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マイクロ流体デバイス内での粒子分離方法及び装置
説明

マイクロ流体デバイス内での粒子分離方法及び装置

マイクロ流体デバイスは、液体試料中粒子の分離を提供し、特に、さらなる分析のために全血試料をその成分に分離する。赤血球及び血漿への分離は、重力の1〜5倍までの遠心力を与えることで、血液試料を分離チャンバに移してから数秒以内に生じる。より大きな力を与えることで、ヘマトクリットの測定が可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
本発明は、概して、種々の生物学的及び化学的組成物の分析に用いられるマイクロ流体デバイスの分野に関する。一般に、本発明は、液体試料からの粒子状物質の分離に関する。好ましい実施形態において、本発明は、血液試料成分分析のために血液試料を分離する方法及び装置に関する。
【0002】
体液又は他の流体中のグルコース、アルブミン又はバクテリアなどの分析物の存在(欠乏)又は量を決定するために、分析を行う技術者を補助するための試薬デバイスが一般的に用いられる。このような試薬デバイスは、技術者が試料流体を適用することができ、次いで結果を標準と比較することができる1種以上の試薬領域を含む。例えば、試薬片を試料流体内に漬けると試験片の色が変化し、標準対照色チャートと色の強度又はタイプを比較する。このようなデバイスの調製は、多くの体液がそうであるように複雑な組成物を試料が含む場合には困難である。同定又は測定されるべき成分は、特性色を提供するための試薬によって検出され得る前に、適切な形態に変換されなければならないかもしれない。試料流体中の他の成分は、所望の反応に影響するかもしれず、試料又は他の中和された有効成分から分離されなければならない。時々、試薬成分は相互に不適合(配合禁忌)である。他の場合、試料は、問題の成分を濃縮するために前処理を要する。これら及び他の問題は、単一のデバイス内に特定のアッセイに必要な試薬成分を提供することを困難とする。従来技術は、このような問題を解消し、流体試料を特定の成分に対して分析する能力を提供する多数のデバイスの例を含む。
【0003】
別のアプローチは、試料を調製して分析する工程のシーケンスを実施すること(ただし、技術者が行うことを要しない)である。これをなす方法の一例は、所望のプロセスを自動的に行うデバイスを調製することによるものであるが、試薬を隔離されたままとすることにより、上述のような問題を回避することができる。
【0004】
分析を行うことは、試料を受け取り、試料の所望量を選択し、試料を希釈又は洗浄し、成分に分離し、試料又は試料の成分と反応を行わせることを含むかもしれない。このような工程を研究室にて大きな試料で行うとしたら、一般に必要な工程を手動により行うために技術者が必要となるか、あるいは自動化される場合には、試料及び試料成分を移動させて、試薬、洗浄液体、希釈剤などを導入するために設備が必要となるであろう。しかし、試料が小さく、したがって非常に小さな設備内で処理工程を行わなければならないことは、生物学的アッセイでは通常のことである。約0.02〜10.0μLの試料に必要なサイズに研究室設備を小型化することは、容易ではなく、異なるアプローチが用いられる。プラスチックその他の適切な基体にこのような機構を創製することにより、及び得られる基体を別の層で被覆することにより、μmサイズの通路により連結される小さな容器が製作される。容器は、被覆層を塗布する前に容器に添加された試薬を含んでいることもある。通路もまた、所望により、試験されるべき試料により湿潤性又は非湿潤性になるように処理されていてもよい。試料、試料成分又は他の流体は、壁面が湿潤している場合には、このような通路を毛細管作用により移動し得るし、あるいは流体が通路の壁面を湿潤しない場合には移動が阻止される。よって、毛細管寸法の通路は、バルブが存在すれば、流体を移動させるか又は流体の移動を阻止するかのいずれかをなし得る。流体をこのようなμmサイズの通路内で移動させる他の方法は、非湿潤性壁面の抵抗にうち勝つ遠心力によるものである。この単純な記載は、マイクロ流体デバイスの概観を提供する。特定の用途は多くの特許(いくつかは後述する)によって提供されている。
【0005】
種々のタイプの分析のために、容器及び通路を配置する際に用いられる数種の原理の拡張された議論は、米国特許6,143,248号明細書に与えられており、これらの原理の適用の追加例は米国特許6,063,589号明細書に見ることができる。これら2件の特許に記載されているマイクロ流体デバイスは、ディスク形態で配設され、1個の容器から他の容器に流体を移動させるために必要とされる際に、遠心力の程度を変えることができる設備上で回転させられるように意図されたものであった。一般に、試料は回転中心近くに供給され、試料又はその一部を回転中心から更に離れて配設されている容器に移動させるために徐々に増加する回転速度が用いられるであろう。この2件の特許は、如何に特定量の試料を分析用に単離させることができるか、洗浄その他の目的のために如何に試料を他の流体と混合することができるか、如何に試料を成分に分離することができるか、を記載する。
【0006】
他の特許は、電気浸透により流体を移動させるために電極の使用を記載する(米国特許4,908,112号明細書など)。Caliper Technology Corporationは、流体が電動推進力により移動するマイクロ流体デバイス特許のポートフォーリオを有する。代表的な例は、米国特許5,942,443号、5,965,001号及び5,976,336号である。
【0007】
米国特許5,141,868号明細書において、毛細管作用が用いられ、試料をキャビティ内に吸引し、試料の測定を試料キャビティ内に位置づけられた電極によって行うことができる。
【0008】
