説明

マイケルソン光干渉計、この光干渉計を用いた熱膨張計及び熱膨張量測定方法

【課題】 高感度、かつ高精度なマイケルソン光干渉計及びこのマイケルソン光干渉系を用いた熱膨張計を提供する。
【解決手段】 マイケルソン干渉計を、レーザー発振器21と、このレーザー発振器21から発せられ、試料面S1及び基準面451でそれぞれ反射したレーザー光L11、L12を相互に干渉させ、その干渉光L4を照射面28に照射して複数の明暗パターンからなる干渉縞Iを生じさせる干渉縞発生手段とを有するマイケルソン光干渉計において、レーザー発振器41と干渉縞発生手段との間に光路差発生手段24を設け、この光路差発生手段24に入射された各レーザー光L11、L12を基準面251及び試料面S1との間で4往復させるように光路差発生手段24を構成し、この光路差発生手段24からレーザー光L11、L12を干渉させるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイケルソン光干渉計、この光干渉計を用いた熱膨張計及び熱膨張量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
試料の熱膨張量を測定するものとして、押し棒式の熱膨張計がある。これは、試料を可動式の棒で固定して試料を加熱し、試料の熱膨張に伴って移動した押し棒の移動距離を作動トランスによって検出し、熱膨張量を測定するものである。この熱膨張計は、作動トランスの検出感度が0.1μm程度であるので、熱膨張量がそれより小さい材料を測定することはできない。そこで、光の干渉現象を利用してより高感度に熱膨張量を検出できるマイケルソン光干渉計を用いた熱膨張計が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
この熱膨張計は、試料面で反射するレーザー光と基準面で反射するレーザー光との間に試料長Lの4倍の光路差が生じるように構成されている。試料が加熱されてdL(dLは膨張量を示す)膨張すると、それに伴って移動した試料面で反射するレーザー光と基準面で反射するレーザー光との間において4(L+dL)の光路差が生じ、光路差が生じたこれらのレーザー光を重ねて干渉縞を発生させ、この干渉縞の移動距離から、熱膨張量dLを算出できる。この熱膨張計は、試料の熱膨張量dLを4倍にして検出するため、検出感度が1nm、測定精度が20nmと高感度かつ高精度であり、熱膨張係数が低い(〜±40×10−9/K程度)材料も測定できる。
【特許文献1】特許2519411号(例えば、特許請求の範囲の記載)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在、集積回路の高集積化に伴って極細配線を形成することができるEUVリソグラフ装置の開発が進められており、このEUVリソグラフ装置に用いられる常温付近の熱膨張係数が非常に低い(±40×10−9/K未満)低熱膨張ガラスも、開発が進められている。このガラスの開発にあたって、試料を特別に長くしなくても非常に小さい熱膨張量を正確に検出できる熱膨張計が求められている。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑み、より高感度で、かつ高精度なマイケルソン光干渉計及びこのマイケルソン光干渉計を用いた熱膨張計、熱膨張量測定方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のマイケルソン干渉計は、レーザー発振器と、このレーザー発振器から発せられ、2つに分けられたレーザー光を試料面及び基準面でそれぞれ反射させて光路差を発生させる光路差発生手段と、光路差を生じた2つのレーザー光を相互に干渉させ、その干渉光を照射面に照射して複数の明暗パターンからなる干渉縞を生じさせる干渉縞発生手段とを有するマイケルソン光干渉計において、この光路差発生手段に入射された2つのレーザー光を基準面及び試料面との間で4往復させるように光路差発生手段を構成したことを特徴とする。
【0007】
光路差発生手段に入射された各レーザー光を基準面及び試料面との間で4往復させると、試料長の8倍の光路差が生じる。従って、本発明の光干渉計は、従来のマイケルソン光干渉計に比べて感度が2倍になる。
【0008】
