好適な第1の実施形態を示している。図1に示すように、マイクロ波検出器1は、マイクロ波を受信する受信部2と、受信部2の後段に接続されたマイコン3を備えている。マイコン3は、受信部2から出力される信号に基づいて、検出対象のマイクロ波を受信しているか否かを判断する。
【0026】
受信部2は、ダブルヘテロダイン方式によって構成される。すなわち、受信部2は、入力側に、マイクロ波を補足するホーンアンテナ6と、第1局部発振器7と、それらホーンアンテナ6で捕捉したマイクロ波の受信信号と第1局部発振器7の出力とを周波数混合する第1混合器8を備える。この第1混合器8の後段に、第1中間周波回路9が接続される。この第1中間周波回路9は、第1混合器8から出力された信号の中から、所定の中間周波を抽出するとともに増幅する。さらに、その第1中間周波回路9の出力と第2局部発振器10の出力を第2混合器11で周波数混合する。第2混合器11の出力は、第2中間周波回路12に入力し、その第2中間周波回路12にて所定の中間周波を抽出するとともに増幅する。これら第1中間周波回路9や第2中間周波回路12はそれぞれバンドパスフィルタやアンプ等によって構成できる。
【0027】
さらに、第2中間周波回路12の出力を検波器13に与える。そして、検波器13は、所定周波数の信号が受信された場合に、それを検波し、出力する。この検波器13で検波される所定周波数は、検出対象のマイクロ波が受信された時に第2中間周波回路12から出力される信号の周波数に合わせてある。
【0028】
従って、検出対象のマイクロ波が受信された時には、検出器13の出力(検波信号出力DETおよび受信信号強度出力RSSI)は大きくなる。また、係るマイクロ波が受信されない時には、検波器13の出力はノイズ出力となり、小刻みに変動する。
【0029】
また、第2局部発振器10は、電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなり、その発振周波数は、マイコン3に内蔵されているD/A変換器16から出力されるアナログ信号に応じた周波数となる。後述するように、マイコン3に内蔵されているD/A変換器16から出力され、ローパスフィルタ18を通して供給される掃引電圧は、所定電圧範囲で繰り返し掃引される。従って、第2局部発振器10の発振周波数も、所定の周波数範囲で繰り返し掃引することになり、その掃引電圧範囲に対応するマイクロ波が受信されると、検波器13から検波信号が出力される。
【0030】
なお、本実施形態では、第1局部発振器7は一定とするが、第1局部発振器7を掃引して第2局部発振器10の出力を固定周波数で発振させても良い。また、上記した受信部2の基本的な構成は従来のものと同様であるので、各処理回路、素子の詳細な説明は省略する。一方、受信部2の出力(DET,RSSI)は、それぞれがローパスフィルタ14a、ローパスフィルタLPF14bによりノイズ成分が除去され、マイコン3に入力される。マイコン3に内蔵されているA/D変換器15が1個のみの場合は、図3に示すようにソフト処理によりスイッチ17を交互に切り替えて検波信号(DET)と強度出力信号(RSSI)が交互に取り込まれ、デジタル値に変換される。マイコン3は検波信号(DET)を監視し、掃引中に所定周波数のマイクロ波の受信信号があったか否かを弁別する。
【0031】
もちろん、図2に示すように、マイコン3に内蔵されているA/D変換器が2個ある場合は、検波信号(DET)および強度出力信号(RSSI)をそれぞれ独立にA/D変換器に取り込んでも良い。
【0032】
検波信号(DET)は、検波するとS字波形となり、DET信号の振幅が大きくなるため、この振幅がある閾値以上になったら検波したと判断し、警報回路4に受信したことを知らせ、警報ブザー5を鳴らすようにする。検波の強さはRSSI信号の大きさで判断し、その大きさに応じてブザー音を変える(RSSI信号が大きいほど、ブザー音も大きくなる)ようにする。なお、警報手段は音に限らず、LEDの点灯またはパネル表示等の方法でも実現できる。
【0033】
マイコン3による第2局部発振器10の出力の制御は、以下のようにしている。まず図3に示すように、マイコン3は、第2局部発振器10の出力が間欠的に掃引動作するように制御する。すなわち、1回掃引したらならば、第2局部発振器10の出力を一定期間0にして一時停止する。この一時停止時には、受信型の電源をOFFにする。これにより、一時停止中は電力消費を抑えることができるので、繰り返し連続して掃引する場合に比べて、省エネ効果を発揮する。一時停止する期間が長いほど省エネ効果は高くなる。
【0034】
本実施形態のマイクロ波検出器1は、掃引電圧をマイコン3で制御するので、掃引時間は自由に設定することができる。そして、掃引時間は短い方が消費電力は少なくて済む点で好ましいが、検波の感度が落ちてしまう。また、検出対象のマイクロ波は、車両の移動中に常時検出するわけではなく、車両が特定の位置に至ったときに検出される。そして、車両の全走行区間に対する当該マイクロ波を検出する区間はきわめて短くなることが多い。そのため、当該マイクロ波を検出する区間では、1回の掃引時間を長くして検波の感度を高くし確実に検出することが望ましいが、全ての走行区間に渡り、係る長い掃引時間で掃引すると、もともと検出対象のマイクロ波が存在しない多くの区間でも消費電力がかかる長い掃引時間で動作してしまい、無駄に電力を消費するので好ましくない。