全血は、医療用途又は分析のために、しばしば、その成分に分離される。血液の成分は、異なる比重を有し、赤血球(RBC)が最も重く、血漿が最も軽いので、分離は通常、血液を高遠心力に供することによりなされる。the American Association of Blood Banks(米国血液銀行協会)によれば、全血を赤血球と、血小板が豊富な血漿と、に分離するには、典型的には血液が収集されたプラスチックバッグ内で全血を分離するように設計された遠心分離機内で、3分間、重力の2,000倍の力を与えることが必要である。
【0009】
赤血球及び血漿の分離は、赤血球の通過を阻害するが血漿は通過させるフィルターを用いる装置を用いて行うこともできる。一例は、米国特許4,600,507号明細書にみられ、この特許では、遠心分離機内に実装するためのチューブは、チューブの軸に沿って位置合わせされたフィルターを有する。国際特許公開パンフレットWO 01/24931において、試料は濾過され、フィルターを通過する液体は毛細管通路を介して移動させられる。堰は、YuenらのGenome Research 11:405-412, 2001により開示された設計において、フィルターとして作用する。Guiganの米国特許4,788,154号明細書は、遠心力を用いて少量の血液を分離する際に用いるための複合デバイスを記載する。このデバイスは、分離プロセス中、ターンテーブル上で180度回転する。米国特許出願No. 2001/0046453 A1において、血液は分離されないが、血液試料を試薬と組み合わせ、次いで、遠心力を使用せずに、毛細管力により廃棄物用ウェルに流す。
【0010】
マイクロ流体デバイスの潜在的な一使用例は、血液試料の分析である。しかし、そのようなデバイス内の小寸法の通路は、血球によりブロックされると報告されている。本発明者らは、これは通路が約60μm未満の寸法である場合に問題となることを知見した。さらに、ある種の分析方法においては、血液成分は別々に分析されるべきである。例えば、赤血球は、清澄な血漿の比色定量分析に影響を与えるかもしれない。したがって、成分を分析することができ、マイクロ流体デバイス内の小さな通路のブロックを回避することができるように、血液試料を分離することがしばしば重要である。血液をフラクションに分離するためにマイクロ流体工学を使用する一例は、上述の米国特許6,063,589号明細書にみられる。本発明の要素の配列よりも一般に大きい、より複雑な要素の配列が用いられる。比較的大きな回転速度を用いて、全血をフラクションに分離する。この特許は、湿潤性表面又は非湿潤性表面の効果に言及しているけれども、流体工学要素の表面特性の情報を与えない。同様に、米国特許5,160,702号明細書において、血液試料が分離され分析されるチャネル及びチャンバの複雑な配列が示されている。反対側の端部よりも回転中心からさらに半径方向に離隔している端部を有する湾曲した分離チャンバが用いられる。
【0011】
後述する本発明において、最小の遠心力で赤血球及び血漿の迅速な分離を提供するように構成されているマイクロ流体デバイスが示される。
発明の概要
本発明は、一般に、液体試料中の粒子状物質を分離するためにマイクロ流体技術を用いるデバイスとして特徴付けられ、特に、改良された態様で血液をフラクションに分離するデバイスに関する。血液が試料である場合、デバイスは、試料を受け入れるための入口と、試料を受け入れて、低重力場を用いてフラクションに分離するための分離チャンバと、血液及びそのフラクションで置換された空気を除くための排気口と、を含む。一実施形態において、デバイスは、血液試料のヘマトクリットを決定するために用いられる。他の実施形態において、デバイスは、分離された血漿を分析用に抜き出すための少なくとも1個の出口毛細管を含む。
【0012】
全血を分離するために用いられる分離チャンバは、好ましくは、約0.2〜10μLの容積、好ましくは約0.3〜2μL寸法の容積を有し、表面対容積比が大きくなる寸法を有し、血液試料の分離を促進するようにチャンバ表面は水に対する接触角が約20度〜80度である。すなわち、分離チャンバの表面は、血液試料に対して一般に親水性であるだろう。典型的には遠心力を増加させることによって、毛細管の流れ抵抗が打ち破られない限り、血漿が除かれることのないように、血漿用の出口毛細管は分離チャンバよりもより小さな断面積を有するであろう。一般に、分離チャンバの深さは、5μL試料に対して約500μmであり、他の試料寸法については比例して大きくなるか又は小さくなる。重要なパラメータは、粒子寸法に対するチャンバの深さの比であり、好ましくは、この比は約5/1〜100/1である。一実施形態において、分離チャンバは、大きな表面と浅い深さを提供する6:1:0.5 mm(長さ:幅:深さ)の寸法を有する。赤血球用の追加のスペースを提供するために、深さは、チャンバの底部で増加してもよい。
【0013】
一側面において、本発明のマイクロ流体デバイスは、ヘマトクリット、すなわち、全血試料中の赤血球のフラクションの測定手段を提供する。
別の側面において、本発明は、続くアッセイにて用いるために、小さな全血試料を血漿と赤血球とに分離する方法であり、マイクロ流体デバイスを回転させて、血液試料に遠心力を与え、こうして血液試料を分離チャンバ内に移動させ、ここで試料を一般に低い回転速度により発生する重力の約1〜5倍未満の遠心力を用いて、約1〜10秒以内に分離する。好ましい実施形態において、回転速度は約100〜400 rpmであり、分離チャンバの中心は回転中心から約1.5 cmにある。ヘマトクリットの測定のためにより完全な分離が必要である場合には、約2,500 rpmまでの回転速度を用いることができる。
【0014】
好ましい実施形態
マイクロチャネル内のフロー