試料長の8倍の光路差を生じさせるためには、前記光路差発生手段を、レーザー発振器と試料との間に順次設けたプリズムと、第1乃至第4の偏光ビームスプリッターと、4分の1波長板とから構成し、第1の偏光ビームスプリッターは、レーザー発振器からのレーザー光を、4分の1波長板を経て試料面及び基準面に到達するように反射させる第一の偏光面を有し、第2の偏光ビームスプリッターは、試料面及び基準面で反射し、4分の1波長板、第一の偏光面を経て、プリズムで反射したレーザー光を透過させると共に、4分の1波長板を経て試料面及び基準面で反射し、再度4分の1波長板を経たレーザー光を第3の偏光ビームスプリッターに到達するように反射させる第2の偏光面を有し、第3の偏光ビームスプリッターは、第2の偏光面を経たレーザー光を、4分の1波長板を経て試料面及び基準面に到達するように反射させる第3の偏光面を有し、第4の偏光ビームスプリッターは、試料面及び基準面でそれぞれ反射し、4分の1波長板、第3の偏光面を経てプリズムで反射したレーザー光を透過させると共に、4分の1波長板を経て試料面及び基準面で反射し、4分の1波長板を経たレーザー光を干渉縞発生手段に到達するように反射する第4の偏光面を有するようにすればよい。
【0009】
また、請求項3記載の熱膨張計は、前記したマイケルソン光干渉計と、試料を加熱する加熱手段と、干渉縞発生手段に接続され、前記照射面に基準位置を有し、前記干渉縞の複数の明暗のパターンにより生ずる照射面上の面内光強度分布を電気信号に変換して干渉縞位置信号手段として出力する光電変換手段と、該光電変換手段に接続され、ひとつの山の前記基準位置との間の距離と、前記基準位置を通過する山の積算数と、山と山との間隔と、前記レーザー光の波長とから試料の熱膨張量又は収縮量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
前記したマイケルソン光干渉計が、試料長の8倍の光路差が生じさせ、熱膨張量も8倍にして検出できることから、本発明の熱膨張計は、従来の熱膨張計に比べて感度が2倍になっており、従来測定することができなかった非常に熱膨張量が小さい材料であってもその熱膨張量を検出することができる。また、光電変換手段及び算出手段を備えることにより、自動的に、かつ正確に熱膨張量を算出することが可能である。
【0011】
ところで、上記熱膨張計は非常に高感度なマイケルソン光干渉計を備えているので、測定時における測定誤差を減らせば、高精度に熱膨張量の測定を行うことが可能である。そこで、前記レーザー発振器に、レーザー発振器の外壁の温度を一定に保持する恒温手段を設けておけば、光の波長変動の原因であるレーザー光のドップラー幅内での変動を減少させることができる。その結果、測定誤差が減り、高精度な測定が可能となる。
【0012】
前記レーザー発振器と光路差発生手段との間で光路上に減光フィルターを設けておけば、レーザー光の強度が低減されるため、レーザー光を試料に照射した場合にレーザー光によって局所的に試料が加熱されることで生じる試料表面の温度ムラが生じない。その結果、測定誤差が減り、より高精度な測定を行なうことが可能となる。
【0013】
前記レーザー発振器、前記光路差発生手段、前記干渉縞発生手段を収納した気密性を有する光学室と、加熱手段を備えた試料室とを互いに隔てて備えれば、試料室の温度変化による試料室自体の熱変形の影響を光学室が受け難くなることで、測定誤差を減少させ、高精度な測定を行うことが可能である。
【0014】
この場合に、光学室の底部に下方に向かって突出した支持枠を設け、その支持枠内に試料室を設置すれば、光学室に生じる歪などの影響が筐体に伝わないので、光学室内の光路の変動に起因した測定誤差が減少し、高精度な測定を行うことが可能となる。
【0015】
この光学室内部の温度を一定に保持する他の恒温手段を光学室の壁部に設けることも好ましい。光学室内部を一定温度に保持することで、光学部品の温度変動に起因する測定誤差が減り、高精度な測定をすることが可能である。
【0016】
さらに、試料が載置され、基準面を構成する載置台を備えることが好ましい。試料を基準面である載置台に載置することにより、試料を固定するための機械的揺らぎによる測定誤差を減らし、より高精度な測定を行なうことが可能である。
【0017】
前記光学室の上部に設けられた光学室内にヘリウムガス雰囲気を形成するガス導入手段と、光学室の底部に設けられた光学室内の空気を排出する排気口とを備えることが好ましい。光学室内にヘリウムガス雰囲気を形成すると、ヘリウムガスが高い熱伝導率を有するために光学部品の温度を均一に保持でき、また、真空に最も近い屈折率を有していることから、光の屈折率・透過率等の変動に起因する光路の変動が低減され、測定誤差を減らしてより高精度な測定をすることが可能となる。
【0018】
前記加熱手段を、載置台の下方に設けた第1のヒーターと、試料の周囲に設けた第2のヒーターとから構成すれば、試料を側面及び底面から同時に加熱して測定誤差の原因である試料表面の温度分布の不均一性を減少させることができる。
【0019】
また、前記第一のヒーターを、熱電素子から構成してもよい。この熱電素子は、試料の加熱だけでなく測定温度範囲を下げる場合の試料の冷却を行うこともできるので、試料室に冷却用寒剤の循環系を設ける必要がない。さらに、室温付近での温度制御を容易にかつ精度よく行うことができるので、室温付近でより精密に熱膨張量を測定することができる。
【0020】
