説明

マウンド魚礁構造物及びその構築方法

【課題】マウンド魚礁の特徴を効果的に改善可能なマウンド魚礁構造物及びその構築方法を提供する。
【解決手段】このマウンド魚礁構造物10は、湧昇流を発生させるために海底面Gにマウンド状に構築されるものであって、両端に形成された略円錐状部11,12と、略円錐状部の間に、斜面15,16を有する略三角形状断面に形成されたマウンド部13と、を備え、マウンド部の構成材料は略円錐状部の構成材料と性質が異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状に構築されるマウンド魚礁構造物及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図11(a)〜(c)に示すマウンド魚礁100は、海底面Gに石材やブロックを用いて図のようにマウンドを形成し、湧昇流を発生させて栄養塩分布の増加及び魚礁としての魚類の蝟集効果により漁場整備を行なうものであり、既にいくつかの公知例・施工例がある(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
図11のようなマウンド魚礁100の構成材料としては、土砂、石材、コンクリートや石炭灰を利用した各種ブロックなど多種多様なものが提案されているが(例えば、特許文献4参照)、従来までの施工例においては石材を構成材料としたものと、石炭灰を利用したブロックを構成材料としたものしかなく、しかもいずれの場合においても単一の構成材料を用いており、マウンド魚礁100は単一の構成材料から構成されていた。
【特許文献1】特許公報第2607979号
【特許文献2】特許公報第2628114号
【特許文献3】特許公報第2992940号
【特許文献4】特許公報第2917189号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来の石材を用いたマウンド魚礁と石炭灰を利用したブロックを用いたマウンド魚礁との比較における最大の特徴は、石材は天然材料であり経済性において石炭灰を利用したブロックよりも優れる一方、石炭灰を利用したブロックを用いたマウンド魚礁は石材を用いる場合よりも魚類の蝟集に影響を与える空隙の形成が制御し易く、また、発電所などで副産物として生成される産業廃棄物である石炭灰の有効活用効果(リサイクル効果)も有している。
【0005】
しかしながら、従来までは、どの構成材料を用いると事業効果が最大となるかといった比較検討はなされても、複数の異なる性質をもつ構成材料を用いることで、建設されるマウンド魚礁の特徴を効果的に改善しようという積極的な取り組みはなされていない。
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、マウンド魚礁の特徴を効果的に改善可能なマウンド魚礁構造物及びその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明者等は、鋭意検討・研究の結果、性質の異なる複数の構成材料を用いることで異なる特徴を併せ持つマウンド魚礁を建設可能であり、石材及び石炭灰を利用したブロックを例にすると、石材の経済性に関する優位性は使用量が大きくなるほど顕著となるし、石炭灰を利用したブロックの魚類の蝟集効果については表面積が大きくなるほど顕著となるので、マウンド魚礁の表層部を石炭灰を利用したブロックで構成し、マウンド魚礁の内部を石材で構成すれば魚類の蝟集効果と経済性といった異なる特徴を併せ持つことが可能となる、という知見を得て本発明に至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明によるマウンド魚礁構造物は、湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状に構築されるマウンド魚礁構造物であって、性質の異なる複数の構成材料からなることを特徴とする。
【0009】
このマウンド魚礁構造物によれば、例えば、経済性の優れた構成材料や魚類の蝟集効果のある構成材料や産業廃棄物のリサイクル効果のある構成材料等の性質の異なる複数の構成材料から構成することで、経済性や魚類の蝟集効果やリサイクル効果等の異なる特徴を有するマウンド魚礁構造物を実現でき、マウンド魚礁の特徴を効果的に改善することができる。
【0010】
本発明によるもう1つのマウンド魚礁構造物は、湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状に構築されるマウンド魚礁構造物であって、両端に形成された略円錐状部と、前記略円錐状部の間に形成されて斜面を有するマウンド部と、を備え、前記マウンド部の構成材料は前記略円錐状部の構成材料と性質が異なることを特徴とする。
【0011】
このマウンド魚礁構造物によれば、例えば、略円錐状部を経済性の優れた構成材料から構成し、マウンド部を魚類の蝟集効果のある構成材料や産業廃棄物のリサイクル効果のある構成材料から構成することで、マウンド魚礁構造物を性質の異なる複数の構成材料から別々に構成することができる。これにより、経済性や魚類の蝟集効果やリサイクル効果等の異なる特徴を有するマウンド魚礁構造物を実現でき、マウンド魚礁の特徴を効果的に改善することができる。