本発明を用いるデバイスは、典型的には、当該分野でこれまで研究者により提案されているものよりも小さいチャネルを用いる。特に、本発明で用いられるチャネルは、約10〜500μm、好ましくは約20〜100μmの範囲にある幅を有するが、他者により典型的に用いられるチャネルは一桁大きい。このようなチャネルの最小寸法は、約5μmと考えられている。なぜなら、より小さなチャネルは、分析される試料中の成分を効果的に濾過して取り除くからである。全血が試料である場合、最小寸法は約20μmと考えられる。一般に、チャネルの深さは、幅よりも小さいであろう。本発明の好ましい範囲にあるチャネルは、フローを開始させる場合を除いて遠心力を用いずに毛細管力により液体試料を移動させることを可能とすることが知見されている。例えば、試料流体に対して疎水性となるように処理された毛細管壁によって移動を停止させることが可能である。抵抗毛細管力は、遠心力を与えることによって打ち破られ、遠心力は次いで液体フローが確立される際に取り除かれ得る。あるいは、毛細管壁が試料流体に対して親水性になるように処理される場合には、流体は遠心力その他の力を用いることなく、毛細管力によって流れるであろう。親水性栓がそのようなチャネル内に含まれる場合には、親水性栓の効果を打ち破る力を与えることによって、フローは確立されるであろう。結果として、実施されるべき分析について必要なときに、液体を計量して、デバイスの1領域から他の領域に移動させることができる。
【0015】
遠心力、流体物理特性、流体表面張力、毛細管壁の表面エネルギー、毛細管寸法及び分析されるべき流体に含まれる粒子の表面エネルギーに関する数学的モデルが導かれている。毛細管を通しての流体の流量及び疎水性又は親水性の所望の程度を予測することが可能である。以下の一般的な原理は、これらの因子の関係から引き出すことができる。
【0016】
任意の所与通路について、通路の表面と液体との相互反応は、液体の移動に大きな影響を有することもあるし有しないこともある。通路の表面対容積の比が大きい場合、すなわち断面積が小さい場合、液体と通路の壁との間の相互反応は、非常に大きくなる。これは特に、約200μm未満の公称直径を有する通路を考える場合、液体試料及び壁の表面エネルギーに関連する毛細管力が優位である場合である。壁が液体により湿潤されている場合、外部力を与えられずに、液体は通路を通って移動する。逆に、壁が液体によって湿潤されていない場合、液体は通路から離れようとする。これらの一般的な傾向を用いて、通路を通して液体を移動させたり、異なる断面積を有する別の通路との接合部で移動を停止させたりすることができる。液体が止まっているならば、次いで、遠心力などの力を与えることによって移動させることができる。あるいは、異なる断面積又は表面エネルギーを有する通路の間の接合部にて必要な圧力変化を誘発させることができる空気圧、真空、電気浸透等を含む他の手段を用いることができる。液体が移動する通路は、これまで用いられてきているよりも小さく、より高い毛細管力を得ることができ、毛細管栓を打ち破らなければならない短時間を除いて外部力を必要とせずに、液体を毛細管力だけで移動させることを可能とする。しかし、より小さな通路は、本質的に、生物学的試料又は試薬中の粒子による閉塞に対する感受性が高いようである。したがって、試験されるべき試料流体、例えば、血液、尿などと一緒に用いる際に、必要に応じて、通路壁の表面エネルギーは調整される。この特徴は、作製されるべき分析デバイスのより柔軟な設計を可能とする。デバイスは、従来用いられているディスクよりも小さくすることができ、より小さな試料を扱うことができる。
【0017】
全血がマイクロ流体デバイス内で分析されるべき試料である場合、血液成分は分析に必要とされる工程の所望のシーケンスを通して移動することが困難であるかもしれない。特に、毛細管通路の直径が約20μmよりも小さい場合、血球はフローを妨害するかもしれない。血液の凝集もまた、重大な問題を呈する。フローに対する干渉に加えて、赤血球の色も分析物の存在又は欠乏を検出するために用いられる試薬の色の変化の検出を妨害するかもしれない。
【0018】
マイクロ流体デバイス
本発明の分析デバイスは、「チップ」とも呼ばれる。これらは一般に小さくて平坦、典型的には約1〜2 in2(25〜50 mm2)であるか又は同様の寸法の円形盤(たとえば25〜120 mm半径)である。試料の容積も少量であろう。例えば、わずかに約0.3〜1.5μLを含むであろうから、試料を適切な設備により容易に見て測定することができるように試料流体用ウェルは比較的幅広で浅い。相互接続する毛細管通路の幅は、10〜500μm、好ましくは20〜100μmの範囲にあり、形状は、通路を形成するために用いられる方法によって決定されるであろう。通路の深さは、少なくとも5μmであるべきであるが、全血が試料である場合には少なくとも20μmである。試料の所定量を規定するために毛細管のセグメントを用いる場合、毛細管は、試薬ウェル間の通路よりも大きくてもよい。
【0019】
射出成形、レーザーアブレーション、ダイヤモンド切削又はエンボス加工などの毛細管及び試料ウェルを形成することができる数種類の方法があるが、チップの費用を削減するために射出成形を用いることが好ましい。一般に、チップの基部をカットして、試料ウェル及び毛細管の所望のネットワークを作り出し、次いで頂部を基部の上方に取り付けてチップを完成させる。
【0020】
チップは、1回の使用後に廃棄可能であるようにする。したがって、チップは、試薬及び分析されるべき試料と親和性であるが、可能な限り低廉な材料から製作される。ほとんどの例において、チップは、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート又はポリウレタンなどのプラスチックから製作されるか、あるいは、シリケート、ガラス、ワックス又は金属から製作されるであろう。
【0021】
