説明

マイクロ針を用いた局所及び経皮投与におけるカンナビジオールプロドラッグの使用

本明細書中に、医薬活性剤(例えばカンナビジオール及びカンナビジオールのプロドラッグ等)を含有する医薬組成物及びマイクロ針アレイを含み、哺乳類に当該活性剤を局所及び全身送達するのに適した、マイクロ針薬物送達系を記載する。また、本明細書中に、膵炎及び膵臓癌等の疾患の治療において、カンナビジオール及びカンナビジオールのプロドラッグを含有する医薬組成物、並びにマイクロ針アレイを含む、マイクロ針経皮又は局所薬剤送達系を使用する方法も記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連文献の相互参照
本出願は、その全てが法により認められる範囲で参照により本明細書中に援用される、2009年8月31日に出願された米国仮出願第61/238,524号の利益を主張する。
【0002】
本明細書中に、医薬活性剤(例えばカンナビジオール又はカンナビジオールのプロドラッグ等のカンナビノイド)を含有する医薬組成物及びマイクロ針アレイを含み、哺乳類に当該活性剤を局所及び全身送達するのに適した、マイクロ針薬物送達系を記載する。また、本明細書中に、カンナビノイド治療に応答する疾患の治療において、カンナビノイド(カンナビジオール又はカンナビジオールのプロドラッグ等)を含有する医薬組成物、並びにマイクロ針アレイを含む、マイクロ針経皮又は局所薬剤送達系を使用する方法も記載する。
【背景技術】
【0003】
アルコール使用障害、疼痛、炎症並びに膵臓疾患、例えば膵臓癌及び膵炎等のカンナビノイドに応答性の医学的状態を処置するために、カンナビジオール若しくはカンナビジオールプロドラッグ等のカンナビノイドプロドラッグ等のカンナビノイドを含有する医薬組成物が、マイクロ針アレイと組み合わせられて、経皮又は局所薬物送達系を介して経皮投与され得ることは、既に見出されている。更に、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグ及び浸透促進剤(即ち共溶媒)を含有する医薬組成物、並びにマイクロ針アレイを含む、マイクロ針経皮又は局所薬物送達系が、アルコール使用障害、疼痛、炎症並びに膵臓疾患、例えば膵臓癌及び膵炎等のカンナビノイドに応答性の医学的状態を処置するために使用され得ることも、既に知られている。更に、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグを含有する医薬組成物、マイクロ針アレイ、及び、マイクロ針が開けた孔が開口している時間を延長するためのCOX阻害剤を含む、マイクロ針経皮又は局所薬物送達系が、哺乳類に投与され得ることも、既に知られている。
【0004】
本明細書中に記載される医薬組成物は、任意でパッチに組み込めるCOX阻害剤を含有するゲル又はヒドロゲルと共に使用するのに適している。一つの態様において、前記任意でパッチに組み込まれたCOX阻害剤を含有するゲル又はヒドロゲルは、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグを含有する医薬組成物と離れており、皮膚のマイクロ針アレイによる処理前に、処理の過程で、又は処理後のいずれかで、皮膚表面に適用される。他の態様において、前記カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグを含有する医薬組成物は、更に、COX阻害剤を含有し、皮膚のマイクロ針アレイによる処理前に、処理の過程で、又は処理後のいずれかで皮膚表面に適用される、任意でパッチに組み込まれたCOX阻害剤を含有するゲル又はヒドロゲルとして投与される。
【0005】
カンナビノイド及びカンナビジオール
【0006】
カンナビジオール(CBD)を含むカンナビジオールは、最近、膵臓の疾患の処置に有用であることが見出されている。例えば、カンナビジオールは、急性及び慢性の膵炎の治療に有用である。膵炎は、激しい苦痛を伴う疾患として知られており、最終的に膵臓癌に転帰する場合もある。カンナビジオールは、膵炎の症例において疼痛の減少をもたらす抗炎症活性を有することが見出されている。膵臓癌は、米国で4番目に多く、世界で5番目に多い、致命的な癌である。テトラヒドロカンナビノール及び合成カンナビノイドWIN 55,212-2等のカンナビノイドは、インビトロ及びインビボで、膵臓腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することが見出されている。カンナビジオールも、腫瘍細胞の死滅を引き起こし、また側方腫瘍形成(lateral tumor formation)に至る増殖を低下させる、同様のカスケードを引き起こす能力を有する。
【0007】
加えて、鎮痛及び神経保護を提供し、炎症を低減し、悪心及び悪阻を軽減し、そして癲癇、不安障害及び緑内障を治療するための、カンナビジオールを含むカンナビノイドの臨床的有用性は、十分に認識されている。さらに、カンナビジオールが、他の多くのカンナビノイド、例えばマリノール(登録商標)の商品名で販売されているΔ9−テトラヒドロカンナビジオール(現在、経口投与において利用可能である)に見られる神経活性作用を欠いていることもよく知られている。
【0008】
疼痛は最も高頻度に報告されている症候であり、これは臨床医に直面する共通の臨床的課題である。多数の近年の報告によれば、米国では数百万の人々が慢性的に治療中であるか、あるいは不適切に管理されている重度の疼痛に罹患している。同様に、数百万の人々が、重度の悪心及び/又は高頻度の悪阻に苦しめられている。さらに、極めて高頻度な、慢性の、治療中の、あるいは止むことのない疼痛に罹患している多数の患者は、食欲不振、悪心及び/又は高頻度の悪阻にも苦しんでいる。これらの患者は有効な治療用量の経口疼痛薬を摂取できないため重大な臨床的課題を呈し、これにより彼等の疼痛は悪化する。カンナビノイド、例えばカンナビジオールは、疼痛を軽減するのに有効である。さらに、カンナビノイド、例えばカンナビジオールは、達成される任意の疼痛軽減とは関係なく、患者の悪心及び嘔吐を低減し得る。したがって、カンナビノイドは、非治療下又は治療下の疼痛に続発する悪心及び嘔吐を経験している患者に特に有用である。
【0009】
米国の人口の顕著な割合は、アルコール使用障害(「AUD」)に関する診断基準を満たしている。過剰量のアルコールの消費は、症状を治療する能力に直接的に影響を及ぼす複雑な一連の薬理学的作用を引き起こす。これらの作用は脳に直接影響を及ぼし、その例としては、進行性神経変性、実行機能障害及び依存性が挙げられ、禁断症状誘導性の負の作用をもたらす。カンナビノイド、例えばカンナビジオールは、神経保護、不安除去及び抗痙攣作用を有し、これはAUDを有する人々における付加的な脳損傷を防止するのに有効となり得るが、一方同時に、再発頻度を低減することが知られている。
【0010】
大麻の慢性乱用者は依存性を発生させ、当該薬物の使用を中断しようと試みるとき、禁断症状を経験する場合がある。本明細書中、大麻依存及び禁断症状を、大麻使用障害と称する。カンナビジオールを含むカンナビノイドは、大麻使用障害の治療に有用である。
【0011】
筋緊張異常は、多数の既知の原因を有し、ねじれ及び反復性運動又は異常姿勢を引き起こす不随意の連続的な筋収縮により特徴づけられる神経学的運動障害である。カンナビノイドは、この障害を特徴づける筋収縮を低減することを特徴とする。
【0012】
多数の疾患の病因論的病態は、個体の免疫系により制御される炎症過程に関する。炎症は、(1)外部外傷に対する他の場合であれば適切な免疫応答、例えば非開放性頭部損傷に派生する脳腫脹;(2)例えばアレルギー反応又は皮膚炎を伴う過敏性免疫応答;あるいは(3)不適切な自己免疫応答、例えばある形態の多発性硬化症、炎症性腸障害及び関節炎に起因し得る。炎症の根本的原因に関係なく、免疫系を調節し、炎症性応答を低下させることが、この状況では治療的に望ましい。カンナビノイドは、免疫応答の種々のステップを調節することが示されており、乾癬性関節炎のようなある種の炎症性疾患の治療において何らかの治療的利益を示し得る。
【0013】
関節リウマチは、米国人口の約0.5〜1%に影響を及ぼし、自己免疫疾患は、概して、2000万人以上の米国人に影響を及ぼす。関節リウマチに関連した疼痛は、しばしば無能状態にし得る。カンナビノイドは、関節リウマチ、ならびに他の自己免疫疾患、例えば炎症性腸疾患、多発性硬化症及び全身性紅斑性狼瘡に続発する関節痛のための補助治療として有用であることが見出されている。
【0014】
加えて、経皮投与されたカンナビノイドは、深部組織、例えば末梢神経、筋肉及び滑膜組織等に関連する他の疼痛及び他の症状を緩和するのに有用であることも見出されている。カンナビノイドに応答性の深部組織に関連する疼痛の例として、以下のものが挙げられる:末梢神経痛、例えば限定されないが糖尿病性神経痛に関連する末梢神経痛、Reiter症候群、痛風、軟骨石灰化、月経困難症に次ぐ関節痛、線維筋痛、筋骨格痛、神経痛-術後合併症、多発筋炎、急性非特異性腱滑膜炎、滑液包炎、上顆炎、外傷後変形性関節症、変形性関節症、関節リウマチ、滑膜炎及び若年性関節リウマチが挙げられる。末梢神経痛等の新部組織に関連する疼痛及び他の状態を治療するためにカンナビノイドが投与されるとき、カンナビノイドが、局所組織及び全身で顕著となるレベルでされるのが有用であり得る。
【0015】
上述の治療的な利益に加えて、カンナビノイド、カンナビジオール及びカンナビジオールプロドラッグは種々の薬理学的な利益を示し、例としては、抗炎症、抗痙攣、抗精神病、抗酸化剤、神経保護、黒色腫等に対する抗癌及び免疫調節作用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
これらの全身の治療的な利益を踏まえ、カンナビジオール又はカンナビジオールのプロドラッグ等のカンナビノイドが全身に送達されて患者の体内で治療的に有効な血清濃度を達成する組成物を開発するのが有利である。しかしながら、カンナビジオールを含むカンナビノイド経口剤形は、治療的に有効な全身濃度を達成するために、幾つかの課題を克服しなければならない。第一に、カンナビノイドは、一般に高度に親油性である。水溶性が限定的であるので、消化管における吸収に利用されるカンナビノイドの量は制限される。第二に、他のカンナビノイドと同様に、カンナビノイドは、ヒトの消化管から吸収されるとき、実質的な書回通過代謝(first-pass metabolism)を受ける。最後に、いずれかの生成物の経口生体利用可能性は、患者に悪心又は嘔吐の症状が出ている場合、患者が経口医薬の服用を忌避し、又は当該経口剤形が、全ての用量を放出し、治療濃度を達成するのに充分な期間にわたり消化管内に維持されないことにより、更に低下する。
【0017】
したがって、前記にかんがみて、哺乳類の消化管からの吸収に依存しない一投与経路により、カンナビノイドに応答性の1又は複数の医学的症状、例えば膵臓癌、膵炎、疼痛、悪心又は食欲刺激の治療のために、治療有効量のカンナビノイド、例えばカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグを、それを必要とする哺乳類に全身送達することが望ましい。カンナビジオールの全身送達のための1つの非経口投与経路は、経皮経路である。
【0018】
加えて、多数の哺乳類、例えばヒト及びモルモットの表皮及び真皮は、角質層を通過する活性医薬品を代謝できる酵素を含有する。哺乳類、例えばヒトの皮膚に生じる代謝プロセスは、医薬的有効量のカンナビノイド、例えばカンナビジオールを、それを必要とする哺乳類の全身循環に送達するために利用できる。皮膚における代謝に起因する代謝産物が、膵炎及び膵臓癌等の膵臓疾患等のカンナビノイドに応答性の医学的症状の治療のために全身的に利用可能であるカンナビノイドであるよう、哺乳類、例えばヒトに経皮投与され得る、カンナビノイド、例えばカンナビジオールのプロドラッグ、及びカンナビノイドのプロドラッグを含有する組成物が本明細書に記載される。
【0019】
残念ながら、その高度に親油性の性質のため、カンナビジオールは、ヒトを含む哺乳類の肌等の膜の透過性に乏しい。故に、合理的な時間内かつ適切な表面積の範囲内で、カンナビジオールを必要とする哺乳類に、治療有効量のカンナビジオールを成功裡に経皮投与するのは実質的に困難である。
【0020】
マイクロ針及びCOX阻害剤
【0021】
マイクロ針処理を使用した活性医薬成分の経皮送達の促進は、経皮薬物送達の分野で重要な研究領域になっている。加えて、皮膚の症状を治療するために、局所適用用の活性医薬成分を局所的に投与するのに、より短いマイクロ針が代わりに使用されてもよい。更に、カンナビノイドに応答性の医学的状態、例えばアルコール使用障害及び膵臓疾患、例えば膵臓癌及び膵炎等を治療するために、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグ及び浸透促進剤を含有する医薬組成物が、マイクロ針アレイと組み合わせられて、哺乳類に投与されることも見出されている。カンナビノイドの経皮又は局所送達を促進するために、マイクロ針と組み合わせられて投与されるとき、カンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)は、典型的には、マイクロ針を使用して開けた水性の孔を利用するために元のカンナビノイド分子よりも水溶性が高くなるように設計されている。
【0022】
マイクロ針は、一般に、上皮の最外層(角質層)を穿孔して、そこを通って1つ以上の活性医薬成分が送達され得る、大スケール(そこを通って送達されるべき活性医薬剤のサイズと比較して)の開口又は孔を形成出来る、長さ約20μm〜約100μmの構造と理解される。マイクロ針穿孔の深さは、経皮薬物送達を促進するのに充分であるが、神経末端を刺激するのに不十分な深さである。従って、マイクロ針の使用は、無痛である。この側面により、経済的かつ容易な使用に加えて、マイクロ針技術を含む系は、経皮薬物送達の魅力的な選択枝となる。
【0023】
マイクロ針技術と併用して送達されるべき活性医薬剤として、高分子量のオリゴヌクレオチドやインスリン、及び高度に水溶性の化合物等が挙げられる。経皮輸送の改善を助けるために皮膚の構造を物理的に変化させる他の方法と比較して、マイクロ針送達は、相対的に単純な技術である。マイクロ針は、典型的には、透過性を増大させ、及び皮膚感覚を低下させるために微小化され、生分解性ポリマー、シリコンお及びステンレス鋼等、様々な形態で形成される。マイクロ針が開けた水性の孔を通じた、殆どの場合水溶性の化合物の浸透性の増大に対する、マイクロ針で処理した皮膚の影響は、多くの研究者が研究を行っている。マイクロ針の使用が、非ウイルス性遺伝子治療ベクター、デスモプレシン、インスリン及びナルトレキソン等の多くの化合物の浸透性を促進出来ることが、既に示されている。更に、マイクロ針の適用は、26ゲージ皮下注射針と比較して無痛性であることが示されている。
【0024】
マイクロ針の効率は、マイクロ針が開けた角質層の孔が効率的に開口を維持し、「塞がらない」時間に依存する。近年、孔の持続時間及び開口率(viability)を、表皮を通じての水分の損失、顕微鏡での可視化及び薬物動態解析等の様々な実験により決定できるようになった。経上皮水分損失(TEWL)は、水分が皮膚から発散する速度を測定する。TEWLの値は、通常、一定時間内の水分の損失を皮膚の修復の関数として決定するため、損傷を受けた皮膚において測定される。水分損失を測定する装置であるエバポリメーター(evaporimeter)を使用して、損傷又は皮膚の形態の変化が、水分の損失の速度が「正常な」皮膚と比較して増大していることにより、決定出来る。現在、TEWLの読取りは、浸透性障壁の状態を観察するための、有益な測定手段である。
【0025】
密封被覆材(Occlusive covering)、例えばパッチ又はハイドロゲル(パッチに組み込まれてもよい)等は、マイクロ針が開けた孔を維持するのに使用出来る。マイクロ針アレイが皮膚上に置かれて密封被覆材で処理せずにそれが除去された場合、皮膚は迅速に治癒し、30分以内にTEWLの読取り値がベースラインレベルに戻る。対照的に、密封環境下では、マイクロ針で処理した孔は、48〜72時間開口を維持することが実証されている。同様に、染色後の顕微鏡観察により、孔が72時間にわたり開口していることが判明している。塩酸6-ベータ-ナルトレキソールで処理した無毛モルモットにおいて、マイクロ針を当てた後密封剤(occlusion)で処理した皮膚は、無処理の皮膚と比較して、48時間後、マイクロ針の穴の開口率の顕著な向上が観察された。また、6人の健康なヒトボランティアにマイクロ針で前処理した後、16%塩酸ナルトレキソンゲルを投与したとき、ナルトレキソン濃度が治療レベル(2.5 ± 1.1 ng/mL)を達成したことも示されている。更に、マイクロ針と併用して使用されたとき、ナルトレキソンは、2時間以内に定常状態の濃度を達成し、これを48時間にわたり維持したことが観察されている。これらの結果は、マイクロ針を皮膚に適用することにより、経口、注射、及び伝統的な受動的経皮送達に代わる送達経路が提供されることを示唆する。
【0026】
密封技術(例えば任意でハイドロゲルを組み込み得るパッチ等)をマイクロ針が開けた孔と併用したとしても、更に、マイクロ針が開けた孔の持続時間を延長することが望まれる。そのような開口時間の延長は、薬剤が投与される期間の増大に対応し得る。換言すると、孔の開口時間を延長することにより、薬剤を投与しなければならない頻度を減少させることが出来る。投薬頻度の減少は、患者の許容及びコンプライアンスに好ましい影響を及ぼす。故に、活性医薬剤の経皮送達の速度、期間及び範囲を増大するために、マイクロ針が開けた孔の開口率を更に向上させることが求められる。
【0027】
カンナビノイド経皮吸収の速度及び範囲は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)、並びに任意で浸透促進剤又は共溶媒及び/又はCOX阻害剤を含む医薬組成物を、マイクロ針アレイと併用することにより、改善出来ることが見出されている。更に、組成物の賦形剤を最適化することにより、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグは、マイクロ針アレイと併用されて、1日1回又は2回、あるいは週1回又は2回に投薬頻度を減少させることにより、患者のコンプライアンスを促すスケジュールで投与出来ることが見出されている。
【0028】
従って、カンナビノイドに応答性の症状の治療用の、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)、及びマイクロ針アレイを含む経皮薬物送達系を開発することは、当該技術分野における顕著な進歩である。更なる進歩は、(i)急性膵炎;(ii)慢性膵炎;(iii)膵臓癌;(iv)疼痛;(v)炎症又は(vi)アルコール使用障害の治療用の、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)、及びマイクロ針アレイを含む経皮薬物送達系の開発である。
【0029】
局所送達
【0030】
上記の全身投与されたカンナビノイドの利益のほかに、カンナビノイド、例えばカンナビジオール及びカンナビジオールのプロドラッグは、局所投与からの限局的な利益を有することが見出されている。例えば局所投与されたカンナビノイドは、皮膚の表面に、又はその近くに生じる疼痛及びその他の症状、例えばヘルペス後神経痛に関連した疼痛、帯状疱疹、熱傷、光線性角化症、口腔内糜爛及び潰瘍、会陰切開後疼痛、乾癬、掻痒、接触性皮膚炎、湿疹、水疱性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、剥脱性皮膚炎、菌状息肉腫、天疱瘡、重症型多形性紅斑(例えばスティーブン・ジョンソン症候群)、脂漏性皮膚炎、黒色腫及び乾癬性関節炎(これらに限定されない)を軽減するのに有用であることが見出されている。また、カンナビノイド、例えばカンナビジオールの局所投与が発毛を阻害し得ることも見出されている。
【0031】
これらの局在的な利益を達成するために、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)が、角質層を透過するが、全身的に吸収されないことが有益であり得る。このような場合、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)は皮膚及び/又は毛包脂腺単位に濃縮され、したがってその局在的作用を最大にする。患者中で循環する活性化合物の量が減少するため、局在的作用は潜在的治療利益を増大するだけでなく、全身的カンナビノイド投与に関連した副作用の頻度及び重症度も低下させる。カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)は、皮膚の外観及び/又は水和を改善することが出来る追加の活性部分とともに組成物に組み込むことができる。
【0032】
従って、カンナビノイド治療に応答性の症状の治療用の、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)を含有する医薬組成物及びマイクロ針アレイを含む局所薬物送達系の開発は、当該技術分野における顕著な進歩であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0033】
概要
本明細書には、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する医薬組成物及びマイクロ針アレイを含む、経皮及び局所投与に適した、マイクロ針薬物送達系が記載されている。また、本明細書中には、哺乳類の疾患の治療用の、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)及びマイクロ針アレイを含む医薬組成物を投与する局所薬物送達系の使用方法も記載されている。
【0034】
幾つかの他の態様は、前記薬物送達系の部分としてヒドロゲルが使用されることも含み得る。
【0035】
他の実施形態、目的、特徴及び利点は、以下の実施形態の詳細な説明に記述され、そして一部は、その説明から明らかであるか、あるいは本発明の実施により理解できる。これらの目的及び利点は、本明細書中に記載され、及び主張されているプロセス及び組成物により実現され、そして達成される。前記の概要は、本願明細書に開示される実施形態のいくつかの簡単かつ一般的な概要として作製されたものであり、特許請求の範囲の適用な権利範囲又は均等範囲を、如何なる点においても限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、マイクロ針で処理したユカタンブタ皮膚を通過する、100%ddH2Oドナー溶液中のALL00179由来の全CBD(カンナビジオール並びに/又はプロドラッグALL00179及びALL00180の形態で送達される全カンナビジオール同等物)の浸透プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、種々の形態で具体化できるが、本発明の開示は特許請求の対象の一例として考えられ、特許請求の範囲は例示された特定の実施形態に限定されるものではないという理解を伴い、いくつかの実施形態についての下記の説明がなされる。本願の開示全体を通して用いられる見出しは、便宜的に供されるだけであり、如何なる点でも特許請求の範囲を限定するようには意図されない。任意の見出しで例示される実施形態は、任意の他の見出しで例示される実施形態と組み合わせることができる。本明細書中に開示される態様は、他の態様を含み、及び含まない。
【0038】
経皮及び局所薬物送達系
【0039】
本明細書中の一つの態様は、マイクロ針アレイ及び医薬組成物を含むマイクロ針経皮又は局所薬物送達系を含み、当該医薬組成物は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する。更なる態様において、前記マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、マイクロ針アレイ及び医薬組成物であり、当該組成物は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)及びCOX阻害剤を含有する。尚も更なる態様において、前記マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、マイクロ針アレイ及び医薬組成物であり、当該組成物は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)及び浸透促進剤又は共溶媒を含有する。尚も更なる態様において、前記マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、マイクロ針アレイ及び医薬組成物であり、当該組成物は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)、COX阻害剤及び浸透促進剤又は共溶媒を含有する。
【0040】
本明細書中に記載の一つの態様において、前記マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、医薬組成物及びマイクロ針アレイを有し、本明細書中に記載の他の態様において、前記経皮又は局所薬物送達系の投与は、前記医薬組成物が、マイクロ針アレイと併せて哺乳類の皮膚に適用又は投与されることを意味する。本明細書中で使用されるとき、「併せて(併用)」は、その前に使用し、その後に使用し、又は同時に使用することを意味する。例えば、マイクロ針アレイと併用される医薬組成物を含有する経皮又は局所薬物送達系の投与は、当該医薬組成物が、当該マイクロ針アレイの投与の前に、当該マイクロ針アレイの投与の後に、又は当該マイクロ針アレイの投与と同時に投与されてもよいことを意味する。
【0041】
本明細書中の他の態様において、本明細書中に記載のマイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、カンナビノイドに応答性の疾患又は症状の治療用の、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)をマイクロ針アレイと併せて含有する医薬組成物を含む。
【0042】
本明細書中の他の態様において、本明細書中に記載のマイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、マイクロ針アレイと併用されるヒドロゲルに包摂されたカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する医薬組成物を含む。
【0043】
本明細書中の他の態様において、本明細書中に記載のマイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、カンナビノイドに応答性の疾患又は症状の治療用の、マイクロ針アレイと併用されるヒドロゲルに包摂されたカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する医薬組成物を含む。
【0044】
他の態様において、前記マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、本質的にマイクロ針アレイ及び医薬組成物で構成され、当該組成物は、本質的に、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビジオールプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)で構成され、そして任意で更にCOX阻害剤及び/又は浸透促進剤(即ち共溶媒)で本質的に構成される。
【0045】
他の態様において、前記マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、マイクロ針アレイ及び医薬組成物で構成され、当該組成物は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビジオールプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)で構成され、そして任意で更にCOX阻害剤及び/又は浸透促進剤(即ち共溶媒)で構成される。
【0046】
カンナビノイド、カンナビジオール及びカンナビジオールプロドラッグ
【0047】
本明細書中で使用されるとき、「カンナビノイド」は、カンナビノイド受容体と相互作用する任意の化合物及び様々なカンナビノイド模倣体、例えば限定されないが、幾つかのテトラヒドロピラン類似体(例えばデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール; デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール, 6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン-1-オール; 3-(1,1-ジメチルヘプチル)-6,6a,7,8, 10,10a-ヘキサヒドロ-1-ヒドロキシ-6,6-ジメチル-9H-ジベンゾ[b,d]ピラン-9-オン; (-)-(3S,4S)-7-ヒドロキシ-デルタ-6-テトラヒドロカンナビノール-1,1-ジメチルヘプチル; (+)-(3S,4S)-7-ヒドロキシ-デルタ-6-テトラヒドロカンナビノール-1,1-ジメチルヘプチル; 11-ヒドロキシ-デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール及びデルタ-8-テトラヒドロカンナビノール-11-オイックアシッド等);幾つかのピペリジン類似体(例えば(-)-(6S,6aR,9R,10aR)-5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-6-メチル-3-[(R)-1-メチル-4-フェニルブトキシ]-1,9-フェナントリジンジオール1-酢酸塩等)、幾つかのアミノアルキルインドール類似体(例えば(R)-(+)-[2,3-ジヒドロ-5-メチル-3-(4-モルホリニルメチル)-ピロロ[1,2,3-デ]-1,4-ベンゾキサジン-6-イル]-1-ナフタレニル-メタノン等)、幾つかの開環ピラン(open pyran-ring)類似体(例えば2-[3-メチル-6-(1-メチルエテニル)-2-シクロヘキセン-1-イル]-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジ-オール及び4-(1,1-ジメチルヘプチル)-2,3'-ジヒドロキシ-6'アルファ-(3-ヒドロキシプロピル)-1',-2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロビフェニル等)、並びにそれらの医薬として許容される溶媒和物、代謝物(例えば皮膚の代謝物)、及び代謝前駆体(例えばプロドラッグ)等が挙げられる。
【0048】
本明細書中で使用されるとき、「カンナビジオール」は、カンナビジオール;カンナビジオールプロドラッグ;カンナビジオールの医薬として許容される誘導体、例えばカンナビジオールの医薬として許容される塩;及びカンナビジオール誘導体を意味する。本明細書中で使用されるとき、「カンナビジオールプロドラッグ」は、哺乳類の体内での代謝プロセス又は他のプロセスにより、カンナビジオールに化学的に変換される化合物を意味する。また、「カンナビジオールプロドラッグ」は、遊離塩基、遊離酸、塩、エステル、水和物、無水物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形体、又は哺乳類の体内での代謝プロセス又は他のプロセスにより、カンナビジオールに化学的に変換される化合物も含む。
【0049】
本明細書中の一つの態様において、前記カンナビノイド又は複数のカンナビノイドの混合物は、天然の供給源、例えばカンナビス属の植物(例えばカンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indicia)及びカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)等)等から抽出して取得される。他の態様において、カンナビノイド又は複数のカンナビノイドの混合物は、化学合成反応により取得される。カンナビジオールの合成は、Petilka et al., Helv. Chim. Acta, 52:1102 (1969)及びMechoulam et al., J. Am. Chem. Soc, 87:3273 (1965)に記載されており、これらの文献は、本明細書中に参照により援用される。更なる態様において、カンナビノイド又は複数のカンナビノイドの混合物は、天然の供給源、例えばカンナビス属の植物等から抽出して取得され、化学合成により取得されない。更に他の態様において、カンナビノイド又は複数のカンナビノイドの混合物は、化学合成反応により取得され、カンナビス属の植物等から抽出して取得されない。
【0050】
カンナビノイドは、遊離塩基、遊離酸、塩、水和物、無水物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形体等の、任意の適切な形態で哺乳類に投与され得るが、当該カンナビノイドの形態は、治療的に活性であり、又は哺乳類の体内又は体内で変換され、治療活性形態のカンナビノイドに変換される。
【0051】
「医薬的に許容される塩」又は「塩」は哺乳類への投与に適したカンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグ等の親分子の塩を含み、例としては、蟻酸、酢酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、ベータ-ヒドロキシ酪酸、ガラクト酸及びガラクツロン酸が挙げられる。以上の医薬として許容される塩の列挙は、全てを網羅することを意図しておらず、カンナビノイド及びカンナビノイドのプロドラッグの他の医薬として許容される塩が調製できることを当業者が認識し得るように例示するものに過ぎない。
【0052】
一つの態様において、酸付加塩は、遊離塩基と適切な酸の反応を含む公知の代謝的手段を使用して、遊離塩基から調製される。酸付加塩を調製する適切な酸は、有機酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキサロ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、酪酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等、及び無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等である。以上の有機酸及び無機酸の列挙は、全てを網羅することを意図しておらず、カンナビノイド及びカンナビノイドのプロドラッグの調製に他の酸を使用できることを当業者が認識し得るように例示するものに過ぎない。尚も他の態様において、前記塩基性塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩である。
【0053】
更なる態様において、前記カンナビノイドは、実質的に不純物を含有しない。本明細書中で使用されるとき、「実質的に不純物を含有しない」とは、不純物(治療有効量で投与されることが意図されない任意のカンナビノイドを含む)の重量が、前記組成物の重量の、約10重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、又は約1重量%未満であることを意味する。
【0054】
本明細書中で使用されるとき、「プロドラッグ」は、哺乳類の体内で、代謝プロセス又はその他のプロセスにより、治療効果を有する活性形態に化学的に変換される化合物である。本明細書中で使用されるとき、「カンナビジオール」及び「カンナビジオールプロドラッグ」は区別せずに使用されるので、カンナビジオールが使用されている任意の態様は、1つ以上のカンナビジオールプロドラッグをも使用され得る。
【0055】
一つの態様において、例示的なカンナビジオールプロドラッグとして、式(I):
【化1】

