説明

マグネットスタンドのスタンドベース

【課題】マグネットスタンドに対して測定器具を柔軟に装着可能なスタンドベースを提供する。
【解決手段】マグネットスタンドのスタンドベース10であって、直方体形状のベース本体12と、該ベース本体12の前面12aに配設され該ベース本体12の底面に作用する磁力をON/OFFするコック14と、測定器具を装着するアームの雄ねじが螺合する該ベース本体12の上面12bに形成された上面ねじ穴16と、該アームの雄ねじが螺合する該ベース本体12の側面12cに形成された側面ねじ穴18と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器具を任意の位置に固定するマグネットスタンドのスタンドベースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ある装置に実装された機械加工品の基準面に対する平行状態又は直角等を検査するために例えばダイヤルゲージ等の測定器具を任意の位置に固定するためにマグネットスタンドが使用される。
【0003】
マグネットスタンドは、スタンドベース(マグネットベース)と、スタンドベースの上面に形成されたねじ穴に螺合される第1アームと、この第1アームに関節部材を介して上下動可能且つ傾斜可能に結合された第2アームとから構成され、第2アームの一端部に関節部材を介してダイヤルゲージ、マイクロメーター等の測定器具を取り付けて任意の姿勢に固定するようになっている(例えば、特開平7−311005号公報参照)。
【0004】
マグネットスタンドのスタンドベースは、直方体形状のベース本体内に永久磁石を収容し、ベース本体の前面に設けたコックを回転することにより、ベース本体の底面に作用する磁力をON/OFFできるようになっている。ベース本体の上面には雄ねじを有する第1アームを垂直に装着するための上面ねじが形成されている。
【0005】
マグネットスタンドを使用してダイヤルゲージ、マイクロメーター等の測定器具で測定対象物を測定する場合には、関節部材を折り曲げて第1アームに対して第2アームの位置及び角度を調整し、測定に都合の良い状態にして測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−311005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のマグネットスタンドのスタンドベースは上面に形成されたねじ穴に第1アームを垂直に取り付ける構造のため、測定器具の装着に十分な自由度がなく、必ずしも都合のよい状態に測定器具を調整できないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マグネットスタンドに対して測定器具を十分な自由度をもって柔軟に装着可能なマグネットスタンドのスタンドベースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、マグネットスタンドのスタンドベースであって、直方体形状のベース本体と、該ベース本体の前面に配設され該ベース本体の底面に作用する磁力をON/OFFするコックと、測定器具を装着するアームの雄ねじが螺合する該ベース本体の上面に形成された上面ねじ穴と、該アームの雄ねじが螺合する該ベース本体の側面に形成された側面ねじ穴と、を具備したことを特徴とするマグネットスタンドのスタンドベースが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマグネットスタンドのスタンドベースによると、スタンドベースの上面に形成された上面ねじ穴に加えて、スタンドベースの側面に測定器具を装着するアームの雄ねじが螺合する側面ねじが形成されているため、測定器具を装着するアームを都合に合わせてスタンドベースの側面に固定することが可能になり、測定器具を都合に合わせて十分な自由度をもって柔軟にマグネットスタンドに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明実施形態に係るマグネットスタンドのスタンドベースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、スタンドベース(マグネットベース)10の斜視図が示されている。スタンドベース10は、直方体形状のベース本体12を有しており、その内部には永久磁石が収容されている。
【0013】
ベース本体12の前面12aにはスタンドベース10の底面に作用する磁力をON/OFFするコック14が取り付けられている。コック14を垂直位置に回転すると磁力が遮断され、水平位置に回転するとスタンドベース10の底面に磁力が作用してスタンドベース10をステージ又はテーブル上に磁力により固定することができる。
【0014】
ベース本体12の上面12bには、マグネットスタンドの図示しない第1アームの雄ねじが螺合される上面ねじ穴16が形成されている。ベース本体12の一方の側面12cにも、第1アームの雄ねじが螺合する側面ねじ穴18が形成されている。
【0015】
上述した実施形態のスタンドベース10を使用して、マグネットスタンドにダイヤルゲージ、マイクロメーター等の測定器具を装着するには、まず図示しない第1アームの雄ねじを上面ねじ穴16に螺合して第1アームをスタンドベース10に対して垂直に固定し、更に関節部材を介して第1アームに移動可能且つ傾斜可能に第2アームを取り付ける。
【0016】
そして、第2アームの一端部に関節部材を介してダイヤルゲージ等の測定治具を装着し、二つの関節部材を適宜に調整することにより測定器具を最適位置に調整し、測定対象物の測定を実施する。
【0017】
ところが、測定対象物の位置によっては、上面ねじ穴16を使用した測定器具の装着では、測定器具を必ずしも都合の良い状態に調整できない場合がある。このような場合には、上面ねじ穴16に対して直角に形成された側面ねじ穴18を利用する。
【0018】
即ち、側面ねじ穴18に第1アームの雄ねじを螺合して第1アームをスタンドベース10が固定されたステージを平行に固定する。そして、関節部材を介して第1アームに移動可能且つ傾斜可能に第2アームを取り付け、第2アームの一端部に関節部材を介して測定器具を取り付ける。
【0019】
これにより、上面ねじ穴16を利用した測定器具の装着では測定器具を都合の良い状態に調整できない場合であっても、上面ねじ穴16と直角方向に伸長する側面ねじ穴18を利用して測定器具をマグネットスタンドに装着することにより、測定器具を測定に都合の良い状態に調整することが可能となる。
【符号の説明】
【0020】
10 スタンドベース
12 ベース本体
12a 前面
12b 上面
12c 側面
14 コック
16 上面ねじ穴
18 側面ねじ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネットスタンドのスタンドベースであって、
直方体形状のベース本体と、
該ベース本体の前面に配設され該ベース本体の底面に作用する磁力をON/OFFするコックと、
測定器具を装着するアームの雄ねじが螺合する該ベース本体の上面に形成された上面ねじ穴と、
該アームの雄ねじが螺合する該ベース本体の側面に形成された側面ねじ穴と、
を具備したことを特徴とするマグネットスタンドのスタンドベース。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−108823(P2013−108823A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253511(P2011−253511)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】