説明

マグネットピース成形金型、マグネットロール、現像装置および画像形成装置

【課題】簡単な構造でシャフトに貼り合わせたときに長手方向の磁束密度のバラツキが小さいマグネットピースを安価に成形できる金型等を提供すること。
【解決手段】磁性鋼からなる配向ヨーク17を固定した非磁性鋼からなる第1の金型36と、第1の金型36に対して相対的に移動する全部が磁性鋼からなる第2の金型40とを備え、第1の金型36および第2の金型40を型締めすることによりランナー28の一部および長尺なキャビティ43を形成し、ランナー28を介して溶融磁性材料をキャビティ43に射出して断面扇形状のマグネットピースを成形するマグネットピース成形金型において、配向ヨーク17は、キャビティ43の長手方向の両端面50に対する配向ヨーク17の突出長が5mm以下であって、キャビティ43の両端面50に対する配向ヨーク17の引込長が5mm以下になるように設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネットロール、現像装置および画像形成装置、並びに当該マグネットロールを構成するマグネットピースの成形金型および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1〜図3に示すように、シャフト2の周りに短手方向の断面形状が略扇形状の複数のマグネットピース3〜8が放射状に貼り合わされたマグネットロール1が提供されている(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0003】
マグネットロール1は、例えば、シャフト2の周りに、汲み上げ極S3(S極)のマグネットピース5と、トリミング極N2(N極)のマグネットピース4と、現像極S1(S極)のマグネットピース3と、回収(搬送)極N1(N極)のマグネットピース8と、剥離極S2(S極)のマグネットピース7と、介在極ピース6(S極)がこの順に貼り付けられた(貼り合わされた)ものである。
【0004】
マグネットピース3〜8は、磁石材料粉、樹脂バインダー、添加剤等の混合物からなる磁性樹脂材料を用いて磁場中で成形することによって製造される。磁石材料粉としては、例えば、フェライト粉や、Nd等の希土類金属粉とFe、Co、Ni等の鉄族金属粉との混合物を使用することができる。また、樹脂バインダーは、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エチレンエチルアクリレート(EEA)等を使用することができる。
【0005】
また、マグネットピース3〜8は、図4に示すように、非磁性材103からなる上金型101、スペーサ105およびスペーサ106と、磁性材からなる下金型104、ヨーク102、連結部107および連結部108により形成されるキャビティ109に溶融した磁性樹脂材料を射出することにより製造することができる(例えば、特許文献8参照)。
【0006】
しかし、かかる金型は、キャビティ109の長手方向両端部に磁性連結部107および108を配置し、かつ、その外側に非磁性のスペーサ105および106により閉塞するという複雑な構造を有している。このため、金型が高価になり、ひいてはマグネットピース3およびマグネットロール1が高価になるという問題がある。また、金型構造が複雑であるため、メンテナンスが困難であるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−229309号公報
【特許文献2】特開2003−229321号公報
【特許文献3】特開2001−034068号公報
【特許文献4】特開2000−075665号公報
【特許文献5】特開平10−308308号公報
【特許文献6】特開平01−114011号公報
【特許文献7】特開昭62−282422号公報
【特許文献8】特開2006−062314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであって、簡単な構造でシャフトに貼り合わせたときに長手方向の磁束密度のバラツキが小さいマグネットピースを安価に成形できる金型等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第1発明)
第1発明は、磁性鋼からなる配向ヨークを固定した非磁性鋼からなる第1の金型と、第1の金型に対して相対的に移動する全部が磁性鋼からなる第2の金型とを備え、第1の金型および第2の金型を型締めすることによりランナーの一部およびキャビティを形成し、ランナーを介して溶融磁性材料をキャビティに射出して断面略扇形状のマグネットピースを成形するマグネットピース成形金型に関するものである。そして、配向ヨークは、キャビティの長手方向の両端面に対する配向ヨークの突出長が5mm以下であって、キャビティの両端面に対する配向ヨークの引込長が5mm以下になるように設定したことを特徴とする。
【0010】
かかるマグネットピース成形金型を用いて成形したマグネットピースは、シャフトに貼り合わせてマグネットロールを構成した場合、配向ヨークに対向する面のマグネットピースの長手方向の一端から他端に至る磁束密度のバラツキを非常に小さくすることができる。例えば、当該バラツキを6mT(ミリテスラ)以下に抑えることができる。尚、長手方向の磁束密度のバラツキを6mT以下にしたマグネットピースを現像極ピースとしてマグネットロールに用いると、現像剤により感光体を高精度に現像することができる。