試料室についても、前記試料室の側壁温度を一定に保持する側壁恒温手段をその側壁に設けることができる。試料室側壁の温度を一定に保持することで、試料室側壁の温度変動に起因する光路の変動を低減させ、測定誤差を減らすことが可能である。
【0021】
本発明の熱膨張量測定方法は、レーザー発振器から発するレーザー光を2つにわけ、2つのレーザー光の間に光路差を生じさせる光路差発生手段に入射して、一方のレーザー光を試料が載置された基準面と光路差発生手段との間で4往復させ、他方のレーザー光を試料面と光路差発生手段との間で4往復させ、両レーザー光を重ねて干渉させ干渉縞を発生させ、その後、測定対象である試料を加熱して膨張させ、膨張により試料面が移動したことに伴った干渉縞の移動量から熱膨張量を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の光干渉計、この光干渉計を用いた熱膨張計及び熱膨張量測定方法は、高感度で、かつ測定誤差が少なく高精度であることから、熱膨張量の正確な測定が可能であるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1乃至図3を参照して説明すれば、1は、本発明のマイケルソン干渉計を用いた熱膨張計である。この熱膨張計1は、光学室2としての筐体3と、筐体3の下面に設けた試料室4とを、枠台5に設置して構成されている。
【0024】
後述するレーザー発振器21、光路差発生手段24及び干渉縞発生手段が収納される光学室2を構成する筐体3は、アルミなどの熱伝導率の大きい材料から構成され、気密性が保持されるようにしている。筐体3にはまた、光学室2内部の温度を一定に保持する恒温手段31が設けられている。恒温手段31は、筐体3の壁面内にその全体に亘って蛇行させて形成した水路(図示せず)を有し、この水路の流入部、流出部が水管311を介して図示しない流水ポンプ、加熱ヒーター及び冷却機を具備した恒温水源に連通し、筐体3の壁面全体に亘って所定温度の恒温水を循環させることで光学室2内部の温度を一定に保持する。
【0025】
筐体3の上面には、光学室2を臨む上面視略長方形の開口が形成され、開口は、開閉自在な蓋部33によって覆われている。この場合、蓋部33にも水路を設け、この水路の流入部、流出部が水管331を介して図示しない上記と同一の恒温水源に連通させている(図2参照)。
【0026】
また、蓋部33には、光学室2内への所定のガスの導入を可能とするガス導入手段32が設けられている。ガス導入手段32は、一端が、ガス圧調節器を介して図示しないガス源(図示せず)に連通したガス管321を有し、その他端は、蓋部33の上部に接続され、一定の流量で所定のガスを光学室2内に所定のガスを導入できるようになっている。
【0027】
そして、ガス導入手段32を介して所定のガスを光学室2に導入し、筐体3の底面に設けた排気口(図示せず)から光学室2内に残留する空気を押し出して、光学室2内にガス雰囲気を形成する。所定のガスとしては、熱伝導率が大きく、かつ空気より屈折率が小さいものであればよい。例えば、真空の屈折率に最も近いヘリウムガスがあげられる。ヘリウムガスのように空気より軽いガスを導入する場合には、筐体3の底面に排気口を設けることで空気を排出できるが、空気より重いガスを導入する場合には、排気口を筐体3の上部に設けて光学室2内に残留する空気を押し出すようにする。これにより、後述するレーザー発振器21からのレーザー光L1の屈折に起因した測定誤差の発生を防止できる。
【0028】
図3に示すように、試料室4は次のように配置されている。即ち、筐体3の底面には、後述する光路差発生手段21の下方に位置させて上面視円形の開口が形成され、この開口を臨む支持枠41が筐体3の底面に取付けられている。支持枠41は、開口の周縁の外側であって、その周方向に沿って所定の間隔を置いてボルトB1によってボルト止めした複数の支柱411と、各支柱411の下端面に、筐体3の底面と平行になるようにボルトB2によってボルト止めした支持板412とから構成され、支持板412には中央開口が形成されている。これらの支柱411は、熱膨張率が低い材料、例えば、インバー等の合金から製作されている。
【0029】
支持板412上には、中空円筒形状に成形されかつその両端に水平方向外側に延びるフランジを形成した側壁42と、中央開口より径が大きい上面視円形の底板43とがボルトB4を介して設置されている。この場合、側壁42の高さは、一端を支持板412に設置したとき、その他端のフランジが筐体3の底面と略面一となるように設定されている。また、側壁42の上面には、光学室2との隔絶を可能とするように、ボルトB3によって天板34が取付けられ、支持板412に載置した側壁42、底板43及び天板34によって密閉された空間を有する試料室4が形成される。
【0030】
