説明

マグネット式液面計、炭化水素合成反応装置および炭化水素合成反応システム

【課題】液面位置を高精度に検出すること。
【解決手段】スラリーが収容された収容容器30に併設されるスタンドパイプ82と、スタンドパイプ82と収容容器30とを連通する連通管84、86と、スタンドパイプ82内のスラリーに浮遊するフロート88と、スラリーに含有された触媒粒子のスタンドパイプ82内への侵入を規制する規制部94と、を備えているフロート式液面計80を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネット式液面計、炭化水素合成反応装置および炭化水素合成反応システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天然ガスから液体燃料を合成するための方法の一つとして、天然ガスを改質して一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により触媒を用いて炭化水素を合成し、さらにこの炭化水素を水素化・精製することで、ナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油、ワックス等の液体燃料製品を製造するGTL(Gas To Liquids:液体燃料合成)技術が開発されている。
このGTL技術に用いられる炭化水素合成反応装置では、媒体液(例えば、液体の炭化水素など)中に固体の触媒粒子(例えば、コバルト触媒など)を懸濁させてなるスラリーが収容された反応容器の内部で、合成ガス中の一酸化炭素ガスと水素ガスとをFT合成反応させることで炭化水素を合成する。
【0003】
ところで、前記炭化水素合成反応装置における反応容器内のスラリーの液面位置を検出する液面計としては、磁石を用いたマグネット式が好適に採用される。マグネット式液面計は、磁石の位置に基づいて液面位置を検出するものであり、例えば視認性を確保し易いこと等が利点として挙げられる。
この種のマグネット式液面計としては、例えば下記特許文献1に示されるような構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5406838号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のマグネット式液面計を、前記炭化水素合成反応装置における反応容器に適用しようとした場合、磁力を有する触媒粒子を起因として液面位置を誤検出するおそれがあった。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液面位置を高精度に検出することができるマグネット式液面計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係るマグネット式液面計は、スラリーが収容された収容容器に併設されるスタンドパイプと、前記スタンドパイプと前記収容容器とを連通する連通管と、前記スタンドパイプ内の前記スラリーに浮遊するフロートと、を備え、前記フロートに設けられた磁石の位置に基づいて、前記収容容器内のスラリーの液面位置を検出するマグネット式液面計であって、前記スラリーに含有された触媒粒子の前記スタンドパイプ内への侵入を規制する規制部を備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、前記規制部を備えているので、触媒粒子のスタンドパイプ内への侵入を規制して、スタンドパイプ内において磁力を有する触媒粒子による誤検出を抑制することができる。
【0009】
また、請求項2に係るマグネット式液面計は、前記規制部は、前記スラリーの媒体液を主成分とする清澄液を前記スタンドパイプの頂部から供給する供給部を備えていることを特徴とする。
なお前記清澄液は、前記触媒粒子を非含有の媒体液であってもよい。ここで、触媒粒子を非含有とは、触媒粒子を全く含有していない場合だけでなく、触媒粒子を僅かに含有している場合も含むものとする。
【0010】
この場合、供給部によりスタンドパイプの頂部から清澄液を供給すると、スタンドパイプ内のスラリーに上方から清澄液が供給される。これにより、連通管内において、スタンドパイプ側から収容容器側に向けてスラリーの流れを形成することができる。
【0011】
また、請求項3に係るマグネット式液面計は、前記供給部は、前記収容容器から排出された前記スラリーから前記触媒粒子を分離して前記清澄液を生成することを特徴とする。
【0012】
この場合、供給部が、収容容器から排出されたスラリーから触媒粒子を分離して清澄液を生成するので、収容容器を清澄液の供給源としても機能させることができる。
【0013】
また、請求項4に係るマグネット式液面計は、前記規制部は、前記連通管に配設された前記触媒粒子用のフィルタ部と、前記フィルタ部に対して前記スタンドパイプ側から前記収容容器側に洗浄流体を供給し、前記フィルタ部を逆洗する逆洗部と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
この場合、規制部が、前記フィルタ部を備えているので、連通管を通してスタンドパイプ内に触媒粒子が侵入するのを確実に抑制することができる。