【0011】
(第2発明)
第2発明のマグネットロールは、第1発明のマグネットピース成形金型を用いて成形したマグネットピースを、シャフトに貼り合わせたことを特徴とする。
かかる構成により、配向ヨークに対向する面のマグネットピースの長手方向の一端から他端に至る磁束密度のバラツキを非常に小さくすることができる。
【0012】
(第3発明)
第3発明の現像装置は、第2発明のマグネットロールと、マグネットロールの周りを回転する円筒形状の現像スリーブと、現像スリーブと対向して設けられた層厚規制部材と、現像剤を撹拌する現像剤撹拌部材とをハウジング内に備えたことを特徴とする。
【0013】
(第4発明)
第4発明の画像形成装置は、第3発明の現像装置と、現像装置の現像スリーブと対向した感光体とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
簡単な構造でシャフトに貼り合わせたときに長手方向の磁束密度のバラツキが小さいマグネットピースを安価に成形できる金型等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来のマグネットロールの斜視図
【図2】従来のマグネットピースの斜視図
【図3】従来のマグネットロールの側面図(図1における矢視A)
【図4】(a)は従来のマグネットピースの金型の断面図、(b)は図4(a)のA−A断面図
【図5】多数個取り金型の正面図
【図6】多数個取り金型を正面から見た断面図
【図7】多数個取り金型を側面から見た断面図(図5における断面A−A)
【図8】多数個取り金型内部の磁性樹脂材料の斜視図
【図9】多数個取り金型を正面から見た断面図
【図10】従来のマグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図11】従来のマグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図12】従来のマグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図13】マグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図14】マグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図15】マグネットピースとイジェクトピンの位置関係を説明するための図
【図16】マグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図17】マグネットピースのイジェクトを説明するための断面図
【図18】マグネットピースのイジェクトを説明するための斜視図
【図19】マグネットピースの一端の斜視図
【図20】マグネットピースのイジェクトを説明するための斜視図
【図21】マグネットピースの他端の斜視図
【図22】マグネットピースのイジェクトを説明するための図
【図23】マグネットピースのイジェクトを説明するための図
【図24】可動側入れ子と固定側入れ子の斜視図
【図25】固定側入れ子の斜視図
【図26】可動側入れ子の斜視図
【図27】可動側入れ子と固定側入れ子の断面図
【図28】可動側入れ子と固定側入れ子の斜視図
【図29】固定側入れ子の斜視図
【図30】可動側入れ子の斜視図
【図31】可動側入れ子と固定側入れ子の断面図
【図32】可動側入れ子の平面図
【図33】可動側入れ子の断面図
【図34】可動側入れ子の断面図
【図35】可動側入れ子と固定側入れ子の断面図
【図36】マグネットピースのイジェクトを説明するための図
【図37】多数個取り金型を側面から見た断面図(図5における断面A−A)
【図38】多数個取り金型の正面図
【図39】多数個取り金型の断面図(図38の断面B−B)
【図40】図39のキャビティ近傍を抜き出した説明図
【図41】現像極ピースの端部における磁束密度のバラツキのグラフ
【図42】マグネットロール側面図
【図43】現像装置の断面図
【図44】画像形成装置の構成を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図5は本発明に係る金型の正面図、図6は本発明に係る多数個取り金型を正面から見た断面図、図7は多数個取り金型を側面から見た断面図(図5における断面A−A)、図8は多数個取り金型内部の磁性樹脂材料の斜視図である。尚、図8に示したように、本実施例1における主ランナーおよび副ランナーの断面形状は略方形状としたが、略円形状または略半円形状であっても良い。
【0018】
(多数個取り金型)
図6に示すように、本発明に係る多数個取り金型20は、6個の非磁性材料からなる可動側入れ子35が可動側取付盤37に固定された可動型13と、この可動側入れ子35に対応して設けられた6個の非磁性材料からなる固定側入れ子36が固定側取付盤38に固定された固定型14と、個々の固定側入れ子36に設けられた磁性材料からなる配向ヨーク17とを備えている。
【0019】
そして、図5および図6に示すように、パーティング面12で可動型13および固定型14に分割された多数個取り金型20を型閉じすることにより、一対の可動側入れ子35と固定側入れ子36の間にキャビティ43〜48が形成される。これらキャビティ43〜48は、図1および図3に示したマグネットピース3〜8を製造するため、多数個取り金型20の内部に設けられた空間である。
