説明

マガジン

【課題】商品を前方に押す力を十分に確保できるとともに、商品を左右にバランスの取れた力で前方に押すことが可能なマガジンを提供する。
【解決手段】マガジン100は、複数の商品(例えば、たばこのカートン60)が前後方向に一列に搭載される搭載部101を有している。マガジン100は、搭載部101に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の商品の背面を前方に押す押板部220と、押板部220を前方に付勢する付勢部(例えば、リール50)と、を有している。一の搭載部101に対応して、複数の押板部220が、それらの移動方向が並列となるように配置されている。押板部220の各々に対応して、個別に付勢部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品が搭載されるマガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な商品が商品収納装置に収納されている。
【0003】
様々な商品のうち、例えばたばこ商品などの特定の商品を収納する商品収納装置は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタ上又はその周辺に配置されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うたばこ商品とは、実際に喫煙される紙巻たばこではなく、複数の紙巻たばこを収容している直方体状のパッケージ、および複数のパッケージを収容しているカートン(或いはパーセル)を意味している。
【0005】
商品収納装置には、例えば、マガジンなどと呼ばれる容器が設置され、マガジンには、複数の商品を前後方向に一列に搭載でき、先頭の商品から順にマガジンから取り出せるようになっている。
【0006】
このようなマガジンとしては、例えば、特許文献1に記載のものがある。特許文献1のマガジンは、商品が一列に搭載される搭載部(同文献の床板)と、搭載部に沿って前後に移動できる押板部(同文献の商品押圧付勢手段)と、を備えている。押板部は、渦巻き状に巻かれた板バネの弾性復帰力によって前方に付勢され、商品を前方に押す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−34737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のマガジンでは、商品の重量が大きいなどの理由から商品の静止摩擦係数が大きい場合、押板部により商品を前方に押す力が不足する懸念がある。また、商品の幅寸法が大きい場合、押板部によって商品を左右にバランス良く前方に押すことが困難となり、搭載部上における商品の配置が乱れる可能性がある。
【0009】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、商品を前方に押す力を十分に確保できるとともに、商品を左右にバランスの取れた力で前方に押すことが可能なマガジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の前記商品の背面を前方に押す押板部と、
前記押板部を前方に付勢する付勢部と、
を有し、
一の前記搭載部に対応して、複数の前記押板部がそれらの移動方向が並列となるように配置され、
前記押板部の各々に対応して、個別に前記付勢部が設けられていることを特徴とするマガジンを提供する。
【0011】
このマガジンによれば、一の搭載部に対応して複数の押板部がそれらの移動方向が並列となるように配置されているとともに、押板部の各々に対応して個別に付勢部が設けられている。このため、複数の付勢部による付勢力を合算した付勢力によって、搭載部上の商品を前方に押すことができるので、押板部及び付勢部が1つだけの場合と比べて、商品を前方に押す力を十分に確保することができるとともに、複数の押板部により商品を左右にバランスの取れた力で前方に押すことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品を前方に押す力を十分に確保できるとともに、商品を左右にバランスの取れた力で前方に押すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係るマガジンの平面図である。
【図2】第1の実施形態に係るマガジンの側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るマガジンの側断面図である。
【図4】第1の実施形態に係るマガジンの正面図である。
【図5】第1の実施形態に係るマガジンの前送りユニット(押板部を含む)を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るマガジンのリール(付勢部)を示す側面図である。
【図7】第1の実施形態に係るマガジンの動作を説明するための側断面図である。
【図8】第1の実施形態に係るマガジンの押板部の摩擦部材の配置の変形例を示す模式的な平面図である。
【図9】第2の実施形態に係るマガジンの斜視図である。
【図10】第2の実施形態に係るマガジンの平面図である。
【図11】第2の実施形態に係るマガジンの側面図及び側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施形態〕
図1乃至図4は第1の実施形態に係るマガジン100を示す図であり、このうち図1は平面図、図2は側面図、図3は側断面図(図1のA−A線に沿った矢視断面図)、図4は正面図である。ただし、図4においては、フラップ部材30の図示を省略している。
図5はマガジン100の前送りユニット20を示す図であり、このうち(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。図6はマガジン100のリール(付勢部)50を示す側面図である。
図7はマガジン100の動作を説明するための側断面図(図1のB−B線に沿った矢視断面図)であり、このうち(a)はカートン60が前送りされた状態を、(b)はカートン60の取り出し中の状態を、それぞれ示す。
【0016】
