説明

マグネシウム合金成型品の塗装方法

【課題】
マグネシウムは非常に耐食性の乏しい活発な金属であり、クロメート処理、陽極酸化処理、粉体塗装処理等で耐食性を与えているが、クロメート処理は6価のクロムが環境問題から否定されるようになり、又、これらの手法では表面に塗布される材質の種類に制限があり、表面の色彩・光沢等を柔軟に選択することが困難であった。
【解決手段】
本発明は、マグネシウム合金成型品Aに化成処理薄膜Aaを形成する行程と、化成処理薄膜Aaの表面に2液硬化型ウレタン系樹脂塗料で1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、下塗り層1を形成した表面にUV硬化性樹脂塗料で1〜50ミクロンのトップコート層2を形成する工程と、を含むもの、加えて、下塗り層1を形成した表面に光輝材の含まれる2液性ウレタン系樹脂塗料で1〜50ミクロンの中塗り層3を形成する工程と、を含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネシウム合金成型品の塗装方法に関するものであり、更に詳細には、家電製品、OA機器、モバイル機器、自動車部品等のマグネシウム合金成型品の密着性と耐摩耗性と特に艶レベルを向上させる塗装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂によって形成されていた家電製品、OA機器、モバイル機器、自動車部品等の筐体を合成樹脂に匹敵する密度を有し、リサイクル性に優れたマグネシウム合金によって代替する動きが近年活発に成っている。
【0003】
然し乍ら、マグネシウムは非常に耐食性の乏しい活発な金属で、湿度の高いところに放置しただけで腐食が始まり、普通の水道水に漬けておくだけでも激しく腐食してしまうものであり、一般的にメッキ加工で用いられる塩酸や硫酸にも激しく反応するためメッキ加工は困難であり、現在では、クロメート処理、陽極酸化処理、粉体塗装処理等が耐食性を与えるための表面処理法として用いられているが、クロメート処理は6価のクロムが環境問題から否定されるようになり、又、これらの手法では表面に塗布される材質の種類に制限があり、表面の色彩・光沢等を柔軟に選択することが困難であった。
【0004】
その為に、現在、マグネシウム合金成形品の表面へは、下塗りに熱硬化型エポキシ系樹脂塗料を塗装し、上塗りに熱硬化型のアクリル樹脂のハードコートを塗装しており、塗装に不良が発生したものには不良箇所にペーパーをかけ、パテ埋め処理をして、リコート塗装をするのが一般的であるが、表面の平滑性にかけることや、リコート塗装した場合、色調の均一性が著しく落ちると言う難点があり、又、携帯電話等の筐体は殆どがプラスチック素材とマグネシウム合金素材の複合材で形成されているために、プラスチック筐体では上塗りに殆どがUV硬化性塗料を用いて、マグネシウム筐体だけが2液ウレタン系樹脂の塗料を用いているため、ウレタン系樹脂はUV硬化性塗料と比べると耐磨耗性や表面の平滑性や光沢度などの色調に均一性がなく、非常に生産性が困難でデザイン性に問題があリ、生産上の制約やデザイン的な妥協が生まれているのが現状である。
【0005】
又、溶剤型の熱硬化性エポキシ樹脂塗膜に、熱可塑性アクリル樹脂塗膜を形成した上に、さらにUV硬化性樹脂でクリアー塗膜を形成する積層方法も考えられているが、この塗装方法では、UV硬化性樹脂の塗膜を形成した後に、塗装不良部分を補修する必要がある場合、エポキシ樹脂塗料の下塗りは密着性が不十分であるため、UV硬化性樹脂の塗膜の塗り重ねは密着不良を引き起こす為実際には補修不可能であり、この塗装方法は採用されていないものである。
【0006】
その為に、クロムを含有しない処理液を用いてマグネシウム合金成形品の耐食性を高めるとともに塗装被膜の密着性を高めることができるマグネシウム合金塗装物として、マグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金成形品をスルホン酸またはカルボン酸もしくはこれらの塩の少なくとも一つ以上を含む処理液に接触させ、次いでビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アミノ樹脂の群から選ばれる少なくとも一つ以上の樹脂と必要に応じて添加される硬化剤、溶剤を含有する樹脂液を接触または塗装して樹脂被膜を形成し、次いで塗料を塗装して塗装被膜を形成し、次いで樹脂被膜と塗装被膜とを乾燥または硬化させるもの(特許文献1参照)や、防錆性、耐候性を長期間保持し、任意の着色を可能にしたものとして、浮き錆のみを除去した錆が残存する耐候性鋼表面に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子を含有した防食塗料を乾燥膜厚30〜80μm となるように塗装し、乾燥し、次いでその上に、無公害防錆顔料を含有し、かつ促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時間後の光沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色上塗塗料を乾燥膜厚20〜40μm となるように塗装し、乾燥するもの(特許文献2参照)や、マグネシウム合金材等の表面欠陥を有してもよい金属材料表面に、塗膜硬度が十分で耐摩耗性に優れ、かつ、色相外観に優れた塗膜、さらには、携帯電話用の筐体等、プラスチック素材と金属素材とを組合せた塗装物であっても色相外観が均一の塗膜、を形成するものとして、金属材料表面に、粉体塗料により膜厚20〜40μmの硬化塗膜を形成し、この硬化塗膜上に、溶剤型の熱可塑性アクリル樹脂塗料により着色塗膜を形成し、さらにこの着色塗膜上にUV硬化型クリアー塗料により透明塗膜を形成する塗装システムであって、前記粉体塗料の焼付硬化条件下における溶融最低粘度が、1.0〜2.0Pa・sの範囲であるものを使用するもの(特許文献3参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開2001−11672号公報
