説明

マイクロ波用の吸収材の製造方法並びに該方法により製造された吸収材

本発明は、発泡されたポリスチレン体(EPS体)であって、その上に強磁性粒子からなる被覆が施与されているものの詰め物からなるマイクロ波用の吸収材の製造方法並びにそれにより製造された吸収材に関する。本発明によれば、結果的に、EPS体上に、合成ポリマーからなる被覆が形成され、かつ強磁性粒子が包埋されているポリマーマトリクスが施与される。被覆されたEPS体は、型内に導入され、そして水蒸気流が導通される。その際、EPS体は残留割合のペンタンの蒸気圧によってEPS体内で膨張し、その最終的な大きさと形状となる。本方法により製造された吸収材は、強磁性粉末でポリマーマトリクス内で被覆されたEPS体による詰め物であって、その外部構造が技術的に使用される型に相当する詰め物からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念によるマイクロ波用の吸収材の製造方法並びに該方法により製造された広いバンド幅(1〜100GHz)を有するマイクロ波用の吸収材に関する。斯かる吸収材は、透過なく20dBより高い反射率が遠方界においても必要とされる到る処で好ましく使用できる。これは、準独立気泡のフォーム状吸収材であり、該吸収材を用いて平坦な平面形状をも実現できる。
【0002】
技術水準
技術水準によれば、マイクロ波の吸収のために様々な解決策が知られている。例えば、DE29621804号U1は、低い密度を有する細粒状の成分、例えばポリマー、ガラス、岩石もしくはセラミックと、バインダーで結合されている導電性の成分とからなる放射線吸収性の材料を記載している。細粒状の成分は、発泡されたポリスチレン粒を有してよい。
【0003】
本発明の説明
本発明の課題は、発泡されたポリスチレンからなる物体(以下、EPS体と呼ぶ)であって、その上に強磁性の材料からなる被覆が施与されている物体の詰め物(Packung)からなっており、透過なく20dBより高い反射率が達成され、こうして利用できるレーダー断面積が小さく保たれるマイクロ波用の吸収材を製造するための方法を示すことである。更に、本発明で製造されたマイクロ波用の吸収材が示されるべきである。
【0004】
前記課題は、方法については、請求項1に示される特徴によって解決される。前記課題は、吸収材については、請求項6の特徴によって解決される。本発明の好ましい実施形態は、それらの従属形式請求項において特徴付けられており、以下に、図面を含む本発明の好ましい形態の説明と共に、より詳細に説明されている。
【0005】
マイクロ波用の吸収材は、強磁性材料からなる被覆が施与されているEPS体の詰め物から構成される。該EPS体は、透過抑制作用が、材料に依存するポリスチレンの低い誘電率と、ポリスチレンの発泡によって引き起こされる非常に小さい質量−体積比とによって制限されて無視できるほど小さく、従ってマイクロ波について実質的に透過性であるという利点を有する。
【0006】
強磁性材料で被覆されたEPS体の詰め物では、利用できるレーダー断面積は、本発明によれば以下の理由から減少する。第一の理由は、該詰め物が、強磁性材料からなる多数の壁部を有し、かつ15GHz未満の周波数で浸透深さがなおも大きく、こうして、多数の球体が相応して低い層厚の場合にマイクロ波によって透過され、従って強磁性材料とEPS体との界面移行部でマイクロ波の間欠減衰(fraktionierte Daempfung)が拡散反射によって起こり、これにより最終的にマイクロ波の吸収に導かれるということである。更に、吸収性の強磁性材料は、フォーム状の吸収面として詰め物の全体積にわたって分配されている。EPS体の数は、その際、可能な限り多く選択されるべきである。利用可能なレーダー断面積の減少のための第二の理由は、照射された詰め物表面の起伏が、球状のEPS体のカロット(Kalotten)によって形成される場合に示される。斯かる詰め物表面は、球状のEPS体が六角形に詰められた単層として配置される場合に生ずる。該詰め物表面積は、その際、平坦な表面構成に対して2倍だけ大きく、低減する浸透深さによって制限されて、吸収がほぼ排他的に表面に近い領域でのみ行われる15GHzの周波数の場合にも吸収能を高める。高められた反射面積の欠点は、その際、些細なものである。それというのも、そのカロット形は、拡散反射を引き起こし、それにより利用可能なレーダー断面積を小さく留めるからである。拡散反射は、カロット形によって制限されて、170゜の方位角以内で入射する放射線の場合に一定に留まる。被覆された球形のEPS体の直径は、その際、拡散反射を引き起こすために、波長に依存して相応して適合されるべきである。