[式中、
R1及びR2は、同一であり、又は相異し、それぞれ独立して:水素及び/又は生体不安定性(bio-labile)リンカー(例えばエステル、酸化エステル、オキサエステル、ペグエステル(pegylated ester)、水酸化エステル、アルキルエステル、アミノエステル、アルキルアミノエステル、ジアルキルアミノエステル、トリアルキルアンモニウムエステル、炭酸塩、炭酸アルキル、炭酸アミノ、炭酸アルキルアミノ、炭酸ジアルキルアミノ、炭酸トリアルキルアンモニウム、カルバミン酸塩、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アミノ、カルバミン酸アルキルアミノ、カルバミン酸ジアルキルアミノ、カルバミン酸トリアルキルアンモニウム、置換リン酸エステル、無置換リン酸エステル、無置換二リン酸エステル、置換二リン酸エステル、無置換三リン酸エステル、置換三リン酸エステル、ホスホン酸エステル、置換硫酸エステル、無置換硫酸エステル、スルホン酸エステル、アルファ-アシルオキシアルキル、アルファ-ホスホリルオキシアルキル、アルファ-スルホニルオキシアルキル、又は他の生体不安定性リンク構造)からなり、かつ、経皮吸収及び代謝を含む吸収及び代謝の速度及び範囲を調節するために選択される部分を更に含む。但し、R1及びR2は両方とも水素原子であることは有り得ない。の幾つの選択肢が、本明細書中に記載されている。また、本明細書中には、式Iの化合物の、遊離塩基、遊離酸、塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形体又はそれらの誘導体も記載されている。
【0056】
更なる態様において、前記カンナビジオールプロドラッグは、以下の群から選択出来る:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【0057】
追加の態様において、側鎖にアルキルアミノ又はジアルキルアミノ置換基を有するカンナビジオールプロドラッグは、テトラアルキルアンモニウム塩の形態で使用される。例えば、ジアルキルアミノエステルは、トリアルキルアンモニウムエステルの形態で使用出来る。これらの個々の化学物質は、医薬として許容される酸由来の対イオンを含む。
【0058】
第四級アンモニウム誘導体(テトラアルキルアンモニウムアンモニウム誘導体)の一つの態様において、カンナビジオールプロドラッグは:
【化6】

