説明

マウスピースおよびこれを備えた呼気測定装置

【課題】マウスピースとそれを備えた呼気測定装置に関するもので、搬送性を高めることを目的とする。
【解決手段】筒状で一端開口部が呼気吹き込み部5、他端開口部が機器装着部6となった本体ケース7と、本体ケース7内に装着されたフィルター8とを備え、本体ケース7内の呼気吹き込み部5側には、吹き込み空気を本体ケース7内に分散させる分岐リブ9を設け、フィルター8は、分岐リブ9に当接した状態で配置され、フィルター8の機器装着部6側の本体ケース7内面側には、フィルター8の脱落防止用突起10を形成し、本体ケース7の呼気吹き込み部5側には、積み重ね用突部11を形成し、本体ケース7の機器装着部6側には、積み重ね用突部嵌合部12を形成し、積み重ね用突部11の外径よりも積み重ね用突部嵌合部12の内径を大きくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、喘息検出、肺機能検出などを行う際に使用するマウスピースとそれを備えた呼気測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、マウスピースは、筒状で一端開口部がとなった本体ケースと、この本体ケース内に装着されたフィルターと、このフィルターの本体ケースとは、反対側に設けた蓋体とを備えた構成となっていた。
【0003】
即ち、本体ケース内に設けたフィルターが、この本体ケース内から脱落するのを防止するために、蓋体を設けた構成となっていたのである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3164406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記、従来例においては、本体ケースのフィルターとは反対側に、このフィルターの脱落を防止するための蓋体を設けていたので、フィルターの脱落を防止することはできる。しかしながら、このような構成とした場合、マウスピースは1ずつ梱包し、搬送されることとなってしまい、結論として、搬送性の悪いものとなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、搬送性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明は、筒状で一端開口部が呼気吹き込み部、他端開口部が機器装着部となった本体ケースと、この本体ケース内に装着されたフィルターとを備え、前記本体ケース内の呼気吹き込み部側には、吹き込み空気をこの本体ケース内に分散させる第一の分岐リブを設け、前記フィルターは、この第一の分岐リブに当接した状態で配置され、このフィルターの前記機器装着部側の本体ケース内面側には、前記フィルターの脱落防止用突起を形成し、前記本体ケースの呼気吹き込み部側には、積み重ね用突部を形成し、前記本体ケースの機器装着部側には、積み重ね用突部嵌合部を形成し、前記積み重ね用突部の外径よりも前記積み重ね用突部嵌合部の内径を大きくし、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のごとく、本発明のマウスピースは、筒状で一端開口部が呼気吹き込み部、他端開口部が機器装着部となった本体ケースと、この本体ケース内に装着されたフィルターとを備え、前記本体ケース内の呼気吹き込み部側には、吹き込み空気をこの本体ケース内に分散させる第一の分岐リブを設け、前記フィルターは、この第一の分岐リブに当接した状態で配置され、このフィルターの前記機器装着部側の本体ケース内面側には、前記フィルターの脱落防止用突起を形成し、前記本体ケースの呼気吹き込み部側には、積み重ね用突部を形成し、前記本体ケースの機器装着部側には、積み重ね用突部嵌合部を形成し、前記積み重ね用突部の外径よりも前記積み重ね用突部嵌合部の内径を大きくしたものであるので、搬送性を高めることができる。
【0009】
すなわち、本発明のマウスピースは、前記本体ケースの呼気吹き込み部側には、積み重ね用突部を形成し、前記本体ケースの機器装着部側には、積み重ね用突部嵌合部を形成し、前記積み重ね用突部の外径よりも前記積み重ね用突部嵌合部の内径を大きくしたものであるので、複数個のマウスピースを積み重ねた状態で搬送することができ、その結果として、搬送性を高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマウスピースを用いた呼気測定装置を示す斜視図。