【0012】
また、マウンド部は両端の略円錐状部の間に延在し、斜面を有し、斜面で湧昇流を効率的に発生させることができる。更に、マウンド魚礁構造物を両端の略円錐状部とその間のマウンド部とから構成することで、まず略円錐状部を構築してから、次にマウンド部を性質の異なる構成材料で構築することができ、比較的容易に構築が可能となる。
【0013】
なお、マウンド部は両端の略円錐状部の間に位置するので、両端の略円錐状部の内側部分はマウンド部の構成材料により覆われることになる。また、マウンド部は略円錐状部の間で略三角形状の断面を有するが、マウンド部の内部を経済性の優れた構成材料から構成し、マウンド部の表層部を性質の異なる構成材料で構成するように二層構造としてもよい。
【0014】
また、マウンド魚礁構造物はマウンド部が潮流に対しほぼ直交する方向に延在するように略円錐状部が配置されることが好ましい。また、両端の略円錐状部の構成材料が異なるようにしてもよい。
【0015】
また、マウンド魚礁構造物の縦方向長さが比較的長い場合、両端の略円錐状部の中間に更に第3,第4,・・・の略円錐状部を配置するようにしてもよく、この場合、中間の略円錐状部の構成材料がマウンド部を構成する構成材料と異なるようにしてよく、また、その中間の略円錐状部によって分断された両側のマウンド部を構成する材料が異なるようにしてもよい。
【0016】
また、両端の略円錐状部の少なくとも一方の外側に、略円錐状部と性質の異なる構成材料によりマウンド部として延長部を配置し(この場合、延長部の端がマウンド魚礁構造物の端部となる)、略円錐状部の外側部分が延長部の構成材料で覆われる。
【0017】
上記各マウンド魚礁構造物において、その表層部に魚類の蝟集効果の高い構成材料を配置し、それ以外の部分には石材等の経済性のある別の構成材料を配置するように二層構造に構成できる。例えば、マウンド魚礁構造物の内部に位置する土台を石材から構成し、その表層部分の少なくとも一部を魚類の蝟集効果の高い構成材料から構成したり、また、両端の略円錐状部を石材から構成し、そのマウンド部を魚類の蝟集効果の高い構成材料から構成するようにできる。
【0018】
本発明によるマウンド魚礁構造物の構築方法は、湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状にマウンド魚礁構造物を構築する構築方法であって、第1の構造部を第1の構成材料から構築し、前記第1の構造部の少なくとも一部を覆うように第2の構造部を前記構成材料と性質が異なる第2の構成材料から構築することを特徴とする。
【0019】
このマウンド魚礁構造物の構築方法によれば、例えば、第1の構成材料を経済性の優れた構成材料とし、第2の構成材料を魚類の蝟集効果のある構成材料や産業廃棄物のリサイクル効果のある構成材料とすることで、性質の異なる複数の構成材料を用いてマウンド魚礁構造物を構築できるので、経済性や魚類の蝟集効果やリサイクル効果等の異なる特徴を有するマウンド魚礁構造物を構築でき、マウンド魚礁の特徴を効果的に改善することができる。
【0020】
なお、例えば、第1の構造部を第1の構成材料で略円錐状や略台形状に構築し、その後に、第1の構造部の一部または全部を性質の異なる第2の構成材料で覆うようにして第2の構造部を構築することで、マウンド魚礁構造物を構築できる。
【0021】
本発明によるもう1つのマウンド魚礁構造物の構築方法は、湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状にマウンド魚礁構造物を構築する構築方法であって、第1の構成材料を用いて第1の略円錐状部を構築し、前記第1の略円錐状部から離れた位置に第2の略円錐状部を構築し、前記第1の略円錐状部と前記第2の略円錐状部との間に前記第1の構成材料と性質が異なる第2の構成材料から斜面を有するマウンド部を構築することを特徴とする。
【0022】
このマウンド魚礁構造物の構築方法によれば、例えば、略円錐状部を経済性の優れた第1の構成材料から構築し、マウンド部を魚類の蝟集効果等の性質の異なる第2の構成材料から構築することで、経済性や魚類の蝟集効果やリサイクル効果等の異なる特徴を有するマウンド魚礁構造物を構築でき、マウンド魚礁の特徴を効果的に改善することができる。
【0023】
また、最初に、各略円錐状部を構築してから、次に、湧昇流を効率的に発生できる斜面を有するマウンド部を性質の異なる構成材料で構築することができ、比較的容易に構築が可能となる。
【0024】
また、前記第1及び第2の略円錐状部から離れた位置に第3の略円錐状部を構築してから、前記各略円錐状部の間に前記マウンド部を構築することで、比較的縦方向長さの長いマウンド魚礁構造物を構築することができる。
【0025】
また、前記第2の略円錐状部及び/又は前記第3の略円錐状部を前記第1の構成材料から構築することができる。
【0026】
また、前記第2の略円錐状部及び/又は前記第3の略円錐状部を前記第1の構成材料と異なる第3の構成材料から構築してもよい。この場合、第3の構成材料として、例えば、安価に供給可能な経済性のあるブロックや、そのブロックと石材との混合物等がある。