本実施形態に係るマガジン100は、複数の商品(例えば、たばこのカートン60)が前後方向に一列に搭載される搭載部101と、搭載部101に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の商品の背面を前方に押す押板部220と、押板部220を前方に付勢する付勢部(例えばリール50)と、を有している。一の搭載部101に対応して、複数の押板部220がそれらの移動方向が並列となるように配置されている。押板部220の各々に対応して、個別に付勢部が設けられている。以下、詳細に説明する。
【0017】
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係るマガジン100は、たばこのカートン60の搭載用である。搭載部101の横幅は、カートン60の長手寸法に対応している。 図1に示すように、カートン60は、その長手方向がマガジン100の左右方向に延在するように、搭載部101に搭載される。図1においては、カートン60を一点鎖線で示し、図4ではカートン60の図示を省略している。
カートン60は、複数の紙巻きたばこを収容している直方体のパッケージを、複数個(通常10個)収容している。搭載部101には、パーセルを搭載することもできる。
【0018】
本実施形態に係るマガジン100は、マガジン本体10と、マガジン本体10に取り付けられた複数(具体的には、例えば3つ)の前送りユニット20と、マガジン本体10の前端部に設けられたフラップ部材30と、を有している。
【0019】
各前送りユニット20は、押板部220を有している。これら前送りユニット20は、搭載部101において、左右対称に配置されている。すなわち、中央の前送りユニット20(20b)は、搭載部101の左右方向における中央に配置され、左右の前送りユニット20(20a、20c)は、前送りユニット20bから等間隔に配置されている。
各前送りユニット20は、互いに独立的に、前後に移動可能となっている。すなわち、複数の押板部220が互いに独立的に前後に移動可能である。
これら複数の前送りユニット20の押板部220は、協働して、最後尾のカートン60の背面を前方に押す。
【0020】
マガジン本体10は、その下端部より下方に突出するブレード形状の複数の突起部19を有している。突起部19は、例えば、マガジン本体10の左端部と右端部において、それぞれ前後に離間して一対ずつ設けられている。突起部19は、例えば、マガジン100が収納される商品収納装置(図示略)の底板に形成された位置決め用の溝などに対して係合する。
【0021】
マガジン本体10は、上方及び前方に開放した箱形形状に形成されている。具体的には、マガジン本体10は、底板部11と、左右の側壁部12と、後壁部14と、を有している。
【0022】
底板部11は、平板状に形成され、水平に配置される。底板部11の平面形状は矩形状となっており、マガジン本体10の平面形状も矩形状となっている。
【0023】
左右の側壁部12は、底板部11の左右両端部よりそれぞれ起立し、互いに平行に対向している。例えば、側壁部12の各々は、互いに対向している一対の側板部12a、12bを有し、各側板部12a、12bの板面が左右方向を向いている。より具体的には、例えば、側壁部12は、正面断面形状が矩形状で、前後方向に長尺な中空形状となっている。側壁部12はこのように構成されているため、強度に優れている。
【0024】
後壁部14は、底板部11の後端部より起立している。後壁部14は、例えば、2重の板状部、すなわち前板部14a及び後板部14bを有する。前板部14a及び後板部14bは、それぞれ板面が前後方向を向いている。前板部14aと後板部14bとの間には、上方に開口するスリット状のカード保持部14cが形成されている。カード保持部14cには、例えばプライスカード(図示略)などのカードを必要に応じて差し込んで、保持させることができるようになっている。プライスカードとは、例えば、商品の銘柄及びその値段を表示するカードである。
【0025】
後板部14bを透視して、カード保持部14cに差し込まれたカードの表示内容をマガジン100の後方から視認できるように、後板部14bは、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。
なお、例えば、マガジン本体10の全体が、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により一体形成されている。マガジン本体10の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、ハイインパクトポリスチレン)が挙げられる。
【0026】
マガジン本体10の前端部には、フラップ部材30が取り付けられている。フラップ部材30は、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に、マガジン本体10の前端部に軸支されている。フラップ部材30は、例えば、その背面下部より後方に突出するように形成された、フック形状の軸受部37(図7)を有している。軸受部37は、マガジン本体10の前端部に形成された軸部に対し、係止されることで軸支されている。この軸部は、例えば、マガジン100の幅方向における複数箇所に、互いに同軸上に、分散して配置されている。同様に、軸受部37も、マガジン100の幅方向における複数箇所に、分散して配置されている。
【0027】
フラップ部材30は、直立状態では押板部220と対向するとともに、マガジン本体10の前端部を閉塞する。フラップ部材30は、常態である直立状態から、直立状態に対して規定の角度だけ前傾した状態である前傾状態までの角度範囲において、マガジン本体10に対して揺動可能となっている。
【0028】
本実施形態の場合、フラップ部材30は、搭載部101(後述)の幅方向全域に延在している。
フラップ部材30は、それぞれ平板状に形成された前板部31と、後板部32と、を有し、それらの間には、スリット状のカード保持部33が形成されている。フラップ部材30は、前後に薄い扁平形状をなし、常態において、前板部31及び後板部32の板面が前後方向を向く。後板部32の上端位置は、例えば、前板部31の上端位置よりも低くなっている。
カード保持部33には、例えばプライスカードなどのカードを必要に応じて差し込んで、保持させることができるようになっている。
【0029】