【化7】

から選択出来、ここでX-は、医薬として許容される酸由来の対イオンである。
【0059】
更なる態様において、1つ以上のカンナビジオールプロドラッグは、本明細書中に記載の医薬組成物及び薬物送達系の中のカンナビジオール又は他のカンナビノイドと共に、又はそれらに代えて使用出来る。追加の態様において、カンナビジオールプロドラッグは、本明細書中に記載の哺乳類にカンナビジオールを投与する方法におけるカンナビジオール又は他のカンナビノイドと共に、又はそれらに代えて使用出来る。
【0060】
本開示が想定するカンナビジオールプロドラッグの追加の態様は、限定されないが、2009年2月5日付の米国特許出願12/182,974号、公開番号US 2009-0036523 A1に記載されており、当該文献は全て、本明細書中に参照により援用される。
【0061】
一つの態様において、本明細書中に記載の組成物、薬物送達系及び方法において使用されるのに適したΔ9-テトラヒドロカンナビジオールプロドラッグは、式(II):
【化8】

で表され、式中、R1は生体不安定性リンカー(例えばエステル、酸化エステル、オキサエステル、ペグエステル、水酸化エステル、分岐水酸化エステル、コハク酸モノエステル、オキサロ酸混合ペグエステルアミノエステル、環状アミノエステル、アシル化アミノエステル、炭酸塩、酸化炭酸塩、オキサ炭酸塩、ペグ炭酸塩、水酸化炭酸塩、分岐水酸化炭酸塩、炭酸アミノアルキル、炭酸環状アミノアルキル、炭酸アシル化アミノアルキル、炭酸ヒドロキシカルボニルアルキル、カルバミン酸塩、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アミノアルキル、カルバミン酸アシル化アミノアルキル、カルバミン酸環状アミノアルキル、オキサカルバミン酸塩、ペグカルバミン酸塩、水酸化カルバミン酸塩、分岐水酸化カルバミン酸塩、カルバミン酸ヒドロキシカルボニルアルキル、リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、又は他の適切な生体不安定性リンク構造)であり、かつ、経皮吸収及び代謝を含む吸収及び代謝の速度及び範囲を調節するために選択される部分を更に含む。R. sub.1における幾つかの選択肢は、本明細書中に開示されている。また、本明細書中に、式IIの化合物の、遊離塩基、遊離酸、塩、エステル、水和物、アミド、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形体又はそれらの誘導体も記載されている。
【0062】
一つの態様において、本明細書中に開示された医薬組成物は、カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ等のカンナビノイドを含有し、当該物質の医薬組成物中の重量は、約0.1重量%〜約95重量%である。例えば、カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ等のカンナビノイドの医薬組成物中の重量は、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、約3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、約4重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7重量%、約7.1重量%、約7.2重量%、約7.3重量%、約7.4重量%、約7.5重量%、約7.6重量%、約7.7重量%、約7.8重量%、約7.9重量%、約8重量%、約8.1重量%、約8.2重量%、約8.3重量%、約8.4重量%、約8.5重量%、約8.6重量%、約8.7重量%、約8.8重量%、約8.9重量%、約9重量%、約9.1重量%、約9.2重量%、約9.3重量%、約9.4重量%、約9.5重量%、約9.6重量%、約9.7重量%、約9.8重量%、約9.9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%又は約95重量%である。
【0063】
例えば、本明細書中に開示される医薬組成物は、カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ等のカンナビノイドを、合計で、約1重量%〜約10重量%;約2重量%〜約10重量%;約3重量%〜約10重量%;約4重量%〜約10重量%;約5重量%〜約10重量%;約6重量%〜約10重量%;約7重量%〜約10重量%;約8重量%〜約10重量%;約9重量%〜約10重量%;約1重量%〜約9重量%;約2重量%〜約9重量%;約3重量%〜約9重量%;約4重量%〜約9重量%;約5重量%〜約9重量%;約6重量%〜約9重量%;約7重量%〜約9重量%;約8重量%〜約9重量%;約1重量%〜約8重量%;約2重量%〜約8重量%;約3重量%〜約8重量%;約4重量%〜約8重量%;約5重量%〜約8重量%;約6重量%〜約8重量%;約7重量%〜約8重量%;約1重量%〜約7重量%;約2重量%〜約7重量%;約3重量%〜約7重量%;約4重量%〜約7重量%;約5重量%〜約7重量%;約6重量%〜約7重量%;約1重量%〜約6重量%;約2重量%〜約6重量%;約3重量%〜約6重量%;約4重量%〜約6重量%;約5重量%〜約6重量%;約1重量%〜約5重量%;約2重量%〜約5重量%;約3重量%〜約5重量%;約4重量%〜約5重量%;約1重量%〜約4重量%;約2重量%〜約4重量%;約3重量%〜約4重量%;約1重量%〜約3重量%;約2重量%〜約3重量%;又は約1重量%〜約2重量%含有する。
【0064】
他の態様において、本明細書中に開示された医薬組成物は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有し、当該物質は、ヒドロゲル中に組み込まれてもよい。任意で、浸透促進剤(即ち共溶媒)又はCOX阻害剤も、ヒドロゲル中に組み込まれても良い。カンナビノイド又はそのプロドラッグは、ヒドロゲル中に、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、約3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、約4重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7重量%、約7.1重量%、約7.2重量%、約7.3重量%、約7.4重量%、約7.5重量%、約7.6重量%、約7.7重量%、約7.8重量%、約7.9重量%、約8重量%、約8.1重量%、約8.2重量%、約8.3重量%、約8.4重量%、約8.5重量%、約8.6重量%、約8.7重量%、約8.8重量%、約8.9重量%、約9重量%、約9.1重量%、約9.2重量%、約9.3重量%、約9.4重量%、約9.5重量%、約9.6重量%、約9.7重量%、約9.8重量%、約9.9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%又は約95重量%含有される。
【0065】
マイクロ針アレイ
【0066】
本明細書中で使用されるとき、「孔の開口率」は、活性医薬剤の経皮投与を必要とする哺乳類の皮膚に1つ以上のマイクロ針が刺さることにより開けられた、孔、穴又はチャンネルが、十分な開口を維持し、又は「治癒されない」ことにより、全身的又は局所的に送達されるべき活性医薬成分の経皮送達が可能となる期間を指す。
【0067】
本明細書中で使用されるとき、「マイクロ針」又は「マイクロ針アレイ」は、哺乳類の表皮にマイクロメートルスケールの輸送経路を形成するのに使用される、任意の装置、構築物、設備、器具、材料、手段又は機械を指す。本明細書中で、「マイクロ針」及び「マイクロ針アレイ」は、区別されずに使用される。
【0068】
本明細書中に記載の、任意でヒドロゲルに組み込まれる医薬組成物は、経皮又は局所薬物送達系において、マイクロメートルスケールの輸送経路を開けるマイクロ針と併用される。マイクロ針は、皮膚内に、及び/又は皮膚を通じて、活性医薬剤を局所又は全身送達する、侵襲が最小限の手段を提供する。マイクロ針アレイにより開けられたチャンネル又は孔は、臨床レベルでは極めて小さい。しかしながら、そのようなチャンネル又は孔は巨大分子よりは桁違いに大きいので、そのようなチャンネル又は穴は、皮膚の透過性を顕著に増大させることが示されている。
【0069】
マイクロ針は、中空(hollow)でも非中空(solid)でもよく、シリコン、生分解性ポリマー及びステンレス鋼等の様々な生体適合性材料で作られていてもよい。非中空マイクロ針は、皮膚にチャンネル又は孔を開けるのに使用され、その後、皮膚表面に経皮パッチが適用される。あるいは、非中空マイクロ針は、先ず活性医薬剤で被覆され、その後、皮膚に刺し込まれる。中空マイクロ針も、マイクロ針の穴を通じて、皮膚内への活発な浸透を促進する。例えば、本願発明の様々な態様に使用されるのに適した幾つかのマイクロ針技術の幾つかのレビューに関して、Prausnitz, microneedles for transdermal drug delivery, Adv. 56 Drug. Deliv. Rev. 581-587 (2004)を参照されたい。
【0070】
多くの研究で、非中空マイクロ針は、皮膚の、小分子、タンパク質、ナノ粒子の透過性を4桁近く増大させされることが実証されている。Henry et al., Microfabricated microneedles: a novel approach to transdermal drug delivery, 87 J. Pharm. Sci. 922-925 (1998); McAllister et al., Microfabricated needles for transdermal delivery of macromolecules and nanoparticles: fabrication methods and transport studies, 100 Proc. Nat'l Acad. Sci. 13755-13760 (2003); Lin et al., Transdermal delivery of antisense oligonucleotides with microprojection patch (Macroflux) technology, 18(12) Pharm. Res. 1787-1793 (2001);及びCormier et al., Transdermal delivery of desmopressin using a coated microneedle array patch system, 97 J. Control. Release. 503-511 (2004)を参照されたい。中空マイクロ針も、インスリン等の巨大分子を送達することが示されている。McAllister, Proc. Nat'l Acad. Sci. 13755-13760; Martanto et al., Transdermal delivery of insulin using microneedles in vivo, 21 Pharm. Res. 947-952 (2004)を参照されたい。ヒトボランティアへのマイクロ針の刺し込みは、滑らかな表面を皮膚上に当てたような感触、又は皮膚に「テープ片を当てたような感触」をもたらす。Kaushik et al., Lack of pain associated with microfabricated microneedles, 92 Anesth. & Analg. 502-504 (2001).
【0071】
本明細書中に記載の化合物及び組成物と共に使用するのに適切なマイクロ針の配置は、上記引用文献に記載されている。また、2008年1月10日付の米国特許出願第11/812,249号、公開番号US 2008-0008745 A1も参照されたい。当該文献は、全て、本明細書中に参照により援用される。
【0072】
一つの態様において、皮膚に刺し込むための非中空マイクロ針接着パッチが作製され得る。他の態様において、固定されたマイクロ針のジオメトリーは、赤外線レーザーを使用して(Resonetics Maestro, Nashua, NH, USA)、厚さ75μmのステンレス鋼のシートに切り取られて(Trinity Brand Industries, SS 304; McMaster-Carr, Atlanta, GA, USA)、金属基板の平面に対し垂直に折り曲げられる。より良好に皮膚に刺し込まれ、パッチを接着させるために、マイクロ針アレイは、接着性パッチに組み込まれることが出来る。接着構造は柔軟な皮膚の組織と硬いマイクロ針基板との間の機械的ミスマッチを補うことにより、マイクロ針は皮膚に向かうようにしっかりと保持される。マイクロ針パッチは、清浄のためにクリーンベンチ内で組み立てられ、使用前にエチレンオキシド(AN 74j, Andersen Sterilizers, Haw River, NC, USA)で滅菌される。
【0073】
他の態様において、マイクロ針アレイは、50本のマイクロ針を5x10に配列したマイクロ針アレイを含むパッチをもたらすように作製される。一つの態様において、適切な個々のマイクロ針は、長さ約620μm、基部の幅約160μm、そして先端の屈曲率が半径約1μm未満である。
【0074】
医薬組成物
【0075】
本明細書中で使用されるとき、「医薬組成物」は、単独で、又はマイクロ針と併用される、哺乳類にカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を投与するために作製され、形成され、又は使用され得る、任意の軟膏、クリーム、溶液、懸濁物、ローション、ペースト、ゲル、ヒドロゲル、スプレー、泡、固体又は油脂を含む。
【0076】
本明細書中で、「ゲル」又は「ゲル様」は、区別せずに使用される。
【0077】
本明細書中で、「賦形剤」は、それ自体は治療剤ではないが、対象に活性治療剤を送達するための組成物中に使用され、又は取り扱い性若しくは保存期間を改善し、若しくは組成物の剤形の形成(例えば任意でパッチに組み込まれ得るヒドロゲルの形成等)を可能とし、若しくは促進するために、活性成分と組み合わせられる(例えば医薬組成物を形成するために)、任意の物質を意味する。賦形剤を例示すると、限定されないが、結合剤、崩壊剤、調味料、溶媒、増粘剤若しくはゲル化剤(及び必要な場合任意の中和剤)、浸透促進剤、可溶化剤、湿潤剤、抗酸化剤、滑剤、皮膚軟化剤、好ましくないにおい、芳香又は風味を隠す、又は相殺する物質、組成物の見た目又は質感を改善する物質、並びにヒドロゲルを形成する物質が挙げられる。本開示に係る任意の剤形において、任意の賦形剤が使用され得る。上記種類の賦形剤は、全てを網羅することを意図しておらず、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)及びカンナビノイドのプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)の送達の所望の目的を達成するのに、当業者が、追加の種類及び組合せの賦形剤を使用出来ることを認識し得るように例示するものに過ぎない。
【0078】
本明細書中に使用される医薬組成物は、経皮又は局所投与に適している。一つの態様において、当該マイクロ針経皮又は局所薬物送達系は、マイクロ針アレイ及び医薬組成物を含み、当該医薬組成物は、任意でヒドロゲル中に組み込まれる、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する。更なる態様において、前記医薬組成物は、任意でヒドロゲルに組み込まれ得る、COX阻害剤を含有してもよい。更なる態様において、前記医薬組成物は、任意で、更に、溶媒、共溶媒、増粘剤、中和剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透促進剤、滑剤、滑剤、皮膚軟化剤、抗酸化剤、好ましくないにおい、芳香又は風味を隠す、又は相殺する物質、組成物の見た目又は質感を改善する物質、等の、医薬として許容される1つ以上の賦形剤を含有してもよい。更なる態様において、前記医薬組成物は、ヒドロゲルの一部であっても、又はこれに組み込まれていても良い。
【0079】
COX阻害剤
【0080】
幾つかの化合物は、哺乳類に投与されて、シクロオキシゲナーゼ又はCOXとしても知られる、プロスタグランジンG/Hシンターゼの生産を阻害することにより、哺乳類のプロスタグランジン生合成を防止又は減少させる。シクロオキシゲナーゼには、シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)及びシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の2つの形態が存在する。本明細書中で使用されるとき、「COX阻害剤」は、以下の化合物を含む。(i)優先的に又は特異的にCOX-1酵素を阻害するもの;(ii)優先的に又は特異的にCOX-2酵素を阻害するもの;及び(iii)COX-1及びCOX-2酵素の両方を阻害する化合物(即ち非特異的阻害剤)。COX-1、COX-2及び非特異的COX阻害剤は、それぞれ、本明細書中に記載の組成物、薬物送達系及び方法における使用に適している。
【0081】
本明細書中に記載の様々な態様における使用に適したCOX阻害剤の例として:アスピリン、ジフルニサール、オルサラジン、サルサレート、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナメート、フルフェナム酸、トルメチン、ケトロラック、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、ナブメトン、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、バルデコキシブ、ニメスリド、モフェゾラック、SC-560、FR 122047、及びDuP-697が挙げられる。更なるCOX阻害剤は、Merck Index, Thirteenth Ed., The Physicians Desk Reference, 58th Ed., and Goodman and Gilmans, "The Pharmacological Basis of Therapeutics, 1 lth Edに見られる。
【0082】
COX阻害剤の医薬として許容される形態として、哺乳類への経皮又は局所投与に適したものが挙げられる。本明細書中に記載のCOX阻害剤は、哺乳類への投与に適した任意の形態であり、例えば、遊離塩基、遊離酸、塩、エステル、水和物、無水物、鏡像異性体、異性体、互変異性体、多形体、誘導体等の形態が挙げられる。
【0083】
COX阻害剤の医薬として許容される塩には、哺乳類への投与に適した塩が含まれ、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、酪酸、アントラニル酸、
酪酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等、及び無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ酪酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ベータ-ヒドロキシ酪酸、ガラクト酸及びガラクツロン酸が挙げられる。以上の医薬として許容される塩の列挙は、全てを網羅することを意図しておらず、COX阻害剤の他の医薬として許容される塩が調製できることを当業者が認識し得るように例示するものに過ぎない。
【0084】
一つの態様において、酸付加塩は、遊離塩基と適切な塩との反応を通じて、遊離塩から調製出来る。COX阻害剤の酸付加塩を調製するのに適した酸として、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキサロ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、酪酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等、及び無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等である。以上の有機酸及び無機酸の列挙は、全てを網羅することを意図しておらず、COX阻害剤の医薬として許容出来る塩の調製に他の酸を使用できることを当業者が認識し得るように例示するものに過ぎない。他の態様において、酸付加塩は、適切な塩基で処理することにより、遊離塩に再変換される。尚も他の態様において、前記塩基性塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩である。
【0085】
本明細書中に記載の一つの態様は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールのプロドラッグ)、及び第一のCOX阻害剤を含有する医薬組成物、並びに、医学的状態を治療するためにカンナビノイドの経皮又は局所送達を必要とする哺乳類の皮膚を穿孔するように配列されるマイクロ針アレイを含む、マイクロ針経皮又は局所薬物送達系である。一つの態様において、前記COX阻害剤はCOX-1阻害剤である。更なる態様において、前記COX阻害剤はCOX-2阻害剤である。他の態様において、前記COX阻害剤はCOX-1阻害剤かつCOX-2阻害剤(即ち非特異的COX阻害剤)である。更なる態様において、前記COX阻害剤は、任意の医薬として許容される形態(例えば塩、エステル、プロドラッグ等)をとることができる。マイクロ針と併用されるCOX阻害剤は、米国特許出願第12/325,919号に記載され、当該文献は全て本明細書中に参照により援用される。