【0020】
つまり、多数個取り金型20により、キャビティ43によりマグネットピース3、キャビティ44によりマグネットピース4、キャビティ45によりマグネットピース5、キャビティ46によりマグネットピース6、キャビティ47によりマグネットピース7、キャビティ48によりマグネットピース8が配向磁場中で成形され、1本のマグネットロールで使用される全てのマグネットピースをワンショット(1回の成形)で製造することができる。
【0021】
これらのキャビティ43〜48は、図5〜図7に示すように、固定型14に形成された主ランナー27が分岐した副ランナー28がゲート39を介して連通している。そして、横断面積(キャビティの短手方向の断面積)の小さいキャビティほど主ランナー27の近くに配置され、横断面積の大きいキャビティほど主ランナー27から離れて配置されている。別言すると、キャビティ43〜48は、その横断面積の小さいものから順に主ランナー27の近くに配置されている。さらに別言すると、キャビティ43〜48は、その体積の小さいものから順に主ランナー27の近くに配置されている。
【0022】
本実施例1においては、主ランナー27が多数個取り金型20の略中央部に設けられているので、横断面積の小さいキャビティ45およびキャビティ47が主ランナー27に近い中央寄りに配置され、横断面積の大きいキャビティ44およびキャビティ48が主ランナー27から離れた両端部に配置されている。このように全てのキャビティ43〜48を配置することにより、全てのキャビティ43〜48への溶融した磁性樹脂材料の射出充填を略同一時間に終わらせることができる。
【0023】
(マグネットピースの製造方法)
次に、前記した多数個取り金型20を用いたマグネットピース3〜8の製造方法について説明する。前記した多数個取り金型20に形成された射出用開口部29に、図示しない射出成形装置の射出ノズルを接触させ、射出ノズル中の溶融した磁性樹脂材料を主ランナー27に射出(注入)する。主ランナー27に射出された溶融した磁性樹脂材料は、分岐して副ランナー28を流れて進み、ゲート39から各キャビティ内に侵入する。その際、配向ヨーク17に電流を流すため、全てのキャビティ43〜48は、配向磁場中で溶融した磁性樹脂材料で満たされる。尚、図8は、このときの多数個取り金型20の内部の磁性樹脂材料の状態を示した斜視図であるが、符号127は主ランナー27の内部の磁性樹脂材料であり、符号128は副ランナー128内部の磁性樹脂材料である。
【0024】
その後、可動型13および固定型14の図示しない流路に冷却水を流して可動型13および固定型14を冷却し、キャビティ43〜48内に存する溶融した磁性樹脂材料を冷却固化させる。そして、配向ヨーク17に逆に電流を流して型内脱磁を行なった後、可動型13を固定型14から離すように移動(型開き)し、可動型13の全ての可動側入れ子35のキャビティ43〜48からマグネットピース3〜8を取り出す。これらのマグネットピース3〜8は、前記した多数個取り金型20を用いて製造したものであるため、バリの発生が極めて少ない。
【0025】
可動側入れ子35のキャビティ43〜48からのマグネットピース3〜8の取り出しは、イジェクタを用いる場合が一般的である。以下に、マグネットピースの取り出し機構としてイジェクタを採用した場合の構成について説明する。
【0026】
〔イジェクタを用いた場合の問題点〕
まず、イジェクタを用いた場合の一般的な問題点について、キャビティ43を例にして説明する(図36)。いうまでもなく、他のキャビティ44〜48についてもイジェクタを用いた場合、同様の問題点が発生する。
【0027】
配向ヨーク17に逆電流を流し、一旦、全てのマグネットピース3〜8を型内脱磁を行っても、マグネットピース3〜8の横断面積(マグネットピース3〜8の体積)が互いに異なり、配向ヨーク17の大きさも互いに異なるので、全てのマグネットピース3〜8の磁束密度がゼロになるわけではない。このため、例えば、一部のマグネットピースであるマグネットピース3の磁束密度がゼロにならなかった場合、可動型13を移動させて型開きした際に、配向ヨーク17が磁性材料からなるので、磁気吸引力によりマグネットピース3が固定側入れ子36に貼り付く場合がある(図11)。
【0028】
また、型開きした際に、マグネットピース3が固定側入れ子36に貼り付かなかった場合であっても、イジェクタ9によりマグネットピース3を突き出した後(図10)、マグネットピース3がイジェクタ9の先端25から動き、磁気吸引力により可動側入れ子35に貼り付く場合がある(図12)。
かかる問題が発生すると、作業者がその都度マグネットピース3を取り除かなければならないため、マグネットピース3の生産効率が悪化するという問題がある。
【0029】
〔イジェクタの構成1〕
前記した問題点が発生しないようにするため、図13に示すように、マグネットピース3の両端部(図2に示すマグネットピース3の一端15の近傍、および他端16の近傍)に位置するイジェクタ9の先端部25をキャビティ43に突出させたまま、配向磁場中でキャビティ43に溶融した磁性樹脂材料を射出し、当該磁性樹脂材料を冷却固化させるのが望ましい。ここで、イジェクタとは、可動側入れ子に対して突出動作および引込み動作を行い、突出動作時にマグネットピースを可動側入れ子から突き出す(離型させる)ものをいう。
【0030】