ここで、カード保持部33は、フラップ部材30の幅方向全域に亘って形成されていても良いし、フラップ部材30において、搭載部101の前端部の左右方向中心からずれた位置に配置されていても良い。後者の場合、搭載部101からカートン60を取り出す際に、その取り出しを行う手によってプライスカード等のカードの視認性を妨げないようにすることができる。よって、素早い動作でカートン60を取り出しながらも、例えば銘柄やその値段を確認する作業を並行して行うことが可能となる。
【0030】
前板部31を透視して、カード保持部33に差し込まれたカードの表示内容をマガジン100の前方から視認できるように、前板部31は、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。
例えば、フラップ部材30の全体が、透明樹脂などの透明材或いは半透明材により構成されている。フラップ部材30の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、ハイインパクトポリスチレン)が挙げられる。
【0031】
フラップ部材30の上端の位置は、搭載部101に搭載されるカートン60の上端よりも低く、例えば、カートン60の下部(カートン60の上端と下端との中間よりも下の部分)に位置している。
【0032】
マガジン本体10において、底板部11と、左右の側壁部12と、後壁部14と、フラップ部材30と、により囲まれた半筐体状の領域(搭載部101)には、複数のカートン60を前後方向に一列に搭載し、収容できるようになっている。
【0033】
搭載部101の横幅は、カートン60の長手寸法に対応している。具体的には、左右の側壁部12の側板部12b同士の対向間隔が、カートン60の長手寸法と同等か、それよりも若干大きい寸法に設定されている。
【0034】
底板部11には、それぞれ前送りユニット20を前後方向にガイドする複数(本実施形態の場合、例えば3つ)のスリット15が、前後方向に延在して形成されている。各スリット15は、底板部11の表裏を貫通している。これらスリット15は、互いに並列(具体的には互いに横並び且つ平行)に配置されている。
【0035】
底板部11において、スリット15の左右の縁部は、それぞれ、前送りユニット20が前後移動する際に該前送りユニット20をガイドするガイドレール16を構成している。本実施形態の場合、ガイドレール16の数は合計で6つである。
各ガイドレール16は、底板部11の上面より上方に起立し、前後方向に延在する突条部17を含んで構成されている。従って、突条部17の数も合計で6つである。
【0036】
更に、底板部11の上面において、左端の突条部17と左の側壁部12との間の部分と、右端の突条部17と右の側壁部12との間の部分には、底板部11の上面より上方に起立し、前後方向に延在する突条部18が、それぞれ形成されている。カートン60は、これら左右一対の突条部18によって支持される。
つまり、搭載部101の底面より上に突出し、カートン60を支持する一対の突条部18が、左端の押板部220よりも左側の位置と、右端の押板部220よりも右側の位置とにおいて、それぞれ前後方向に延在している。このように、本実施形態の場合、例えば、突条部18の数は2つである。
突条部18の高さ(上下寸法)は、突条部17のそれよりも大きい。このため、突条部18の頂点の方が、突条部17のそれよりも高い鉛直位置に配置されている。
【0037】
カートン60は、前送りユニット20の押板部220により押されて前方に移動する際に、これら突条部18と、左右の側壁部12と、にガイドされる。
突条部18の前端部は、前方に向けて上り傾斜した傾斜部18aとなっている。より具体的には、例えば、底板部11の前端部が前方に向けて上り傾斜していることにより、底板部11上の突条部18の前端部も、上り傾斜している。
マガジン本体10の前端部に前送りされた先頭のカートン60は、この傾斜部18aの傾斜に沿って上方に持ち上げられるようになっている。
【0038】
前送りユニット20は、底板部11に対して連結され、スリット15に沿って前後方向に移動可能となっている。
【0039】
図5に示すように、前送りユニット20は、底板部11に対して連結された連結部120と、この連結部120の前端より起立するように設けられ最後尾のカートン60の背面を前方に付勢する押板部220と、を有している。
【0040】
連結部120は、底板部11のガイドレール16の上面に沿って配置される左右一対の上側板状部121と、ガイドレール16の下面に沿って配置される下側板状部122と、上側板状部121と下側板状部122とを連結する左右一対の上下連結部123と、を有している。
上側板状部121と下側板状部122とにより、ガイドレール16を上下から挟み込むことで、連結部120が底板部11に対して連結されている。上下連結部123は、スリット15を上下に貫通するように配置されている。
このように連結された状態で、連結部120、ひいては前送りユニット20の全体が、スリット15に沿って前後にスライド移動可能となっている。
【0041】
ここで、底板部11には、前送りユニット20を底板部11に対して着脱するための着脱用開口11cが形成されている。この着脱用開口11cは、各スリット15の後方に隣接して、各スリット15と連続的に形成されている。着脱用開口11cは、連結部120の下側板状部122を上から下、又は下から上へと通過させることが可能な寸法に形成されている。
マガジン本体10に対して前送りユニット20を取り付ける際には、連結部120の下側板状部122を着脱用開口11cの上側から下側へと通過させた後、連結部120を前方に移動させることにより、連結部120を底板部11に対して連結することができる。マガジン本体10から前送りユニット20を取り外す場合は、取り付ける場合とは逆の動作を行う。
【0042】
押板部220は、例えば、連結部120の前端部より上方に起立している下部起立部221と、この下部起立部221の上端部より前方(例えば前方斜め上方)に突出している前方突出部222と、この前方突出部222の突出方向における先端部より上方に起立している上部起立部223と、を有している。
上部起立部223の前面は、平坦に形成され、直立している。
【0043】
押板部220の前面下部(具体的には上部起立部223の前面下部)には、後方に向けて窪んだ指掛け用の凹部27が形成されている。