また規制部が、前記逆洗部を備えているので、例えば定期的にフィルタ部の逆洗を行うこと等により、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
【0015】
また、請求項5に係る炭化水素合成反応装置は、水素ガスおよび一酸化炭素ガスを主成分とする合成ガスと、媒体液中に磁性体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとを接触させることによって炭化水素化合物を合成する炭化水素合成反応装置であって、前記スラリーを収容するとともに前記合成ガスが供給される収容容器と、前記マグネット式液面計と、を備えていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に係る炭化水素合成反応ユニットは、前記炭化水素合成反応装置と、炭化水素原料を改質して前記合成ガスを生成し、前記合成ガスを前記収容容器に供給する合成ガス生成ユニットと、前記炭化水素化合物から液体燃料を製造するアップグレーディングユニットと、を備えていることを特徴とする炭化水素合成反応システム。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係るマグネット式液面計によれば、スタンドパイプ内において磁力を有する触媒粒子による誤検出を抑制することができるので、液面位置を高精度に検出することができる。
【0018】
請求項2に係るマグネット式液面計によれば、連通管内ににおいて、スタンドパイプ側から収容容器側に向けてスラリーの流れを形成することができるので、連通管を通してスタンドパイプ内に触媒粒子が侵入するのを確実に抑制することができる。
【0019】
請求項3に係るマグネット式液面計によれば、収容容器を清澄液の供給源としても機能させることができるので、マグネット式液面計を備える系、全体の簡素化および小型化を図ることができる。
【0020】
請求項4に係るマグネット式液面計によれば、連通管を通してスタンドパイプ内に触媒粒子が侵入するのを確実に抑制することができる。
【0021】
請求項5に係る炭化水素合成反応装置によれば、前記マグネット式液面計を備えているので、収容容器の液面位置を高精度に検出することができる。
【0022】
請求項6に係る炭化水素合成反応システムによれば、前記マグネット式液面計を備えているので、収容容器の液面位置を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る液体燃料合成システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す液体燃料合成システムを構成するマグネット式液面計の概略図である。
【図3】図2に示すマグネット式液面計の変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る液体燃料合成システムの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(液体燃料合成システム)
図1に示すように、液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)1は、天然ガス等の炭化水素原料を液体燃料に転換するGTLプロセスを実行するプラント設備である。この液体燃料合成システム1は、合成ガス生成ユニット3と、FT合成ユニット(炭化水素合成反応装置)5と、アップグレーディングユニット7とから構成される。合成ガス生成ユニット3は、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを製造する。FT合成ユニット5は、製造された合成ガスからFT合成反応により液体の炭化水素化合物を生成する。アップグレーディングユニット7は、FT合成反応により合成された液体の炭化水素化合物を水素化・精製して液体燃料その他の製品(ナフサ、灯油、軽油、ワックス等)を製造する。以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
【0025】
まず、合成ガス生成ユニット3について説明する。
合成ガス生成ユニット3は、例えば、脱硫反応器10と、改質器12と、排熱ボイラー14と、気液分離器16および18と、脱炭酸装置20と、水素分離装置26とを主に備える。脱硫反応器10は、水素化脱硫装置等で構成されて原料である天然ガスから硫黄成分を除去する。改質器12は、脱硫反応器10から供給された天然ガスを改質して、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分として含む合成ガスを製造する。排熱ボイラー14は、改質器12にて生成した合成ガスの排熱を回収して高圧スチームを発生する。気液分離器16は、排熱ボイラー14において合成ガスとの熱交換により加熱された水を気体(高圧スチーム)と液体とに分離する。気液分離器18は、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分を除去し気体分を脱炭酸装置20に供給する。脱炭酸装置20は、吸収塔(第2吸収塔)22と、再生塔24と、を有する。吸収塔22では、気液分離器18から供給された合成ガスに含まれる炭酸ガスが吸収液によって吸収される。再生塔24では、炭酸ガスを吸収した吸収液が炭酸ガスを放散し、吸収剤が再生される。水素分離装置26は、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部を分離する。ただし、上記脱炭酸装置20は場合によっては設けないこともある。