毛細管通路は、疎水性もしくは親水性のいずれかとなるように調整され、疎水性又は親水性は、液体試料又は試薬により固体表面に形成される接触角に関して規定される。典型的には、接触角が90度未満の場合には表面は親水性であると考えられ、接触角が90度よりも大きい場合には疎水性であると考えられる。疎水性もしくは親水性のいずれかとなるように、表面を処理することができる。好ましくは、通路の表面でプラズマ誘導重合を行わせる。本発明の分析デバイスは、親水性もしくは疎水性物質によるコーティング、グラフト又はコロナ処理などの毛細管壁の表面エネルギーを制御するために用いられる他の方法で製造することもできる。本発明において、意図された試料流体と一緒に用いるために、毛細管壁の表面エネルギーを調節すること、すなわち、親水性もしくは疎水性の程度を調節することが好ましい。例えば、疎水性通路の壁上での堆積を防止するために、又は液体が通路内に残らないようにするためである。
【0022】
毛細管を通しての液体の移動は、毛細管栓によって阻止される。毛細管栓は、その名が示すように、液体が毛細管を通して流れることを防止する。毛細管通路が親水性であって、液体フローを促進する場合には、疎水性毛細管栓、すなわち疎水性壁を有するより小さな通路を用いることができる。液体は、疎水性栓を通過することができない。なぜなら、小さな寸法及び非湿潤性壁の組み合わせが、結果的に、液体の流入に抵抗する表面張力を生じさせるからである。あるいは、毛細管が疎水性である場合には、試料ウェルと毛細管との間に栓は必要ではない。遠心力によるなどして十分な力が液体に与えられ、抵抗する表面張力を打ち破り、疎水性通路を通過させない限り、試料ウェル内の液体は、毛細管に流入することが妨げられる。遠心力だけが液体フローを開始するために必要とされることが本発明の特徴である。疎水性通路の壁が液体と完全に接触すると、抵抗力は減少する。なぜなら、液体の存在が、疎水性表面に関連するエネルギー障壁を低下させるからである。したがって、液体は流れるために、もはや遠心力を必要としない。必要ではないが、いくつかの例においては、迅速な分析を促進するために、毛細管通路を通して液体が流通する間、遠心力を与え続けることが利便であるかもしれない。
【0023】
毛細管通路が親水性である場合、試料液体(水性であると推定される)は追加の力を必要とせずに、自然に毛細管を流通するであろう。毛細管栓が必要である場合、一代替例は上述の栓として作用することができる狭い疎水性区域を使用することである。毛細管が親水性であるとしても、親水性栓を用いることもできる。このような栓の一例は、毛細管よりも幅広で、よって、液体の表面張力は、液体のフローを促進するより低い力を作り出す。毛細管と幅広の栓との間の幅の変動が十分である場合、液体は、毛細管栓への入口で停止するであろう。液体は、最終的には栓の親水性壁を這って進むであろうが、壁が親水性であっても栓が効果的であるように、形状の正確な設計によって十分にこの動きを遅延させることができることが知見されている。あるいは、親水性栓は通路が突然狭くなる結果であってもよく、遠心力などの適切な力が与えらない限り、液体は狭い通路を通して流れない。
【0024】
分離チャンバ
塊中の血液の分離は、典型的には、血液を含むプラスチックバッグを遠心分離機内に置き、次いでバッグを比較的高速度でスピン回転させて、血液をフラクションに分離することによってなされる。ある設備において、血液は連続的に分離され、一部は提供者に戻される。いずれかの状況において、比較的高い「g」力が用いられる。例えば、赤血球を血漿から分離するためにthe American Association of Blood Banks(米国血液銀行協会)によって規定される「ソフトスピン」(“soft spin”)は、重力の2,000倍の力を3分間与えることを必要とする。しかし、多くの場合において、血液を多量に得ることは必要ではなく、臨床的有意性を有するある種の特性を決定するために血液フラクションと反応する試薬を適用可能とするだけで十分である。例えば、臨床的有意性であるウィルス、タンパク質、酵素、細胞及び代謝物の診断分析などである。マイクロ流体技術を用いることは、所望の分析のために、非常に少量の血液だけを抜き出すことが必要であるにすぎないことを意味する。血液試料を迅速に分析することで、医学的問題を突き止めることができ、より迅速かつ効果的に処置することができる。
【0025】
血液をそのフラクションに分離することは、できるだけ最低の「g」力にて且つ最短時間内で実施されるべきである。高重力場を用いることは、血液試料を高速度でスピン回転することを意味し、比較的高価な設備を必要とし、試験を行う人間にとって潜在的に危険である。さらに、高い「g」力を与えることは、結果的に血球に損傷を与えかねず、正確な試験結果を得ることに影響するであろう。採血から結果取得までの全体時間をできるだけ短くするように、血液の分離は迅速になされるべきである。好ましくは、最長で約2分が受容可能であるが、より望ましくは、マイクロ流体チップが高められた重力場に供された後、数秒で、血液は分離されるべきである。
【0026】
回転プラットフォーム上の正確な位置に保持されたチップをスピン回転することにより得られる力は、1分当たりの回転数と回転中心からの距離の関数である。一般に、力は、(回転中心からの距離)×(1分当たりの回転数の二乗)に比例する。塊内での血液の分離は数千回転/分にて行われ得るが、マイクロ流体チップ内での分離のためには、もっと低速を用いることが望ましく、好ましくは100〜400 rpmの範囲であり、ヘマトクリットを測定する場合には最大約2,500 rpmである。計算は、このような低速を用いることで、特に、チップは通常、回転中心の近くに位置づけられるから、低い「g」力を作り出すことを示すであろう。典型的な「g」力は、約0.9〜35であり、より広範には約0.35〜320であろう。ヘマトクリットを測定するために、より完全な分離が必要である場合には、より高い「g」力が用いられる。
【0027】