【特許文献2】特開2002−177879号公報
【特許文献3】特開2004−73936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
然し乍ら、先に開示された、マグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金成形品をスルホン酸またはカルボン酸もしくはこれらの塩の少なくとも一つ以上を含む処理液に接触させ、次いでビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アミノ樹脂の群から選ばれる少なくとも一つ以上の樹脂と必要に応じて添加される硬化剤、溶剤を含有する樹脂液を接触または塗装して樹脂被膜を形成し、次いで塗料を塗装して塗装被膜を形成し、次いで樹脂被膜と塗装被膜とを乾燥または硬化させるものでは、マグネシウム合金材は表面に微細孔やマイクロクラックを数多く有する金属材料であり、下塗りに用いるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アミノ樹脂の群から選ばれる少なくとも一つ以上の樹脂と必要に応じて添加される硬化剤、溶剤を含有する樹脂液を接触または塗装して樹脂被膜は遮蔽性、密着性に劣り、且つ、表面の平滑性に劣るものである。
【0008】
更に、浮き錆のみを除去した錆が残存する耐候性鋼表面に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子を含有した防食塗料を乾燥膜厚30〜80μm となるように塗装し、乾燥し、次いでその上に、無公害防錆顔料を含有し、かつ促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時間後の光沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色上塗塗料を乾燥膜厚20〜40μm となるように塗装し、乾燥するものでは、着色上塗塗料が塗膜表面の光沢を広範囲で調整することが困難であるため、色相外観が制約されるものである。
【0009】
更には、金属材料表面に、粉体塗料により膜厚20〜40μmの硬化塗膜を形成し、この硬化塗膜上に、溶剤型の熱可塑性アクリル樹脂塗料により着色塗膜を形成し、さらにこの着色塗膜上にUV硬化型クリアー塗料により透明塗膜を形成する塗装システムであって、前記粉体塗料の焼付硬化条件下における溶融最低粘度が、1.0〜2.0Pa・sの範囲であるものを使用するものでは、硬化塗膜は焼き付けにより形成するもので、この種の製品はプラスチック素材部分とマグネシウム素材部分とが組み合わせて製造されており、プラスチック素材部分とマグネシウム素材部分では塗膜の構成が異なり、色相外観が異なってしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、請求項1に記載のマグネシウム合金形成品の塗装方法は、マグネシウム合金成型品を塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜又は処理溶液中で陽極電解処理を行い化成処理薄膜を形成する行程と、化成処理薄膜の表面に金属プライマーの光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の少なくとも何れかを含む光輝材を含有するものか又はクリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層を形成した表面にUV硬化性樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むものである。
【0011】
更に、請求項2に記載のマグネシウム合金形成品の塗装方法は、マグネシウム合金成型品を塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜又は処理溶液中で陽極電解処理を行い化成処理薄膜を形成する行程と、化成処理薄膜の表面に金属プライマーの光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の少なくとも何れかを含む光輝材を含有するものか又はクリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層を形成した表面に光輝材の含まれる2液性ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの中塗り層を形成する工程と、中塗り層を形成したUV硬化性樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法は、マグネシウム合金成型品に化成処理膜を形成し、次に、2液硬化型ウレタン系樹脂塗料により下塗り層を形成し、その表面にUV硬化性樹脂塗料のトップコート層を形成したことにより、又は、下塗り層とトップコート層との間に2液性ウレタン系樹脂塗料により中塗り層を形成したことにより、下塗り層の2液硬化型ウレタン系樹脂塗料及び中塗り層の2液性ウレタン系樹脂塗料はUV硬化性樹脂塗料に非常に密着性がよく、マグネシウム合金成型品の下地の隠蔽性も良好かつ密着性も飛躍的に向上し、尚且つ、耐磨耗性や平滑性や色調の均一性、発色性が向上したものである。