【0026】
改質器12では、例えば、下記の化学反応式(1)、(2)で表される水蒸気・炭酸ガス改質法を用い、二酸化炭素と水蒸気によって天然ガスが改質され、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスが製造される。なお、この改質器12における改質法は、上記の水蒸気・炭酸ガス改質法に限定されない。例えば、水蒸気改質法、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分酸化改質法と水蒸気改質法の組合せである自己熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用することもできる。
【0027】
CH+HO→CO+3H ・・・(1)
CH+CO→2CO+2H ・・・(2)
【0028】
水素分離装置26は、脱炭酸装置20又は気液分離器18と気泡塔型反応器30とを接続する主配管から分岐した分岐ライン上に設けられる。この水素分離装置26は、例えば、圧力差を利用して水素の吸着と脱着を行う水素PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置などで構成できる。この水素PSA装置は、並列配置された複数の吸着塔(図示せず。)内に吸着剤(ゼオライト系吸着剤、活性炭、アルミナ、シリカゲル等)を有している。各吸着塔で水素の加圧、吸着、脱着(減圧)、パージの各工程を順番に繰り返すことで、合成ガスから分離した純度の高い水素ガス(例えば99.999%程度)を、連続して供給することができる。
【0029】
水素分離装置26における水素ガス分離方法は、上記の水素PSA装置による圧力変動吸着法に限定されない。例えば、水素吸蔵合金吸着法、膜分離法、或いはこれらの組合せなどを用いてもよい。
【0030】
水素吸蔵合金法は、例えば、冷却/加熱されることで水素を吸着/放出する性質を有する水素吸蔵合金(TiFe、LaNi、TiFe0.7〜0.9Mn0.3〜0.1、又はTiMn1.5など)を用いて、水素ガスを分離する手法である。水素吸蔵合金法では、例えば水素吸蔵合金が収容された複数の吸着塔において、水素吸蔵合金の冷却による水素の吸着と、水素吸蔵合金の加熱による水素の放出とが交互に繰り返される。これにより、合成ガス中の水素ガスを分離・回収することができる。
【0031】
膜分離法は、芳香族ポリイミド等の高分子素材の膜を用いて、混合ガスから膜透過性に優れた水素ガスを分離する手法である。この膜分離法は、分離対称の相変化を必要としないため、運転に必要なエネルギーが小さくて済み、ランニングコストが小さい。また、膜分離装置の構造が単純でコンパクトなため、設備コストが低く設備の所要面積も小さくて済む。さらに、分離膜には駆動装置がなく、安定運転範囲が広いため、保守管理が容易であるという利点がある。
【0032】
次に、FT合成ユニット5について説明する。
FT合成ユニット5は、例えば、気泡塔型反応器(収容容器)30と、気液分離器34と、分離器36と、分離器37と、気液分離器38と、第1精留塔40と、を主に備える。気泡塔型反応器30は、上記合成ガス生成ユニット3で製造された合成ガス、即ち、一酸化炭素ガスと水素ガスとからFT合成反応により液体炭化水素化合物を合成する。気液分離器34は、気泡塔型反応器30内に配設された伝熱管32内を通過して加熱された水を、水蒸気(中圧スチーム)と液体とに分離する。分離器36は、気泡塔型反応器30の中央部に接続され、触媒と液体炭化水素化合物を分離する。分離器37は、分離器36に接続され、分離器37には、分離器36から液体炭化水素化合物が供給される。気液分離器38は、気泡塔型反応器30の塔頂に接続され、未反応合成ガス及び気体炭化水素化合物を冷却する。第1精留塔40は、気泡塔型反応器30から分離器36および分離器37、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素化合物を各留分に分留する。
【0033】
このうち、気泡塔型反応器30は、合成ガスから液体の炭化水素化合物を合成する反応器の一例であり、FT合成反応により合成ガスから液体の炭化水素化合物を合成するFT合成用反応器として機能する。この気泡塔型反応器30は、例えば、塔型の容器内部に主に触媒粒子と媒体油(媒体液、液体の炭化水素)とからなるスラリーが貯留された気泡塔型スラリー床式反応器で構成される。この気泡塔型反応器30は、FT合成反応により合成ガスから気体又は液体の炭化水素化合物を合成する。詳細には、この気泡塔型反応器30では、原料ガスである合成ガスは、気泡塔型反応器30の底部の分散板から気泡となって供給され、媒体油中に触媒粒子が懸濁されたスラリー内を通過する。そして、懸濁状態の中で下記化学反応式(3)に示すように、合成ガスに含まれる水素ガスと一酸化炭素ガスとが反応して炭化水素化合物が合成される。