【0035】
そこで、本実施形態では、検出対象のマイクロ波が存在しない区間では掃引時間を短くして省エネで動作させ、検出対象のマイクロ波が存在する区間では掃引時間を長くして確実にマイクロ波を検出できるようにした。係る掃引時間の切替をマイクロ波の受信状態に応じて行うべく、マイコン3は、図4に示すように、マイクロ波を検出する前は、掃引時間を短くするとともに(図4(a))、検出対象のマイクロ波を検波したと判断するDET信号の振幅に対する閾値を低めに設定する。これにより、検知感度が敏感になり、掃引時間が短くなっても、検出対象のマイクロ波を受信した際には検波できるようにしている。
【0036】
そして、上記の条件(短い掃引時間+低い閾値)でマイクロ波を検知したと判断した場合には、通常の掃引期間(長い掃引時間)に戻すとともに、DET信号の振幅に対する閾値も通常(高め)に戻し、検出対象のマイクロ波の受信信号であったか否かを弁別することにより、検波の精度を落とすことなく、低消費電力化が図れる。すなわち、閾値を低く設定したことにともないノイズ等の検出対象のマイクロ波の受信以外でも検波してしまう可能性はあるが、通常の条件(長い掃引時間+高めの閾値)で最終判断することで、誤検出することなく検出対象のマイクロ波の受信を検出できる。そして、多くの区間では、短い掃引時間で動作するので、電力消費を抑えることができる。
【0037】
図5は、第2の実施形態を示している。マイコン3が制御する掃引パターンと、マイクロ波の検知の有無の判断基準となる閾値の切替制御を異ならせている。ノイズ量は素子によって違うため、閾値近辺の振幅のマイクロ波が入力された場合、製品によって検知したり検知しなかったりする現象が生じる可能性がある。そこで、マイコン3は、無信号時のDET信号の振幅と、掃引時に検出されたDET信号の振幅を比較し、その差から、マイクロ波の受信信号か否かを判断する。具体的には、掃引時に検出されたDET信号の振幅が、無信号時のDET信号の振幅よりも大きい場合にマイクロ波の受信信号と判断する。この場合に、掃引時に検出されたDET信号の振幅が、無信号時のDET信号の振幅よりも一定の基準以上大きい場合のように、所定のマージンを設けることは妨げない。
【0038】
無信号時のDET信号の振幅の取得をするため、本実施形態では、まずマイコン3は、第2局部発振器10の掃引電圧を可変範囲外の電圧で一定期間動作させ、その期間のDET信号の振幅を取得する。このとき取得した振幅を無信号時のDET信号の振幅とし、当該期間の終了後に行う掃引時のDET信号の振幅と比較する基準値とする。具体的には、たとえば図5に示すように、電圧制御型可変周波数発振器である第2局部発振器10の可変可能な電圧が0V〜3.0Vとし、掃引電圧範囲が0.5V〜2.5Vとする。係る条件において、まずマイコン3により掃引電圧を3.0Vに設定し、ある一定期間ホールドする。この電圧に相当する周波数は掃引範囲外なので、無信号時に相当するDET信号が出力される。マイコン3は、この期間のDET信号の振幅(Vpp(off))を読みとり、比較基準値として記憶する。
【0039】
次にマイコン3は、掃引電圧を2.5Vに設定し、0.5Vまで掃引させる。マイコン3は、この掃引期間のDET信号の振幅(Vpp(sweep))を読みとる。掃引期間にマイクロ波の受信がなければ、無信号時に相当するDET信号が出力されるので、Vpp(off)のレベルとほぼ等しい。マイクロ波の受信があれば、S字特性の出力となり、Vpp(sweep)>Vpp(off)の関係になる。そこで、Vpp(sweep)−Vpp(off)の値がある閾値(α)よりも大きければマイクロ波を受信したと判断する。こうすることにより、素子のバラツキによるノイズ量の違いはVpp(off)に現れてくるので、製品間の検出精度のバラツキを吸収することができる。
【0040】
この第2の実施形態に示した検出アルゴリズムを、廉価版のマイコン3で実現するためには、以下のようにすることができる。一般に廉価版のマイコンに内蔵されているA/D変換器は1個で、入力ポートが複数ピン用意されており、ソフト処理で入力を切り替えて使用する(図1参照)。そして、ソフト処理は、簡単な方が負荷は軽くて済む。
【0041】
そこで、図6に示すように、マイクロ波を検出していない通常動作時では、掃引期間に受信部2から出力される2つの信号(DET,RSSI)のうちのDET信号のみをA/D変換するようにする。そして、マイコン3は、係るDET信号に基づき、マイクロ波の受信信号だと判断した時、すなわち、Vpp(sweep)−Vpp(off)が検知レベル閾値α以上になった場合(図6では、3回目の掃引時)に、マイコン3は、DET信号とRSSI信号を交互にA/D変換するように切り替え制御をする。