この凹部27には、上下方向の摩擦を水平方向の摩擦よりも大きくさせる凹凸加工が施されている。
その凹凸加工の具体的な一例は、水平方向に延在する複数条の溝28を、上下方向に離間して形成することである。或いは、凹部27がその上下方向中央部に向けて徐々に深く窪むように、凹部27を階段状に形成しても良い。
なお、凹部27の左右両側部には、凹部27の成型を容易にするために、上部起立部223を前後に貫通する開口部29が形成されている。
【0044】
押板部220の前面(具体的には上部起立部223の前面)の両側部には、当該前面よりも摩擦係数が大きい材質により構成された摩擦部材70がそれぞれ設けられている。
摩擦部材70は、凹部27の左右にそれぞれ配置されている。
【0045】
前送りユニット20は、例えば、その全体が樹脂により一体形成されている。前送りユニット20の材質としては、例えば、POM(Polyoxymethylene、Polyacetal)などが挙げられる。
摩擦部材70は、例えば、前送りユニット20の材質よりも軟質の、シリコンゴム、ポリウレタン或いはその他の合成ゴムにより構成されている。
【0046】
摩擦部材70は、上下方向に延在している。
摩擦部材70は、その下部に向けて徐々に、前方への突出量が大きくなっている。
摩擦部材70は、上下に長尺で、前後方向に薄い、正面視短冊状の平板形状に形成されている。上部起立部223の前面には、下方に向けて徐々に浅くなる正面視短冊状の配置用凹部225が形成されている。配置用凹部225に摩擦部材70が配置されたことにより、摩擦部材70はその下部に向けて徐々に前方への突出量が大きくなっている。なお、各前送りユニット20a、20b、20cの押板部220の摩擦部材70の突出量は、例えば、互いに等しい。
例えば、摩擦部材70の上端部の前面は、上部起立部223の前面と面一となっている。
【0047】
摩擦部材70が設けられたことにより、カートン60に対する押板部220の密着性が向上し、押板部220によりカートン60を後方から安定的に支持し、カートン60をしっかりと前方に押し出すことが可能となっている。
【0048】
ここで、摩擦部材70は、その上部に向けて徐々に、前方への突出量が小さくなっているので、カートン60を押板部220の前方にスムーズに装填することができる。ただし、摩擦部材70は、その下部に向けて徐々に、前方への突出量が大きくなっていることによって、カートン60をしっかりと前方に押し出すことができる。
このように、カートン60の装填のしやすさと、押板部220によるしっかりとした押し出しとを両立することができる。
【0049】
前送りユニット20において、下側板状部122の上面側、且つ、押板部220の背面側の部位には、リール50を保持するリール保持室21が形成されている。
前送りユニット20は、上側板状部121より上方に起立するとともに、押板部220より後方に起立する左右一対の補強板22を有している。
リール保持室21の左右端部は一対の補強板22により画定され、リール保持室21の下端部は下側板状部122により画定されている。リール保持室21の上端部は、補強板22の間に架設された保持室天板24により画定されている。
リール保持室21は、後方に向けて開放した凹部形状となっている。
【0050】
各前送りユニット20のリール保持室21には、付勢部としてのリール50が装着されている。つまり、リール50は、押板部220の各々に対応して個別に設けられている。
【0051】
図6の側面図に示すように、リール50は、左右方向に薄い扁平形状のハウジング53と、軸方向が左右方向となるようにハウジング53の中央部に固定された回転軸55と、この回転軸55の軸周りにおいて回転可能にハウジング53内に設けられた円筒形状の回転リール体57と、回転リール体57の内側に設けられた板バネ(ゼンマイバネ)56と、リール紐51と、留め具52と、を有している。
板バネ56は、その一端部が回転軸55に固定され、且つ、回転軸55の周囲に渦巻き状に巻回されている。その巻回の方向は、図6において時計回りである。板バネ56の他端部は、回転リール体57に固定されている。
リール紐51は、その一端部が回転リール体57に固定され、且つ、回転リール体57の周囲に巻回されている。リール紐51の巻回方向は、板バネ56の巻回方向と同方向である。なお、回転リール体57の左右両端にはそれぞれフランジ部が形成され、フランジ同士の間の部分にリール紐51が巻回されている。
リール紐51の他端側の部分は、ハウジング53に形成された引出口54を介して、ハウジング53より引き出されている。
【0052】
板バネ56は、回転リール体57を一方向(図6において反時計回り)に回転させる方向へと、つまり、リール紐51をハウジング53内に引き込む方向へと、回転リール体57を弾性力によって付勢している。
リール紐51をハウジング53から引き出すことにより、回転リール体57は、板バネ56の弾性力に抗して、上記一方向に対する反対方向(図6において時計回り)へと回転する。
【0053】
リール紐51は、前送りユニット20の前部の下部に形成された引出用開口124(図5(a))を介して、リール保持室21より前送りユニット20の前方に引き出されている。
リール紐51の他端(先端)には、留め具52が取り付けられている。
留め具52は、フラップ部材30の背面における下部に形成された係止部36(図7)に対し、係止されることで固定されている。係止部36は、引出用開口124の正面(前方)に配置されている。
このため、リール50は、板バネ56の付勢力によって、前送りユニット20を前方に引っ張っている(付勢している)。
この引っ張り力(付勢力)により、前送りユニット20の押板部220が最後尾のカートン60の背面を前方に押すようになっている。
【0054】
このように、前送りユニット20は、搭載部101に沿って前後に移動するように設けられ、リール50の付勢力によって、最後尾のカートン60の背面を前方に押す。
先頭のカートン60が搭載部101から取り出されると、前送りユニット20は、リール50の付勢力によって残りのカートン60を前方に移動させる。
【0055】
なお、リール紐51は、突条部18上に支持されるカートン60の下端よりも低い位置において前後方向に延在している。このため、突条部18により支持されるカートン60とリール紐51とが互いに干渉しないようになっている。