かかる構成により、図14に示すように、マグネットピース3の両端部にはイジェクタ9の先端部25が侵入し、イジェクタ9にマグネットピース3が食い付いているので、マグネットピース3を常にイジェクタ9の先端部に位置させることができる。つまり、マグネットピース3が磁気吸引力により固定型14または可動型13に貼り付くことがない。
【0031】
尚、イジェクタは1つのキャビティに複数あっても良いが、少なくともマグネットピース3の両端部に位置するイジェクタ9の先端部25がキャビティに突出していれば良い。つまり、図15に示すように、マグネットピース3の両端部(一端15の近傍と、他端16の近傍)に位置するイジェクタ9のみがキャビティ43に突出したままの状態にし、他のイジェクタ10はキャビティ43に突出させた状態を維持してもそうでなくても良い。ただし、マグネットピース3の磁束密度を乱さないようにするためには、マグネットピース3の略中央部に位置するイジェクタピン10の先端部25を溶融した磁性樹脂材料の射出充填時から当該磁性樹脂材料が冷却固化するまでの間、キャビティ43に突出させない方が望ましい。
【0032】
〔イジェクタの構成2〕
また、前記した問題点が発生しないようにするための別の構成としては、図16に示すように、マグネットピース3を成形するためのキャビティ43の両端部に位置するイジェクタ11の先端部を、マグネットピース3を貼り付けるシャフト2の周面に対応する円弧面22と、この円弧面22の両側からキャビティ43に突出した2つの突出部23とからなる構成を採用しても良い。
【0033】
かかる構成を採用したキャビティ43に対して、ゲート39から溶融した磁性樹脂材料を射出し、当該磁性樹脂材料を冷却固化させ、配向ヨーク17に逆電流を流し、型内脱磁すると、図17に示すように安定してマグネットピース3を離型することができる。つまり、図18および図20に示すように、マグネットピース3の両端部にはイジェクタ11の突出部23が侵入しているので、イジェクタ11にマグネットピース3が食い付き、マグネットピース3を常にイジェクタ11の先端部に位置させることができる。
【0034】
尚、マグネットピース3をイジェクタ11から取り外すと、図19および図21に示すように、マグネットピース3の両端部には合計4個の凹部18が形成される。しかし、かかる凹部18は、マグネットピース3の両端部におけるシャフト2側に位置しているので、マグネットロール1の磁気特性にはほとんど影響がない。
【0035】
尚、前記した構成において、図22に示すように、イジェクタ11の先端部に位置する突出部23に、アンダーカット部24を形成することが望ましい。かかる構成により、マグネットピース3の両端部において、アンダーカット部24がマグネットピース3の内部に侵入し、イジェクタ11にマグネットピース3がより強固に食い付いているので、外力を加えないとマグネットピース3をイジェクタ11から取り外すことができない。
【0036】
このようなアンダーカット部24としての突起(凸部)の突出部23端面からの突出量は、例えば、0.1mm、0.3mm等の微量であり、外力を加えれば容易に取り外すことができる寸法に設定する。ここで、アンダーカット部24は、突出部23に形成された凹凸部分であって、マグネットピース3を可動型13(可動側入れ子40)から取り出す際に、外力を加えることによるマグネットピース3の弾性変形によって取り出す必要のある部分であれば良いから、図22に示した突起(凸部)に限られるものではなく、図23に示したように凹部であっても良い。
【0037】
〔イジェクタの構成3〕
さらに、別の構成について、図5および図6におけるキャビティ46を構成する可動側入れ子35および固定側入れ子36をとりあげて説明する。
【0038】
図24、図25および図27に示すように、可動側入れ子35と固定側入れ子36が合わされることにより形成されるキャビティ46の長手方向の一端には副ランナー28が連通しており、他端には樹脂溜まり部326が連通している。そして、可動側入れ子35には、マグネットピース6を可動側入れ子35のキャビティ46から取り出すためのイジェクタ310が2本設けられている。
【0039】
このイジェクタ310は、1本が可動側入れ子35の樹脂溜まり部326に、もう1本が可動側入れ子35の副ランナー28に設けられているので、図26に示すように、可動側入れ子35のキャビティ46からマグネットピース6を取り出す際、イジェクタ310が直接マグネットピース6に接触することがない。つまり、マグネットピース6は、キャビティ46の長手方向の一端に連結した副ランナー28および他端に連結した樹脂溜まり部326で冷却固化した磁性樹脂材料323および128がイジェクタ310により突き出されることにより、可動側入れ子35のキャビティ46から取り出される。かかる構成により、イジェクタ310がマグネットピース6に接触することが無いので、マグネットピース6にイジェクタ310の跡が付かない。このため、マグネットピース6にイジェクタ310の跡が付くことによるマグネットピース6の表面の磁束密度の乱れを防止することができる。
【0040】
〔イジェクタの構成4〕
また、非磁性材料からなる可動側入れ子35の他の構成について以下に説明する。図28および図31に示すように、可動側入れ子35および固定側入れ子36を組み合わせることにより、キャビティ46と、このキャビティ46の長手方向の一端380にゲート39を介して連通した副ランナー28と、キャビティ46の長手方向の他端381に連通した樹脂溜まり部377が形成される。