【0042】
また、上述したように、検出対象のマイクロ波を受信したと検知した場合、警報ブザー5からブザー音が出力されるが、そのときの大きさはRSSI信号の大きさに応じて変えるようにしている。しかし、上記のように通常動作時ではDET信号のみをマイコン3に取り込むようにした場合、DET信号の振幅に基づき最初に受信したと判断した時の掃引期間はRSSI信号をA/D変換していないため、RSSI信号に基づくブザー音の音量の決定ができない。そこで、この時のブザー音は、DET信号の振幅、すなわちVpp(sweep)の大きさに基づいて決定する。マイクロ波の強度が強い(RSSI信号が大きい)ほどS字特性が強く現れる(Vpp(sweep)の値が大きくなる)ので、Vpp(sweep)に基づいてブザー音を決定しても問題はない。
なお、その他の構成並びに作用効果は、上記の第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0043】
上述した各実施形態では、マイコン3が第2局部発振器10に与える掃引電圧を、高い電圧(高い周波数)から低い電圧(低い周波数)に掃引するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、これとは逆に低い電圧(低い周波数)から高い電圧(高い周波数)に掃引してもよい。また、上述した各実施形態では、掃引電圧の変化率を一定に行うようにしたが、掃引期間の途中で変化率を変えてもよい。このように掃引電圧のパターンを変更することで、以下に説明するように各種のより良い効果を発揮する。
【0044】
図7は、第3の実施形態を示している。本実施形態では、マイコン3が第2局部発振器10に与える掃引電圧として、低い電圧から高い電圧に上昇するようにした。そして、本実施形態でも、間欠動作をさせて、1回の掃引期間と次の掃引期間との間に一時停止期間を設けるので、掃引開始時の第2局部発振器10への入力電圧(VCO電圧)は0Vから開始する。そこで、掃引開始に先立ち、掃引電圧が0V(或いはマイクロ波検出のための掃引電圧の下限値である0.5V未満で、0Vに近い電圧)の状態を一定期間ホールドする。このときのDET信号の振幅は、第2の実施形態における無信号時に相当するDET信号となる。そこで、マイコン3は、この期間のDET信号の振幅(Vpp(off))を読みとり、比較基準値として記憶する。そして、マイコン3は、掃引電圧を0.5Vに設定し、2.5Vまで掃引させる。マイコン3は、この掃引期間のDET信号の振幅(Vpp(sweep))を読みとる。掃引期間にマイクロ波の受信がなければ、無信号時に相当するDET信号が出力されるので、Vpp(off)のレベルとほぼ等しい。マイクロ波の受信があれば、S字特性の出力となり、Vpp(sweep)>Vpp(off)の関係になる。そこで、Vpp(sweep)−Vpp(off)の値がある閾値(α)よりも大きければマイクロ波を受信したと判断する。
【0045】
すなわち、第2の実施形態のように、掃引を高い電圧から低い電圧へ行う方式では、一旦、第2局部発振器10への入力電圧を、0V(電源OFF状態)から3Vへ遷移させる必要がある。そのとき、瞬間的ではあるが、0Vから3Vに上昇することから、結果として全電圧(全周波数)を走査してしまう。従って、図8に示すように、瞬間にDET信号が応答してしまい、可変範囲外(3V)で計測する検波出力信号の振幅レベル(Vpp(of))の値に影響してしまう。例えば、図に示すように検波対象のマイクロ波が入力した場合、(b)DET信号はS次特性を現す。この時、0Vから3Vに遷移させた瞬間も検波電圧を通過してしまうので、(b)DET信号が応答してしまい、OFF時と比べてVpp(off)の値が大きくなる。この影響を受けないようにするには、3V一定期間を長めに設定して、計測期間をずらすという方法が考えられるが、3V一定期間を延ばした分、電源ON期間が増えたことになり、消費電流の増加につながる。
【0046】
これに対し、本実施形態のように掃引方法を、低い電圧から高い電圧に掃引することにより、係る問題は生じない。すなわち、電源をONさせてからある一定期間0Vをホールドする。この電圧に相当する周波数は、掃引範囲外なので、無信号時に相当するDET信号が出力される。この掃引電圧は電源ONしてから、変化させていない(0.5Vから2.5Vの掃引電圧の範囲が加わらない)ため、純粋な無信号時のDET信号が出力される。
【0047】
これから得られた計測値(Vpp(off))は、高い電圧から低い電圧に掃引する方法に比べて精度が高い。次に掃引電圧を掃引範囲の下限値である0.5Vに遷移させ、ある一定の傾きで掃引電圧の上限値である2.5Vまで掃引させる。掃引が終了したら、電源をOFFする。
【0048】