塊内での血液の分離が数分間にわたる数千回転/分を必要とする場合に、なぜ血液フラクションの分離がこのような短時間で且つこのような低い「g」力で生じるのかと尋ねられるかもしれない。答えは、小さい寸法の試料、分離チャンバ容積及びチャンバ壁の表面エネルギーの効果に見いだされると考えられる。保持容量0.5μLで深さ100μm(0.1 mm)の典型的な血液分離チャンバは、壁の長さが約10 mmであり、幅はわずかに約5 mmである。各赤血球は、距離対RBC粒子寸法比が20以下であるから、チャンバの壁に到達するまでに短い距離を移動するだけである。壁表面が、赤血球の表面エネルギーよりももっと低い表面エネルギーを有するように製作されている場合には、赤血球は壁に接着し、凝集が生じるであろう。壁表面が、赤血球の表面エネルギーよりももっと高い表面エネルギーを有するように製作されている場合には、赤血球は壁にはじかれて、与えられた遠心力ゆえに分離が生じるだけであろう。壁表面が、赤血球の表面エネルギーと合致するかわずかに低い表面エネルギーを有する場合には、赤血球は壁に引きつけられ、慣性力及び与えられた遠心力の両者ゆえに分離が生じるであろう。結果は、低い重力だけが与えられたとしても、血漿からの赤血球の分離は、わずか数秒で行うことができるということである。
【0028】
本発明の血液分離チャンバの最適な容積は、試料の容積、マイクロ流体チップの寸法、チャンバ壁の表面エネルギー、分離を達成するために利用できる時間及び利用可能な遠心力を含むいくつかの因子により決定されるであろう。典型的なマイクロ流体チップは、約0.2〜10μL、好ましくは約0.3〜2μLの試料容積を用いると予想される。チャンバの最小深さは、赤血球のおよその寸法である約5μmであろう。特に、チャンバの深さは、チャンバの詰まりを回避し、赤血球は分離チャンバの底部まで外方向に押しやられるので血漿を回転中心に向けて流すために、最小深さの約5〜20倍とすべきである。上述のように、チップが置かれているプラットフォームの回転速度は、典型的には約100〜800 rpmの範囲とし、1〜約5.6未満だけの「g」力を与えるであろう。分離チャンバの容積は変動し得るが、壁面積が大きくなるように浅い深さを与えることによって大きな表面対容積比を有するであろう。好ましい一実施形態において、分離チャンバは、3μL容量で、6:1:0.5 mm(長さ×幅×深さ)の容積を有する。典型的には、深さは5μL試料に対して約500μmであろう。容積は、これらの一般的な原理内で分離されるべき試料の量と共に変動し得る。一実施例において、追加の空間が赤血球のために提供される。 分離チャンバの容積は、チャンバは一般に細長い平坦なチャネルを有すると仮定した矩形断面に基づいていることに留意すべきである。しかし、他の形状、例えば半円形断面を可能とする製造技術を用いる場合には、深さは半円の最大半径になるであろう。チャンバ深さは、粒子寸法よりも大きいが、赤血球は短い距離を移動すべきである。好ましくは、深さ/粒径の比は約5/1〜100/1であろう。
【0029】
生物学的試料の表面エネルギーは、典型的には約55〜75 dynes/cm2である。したがって、分離チャンバの壁の表面エネルギーは、試料の表面エネルギーと同様であるべきである。生物学的試料の表面エネルギーはいくらか異なるかもしれないが、便宜上、表面エネルギーを水で作られる接触角によって決定する。1滴の水が表面上にあるとき、その接触角は、表面が親水性である場合には90度よりも小さい。壁が親水性である場合、試料流体の滴は壁を湿潤させる傾向にあり、試料の分離を補助すると考えられる。
【0030】
適切な表面エネルギーを慣用の方法により与えることができ、好ましくは水に対する接触角20度〜80度が用いられる。これらの方法により表面エネルギーを所望の値に調節することができる。採用される表面エネルギーは、分離に利用可能な時間量、回転速度及び分離チャンバ容積に依存する。
【0031】
血液分離
図1は、本発明のマイクロ流体チップ内での血液分離を説明する。血液試料は、抗凝血剤、例えばK2EDTAを含んでいてもよい試料ウェル12に導入され、栓13によって毛細管通路からの漏洩が防止される。栓は必須要素ではないが、図示されている場合において、栓13は親水性栓として示されている。所望により、試料は、すぐに分離チャンバに直接流入させることができる。例えば遠心力を与えるためにチップをスピン回転させることにより、試料ウェル12に力を与えた場合、栓13の抵抗は打ち破られ、血液は分離チャンバ14内に流入し、置換された空気は排気口16を通って排気される。血液は、血漿及び赤血球に迅速に分離し、血漿は毛細管通路を通ってウェル15に流れる。毛細管は、親水性もしくは疎水性の栓を含んでいてもよく、遠心力を増加させることにより打ち破られない限り、いずれかの栓が分離された血漿のフローを防止することができる。あるいは、栓を設けない場合には、血漿は、親水性分離チャンバの壁を伝って、毛細管に、ウェル15に逆流してもよい。
【0032】
多くの用途において、ウェル15内の血漿は、ウェル15内に置かれた適切な試薬と反応する。あるいは、図2に示すように、血漿は、ウェル15で始まり、関連する毛細管及び試薬ウェルを通して連続する一連の工程において処理され得る。各ウェルは、液体がウェル内に移動する際に空気を置換するように、排気口を有する(図1に点線で示す)。
【0033】
図1に示すデバイスは、その構成が非常に単純であるが、与えられている比較的低い遠心力で血液を分離するために、毛細管通路及び分離チャンバはある要求を満たすことが必要である。上述のように、血液銀行において実施されているような塊内での血液の分離は、数分間にわたり、比較的高度の重力場を与えることを必要とする。本発明の一実施形態において、重力の約2.2倍の力で、血液は約1〜10秒で分離することがわかっている。一般に、分離チャンバが回転中心から約1.25 cmにある場合には、回転速度は100〜800 rpmの間、好ましくは約200〜500 rpmの間であろう。
【0034】
本発明の血液分離デバイスの一つの利点は、赤血球から構成される血液試料のフラクションを決定すること、すなわちヘマトクリット測定を可能にすることである。ウェル及び毛細管の容量は既知であり、赤血球と血漿との間の境界は見えるから、ヘマトクリットは容易に計算できる。続いての分析のための血漿の分離は、ヘマトクリット測定に必要とされるような完全な分離を必要としない。したがって、分析のための血漿の分離には低い「g」力だけが要求され、一方、正確なヘマトクリット測定を提供するために「g」力を増加させる。上記したように、分析のための血漿の分離には、1〜約5未満の「g」力で十分である。ヘマトクリットを測定するために必要なより完全な分離のために、約35〜350の「g」力が必要である。