そして、試料室内での光路差の変動を防ぐために、図示しないドライポンプなどの真空排気手段を試料室4に接続し、その内部を任意の真空度に保持できる。これにより、光の屈折の影響を軽減すべく試料室4内を真空排気したときに、側壁42、底板43及び天板34に生じる歪などの影響が筐体3に伝わないので、光学室2内の光路の変動に起因した測定誤差の発生が防止される。このことと試料室4を真空にすることとが相俟って、より高精度な測定を行うことが可能となる。
【0031】
側壁42には、側壁42の温度を一定の温度に保持して熱膨張を防止するための恒温手段421を設けている。この恒温手段421は、側壁内にその全体に亘って蛇行させて形成した水路422を有し、この水路の流入部、流出部が水管を介して流水ポンプ及び加熱ヒーターを具備した恒温水源(図示せず)に連通し、筐体3の壁面全体に亘って所定温度の恒温水を循環できるようになっている。
【0032】
天板34の中央部には開口が設けられ、この開口には、光路差発生手段41からのレーザー光の透過を可能にする第1の光学窓341が装着されている。この第1の光学窓341は、例えば石英製であり、試料室の気密性の確保と、レーザー光の透過とを可能にしている。
【0033】
試料室の底板43には、冷却手段431を内蔵し、この底板43上には、第1の平板432と、加熱手段としての第1のヒーター44を内蔵した第2の平板441とが積み重ねられている。第1のヒーター44は、マイカ板で絶縁したニクロムヒーターであり、調温機能を有する。冷却手段431としては寒剤を用いることができ、寒剤としては、液体窒素や不凍液が用いられ、底板43を循環させて冷却できるようになっている。
【0034】
第二の平板441には、試料Sが載置される載置台45が載置されている。試料Sを載置台45に載置することにより、試料Sを固定するための機構の機械的揺らぎによる測定誤差を減らすことが可能である。上面視において円形の載置台45は低膨張ガラスから構成され、その上面には金膜が形成されており、この載置台の上面が基準面451を構成している。
【0035】
試料Sは、中実円筒形状に形成され、ゼロデュア(商品名)、ULE(商品名)等の低膨張ガラス製であり、その上面には金膜が形成され、この金膜が試料面S1を構成する。この場合、試料Sの直径は、7.5〜8.0mmであり、試料長(載置面からの高さ寸法)は特に限定されるものではなく、試料の熱膨張量が大きければ、試料長を小さくして測定することができる。従来測定することができなかった非常に熱膨張量の小さい材料であれば、その試料長は好ましくは20〜25mmである。25mmより長いと、試料Sを加熱したとき、その高さ方向に沿って温度分布が均一になり難く、他方で、20mmより短いと熱膨張量を検出し難く、測定誤差の原因となる。また、後述する第2のヒーター46の高さを変えることで、例えば、50mm以上の試料長で測定することも可能である。尚、試料Sの両端面の平面性はλ/10以下(λはレーザー光の波長)、かつ平行度は5秒以下であることが望ましい。試料Sは、光路差発生手段24からのレーザー光が、試料面S1及び基準面451でそれぞれ反射するように位置決めして載置台45に載置される。
【0036】
また、第2の平板441上には、試料Sを含む載置台45の周囲を囲うように中空円筒形状の加熱手段としての第2のヒーター46が設けられている。第2のヒーター46は、例えばニクロムシースヒーターであり、調温機能を有する。第1及び第2のヒーター44、46を有すると、試料Sを側面及び底面から同時に加熱することができ、試料S全体に亘って均等に昇温させることで温度むらの発生が防止され、ひいては、測定誤差が生じることを防止できる。第2のヒーター46の上面には中央部に開口を設けた取り外し可能な蓋体461が装着されている。
【0037】
上記のように、冷却手段431を設けておけば、例えば、試料Sの常温付近を含む広い温度範囲で熱膨張率を測定する場合、不凍液を循環させて試料を一旦−20℃程度まで冷却した後、加熱しつつ、広い温度範囲で試料の熱収縮量を測定できる。また、第1及び第2のヒーター44、46により試料室4が加熱されすぎた場合に、試料室4内の温度を調節できる。
【0038】
ところで、第1及び第2のヒーター44、46を設けた場合、試料室4自体が加熱される場合がある。このため、底板43上には、第1及び第2のヒーター44、46の周囲を囲うように銅製の遮熱筒47が設けられ、遮熱筒47の開口した上面には、レーザー光の透過を可能にする開口を設けた蓋体471が装着されている。蓋体471も銅製であり、試料近傍の熱が試料室4内に拡散するのを防止する。尚、より断熱性を高めるために、遮熱筒47と蓋体471とを同心に複数配置することもできる。
【0039】
図4に示すように、光学室2を構成する筐体3には、レーザー光L1を、一定の出力(例えば7mW)で連続発振するヘリウム・ネオンレーザー発振器21(波長632.8nm)が設けられている。この場合、レーザー発振器21からのレーザー光L1は、入射面に対して平行に直線偏光している。