また、掃引電圧を2.5Vから0Vに戻す際に、瞬間的ではあるが掃引電圧の範囲内を再度通過する。しかし、その時にはすでに受信系の電源がOFFになっているので、仮に2.5Vから0Vに遷移した時にDET信号が反応したとしても、データとしては使用しないので問題ない。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記の第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0049】
図8は、本発明の第4の実施形態を示している。本実施形態の検波器13は、10.7MHzの信号を検出するようになっている。第2局部発振器10に入力する掃引電圧が0.5Vから2.5Vの全区間を掃引すると、基準のマイクロ波が入力した時、検波器13の入力周波数が10.7MHzを一度通過してゼロになり、再び10.7MHzを通過するので、検波器13からは時間軸上で左右対称なパルス波からなる検波信号(DET)が出力される。基本的にどちらか一方の検波ができればマイクロ波を受信したかどうかの判断ができるので、掃引区間を通常の全範囲を2つに分け、1回目の掃引は高い電圧(高い周波数)から中間の電圧(可変範囲の中間周波数)まで掃引(2.5Vから1.5Vまで掃引)し、2回目の掃引は低い電圧(低い周波数)から中間の電圧(可変範囲の中間周波数)まで掃引(0.5Vから1.5Vまで掃引)する。そして、それぞれの掃引の間は、一定期間動作を停止する。
【0050】
これにより、マイクロ波が入力した時、どちらの掃引の時でも検波することができるので、時間遅れもなく警報ができ、掃引時間を半分に削減することができるため、消費電力を減らすことができる。
【0051】
但し、このように半分の区間により片方の検波出力に基づく判断よりも、全区間を掃引することで得られるS字カーブ(2つのパルス波)の検波出力に基づいて判断する方が、検出対象のマイクロ波を受信したか否かの正確な判断を行える。そこで、係る半分の掃引区間による処理は、マイクロ波が検出されるまで繰り返し行い、どちらかの掃引で検波したら、その次の掃引は通常の全区間の掃引に戻して、正確な検波出力を得ることで、先に検出したマイクロ波が検出対象のものであったか否か正確な判断を行うようにするようにしても良い。このように最終判断を全区間掃引に基づいて行う機能を付加することで、性能を落とさずに低消費電力化が図れる。
【0052】
図8では、1回目と2回目の掃引では未検知と判断し、3回目の掃引で検知したと判断したため4回目以降では、通常の全区間の掃引に切り替え、マイクロ波検出の判断を行う。また、図8(c)に示すように、マイコン3は、半分の区間の掃引による簡易なマイクロ波検出処理の際には、検波強度信号(RSSI)の取り込みを行わず(図1に示すスイッチ17は、DET信号側に接続しづける)、全区間掃引の際に、スイッチ17を交互に切り替えて検波強度信号(RSSI)の取り込みを行い、取得した検波強度信号の大きさで警報音のレベルを決定する。なお、図2に示すように、DET信号とRSSI信号に対し、それぞれA/D変換器15a,15bを設けた装置の場合、全区間の掃引を行っているときのみ、RSSI信号の大きさを求めるようにしてもよい。
【0053】
図9は、本発明の第5の実施形態を示している。本実施形態では、マイコン3は、第2局部発振器10に対し、マイクロ波の検出前は、0Vで一定期間保持した後0.5Vから2.5Vまで上昇させる掃引パターンを、一時停止期間を挿入しながら繰り返し行う。そして、マイコン3は、上記の各実施形態と同様に、0Vで保持した期間のDET信号の振幅(Vpp(off))を読みとり、比較基準値として記憶し、0.5Vから2.5Vまで掃引された期間のDET信号の振幅(Vpp(sweep))を読みとるとともに、上記の比較基準値との差が閾値α以上か否かを判断する。閾値以上の場合、暫定的にマイクロ波を検知したと判断する。そして、閾値未満の場合(マイクロ波未検知)には、一定期間の一時停止期間経過後、上記の掃引を行う。
【0054】
一方、0.5Vから2.5Vまで掃引された期間のDET信号の振幅(Vpp1(sweep))と比較基準値(Vpp(off))との差が、閾値以上になった場合、マイコン3は、第2局部発振器10に入力する掃引電圧を2.5Vから0.5Vに徐々に低下させる反対の掃引パターンとなるように制御する。その時、1stLOの発振をOFFして、検波信号が出力されないような制御を行う。そして、この反対の掃引パターンの期間のDET信号の振幅(Vpp2(sweep))を取得し、最初の掃引時に得られたDET信号の振幅(Vpp1(sweep))と比較する。
【0055】
マイコン3は、その比較結果が、
Vpp1(sweep)>Vpp2(sweep)
であればマイクロ波を検知したと正式な判断をし、
Vpp1(sweep)≒Vpp2(seep)
暫定的なマイクロ波の検知との判断は、誤検知であったと正式な判断をする。
【0056】