また、係止部36と、軸受部37とは、左右方向における配置が異なっており、互いに干渉しないようになっている。
また、係止部36は、軸受部37よりも僅かに上に位置している。そして、フラップ部材30は、リール50の引っ張り力を利用して、常態において直立するようになっている。
【0056】
マガジン100は、更に、搭載部101の前端部において、フラップ部材30の後方に位置して(具体的には、例えば、フラップ部材30の後方に隣接して)、搭載部101の底面(底板部11)より起立し、カートン60の前進を規制する起立壁部41、42、43を有している。
起立壁部41は、左端の前送りユニット20の前方位置に配置され、起立壁部42は、中央の前送りユニット20の前方位置に配置され、起立壁部43は、右端の前送りユニット20の前方位置に配置されている。すなわち、起立壁部41、42、43は、少なくとも、複数の押板部220の各々の前方位置に存在する。より具体的には、起立壁部41、42、43は、複数の押板部220の前方位置にそれぞれ配置されている。
各起立壁部41〜43は、平板状に形成され、その板面が前後方向を向いている。
各起立壁部41〜43がリール紐51と干渉することがないように、各起立壁部41〜43の下部には、各起立壁部41〜43を前後に貫通する開口部44(図4)が形成され、各起立壁部41〜43は門型に形成されている。各起立壁部41〜43の開口部44には、それぞれ対応するリール紐51が前後に通過している。
【0057】
カートン60が押板部220により押されて前進する際には、フラップ部材30の手前(後方)で先頭のカートン60の前進が起立壁部41、42、43により規制される(図7(a))。よって、カートン60がフラップ部材30に衝突することが好適に抑制されるので、その衝突によるフラップ部材30の前傾や、前方へのカートン60の脱落を抑制することができる。
【0058】
先頭のカートン60を搭載部101から取り出す際には、図7(b)に示すように、先頭のカートン60がフラップ部材30にもたれ掛かることによって、フラップ部材30がリール50の引っ張り力に抗して前傾する。この際、例えば、カートン60の前面が、起立壁部41〜43の上端面やフラップ部材30の後板部32などにガイドされながら、カートン60が斜め前方に引き抜かれる。なお、例えば、フラップ部材30は、カートン60よりも幅広であり、フラップ部材30の左右両端の側壁部は、カートン60と干渉しないようになっている。
カートン60を取り出した後は、フラップ部材30は、リール50の引っ張り力によって直立状態に復帰する。
【0059】
ここで、上記の突条部18が搭載部101の左端部と右端部にそれぞれ配置されていることと相まって、各前送りユニット20は、搭載部101のやや中央寄りに集約して配置されている。
これに対し、図4に示すように、左端の押板部220の前方に位置する起立壁部41は、左端の押板部220の左右方向中心を基準として、右側よりも左側へと、より大きく張り出し、右端の押板部220の前方に位置する起立壁部43は、右端の押板部220の左右方向中心を基準として、左側よりも右側へと、より大きく張り出している。
これによって、左右方向により広い範囲で、起立壁部41〜43によってカートン60の前進を規制できるので、カートン60の挙動の左右非対称性を抑制することが可能となり、常に、搭載部101上のカートン60を整然と整列させることができる。
【0060】
ここで、以下に説明するロック機構によって、前送りユニット20をマガジン本体10の後部において該マガジン本体10に対してロック状態とし、前送りユニット20の前進を規制することができるようになっている。
【0061】
このロック機構は、底板部11において、スリット15の後端部の左右縁部にそれぞれ形成された係止部11bを有している。係止部11bは、該係止部11bよりも前側が高く、該係止部11bよりも後側が低くなる段差面である。
前送りユニット20をリール50の付勢に抗して後方に移動させて、左右一対の上側板状部121の前端面をそれぞれ左右の係止部11bに係止させることにより、前送りユニット20をマガジン本体10の後部においてロック状態とすることができる。
底板部11において、係止部11bよりも後側の部分は、その周囲の部分よりも上下方向厚みが薄い薄肉部11aとなっている。これにより、薄肉部11aの前端部に、段差面である係止部11bが形成されている。
【0062】
搭載部101にカートン60を搭載するには、前送りユニット20を搭載部101の後部に向けて移動させ、前送りユニット20とフラップ部材30との間隔を広げ、その間隔にカートン60を搭載する。
各前送りユニット20をマガジン本体10の後部に対してロック状態とすることにより、各前送りユニット20の前進をそれぞれ手で抑止しなくても、搭載部101にカートン60を搭載することができる。
【0063】
ここで、上部起立部223の前面に、指掛け用の凹部27が形成されているので、この凹部27を前方から指で押したり、或いは後方から指で引いたりすることで、前送りユニット20を後部に向けて移動させることができる。
この凹部27は、上部起立部223の下部に位置しているので、凹部27を指で押す動作、或いは指で引く動作によって、スムーズに、前送りユニット20をロック状態にすることができる。
特に、上側板状部121の前端面が係止部11bの位置に達するまで後方に移動した段階で、凹部27に下向きに力を加えることによって、よりスムーズに、前送りユニット20をロック状態にすることができる。
凹部27は、後方に向けて窪んでいるので、凹部27の下部を指で押したり引いたりすることにより、容易に、凹部27に下向きに力を加えることができる。
凹部27には、上下方向の摩擦を水平方向の摩擦よりも大きくさせる凹凸加工が施されているので、凹部27に対し、下向きの力を効率よく伝達させることができる。
【0064】