【0040】
レーザー発振器21には、レーザー発振器21の温度を一定に保持するための恒温手段211が設けられている。恒温手段としては、例えば、レーザー発信器21の外壁に恒温水循環系を設けることがあげられる。これにより、光の波長変動の原因であるレーザー光のドップラー幅内での変動が減少して、測定誤差が減り、高精度な測定が可能となる。
【0041】
レーザー発振器21から発せられたレーザー光L1は、透過率が約3%の減光フィルター22を通過する。この減光フィルター22を通過することで、レーザー光L1の強度が弱くなり、レーザー光を試料に照射した際に、レーザー光によって局部的に試料が加熱されることが防止でき、ひいては測定誤差が生じることが防止できる。
【0042】
減光フィルター22を通過後、レーザー光L1は、レーザー光L1の進行方向に対して入射角が45度になるように配置した平面鏡23に到達する。平面鏡23は、レーザー光L1が入射する前面の反射率が50パーセント、裏面の反射率が100パーセントとなるように、前面及び裏面に所定の薄膜を形成した石英から構成されている。これにより、レーザー光L1が平面鏡23によって互いに平行な2つのレーザー光L11とL12とに分割される。
【0043】
即ち、レーザー光L1は、平面鏡23の表面で反射して進行方向を水平方向に90度向きを変えるレーザー光L11と、この表面に入射し屈折して進み、平面鏡23の裏面で反射された後に表面を再度透過して、レーザー光L11と平行であるレーザー光L12とに分割される。分割された各レーザー光L11、L12は、光路差発生手段24にそれぞれ入射される。
【0044】
図5に示すように、光路差発生手段24は、第1乃至第4の各偏光ビームスプリッター241a〜241dを有する。第1乃至第4の各偏光ビームスプリッター241a〜241dは、10mm角のキューブ型のものであり、入射面に対して平行な直線偏光のみ反射可能な偏光面Ha〜Hdを有し、直方体を形成するように相互に接合されている。相互に接合された第1乃至第4の各偏光ビームスプリッターの上面には、1個の直角プリズム242が接合され、その下面には1枚の4分の1波長板が接合されている。
【0045】
図6(a)に示すように、光路差発生手段に入射したレーザー光L11、L12は、偏光ビームスプリッター241aに対し垂直に入射する。そして、241a内部の平行な直線偏光のみ反射する偏光面Haで鉛直下方向に反射し、偏光ビームスプリッター241aの下に接合された4分の1波長板243を通過する。4分の1波長板243を通過すると、レーザー光L11及びL12はそれぞれ進行方向に対して左回りの円偏光となる。
【0046】
左回りの円偏光となったレーザー光L11は、基準面451上に載置されている試料Sの試料面S1に到達する。他方で、同じく左回りの円偏光となったレーザー光L12は、基準面451に到達する。
【0047】
試料面S1及び基準面451に到達したレーザー光L11、L12は、図6(b)に示すように、それぞれ試料面S1及び基準面451で鉛直上方に反射する。この場合に、レーザー光L12は、レーザー光L11に比べて試料長の2倍長い光路を得る。進行方向が鉛直上方向になった各レーザー光L11、L12は、円偏光の向きは変わらないので、進行方向からみると、右周りの円偏光となっている。このレーザー光L11、L12が4分の1波長板243を通過すると、入射面に対し水平な(偏光面に対しては垂直面内の)直線偏光になる。通過したレーザー光L11、L12は偏光ビームスプリッター241aに入射するが、この偏光ビームスプリッター241aの偏光面Haで反射されるのは、入射面に対して平行な直線偏光だけであるので、レーザー光L11及びL12は、反射されずに偏光面Ha及び偏光ビームスプリッター241aを通過して、偏光ビームスプリッター241a上に存在する直角プリズム242に入射する。入射したレーザー光L11、L12は、レーザー光L11、L12に対して入射角45°の角度で存在する直角プリズムの斜面242rで反射して、対向する斜面242lに向かい、さらにこの斜面242lで反射して、鉛直下方向に屈折する。
【0048】
斜面442r及び442lで反射したレーザー光L11、L12は偏光ビームスプリッター241bに入射する。レーザー光L11、L12は、偏光面Hbに対して垂直な直線偏光であるので、偏光ビームスプリッター241b内部にある偏光面Hbを透過して、偏光ビームスプリッター241bを通過した後、4分の1波長板243を通過して右回りの円偏光となる。右回りの円偏光となったレーザー光L11は基準面451に載置されている試料Sの試料面S1に到達し、同じく右回りの円偏光となったレーザー光L12は基準面451に到達する。
【0049】