【0086】
浸透促進剤及び共溶媒
【0087】
一つの態様において、前記医薬組成物は、経皮又は局所送達用の、1つ以上の浸透促進剤又は共溶媒を含有してもよい。浸透促進剤は、有効成分を角質層を通って分散させるのを助ける賦形剤である。浸透促進剤の多くは、共溶媒としても振舞い、組成物中のカンナビノイドの熱動態活性又は溶解性を改善し、またマイクロ針が開けた穴又は孔を通じての薬物送達を促進すると考えられる。浸透促進剤は、反応促進剤(accelerant)、助剤(adjuvant)又は吸収促進剤としても知られる。本明細書中に記載の医薬組成物及び方法に使用される適切な浸透促進剤は:(i)作用の特定のメカニズムで極めて強力であり;(ii)投与に対して迅速な応答を呈し;(iii)作用の期間が予測可能であり;(iv)皮膚に一過性の影響又は回復可能な影響しか及ぼさず;(v)化学的に安定で、(vi)薬理作用が無く、又は最小限で;(iiv)他の組成物の成分と物理的に又は化学的に共存可能で;(viii)無臭で;(ix)無色で;(x)低アレルギー性で;(xi)無刺激性で;(xii)光毒性を有さず;(xiii)毛穴を詰まらせず;(xiv)皮膚と同等の溶解性パラメーター(10.5 cal/cm3)を有し;(xv)利用が容易で;(xvi)安価で;かつ(xvii)活性医薬剤の局所又は経皮送達用の医薬組成物に製剤化できるべきである。
【0088】
作用の様々なメカニズムで、幾つかのクラスの化合物は、浸透促進剤として使用出来る。以下に示すのは非限定的な浸透促進剤の例であり、多くは共溶媒としても適切である。スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド及びデシルメチルスルホキシドは、浸透促進剤として使用できる。ジメチルスルホキシドは、脂質流動性を増大させて、薬物の浸透を促進することにより、部分的に浸透を促進する。一方、デシルメチルスルホキシドは、皮膚中のタンパク質と反応して、タンパク質の立体構造を変化させて、水性のチャンネルを形成することにより、浸透を促進する。
【0089】
浸透促進剤の他のクラスは、アルカノン、例えばN-ヘプタン、N-オクタン、N-ノナン、N-デカン、N-ウンデカン、N-ドデカン、N-トリデカン、N-テトラデカン及びN-ヘキサデカン等である。アルカノンは、角質層を改質することにより、活性成分の浸透性を促進する。浸透促進剤の更なるクラスは、アルカノールアルコール、例えばエタノール、プロパノール、2-ブタノール、ペンタノール、2-ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール及びベンジルアルコールが挙げられる。低分子量、即ち炭素が6個以下のアルカノールアルコールは、可溶化剤として部分的に浸透性を促進し得る。一方、より疎水性のアルコールは、角質層から脂質を抽出することにより、分散を促進し得る。更なる浸透促進剤のクラスは、脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、2-ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノールアルコール及びリノレンアルコールである。ポリオール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサントリオール、プロピレングリコールモノラウレート及びジエチレングリコールモノメチルエーテル(トランスクトール)も、浸透を促進できる。幾つかのポリオール、例えばプロピレングリコールも、アルファ-ケラチンを溶媒和(solvate)して水素結合部位を占領し、活性組織結合(active-tissue binding)の量を減少させることにより、浸透促進剤として振舞う。
【0090】
他の浸透促進剤のクラスは、アミド、例えば尿素、ジメチルアセタミド、ジエチルトルアミドジメチルホルムアミド、ジメチルオクタミド、ジメチルデカミド及び生分解性環状尿素(例えば1-アルキル-4-イミダゾリン-2-オン)等が挙げられる。アミドが浸透を促進するメカニズムは様々である。例えば、尿素等のアミドは角質の水和を増大させ、角質溶解剤として振舞い、水性分散チャンネルを形成する。一方、他のアミド、例えばジメチルアセタミド及びジメチルホルムアミド等は、低濃度でケラチンの分割(partition)を増大させ、他方脂質の流動性を増大させ、そして高濃度で、脂質のパッケージングを破壊する。他の浸透促進剤のクラスは、ピロリドン誘導体、例えば1-メチル-2-ピロリドン, 2-ピロリドン, l-ラウリル-2-ピロリドン, 1 -メチル-4-カルボキシ-2-ピロリドン, 1 -ヘキシル-4-カルボキシ-2-ピロリドン, 1 -ラウリル-4-カルボキシ-2-ピロリドン, 1 -メチル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン, 1 -ヘキシル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン, l-ラウリル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン, N-メチル-ピロリドン, N-シクロヘキシルピロリドン, N-ジメチルアミノプロピル-ピロリドン, N-ココアルキピロリドン及びN-タロウアルキピロリドン、並びに生分解性ピロリドン誘導体、例えばN-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドンの脂肪酸エステルが挙げられる。ピロリドン誘導体の一部は、皮膚構造中の角質層中のケラチン及び脂質と相互作用することにより、浸透性を促進する。更なる浸透促進剤のクラスは、環状アミドであり、例えば1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(アゾン)、1-ゲラニルアザシクロへプタン-2-オン、1-ファルネシルアザシクロへプタン-2-オン、1-ゲラニルゲラニルアザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7-ジメチルオクチル)-アザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7,11-トリメチルドデシル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロヘキサン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロヘプタン-2,5-ジオン及び1-ファルネシルアザシクロヘプタン-2-オンが挙げられる。環状アミド、例えばアゾン等は、角質の脂質構造に影響を及ぼし、浸透性を増大させ、そして膜流動性を増大させることにより、部分的に活性剤の浸透を促進する。更なる浸透促進剤のクラスとして、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びヘキサメチレンラウルアミド、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
【0091】
更なる浸透促進剤として、直鎖脂肪酸、例えばオクタン酸、リノール酸、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びカプリル酸が挙げられる。直鎖脂肪酸は、細胞間の脂質二重層の選択的摂動(perturbation)を通じて、部分的に浸透を促進する。加えて、一部の直鎖脂肪酸、例えばオレイン酸等は、脂質の相転移温度を下げて、脂質の自由な移動又は流動性を増大させることにより、浸透を増大させる。分岐脂肪酸、例えばイソ吉草酸ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸、ネオナノン酸(neonanoic acid)、トリメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、及びイソステアリン酸は、浸透促進剤の更なるクラスである。更なる浸透促進剤のクラスとして、脂肪族脂肪酸エステル(aliphatic fatty acid ester)、例えばオレイン酸エチル、n-酪酸イソプロピル、n-ヘキサン酸イソプロピル、n-で換算イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、パルミチン酸イソプロピル、及びミリスチン酸オクチルドデシルが挙げられる。脂肪族脂肪酸エステルは、角質層の分散性及び/又は分配係数を増大させることにより、浸透性を増大させる。加えて、幾つかの脂肪族脂肪酸エステル、例えばIPMは、角質層に直接作用してリポソーム二重層内に浸透することによりその流動性を増大させて、浸透性を増大させる。アルキル脂肪酸エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、吉相酸メチル、プロピオン酸メチル、セバシン酸ジエチル、オレイン酸エチル、ステアリン酸ブチル及びラウリン酸メチル等は、浸透促進剤として振舞うことが出来る。アルキル脂肪酸エステルは、脂質の流動性を増大させることにより、部分的に浸透性を促進する。
【0092】
更なる浸透促進剤のクラスは、アニオン性界面活性剤、例えばラウリル酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びオクチル硫酸ナトリウム等である。アニオン性界面活性剤は、角質層の障壁機能を変化させて、通常可塑剤として振舞う水溶性薬剤(water-soluble agent)を除去することにより、活性成分の浸透性を促進する。浸透促進剤の更なるクラスは、カチオン性界面活性剤、例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、及び塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等である。カチオン性界面活性剤は、生体膜に吸収され、又は生体膜と相互作用して、皮膚にダメージを与えることにより、浸透を促進する。更なる浸透促進剤のクラスは、双極性イオン性界面活性剤、例えば硫酸ヘキサデシルトリメチルアンモニオプロパン、オレイルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン及びコカミドプロピルベタイン等である。Polyxamer (231, 182, 184)、Polysorbate (20, 60)、Brij (30, 93, 96, 99)、Span (20, 40, 60, 80, 85)、Tween (20, 40, 60, 80)、Myrj (45, 51, 52)及びMiglyol 840等の非イオン性界面活性剤は、他の浸透促進剤のクラスである。非イオン性界面活性剤は、皮脂を乳化し、活性成分の熱力学的活量又は溶解性を促進することにより、部分的に浸透を促進する。
【0093】
他の浸透促進剤のクラスは、有効成分の熱力学的活量又は溶解性を増大させるものであり、限定されないが、n-オクタノール、オレイン酸ナトリウム、D-リモネン、モノオレイン、シネオール、及びミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。
【0094】
更なる浸透促進剤は、バイル塩、例えば塩化ナトリウム、タウロコール酸、グリコール酸及びデスオキシコール酸(desoxycholic acid)のナトリウム塩等である。レシチンも浸透促進特性を有することが見出されている。更なる浸透促進剤のクラスは、テルペンであり、炭化水素、例えばd−リモネン、アルファ-ピネン及びベータ-カレン等;アルコール、例えばアルファ-テルピネオール、テルピネン-4-オール及びカルボール(carvol)等;ケトン、例えばカルボン(carvone)、プレゴン(carvone)、ピペリトン及びメントン等;オキシド、例えばシクロヘキセンオキシド、リモネンオキシド、アルファ-ピネンオキシド、シクロペンテンオキシド及び1,8-シネオール等;並びに油脂、例えばイランイラン、アニス、アカザ(chenopodium)及びユーカリ(eucalyptus)等が挙げられる。テルペンは、細胞間の脂質二重層を破壊して、角質内部及び角質を通過する、活性の、かつ開口した、極性の経路の分散性を増大させることにより、部分的に浸透を促進する。有機酸、例えばサリチル酸及びサリチル酸塩(メチル、エチル及びプロピルグリコール誘導体を含む)、クエン酸及びコハク酸等は、浸透促進剤である。他の浸透促進剤のクラスは、シクロデキストリンであり、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン及び2, 6-ジメチル-ベータ-シクロデキストリンが挙げられる。シクロデキストリンは、親油性の有効成分を包摂する複合体を形成し、水溶液中での溶解性を増大することにより、浸透性を促進する。
【0095】
更なる浸透促進剤として、限定されないが:アルキル-2-(N,N-2置換アミノ)-アルカノエートエステル(NexAct(登録商標));2-(n-ノニル)-1,3-ジオキソラン(SEPA(登録商標));二塩基酸(diacid)のジ(低級)アルキルエステル(例えばアジピン酸ジイソプロピル);モノグリセリド脂肪酸(例えばモノラウリル酸グリセリル);テトラヒドロフルフリルアルコール;2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル;ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドジメチルエーテル;アセト酢酸エステル;オレイルマクロゴールグリセリド;カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド;-ポリオキシエチレン6カプリルトリグリセリド;ポリオキシエチレングリセリド;PPG-5セテス(ceteth)-20;ラウロイルマクログリセリドオレイン酸が挙げられる。使用に適する更なる浸透促進剤は、米国特許出願第10/032,163号にも見られ、当該文献は、本明細書中に参照により援用される。
【0096】
一つの態様において、前記浸透促進剤は、(i)カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)の溶解性を増大させるが粘性を増大させない1つ以上の共溶媒、かつ/又は(ii)マイクロ針で処理した部位への血流を増大させる化合物(血管拡張剤)であってもよい。
【0097】
共溶媒として、上記浸透促進剤が挙げられる。更に、使用に適する浸透促進剤として、限定されないが、米国特許第6,248,363号に記載の界面活性剤が挙げられ、当該文献は、本明細書中に参照により援用される。
【0098】
前記浸透促進剤及び/又は共溶媒は、角質や表皮を通じて所望のレベルの薬物輸送を提供するのに、又はカンナビノイドの熱力学的活量又は溶解性を増大させるのに充分な量で存在する。例えば、1つ以上の医薬として許容される浸透促進剤及び/又は共溶媒は、合計の重量の、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2.0重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3.0重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、約3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、約4.0重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5.0重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6.0重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7.0重量%、約7.1重量%、約7.2重量%、約7.3重量%、約7.4重量%、約7.5重量%、約7.6重量%、約7.7重量%、約7.8重量%、約7.9重量%、約8.0重量%、約8.1重量%、約8.2重量%、約8.3重量%、約8.4重量%、約8.5重量%、約8.6重量%、約8.7重量%、約8.8重量%、約8.9重量%、約9.0重量%、約9.1重量%、約9.2重量%、約9.3重量%、約9.4重量%、約9.5重量%、約9.6重量%、約9.7重量%、約9.8重量%、約9.9重量% 又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%又は約95重量%で存在する。
【0099】
更なる例として、1つ以上の医薬として許容される浸透促進剤及び/又は共溶媒は、合計の重量の、約1重量%〜約95重量%;約5重量%〜約95重量%;約10重量%〜約95重量%;約15重量%〜約95重量%;約20重量%〜約95重量%;約25重量%〜約95重量%;約30重量%〜約95重量%;約35重量%〜約95重量%;約40重量%〜約95重量%;約45重量%〜約95重量%;約50重量%〜約95重量%;約55重量%〜約95重量%;約60重量%〜約95重量%;約65重量%〜約95重量%;約70重量%〜約95重量%;約75重量%〜約95重量%;約80重量%〜約95重量%;約85重量%〜約95重量%;約90重量%〜約95重量%;約1重量%〜約90重量%;約5重量%〜約90重量%;約10重量%〜約90重量%;約15重量%〜約90重量%;約20重量%〜約90重量%;約25重量%〜約90重量%;約30重量%〜約90重量%;約35重量%〜約90重量%;約40重量%〜約90重量%;約45重量%〜約90重量%;約50重量%〜約90重量%;約55重量%〜約90重量%;約60重量%〜約90重量%;約65重量%〜約90重量%;約70重量%〜約90重量%;約75重量%〜約90重量%;約80重量%〜約90重量%;約85重量%〜約90重量%;約1重量%〜約85重量%;約5重量%〜約85重量%;約10重量%〜約85重量%;約15重量%〜約85重量%;約20重量%〜約85重量%;約25重量%〜約85重量%;約30重量%〜約85重量%;約35重量%〜約85重量%;約40重量%〜約85重量%;約45重量%〜約85重量%;約50重量%〜約85重量%;約55重量%〜約85重量%;約60重量%〜約85重量%;約65重量%〜約85重量%;約70重量%〜約85重量%;約75重量%〜約85重量%;約80重量%〜約85重量%;約1重量%〜約80重量%;約5重量%〜約80重量%;約10重量%〜約80重量%;約15重量%〜約80重量%;約20重量%〜約80重量%;約25重量%〜約80重量%;約30重量%〜約80重量%;約35重量%〜約80重量%;約40重量%〜約80重量%;約45重量%〜約80重量%;約50重量%〜約80重量%;約55重量%〜約80重量%;約60重量%〜約80重量%;約65重量%〜約80重量%;約70重量%〜約80重量%;約75重量%〜約80重量%;約1重量%〜約75重量%;約5重量%〜約75重量%;約10重量%〜約75重量%;約15重量%〜約75重量%;約20重量%〜約75重量%;約25重量%〜約75重量%;約30重量%〜約75重量%;約35重量%〜約75重量%;約40重量%〜約75重量%;約45重量%〜約75重量%;約50重量%〜約75重量%;約55重量%〜約75重量%;約60重量%〜約75重量%;約65重量%〜約75重量%;約70重量%〜約75重量%;約1重量%〜約70重量%;約5重量%〜約70重量%;約10重量%〜約70重量%;約15重量%〜約70重量%;約20重量%〜約70重量%;約25重量%〜約70重量%;約30重量%〜約70重量%;約35重量%〜約70重量%;約40重量%〜約70重量%;約45重量%〜約70重量%;約50重量%〜約70重量%;約55重量%〜約70重量%;約60重量%〜約70重量%;約65重量%〜約70重量%;約1重量%〜約65重量%;約5重量%〜約65重量%;約10重量%〜約65重量%;約15重量%〜約65重量%;約20重量%〜約65重量%;約25重量%〜約65重量%;約30重量%〜約65重量%;約35重量%〜約65重量%;約40重量%〜約65重量%;約45重量%〜約65重量%;約50重量%〜約65重量%;約55重量%〜約65重量%;約60重量%〜約65重量%;約1重量%〜約60重量%;約5重量%〜約60重量%;約10重量%〜約60重量%;約15重量%〜約60重量%;約20重量%〜約60重量%;約25重量%〜約60重量%;約30重量%〜約60重量%;約35重量%〜約60重量%;約40重量%〜約60重量%;約45重量%〜約60重量%;約50重量%〜約60重量%;約55重量%〜約60重量%;約1重量%〜約55重量%;約5重量%〜約55重量%;約10重量%〜約55重量%;約15重量%〜約55重量%;約20重量%〜約55重量%;約25重量%〜約55重量%;約30重量%〜約55重量%;約35重量%〜約55重量%;約40重量%〜約55重量%;約45重量%〜約55重量%;約50重量%〜約55重量%;約1重量%〜約50重量%;約5重量%〜約50重量%;約10重量%〜約50重量%;約15重量%〜約50重量%;約20重量%〜約50重量%;約25重量%〜約50重量%;約30重量%〜約50重量%;約35重量%〜約50重量%;約40重量%〜約50重量%;約45重量%〜約50重量%;約1重量%〜約45重量%;約5重量%〜約45重量%;約10重量%〜約45重量%;約15重量%〜約45重量%;約20重量%〜約45重量%;約25重量%〜約45重量%;約30重量%〜約45重量%;約35重量%〜約45重量%;約40重量%〜約45重量%;約1重量%〜約40重量%;約5重量%〜約40重量%;約10重量%〜約40重量%;約15重量%〜約40重量%;約20重量%〜約40重量%;約25重量%〜約40重量%;約30重量%〜約40重量%;約35重量%〜約40重量%;約1重量%〜約35重量%;約5重量%〜約35重量%;約10重量%〜約35重量%;約15重量%〜約35重量%;約20重量%〜約35重量%;約25重量%〜約35重量%;約30重量%〜約35重量%;約1重量%〜約30重量%;約5重量%〜約30重量%;約10重量%〜約30重量%;約15重量%〜約30重量%;約20重量%〜約30重量%;約25重量%〜約30重量%;約1重量%〜約25重量%;約5重量%〜約25重量%;約10重量%〜約25重量%;約15重量%〜約25重量%;約20重量%〜約25重量%;約1重量%〜約20重量%;約5重量%〜約20重量%;約10重量%〜約20重量%;約15重量%〜約20重量%;約1重量%〜約15重量%;約5重量%〜約15重量%; 又は約10重量%〜約15重量%;約1重量%〜約10重量%;約2重量%〜約10重量%;約3重量%〜約10重量%;約4重量%〜約10重量%;約5重量%〜約10重量%;約6重量%〜約10重量%;約7重量%〜約10重量%;約8重量%〜約10重量%;約9重量%〜約10重量%;約1重量%〜約9重量%;約2重量%〜約9重量%;約3重量%〜約9重量%;約4重量%〜約9重量%;約5重量%〜約9重量%;約6重量%〜約9重量%;約7重量%〜約9重量%;約8重量%〜約9重量%;約1重量%〜約8重量%;約2重量%〜約8重量%;約3重量%〜約8重量%;約4重量%〜約8重量%;約5重量%〜約8重量%;約6重量%〜約8重量%;約7重量%〜約8重量%;約1重量%〜約7重量%;約2重量%〜約7重量%;約3重量%〜約7重量%;約4重量%〜約7重量%;約5重量%〜約7重量%;約6重量%〜約7重量%;約1重量%〜約6重量%;約2重量%〜約6重量%;約3重量%〜約6重量%;約4重量%〜約6重量%;約5重量%〜約6重量%;約1重量%〜約5重量%;約2重量%〜約5重量%;約3重量%〜約5重量%;約4重量%〜約5重量%;約1重量%〜約4重量%;約2重量%〜約4重量%;約3重量%〜約4重量%;約1重量%〜約3重量%;約2重量%〜約3重量%; 又は約1重量%〜約2重量%で存在する。