【0007】
用途に制限されて該詰め物の厚さが制限される場合に、なおも存在する詰め物を通じたマイクロ波の透過は、EPS体に対して隔離された金属製の保護箔によって、入射する放射線とは反対側で抑制できる。該保護箔で反射されたマイクロ波は、引き続き該詰め物の浸透に際して逆方向に吸収される。
【0008】
EPS体として残留割合のペンタンを有するものを選択する方法に従って、吸収材が製造される。EPS体は、ポリマーで取り囲まれるので、EPS体からのペンタンの拡散は100℃未満の温度で妨げられる。強磁性材料からなる被覆としては、結果的に、ポリマーマトリクスと強磁性粉末からなる混合物が施与される。このように被覆されたEPS体は、技術的に予定された型へと導入され、そしてその型内で100℃を超える温度を有する水蒸気流へと、残留割合のペンタンが蒸発されかつEPS体が膨らむまで晒される。請求項3に記載の使用されるポリマーマトリクスに依存して、該ポリマーマトリクスは、水蒸気によって再び解されるか又は熱供給により軟化され、両方の効果は、最終的に、被覆されたEPS体を互いに付着させることに導く。被覆されたEPS体を膨らますことによって、開放気孔が除かれ、付着面が拡大され、従って付加的な接着剤が回避される。この好ましい解決策が従って特に好ましい。それというのも、あらゆる更なる接着剤分がマイクロ波の浸透能を低下させるからである。
【0009】
EPS体としては、0.5〜10mmの直径を有するものが選択される。その際、該詰め物内の球体直径は、できる限り最大の球体数が単位体積当たりに存在するように様々に選択される。
【0010】
強磁性材料としては、高い初透磁率の場合に小さい保磁力を有する金属酸化物系の固体状態の粒子が使用される。粒度とは無関係に、この条件は、例えばMn−Zn−フェライトからなるスピネルなどの軟磁性の結晶性材料の場合に与えられる。粒度は、被覆方法によって決定され、それはコポリマーからなる水性分散液と一緒に噴霧した場合に5マイクロメートル未満である。六方格子構造を有する金属酸化物系の固体状態、例えばSr−フェライトもしくはBa−フェライトは、スピネルに対して、高すぎる保持力を示し、そして遠方界における入射電磁波によって、すなわち約10mWの放射線エネルギーの場合にエネルギー的に励起されないため、磁化の反転が起こりうる。従って、これらのフェライト、例えばSr−フェライトはM型として500nm未満の粒度まで粉砕によって微細化せねばならず、その際に初めて、該フェライトは50kA/m未満の保磁力を、すなわち軟磁性材料の値と同様の保磁力を達成する。これらの粉砕された六方晶フェライトは、主に、15GHzより高い周波数のための吸収材で使用される。それというのも、スピネルに対して、ともに必要な周波数に依存した透磁率がなおも大きく十分だからである。
【0011】
強磁性材料の選択された粒子は、一般に粉末形であり、かつ記載した使用目的に依存して200nm〜5μmの直径という平均寸法を有する。
【0012】
強磁性粒子は、ポリマーマトリクス中に包埋されている。その際、ポリマーマトリクスは、粒子を互いに付着させるだけでなく、凝塊物形成による粒子間での直接的な表面接触が縮小されることも妨げる。使用される強磁性粒子の複素抵抗に依存して、炭素粒子、例えばカーボンブラックの混加によって、ポリマーの導電性が適合される。
【0013】
EPS体は、ポリマーマトリクスでの被覆の前にポリビニルアルコール水溶液で噴霧被覆され、そして60℃で空気流中で乾燥される。こうして生じたフィルム被膜は、付加的な遮蔽として役立ち、EPS体からのペンタンの予定より早い拡散放出を防ぐ。
【0014】
該ポリマーマトリクスのためには、スピネルフェライト、例えばMn−Zn−フェライトを使用する場合には、水性分散液として7以下のpH値を有するポリビニルアセテートが有効であることが実証され、そこには付加的にポリイソシアネート架橋剤が添加されてよい。それに対して、六方晶フェライト、例えばSr−フェライトがM型として使用される場合に、スチレン−ブタジエンコポリマーもしくはアクリル酸エステル−スチレンコポリマーからなるポリマーマトリクスが必要である。そのうちスチレン−ブタジエンコポリマーの水性分散液は、7より大きいpH値を有する分散剤を有し、そしてOHイオン過剰によってSrイオンの形成を制限する。更に、その使用は、従ってまた合理的である。それというのも、これらのコポリマーは、ポリビニルアセテートに対してより低い誘電率を有し、これは、15GHzより大きい周波数の場合により低い浸透深さと関連して好ましい。