この場合の警報であるが、暫定的マイクロ波の検知後すぐに正式な判断ができるので、正式なマイクロ波の検知の判断を待って行うと良い。また、この実施形態では、0Vにホールドして比較基準値を求め、それと比較するようにしたが、必ずしも係る比較基準を求める必要はなく、最初から全区間での掃引を行うようにしても良い。また、時間経過に伴い掃引電圧を増加させるのではなく、逆に減少させるようにしても良い。
【0057】
上述したように、各実施形態では、マイコン3で直接、第2局部発振器10へ入力する掃引電圧の掃引パターンを作るので、いろんなパターンが作れる。つまり、通常の掃引パターンは、傾き一定の同一パターンの繰り返しであったが、上記のように、検出状況等に応じて異なる掃引パターンに変更することができる。掃引パターンとしては、上述したものに限ることはなく、各種のパターンを採用できる。そして、上記の各実施形態では、マイクロ波の検知状況に応じてパターンを変更したが、いずれも、個々の掃引では、掃引電圧の増加あるいは減少させる際の変化率(傾き)を一定としていたが、異ならせても良い。たとえば、図10に示すように掃引開始付近の期間と、掃引終了付近の変化率(傾き)を大きくして感度を低くし、その中間の基準周波数近辺の変化率(傾き)を小さくして感度を高くする。これにより、掃引期間の開始/終了付近では、掃引時間が短くなり省エネ効果が発揮され、マイクロ波の検波出力が出現しやすい中間期間では感度を高くしているので、掃引期間全体での性能はさほど落とすことなく、消費電力の削減を図ることができる。図示した例では、全掃引期間を3つの区間に分けて変化率を異ならせるようにしたが、さらに多くの区間に分けても良いし、連続的に変化率を変えるようにしても良い。その場合に、基準周波数近辺の感度を高くして、離れるほど感度を低めなるようにするとよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、警報手段として警報ブザー5による聴覚に訴えるものを用いたが、本発明はこれに限ることはなく、表示装置やLEDなどの視覚に訴えるものでも良く、それらを併用しても良い。そして、検出対象のマイクロ波の受信を検知した場合、マイコン3は、警報メッセージ(テキスト、イメージ)を表示装置に描画したり、LEDを所定の色で発光したり、所定の点灯パターンで発光させたりする。また、暫定的なマイクロ波の検知をした場合にLEDを点灯し、正確な判定によりマイクロ波の検知が確定した場合に表示装置に警報を出力するようにしたり、表示装置に表示する内容を暫定的な検知と正確な検知の各停で帰るようにしたりすることもできる。
【0059】
さらに、表示装置を設けた場合、上記のようにマイクロ波の検知を報知する場合に使用することはもちろんのこと、マイクロ波のみ検知の待機状態のときに、掃引パターンを描画したり、掃引をストップさせた状態に関する情報(周波数、強度等)を示す情報(具体的な数値でもよいし、マークやグラフ、文字列等でもよい)を表示したりする機能を設けても良い。実際の車両の走行において、マイクロ波を検知するのは一部の区間であるが、それ以外の多くの区間において、係る掃引パターン等を表示装置に出力することで、動作していることを確認することができると共に、動作の内容を知ることができる。このように待機状態の時の表示は、表示装置を用いるものに限ることはなく、LED等の色や点灯パターン等で示したり、対応する情報を音声などで報知したりすることもできる。
【0060】
次に、本発明のバンド幅の調整方法について説明する。 今、受信バンドがXバンド(10.525GHz)で、バンド幅が±30MHzになるように調整するとする。 まず、Xバンドの信号(10.525GHz)をアンテナ6より入力する。
第1局部発振器7の第1ローカル周波数(1)を11.558GHzに調整したとすると、第1混合器8から出力される信号は、
11.558GHz−10.525GHz=1.033GHz
の周波数に変換される。
【0061】
第2局部発振器10から出力される第2ローカル周波数(2)は、1.033GHzを中心とした電圧制御型可変周波数発振器(VCO)からなり、マイコン3に内蔵されているD/A変換器16によりVCOの電圧を0Vから3Vフルに掃引させる。
【0062】
検波器13は10.7MHzの信号を検波するようになっているため、第2局部発振器10の出力周波数が1.033GHz±10.7MHzの時に、第2混合器11の出力が10.7MHzとなり、図に示す(b)DET信号および(c)RSSI信号のようになる。今、RSSI信号をマイコン3内でA/D変換して、2点のピーク点を求め、それに対応するVCO電圧値(Vmh,Vml)を調べる。VCOの電圧値と周波数が線形だとすると、
Vmh−Vmlの電圧差は周波数に換算すると10.7MHz*2=21.4MHzに相当する。このことを利用し、バンド幅を±30MHzに設定するには、次式で求めれば良い。
【0063】
掃引範囲の上限値:
Vh=(30/(10.7+10.7))・(Vmh−Vml)+Vml (V)
掃引範囲の下限値:
Vl=Vmh−(30/(10.7+10.7))・(Vmh−Vml) (V)