【0027】
なお、同様に、第4,第5,・・・の略円錐状部を構築するようにしてもよい。また、第3,第4,・・・の略円錐状部が中間に位置し、第3,第4,・・・の略円錐状部を間に挟んで複数のマウンド部を第3の構成材料から構築するとき、第3の構成材料が第3,第4,・・・の略円錐状部を覆うようにすることで、各マウンド部は一体になって、単一のマウンド部を構成できる。
【0028】
以上のように、マウンド魚礁構造物を建設する際に、まず、第1の構成材料で一方の端の略円錐状部の構築を行い、次に、第2の構成材料で他方の端の略円錐状部の構築を行なう。更に、もし必要であれば、第3,第4,・・・の中間の略円錐状部を構築していく(または、一方の端の略円錐状部からマウンド魚礁構造物の縦方向に順々に各略円錐状部を構築していく)。そして、各略円錐状部の構築が終了した後に、略円錐状部の間に、略円錐状部の構成材料とは性質の異なる構成材料から略三角形断面のマウンド部を構築することで、性質の異なる複数の構成材料からなるマウンド魚礁構造物を比較的容易に構築することができる。このため、異なる特徴を有するマウンド魚礁構造物を効率的に低コストで建築可能となる。
【0029】
なお、上記構築方法においては、複数の略円錐状部の構築をそれぞれの構成材料により略同時進行的にほぼ平行して行うようにしてもよい。
【0030】
また、上述のように、マウンド魚礁構造物の両端部は略円錐状部として略三角形状の断面のマウンド部に先行して建設されることになるが、両端の略円錐状部の少なくとも一方の外側に、マウンド部と同様の構成材料を用いた延長部を構築して最終的にできあがるマウンド魚礁構造物の端部としてもよい。
【0031】
なお、上述の「マウンド魚礁構造物」、「マウンド状」、及び、「マウンド部」における「マウンド」とは、土砂や石材やブロック等により地面上に丘状に築かれたものをいう。
【発明の効果】
【0032】
本発明のマウンド魚礁構造物及びその構築方法によれば、異なる特徴を有する構成材料を用いたマウンド魚礁構造物を実現でき、マウンド魚礁の特徴を効果的に改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。以下の各実施の形態によるマウンド魚礁構造物は、湧昇流発生効果と魚類の蝟集効果による漁場整備を目的として海底面に多数の石材やブロック等から構築されるものである。
【0034】
〈第1の実施の形態〉
【0035】
図1は、第1の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、横方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)、及び縦方向のc−c線方向に切断してみた概略的な縦断面図(c)である。
【0036】
図1(a)〜(c)に示すマウンド魚礁構造物10は、海底面Gに複数の構成材料を用いて構築されるものであり、図1(a)に示す縦方向Lの両端側に多数の石材から略円錐形状に形成された第1及び第2の略円錐状部11,12と、第1の略円錐状部11と第2の略円錐状部12との間に多数の石炭灰ブロックから縦方向Lに延びるように丘状に形成されたマウンド部13と、を備える。
【0037】
2つの略円錐状部11,12は、それらの略円形状底面の法尻において接点部14の近傍で接するように構築されている。
【0038】
各略円錐状部11,12が多数の石材で構築されてから、両端の略円錐状部11,12の間にマウンド部13が多数の石炭灰ブロックで構築されるので、図1(c)のように、略円錐状部11,12の外側の略半分の円錐状斜面11a,12aが外部に露出するとともに、略円錐状部11,12の内側の略半分の円錐状斜面11b,12bがマウンド部13の石炭灰ブロックで覆われる。
【0039】
マウンド部13は、図1(b)、(c)のように、略円錐状部11,12の2つの頂部を結ぶように縦方向L(図1(a))に略直線状に延びた頂上部13aを有するとともに、縦方向Lに直交する横方向に頂上部13aを挟んで2つの斜面15,16を有する。
【0040】
マウンド部13の横方向断面は、図1(b)のように、頂上部13aを頂点として斜面15,16からなる略二等辺三角形状となっている。また、マウンド部13の縦方向断面は、図1(c)のように、略円錐状部11,12の2つの頂部及び接点部14を頂点として斜面11b,12bとマウンド部13の頂上部13aとからなる略三角形状となっている。
【0041】
第1及び第2の略円錐状部11,12の構成材料は石材であり、例えば、一個あたりの重量が約500kgの内外の石材を使用できる。マウンド部13の構成材料は、石材と性質の異なる石炭灰ブロックであり、例えば、火力発電所等から発生する産業廃棄物である石炭灰とセメントとからなる例えば、1.6m×1.6m×1.6mの略立方体状のものを使用できる。
【0042】
石材は、天然材料で比較的安価であり経済性に優れる一方、石炭灰ブロックは、魚類の蝟集に影響を与える空隙の形成が制御し易いため魚類の蝟集効果を有し、また、火力発電所等から発生する産業廃棄物である石炭灰を利用するために、石炭灰の有効活用効果(リサイクル効果)がある。