【0041】
そして、可動側入れ子35側の副ランナー28および樹脂溜まり部377にイジェクタ310が設けられており、副ランナー28および樹脂溜まり部377の溶融した磁性樹脂材料が冷却固化した成形物を、イジェクタ310により突き出すことにより、可動側入れ子35のキャビティ46中のマグネットピース46を取り出すことができる。
【0042】
また、図28、図30および図34に示すように、可動側入れ子35側のキャビティ46におけるゲート39の近傍に、キャビティ46に突出した突出部378を設けると共に、樹脂溜まり部377の断面積を、キャビティ46の長手方向の他端381に向かって除々に大きくすることが望ましい。
【0043】
前記した構成3との主な相違点は、突出部378および樹脂溜まり部377であるため、これらについて詳細に説明する。
(突出部378)
図34に示すように、突出部378は、可動側入れ子35のキャビティ46に突出するように設けられている。この突出部378は、可動側入れ子35のキャビティ46内のマグネットピース6が成形物(副ランナー28の一部および樹脂溜まり部で固化した磁性樹脂材料)と共にイジェクタ310により可動型13の型開き方向に突き出される際に、マグネットピース6からスムーズに抜けるように可動型13の型開き方向に対してアンダーカット(マグネットピースを射出成形金型から取り出す際に型開き方向に対して引っ掛かりとなる部分)にならないように可動側入れ子35に形成されている。
【0044】
本構成4においては、突出部378として、可動側入れ子35のキャビティ46のキャビティ面の底面に、直径1.5mm(図34のF=1.5mm)、高さ1.5mm(図34のE=1.5mm)のピンを突出させた。尚、図34におけるG寸法は、マグネットピース6の熱収縮に負けない肉厚であれば良く、本構成4においては、G=1.5mmとした。尚、突起部378の位置は、キャビティ46の長手方向の一端380から10mm以内の範囲に設けることが望ましい。かかる範囲であれば、長手方向の磁力均一性に影響が出にくいからである。
【0045】
(樹脂溜まり部377)
樹脂溜まり部377は、図28〜図31に示すように、可動側入れ子35の樹脂溜まり部374と、固定側入れ子36の樹脂溜まり部375を型閉じにより合わせることにより形成される。これら樹脂溜まり部374および375の構成以外は同一であるため、樹脂溜まり部374について詳細に説明する。
【0046】
図32および図33(図32のA−A断面図)に示すように、樹脂溜まり部374は、可動側入れ子35のキャビティ34の他端381に向かって徐々に断面積が大きくなるように構成されている。より詳細に説明すると、図32および図33において樹脂溜まり部374の末端382から、キャビティ46の他端381に向かって、幅寸法がB<C<D、高さ寸法がE<F<Gとなるようになっている。尚、BとE、CとF、DとGの位置が対応している。
【0047】
このように構成することにより、キャビティ46および樹脂溜まり部377の内部に満たされた溶融した磁性樹脂材料が冷却固化してマグネットピース6が形成される際、キャビティ46の一端380側においてはマグネットピース6に突出部378が突入しているので、マグネットピース6の一端380側は、キャビティ46の他端381側に向かって収縮できない。
【0048】
しかし、マグネットピース6の他端381側は、樹脂溜まり部377が前記したように構成されているので、樹脂溜まり部377の内部で形成された成形物および当該成形物に接続したマグネットピース6の他端381側は、キャビティ46の一端380側に向かって自由に収縮できる。
【0049】
このため、キャビティ46内の溶融樹脂が冷却固化し、マグネットピース6が形成される際のマグネットピース6の収縮は専らキャビティ46の他端381側で発生するので、マグネットピース6と副ランナー128がゲート39が位置する部分において分離(切断)されることがなく、イジェクタ310により成形物を突き出すことによりマグネットピース6も可動側入れ子35から安定して突き出すことができる。
【0050】
かかる構成4を用いることにより、イジェクタ310は、マグネットピース6に接触することが無いので、マグネットピース6にイジェクタ310の跡が付かない。このため、マグネットピース6にイジェクタ310の跡が付くことによるマグネットピース6の表面の磁束密度の乱れを防止することができる。
【0051】
前記した構成1乃至4は、説明で例示したキャビティ以外のキャビティにおける可動側入れ子35および固定側入れ子36においても同様に構成できることはいうまでもない。また、構成1乃至4は、図5乃至8を用いて説明した多数個取り金型20に対し、単独で(イジェクタの構成1のみ、イジェクタの構成2のみ、イジェクタの構成3のみ、イジェクタの構成4のみ)用いることができるし、イジェクタの構成1およびイジェクタの構成2のように、相互に自由に組み合わせて用いることができる。
【0052】
(マグネットロールの製造方法)
前記した製造方法により得られたマグネットピース3〜8を、図1および図3に示したように、接着剤が塗布されたシャフト2に貼り付けた後、所望の磁束密度が出るように着磁することにより、高品質なマグネットロール1を製造することができる。
【実施例2】
【0053】
他の実施例を図9、図38〜図44を用いて説明する。