試料面S1及び基準面451に到達したレーザー光L11、L12は、図6(c)に示すように、それぞれ試料面S1及び基準面451で鉛直上方に反射する。この場合に、レーザー光L12は、L11に比べて試料長の2倍長い光路差を得るので、図6(b)で得た光路差と合せると試料長の4倍の光路差を得たことになる。
【0050】
これらのレーザー光L11及びL12は、進行方向が鉛直上方に変わることから、左回りの円偏光となり、4分の1波長板243を通過することで、入射面に対して平行な直線偏光となり、偏光ビームスプリッター241bに入射すると、偏光面Hbで反射して水平方向に90°向きを変え、偏光ビームスプリッター241cに入射する。偏光ビームスプリッター241cに入射すると、レーザー光L11、L12はそれぞれ偏光面Hcで反射して鉛直下方向に屈折し、4分の1波長板243を通過して左回りの円偏光となり、試料面S1及び基準面451に到達する。
【0051】
到達したレーザー光L11及びL12は、図6(d)に示すように、試料面S1及び基準面451で反射し、レーザー光L12がさらに試料長の2倍の光路差を得る。反射したレーザー光L11及びL12は、右周りの円偏光となって再度4分の1波長板243を通過して、入射面に対して垂直な直線偏光となって、偏光面Hcを通過すると共に、偏光ビームスプリッター241cを通過して、その上方に存在する直角プリズム242に入射する。そして、レーザー光L11、L12は直角プリズムの斜面242lで反射して対向する斜面242rで反射し、偏光ビームスプリッター241dに入射する。241dに入射したレーザー光L11、L12は、偏光面Hdを通過して、4分の1波長板243を通過し、試料面S1及び基準面451に到達する。
【0052】
到達したレーザー光は、図6(e)に示すように、試料面S1及び基準面451で反射し、レーザー光L12がさらに試料長の2倍の光路差を得、合計で試料長の8倍の光路差を得ることができる。反射したレーザー光L11及びL12は右回りの円偏光となり、4分の1波長板243を通過して入射面に対して平行な直線偏光となり、偏光ビームスプリッター241dに再び入射し、偏光面Hdで反射して偏光ビームスプリッター241dを通過するとともに光路差発生手段24を通過する。光路差発生手段を通過したレーザー光L11、L12は、各偏光ビームスプリッター241a〜241dと試料Sの試料面S1及び基準面451との間をそれぞれ1往復して試料長の2倍の光路差が生じたので、両レーザー光の間には、合計で試料長の8倍の光路差が生じている。
【0053】
光路差発生手段24を通過して試料長の8倍の光路差が発生したレーザー光L11、L12は、レーザー光L11、L12の進行方向に対して入射角45°となるように配置した表面の反射率が100パーセントである金鏡25の表面でそれぞれ反射して、水平方向に90°向きを変える。
【0054】
金鏡45で反射した各レーザー光L11、L12は、くさび型鏡426の表面に到達する。くさび型鏡は、レーザー光L12が平面鏡中を1往復したときに生じるレーザー光L11との間の光路差を相殺する補償板としての役割を果たすものであり、レーザー光が入射する前面及び裏面がそれぞれ僅かな傾きを有し、各面の反射率が50%になるように形成したものである。レーザー光L12は、くさび型鏡26の表面を透過する。レーザー光L11は、くさび型鏡26の表面を透過した後、裏面及び表面で反射し、くさび型鏡26を通過して、レーザー光L12と後述する照射面28上で交わる。
【0055】
レーザー光L11、L12は、直径が2mmほどの小ささなので、シリンドリカル凹レンズ27で拡大した後に、照射面28に設けたCCDラインセンサ(図示せず)面上で互いに交わって干渉縞Iを生じさせる。干渉縞Iは、くさび型鏡26を通過することでレーザー光L11、L12がCCDラインセンサ面上で鋭角に重なって生じたものであるので、縦縞の干渉縞となる。レーザー光L11とレーザー光L12との間には、熱膨張量を含む試料Sの試料長の8倍の光路差が生じており、この干渉光L2を照射面28に当てて生じた干渉縞Iから光路差を測定することができるので、本発明の熱膨張計1は非常に感度が高い。
【0056】
CCDラインセンサによって検出した干渉縞Iは、CCDラインセンサに接続された駆動回路(図示せず)により、照射面28上に設けた基準位置からの干渉縞の距離に対応して、面内光強度分布に応じた振り幅の電気信号に変換して干渉縞位置信号として出力する。
【0057】
出力された干渉縞位置信号は、駆動回路に接続された図示しないマイクロコンピューターに送信され、公知の方法によって、干渉縞位置信号から、試料の膨張量又は収縮量を算出する。算出した熱膨張量又は収縮量は、マイクロコンピューター内に蓄積され、ディスプレイに表示される。
【0058】