【0043】
図1(a)〜(c)のように、マウンド魚礁構造物10は、縦方向Lが現場海域の潮流の流れ方向mに対し略直交するように配置され、例えば、流れ方向mからの潮流が主にマウンド部13の斜面15に当たり、図1(b)のように、上方向nに湧昇流が発生する。
【0044】
次に、図1(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物10の構築方法について図2のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
まず、第1の略円錐状部11を海底面Gに石材から構築する(S01)。次に、図1(a)の縦方向Lに所定距離だけ離れた位置に第2の略円錐状部12を海底面Gに同様に石材から構築する(S02)。
【0046】
次に、略円錐状部11,12の間に石炭灰ブロックから図1(b)のように斜面15,16を有し略三角形状断面のマウンド部13を構築する(S03)。
【0047】
以上のように、両端の略円錐状部11,12を高度な施工管理の下で先行して構築し、次に、その間に略三角形状断面を有するマウンド部13の構築を行うことで、図1(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物10を構築できる。
【0048】
上述のようにして、複数の構成材料を用いてマウンド魚礁構造物10の構築を行うが、石材による構築が終了した後に、別の構成材料である石炭灰ブロックによる構築を行なうので、施工工程や管理工程がさほど複雑にならず、比較的容易に構築でき、マウンド魚礁構造物10を効率的に低コストで建築することができる。
【0049】
なお、マウンド魚礁構造物10の構築方法の各工程S01〜S03において、石材及び石炭灰ブロックを現場海域で海中に投入して海中を自然落下させて海底面に積み重ねるようにして略円錐状部11,12及びマウンド部13を構築することができるが、この場合、本出願人が先に特開2004−339764号公報や特開2006−125059号公報や特願2006−79887号で提案したような投入方法や投入位置予測方法により、マウンド魚礁構造物10を精度よく構築可能である。
【0050】
例として、マウンド魚礁構造物10を、図1(a)〜(c)において水深90mの海底面Gに、全長dが150m、略円錐状部11,12の底面半径e、gが37.5m、マウンド幅(峰間距離)fが75m、マウンド高さhが15m、マウンド長さ(横方向長さ)iが75mの各設計寸法で、上述のように石材及び石炭灰ブロックから構築した場合、マウンド魚礁構造物10の全体積64,277m3に対して石炭灰ブロックからなるマウンド部13の体積は20,098m3であり、石炭灰ブロックの占める体積の割合は全体積の約31%で済み、マウンド部13の表面は全て石炭灰ブロックにより覆われることになる。また、マウンド魚礁構造物10の全表面積10,816m2に対して石炭灰ブロックからなるマウンド部13の表面積は6,058m2であり、全表面積の約56%となる。
【0051】
以上のことから、図1(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物10によれば、石材のみを構成材料とする図11のような同一形状のマウンド魚礁と比較すると、魚類の蝟集効果を大幅に向上できるとともに、産業廃棄物のリサイクル効果を併せ持つことができる。また、石炭灰ブロックのみを構成材料とする図11のような同一形状のマウンド魚礁と比較すると、構成材料である石材が低コストであるから建設コストを大幅に低減することができる。
【0052】
なお、マウンド魚礁構造物10の上述の各設計寸法は、一例であって、適宜変更可能であることはもちろんである。
【0053】
また、図1(b)、(c)においてマウンド部13の頂上部13aのマウンド高さhは、略円錐状部11,12の頂点の高さと略同一としたが、略円錐状部11,12の頂点の高さよりも低くしてもよい。
【0054】
〈第2の実施の形態〉
【0055】
図3(a)、(b)に示す第2の実施の形態によるマウンド魚礁構造物20は、石材からなる両端の第1及び第2の略円錐状部21,22が図1(a)、(c)の場合よりも接近し、それらの法尻が重なり合っており、このため、略円錐状部21と22の間に石炭灰ブロックから形成されるマウンド部23は、そのマウンド幅f1が図1(a)のマウンド幅fよりも短くなっている。
【0056】
図3(a)、(b)のマウンド魚礁構造物20は、図2と同様の構築工程S01〜S03により構築することができ、その横方向断面は図1(b)と同様に斜面を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0057】
〈第3の実施の形態〉
【0058】
図4(a)、(b)に示す第3の実施の形態によるマウンド魚礁構造物30は、マウンド幅が大きく、石材からなる両端の第1及び第2の略円錐状部31,32が図1(a)、(c)の場合よりも離れており、このため、略円錐状部31と32の間に石炭灰ブロックから形成されるマウンド部33は、そのマウンド幅f2が図1(a)のマウンド幅fよりも長くなっている。