【0100】
他の態様において、前記浸透促進剤(即ち共溶媒)の重量パーセンテージ又は重量パーセントの範囲は、前記ヒドロゲルの合計重量のパーセンテージとして決定される。
【0101】
増粘剤又はゲル化剤及び関連する賦形剤
【0102】
一つの態様において、前記医薬組成物は、当該組成物の粘性を増大するために、本明細書中に記載の組成物及び方法に使用されるのに適した、増粘剤又はゲル化剤を含有してもよい。本明細書中の組成物中に存在し、又は当該組成物の生産に使用され得る、増粘剤(別名ゲル化剤)の非限定的な例として、中和アニオン性ポリマー又は中和カルボマー、例えばポリアリール酸(CARBOPOL(登録商標)Noveon, Inc., Cleveland, Ohio) (http://www.nuven.comを参照、当該記載は本明細書中に参照により援用される)、カルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ、Carbopol(登録商標)ポリマーの誘導体、例えばCarbopol(登録商標)Ultrez 10、Carbopol(登録商標)940、Carbopol(登録商標)941、Carbopol(登録商標)954、Carbopol(登録商標)980、Carbopol(登録商標)981、Carbopol(登録商標)ETD 2001、Carbopol(登録商標)EZ-2及びCarbopol(登録商標)EZ-3が挙げられる。本明細書中で使用されるとき、「中和カルボマー」は、合成、高分子量のポリマーで、主として中和ポリアクリル酸から構成される。更に、カルボマー溶液の中和に塩基が添加されるとき、当該溶液の粘性は増大する。他のポリマー性増粘剤、例えばPemulen(登録商標)ポリマー性乳化剤、Noveon(登録商標)ポリカルボフィル、及びKlucel(登録商標)等も適している。更なる増粘剤、促進剤及び助剤は、一般に、Remington's The Science and Practice of Pharmacy及びHandbook of Pharmaceutical Excipients, Arthur H. Kibbe ed. 2000中に見出され得る。増粘剤又はゲル化剤は、前記組成物が所望のレオロジー特性、例えば哺乳類の皮膚に適用できるゲル又はゲル様組成物を形成するのに充分な粘性等を提供するのに充分な量で存在する。
【0103】
例えば、1つ以上の医薬として許容される増粘剤又はゲル化剤は、合計重量中、約0.1重量%、約0.25重量%、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、約2.0重量%、約2.25重量%、約2.5重量%、約2.75重量%、約3.0重量%、約3.25重量%、約3.5重量%、約3.75重量%、約4.0重量%、約4.25重量%、約4.5重量%、約4.75重量%、約5.0重量%、約5.25重量%、約5.5重量%、約5.75重量%、約6.0重量%、約6.25重量%、約6.5重量%、約6.75重量%、約7.0重量%、約7.25重量%、約7.5重量%、約7.75重量%、約8.0重量%、約8.25重量%、約8.5重量%、約8.75重量%、約9.0重量%、約9.25重量%、約9.5重量%、約9.75重量%、約10重量%、約11重量%、約11.5重量%、約12重量%、約12.5重量%、約13重量%、約13.5重量%、約14重量%、約14.5重量% 又は約15重量%の量で存在する。更なる例として、1つ以上の医薬として許容される増粘剤又はゲル化剤は、合計重量中、約0.1重量%〜約15.0重量%;約0.5重量%〜約5.0重量%; 又は約1.0重量%〜約3.0重量%の量で存在する。
【0104】
他の態様において、前記医薬組成物は、アニオン性ポリマー増粘剤前駆体、例えばカルボマーを含有し、これは、スピンドルCPE-52を備えたBrookfield RV DVII+ Viscometerを用いて、トルク10%超、及び25℃を維持して測定したとき1000cps超の粘性を有するゲル又はゲル様組成物を形成するのに充分な量の中和剤と組み合わせられている。
【0105】
なおも更なる態様において、前記医薬組成物は、アニオン性ポリマー増粘剤、例えばカルボマーを含有し、これは、ゲル又はゲル様組成物を形成するために前記アニオン性ポリマーを中和するのに充分な量の、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アルギニン、アミノメチルプロパノール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン(TEA)、トロメタミン、PEG-15、コカミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミン又はそれらの組合せと組み合わせられている。適切な中和剤、及びそれらの選択されたアニオン性ポリマー増粘剤との使用は、"Neutralizing Carbopol(登録商標)and Pemulen(登録商標)Polymers in Aqueous and ヒドロalcoholic Systems," Commercial Brochure TDS-237 (October 1998) by Noveon Inc. of Cleveland, Ohioに開示されており、当該文献は、本明細書中に参照により援用される。
【0106】
尚も更なる態様において、前記医薬組成物は、アニオン性増粘剤前駆体、例えばカルボマーを含有し、これは、前記ポリアクリル酸を適切に中和して、ゲル又はゲル様組成物を形成するのに充分な量の、例えば濃度0.01 N, 0.02 N, 0.025 N, 0.05 N, 0.075 N, 0.1 Nの水酸化ナトリウム水溶液、又は1.5N水酸化ナトリウム水溶液、又は2.0N水酸化ナトリウム、又は他の適切な強度の水酸化ナトリウム溶液等の中和剤と組み合わせられている。一つの態様において、前記組成物は、約1.0%〜約10.0%の0.025N水酸化ナトリウムを使用して調製される。従って、約1.0%〜約10.0%の任意のパーセンテージの0.025N水酸化ナトリウムを採用する態様において、例えば1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%又は10%の0.025N水酸化ナトリウムが使用され得る。
【0107】
一つの態様において、本明細書中に記載の医薬組成物の粘度は、約1,000cps〜約100,000cpsである。従って、本明細書中に記載及び開示される組成物の粘度は、約1,000cps〜約100,000cps、例えば、約1,000、約2,000、約3,000、約4,000、約5,000、約6,000、約7,000、約8,000、約9,000、約10,000、約11,000、約12,000、約13,000、約14,000、約15,000、約16,000、約17,000、約18,000、約19,000、約20,000、約21,000、約22,000、約23,000、約24,000、約25,000、約26,000、約27,000、約28,000、約29,000、約30,000、約31,000、約32,000、約33,000、約34,000、約35,000、約36,000、約37,000、約38,000、約39,000、約40,000、約41,000、約42,000、約43,000、約44,000、約45,000、約46,000、約47,000、約48,000、約49,000、約50,000、約51,000、約52,000、約53,000、約54,000、約55,000、約56,000、約57,000、約58,000、約59,000、約60,000、約61,000、約62,000、約63,000、約64,000、約65,000、約66,000、約67,000、約68,000、約69,000、約70,000、約71,000、約72,000、約73,000、約74,000、約75,000、約76,000、約77,000、約78,000、約79,000、約80,000、約81,000、約82,000、約83,000、約84,000、約85,000、約86,000、約87,000、約88,000、約89,000、約90,000、約91,000、約92,000、約93,000、約94,000、約95,000、約96,000、約97,000、約98,000、約99,000、約100,000cps等、任意の値であってもよい。
【0108】
一つの態様において、中和剤は、任意で、医薬組成物の形成を補助するのに使用される。適切な中和剤として、水酸化ナトリウム(例えば水性混合物として)、水酸化カリウム(例えば水性混合物として)、水酸化アンモニウム(例えば水性混合物として)、トリエタノールアミン、トロメタミン(2-アミノ2-ヒドロキシメチル-1,3プロパンジオール)、アミノメチルプロパノール(AMP)、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジイソプロパノールアミン、Ethomeen C-25 (Armac Industrial Division)、Di-2 (エチルヘキシル)アミン(BASF-Wyandotte Corp., Intermediate Chemicals Division)、トリアミルアミン、Jeffamine D- 1000 (Jefferson Chemical Co.)、b-ジメチルアミノプロピオニトライトプロピオニトリル(American Cyanamid Co.)、Armeen CD (Armac Industrial Division)、Alamine 7D (Henkel Corporation)、ドデシルアミン及びモルホリンが挙げられる。前記中和剤は、粘性を増大して、哺乳類の皮膚と接触するのに適したゲル又はゲル様組成物を形成するのに充分な量で存在する。例えば、1つ以上の中和剤は、全重量の約0.001重量%、約0.0015重量%、約0.01重量%、約0.015重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2.0重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3.0重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、約3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、約4.0重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5.0重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6.0重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7.0重量%で存在する。更なる例として、1つ以上の医薬として許容される中和剤は、合計重量の、約0.1重量%〜約7.0重量%又は約1.0重量%〜約5.0重量%である。
【0109】
一つの態様において、水酸化ナトリウムの溶液が使用され、例えば0.01 N, 0.02 N, 0.025 N, 0.05 N, 0.075 N, 0.1 N 水酸化ナトリウム溶液、0.2 N 水酸化ナトリウム溶液、0.5 N 水酸化ナトリウム溶液、1.0 N 水酸化ナトリウム溶液、1.5 N 水酸化ナトリウム溶液、2.0 N 水酸化ナトリウム溶液、10.0 N 水酸化ナトリウム溶液、又は所望のゲル又はゲル様組成物を形成するのに充分な量の水酸化ナトリウム水溶液を提供する任意の他の適切な溶液等が挙げられる。一つの態様において、前記医薬として許容される組成物は、ゲル化剤と、中和剤、例えば約1%〜約10%(wt/wt)の0.025N水酸化ナトリウム等とを組み合わせて形成され、また、他の態様において、約0.1%〜約1%(wt/wt)の0.25N水酸化ナトリウムが使用される。当然に、他の適切な中和剤、また他の濃度及び量の水酸化ナトリウムも、ゲル又はゲル様組成物の形成を補助するのに充分な量のOH-イオンが存在する限り、使用することが出来る。
【0110】
更なる賦形剤
【0111】
本明細書中に記載の医薬組成物は、任意で、賦形剤として、1つ以上の医薬として許容される湿潤剤を含有する。本開示の組成物中の湿潤剤として使用出来る界面活性剤の非限定的な例は、第四級アンモニウム化合物、例えば塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウム及び塩化セチルピリジニウム;スルホコハク酸ナトリウムジオクチル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばノノキシノール9、ノノキシノール10及びオクトキシノール9;ポリオキサマー(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマー);ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び油脂、例えばポリオキシエチレン(8)カプリル/カプロンモノ及びジグリセリド(例えばGattefosseのLabrasol(商標))、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油及びポリオキシエチレン(40)水素化ヒマシ油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)ケトステアリルエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン(40);ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリソルベート20及びポリソルベート80(例えばICIのTween(商標)80);プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばラウリル酸プロピレングリコール(例えばGattefosseのLauroglycol(商標));ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸及びその塩、例えばオレイン酸、オレイン酸ナトリウム及びオレイン酸トリエタノールアミン;グリセリル脂肪酸エステル、例えばモノステアリン酸グリセリル;ソルビタンエステル(例えばモノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン及びモノステアリン酸ソルビタン);チロキサポール及びそれらの混合物である。そのような湿潤剤は、存在する場合、全部で、組成物の全重量の約0.25重量%〜約15重量%、約0.4重量%〜約10重量%、又は約0.5重量%〜約5重量%を占める。例えば、1つ以上の医薬として許容される湿潤剤は、全部で、約0.25重量%、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、約2.0重量%、約2.25重量%、約2.5重量%、約2.75重量%、約3.0重量%、約3.25重量%、約3.5重量%、約3.75重量%、約4.0重量%、約4.25重量%、約4.5重量%、約4.75重量%、約5.0重量%、約5.25重量%、約5.5重量%、約5.75重量%、約6.0重量%、約6.25重量%、約6.5重量%、約6.75重量%、約7.0重量%、約7.25重量%、約7.5重量%、約7.75重量%、約8.0重量%、約8.25重量%、約8.5重量%、約8.75重量%、約9.0重量%、約9.25重量%、約9.5重量%、約9.75重量%又は約10重量%存在する。
【0112】
本明細書中で使用されるとき、「溶解剤」又は「可溶化剤」は、溶解物の溶解性を増大するために医薬組成物に添加される任意の賦形剤である。
【0113】
本明細書中に記載の医薬組成物は、任意で、1つ以上の医薬として許容される滑剤、例えば抗粘着剤及び/又は流動促進剤等を含有する。適切な滑剤として、単独で、又は組み合わせて使用される、グリセリルベハペート(glyceryl behapate)(例えば、Compritol(商標)888);マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム)、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸ナトリウムを含むステアリン酸及びその塩;水素化植物油(例えば、Sterotex(商標));コロイドシリカ;タルク;ろう;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL−ロイシン;ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(商標)6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;及びラウリル硫酸マグネシウムが挙げられる。そのような滑剤は、存在する場合、全部で、組成物の全重量の約0.1重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約8重量%、又は約0.25重量%〜約5重量%を占める。例えば、1つ以上の医薬として許容される滑剤は、全部で、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2.0重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3.0重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、約4.0重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5.0重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6.0重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7.0重量%、約7.1重量%、約7.2重量%、約7.3重量%、約7.4重量%、約7.5重量%、約7.6重量%、約7.7重量%、約7.8重量%、約7.9重量%、約8.0重量%、約8.1重量%、約8.2重量%、約8.3重量%、約8.4重量%、約8.5重量%、約8.6重量%、約8.7重量%、約8.8重量%、約8.9重量%、約9.0重量%、約9.1重量%、約9.2重量%、約9.3重量%、約9.4重量%、約9.5重量%、約9.6重量%、約9.7重量%、約9.8重量%、約9.9重量%又は約10重量%存在する。