【0034】
【化1】

【0035】
なお、このFT合成反応は発熱反応であるため、気泡塔型反応器30は内部に伝熱管32が配設された熱交換器型になっている。気泡塔型反応器30には、冷媒として例えば水(BFW:Boiler Feed Water)が供給され、上記FT合成反応の反応熱を、スラリーと水との熱交換により中圧スチームとして回収できるようになっている。
【0036】
次に、アップグレーディングユニット7について説明する。アップグレーディングユニット7は、例えば、ワックス留分水素化分解反応器50と、中間留分水素化精製反応器52と、ナフサ留分水素化精製反応器54と、気液分離器56,58,60と、第2精留塔70と、ナフサ・スタビライザー72とを備える。ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底に接続されている。中間留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されている。ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の塔頂に接続されている。気液分離器56,58,60は、これら水素化反応器50,52,54のそれぞれに対応して設けられている。第2精留塔70は、気液分離器56,58から供給された液体炭化水素化合物を分留する。ナフサ・スタビライザー72は、気液分離器60から供給された、及び第2精留塔70から分留されたナフサ留分の液体炭化水素化合物を精留する。その結果、ナフサ・スタビライザー72は、ブタン及びブタンより軽質の成分をオフガスとして排出し、炭素数5以上の成分を製品のナフサとして回収する。
【0037】
次に、以上のような構成の液体燃料合成システム1により、天然ガスから液体燃料を合成する工程(GTLプロセス)について説明する。
【0038】
液体燃料合成システム1には、天然ガス田又は天然ガスプラントなどの外部の天然ガス供給源(図示せず。)から、炭化水素原料としての天然ガス(主成分がCH)が供給される。上記合成ガス生成ユニット3は、この天然ガスを改質して合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)を製造する。
【0039】
具体的には、まず、上記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫反応器10に導入される。脱硫反応器10では、導入された水素ガスと水素化脱硫触媒により、天然ガスに含まれる硫黄分が硫化水素に転換される。更に、脱硫反応器10では、生成した硫化水素が例えばZnO等の脱硫剤により吸着除去される。このようにして天然ガスを予め脱硫しておくことにより、改質器12及び気泡塔型反応器30等で用いられる触媒の活性が硫黄により低下することを防止できる。
【0040】
このようにして脱硫された天然ガス(二酸化炭素を含んでもよい。)は、二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給される二酸化炭素(CO)ガスと、排熱ボイラー14で発生した水蒸気とが混合された上で、改質器12に供給される。改質器12では、例えば、上述した水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とにより天然ガスが改質され、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスが製造される。このとき、改質器12には、例えば、改質器12が備えるバーナー用の燃料ガスと空気(エア)とが供給されている。そして、当該バーナーにおける燃料ガスの燃焼熱により、吸熱反応である上記水蒸気・炭酸ガス改質反応に必要な反応熱がまかなわれている。
【0041】
このようにして改質器12で製造された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を通過する水との熱交換により冷却(例えば400℃)される。そして、合成ガスの排熱が水により回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給される。そして、この合成ガスにより加熱された水は、気液分離器16において高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)と、水とに分離される。分離された高圧スチームは、改質器12または他の外部装置に供給され、分離された水は排熱ボイラー14に戻される。
【0042】
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮した液体分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又は気泡塔型反応器30に供給される。吸収塔22では、吸収塔22の内部に貯留されている吸収液によって、合成ガスに含まれる炭酸ガスが吸収され、当該合成ガスから炭酸ガスが除去される。吸収塔22内で炭酸ガスを吸収した吸収液は、吸収塔22から排出され、再生塔24に導入される。再生塔24に導入された吸収液は、例えばスチームで加熱されてストリッピング処理され、炭酸ガスを放散する。放散された炭酸ガスは、再生塔24から排出されて改質器12に導入され、上記改質反応に再利用される。