以上のような第1の実施形態によれば、一の搭載部101に対応して複数の押板部220がそれらの移動方向が並列となるように配置されているとともに、押板部220の各々に対応して個別に、付勢部としてのリール50が設けられている。このため、複数のリール50による付勢力を合算した付勢力によって、搭載部101上のカートン60を前方に押すことができるので、押板部220及び付勢部が1つだけの場合と比べて、カートン60を前方に押す力を十分に確保することができるとともに、複数の押板部220によりカートン60を左右にバランスの取れた力で前方に押すことができる。よって、カートン60の挙動の左右非対称性を抑制することが可能となり、常に、搭載部101上のカートン60を整然と整列させることができる。
【0065】
<変形例>
図8は第1の実施形態に係るマガジン100の押板部220の摩擦部材70の配置の変形例を示す模式的な平面図である。
上記の第1の実施形態では、各前送りユニット20a、20b、20cの押板部220の摩擦部材70の突出量が互いに等しい例を説明した。これに対し、図8に示す各変形例では、各前送りユニット20a、20b、20cの押板部220の摩擦部材70の突出量が異なっている。
【0066】
図8(a)及び(b)の例では、左右方向の端部に位置する押板部220とカートン60との密着性が、他の押板部220(具体的には中央の押板部220)とカートン60との密着性よりも高まるように、少なくとも左右方向の端部に位置する押板部220の各々の前面に、摩擦部材70が設けられている。
このうち図8(a)の例では、左端と右端の前送りユニット20a、20cの押板部220の各々には摩擦部材70を設け、中央の前送りユニット20bの押板部220には摩擦部材70を設けていない。
図8(b)の例では、各前送りユニット20a、20b、20cの押板部220の各々に摩擦部材70を設け、且つ、左端の押板部220と右端の押板部220にそれぞれ左右に並んで設けられた一対ずつの摩擦部材70のうち、外側に位置する摩擦部材70aの方が、内側に位置する摩擦部材70bよりも、前方への突出長が大きい。
これらの例では、左右両端の押板部220とカートン60の密着性が高いことによって、カートン60を後方から左右バランス良く安定的に支持でき、且つ、何らかの理由で中央の押板部220が左右非対称に挙動した場合におけるカートン60の挙動の左右非対称性を抑制することができる。
特に、図8(b)の例では、左右両端の押板部220において、外側に位置する摩擦部材70aの方が、内側に位置する摩擦部材70bよりも突出長が大きいことにより、カートン60を後方から左右バランス良く安定的に支持する際に最も重要となる摩擦部材70aが損耗してしまうまでの寿命を長くすることができる。
【0067】
一方、図8(c)及び(d)の例では、左右方向の中央部に位置する押板部220とカートン60との密着性が、左右方向の端部に位置する押板部220とカートン60との密着性よりも高まるように、少なくとも左右方向の中央部に位置する押板部220の前面に、摩擦部材70が設けられている。
このうち図8(c)の例では、中央の前送りユニット20bの押板部220には摩擦部材70を設け、左端と右端の前送りユニット20a、20cの押板部220の各々には摩擦部材70を設けていない。
図8(d)の例では、各前送りユニット20a、20b、20cの押板部220の各々に摩擦部材70を設け、且つ、左端の押板部220と右端の押板部220にそれぞれ左右に並んで設けられた一対ずつの摩擦部材70のうち、外側に位置する摩擦部材70aの方が、内側に位置する摩擦部材70bよりも、前方への突出長が小さい。
これらの例では、中央の押板部220とカートン60の密着性が高いことによって、左右両端の押板部220の付勢力が若干アンバランスな場合であっても、カートン60の挙動の左右非対称性を抑制することができる。特に、中央の押板部220の前面に、左右に並ぶ一対の摩擦部材70が設けられているので、その効果が一層高められている。
なお、図8(d)の例では、左右両端の押板部220において、外側に位置する摩擦部材70aの方が、内側に位置する摩擦部材70bよりも突出長が小さいことにより、カートン60を後方から左右バランス良く安定的に支持する際に最も重要となる摩擦部材70aと、カートン60との接触機会を低減できる。よって、摩擦部材70aが損耗してしまうまでの寿命を長くすることができる。
【0068】
〔第2の実施形態〕
図9乃至図11は第2の実施形態に係るマガジン200を示す図であり、このうち図9は斜視図、図10は平面図、図11(a)は側面図、図11(b)は側断面図である。
【0069】
第2の実施形態に係るマガジン200は、以下に説明する点で上記の第1の実施形態に係るマガジン100と相違し、その他の点ではマガジン100と同様に構成されている。
【0070】
本実施形態の場合、例えば、2つの前送りユニット20(それぞれ押板部220を有する)が、搭載部101において左右対称に設けられている。
【0071】
上記の第1の実施形態では、前送りユニット20を前方に付勢する付勢部がリール50であるのに対し、本実施形態では、以下に説明する付勢部によって、前送りユニット20を前方に付勢している。
【0072】
本実施形態の付勢部は、マガジン本体10の前端部に固定されている板バネ繰出部257(図11(b))と、渦巻き状に巻回されている長尺な板バネ(ゼンマイバネ)256と、を有する。
【0073】
板バネ繰出部257は、例えば、ボビン(ドラム)形状に形成されている。すなわち、板バネ繰出部257は、軸方向が左右方向を向く円筒又は円柱状の胴体部と、この胴体部の左右両端部にそれぞれ形成された円板状のフランジ部と、を有している。
板バネ繰出部257は、前送りユニット20の連結部120の正面に配置されている。
【0074】
板バネ256は、その一端が板バネ繰出部257に固定され、且つ、該板バネ繰出部257の胴体部の周囲に渦巻き状に巻回されている。板バネ256は、その弾性力に抗して、板バネ繰出部257より後方に繰り出し可能となっている。
【0075】
連結部120には、その上側板状部121(図11(b))の下面より下方に突出する係止用ボス126が形成されている。
板バネ256の他端は、前送りユニット20の前部の下部に形成された引出用開口124を介して、引出用開口124の後方に導かれ、係止用ボス126に係止することで固定されている。
よって、板バネ256の弾性力により、前送りユニット20が前方に付勢されている。
【0076】
上記の第1の実施形態では、リール50の付勢力によって、フラップ部材30を直立させるが、本実施形態の場合、フラップ部材30は、自重のバランスによって、常態において直立するようになっている。