【0015】
本発明により製造された吸収材は、強磁性粉末でポリマーマトリクス内で被覆されたEPS体による詰め物であって、その外部構造が技術的に使用される型に相当する詰め物からなる。
【0016】
該吸収材は、角張った又は管型のハニカム体からなる平坦な格子梁(Gittertraeger)を有してよく、その中に被覆されたEPS体が少なくとも1つの単層で貼り付けられている。
【0017】
詰められた被覆EPS体からなる吸収材又は強磁性材料の粒子からなる被覆を有する平坦な格子中に単層として構成された吸収材は、マイクロ波のための広いバンド幅(1〜100GHz)で高い吸収能を示し、かつ単層として構成されたものは、付加的に、利用できるレーダー断面積を小さくする拡散反射特性を示す。詰められた被覆されたEPS体は、小さい質量、低い熱伝導率、そしてまた高い遮音能をも有する。これらの特性によって、生成物"マイクロ波用の吸収材"は、好ましくは他の最終生成物のためにも製造され、使用することができる。それに相応して、請求項8に記載の吸収材は、最終生成物の質量及び熱伝導率の低下のための又は遮音能の向上のためのエレメントである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、周波数に依存した反射率に関する図を示している。
【図2】図2は、本発明により製造される吸収材の透視断面図を示している。
【0019】
実施例
本発明を以下に2つの実施例でより詳細に説明する。図1は、周波数に依存した反射率に関する図を示している。実施例IIに属して、図2は、本発明により製造される吸収材の透視断面図を示している。
【0020】
実施例I
実施例Iでは、15GHzまでのマイクロ波用の吸収材の本発明による製造方法を詳細に説明する。その際、該吸収材は、ここでは詳細に定義していない規定の形状を有するべきである。
【0021】
6mmの平均直径を有し、なおも残留割合のペンタンを含有するEPS体が選択される。
【0022】
まず、なおも膨張可能なEPS体(スチロポール球体)をポリビニルアルコール水溶液で噴霧被覆し、そして60℃で空気流中で乾燥させる。この方法特徴に関しては、更なる方法工程によって、発泡されるポリスチレン中になおも存在するペンタンが漏れ出すことが妨げられることが望ましいが、少なくとも遮られる。
【0023】
次いで、ポリマーマトリクスと、強磁性材料としてのMn−Zn−フェライトからなる粉状化スピネルとからなる混合物での更なる被覆を行う。後続の噴霧被覆のための出発材料としては、いわゆるスラリーが準備される。該スラリーは、ポリビニルアセテートとポリイソシアネート架橋剤との水性分散液であって、その中に粉末形の強磁性材料が混加されている分散液からなる。噴霧被覆の間に、該スラリーを持続的に撹拌せねばならない。さもなくば強磁性粒子がデカンテーションされて、分離してしまう。こうして被覆されたEPS体を、80℃で空気流中で乾燥させる。脱水によって、ポリビニルアセテートからなるポリマーマトリクスが生じ、そして強磁性粒子を一緒に付着させる。最適な吸収は、EPS体−詰め物が50mmの厚さを有し、かつ個々のEPS体上の被覆が約0.1mmの厚さを有する場合に達成される。その際、透過は、50mmの詰め物厚さの場合にはもはや確認できない。
【0024】
塗布される水性スラリーは、以下の固体割合:70質量%の5マイクロメートル未満の粒度を有するMn−Zn−フェライト粉末、25質量%のポリビニルアセテートとポリイソシアネート架橋剤、5質量%のアセチレンブラックからなる。
【0025】
引き続き、被覆されたEPS体を、製造されるべき成形体の反転型(Negativ)を表す閉鎖可能な型中に導入する。その型中で、被覆されたEPS体に115℃の温度(通常の範囲は、100〜130℃である)の水蒸気をかける。熱供給は、EPS体が弾性になり、かつペンタン蒸気圧の増大によって膨張され、さらに開放気孔を除き、かつEPS体の接触面を拡大させることに導く。高温の水蒸気は、また更に、ポリマーマトリクスとポリビニルアルコールからなる遮蔽層が弾性になり、かつ部分的に剥離されることに導くので、EPS体の膨張は妨げられない。変形圧力下で、一緒に圧縮され、被覆されたEPS体はポリマーによって一緒に付着される。その際、ポリイソシアネート架橋剤は、ポリマーマトリクスが高温の水蒸気中で部分的にのみ剥離し、弾性で留まるように決められる。
【0026】