【0035】
血液フラクションの分析
マイクロ流体チップは、 血液試料を処理し又は分析試薬と接触させるために、毛細管通路によって相互接続された複数のウェルを含みものでもよい。例えば、ウェルは、粒子及び表面に固定化された結合パートナーを用いて、試薬ウェル内に、抗体、ヌクレオチド又は抗原を捕捉(トラップ)するため;不純物、未結合物質又は干渉物質を洗浄もしくは反応により取り除くため;又は検出方法の較正又は制御用の試薬を添加するために、用いることができる。ウェルの一つは、典型的には、ウェルに含まれている検出方法を介して信号を発生及び/又は検出するであろう。例としては、電気化学検出、スペクトル検出、磁気検出及び酵素、指標もしくは色素による反応の検出を挙げることができる。
【0036】
多くの用途において、試薬と試料との反応により展開される色が測定される。チップ内の小さなウェルに位置づけられた電極を用いて、試料の電気的測定を行うことも容易である。このような分析の例は、アンペロメトリー(amperometric)検出方法、インペディメトリー(impedimetric)検出方法、ポテンシメトリー(potentimetric)検出方法に基づく電気化学的信号トランスデューサーを含む。例としては、酸化的化学物質及び還元的化学物質及び結合事象(bonding events)の検出を挙げることができる。
【0037】
分離工程では、第1のウェル内で分析物を試薬と反応させ、次いで、反応した試薬をさらに反応させるために第2のウェルに送ることが可能である。さらに、試薬を第1のウェル内で再懸濁させて、反応のために第2のウェルに移動させることもできる。分析物もしくは試薬は、第1のウェル又は第2のウェル内にトラップされてもよく、遊離試薬に対する結合試薬の測定を行う。
【0038】
図2は、血液フラクションを分析するための追加の手段を含む本発明の実施形態を説明する。着色したラテックス粒子などの粒子状物質を含有する血液又は他の液体の試料を、毛細管通路を介して分離チャンバ14と流体連通状態にある試料ウェル12を通して導入することができる。分離されるまで試料をウェル12内に保持することが望ましい場合には、毛細管は親水性もしくは疎水性の栓(図示せず)を含み得る。栓が存在する場合には、栓の効果を打ち破るために、典型的には、遠心力が用いられる。分離チャンバは、上述のように、遠心力により試料を分離することを促進する容積を有する。一般に、分離チャンバは、チャンバ壁との距離が短く、一方で、凝集した粒子により液体移動が妨げられることを防止するためには十分であるように、幅よりも長さが長く、粒子の寸法に関連する深さを有する。遠心力は、粒子を分離させるために十分な程度与えられ、粒子をチャンバ14の底部にまで移動させ、液体を上部に残す。十分な力が与えられない限り、毛細管栓13はウェル15への液体のオーバーフローを防止するために用いられる。ウェル17は、毛細管通路を介してウェル15に試薬を供給し、分離された液体を分析する際に補助するように、位置づけられている。その後、反応した試料は、別の毛細管通路を通してウェル16に移され、ウェル16内で試薬とさらに反応する。最後に、反応した試料は、廃棄物ウェル18に移されてもよい。
【0039】
図3は、図2に関して記載したチップの他の変形例を説明する。試料ウェルは省略した。分離チャンバ14は、計量チャンバ19に、試料のより軽い相、例えば試料が全血である場合には血漿を供給する。計量チャンバは、毛細管栓20の抵抗が打ち破られたときに、試薬ウェル15に送られる分離された相の量を決定する。より軽い相の過剰量は、オーバーフローチャネルを通して、廃棄物チャンバ18まで流れる。図2に関して上述したように、1個以上の試薬ウェルを用いることができることは理解されるであろう。
【実施例】
【0040】
実施例1 血液の分離
EDTAで処理された5μLの血液試料を、水に対する接触角が30度である壁面を有するマイクロ流体チップ内の試料ウェルに添加した。チップを600〜2500 rpmで2分間、スピン回転させた。試料ウェルの中心は回転中心から1.5 cmとして、試料を長さ6 mm、幅1 mm、深さ0.5 mm、ただしチャンバの下部1.5 mmにおける深さは1 mmである分離チャンバに送った。
【0041】
分離チャンバに接続されているすべての出口毛細管を塑像用粘土(プラスティシーン)でブロックして、血液分離効率を決定するために分離チャンバ内に血液全量を維持した。血液試料を入口に添加した。チップをスピン回転させて、チップ像を30秒ごとに保存した。異なるスピン回転速度で実験を数回繰り返した。分離の程度は、ヘマトクリットの観測値と実際のヘマトクリット値とを比較することにより決定した。ヘマトクリットの観測値は、分離された血球容積と試料容積との比を光学的に測定したものである。標準値は、マイクロ遠心分離機内の毛細管チューブにより決定したものとした。
【0042】
結果は、血液試料が各設定速度にて、凝固することなく、分離チャンバに容易に流入したことを示した。異なる時間間隔においてチップ像から得られた結果は、2500 rpmの速度では2分間で完全に血液が分離し、600 rpm程度に低い速度では15秒程度に短い時間で部分的に血液が分離したことを示した。
【0043】
実施例2 血漿アリコートの迅速な分離
EDTAで処理した血液試料5μLを、水に対する接触角が30度である壁面を有するマイクロ流体 チップ内の試料ウェルに添加した。チップを1000 rpmで30秒間、スピン回転させた。試料ウェルの中心は回転中心から1.5 cmとし、試料を長さ6 mm、幅1 mm、深さ0.5 mm、ただしチャンバの下部1.5 mmにおける深さは1 mmである分離チャンバに移した。