尚、本実施の形態では、光路差発生手段24を上記のように構成したが、試料長の8倍の光路差を得られるものであれば、その形態は問わない。また、本実施の形態では試料長の8倍の光路差を設けることができたが、この光路差を試料長の16倍とすることも可能である。例えば、光路差発生手段24を通過したレーザー光L11、L12の光路上に金鏡などを配置して、レーザー光L11、L12を再度光路差発生手段に入射させて光路を逆戻りさせれば、試料長の16倍の光路差を得ることができる。
【0059】
また、本実施の形態では、第1の加熱手段として、ニクロムヒーターを用いたが、例えばペルチエ素子を用いた公知の構造の熱電素子を設けて第1の加熱手段を構成してもよい。ペルチエ素子は、試料Sの加熱と冷却とを行うことができるので、冷却手段431を設ける必要がない。従って、熱膨張計1の構造をより簡単できる。また、温度制御が容易である。
【0060】
ただし、ペルチエ素子を用いる場合には、ペルチエ素子を接合する接合材が熔解してしまうため、140℃以上で測定することができない。しかしながら、常温での熱膨張量を正確に測定する場合、例えばEUVリソグラフ装置に用いる低熱膨張ガラス材の熱膨張量の測定をする場合には、測定温度範囲は、室温程度でよいので、ペルチエ素子を用いた熱膨張計により非常に細かく熱膨張量を測定できる。
【0061】
以下、本発明の熱膨張量測定方法について説明する。
【0062】
はじめに、試料Sを所定の形状に構成した後に、光学室の載置台45に載置する。そして、光学室2にヘリウムガスをガス導入手段32により導入し排気口から空気を押し出して光学室2内部にヘリウムガス雰囲気を形成し、試料室4を真空排気して試料室を真空に保つと共にレーザー発振器21を励起してレーザー光L1を発する。この場合に、各保温手段421、31、211から恒温水を循環させて試料室4、光学室2、レーザー発振器21の各温度を一定として、測定誤差を減少させる。
【0063】
このレーザー光L1は、減光フィルター42を通過して光の強度を低減しながら、平面鏡23で2つのレーザー光L11及びL12にわける。これらの2つのレーザー光は光路差発生手段44、即ち、偏光ビームスプリッター241aに入射して、レーザー光L11を試料が載置された基準面451と光路差発生手段44との間で4往復させ、レーザー光L12を試料面S1と光路差発生手段44との間で4往復させる。これにより、レーザー光L12は試料長の8倍の光路差を得て、レーザー光L11、L12を照射面48で干渉させて、干渉縞Iを発生させる。その後、試料Sを第1及び第2のヒーター44、46により測定温度範囲の下限まで加熱して膨張させて試料面S1を移動させて、干渉縞を移動させて、この干渉縞Iの移動量から公知の方法で熱膨張量を算出する。このような測定を第1及び第2のヒーター44、46により加熱を続けながら所望の測定温度範囲で行なうことで、試料Sの熱膨長量を正確に測定する。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のマイケルソン光干渉計及びこのマイケルソン光干渉計を用いた熱膨張計、熱膨張測定方法は、非常に高感度であるので、熱膨張量が1nm未満の材料であっても測定することが可能であり、かつ測定誤差が少ないため、高精度である。従って、EUVリソグラフ装置に用いる低熱膨張ガラス材の開発分野などで利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の熱膨張計の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の熱膨張計の上面図。
【図3】試料室の断面図。
【図4】光学室内部の概略図。
【図5】光路差発生手段の構成を示す図。
【図6】(a)〜(e)は光路差発生手段における光路を説明する図。
【符号の説明】
【0066】
1 熱膨張計
2 光学室
21 レーザー発振器
24 光路差発生手段
241a〜241d 偏光ビームスプリッター
242 直角プリズム
243 4分の1波長板
4 試料室
451 基準面
S 試料
S1 試料面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー発振器と、このレーザー発振器から発せられ、2つに分けられたレーザー光を試料面及び基準面でそれぞれ反射させて光路差を発生させる光路差発生手段と、光路差を生じた2つのレーザー光を相互に干渉させ、その干渉光を照射面に照射して複数の明暗パターンからなる干渉縞を生じさせる干渉縞発生手段とを有するマイケルソン光干渉計において、この光路差発生手段に入射された2つのレーザー光を基準面及び試料面との間で4往復させるように光路差発生手段を構成したことを特徴とするマイケルソン光干渉計。
【請求項2】