図9は、図38に示す多数個取り金型41を正面から見た断面図である。また、図40は、図39の多数個取り金型41から配向ヨークが固定された第1の金型および第2の金型を抜き出した断面図である。
尚、説明を分かりやすくするため、実施例1との相違点のみを詳細に説明し、実施例と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、強い磁束密度が必要な現像極のマグネットピース(現像極ピース)3を製造するためのキャビティ43を、磁性材料(例えば、SKD61)からなる第2の金型としての可動側入れ子40と、非磁性材料(例えば、SUS)からなる第1の金型としての固定側入れ子36により構成し、かつ、第1の金型に固定した磁性材料(例えば、SS400)からなる配向ヨーク17の長手方向の長さを規定した点である。かかる構成により、シャフトに貼り合わせたときに、磁束密度が高く、長手方向の磁束密度のバラツキが小さい(磁束密度の均一性が高い)マグネットピースを安価に製造できる。
【0055】
キャビティ43の長手方向に沿って固定側入れ子36に固定した配向ヨーク17は、以下のように長手方向の長さを規定する必要がある。すなわち、図40の紙面左側のように、キャビティ43の長手方向の端面50に対する配向ヨークの突出長Tが5mm以下にする必要がある。また、図40の紙面右側のように、キャビティ43の長手方向の端面50に対する配向ヨークの引込長Sが5mm以下にする必要がある。
【0056】
図40においては、キャビティ43の端面50に対して、配向ヨークの一端(紙面左側)を突出、他端(紙面右側)を引込した例を示して、突出長および引込長の限界値(5mm)を示したが、一端と他端が図40に図示した状態と逆の状態であっても同じである。つまり、配向ヨーク17は、キャビティ43の長手方向の両端面50に対する配向ヨーク17の突出長Tが5mm以下で、かつ、キャビティ43の両端面50に対する配向ヨーク17の引込長Sが5mm以下になるように設定しなければならない。
【0057】
図42は、前記した多数個取り金型41によりマグネットピース153〜158を成形し、これらマグネットピース153〜158を、接着剤を用いてシャフト152に貼り合わせたマグネットロール151の側面を図示したものである。マグネットピース151の各マグネットピースの機能について説明すると、現像極ピース154は、図43に示す現像スリーブ134に吸着された適正トナー濃度現像剤により感光体ロール71の表面を現像する機能を有するものである。回収極ピース155は、少なくとも現像スリーブ134の表面に吸着された低トナー濃度現像剤を回収する機能を有するものである。介在極ピース156は、回収極ピース155に隣接して設けられ、低トナー濃度現像剤を現像スリーブ134の表面から剥離する機能を有するものである。
【0058】
汲み上げ極ピース157は、介在極ピース156に隣接して設けられ、適正トナー濃度現像剤をその磁気吸引力により現像スリーブ134の表面に吸着する機能を有するものである。層規制極ピース158は、汲み上げピース157の磁気吸引力により現像スリーブの表面に吸着された適正トナー濃度現像剤の量を現像装置161のハウジングに固定されたブレード167を用いて調整する機能を有するものである。搬送極ピース153は、現像スリーブ134の表面に吸着された適正トナー濃度現像剤を現像極ピース154付近の現像領域へ送る機能を有するものである。
【0059】
これらマグネットピース153〜158の中で最も高い磁束密度が要求され、かつ、最も高い表面の磁束密度の均一性が要求される現像極ピース154は、多数個取り金型41のキャビティ43により成形される。
【0060】
図41は、キャビティ43の端面50からの着磁ヨーク17の突出長Tおよび引込長Sを変化させた場合の現像極ピース154の長手方向の磁束密度のバラツキをグラフ化したものである。より詳細に説明すると、多数個取り金型41を用いて成形したマグネットピース153〜158を、シャフト152に貼り合わせた後、特開平11−162731号公報、特開2003−45721号公報等に記載された着磁装置を用いて各マグネットピースが所望の磁束密度を得られるように着磁し、現像スリーブ表面における現像極ピースの長手方向の磁束密度のバラツキデータを採取する。このバラツキデータを、キャビティ43の端面50からの着磁ヨーク17の突出長Tおよび引込長Sを変化させて複数採取し、グラフ化したものが図41である。
【0061】
尚、現像極ピース154の表面とは、現像極ピース154の2つの円弧面の内、シャフト152とは反対側の円弧面(外側の円弧面)をいう。また、図41の縦軸は現像極ピース154の長手方向の一端から他端に至る磁束密度のバラツキ量(単位:ミリテスラ)である。図41の横軸は、−(マイナス)が突出長T、+(プラス)引込長Sであり、単位は共にミリメートルである。
【0062】
磁束密度は、現像極ピース154を含む全てのマグネットピースをシャフト152貼り付けたマグネットロール151を治具に固定し、ガウスメータのプローブを現像スリーブ表面に相当する位置において現像極ピース154に対向させて、マグネットロール151の端面(現像極ピースの端面)から10mmの位置と15mmの位置の2点を測定した。この際、プローブから出力された信号(アナログデータ)をガウスメータで磁界の強さに変換し、A(アナログ)/D(デジタル)変換器(図示せず)を介してPC(パソコン)に取り込んだ。そして、10mmの位置で測定したデータと15mmの位置で測定したデータの差を算出し、当該差をバラツキとして図41にプロットした。尚、プローブとして株式会社エーデーエスの型式FX−95B、ガウスメータとして株式会社エーデーエスの型式HGM−8300SWを用いた。