【0114】
他の態様において、本明細書中に記載される医薬組成物は、任意で、皮膚軟化剤を含有する。皮膚軟化剤の例として、鉱物油、鉱物油とラノリンアルコールの混合物、セチルアルコール、ケトステアリルアルコール、ワセリン、ワセリン及びラノリンアルコール、セチルエステルワックス、コレステロール、グリセリン、モノステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、レシチン、カプロン酸アリル、アルテア・オフィチナリス(althea officinalis)抽出物、アラキジルアルコール、アルゴベース(argobase)EUC、ブチレングリコール、ジカプリル酸塩/ジカプロン酸塩、アカシア、アラントイン、カラギーナン、セチルジメチコン、シクロメチコン、コハク酸ジエチル、ベヘン酸ジヒドロアビエチル、アジピン酸ジオクチル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、ラウリン酸イソアミル、オクタン酸塩、PEG-75、ラノリン、ソルビタン、ラウリン酸塩、クルミ油、小麦胚種油、超精製アーモンド油、超精製胡麻油、超精製大豆油、パルミチン酸オクチル、カプリル/カプロントリグリセリド、及びグリセリルココエートが挙げられる。皮膚軟化剤は、存在する場合、全部で、組成物の全重量の約1重量%〜約30重量%、約3重量%〜約25重量%、又は約5重量%〜約15重量%を占める。例えば、1つ以上の皮膚軟化剤は、全部で、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、又は約30重量%存在する。
【0115】
一つの態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、抗酸化剤を含有する。例示的な抗酸化剤のとして、クエン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、グルタチオン、レチノール、α-トコフェロール、β-カロテン、α-カロテン、ユビキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エチレンジアミンテトラ酢酸、セレニウム、亜鉛、リグナン、尿酸、リポ酸、及びN-アセチルシステインが挙げられる。抗酸化剤は、存在する場合、全部で、組成物の全重量の約1重量%未満を占める。例えば、1つ以上の抗酸化剤は、全部で、約0.025重量%、約0.05重量%、約0.075重量%、約0.1重量%、約0.125重量%、約0.15重量%、約0.175重量%、約0.2重量%、約0.225重量%、約0.25重量%、約0.275重量%、約0.3重量%, 0.325重量%、約0.35重量%、約0.375重量%、約0.4重量%、約0.425重量%、約0.45重量%、約0.475重量%、約0.5重量%、約0.525重量%、約0.55重量%、約0.575重量%、約0.6重量%、約0.625重量%、約0.65重量%、約0.675重量%、約0.7重量%、約0.725重量%、約0.75重量%、約0.775重量%、約0.8重量%、約0.825重量%、約0.85重量%、約0.875重量%、約0.9重量%、約0.925重量%、約0.95重量%、約0.975重量%、又は約1.0重量%存在する。更なる例として、1つ以上の抗酸化剤は、全部で約0.01重量%〜約1.0重量%;約0.05重量%〜約0.5重量%、又は約0.05重量%〜約0.2重量%存在する。
【0116】
一つの態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、抗微生物保存料を含有する。例えば、抗微生物保存料として酸が挙げられ、例えば限定されないが、酪酸、フェノール酸、ソルビン酸、アルコール、塩化ベンゼトニウム、ブロノポール、ブチルパラベン、セトリミド、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾール、エチルパラベン、イミドウレア(imidurea)、メチルパラベン、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、フェニル酢酸水銀、フェニル臭化水銀、フェニル硝酸水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、プロピオン酸ナトリウム又はチメロサール等が挙げられる。抗微生物保存料は、存在する場合、組成物の重量の約0.1重量%〜約5重量%、約0.2重量%〜約3重量%、又は約0.3重量%〜約2重量%、例えば約0.2重量%、約0.4重量%、約0.6重量%、約0.8重量%、約1重量%、約1.2重量%、約1.4重量%、約1.6重量%、約1.8重量%、約2重量%、約2.2重量%、約2.4重量%、約2.6重量%、約2.8重量%、約3.0重量%、約3.2重量%、約3.4重量%、約3.6重量%、約3.8重量%、約4重量%、約4.2重量%、約4.4重量%、約4.6重量%、約4.8重量%、又は約5重量%を占める。
【0117】
本明細書中に記載の医薬組成物は、任意で、1つ以上の乳化剤を含有する。「乳化剤」という用語は、非極性相と極性相との間の表面張力を低下することが出来る薬剤を指し、自己乳化剤を含む。適切な乳化剤は、医薬として許容される任意のクラスの乳化剤であって、炭化水素、糖質、タンパク質、高分子量アルコール、湿潤剤、蝋及び微粉化固体等である。前記任意の乳化剤は、存在する場合、全部で、組成物の重量の約1重量%〜約25重量%、約1重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約15重量%を占める。例えば、1つ以上の乳化剤は、全部で、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、又は約25重量%存在する。
【0118】
他の態様において、前記医薬として許容される組成物は、任意で、水分散性溶媒、例えばプロピレングリコール等を含有する。適切な水分散性溶媒は、医薬組成物における使用が許容され、水に分散する、任意の溶媒を指す。存在する場合、前記水分散性溶媒は、全部で、組成物の重量の約1重量%〜約95重量%、約2重量%〜約75重量%、約3重量%〜約50重量%、約4重量%〜約40重量%、又は約5重量%〜約25重量%存在する。更なる態様において、前記水分散性溶媒は、組成物中に、約1重量%〜約99重量%、例えば約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%又は約99重量%存在する。
【0119】
本明細書中に記載の医薬組成物は、任意で、1つ以上のアルコールを含有してもよい。更なる態様において、前記アルコールは、低級アルコールである。本明細書中で使用されるとき、「低級アルコール」は、単独で、又は組み合わせて、1〜約6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルコール部分を意味する。一つの態様において、前記低級アルコールは、1〜約4個の炭素原子を有し、他の態様において、前記低級アルコールは、2つ又は3つの炭素原子を含有する。そのようなアルコール部分の例として、メタノール、エタノール、エタノールUSP(即ち95%v/v)、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、及びtert-ブタノールが挙げられる。本明細書中で使用されるとき、「エタノール」は、C2H5OHを指す。無水アルコールUSP、アルコールUSP又は様々な量の水と組み合わされた任意の通常の形態で使用されてもよい。存在する場合、前記アルコールは、哺乳類との接触に適した組成物を形成するのに充分な量で存在する。例えば、1つ以上の医薬として許容されるアルコールは、全部で、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、又は約98重量%存在する。更なる例として、1つ以上の医薬として許容されるアルコールは、全部で、約1重量%〜約98重量%;約10重量%〜約95重量%;約25重量%〜約75重量%;約35重量%〜約70重量%;又は約40重量%〜約50重量%存在する。
【0120】
更なる態様において、水は、前記医薬組成物に別に添加される。医薬組成物に別に添加される水の量は、他の任意の成分(例えばアルコール、中和剤等)に由来して組成物中に独立して存在する水の量を除く。水は、哺乳類への投与に適した組成物を形成するのに充分な量で存在する。例えば、水は、別に、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、又は約98重量%の量で添加される。更なる例として、水は、別に、約1重量%〜約98重量%;約10重量%〜約70重量%;約10重量%〜約40重量%;約10重量%〜約30重量%;約20重量%〜約30重量%;又は約25重量%〜約30重量%の量で存在する。
【0121】
更なる態様において、水は、前記医薬組成物が所望の重量に達するのに充分な量又は重量で、前記医薬組成物に別に添加される。更なる態様において、水は、前記組成物の各成分との合計が100重量%となるのに充分な量で別に添加される。
【0122】
一つの態様において、前記医薬組成物のpHは、哺乳類への投与に適した値である。更なる態様において、前記医薬組成物のpHは、哺乳類の皮膚への投与に適した値である。更なる態様において、前記医薬組成物のpHは、哺乳類への口腔内、舌下、注射、直腸、膣内、眼、鼻、又は経口投与に適した値である。一つの態様において、前記医薬組成物のpHは、約3、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9、約9.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.8、約9.9又は約10である。例えば、前記医薬組成物のpHは、約3〜約10、約4〜約8、約4.5〜約6.5、又は5〜約6であってもよい。
【0123】
治療的使用
【0124】
「治療有効量」又は「治療的に及び/又は予防的に有効な量」という用語は、本明細書中で、具体的な治療状況に応じて、要求される及び/又は所望の治療的及び/又は予防的応答を発揮するのに充分な、化合物又は薬剤の量を指す。
【0125】
ある対象における治療的に及び/又は予防的に有効な薬物の量は、とりわけ、対象の体重や、当業者に公知の他の要素に依存することを理解されたい。本明細書中、治療剤又はその組成物を投与出来る「対象」として、哺乳類、例えば性別年齢を問わないヒト対象が挙げられ、また、任意の非ヒト動物、特に家畜又は愛玩動物;例えばネコ、イヌ又はウマ等や、実験動物、例えばモルモット等が挙げられる。
【0126】
用語「治療する」、「治療された」、「治療すること」及び「治療」は、哺乳類、特にヒトにおいて、任意の医学的状態への対応又は予防を広く意図し、限定されないが:
i.医学的状態の素因を有していてもいなくてもよいが当該医学的状態が診断されていない対象において、当該医学的状態が生じるのを防止することにより、当該治療が、当該医学的状態の予防的治療を構成すること、
ii.医学的状態を阻害する、例えば当該医学的状態の発生又は進行を、停止させ、遅延させ若しくは遅らせること;又は
iii.医学的状態の軽減、又は医学的状態の症状の減少等、医学的状態を緩和すること等が挙げられる。
【0127】
一つの態様において、治療有効量のカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)が、アルコール使用障害、及び/又は膵炎、急性膵炎、慢性膵炎又は膵臓癌等の膵臓疾患を治療するために投与される。
【0128】
他の態様において、治療有効量のカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)は、アルコール使用障害及び/又は悪心、嘔吐、疼痛、消耗症候群、HIV消耗、化学療法が起こす悪心及び嘔吐、アルコール使用障害、ジストニア、多発性硬化症、炎症性腸疾患、関節炎、皮膚炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、抗炎症作用、抗痙攣作用、抗精神病作用、抗酸化作用、神経保護作用、抗癌作用、免疫調節作用、末梢神経痛、ヘルペス後神経痛に関連する神経痛、糖尿病性神経痛、帯状疱疹、熱傷、光線性角化症、口腔の痛み及び潰瘍、会陰切開後疼痛、乾癬、掻痒、接触性皮膚炎、湿疹、疱疹状皮膚炎、剥脱性皮膚炎、菌状息肉腫、天疱瘡、重度の多形性紅斑(例えばStevens-Johnson症候群)、脂漏性皮膚炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、Reiter症候群、痛風、軟骨石灰化症、月経困難症に次ぐ関節痛、線維筋痛、筋骨格痛、神経痛-術後合併症、多発筋炎、急性非特異性腱滑膜炎、滑液包炎、上顆炎、外傷後変形性関節症、変形性関節症、関節リウマチ、滑膜炎、若年性関節リウマチ、及び毛髪成長の阻害から選択される医学的状態を治療するために投与される。
【0129】
更なる態様において、本明細書中に記載のカンナビノイドゲル、例えばヒドロゲル(任意でパッチ系に組み込むことが出来る)及びヒドロアルコールゲル等は、マイクロ針と組み合わせて使用され、手、足、踵、手首、肩、背、肘及び膝等の関節の変形性関節症の疼痛、並びに軽い捻挫、歪み(strain)及び打撲による疼痛の軽減のための使用に適している。
【0130】
一つの態様において、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する医薬組成物は、投与を必要とする対象に、1日1回、マイクロ針を使用して投与される。更なる態様において、カンナビノイド、例えばカンナビジオール、又はカンナビノイドプロドラッグ、例えばカンナビジオールプロドラッグを含有する医薬組成物は、投与を必要とする対象に、1日2回、マイクロ針を使用して投与される。更なる態様において、前記医薬組成物は、1日3回以上、例えば3、4、5、6、7、若しくは8回、又は週1、2、3、4、5、又は6回、マイクロ針を使用して投与される。更なる態様において、前記医薬組成物は、毎週、2週間置きに、3週間置きに、4週間置きに、5週間置きに、又は6週間置きに投与される。
【0131】
医薬剤形
【0132】
本明細書中に記載の医薬組成物は、「薬理有効量(pharmacologically effective amount)」で使用される。「薬理有効量」は、前記医薬組成物が投与される投薬期間中に治療有効量の活性薬剤を送達するのに充分な、前記組成物中の活性医薬剤の量である。
【0133】
一つの態様において、治療有効量のカンナビノイド、例えばカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグを送達するために投与される医薬組成物の量(例えばヒドロゲルの総量)は、約0.01g、約0.05g、約0.1g、約0.2g、約0.3g、約0.4g、約0.5g、約0.6g、約0.7g、約0.8g、約0.9g、約1g、約1.1g、約1.2g、約1.3g、約1.4g、約1.5g、約1.6g、約1.7g、約1.8g、約1.9g、約2g、約2.1g、約2.2g、約2.3g、約2.4g、約2.5g、約2.6g、約2.7g、約2.8g、約2.9g、約3g、約3.1g、約3.2g、約3.3g、約3.4g、約3.5g、約3.6g、約3.7g、約3.8g、約3.9g、約4g、約4.1g、約4.2g、約4.3g、約4.4g、約4.5g、約4.6g、約4.7g、約4.8g、約4.9g、約5g、約5.1g、約5.2g、約5.3g、約5.4g、約5.5g、約5.6g、約5.7g、約5.8g、約5.9g、約6g、約6.1g、約6.2g、約6.3g、約6.4g、約6.5g、約6.6g、約6.7g、約6.8g、約6.9g、約7g、約7.1g、約7.2g、約7.3g、約7.4g、約7.5g、約7.6g、約7.7g、約7.8g、約7.9g、約8g、約8.1g、約8.2g、約8.3g、約8.4g、約8.5g、約8.6g、約8.7g、約8.8g、約8.9g、約9g、約9.1g、約9.2g、約9.3g、約9.4g、約9.5g、約9.6g、約9.7g、約9.8g、約9.9g、又は10gである。
【0134】
例えば、治療有効量のカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を送達するために投与される医薬組成物の量は、約0.01g〜約10g、約0.01g〜約6g、約0.01g〜約4g、又は約0.01g〜約2gである。
【0135】
一つの態様において、本明細書中に記載の単一剤形は、治療有効量の、又は治療及び/又は予防有効量の、カンナビノイド、例えばカンナビジオール又はカンナビジオールのプロドラッグを含有する。
【0136】
一つの態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用しての経皮投与に適しており、マイクロ針経皮薬物送達系を構成する。他の態様において、マイクロ針経皮薬物送達系は、腹部、背中、胸、肢、腕、頭皮又は他の適切な皮膚の表面及び/又は周囲への投与に適しており、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグが、パッチ(任意でヒドロゲルを含有できる)、軟膏、クリーム、懸濁物、ローション、ペースト、ゲル、ヒドロゲル(任意でパッチに組み込まれ得る)、スプレー、泡又は油の状態で投与される組成物を含み得る。他の態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、カンナビノイド、例えばカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ等を、医薬ゲル又はゲル様組成物中に含有し、マイクロ針経皮薬物送達系の一部として、マイクロ針アレイと併用されて、経皮投与が可能となる。
【0137】
一つの態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用しての経皮投与に適しており、マイクロ針局所薬物送達系を構成する。他の態様において、マイクロ針局所薬物送達系は、腹部、背中、胸、肢、腕、頭皮又は他の適切な皮膚の表面及び/又は周囲への投与に適しており、カンナビノイド、例えばカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグが、パッチ(任意でヒドロゲルを含有できる)、軟膏、クリーム、懸濁物、ローション、ペースト、ゲル、ヒドロゲル(任意でパッチに組み込まれ得る)、スプレー、泡又は油の状態で投与される組成物を含み得る。他の態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、カンナビノイド、例えばカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ等を、医薬ゲル又はゲル様組成物中に含有し、マイクロ針局所薬物送達系の一部として、マイクロ針アレイと併用されて、経皮投与が可能となる。
【0138】
一つの態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用される、膜調節(membrane-modulated)経皮送達系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。マイクロ針薬物送達系の一つの態様において、膜調節経皮送達系は、患者に経皮送達されるカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する貯留層を有し、当該貯留層は、薬物を透過しない裏打ち及びマイクロ針アレイと組み合わせられてカンナビノイドが調整放出される速度調整ポリマー膜で出来た浅い区画中に封入されてもよい。
【0139】
他の態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用される接着-分散調整(adhesive-diffusion controlled)経皮系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。これらの態様において、前記医薬組成物は貯留層として振舞い、送達されるカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を接着ポリマー中に直接分散し、そして当該接着医薬を薬物を透過しない裏打ち膜上に塗布して、薄い活性医薬剤貯留膜を形成する。任意で、前記薬物貯留層の上に更なる一定の厚さの非医薬速度調整接着ポリマーが重ねられ、接着分散調整薬物送達系が生産される。最終的な接着分散調整経皮系は、マイクロ針アレイと組み合わせて、皮膚の所望の部位に適用される。
【0140】