前記光路差発生手段を、レーザー発振器と試料との間に順次設けたプリズムと、第1乃至第4の偏光ビームスプリッターと、4分の1波長板とから構成し、第1の偏光ビームスプリッターは、レーザー発振器からのレーザー光を、4分の1波長板を経て試料面及び基準面に到達するように反射させる第一の偏光面を有し、第2の偏光ビームスプリッターは、試料面及び基準面で反射し、4分の1波長板、第一の偏光面を経て、プリズムで反射したレーザー光を透過させると共に、4分の1波長板を経て試料面及び基準面で反射し、再度4分の1波長板を経たレーザー光を第3の偏光ビームスプリッターに到達するように反射させる第2の偏光面を有し、第3の偏光ビームスプリッターは、第2の偏光面を経たレーザー光を、4分の1波長板を経て試料面及び基準面に到達するように反射させる第3の偏光面を有し、第4の偏光ビームスプリッターは、試料面及び基準面でそれぞれ反射し、4分の1波長板、第3の偏光面を経てプリズムで反射したレーザー光を透過させると共に、4分の1波長板を経て試料面及び基準面で反射し、4分の1波長板を経たレーザー光を干渉縞発生手段に到達するように反射する第4の偏光面を有したことを特徴とする請求項1に記載のマイケルソン干渉計。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマイケルソン光干渉計と、試料を加熱する加熱手段と、前記干渉縞発生手段に接続され、前記照射面に基準位置を有し、前記干渉縞の複数の明暗のパターンにより生ずる照射面上の面内光強度分布を電気信号に変換して干渉縞位置信号手段として出力する光電変換手段と、該光電変換手段に接続され、ひとつの山の前記基準位置との間の距離と、前記基準位置を通過する山の積算数と、山と山との間隔と、前記レーザー光の波長とから試料の膨張量又は収縮量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする熱膨張計。
【請求項4】
前記レーザー発振器にレーザー発振器の温度を一定に保持する恒温手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の熱膨張計。
【請求項5】
前記レーザー発振器と光路差発生手段との間で光路上に減光フィルターを設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の熱膨張計。
【請求項6】
前記レーザー発振器、前記光路差発生手段及び前記干渉縞発生手段を収納した気密性を有する光学室と、試料を加熱する加熱手段を備えた真空排気可能な試料室とを互いに隔てて備えたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の熱膨張計。
【請求項7】
光学室の底部に下方に向かって突出した支持枠を設け、その支持枠内に試料室を設置したことを特徴とする請求項6に記載の熱膨張計。
【請求項8】
前記光学室内部の温度を一定に保持する他の恒温手段を設けたことを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載の熱膨張計。
【請求項9】
前記試料が載置され、基準面を構成する載置台を備えたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の熱膨張計。
【請求項10】
前記光学室の上部に光学室内にヘリウムガス雰囲気を形成するガス導入手段を設け、光学室の底部に光学室内の空気の排気口を設けたことを特徴とする請求項6〜9に記載の熱膨張計。
【請求項11】
前記加熱手段を、載置台の下方に設けた第1のヒーターと、試料の周囲に設けた第2のヒーターとから構成したことを特徴とする請求項請求項6〜10のいずれかに記載の熱膨張計。
【請求項12】
前記第1のヒーターを、熱電素子から構成したことを特徴とする請求項11に記載の熱膨張計。
【請求項13】
前記試料室の側壁温度を一定に保持する別の恒温手段を試料室の側壁に設けたことを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載の熱膨張計。
【請求項14】
レーザー発振器から発するレーザー光を2つにわけ、2つのレーザー光の間に光路差を生じさせる光路差発生手段に入射して、一方のレーザー光を試料が載置された基準面と光路差発生手段との間で4往復させ、他方のレーザー光を試料面と光路差発生手段との間で4往復させ、両レーザー光を重ねて干渉させ干渉縞を発生させ、その後、測定対象である試料を加熱して膨張させ、膨張により試料面が移動したことに伴った干渉縞の移動量から熱膨張量を算出することを特徴とする熱膨張量測定方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−40715(P2007−40715A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222158(P2005−222158)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000192383)アルバック理工株式会社 (26)
【Fターム(参考)】