【図2】図1のマウスピースの斜視図。
【図3】図1のマウスピースの斜視図。
【図4】図1のマウスピースの断面図。
【図5】図1のマウスピースの搬送状態を示す斜視図。
【図6】図1のマウスピースの搬送状態を示す断面図。
【図7】図1のマウスピースの装着状態を示す断面図。
【図8】図1の呼気測定装置の要部斜視図。
【図9】本発明の実施の形態2に係るマウスピースの搬送状態を示す斜視図。
【図10】本発明の実施の形態3に係るマウスピースの搬送状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態1におけるマウスピースおよび、それを用いた呼気測定装置を、添付図面を用いて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1において、1は呼気測定装置の呼気吹き込み体を示し、この呼気吹き込み体1は、チューブ2を介して測定装置本体3に結合されるようになっている。また、呼気吹き込み体1には、マウスピース4が装着されている。
【0013】
このマウスピース4は、図2から図4に示すごとく、円筒状で一端開口部が呼気吹き込み部5、他端開口部が機器装着部6となった本体ケース7と、この本体ケース7内に装着された円形状のフィルター8とを備えている。
【0014】
また、前記本体ケース7内の呼気吹き込み部5側には、吹き込み空気をこの本体ケース7内に分散させる複数の分岐リブ9を設けている。
さらに、前記フィルター8は、この複数の分岐リブ9に当接した状態で配置され、このフィルター8の前記機器装着部6側の本体ケース7内面側には、前記フィルター8の脱落防止用突起10が、90度の等間隔で形成されている。
【0015】
次に、前記本体ケース7の呼気吹き込み部5側には、積み重ね用突部11を形成し、前記本体ケース7の機器装着部6側には、積み重ね用突部嵌合部12を形成し、前記積み重ね用突部11の外径よりも前記積み重ね用突部嵌合部12の内径を大きくしている。
【0016】
このため、このマウスピース4を搬送するときには、図5、図6に示すごとく袋状の容器13内において、複数のマウスピース4を積み重ねた状態で収納させ、この状態で搬送することができるので、極めて搬送性の高いものとなる。さらに、具体的に説明すると、図5の状態では、マウスピース4は、その呼気吹き込み部5側が、容器13の下方側となって収納され、上段のマウスピース4の積み重ね用突部11は、下段のマウスピース4の積み重ね用突部嵌合部12内に突入し、嵌合した状態となっている。したがって、使用時には、容器13の上面開口部14から最上段のマウスピース4の本体ケース7を摘んで、この容器13外に取り出すこととなる。
【0017】
このとき、取り出しに際して、呼気吹き込み部5や、フィルター8に摘み出す指が触れ難いので、衛生面での効果も高いものとなる。
つまり、フィルター8の外径は、本体ケース7の内径よりも大きくしているので、呼気がフィルター8の外周を通過してしまうのを防止できるようになっているが、その分、フィルター8は、積み重ね用突部嵌合部12側に脱落する虞れがあり、この脱落を防止するために本実施形態では、脱落防止用突起10を設けている。
【0018】
また、本体ケース7内の複数の分岐リブ9と、脱落防止用突起10との間隔をフィルター8の厚みよりも大きくすることで、外径が大きなフィルター8をそれよりも内径の小さな本体ケース7内に装着し易くしている。
【0019】
また、図6に示すごとく、容器13内において、上下に重ねられたマウスピース4において上段のマウスピース4の呼気吹き込み部5は、下段のマウスピース4のフィルター8には、到達しない高さとしているので、フィルター8が、搬送時に破損することもない。
【0020】
さて、このようにして、搬送されたマウスピース4は、図5の状態から1つ取り出され、次に、図7のごとく、呼気吹き込み体1の上端に装着される。すなわち、呼気吹き込み体1は、マウスピース4の機器装着部6が、嵌合されるマウスピース装着部15と、このマウスピース装着部15の内方において設けられた複数の分岐リブ16と、この複数の分岐リブ16の中心部分に設けられた呼気吹き込み孔17とを備えている。さらに詳しくは、マウスピース装着部15の外周部には、図7のごとく、フィルター8に突入する環状突起18が設けられており、さらに、外周部下方には、本体ケース7の積み重ね用突部嵌合部12内方に当接するパッキン19が設けられている。
【0021】