更なる態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせて、マトリックス分散型系を通じて投与される。前記医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。分散型系は、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する貯留層を有し、当該貯留層は、親水性又は疎水性ポリマーマトリックス中にカンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグを均一に分散することにより形成できる。そして当該医薬ポリマーは、所定の表面積及び厚さの医薬ディスクに成形され、これが、薬物を透過しない裏打ちで出来た区画中の閉塞基板上に接着される。前記接着ポリマーは、当該ディスクの周囲に沿って広げられて、当該ディスクを囲む接着性の縁のストリップを形成する。最終的な分散型系は、マイクロ針アレイと組み合わせて、皮膚の所望の部分に適用される。
【0141】
更なる他の態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて、マイクロ貯留層系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。当該マイクロ貯留層系は、先ずカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)の粒子を水溶性ポリマーの水溶液中に懸濁し、続いてそれを高せん断機械力により親油性ポリマー中に均一に分散させることにより、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグの濾過出来ない顕微鏡レベルの球体の貯留層が形成される。この不安定な分散物は、一定の表面積及び所定の厚さの医薬ポリマーディスクを生産するポリマーを直ちに架橋することにより迅速に安定化される。マイクロ貯留層系は、系の中の医薬ディスク中心に位置し接着性の縁により囲まれる。最終的なマイクロ貯留層系は、マイクロ針アレイと組み合わせて皮膚の所望の部分に適用される。
【0142】
他の態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)及び接着剤を含む一体の層(monolithic layer)を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。カンナビノイドは、溶媒(例えば塩化メチレン又は酢酸エチル)中の接着剤(例えばシリコーン型、Dow Corning及び他の生産者から入手可能)と混合される。最終的な混合物は、正確な湿式フィルム適用装置を用いて、ポリエステル裏打ちフィルム上に、約100ミクロン以上の均一な厚さで押し出される。前記溶媒は、乾燥オーブン中で蒸発させられ、最終的な「パッチ」は、適用用のサイズに切り分けられる。所望の定常状態の流速および接着特性が得られるまで、様々なパッチ組成物が作製される。様々な接着剤が、また様々な組成物中の量の接着剤が試され得る(Nalluri, Milligan et al. 2005).。適切な結果は、National Starch Chemical Companyの酢酸アクリル酸ビニル非硬化(non-curing)圧力感受性接着剤DURO-TAK 387-2051を用いて一体のパッチを作製することにより達成された。活性医薬剤の送達速度を最適化するために、任意で様々な溶媒が組成物中に組み込まれる。更なる態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせて、貯留層系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)及び任意の賦形剤はげるに製剤化され、放出層と、ポリエステル又は当業者に公知の他の適切な材料等の非透過性裏打ち材料との間に封じられる。酢酸エチルビニル膜とアクリル製接着剤が適切であることが見出されている。以上の各態様において、パッチは、マイクロ針アレイと組み合わせられて、皮膚の所望の部分に適用される。
【0143】
接着パッチ組成物は、DURO-TAK接着剤(National Starch and Chemical Company, USA)を用いて経皮送達されるカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する様々な量の医薬組成物を含有するように調製出来る。適切なりょうの接着剤及び薬物は10分間ソニケーションされ、厚さ40mil、室温1時間、オーブン中で70℃10分(残留溶媒除去のため)に設定した湿式フィルム適用装置(Paul N. Gardner Company, Inc., Pompano Beach, FL)を用いて、放出ライナー(9742 Scotchpak, 3M, St. Paul, MN)上に成形される。当該パッチ(CoTran 9722, 3M, St. Paul, MN)は、裏打ち膜で覆われ、適当なサイズに裁断され、デシケーター中で更なる研究のために保管される。最終的なパッチは、マイクロ針アレイと組み合わせられて、皮膚の所望の部分に適用される。
【0144】
更なる態様において、放出速度及び薬物の溶解性を最適化するため、2種類以上の接着剤の組合せ、例えばDOWにより生産されたDURO-TAK900Aとを1:99〜99:1で組み合わせたもの等が使用されてもよい。
【0145】
更なる態様において、パッチ経皮送達系に適した追加の接着剤が使用され、例えばポリイソブチレン、アクリレート、シリコーン及びそれらの組合せを含むパッチ等が使用されてもよい。追加の接着剤は、2008年3月27日にUS 2008/0076789として公開された米国特許出願第11/860,432号に記載されている。
【0146】
他の例示的態様において、前記カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)が組み込まれた経皮パッチは、マイクロ針アレイと組み合わせられて、皮膚の所望の部分に適用され、活性医薬成分の対象への経皮送達が実質的に均一で、かつ約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約5日、約6日、又は約約7日の間持続するように、活性医薬成分の放出を調整することが出来る。他の態様において、前記パッチは、更に、浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤が組み込まれ、任意でヒドロゲルを含有する。そのような経皮パッチは、本明細書中に記載の方法の実施において使用され、密封体の形態をとることが出来る。実際に、当該密封体は、COX阻害剤、浸透促進剤及びカンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する医薬組成物を含み、当該活性医薬剤を経皮的に、又は局所的に送達するために、マイクロ針アレイと組み合わせられて、皮膚の所望の部分に適用される。
【0147】
他の態様において、本明細書中に記載の医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせて、ヒドロゲルを通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針アレイ薬物送達系」を含む。一つの態様において、当該ヒドロゲルは、適切なサイズ及び形状に裁断され、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグ含有ローディング溶液により平衡化される。一つの態様において、当該ローディング溶液は、カンナビノイド又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ)、ポリエチレングリコール、エタノール、ベンジルアルコール及び水を含有する。他の態様において、当該ヒドロゲルは、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)を含有する。当該ヒドロゲルは、マイクロ針アレイと組み合わせて、皮膚の所望の部分に適用される。任意で、具合当該ヒドロゲルは、マイクロ針アレイと組み合わせて、皮膚の所望の部分に適用されるパッチ中に組み込まれる。適切なヒドロゲルの例として、AquaSite(登録商標)(Derma Science, Inc., Princeton, NJ)、AquaFlo(登録商標)Hydrogel Wound Dressing (The Kendall Company, Mansfield, MA)、AquaClear(登録商標)(Hartmann-Conco Inc., Rock Hill, SC) and 3M(商標) Tegaderm(商標) Hydrocolloid Dressing (3M, St. Paul, MN)が挙げられる。
【0148】
「ヒドロゲル」(別名水性ゲル)は、水性コロイドポリマーゲルであり、親水性の天然又は合成ゲル形成ポリマーが水中に分散して含有される。親水性ポリマーとして、天然ゴム、例えばカラヤゴム、グアーゴム、ローカストビーンゴム、、アラビックゴム、トラガカントゴム、アガーム(agarm)アルギン酸、カラギーナン又は他の多糖類;合成的に改変した多糖類、例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース及びマルトデキストリン等;並びに合成ポリマー、例えばポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ第四級アミン及びポリスルホン酸塩等が挙げられる。ヒドロゲルは高度に吸収性で、柔軟で、かつ天然の組織に類似する。
【0149】
本明細書中に記載の一つの態様は、カンナビジオール又はカンナビジオールのプロドラッグ等のカンナビノイドを含有する医薬組成物と適合するポリエチレンライナーを有するパケットを採用する。当該パケットは、単位用量又は複数回用量のいずれであってもよい。
【実施例】
【0150】
実施例1
【0151】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせて、膜調節経皮送達系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。前記貯留層は、薬物を透過しない裏打ち及びマイクロ針アレイと組み合わせられてカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグが調整放出される速度調整ポリマー膜で出来た浅い区画中に封入されてもよい。当該膜の外側の表面は薬物適合性の低アレルギー性の接着性の薄い層(例えばシリコーン、ポリイソブチレン又はポリアクリレート接着剤)で、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚と前記経皮系を密着させるのに利用される。
【0152】
実施例2
【0153】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用される接着-分散調整経皮系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。前記医薬組成物は、カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグを含有する接着性ポリマーとして振舞うように製剤化されている。そして当該接着医薬を薬物を透過しない裏打ち膜上に塗布して、薄い活性医薬剤貯留膜を形成する。当該医薬組成物は、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。
【0154】
実施例3
【0155】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用される接着-分散調整経皮系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。少なくとも1つの一定の厚さの非医薬速度調整接着ポリマーが前記医薬組成物の上に重ねられ、接着分散調整薬物送達系が生産される。最終的な接着分散調整経皮系は、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。
【0156】
実施例4
【0157】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用されるマトリックス分散型系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。当該組成物は、カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグをポリマーマトリックス中に均一に分散させることにより形成される。そして当該医薬ポリマーは、所定の表面積及び厚さの医薬ディスクに成形され、これが、薬物を透過しない裏打ちで出来た区画中の閉塞基板上に接着される。接着ポリマーは、当該組成物のディスクの周囲に沿って広げられて、当該ディスクを囲む接着性の縁のストリップを形成する。最終的な分散型系は、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。
【0158】
実施例5
【0159】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと併用されるマイクロ貯留層系を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。当該組成物貯留層は、先ずカンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグの粒子を水溶性ポリマーの水溶液中に懸濁し、続いてそれを高せん断機械力により親油性ポリマー中に均一に分散させることにより、大量の濾過出来ない顕微鏡レベルの球体の貯留層が形成される。この不安定な分散物は、一定の表面積及び所定の厚さの医薬ポリマーディスクを生産するポリマーを直ちに架橋することにより迅速に安定化される。当該医薬ディスクは、系の中の医薬ディスク中心に位置し接着性の縁により囲まれる。最終的なマイクロ貯留層系は、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。
【0160】
実施例6
【0161】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて、カンナビノイド(例えばカンナビジオール)又はカンナビノイドプロドラッグ(例えばカンナビジオールプロドラッグ)及び接着剤を含む一体の層及び接着剤を通じて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。当該組成物は、溶媒(例えば塩化メチレン又は酢酸エチル)中の接着剤(例えばシリコーン型、Dow Corning及び他の生産者から入手可能)と混合される。最終的な混合物は、正確な湿式フィルム適用装置を用いて、ポリエステル裏打ちフィルム上に、約100ミクロン以上の均一な厚さで押し出される。前記溶媒は、乾燥オーブン中で蒸発させられ、最終的な「パッチ」は、適切なサイズに切り分けられる。当該医薬組成物は、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。
【0162】
実施例7
【0163】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤を含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて、貯留層パッチとして投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。当該組成物は、放出層とポリエステル等の非透過性裏打ち材料との間に封じられる。当該パッチは、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。
【0164】
実施例8
【0165】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤をゲル組成物中に含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。当該ゲル組成物は医薬組成物に適合するポリエチレンライナーを有するパケット中に調製され、保存される。当該パケットは、単位用量又は複数回用量のいずれであってもよい。当該組成物は、パケットを開け、組成物の用量を取り出し、それを、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与する。一つの態様において、前記治療を受けた皮膚は、密封被覆材により長期間密閉される。他の態様において、前記治療を受けた皮膚は、密封被覆材により短期間密閉される。
【0166】
実施例9
【0167】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤をゲル組成物中に含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。前記ゲル組成物は、より大きなホイルパケットインサート(foil packet insert)を有する固い複数回用量の容器(例えばハンドポンプ)中で調製及び保存される。当該より大きなパケットは、ポリエチレンライナーを含む。当該組成物は、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。一つの態様において、前記治療を受けた皮膚は、密封被覆材により長期間密閉される。他の態様において、前記治療を受けた皮膚は、密封被覆材により短期間密閉される。
【0168】
実施例10
【0169】
カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグ及び任意で浸透促進剤及び/又はCOX阻害剤をゲル組成物中に含有する医薬組成物は、マイクロ針アレイと組み合わせられて投与される。当該医薬組成物及びマイクロ針アレイは、「マイクロ針薬物送達系」を含む。カンナビジオール又はカンナビジオールプロドラッグを含有する前記ヒドロゲルは、急性若しくは慢性の膵炎、膵臓癌、疼痛、炎症又はアルコール使用障害等のカンナビノイド両方に応答する疾患又は症状を治療するために、マイクロ針アレイと組み合わせて哺乳類の皮膚に投与される。一つの態様において、前記治療を受けた皮膚は、密封被覆材により長期間密閉される。他の態様において、前記治療を受けた皮膚は、密封被覆材により短期間密閉される。
【0170】
実施例11
【0171】
マイクロ針を使用した場合のカンナビジオールプロドラッグ溶液の浸透の結果
【0172】
a)カンナビジオールプロドラッグの合成(ALL00179)
【0173】
無水ベタインは、塩化チオニルを使用して、塩化アシルに変換された。カンナビジオール(CBD) (273.23 mg, 0.00087 mol)、トリエチルアミン(263.6 mg, 0.00261 mol)及び変換されたベタインは、5mLの無水ジクロロメタン中、アルゴン下で組み合わせられた。当該反応混合物を室温(RT)で2時間攪拌した。更に、当該反応混合物に、アルゴンで瀑気しつつトリエチルアミン(175.7mg, 0.00174 mol)及びベタイン塩化アシル(149.7 mg, 0.00087 mol)を加えた。当該反応混合物をRTで更に時間攪拌した。
【0174】
当該反応混合物を、それぞれ50mLのアセトニトリル及び塩化ナトリウム飽和水溶液が入った分液ろうとに移した。当該フラスコの中身をよく混合し、層を分離させた。アセトニトリルの層を回収し、殆どの残留水は、無水硫酸ナトリウムと共に1時間攪拌することにより除去された。濾過により硫酸ナトリウムは除去され、アセトニトリルは丸底フラスコに移された。残った水は、アセトニトリルが入った三角フラスコに移され、再び残留水は無水硫酸ナトリウムで除去された。当該混合物を再び濾過し、濾液を丸底フラスコに回収した。当該アセトニトリルを回転蒸発及び高真空で完全に除去した。取得された黄褐色の粉末をバイアルに写し、-20℃で保管した。
【0175】
ALL00179は、陽イオンモードの電子スプレーを用いたLC/MSで解析された。前記化合物の質量スペクトルは、以下のようになった。m/z = 513.426 (M+, no chloride counter ions, 6% abundance), m/z = 414.358 (M+ -ベタイン鎖1、塩化物対イオン無し、8%), m/z = 257.357 (90%), m/z = 223.363, (100%)。
【0176】
ALL00179において、1H NMR(400 MHz, CD3OD)は以下のようになった。δ= 7.04(2H, s, ArH); 5.16(1H, s, H-2); 4.70-4.84(4H, m, CH2CO2); 3.56-3.65(1H, m, H-3); 3.42(18H, s, N(CH3)3); 2.60-2.70(1H, m); 2.60-2.66(2H, m, benzylic CH2); 2.32-2.44(1H, m); 2.04-2.13(1H, m); 1.79-1.88(2H, m); 1.70(3H, br s, 7-Me); 1.59-1.68(2H, m); 1.56(3H, s, 10-Me); 0.90(3H, t, J=7.0, CH2CH3)。
【0177】
例えば、ALL00179の分子構造は、以下に示すようになる。
【化9】