この値を、製品毎にメモリ等の記憶媒体に記録する。記録された値(Vh,Vl)は掃引制御に使用され、受信可能範囲(VlからVhまたはVhからVl)を掃引する動作を行う。この値を用いることにより、VCOの掃引周波数のバラツキ、および1stローカル周波数のバラツキがあっても、受信帯域を保障することができる。つまり、本発明によれば、対象バンドの 基準周波数を入力するだけで、所望のバンド幅が保障できるため、調整に関する工数を削減することが可能となる
【符号の説明】
【0064】
1 マイクロ波検出器
2 受信部
3 マイコン(判定手段、制御手段)
4 警報回路
5 警報ブザー(警報手段)
6 ホーンアンテナ(アンテナ)
7 第1局部発振器(局部発振器)
8 第1混合器(中間周波発生手段)
9 第1中間周波回路(中間周波発生手段)
10 第2局部発振器(局部発振器)
11 第2混合器(中間周波発生手段)
12 第2中間周波回路(中間周波発生手段)
13 検波器
14a 低域通過フィルタ(LPF)
14b 低域通過フィルタ(LPF)
15 A/D変換器
16 D/A変換器
17 スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナの出力を、繰り返し掃引する局部発振器の出力と混合して得られた信号に基づいてマイクロ波を検出するヘテロダイン方式の受信手段と、
前記受信手段の検波出力信号をA/D変換器内蔵のマイコンに直接取り込み、デジタル値に変換する変換手段と、
前記変換手段でデジタル値に変換された検波出力信号に基づいて検出対象のマイクロ波の受信を検知する検知手段と、
前記局部発振器の掃引を前記マイコンに内蔵されたD/A変換器から直接制御する掃引制御手段を備えたことを特徴とするマイクロ波検出器。
【請求項2】
前記掃引制御手段は、前記局部発振器に入力する掃引電圧を前記マイコンのプログラムで決定された掃引パターンに従って変化させるものであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波検出器。
【請求項3】
前記掃引パターンは、設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り替えするものであり、
前記一時停止期間中は、前記受信手段の動作も停止することを特徴とする請求項2に記載のマイクロ波検出器。
【請求項4】
前記局部発振器の掃引電圧をマイクロ波検出のための可変範囲外の電圧で一定期間動作させて取得した検波出力信号の振幅レベルを基準値とし、その基準値と可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルを比較し、前記可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルが大きい場合に検出対象のマイクロ波を検知したと判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項5】
前記局部発振器の掃引電圧を低い電圧から高い電圧へ掃引することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項6】
前記掃引制御手段は、前記局部発振器が設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り返すように制御するものであり、
前記動作期間の掃引は、前記一時停止期間の電圧値に近い側から離れた側まで掃引することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項7】
前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、前記局部発振器の掃引時間を通常掃引時間よりも短く設定し、前記検知手段によりマイクロ波を検知したと判断した時、掃引時間を通常掃引時間に戻す制御を行い、
かつ、前記検知手段によるマイクロ波の検知前の検知感度は、前記通常掃引時間における検知感度よりも敏感に設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項8】
前記マイクロ波の検知前の掃引時間は、正常にマイクロ波を検波できる掃引時間よりも短い設定とし、
前記通常掃引時間で掃引中に前記検知手段がマイクロ波を検知したことを条件に警報を発することを特徴とする請求項7に記載のマイクロ波検出器。
【請求項9】
前記受信手段からの出力が、前記検波出力信号と、強度出力信号であり、
前記検知手段でマイクロ波を検知した場合、前記強度出力信号の大きさに応じた警報音を警報手段から出力させる警報制御手段を備え、
前記マイコンがA/D変換器を1個のみ内蔵し、前記検知出力信号と前記強度出力信号は、切り替え手段を介していずれか一方がA/D変換器を介してマイコン内部に取り込まれるようにし、
前記切り替え手段は、前記マイクロ波の検知するまで前記検波出力信号を前記A/D変換器へ入力し、前記マイクロ波を検知した場合、前記掃引中に前記検波出力信号と前記強度出力信号が交互に前記A/D変換器に入力するように動作し、