【0059】
図4(a)、(b)のマウンド魚礁構造物30は、図2と同様の構築工程S01〜S03により構築することができ、その横方向断面は図1(b)と同様に斜面を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0060】
〈第4の実施の形態〉
【0061】
図5(a)、(b)に示す第4の実施の形態によるマウンド魚礁構造物40は、マウンド幅が更に大きく、石材からなる両端の第1及び第2の略円錐状部41,42が図4(a)、(b)の場合よりも離れており、両端の略円錐状部41と42との間の中間部分に石材からなる第3の略円錐状部43が配置されている。略円錐状部41と43との間に第1のマウンド部44が石炭灰ブロックから形成され、略円錐状部43と42との間に第2のマウンド部45が石炭灰ブロックから形成されている。第3の略円錐状部43の両側にマウンド部44,45が位置するので、第3の略円錐状部43は外部に露出しない。
【0062】
第1及び第2のマウンド部44,45は、それらの表層部が全体として石炭灰ブロックから形成されているので、単一のマウンド部を構成し、そのマウンド幅f3がマウンド部44,45の各マウンド幅の和であり、図4(a)のマウンド幅f2よりも長くなっている。
【0063】
図5(a)、(b)のマウンド魚礁構造物40は、図2の構築工程S01〜S03と同様に第1〜第3の略円錐状部41,42,43を構築した後、第1及び第2のマウンド部44,45を構築することで建設できる。この場合、第1〜第3の略円錐状部41〜43は、41→43→42の順、または、41→42→43の順に構築できるが、略同時進行的に構築することもできる。その横方向断面は図1(b)と同様に斜面を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0064】
また、図5(a)、(b)のようにマウンド魚礁構造物40(マウンド幅f3)が長い場合には、両端の略円錐状部の間に第3,第4,・・・の略円錐状部を配置することで、マウンド部を形成する石炭灰ブロックの量を低減することができ、建設コストを抑えることができる。
【0065】
〈第5の実施の形態〉
【0066】
図6(a)〜(c)に示す第5の実施の形態によるマウンド魚礁構造物50は、構築位置の中央に略円錐状部51を石材から構築し、略円錐状部51の両側に第1及び第2のマウンド部52,53を石炭灰ブロックから形成し、略円錐状部51の全体をマウンド部52,53の石炭灰ブロックで覆うようにしたものである。
【0067】
図6(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物50は、略円錐状部51を構築した後に、略円錐状部51の一端部側から他端部側に向けて石炭灰ブロックにより略円錐状部51を覆うことでマウンド部52,53を形成することにより構築することができ、その横方向断面は、図6(b)のように、図1(b)と同様の斜面55,56を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0068】
図6(a)〜(c)に示すマウンド魚礁構造物50は、構築位置の中央に略円錐状部51を石材から構築し、略円錐状部51の両側に第1及び第2のマウンド部52,53を石炭灰ブロックから形成し、略円錐状部51の全体をマウンド部52,53の石炭灰ブロックで覆うことで全体の表層部を石炭灰ブロックから構成したものである。
【0069】
第1及び第2のマウンド部52,53は、それらの表層部が全体として石炭灰ブロックから形成されているので、単一のマウンド部を構成し、そのマウンド幅f4はマウンド部52,53の各マウンド幅の和である。
【0070】
図6(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物50は、略円錐状部51を構築した後に、略円錐状部51の一端部側から他端部側に向けて石炭灰ブロックにより略円錐状部51を覆うことでマウンド部52,53を構築することより建築でき、その横方向断面は、図6(b)のように、図1(b)と同様の斜面55,56を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0071】
〈第6の実施の形態〉
【0072】
図7(a)、(b)に示す第6の実施の形態によるマウンド魚礁構造物60は、石材からなる両端の第1及び第2の略円錐状部61と62の間の第1のマウンド部63に加えて、略円錐状部61,62の外側に延長部として第2及び第3のマウンド部64,65を石炭灰ブロックから形成し、第1及び第2の略円錐状部61,62の全体をマウンド部63〜65の石炭灰ブロックで覆うことで全体の表層部を石炭灰ブロックから構成したものである。
【0073】
第1〜第3のマウンド部63〜65は、それらの表層部が全体として石炭灰ブロックから形成されているので、単一のマウンド部を構成し、そのマウンド幅f5は第1〜第3のマウンド部63〜65の各マウンド幅の和であり、また、第2及び第3のマウンド部64,65が延長部として追加されているので、図1(a)のマウンド幅fよりも長い。