【0063】
図41を見ると、引込長が5mm(ミリメートル)を越えると、現像極ピース154の端部の磁束密度のバラツキが3mT(ミリテスラ)を越えることが分かる。また、突出長が5mm(ミリメートル)を越えると、現像極ピース154の端部の磁束密度のバラツキが3mT(ミリテスラ)を越えることが分かる。よって、現像極ピース154の長手方向の磁束密度のバラツキを3mT以下にするためには、前記したように、配向ヨーク17は、キャビティ43の長手方向の両端面50に対する配向ヨーク17の突出長Tが5mm以下で、かつ、キャビティ43の両端面50に対する配向ヨーク17の引込長Sが5mm以下になるように設定しなければならない。
【0064】
現像極ピース154の中央部の磁束密度のバラツキはあまり無いため、現像極ピース154の端部でのバラツキを3mT以下に抑えることができれば、現像極ピース154の長手方向全体の磁束密度を6mT以下に抑えることができる。このように磁束密度を6mT以下に抑えることができれば、高精度に感光体を現像できる。尚、キャビティ43を形成するキャビティ面の一部は、図4に示すように、配向ヨークの一部が構成していても良く、この場合であっても同様の作用効果を奏する。
【0065】
(現像装置)
図43は、前記したマグネットロール151を用いた現像装置の断面図である。現像装置161は、感光体ロール71と対向して配設され回転駆動する現像スリーブ134に、現像剤撹拌部材163、164によって所定のトナー濃度に撹拌調整されたトナーおよび磁性キャリアからなる2成分現像剤を保持(吸着)して感光体ロール71と対向する現像領域135に搬送し、トナーの転移によって感光体ロール71の表面に形成された静電潜像を現像するものである。
【0066】
(画像形成装置)
図44に示すように、画像形成装置131は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部110、画像形成プロセス部110を制御する制御部130、パーソナルコンピュータ102や画像読取装置103から受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部140を備えている。
【0067】
画像形成プロセス部110は、一定の間隔をおいて並列配置される4つの画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kを備えている。そして、これらの画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kのそれぞれは、静電潜像を形成してトナー像を担持する像担持体としての感光体ロール71と、この感光体ロール71の表面を所定電位で一様に帯電する帯電装置113と、帯電装置113によって表面が帯電された感光体ロール71を露光する露光装置としてのプリントヘッド88と、プリントヘッド88によって得られた静電潜像を現像する現像装置161と、転写後の感光体ロール71の表面を清掃するクリーナーブレード116とを備えている。
【0068】
さらに、現像装置161の下流側近傍には、感光体ロール71に対向して、感光体ロール71上に形成されたテスト用パッチ(濃度見本)のトナー像濃度を検出する濃度検出回路117が備えられている。この濃度検出回路117は制御部130に接続され、トナー像濃度検出値を出力する。
【0069】
ここで、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kは、現像装置161に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0070】
また、画像形成プロセス部110は、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kの感光体ロール71にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト121と、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kの各色のトナー像を中間転写ベルト121に順次転写(一次転写)させる一次転写帯電装置としての一次転写ロール122と、中間転写ベルト121上に転写された重畳トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写帯電装置としての二次転写ロール123と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置125とを備えている。
【0071】
画像形成プロセス部110は、制御部130から供給された同期信号等の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。その際に、パーソナルコンピュータ102や画像読取装置103から入力された画像データは、画像処理部140によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kに供給される。
【0072】