ただし、搭載部101のカートン60のうち、先頭のカートン60の前面が、押板部220によりフラップ部材30の背面に押し付けられることによっても、フラップ部材30の直立動作が補助されるようになっている。
搭載部101のカートン60の残数がゼロのときには、前送りユニット20が最前位置に前進することにより、前送りユニット20の前面の上部(例えば、上部起立部223の前面)がフラップ部材30の背面を前方に付勢し、フラップ部材30の直立動作を補助する。
【0077】
また、本実施形態の場合、フラップ部材30の形状及び配置が、上記の第1の実施形態と相違する。
フラップ部材30は、左右に並ぶ2つの前送りユニット20のうち、一方の前方位置に配置され、他方の前方位置には存在していない。
上記の第1の実施形態では、フラップ部材30の幅寸法は、搭載部101の幅方向全域に亘る寸法であるのに対し、本実施形態の場合、フラップ部材30の幅寸法は、搭載部101の幅寸法の半分よりも小さい。そして、このように幅寸法が小さいフラップ部材30が、搭載部101の前端部の左右方向中心位置を避けて、例えば左側の前送りユニット20の前方位置に配置されている。つまり、フラップ部材30は、搭載部101の前端部の左右方向中心からずれた位置に配置されている。
これにより、搭載部101からカートン60を取り出す際に、その取り出しを行う手によって、フラップ部材30のカード保持部33(図10)に保持されたプライスカード等のカードの視認性を妨げないようにすることができる。よって、素早い動作でカートン60を取り出しながらも、例えば銘柄やその値段を確認する作業を並行して行うことが可能となる。
【0078】
また、底板部11において、前送りユニット20の左右方向における中央部に位置する部位の前端部は、板バネ繰出部257の前面側の外周に沿って上方に向けて屈曲し、残数表示窓215を構成している(図9及び図11参照)。マガジン100の前方より、この残数表示窓215を透視して、板バネ繰出部257に巻回された板バネ256を視認できるようになっている。例えば、残数表示窓215を透視して視認される板バネ256の色を確認することによって、搭載部101上に搭載されているカートン60の残数が所定の個数以下となったことを認識できるように、板バネ256の一端部(前送りユニット20側)に近い所定の長さの部位には、着色シール(図示略)が貼り付けられている。この着色シールには、赤などの所定の色の着色が施されている。
【0079】
本実施形態の場合、押板部220の前面には、短冊状の摩擦部材70に代えて、円形の摩擦部材270が設けられている。また、この摩擦部材270は、例えば、押板部220の前面の上部において、その左右方向の中央部に配置されている。
【0080】
本実施形態の場合、側壁部12、後壁部14は、それぞれ、例えば、一枚板により構成されている。
【0081】
上記の第1の実施形態では、フラップ部材30が常態においてマガジン本体10の前面壁を構成するような態様である。
これに対し、本実施形態の場合、フラップ部材30の左右幅が小さいため、マガジン本体10の前端部には、フラップ部材30の配置領域以外の部位を閉塞する前面壁210が設けられている。
【0082】
前面壁210は、フラップ部材30を挟んで左右に分割された複数の起立板状部211と、これら起立板状部211の間に位置する起立板状部216(図11(b))と、を有している。これら起立板状部211、216は、それぞれ平板状に形成され、その板面が前後方向を向いている。
【0083】
起立板状部216は、マガジン本体10の前端部において、フラップ部材30の下側の部分を閉塞する部位であり、起立板状部211よりも上下寸法が小さい。
なお、起立板状部211は、残数表示窓215の上に、該残数表示窓215と連続的に形成されている。
【0084】
起立板状部211と起立板状部216との境界部には、袋形状リブ212が設けられている。袋形状リブ212は、平断面が台形状で内部が上下方向に筒抜けの中空形状に形成され、上下方向に延在している。この袋形状リブ212を介して、起立板状部211と起立板状部216とが連結されている。
このように、起立板状部211、216が袋形状リブ212を介して互いに連結されたことにより、マガジン本体10の前端部の撓みが抑制されている。
【0085】
フラップ部材30の配置領域では、フラップ部材30の存在によって前面壁210が開口しているため、該前面壁210の強度が不足する懸念がある。つまり、起立板状部216の強度が不足する懸念がある。このため、起立板状部216を補強するために、起立板状部216の上端部には、前方に向けて突出し、左右方向に延在する前方突出リブ213が形成されている。
【0086】
更に、マガジン本体10の前端部の下部の幅方向全域に亘って、側断面形状が矩形状のボックス型リブ214が形成されている(図9、図11(a))。このボックス型リブ214が形成されたことによっても、マガジン本体10の前端部の撓み、ひいてはマガジン本体10全体の撓みが抑制されている。
【0087】
以上のような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0088】
上記の各実施形態においては、複数の押板部220が互いに独立的に前後に移動可能な例を説明したが、複数の押板部220が互いに連結されて一体的に前後に移動可能となっていても良い。
【0089】
また、マガジン100が3つ以上の押板部220を有する場合に、これら押板部220にそれぞれ対応する付勢部の付勢力は、互いに等しくても良いし、そうでなくても良い。
例えば、左右方向における両端に位置する2つの押板部220とそれぞれ対応する付勢部の付勢力を、他の(中央部の)押板部220と対応する付勢部の付勢力よりも大きくすることが一例である。例えば、左右方向における両端に位置する2つの押板部220とそれぞれ対応する付勢部の板バネ56、256のばね定数を、他の付勢部の板バネ56、256のそれよりも大きくすることにより、そのような構成を実現できる。このようにすることによって、押板部220によって商品を後方から左右バランス良く安定的に支持することができるので、商品の挙動の左右非対称性を抑制することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 マガジン本体