引き続き、被覆されたEPS体の詰め物全体を型内で100℃で乾燥させ、完成した吸収材を該型から取り出すことができる。
【0027】
図1は、本方法により製造される吸収材のための例として、透過を確認できない場合の、周波数に依存する反射率を示している。入射する放射線出力は、10mWであった。詰め物厚さは、50nmである。
【0028】
実施例II
実施例IIでは、フレキシブルな吸収材であって、被覆されたEPS体が単層として配置されており、かつ15GHzより大きい周波数のために使用できる吸収剤の製造が記載される。関連する図面である図2は、格子梁中に配置された被覆されたEPS体を有する吸収材の部分断面を示している。それから、更なる方法工程において該被覆されたEPS体は125℃で水蒸気によって膨張され、ハニカム壁と被覆されたEPS体との間の開放気孔は閉じられる。該方法を使用して、該吸収材は、平坦な弾性のプラスチックからなるハニカム状構造を有する格子梁1上で構成される。図2は、符号2で更に接着剤を示し、被覆されたEPS体3、球体カロット4及び格子梁1の壁部5を示している。
【0029】
平均直径3.2mmを有し、なおも残留割合のペンタンを含有し、かつ個別の球体として、その直径に対して、ほぼ六角形のハニカム格子開口中を埋めるEPS体が選択される。
【0030】
まず、実施例Iと同様のEPS球体をポリビニルアルコール水溶液で噴霧被覆し、そして60℃で空気流中で乾燥させる。
【0031】
15GHzより大きい周波数を有する電磁波の吸収に関連するものなので、ポリマーマトリクスと、強磁性材料を、実施例Iに対して変更する必要がある。後続の噴霧被覆のための出発材料としては、いわゆるスラリーが準備される。該スラリーは、スチレン−ブタジエンコポリマーの水性分散液であって、その中にM型としてのSr−フェライトからなる粉末形の強磁性材料が混加されている分散液からなる。噴霧被覆の間に、該スラリーを持続的に撹拌せねばならない。さもなくば、実施例Iに対してより小さい粒度にもかかわらず、強磁性粒子がデカンテーションされて、分離してしまう。
【0032】
こうして被覆されたEPS体を、80℃で空気流中で乾燥させる。脱水によって、スチレン−ブタジエンコポリマーからなるポリマーマトリクスが生じ、それは強磁性粒子あるいは凝塊化された粒子の群を一緒に付着させる。最適な吸収、すなわち透過も起こらない吸収は、70GHzより大きい周波数では、個々の被覆されたEPS体3上の被覆の厚さが約0.1mmである場合に達成される。
【0033】
吸収材の製造のためには、格子梁1として、いわゆるハニカムが選択され、それは六角形に詰められた単層の構成を支持する。ハニカム体は、ポリアミド紙からなるハニカム状の六角形構造体であり、その低い質量によっても制限されて、2未満の誘電率を示す。ハニカム高さは1.5mmであり、すなわち使用されるEPS体の直径の約0.5倍である。被覆されたEPS体の導入前に、その六角形のハニカム開口に、接着剤2として、液状の溶剤含有のスチレン−ブタジエンコポリマーを噴霧する。次いで、被覆されたEPS体3はハニカムの開口中に押し込まれ、ハニカム壁の表側にある付着している接着剤2は、それらの球体によって一緒にハニカム体の壁部領域に移動される。ハニカム高さ/球体直径の比率=約0.5によって制限されて、球体の一部は、カロット表面4としてハニカム高さ水準を超えて突出し、そして入射する放射線の吸収と拡散反射のために必要な単層表面を生ずる。こうして構成された単層表面は、従って想定されるように、付加的な接着剤をカロット表面上に有さない。それというのも、接着剤2は、ハニカム体の壁部5上のみにしか存在しないからである。
【0034】
本発明による方法の続きにおいて、被覆されたEPS体の嵌め込まれた単層を有する格子梁は、温度125℃を有する水蒸気を、被覆されたEPS体とハニカム壁との間の開放気孔に導通させるために用いられる閉鎖可能な容器中に導入される。既に実施例Iでのように、残留割合のペンタンは被覆されたEPS体中で、これを膨張させ、ハニカム壁に対して押しつけ、一緒に付着させることをもたらす。また、突き出ているカロットは、直径拡大の結果として相互に近づくので、放射線についてのハニカム枠(Wabensteg)の"可視"部は、最悪の場合にも、ハニカム表面に対して直交して電磁線が単層に達したとしても、最低の値をもたらす。ハニカム壁部上に存在する接着剤は、予め占められた出発位置をハニカム格子内で保持することを妨げる。吸収材は、その際に、閉鎖可能な容器から取り出し、かつ110℃で空気流中で乾燥させてよい。
【0035】