そして、例えばイエローの画像形成ユニット111Yでは、帯電装置113により所定電位で一様に帯電された感光体ロール71の表面が、画像処理部140から得られた画像データに基づいて発光するプリントヘッド88により露光されて、感光体ロール71上に静電潜像が形成される。
【0073】
この静電潜像は、現像装置161により現像され、感光体ロール71上にはイエローのトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット111M、111C、111Kのそれぞれの感光体ロール71においても、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像が形成される。
【0074】
各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kのそれぞれの感光体ロール71に形成された各色トナー像は、図44の矢印G方向に回動する中間転写ベルト121上に、一次転写ロール122により順次静電吸引され、中間転写ベルト121上に重畳されたトナー像が形成される。
【0075】
この重畳トナー像は、中間転写ベルト121の回動に伴って二次転写ロール123が配設された領域(二次転写部)に搬送される。そして、重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、トナー像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて用紙Pが二次転写部に供給される。
【0076】
そして、二次転写部にて二次転写ロール123により形成される転写電界により、重畳トナー像は搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト121から剥離され、搬送ベルト124により定着装置125まで搬送される。
【0077】
定着装置125に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置125によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、デジタルカラープリンタ131の排出部に設けられた図示しない排紙載置部に搬送される。
【0078】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載から当事者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0079】
例えば、前記したマグネットロール1は、6つのマグネットピース3〜8をシャフト2の周りに貼り合わせたものを示したが、マグネットピースの数は6つに限るものではなく、複数であれば5つ以下であっても、7つ以上であっても良い。
【0080】
また、図37に示すように、前記した実施例において、固定側取付盤38の溶融した磁性樹脂材料の流路(主ランナー27および副ランナー28)に、ホットランナーを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、画像形成装置等に使用されるマグネットロールを製造するためのマグネットピースに適用される。
【符号の説明】
【0082】
1 マグネットロール
2 シャフト
3〜8 マグネットピース
13 可動型
14 固定型
17 配向ヨーク
20 多数個取り金型
27 主ランナー
28 副ランナー
35 可動側入れ子
36 固定側入れ子
39 ゲート
43〜48 キャビティ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性鋼からなる配向ヨークを固定した非磁性鋼からなる第1の金型と、
該第1の金型に対して相対的に移動する全部が磁性鋼からなる第2の金型とを備え、
該第1の金型および該第2の金型を型締めすることによりランナーの一部および長尺なキャビティを形成し、該ランナーを介して溶融磁性材料を該キャビティに射出して断面扇形状のマグネットピースを成形するマグネットピース成形金型において、
前記配向ヨークは、前記キャビティの長手方向の両端面に対する前記配向ヨークの突出長が5mm以下であって、前記キャビティの両端面に対する前記配向ヨークの引込長が5mm以下になるように設定したことを特徴とするマグネットピース成形金型
【請求項2】
請求項1に記載のマグネットピース成形金型を用いて成形したマグネットピースを、シャフトに貼り合わせたマグネットロール
【請求項3】
請求項2に記載のマグネットロールと、
該マグネットロールの周りを回転する円筒形状の現像スリーブと、
該現像スリーブと対向して設けられた層厚規制部材と、
現像剤を撹拌する現像剤撹拌部材とをハウジング内に備えた現像装置
【請求項4】
請求項3に記載の現像装置と、
該現像装置の前記現像スリーブと対向した感光体とを備えた画像形成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2010−237673(P2010−237673A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−73999(P2010−73999)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(310010793)富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】