前記警報制御手段は、前記検波出力信号のみが前記A/D変換器へ入力されている際に前記検知手段でマイクロ波を受信したと判断した場合、前記検波出力信号の振幅の大きさに基づいて警報音を鳴らし、次の掃引時間に前記強度出力信号を取得してその大きさに応じた警報音を鳴らすものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項10】
前記掃引制御手段は、前記局部発振器の掃引を2回に分けて行い、1回目の掃引は可変電圧範囲の一方から中間電位まで行い、2回目の掃引は可変電圧範囲の他方から中間電位まで行い、2回の掃引で可変電圧の全範囲をカバーすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項11】
前記1回目あるいは2回目の掃引で検知手段がマイクロ波の受信を検知した場合、前記掃引制御手段は、可変電圧の全範囲を1回で掃引することを特徴とする請求項10に記載のマイクロ波検出器。
【請求項12】
前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、設定された基本パターンで掃引を繰り返し行い、掃引中にマイクロ波が検知された場合には、その基本パターンと反対のパターンで掃引を行う制御を行い、
前記検知手段は、前記基本パターンの掃引時に取得した検波出力信号と、前記反対のパターンで掃引時に取得した検波出力信号から検出対象のマイクロ波の受信か否かを判断することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項13】
前記掃引制御手段は、1回の掃引中に時間経過に対する掃引電圧の変化率を異ならせた区間を設けることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項14】
基準周波数近辺の変化率が低く、基準周波数から離れた区間での変化率が高くなるようにしたことを特徴とする請求項13に記載のマイクロ波検出器。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のマイクロ波検出器の調整方法であって、
基準周波数のマイクロ波を設定し、
前記局部発振器を全領域掃引し、
前記検波器から出力される強度出力信号を前記マイコンに取り込み前記A/D変換器で変換し、
そのA/D変換したデジタル値の二つのピークに相当する掃引電圧値を求め、
前記二つのピークに相当する掃引電圧値から掃引電圧の下限値および上限値を求め、前記下限値および上限値を前記マイコン内蔵のメモリ部もしくは外部メモリに記録することを特徴とするマイクロ波検出器の調整方法。
【請求項1】
アンテナの出力を、繰り返し掃引する局部発振器の出力と混合して得られた信号に基づいてマイクロ波を検出するヘテロダイン方式の受信手段と、
前記受信手段の検波出力信号をA/D変換器内蔵のマイコンに直接取り込み、デジタル値に変換する変換手段と、
前記変換手段でデジタル値に変換された検波出力信号に基づいて検出対象のマイクロ波の受信を検知する検知手段と、
前記局部発振器の掃引を前記マイコンに内蔵されたD/A変換器から直接制御する掃引制御手段を備えたことを特徴とするマイクロ波検出器。
【請求項2】
前記掃引制御手段は、前記局部発振器に入力する掃引電圧を前記マイコンのプログラムで決定された掃引パターンに従って変化させるものであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波検出器。
【請求項3】
前記掃引パターンは、設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り替えするものであり、
前記一時停止期間中は、前記受信手段の動作も停止することを特徴とする請求項2に記載のマイクロ波検出器。
【請求項4】
前記局部発振器の掃引電圧をマイクロ波検出のための可変範囲外の電圧で一定期間動作させて取得した検波出力信号の振幅レベルを基準値とし、その基準値と可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルを比較し、前記可変電圧範囲内を掃引させた時の検波出力信号の振幅レベルが大きい場合に検出対象のマイクロ波を検知したと判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項5】
前記局部発振器の掃引電圧を低い電圧から高い電圧へ掃引することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項6】
前記掃引制御手段は、前記局部発振器が設定された範囲内を掃引する動作期間と、一時停止期間を交互に繰り返すように制御するものであり、
前記動作期間の掃引は、前記一時停止期間の電圧値に近い側から離れた側まで掃引することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項7】