【0178】
b)カンナビジオールプロドラッグの安定性
【0179】
ヒト血漿中のプロドラッグの安定性の評価は、ALL00179が一置換形態のALL00180及びCBDに変換されるのをモニタリングするために行われた。ALL00180及びCBDの分子構造は、以下に示すようになる:
【化10】

表1.カンナビジオール及びカンナビジオールプロドラッグの分子量
【表1】

【0180】
100%ddH2Oドナー溶液中で、ALL00179の化学的安定性がチェックされた。当初、ALL00179の純度は94.7%、ALL00180の純度は5.3%、そしてCBDの純度は0%であった。RTでddH2O中に置いて72時間後、ALL00179の純度は86.8%、ALL00180の純度は13.2%、そしてCBDの純度は0%であった。
【0181】
表2.ヒト血漿中でのALL00179の安定性
【表2】

*時間0は、実際は、混合並及びヒト血漿へのALL00179の添加から、抽出及び解析の為に試料がアセトニトリル中に置かれるまでに、約1分を要した。スパイク溶液(spiking solution)は、88%以上のALL00179を含有することが示された。ALL00179は急速に加水分解されて、一置換プロドラッグ形態のALL00180に変換され、更に加水分解されてCBDとなった。
【0182】
c)分散試験
【0183】
分散試験は、マイクロ針(MN)で処理した皮膚において、CBDの水溶性プロドラッグ(ALL00179)がCBDと比較して迅速な浸透を可能とするか否かを判定することを目的とした。
【0184】
要約すると、完全な厚さのユカタンブタ(YP)皮膚を使用して、マイクロ針試験を実施した。YP皮膚の厚みの平均は、約1.0±0.1mmであった。PermeGear flow-through (In-Line, Hellertown, PA)分散セル系が、皮膚浸透試験に使用された。5本のマイクロ針を有するアレイで皮膚を20回処理することにより、皮膚に100個のマイクロ針の挿入口を空けた後、前記フロースルー分散セル中に置いた。各セルを250μlの318mM CBD(n=4)又はALL00179(n=5)のいずれかで満たし、ゴムのストッパーで密閉した。レシーバー溶液として、10%エタノール水溶液を使用した。試料は6時間周期で回収され、48時間まで回収された(図1の浸透プロフィールを参照されたい)。
【0185】
表3:CBD及びCBDプロドラッグ、ALL00179及びALL00180の、マイクロ針インビトロ分散試験及び血漿安定性試験における、HPLCの条件
【表3】

【0186】
表4:マイクロ針処理後のユカタンブタ皮膚を透過した100%ddH2Oドナー溶液中のカンナビジオール(n=4)及びALL00179由来の全CBD(n=5)の浸透データ
【表4】

*全CBD=カンナビジオール及び/又はプロドラッグALL00179及びALL00180の形態で得られる全カンナビジオール同等物。
【0187】
上記表で示すように、水溶性CBD(ALL00179)の使用により、高度レベル浸透及び流量が達成された。同様に、ALL00179で処理した皮膚の試験では、遅延時間の短縮が観察された。従来の研究では、ALL00179及びCBDの無傷の皮膚を通っての浸透(MN処理無し、100%ddH2Oドナー溶液)は薬物の流入が無く、皮膚の中に検出される薬物は非常に少量であることが示されていた(ALL00179では皮膚CBD同等物は0.09 ± 0.03 μmol/g、CBDでは検出不能)。当該研究において、25mgのALL00179を含有するドナー溶液由来のCBDの合計量は、48時間後、皮膚中の全CBD同等物が0.2±0.1mg、そしてレシーバー溶液中の全CBD同等物が1.0±0.2mgであった。これは、ドナー溶液中の全ALL00179の約4.8%に相当する。前記試験の最後に行われたドナー溶液の解析で、ALL00179が84.3±2.6%、ALL00180が15.7±2.6%、そしてCBDが0%を示した。
【0188】
比較として、無傷で採取されたヒト皮膚に、最適化されたカンナビジオールのゲル系(2.5%w/w)を12時間ごとに投与したときの浸透は、5.2 nmol/cm2/hの流入をもたらした。完全な厚さのユカタンブタ皮膚をMN処理した後のALL00179からの全CBD流入は63.2 ± 11.4 nmol/cm2/hであり、流量が12.2倍亢進した。
【0189】
本開示の状況における(特に以下の特許請求の範囲の状況における)「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」ならびに類似の言及の使用は、本明細書中で別記しない限り、あるいは状況により明らかに否定されない限り、単数及び複数の両方を包含するよう意図されるべきである。本明細書に記載される方法及び個々の方法の工程はすべて、本明細書中で別記しない限り、あるいは状況により明らかに否定されない限り、任意の適切な順序で、又は同時に実施され得る。本明細書中で提供される任意の及びすべての例、又は例示的言語(例えば、等、好ましい、好ましくは)の使用は、単に開示の状況をさらに例示するためのものであって、添付の特許請求の範囲が受ける権利の範囲、又は均等の範囲を限定することを主張しない。本明細書中の言語のいずれも、本発明の開示の実行に不可欠な、請求項に記載されていない要素を示唆するものとして解釈されるべきではない。
【0190】
本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許等の全ての参考文献は、各参考文献が、個別的且つ具体的に示され、且つ本明細書にそれらの全体が示されたのと同等にまで、参照により援用される。
【0191】
請求される開示の別の実施態様、例えば、発明者等が知る請求の発明を実施する最良の態様が、本明細書に記載される。これらの内、開示された態様の変法は、先述の開示に接した当業者にとって明らかなはずである。発明者等は、当業者が、適切な変形(例えば、特性又は実施態様を、変化させるか、又は組み合わせる)を採用することを気体し、且つ発明者等は、本発明が、本明細書に具体的に記載されるもの以外の方法で実施されることを想定する。
【0192】
したがって、本発明には、適用法により認められるような、本明細書に添付される請求の範囲に記載される対象の、全ての修正及び同等物が含まれる。さらに、本明細書で特に指示するか、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形において、上記の要素の任意の組み合わせが、本発明に包含される。
【0193】
個々の数値の使用は、当該値が「約」又は「およそ」なる語の後に置かれるとき、近似値として記載される。同様に、本出願において特定される様々な範囲の数値は、特に明確に指示されない限り、記載された範囲の最小値及び最大値が両方とも、「約」又は「およそ」なる語の後に置かれるとき、近似値として記載される。この方法で、記載される範囲の上下の値は、当該範囲内の値として、実質的に同じ結果に到達するものとして使用できる。本明細書で使用される場合、数値を記載する場合、「約」及び「およそ」なる用語は、開示の対象が最も緊密に関連する技術分野か、問題の範囲又は要素に関連する技術分野における通常の知識を有する者にとって、平易且つ通常の意味を有するものとする。厳密な数の境界からの量の広がりは、多くの因子に依存する。例えば、特定量の変形が請求される主題の機能を有する場合、考えられる可能性のある当該因子には、その要素及び/又は効果の臨界、並びに当該技術分野における当業者に既知の他の考えが含まれる。本明細書で使用される場合、様々な数値についての、様々な量の有効数字の使用は、「約」又は「およそ」なる語の使用が、特定の数値又は範囲を拡張するためにどのように働くかを限定する意味はない。すなわち、一般的には、「約」又は「およそ」は数値を拡張する。範囲の開示は、最小値と最大値の間の全ての値、プラス、「約」又は「およそ」なる用語の使用により利用できる範囲の広がりを含む、連続範囲としても意図される。すなわち、本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で特に指示しない限り、単に、当該範囲にある個別の値について個々に言及する、簡潔な方法として機能することを意図するものであり、個別の値は、本明細書に個々に記載されているように、本明細書に組み込まれる。
【0194】
本明細書に開示される任意のデータから形成されるか、それに由来する、任意の範囲、比率及び比率の範囲は、本開示のさらなる実施態様を表し、且つそれらが明示的に示されているように当該開示の一部として含まれる、と解されるべきである。これには、有限な上限及び/又は下限を含むか、又は含まないように形成され得る範囲が含まれる。したがって、特定の範囲、比率又は比率の範囲に最も緊密に関連する技術分野における通常の能力を有する者は、かかる値が本明細書に示されるデータから、明確に記載できることを理解するはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類にカンナビジオールのプロドラッグを経皮又は局所投与するためのマイクロ針薬物送達系であり:
a)式:
【化1】

[式中、
R1及びR2は、同一であり、又は相異し、それぞれ独立して:水素、エステル、酸化エステル、オキサエステル、ペグエステル(pegylated ester)、水酸化エステル、アルキルエステル、アミノエステル、アルキルアミノエステル、ジアルキルアミノエステル、トリアルキルアンモニウムエステル、炭酸塩、炭酸アルキル、炭酸アミノ、炭酸アルキルアミノ、炭酸ジアルキルアミノ、炭酸トリアルキルアンモニウム、カルバミン酸塩、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アミノ、カルバミン酸アルキルアミノ、カルバミン酸ジアルキルアミノ、カルバミン酸トリアルキルアンモニウム、置換リン酸エステル、無置換リン酸エステル、無置換二リン酸エステル、置換二リン酸エステル、無置換三リン酸エステル、置換三リン酸エステル、ホスホン酸エステル、置換硫酸エステル、無置換硫酸エステル、スルホン酸エステル、アルファ-アシルオキシアルキル、アルファ-ホスホリルオキシアルキル、アルファ-スルホニルオキシアルキルからなる群から選択され;但しR1及びR2は両方とも水素原子であることは有り得ない]
のカンナビジオールプロドラッグを含有する医薬組成物;及び
b)マイクロ針アレイ
を含む、前記薬物送達系。
【請求項2】
前記カンナビジオールプロドラッグが:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

からなる群から選択され、当該式中のX-が、医薬として許容される酸に由来する対イオンである、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項3】
前記カンナビジオールプロドラッグの含有量が、前記医薬組成物中、約0.1%〜約50% (wt/wt)、約0.1%〜約40% (wt/wt)、約5%〜約30% (wt/wt)又は約10%〜約20% (wt/wt)である、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項4】
前記医薬組成物がヒドロゲルの形態をとる、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項5】
前記ヒドロゲルがマトリックス型又は貯留層(reservoir)型のパッチに組み込まれる、請求項4に記載の薬物送達系。
【請求項6】
前記医薬組成物が、更に:アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサール、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オルサルジン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサレート(salsalate)、サルファサラジン、スリンダック、トルメチン、モフェゾラク、SC-560、FR 122047、エトドラク、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ及びエトリコキシブからなる群から選択されるCOX阻害剤を含有する、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項7】
前記医薬組成物が、更に:イソステアリン酸、オクタン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリル酸メチル、アジピン酸ジイソプロピル、モノラウリル酸グリセリル、テトラヒドロフルルリルアルコールポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アセト酢酸エステル、N-アルキルピロリドン、テルペン、n-オクタノール、オレイン酸ナトリウム、D-リモネン、モノオレイン、シネオール、オレイルオレエート、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、ペンタノール、2-ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ベンジルアルコール、Polyxamer 231、Polyxamer 182、Polyxamer 184、Polysorbate 20、Polysorbate 60、Brij 30、Brij 93、Brij 96、Brij 99、Span 20、Span 40、Span 60、Span 80、Span 85、Tween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80、Myrj 45、Myrj 51、Myrj 52及びMiglyol 840からなる群から選択される浸透促進剤を含有する、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項8】
前記浸透促進剤の含有量が、前記医薬組成物中、約0.1%〜約40% (wt/wt)、約0.1%〜約30% (wt/wt)、約1%〜約20% (wt/wt)、約1%〜約10% (wt/wt)である、請求項7に記載の薬物送達系。
【請求項9】
前記医薬組成物が、更に:エタノール及びイソプロパノールからなる群から選択される低級アルコールを含有する、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項10】
前記医薬組成物が:約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約5日、約6日、又は約7日からなる群から選択される期間にわたり、治療有効量の前記カンナビジオールプロドラッグを送達する、請求項1に記載の薬物送達系。
【請求項11】
病状の治療のためにカンナビジオールプロドラッグを必要とする哺乳類にカンナビジオールプロドラッグを経皮又は局所送達するマイクロ針薬物送達系を調製するためのカンナビジオールプロドラッグの使用であり、当該マイクロ針薬物送達系は請求項1〜10のいずれか1項に記載のものであり;そして当該病状は:急性膵炎、慢性膵炎、膵臓癌、悪心、嘔吐、疼痛、消耗症候群、HIV消耗、化学療法が起こす悪心及び嘔吐、アルコール使用障害、ジストニア、多発性硬化症、関節炎、皮膚炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、黒色腫、抗炎症作用、抗痙攣作用、抗精神病作用、抗酸化作用、神経保護作用、抗癌作用、免疫調節作用、末梢神経痛、ヘルペス後神経痛に関連する神経痛、糖尿病性神経痛、帯状疱疹、熱傷、光線性角化症、口腔の痛み及び潰瘍、会陰切開後疼痛、乾癬、掻痒、接触性皮膚炎、湿疹、疱疹状皮膚炎、剥脱性皮膚炎、菌状息肉腫、天疱瘡、重度の多形性紅斑(例えばStevens-Johnson症候群)、脂漏性皮膚炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、Reiter症候群、痛風、軟骨石灰化症、月経困難症に次ぐ関節痛、線維筋痛、筋骨格痛、神経痛-術後合併症、多発筋炎、急性非特異性腱滑膜炎、滑液包炎、上顆炎、外傷後変形性関節症、変形性関節症、関節リウマチ、滑膜炎、若年性関節リウマチ、及び毛髪成長の阻害からなる群から選択される、前記使用。
【請求項12】
哺乳類にカンナビジオールプロドラッグを経皮又は局所投与するためのマイクロ針薬物送達系であり:
a)(i)約0.1%〜約40%(wt/wt)の式:
【化7】

[式中、
R1及びR2は、同一であり、又は相異し、それぞれ独立して:水素、エステル、酸化エステル、オキサエステル、ペグエステル(pegylated ester)、水酸化エステル、アルキルエステル、アミノエステル、アルキルアミノエステル、ジアルキルアミノエステル、トリアルキルアンモニウムエステル、炭酸塩、炭酸アルキル、炭酸アミノ、炭酸アルキルアミノ、炭酸ジアルキルアミノ、炭酸トリアルキルアンモニウム、カルバミン酸塩、カルバミン酸アルキル、カルバミン酸アミノ、カルバミン酸アルキルアミノ、カルバミン酸ジアルキルアミノ、カルバミン酸トリアルキルアンモニウム、置換リン酸エステル、無置換リン酸エステル、無置換二リン酸エステル、置換二リン酸エステル、無置換三リン酸エステル、置換三リン酸エステル、ホスホン酸エステル、置換硫酸エステル、無置換硫酸エステル、スルホン酸エステル、アルファ-アシルオキシアルキル、アルファ-ホスホリルオキシアルキル、アルファ-スルホニルオキシアルキルからなる群から選択され;但しR1及びR2は両方とも水素原子であることは有り得ない]
のカンナビジオールプロドラッグ;
(ii)約0.1〜約20重量%の1つ以上の共溶媒(co-solvent);
(iii)約15%〜約95重量%の低級アルコール;及び
(iv)前記組成物の他の各成分との合計が100%(wt/wt)となる量の水
を含有する医薬組成物;並びに
(b)マイクロ針アレイ
を含む、前記薬物送達系。
【請求項13】
前記カンナビジオールプロドラッグが:
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

からなる群から選択され、当該式中のX-が、医薬として許容される酸に由来する対イオンである、請求項12に記載の薬物送達系。
【請求項14】
前記カンナビジオールプロドラッグの含有量が、前記医薬組成物中、約5%〜約30% (wt/wt)又は約10%〜約20% (wt/wt)である、請求項12に記載の薬物送達系。
【請求項15】
前記共溶媒が:エタノール、ベンジルアルコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の薬物送達系。
【請求項16】
前記医薬組成物がヒドロゲルの形態をとる、請求項12に記載の薬物送達系。
【請求項17】
前記ヒドロゲルがマトリックス型又は貯留層型のパッチに組み込まれる、請求項16に記載の薬物送達系。
【請求項18】
前記医薬組成物が、更に:非特異的COX阻害剤、COX-1阻害剤及びCOX-2阻害剤からなる群から選択されるCOX阻害剤を含有する、請求項12に記載の薬物送達系。
【請求項19】
化合物であり:
【化13】

【化14】

からなる群から選択され、当該式中のX-が、医薬として許容される酸に由来する対イオンである、前記化合物。

【図1】
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【公表番号】特表2013−503206(P2013−503206A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527111(P2012−527111)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047408
【国際公開番号】WO2011/026144
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510254937)オールトランツ インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】