【0044】
出口毛細管を分離チャンバに接続させた。この出口チャンバの容積は、深さ10μmから深さ200μmまで、100μmの幅で変動させた。血液試料を入口に添加した。チップをスピン回転させ、チップ像を30秒ごとに保存した。異なるスピン回転速度にて実験を数回繰り返した。
【0045】
結果は、30秒、1000 rpmで、迅速に分離した血漿試料が分離チャンバから出口毛細管及び続く保持領域に容易に流入したことを示した。深さ対粒径(RBC)比が5/1よりも大きい場合にだけ、フローが生じた。分離チャンバの深さを0.5 mmから0.1 mmに変化させると、30秒での血漿の迅速な分離に要するrpm(回転速度)は、1000 rpmから200 rpmに減少した。90度よりも大きな接触角を有するチップを用いると、1000 rpmにおいて0.5 mmのチャンバ深さでは、分離が観察されなかった。
【0046】
実施例3 血液分離チップによるヘマトクリット測定
EDTAで処理した血液試料5μLを、水に対する接触角が30度である壁面を有するマイクロ流体チップ内の試料ウェルに添加した。チップを2500 rpmで120秒間、スピン回転させた。試料ウェルの中心は回転中心から1.5 cmとし、試料を長さ6 mm、幅1 mm、深さ0.5 mm、ただしチャンバの下部1.5 mmでは深さが1 mmである分離チャンバに移した。
【0047】
分離チャンバに接続されているすべての出口毛細管を塑像用粘土でブロックして、ヘマトクリット測定効率を決定するために血液全量を分離チャンバ内に維持した。
ヘマトクリット研究は、通常の生理学的範囲(30〜60%)内でのヘマトクリット測定における血液分離チップの有用性を評価するために、異なる血液試料で行った。各血液試料の5μLを分離チップに移して、2500 rpmで2分間、スピン回転させた。最後のチップ像を保存して、ヘマトクリット測定のために使用した。実験を3000 rpmで繰り返した。
【0048】
得られた結果を図5にプロットした。48%よりも低いヘマトクリットにおいて、測定値及び予測値は良好な一致を示し、推定誤差は10%未満であった。ヘマトクリットが高くなると、チップ測定値は標準値から大幅に離れ始めたが、推定誤差が10%未満となるように較正因子で推定誤差を減少させた。
【0049】
実施例4 分離された血漿試料の使用
EDTAで処理した血液試料5μLを、水に対する接触角が20度である壁面を有するマイクロ流体チップ内の試料ウェルに添加した。試料ウェルの中心を回転中心から1.5 cmとし、試料を長さ6 mm、幅1 mm、深さ0.5 mm、ただしチャンバの下部1.5 mmの深さは1 mmである分離チャンバに移した。出口毛細管を分離チャンバに接続させた。この出口チャンバの容積は、200μmの深さ及び100μmの幅から変動させた。
【0050】
試料を入口に添加して、チップを1000 rpmで30秒間、スピン回転させ、この間、チップ像を30秒ごとに保存した。迅速に分離された血漿は、分離チャンバから出口毛細管に容易に流入した。
【0051】
一連の試験において、毛細管及びウェルを含むようにチップを変形させた。毛細管内の血漿試料を追加のチャンバ及び毛細管に移動させることができることを示された。これらのチャンバ及び毛細管は、液体又は乾燥試薬のいずれかを含むことができ、混合、希釈、濃縮、計量、反応、洗浄及び捕捉などの追加のマイクロ流体操作工程を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す。
【図2】図2は、血液をその成分に分離することを含む血液分析用のチップを示す。
【図3】図3は、図2のチップの別の変形例を示す。
【図4】図4は、実施例1の結果を説明する。
【図5】図5は、実施例3の結果を説明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と粒子との混合物を分離するためのマイクロ流体デバイスであって、
(a)該液体と粒子との混合物の試料を受け入れるための入口と;
(b)該入口と流体連通状態にあり、場合によっては疎水性もしくは親水性の栓を含む毛細管通路と;
(c)(b)の該毛細管通路と流体連通状態にある分離チャンバであって、下記を含むもの;
(1)該試料の少なくとも一部を受け入れるための容積;
(2)粒径に対して約5/1〜100/1の比の深さ;
(3)該試料の分離を促進するために該粒子の表面エネルギーと同等以下の表面エネルギーを有する壁面;
(d)(a)の入口及び(c)の分離チャンバから、該試料により置換された空気を除去するための排気口と;
を具備するマイクロ流体デバイス。
【請求項2】
該分離チャンバと流体連通状態にあり、該粒子から分離された該液体を受け入れるように配設されている出口毛細管を更に具備する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
該表面エネルギーは、水に対する接触角20〜80度に対応する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
該分離チャンバは、分離された粒子を受け入れるべく深さを増加さえた下方区域を含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
該分離チャンバは約6:1:0.5の長さ:幅:深さの比を有する、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
全血を赤血球と血漿とに分離するためのマイクロ流体デバイスであって:
(a)全血試料を受け入れるための入口と;
(b)該入口と流体連通状態にあり、場合によっては疎水性もしくは親水性の栓を含む毛細管通路と;
(c)(b)の該毛細管通路と流体連通状態にある分離チャンバであって、下記を含むもの;
(1)該試料の少なくとも一部を受け入れるための容積;
(2)赤血球の直径に対する比が約5/1〜100/1である深さ;