吸収材は、極めてフレキシブルであり、かつ使用において良好に技術装置に適合でき、70GHz以降で使用することができる。
【0036】
上述の格子梁1上に被覆されたEPS体2の単層を有する吸収材は、使用に際して15〜70GHzの周波数である場合に、2層の被覆されたEPS体を相応してより高いハニカム高さで配置させるか、又は使用例Iと同様に、付加的な球体詰め物を、しかし実施例Iによるポリマーマトリクスと強磁性材料をもって、単層の入射する放射線と反対側に配置することで簡単に改変できる。
【符号の説明】
【0037】
1 格子梁、 2 接着剤、 3 EPS体、 4 球体カロット、 5 壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡されたポリスチレン体(EPS体)であって、その上に強磁性粒子からなる被覆が施与されているEPS体の詰め物からなる、マイクロ波用の吸収材の製造方法において、順番に
− 残留割合のペンタンを有するEPS体を選択することと、
− ポリビニルアルコール水溶液を施与し、引き続き60℃で空気流中で乾燥させて、こうして100℃未満の温度でペンタンの拡散放出を妨げる合成ポリマーからなる被覆を形成することと、
− コポリマーと強磁性粒子の水性分散液からなる混合物を施与することと、
− 被覆されたEPS体を乾燥させて、こうして施与された混合物を、強磁性粒子が埋設されているポリマーマトリクスへと変換することと、
− 被覆されたEPS体を技術的に予定された型内に導入することと、
− 100℃を超える温度を有する水蒸気流をその型内に導通させて、こうして該EPS体をペンタンの残留割合の蒸気圧によってその最終的な大きさ及び形状にすることと
を特徴とする製造方法。
【請求項2】
コポリマーの水性分散液として、ポリイソシアネート架橋剤を有するポリビニルアセテート、カルボキシル化されたスチレン−ブタジエンコポリマーの水性アニオン性分散液又はアクリル酸エステル−スチレンコポリマーの微分散性の水性分散液であってアニオン性乳化剤系を有する分散液を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コポリマーと強磁性粒子の水性分散液の混合物は、以下の固形分:5〜40質量%のポリマー、2〜5質量%のアセチレンブラック及び93〜55質量%の強磁性粒子から製造されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
EPS体として、球形の形状を有し、かつ0.5〜10mmの直径を有するEPS体を選択することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
強磁性粉末として、粒度200nm〜15μmを有する強磁性粉末を選択することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法によって製造される、強磁性粉末でポリマーマトリクス内部で被覆されており、かつその外部構造が技術的に使用される型に相当するEPS体の詰め物からなる、マイクロ波用の吸収材。
【請求項7】
角張った又は管型のハニカム体からなる平坦な格子梁(1)を有し、その中にEPS体(3)が少なくとも1つの単層で貼り付けられており、前記EPS体が強磁性粉末でポリマーマトリクス内部で被覆されていることを特徴とする、請求項6に記載の吸収材。
【請求項8】
最終生成物の質量及び熱伝導率の低下のための又は遮音能の向上のためのエレメントであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の吸収材。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−534944(P2010−534944A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518496(P2010−518496)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001282
【国際公開番号】WO2009/015661
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(398036003)グラット ジステムテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】Glatt Systemtechnik GmbH
【Fターム(参考)】