また、マウスピース装着部15の外周部には、マウスピース4の脱落防止用突起10が嵌合するため呼気吹き込み体1が形成されている。つまり、呼気吹き込み体1にマウスピース4を装着するときには、マウスピース4の脱落防止用突起10が、呼気吹き込み体1の溝20に係合した状態となる。そして、この係合が完了した状態においては、マウスピース4の複数の分岐リブ9と呼気吹き込み体1の複数の分岐リブ16が、合致した状態となり、この結果として、マウスピース4、呼気吹き込み体1部分に、分岐された呼気吹き込み経路21が形成されることとなっている。また、この呼気吹き込み経路21を流れる呼気がマウスピース4外に流出するのを防止すために、上述した環状突起18、パッキン19を設けている。
【0022】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2を示し、この実施の形態では、容器13内にマウスピース4をその呼気吹き込み部5を上方側として、収納させる構成としている。但し、この場合には、マウスピース4を摘み出すときに、呼気吹き込み部5に指が触れることとなるので、この呼気吹き込み部5にカバー22を装着している。
【0023】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態2を示し、この実施の形態では、容器13を横長状とし、マウスピース4を横方向に並べて収納させる構成としたものである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のマウスピースは、前記本体ケースの呼気吹き込み部側には、積み重ね用突部を形成し、前記本体ケースの機器装着部側には、積み重ね用突部嵌合部を形成し、前記積み重ね用突部の外径よりも前記積み重ね用突部嵌合部の内径を大きくしたものであるので、複数個のマウスピースを積み重ねた状態で搬送することができ、その結果として、搬送性を高めることができる。
【0025】
したがって、本発明は、喘息検出、肺機能検出などを行う際に使用するマウスピースとそれを備えた呼気測定装置に活用することが期待される。
【符号の説明】
【0026】
1 呼気吹き込み体
2 チューブ
3 測定装置本体
4 マウスピース
5 呼気吹き込み部
6 機器装着部
7 本体ケース
8 フィルター
9 分岐リブ
10 脱落防止用突起
11 積み重ね用突部
12 積み重ね用突部嵌合部
13 容器
14 上面開口部
15 マウスピース装着部
16 分岐リブ
17 呼気吹き込み孔
18 環状突起
19 パッキン
20 溝
21 呼気吹き込み経路
22 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状で一端開口部が呼気吹き込み部、他端開口部が機器装着部となった本体ケースと、
前記本体ケース内に装着されたフィルターと、
を備え、
前記本体ケース内の呼気吹き込み部側には、吹き込み空気を前記本体ケース内に分散させる第1の分岐リブが設けられており、
前記フィルターは、前記第1の分岐リブに当接した状態で配置され、
前記フィルターの前記機器装着部側の前記本体ケース内面側には、前記フィルターの脱落防止用突起が形成されており、
前記本体ケースの呼気吹き込み部側には、積み重ね用突部が形成されており、前記本体ケースの機器装着部側には、積み重ね用突部嵌合部が形成されており、前記積み重ね用突部の外径よりも前記積み重ね用突部嵌合部の内径が大きい、マウスピース。
【請求項2】
前記フィルターの外径は、前記本体ケースの内径よりも大きい、
請求項1に記載のマウスピース。
【請求項3】
前記本体ケース内の前記第1の分岐リブと前記脱落防止用突起との間隔をフィルターの厚みよりも大きくした、
請求項1または2に記載のマウスピース。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のマウスピースと、
前記マウスピースを装着する呼気吹き込み体と、
を備え、
前記呼気吹き込み体は、前記マウスピースの機器装着部が嵌合されるマウスピース装着部と、前記マウスピース装着部の内方において設けられた第2の分岐リブと、前記第2の分岐リブの中心部分に設けられた呼気吹き込み孔と、
を有する呼気測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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