前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、前記局部発振器の掃引時間を通常掃引時間よりも短く設定し、前記検知手段によりマイクロ波を検知したと判断した時、掃引時間を通常掃引時間に戻す制御を行い、
かつ、前記検知手段によるマイクロ波の検知前の検知感度は、前記通常掃引時間における検知感度よりも敏感に設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項8】
前記マイクロ波の検知前の掃引時間は、正常にマイクロ波を検波できる掃引時間よりも短い設定とし、
前記通常掃引時間で掃引中に前記検知手段がマイクロ波を検知したことを条件に警報を発することを特徴とする請求項7に記載のマイクロ波検出器。
【請求項9】
前記受信手段からの出力が、前記検波出力信号と、強度出力信号であり、
前記検知手段でマイクロ波を検知した場合、前記強度出力信号の大きさに応じた警報音を警報手段から出力させる警報制御手段を備え、
前記マイコンがA/D変換器を1個のみ内蔵し、前記検知出力信号と前記強度出力信号は、切り替え手段を介していずれか一方がA/D変換器を介してマイコン内部に取り込まれるようにし、
前記切り替え手段は、前記マイクロ波の検知するまで前記検波出力信号を前記A/D変換器へ入力し、前記マイクロ波を検知した場合、前記掃引中に前記検波出力信号と前記強度出力信号が交互に前記A/D変換器に入力するように動作し、
前記警報制御手段は、前記検波出力信号のみが前記A/D変換器へ入力されている際に前記検知手段でマイクロ波を受信したと判断した場合、前記検波出力信号の振幅の大きさに基づいて警報音を鳴らし、次の掃引時間に前記強度出力信号を取得してその大きさに応じた警報音を鳴らすものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項10】
前記掃引制御手段は、前記局部発振器の掃引を2回に分けて行い、1回目の掃引は可変電圧範囲の一方から中間電位まで行い、2回目の掃引は可変電圧範囲の他方から中間電位まで行い、2回の掃引で可変電圧の全範囲をカバーすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項11】
前記1回目あるいは2回目の掃引で検知手段がマイクロ波の受信を検知した場合、前記掃引制御手段は、可変電圧の全範囲を1回で掃引することを特徴とする請求項10に記載のマイクロ波検出器。
【請求項12】
前記掃引制御手段は、前記検知手段によるマイクロ波の検知前は、設定された基本パターンで掃引を繰り返し行い、掃引中にマイクロ波が検知された場合には、その基本パターンと反対のパターンで掃引を行う制御を行い、
前記検知手段は、前記基本パターンの掃引時に取得した検波出力信号と、前記反対のパターンで掃引時に取得した検波出力信号から検出対象のマイクロ波の受信か否かを判断することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項13】
前記掃引制御手段は、1回の掃引中に時間経過に対する掃引電圧の変化率を異ならせた区間を設けることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のマイクロ波検出器。
【請求項14】
基準周波数近辺の変化率が低く、基準周波数から離れた区間での変化率が高くなるようにしたことを特徴とする請求項13に記載のマイクロ波検出器。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のマイクロ波検出器の調整方法であって、
基準周波数のマイクロ波を設定し、
前記局部発振器を全領域掃引し、
前記検波器から出力される強度出力信号を前記マイコンに取り込み前記A/D変換器で変換し、
そのA/D変換したデジタル値の二つのピークに相当する掃引電圧値を求め、
前記二つのピークに相当する掃引電圧値から掃引電圧の下限値および上限値を求め、前記下限値および上限値を前記マイコン内蔵のメモリ部もしくは外部メモリに記録することを特徴とするマイクロ波検出器の調整方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−158361(P2011−158361A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20646(P2010−20646)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【出願人】(508320239)株式会社YPK (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【出願人】(508320239)株式会社YPK (6)
【Fターム(参考)】
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