11 底板部
11a 薄肉部
11c 着脱用開口
11b 係止部
12 側壁部
12a 側板部
12b 側板部
14 後壁部
14a 前板部
14b 後板部
14c カード保持部
15 スリット
16 ガイドレール
17 突条部
18 突条部
18a 傾斜部
19 突起部
20、20a、20b、20c 前送りユニット
21 リール保持室
22 補強板
24 保持室天板
27 指掛け用の凹部
28 溝
29 開口部
30 フラップ部材
31 前板部
32 後板部
33 カード保持部
36 係止部
37 軸受部
41、42、43 起立壁部
44 開口部
50 リール(付勢部)
51 リール紐
52 留め具
53 ハウジング
54 引出口
55 回転軸
56 板バネ
57 回転リール体
60 カートン
70、70a、70b 摩擦部材
100 マガジン
101 搭載部
120 連結部
121 上側板状部
122 下側板状部
123 上下連結部
124 引出用開口
126 係止用ボス
220 押板部
221 下部起立部
222 前方突出部
223 上部起立部
225 配置用凹部
200 マガジン
210 前面壁
211 起立板状部
212 袋形状リブ
213 前方突出リブ
214 ボックス型リブ
215 残数表示窓
216 起立板状部
256 板バネ
257 板バネ繰出部
270 摩擦部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品が前後方向に一列に搭載される搭載部と、
前記搭載部に沿って前後に移動するように設けられ、最後尾の前記商品の背面を前方に押す押板部と、
前記押板部を前方に付勢する付勢部と、
を有し、
一の前記搭載部に対応して、複数の前記押板部がそれらの移動方向が並列となるように配置され、
前記押板部の各々に対応して、個別に前記付勢部が設けられていることを特徴とするマガジン。
【請求項2】
当該マガジンは、たばこのカートン又はパーセルの搭載用であり、
前記搭載部の横幅は、前記カートン又は前記パーセルの長手寸法に対応していることを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
複数の前記押板部が互いに独立的に前後に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマガジン。
【請求項4】
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板部と対向するフラップ部材と、
前記搭載部の前端部において、前記フラップ部材の後方に位置して、前記搭載部の底面より起立し、前記商品の前進を規制する起立壁部と、
を有し、
前記起立壁部は、少なくとも、複数の前記押板部の各々の前方位置に存在することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項5】
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板部と対向するフラップ部材を更に有し、
前記フラップ部材は、カードを保持するカード保持部を有し、
(1)前記フラップ部材は、前記搭載部の前端部の左右方向中心からずれた位置に配置されているか、
又は、
(2)前記カード保持部は、前記搭載部の前端部の左右方向中心からずれた位置に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項6】
前記搭載部の底面より上に突出し、前記商品を支持する一対の突条部が、左端の前記押板部よりも左側の位置と、右端の前記押板部よりも右側の位置とにおいて、それぞれ前後方向に延在していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項7】
前記搭載部の前端部において、常態である直立状態と、前傾状態と、に揺動可能に軸支され、前記直立状態では前記押板部と対向するフラップ部材と、
前記搭載部の前端部において、前記フラップ部材の後方に位置して、前記搭載部の底面より起立し、前記商品の前進を規制する起立壁部と、
を有し、
前記起立壁部は、複数の前記押板部の前方位置にそれぞれ配置され、
左端の前記押板部の前方に位置する前記起立壁部は、左端の前記押板部の左右方向中心を基準として、右側よりも左側へと、より大きく張り出し、
右端の前記押板部の前方に位置する前記起立壁部は、右端の前記押板部の左右方向中心を基準として、左側よりも右側へと、より大きく張り出していることを特徴とする請求項6に記載のマガジン。
【請求項8】
3つ以上の前記押板部を有し、
左右方向における両端に位置する2つの前記押板部とそれぞれ対応する前記付勢部の付勢力が、他の前記押板部と対応する付勢部の付勢力よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項9】
3つ以上の前記押板部を有し、
左右方向の端部に位置する前記押板部と前記商品との密着性が、他の前記押板部と前記商品との密着性よりも高まるように、少なくとも左右方向の端部に位置する前記押板部の各々の前面には、該前面よりも前方に突出し、且つ、該前面よりも摩擦係数が大きい材質により形成された、摩擦部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項10】
3つ以上の前記押板部を有し、
左右方向の中央部に位置する前記押板部と前記商品との密着性が、左右方向の端部に位置する前記押板部と前記商品との密着性よりも高まるように、少なくとも左右方向の中央部に位置する前記押板部の前面には、該前面よりも前方に突出し、且つ、該前面よりも摩擦係数が大きい材質により形成された、摩擦部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のマガジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−55999(P2013−55999A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195333(P2011−195333)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】