(3)該試料の分離を促進するため、水に対する接触角約20度〜80度を有する壁面;
(d)(a)の入口及び(c)の分離チャンバから、該試料によって置換された空気を除去するための排気口と;
を具備するマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
該分離チャンバと流体連通状態にあり、該全血から分離された血漿を受け入れるように配設されている出口毛細管をさらに具備する、請求項6に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
該分離チャンバは、約0.2〜10μLの容積を有する、請求項6に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
該容積は約0.3〜2μLである、請求項8に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
該分離チャンバは、約6:1:0.5の長さ:幅:深さ比を有する、請求項6に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
分離チャンバは、回転中心から最も離れた端部にて、分離された赤血球用の追加容積を提供するため、より大きな深さを有する、請求項10に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項12】
該出口毛細管と流体連通状態にあり、該全血から分離された血漿を受け入れるためのウェルをさらに具備する、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項13】
(d)の該出口毛細管と連通している該ウェルは、該血漿と相互反応するための試薬を含む、請求項12に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項14】
該試薬は、分析物の存在を検出するための続く反応のために該血漿を予め調整する、請求項13に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項15】
該試薬は該血漿と相互反応して、分析物の存在を検出する、請求項13に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項16】
遠心力が付与されるまで該血漿が該毛細管に流入しないように、該出口毛細管は、該分離チャンバよりも小さな断面積を有する、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項17】
血液試料は、重力の1〜約5倍未満の力を受ける場合に1〜10秒以内に分離される、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項18】
全血試料のヘマトクリットを測定するためのマイクロ流体デバイスであって、
(a)全血試料を受け入れるための入口と;
(b)該入口と流体連通状態にあり、疎水性もしくは親水性の栓を有する毛細管通路と;
(c)(b)の該毛細管通路と流体連通状態にある分離チャンバであって、下記を含むもの;
(1)該試料の少なくとも一部を受け入れるための容積;
(2)赤血球直径に対して約5/1〜100/1の比の深さ;
(3)該試料の分離を促進するため、水に対する接触角が約20度〜80度である壁面;
(d)(a)の入口及び(c)の分離チャンバから、該試料によって置換された空気を除去するための排気口と;
を具備するマイクロ流体デバイス。
【請求項19】
該分離チャンバは約0.2〜10μLの容積を有する、請求項18に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項20】
該分離チャンバは約0.3〜2μLの容積を有する、請求項19に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項21】
該分離チャンバは約6:1:0.5の長さ:幅:深さの比を有する、請求項18に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項22】
血液試料は、重力の35〜350倍の力を受ける場合に2分以内に分離される、請求項18に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項23】
全血試料を分離するための方法であって、
(a)全血試料を請求項1に記載のマイクロ流体デバイスの入口に導入する工程と;
(b)該入口に対して回転中心の半径方向外方向に位置づけられている分離チャンバと共に所定速度で該マイクロ流体デバイスを回転させて、血液試料を分離チャンバ内に移動させ、該血液試料を赤血球と血漿とに分離する工程と;
を具備する方法。
【請求項24】
該血液分離は、重力の1〜約5倍未満の遠心力で約1〜10秒を要する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該血液分離は、重力の約35〜350倍の遠心力で約2分を要し、こうしてヘマトクリットを測定可能とする、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−511809(P2006−511809A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565369(P2004−565369)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/039375
【国際公開番号】WO2004/061413
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504250679)バイエル ヘルスケア エルエルシー (2)
【氏名又は名称原語表記】BAYER HEALTHCARE LLC
【Fターム(参考)】