【0074】
図7(a)、(b)のマウンド魚礁構造物60は、略円錐状部61,62を構築した後に、略円錐状部61の端部外側から略円錐状部62の端部外側に向けて石炭灰ブロックにより略円錐状部61,62の略全体を覆うことで第1〜第3のマウンド部64,63,65を形成して構築することができ、その横方向断面は、図1(b)と同様に斜面を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0075】
また、マウンド魚礁構造物60によれば、図1のマウンド魚礁構造物10と比べて石炭灰ブロックによる表面積を増加させることができるが、図3〜図5の各マウンド魚礁構造物20,30,40においても、図7のように、延長部としてのマウンド部を更に構築してもよく、また、図7の場合も含めて、延長部は一方の端部側だけに設けてもよい。
【0076】
〈第7の実施の形態〉
【0077】
図10(a)〜(c)に示す第7の実施の形態によるマウンド魚礁構造物90は、図1(a)〜(c)と同様の構造であるが、マウンド部13を、略円錐状部11と12の間に形成する際に内部13cを石材から形成し、表層部13bを石炭灰ブロックから構成し二層構造にしたものである。
【0078】
図10(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物90は、図2と同様の構築工程S01〜S03により構築することができるが、マウンド部13の内部13cを石材で構築してから、内部13cの石材を覆うようにして表層部13bを石炭灰ブロックで構築する。これにより、マウンド部13の石炭灰ブロックの必要量が減り、図1の場合よりも建設コストを低減できる。また、マウンド魚礁構造物90の横方向断面は図1(b)と同様の斜面15,16を有する略三角形状であり、図1(a)〜(c)と同様の効果を奏することができる。
【0079】
なお、図10(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物90のマウンド部13の二層構造は、図3〜図7の各マウンド魚礁構造物に適用可能であり、建設コストの一層の低減化を実現できる。
【0080】
〈第8の実施の形態〉
【0081】
図8に示す第8の実施の形態によるマウンド魚礁構造物70は、海底面Gに断面形状が略台形状になるように石材から形成された土台部71と、土台部71の上に断面形状が略三角形状になるように石炭灰ブロックから形成されたマウンド部72と、を備える。マウンド部72は石炭灰ブロックからなる斜面73,74を有し、斜面73,74で湧昇流を発生させることができる。
【0082】
図8のマウンド魚礁構造物70は、石材を用いて海底面Gに下部に土台部71を構築し、その上に石炭灰ブロックを用いてマウンド部72を構築することで建設できる。なお、マウンド魚礁構造物70は、斜面73,74を有するように図8の紙面垂直方向に延びた構成にできる。
【0083】
図8のマウンド魚礁構造物70によれば、石材のみを構成材料とする同一形状のマウンド魚礁と比較すると、マウンド部72に石炭灰ブロックを用いることで魚類の蝟集効果を大幅に向上できるとともに、産業廃棄物のリサイクル効果を併せ持つことができ、また、石炭灰ブロックのみを構成材料とする同一形状のマウンド魚礁と比較すると、土台部71の構成材料である石材が低コストであるから建設コストを大幅に低減することができる。
【0084】
また、構築時において略三角形状断面のマウンド部72の形状は比較的容易に確保することができる。
【0085】
なお、図8のマウンド魚礁構造物70では、石炭灰ブロックを投入したときブロックが海底面Gまで転がり落ちないように土台部71の上面幅wにある程度の余裕を持たせる必要があり、また、構成材料の投入時の拡散により土台部71の斜面の傾斜角αも緩くなるので、結果的に土台部71の構成材料の投入量が増える場合もあるが、土台部71の構成材料は石材であるので、コスト的にはさほど影響がない。
【0086】
また、マウンド部72も構成材料の投入時に拡散が発生するので、マウンド部72の構築工程において構築状況を測量しながら投入位置を調整することが好ましい。この構築状況の測量に関しては、本出願人による上記特許出願に記載の方法を用いることができる。
【0087】
〈第9の実施の形態〉
【0088】
図9に示す第9の実施の形態によるマウンド魚礁構造物80は、海底面Gに断面形状が略三角形状になるように石材から形成された土台部81と、土台部81全体を覆って斜面83,84を形成するように石炭灰ブロックから形成されたマウンド表層部82と、を備え、二層構造になっている。マウンド表層部82において石炭灰ブロックからなる斜面83,84で湧昇流を発生させることができる。
【0089】
図9のマウンド魚礁構造物80は、石材を用いて海底面Gに土台部81を構築し、その上に三角形状断面の土台部81全体を覆うように石炭灰ブロックでマウンド表層部(以下、単に「表層部」ともいう)82を構築することで建設できる。なお、マウンド魚礁構造物80は、斜面83,84を有するように図9の紙面垂直方向に延びた構成にできる。