【0013】
更に、マグネシウム成形品にUV硬化性樹脂塗料によりトップコート層を形成した本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法は、今まで、補修不可能であったUV硬化性樹脂塗料のトップコート層を形成したマグネシウム合金成型品も補修、再生可能なもので、従来、塗装の不良箇所をリコートをするために艶レベルが70%程度であったものを艶レベル100%の塗膜を形成でき、更に、UV硬化性樹脂塗装であることから、大幅な生産性がアップになり、従来の2液性熱可塑性樹脂塗料の焼き付け乾燥時間が30分から60分もかかるものがUV硬化性樹脂塗料を用いることから、5分から20分と言う1/4の作業効率のアップにつながり、尚且つ、密着性や耐磨耗性、高信頼性の機能性アップさせる画期的で実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、マグネシウム合金成型品の塗装方法に関するものであり、更に詳細には、家電製品、OA機器、モバイル機器、自動車部品等のマグネシウム合金成型品の密着性と耐摩耗性と特に艶レベルを向上させる塗装方法に関するものであり、請求項1に記載のマグネシウム合金形成品の塗装方法は、マグネシウム合金成型品Aを塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜Aa又は処理溶液中で陽極電解処理を行い化成処理薄膜Aaを形成する行程と、該化成処理薄膜Aaの表面に金属プライマーの光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の少なくとも何れかを含む光輝材を含有するものか又はクリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1を形成した表面にUV硬化性樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層2を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0015】
更に、請求項2に記載のマグネシウム合金形成品の塗装方法は、マグネシウム合金成型品Aを塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜Aa又は処理溶液中で陽極電解処理を行い化成処理薄膜Aaを形成する行程と、該化成処理薄膜Aaの表面に金属プライマーの光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の少なくとも何れかを含む光輝材を含有するものか又はクリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1を形成した表面に光輝材の含まれる2液性ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの中塗り層3を形成する工程と、該中塗り層3を形成したUV硬化性樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層2を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【実施例】
【0016】
以下、本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法を実施例の図面を用いて詳細に説明すると、図1は本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法の実施例1の説明のための説明図であり、図2は本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法の実施例2の説明のための説明図である。
【0017】
即ち、本発明のマグネシウム合金成型品の加飾方法の実施例1は、図1に図示する如く、マグネシウム合金成型品Aと化成処理層Aaと下塗り層1とトップコート層2とで構成されるものである。
【0018】
そして、マグネシウム合金成型品Aは、合成樹脂に匹敵する密度を有し、リサイクル性に優れていることから、近年、携帯電話、デジタルカメラ、AV機器、電子部品、車両の内外装パーツ、パーソナルコンピュータ、PDA関連等のパーツ、化粧品容器等に汎用されるように成ってきているが、非常に不安定な金属であるので、表面に化成処理層Aaを形成する工程を実施するものである。
【0019】
次に、化成処理薄膜Aaを形成する行程は、マグネシウム合金成型品Aを塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜Aaを形成するか、又は、マグネシウム合金成型品Aを薄い硫酸水溶液に浸して、マグネシウム合金成型品Aを陽極とし、硫酸水溶液に侵されない鉛板や炭素板を陰極として配線をし、直流電流を流すことにより、陽極に接続されたマグネシウム合金成型品Aの表面に被膜を成長させて化成処理薄膜Aaを形成するものであり、形成された化成処理膜Aaは非常に安定した物質に成っており、耐食性に優れているものである。
【0020】