【0090】
図9のマウンド魚礁構造物80によれば、石材のみを構成材料とする同一形状のマウンド魚礁と比較すると、マウンド表層部82に石炭灰ブロックを用いることで魚類の蝟集効果を大幅に向上できるとともに、産業廃棄物のリサイクル効果を併せ持つことができ、また、石炭灰ブロックのみを構成材料とする同一形状のマウンド魚礁と比較すると、土台部81の構成材料である石材が低コストであるから建設コストを大幅に低減することができる。
【0091】
また、マウンド魚礁構造物80の表層部のほぼ全面を石炭灰ブロックから形成できるので、石炭灰ブロックの表面積を図8よりも大きくできる。
【0092】
なお、図9のように、構成材料から略三角形状断面の土台部81を形成し、その後、性質の異なる構成材料でマウンド表層部82を構築する方法によれば、マウンド高さと水深の関係によっては、土台部81の斜面の傾斜角βが緩くなる可能性があり、更に、マウンド表層部82の構築時に投入する構成材料が土台部81の斜面に沿って転落して法先部に集積し、構成材料のロスが大きくなる場合があるので、マウンド表層部82の構築工程において構築状況を測量しながら投入位置を調整することが好ましい。
【0093】
また、図8,図9では、上述のように構成材料の投入量が増える可能性があり、また、マウンド魚礁構造物の斜面の傾斜角の低下が構成材料の投入量増加だけでなく、発生湧昇量の非効率化にも繋がる可能性があるので、マウンド高さと水深の関係等のためにかかる斜面の傾斜角低下の可能性がある場合には、図1〜図7,図10のような石材等の構成材料からなる略円錐状部を最初に構築するマウンド魚礁構造物の方が好ましい。
【0094】
また、図9,図10において、マウンド魚礁構造物80,90を設置する海域の潮流が殆ど一定方向に流れる場合には、表層部82の一方の斜面83または84,表層部13bの一方の斜面15または16を二層構造とし、他方の斜面は、二層構造ではなく、土台部81,内部13cの石材を露出させるようにしてもよい。例えば、図10(c)において潮流の流れ方向mがほぼ一定であれば、斜面15側を表層部13bと内部13cとからなる二層構造とし、斜面16側を石材のみから構成するようにしてもよい。
【0095】
以上のように、異なる特徴を有するマウンド魚礁を実現するような複数の異なる構成材料によるマウンド魚礁構造やその構築方法について、これまで有効で合理的な提案はなされていなかったが、上述の各実施の形態によれば、性質の異なる複数の構成材料を用い、少なくとも表層部を魚類の蝟集効果が優れた石炭灰ブロックで構成し内部の少なくとも一部を経済性が優れた石材で構成するといった合理的な構成により、マウンド魚礁構造物の機能向上を低コストで実現できる。
【0096】
更に、マウンド魚礁構造物の建設に使用する構成材料の選択範囲を大幅に広げることが可能となり、当面は経済性に優れる構成材料によって略円錐状部や土台部を先行して構築し、その後、マウンド魚礁の機能を付加するような構成材料によってマウンド部またはマウンド表層部の構築することで、容易かつ低コストで建設が可能となる。
【0097】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、複数の構成材料として、石材と、石炭灰を利用したブロックを用いたが、本発明はこれらに限定されず、他の構成材料であってもよく、例えば、水産廃棄物である帆立や牡蠣等の貝殻を用いたブロックでもよく、コンクリートのみからなるブロックでもよいし、将来新たに開発される構成材料であってもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、横方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)、及び縦方向のc−c線方向に切断してみた概略的な縦断面図(c)である。
【図2】図1(a)〜(c)のマウンド魚礁構造物を構築する工程S01〜S03を説明するためのフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、及び縦方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)である。
【図4】第3の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、及び縦方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)である。
【図5】第4の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、及び縦方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)である。
【図6】第5の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、横方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)、及び縦方向のc−c線方向に切断してみた概略的な縦断面図(c)である。