次いで、下塗り層1を形成する工程は、化成処理薄膜Aaを形成する行程で形成した化成処理薄膜Aaの表面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成するものであり、下塗り層1は金属プライマーである光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の何れかを含む光輝材か若しくはこれらを混合した光輝材を含むものであり、又は、クリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を用いているものである。
【0021】
更に、トップコート層2を形成する工程は、下塗り層1を形成する行程で形成した下塗り層1の表面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層2を形成するものであり、トップコート層2はUV硬化性樹脂塗料を用いているものである。
【0022】
更には、本発明のマグネシウム合金成型品の加飾方法の実施例2は、図2に図示する如く、マグネシウム合金成型品Aと化成処理層Aaと下塗り層1と中塗り層3とトップコート層2とで構成されるものである。
【0023】
つまり、化成処理薄膜Aaを形成する行程、下塗り層1を形成する工程、トップコート層2を形成する工程は実施例1と同様であり、詳述は割愛するが、下塗り層1とトップコート層2との間に中塗り層3を積層するものである。
【0024】
次いで、中塗り層2を形成する工程は、下塗り層1を形成する行程で形成した下塗り層1の表面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの中塗り層3を形成するものであり、中塗り層3は光輝材の含まれる2液性ウレタン系樹脂塗料を用いているものである。
【0025】
そして、トップコート層2を形成する工程は、中塗り層3を形成する行程で形成した中塗り層3の表面に吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により5〜50ミクロンのトップコート層2を形成するものであり、トップコート層2はUV硬化性樹脂樹脂を用いているものである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明のマグネシウム合金形成品の加飾方法は、前述の各工程を順次実施するものであり、つまり、マグネシウム合金成型品の表面に化成処理薄膜を形成し、その上に2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を用いた下塗り層を形成することから、従来課題であった密着性、耐候性、耐食性等の機能性を改善させ向上させることに加え、トップコート層にUV硬化性樹脂塗料を用いているもので耐摩耗性を向上させるものであり、モバイル製品等の意匠性と耐摩耗性とを求められる製品へ好適に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法の実施例1の説明のための説明図である。
【図2】図2は本発明のマグネシウム合金成型品の塗装方法の実施例2の説明のための説明図である。
【符号の説明】
【0028】
A マグネシウム合金形成品
Aa 化成処理薄膜
1 下塗り層
2 トップコート層
3 中塗り層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウム合金成型品を塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜又は処理溶液中で陽極電解処理を行い化成処理薄膜を形成する行程と、該化成処理薄膜の表面に金属プライマーの光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の少なくとも何れかを含む光輝材を含有するものか又はクリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層を形成した表面にUV硬化性樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むことを特徴とするマグネシウム合金形成品の塗装方法。
【請求項2】
マグネシウム合金成型品を塗装前処理の処理液に数分間乃至1時間程度含浸させて化成処理薄膜又は処理溶液中で陽極電解処理を行い化成処理薄膜を形成する行程と、該化成処理薄膜の表面に金属プライマーの光反射性微粉末のメタリックマイカ、雲母、アルミニウム粉末の少なくとも何れかを含む光輝材を含有するものか又はクリアーな2液硬化型ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層を形成した表面に光輝材の含まれる2液性ウレタン系樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの中塗り層を形成する工程と、該中塗り層を形成したUV硬化性樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むことを特徴とするマグネシウム合金形成品の塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−150261(P2006−150261A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345978(P2004−345978)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(591257513)株式会社フクダコーポレーション (17)
【Fターム(参考)】