【図7】第6の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、及び縦方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)である。
【図8】第8の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す横断面図である。
【図9】第9の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す横断面図である。
【図10】第7の実施の形態によるマウンド魚礁構造物を概略的に示す平面図(a)、横方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)、及び縦方向のc−c線方向に切断してみた概略的な縦断面図(c)である。
【図11】従来のマウンド魚礁の概略的な平面図(a)、横方向のb−b線方向に切断してみた概略的な横断面図(b)、及び縦方向のc−c線方向に切断してみた概略的な縦断面図(c)である。
【符号の説明】
【0099】
10 マウンド魚礁構造物
11 第1の略円錐状部
12 第2の略円錐状部
13 マウンド部
13a 頂上部
13b 表層部
13c 内部
15,16 斜面
20 マウンド魚礁構造物
21 第1の略円錐状部
22 第2の略円錐状部
23 マウンド部
30 マウンド魚礁構造物
31 第1の略円錐状部
32 第2の略円錐状部
33 マウンド部
40 マウンド魚礁構造物
41 第1の略円錐状部
42 第2の略円錐状部
43 第3の略円錐状部
44 第1のマウンド部
45 第2のマウンド部
50 マウンド魚礁構造物
51 略円錐状部
52 第1のマウンド部
53 第2のマウンド部
55,56 斜面
60 マウンド魚礁構造物
61 第1の略円錐状部
62 第2の略円錐状部
63 第1のマウンド部
64 第2のマウンド部、延長部
65 第3のマウンド部、延長部
70 マウンド魚礁構造物
71 土台部
72 マウンド部
73,74 斜面
80 マウンド魚礁構造物
81 土台部
82 マウンド表層部、表層部(マウンド部)
83,84 斜面
90 マウンド魚礁構造物
G 海底面
L 縦方向
f マウンド幅
f1〜f5 マウンド幅
h マウンド高さ
m 潮流の方向
n 湧昇流の方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状に構築されるマウンド魚礁構造物であって、性質の異なる複数の構成材料からなることを特徴とするマウンド魚礁構造物。
【請求項2】
湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状に構築されるマウンド魚礁構造物であって、
両端に形成された略円錐状部と、前記略円錐状部の間に形成されて斜面を有するマウンド部と、を備え、
前記マウンド部の構成材料は前記略円錐状部の構成材料と性質が異なることを特徴とするマウンド魚礁構造物。
【請求項3】
前記マウンド魚礁構造物の表層部分に魚類の蝟集効果の高い構成材料を配置し、前記表層部以外の部分には経済性のある別の構成材料を配置した請求項1または2に記載のマウンド魚礁構造物。
【請求項4】
湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状にマウンド魚礁構造物を構築する構築方法であって、
第1の構造部を第1の構成材料から構築し、
前記第1の構造部の少なくとも一部を覆うように第2の構造部を前記第1の構成材料と性質が異なる第2の構成材料から構築することを特徴とするマウンド魚礁構造物の構築方法。
【請求項5】
湧昇流を発生させるために海底面にマウンド状にマウンド魚礁構造物を構築する構築方法であって、
第1の構成材料を用いて第1の略円錐状部を構築し、
前記第1の略円錐状部から離れた位置に第2の略円錐状部を構築し、
前記第1の略円錐状部と前記第2の略円錐状部との間に前記第1の構成材料と性質が異なる第2の構成材料から斜面を有するマウンド部を構築することを特徴とするマウンド魚礁構造物の構築方法。
【請求項6】
前記第1及び第2の略円錐状部から離れた位置に第3の略円錐状部を構築してから、前記各略円錐状部の間に前記マウンド部を構築する請求項5に記載のマウンド魚礁構造物の構築方法。
【請求項7】
前記第2の略円錐状部及び/又は前記第3の略円錐状部を前記第1の構成材料から構築する請求項5または6に記載のマウンド魚礁構造物の構築方法。
【請求項8】
前記第2の略円錐状部及び/又は前記第3の略円錐状部を前記第1の構成材料と異なる第3の構成材料から構築する請求項5または6に記載のマウンド魚礁構造物の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−212108(P2008−212108A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57080(P2007−57080)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【Fターム(参考)】