【0043】
このようにして、合成ガス生成ユニット3で製造された合成ガスは、上記FT合成ユニット5の気泡塔型反応器30に供給される。このとき、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスは、脱炭酸装置20と気泡塔型反応器30とを接続する配管に設けられた圧縮器(図示せず。)により、FT合成反応に適した圧力(例えば3.6MPaG程度)まで昇圧される。
【0044】
また、上記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26では、上記のように圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスが分離される。当該分離された水素は、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料合成システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、ワックス留分水素化分解反応器50、中間留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)に連続して供給される。
【0045】
次いで、上記FT合成ユニット5は、上記合成ガス生成ユニット3によって製造された合成ガスから、FT合成反応により、液体炭化水素化合物を合成する。
【0046】
具体的には、上記脱炭酸装置20において炭酸ガスが分離された合成ガスは、気泡塔型反応器30に導入され、気泡塔型反応器30内に貯留された触媒を含むスラリー内を通過する。この際、気泡塔型反応器30内では、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応して、炭化水素化合物が生成する。さらに、このFT合成反応時には、気泡塔型反応器30の伝熱管32内を通過する水によって、FT合成反応の反応熱が回収され、反応熱によって加熱された水が気化して水蒸気となる。この水蒸気は気液分離器34に供給されて凝縮した水と気体分に分離され、水は伝熱管32に戻されて、気体分は中圧スチーム(例えば1.0〜2.5MPaG)として外部装置に供給される。
【0047】
このようにして、気泡塔型反応器30で合成された液体炭化水素化合物は、気泡塔型反応器30の中央部から触媒粒子を含んだスラリーとして排出されて、分離器36に導入される。分離器36では、導入されたスラリーが触媒(固形分)と、液体炭化水素化合物を含んだ液体分とに分離される。分離された触媒の一部は気泡塔型反応器30に戻され、液体分は分離器37に供給される。この液体分は、分離器37に至るまでの過程でその一部が気化され、気化されたガス分は、分離器37において分離され、残りの液体分はその一部が第1精留塔40に導入される。気泡塔型反応器30の塔頂からは、FT合成反応において反応しなかった合成ガスと、FT合成反応により生成した気体炭化水素化合物と、を含む気体副生成物が排出される。気泡塔型反応器30から排出された気体副生成物は、気液分離器38に導入される。気液分離器38では、導入された気体副生成物が冷却され、凝縮した液体炭化水素化合物と、ガス分とに分離される。分離された液体炭化水素化合物は、気液分離器38から排出され、第1精留塔40に導入される。分離されたガス分は、気液分離器38から排出され、その一部が気泡塔型反応器30に再導入される。気泡塔型反応器30では、再導入されたガス分に含まれる未反応の合成ガス(COとH)がFT合成反応に再利用される。また、気液分離器38から排出されたガス分の一部、および上記分離器37において分離されたガス分は、オフガスとして燃料に使用されたり、このガス分からLPG(液化石油ガス)相当の燃料が回収されたりする。
【0048】
第1精留塔40では、上記のようにして気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素化合物(炭素数は多様)が、ナフサ留分(沸点が約150℃より低い)と、中間留分(沸点が約150〜350℃)と、ワックス留分(沸点が約350℃を超える)とに分留される。この第1精留塔40の塔底から排出されるワックス留分の液体炭化水素化合物(主としてC21以上)は、ワックス留分水素化分解反応器50に導入される。第1精留塔40の中央部から排出される灯油・軽油に相当する中間留分の液体炭化水素化合物(主としてC11〜C20)は、中間留分水素化精製反応器52に導入される。第1精留塔40の塔頂から排出されるナフサ留分の液体炭化水素化合物(主としてC〜C10)は、ナフサ留分水素化精製反応器54に導入される。
【0049】
ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底から排出された炭素数の多いワックス留分の液体炭化水素化合物(概ねC21以上)を、上記水素分離装置26から供給された水素ガスを利用して水素化分解して、炭素数を20以下に低減する。この水素化分解反応では、炭素数の多い炭化水素化合物のC−C結合が切断される。これにより、炭素数の多い炭化水素化合物が炭素数の少ない炭化水素化合物へと転換される。また、ワックス留分水素化分解反応器50においては、水素化分解反応と並行して、直鎖状飽和炭化水素化合物(ノルマルパラフィン)を水素化異性化して分岐状飽和炭化水素化合物(イソパラフィン)を生成する反応も進行する。これにより、ワックス留分水素化分解生成物の、燃料油基材として要求される低温流動性が向上する。さらに、ワックス留分水素化分解反応器50においては、原料であるワックス留分に含まれるアルコール等の含酸素化合物の水素化脱酸素反応及びオレフィンの水素化反応も進行する。水素化分解されワックス留分水素化分解反応器50から排出された液体炭化水素化合物を含む生成物は、気液分離器56に導入され、気体と液体とに分離される。分離された液体炭化水素化合物は、第2精留塔70に導入され、分離された気体分(水素ガスを含む。)は、中間留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54に導入される。
【0050】
中間留分水素化精製反応器52では、第1精留塔40の中央部から排出された炭素数が中程度である灯油・軽油に相当する中間留分の液体炭化水素化合物(概ねC11〜C20)が水素化精製される。中間留分水素化精製反応器52では、水素分離装置26からワックス留分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスが、水素化精製に用いられる。この水素化精製反応においては、上記液体炭化水素化合物中に含まれるオレフィンが水素化されて飽和炭化水素化合物を生成するとともに、上記液体炭化水素化合物中に含まれるアルコール等の含酸素化合物が水素化脱酸素され飽和炭化水素化合物と水とに転換される。更に、この水素化精製反応においては、直鎖状飽和炭化水素化合物(ノルマルパラフィン)を異性化して分岐状飽和炭化水素化合物(イソパラフィン)に転換する水素化異性化反応が進行し、生成油の燃料油として要求される低温流動性を向上させる。水素化精製された液体炭化水素化合物を含む生成物は、気液分離器58で気体と液体に分離される。分離された液体炭化水素化合物は、第2精留塔70に導入され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
【0051】
ナフサ留分水素化精製反応器54では、第1精留塔40の上部から排出された炭素数が少ないナフサ留分の液体炭化水素化合物(概ねC10以下)が、水素化精製される。ナフサ留分水素化精製反応器54では、水素分離装置26からワックス留分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスが、水素化精製に用いられる。この結果、水素化精製された液体炭化水素化合物を含む生成物は、気液分離器60で気体と液体に分離される。分離された液体炭化水素化合物は、ナフサ・スタビライザー72に導入され、分離された気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。このナフサ留分の水素化精製においては、主としてオレフィンの水素化及びアルコール等の含酸素化合物の水素化脱酸素が進行する。
【0052】
第2精留塔70では、上記のようにしてワックス留分水素化分解反応器50及び中間留分水素化精製反応器52から供給された液体炭化水素化合物をC10以下の炭化水素化合物(沸点が約150℃より低い)と、灯油(沸点が約150〜250℃)と、軽油(沸点が約250〜350℃)と、ワックス留分水素化分解反応器50からの未分解ワックス分(沸点約350℃を超える)とに分留する。第2精留塔70の塔底からは未分解のワックス留分が得られ、これはワックス留分水素化分解反応器50の上流にリサイクルされる。第2精留塔70の中央部からは灯油及び軽油が排出される。一方、第2精留塔70の塔頂からは、C10以下の気体炭化水素化合物が排出されて、ナフサ・スタビライザー72に導入される。
【0053】
さらに、ナフサ・スタビライザー72では、上記ナフサ留分水素化精製反応器54から供給された、及び第2精留塔70において分留されたC10以下の炭化水素化合物が蒸留され、製品としてのナフサ(C〜C10)が得られる。これにより、ナフサ・スタビライザー72の塔底からは、高純度のナフサが排出される。一方、ナフサ・スタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が所定数以下(C以下)の炭化水素化合物を主成分とするオフガスが排出される。このオフガスは、燃料ガスとして使用されたり、このオフガスからLPG相当の燃料が回収されたりする。
【0054】
(マグネット式液面計)
次に図2に示すように、上記FT合成ユニット5が備えるマグネット式液面計80について説明する。
マグネット式液面計80は、気泡塔型反応器30に併設されたスタンドパイプ82と、スタンドパイプ82と気泡塔型反応器30とを連通する連通管84、86と、スタンドパイプ82内のスラリーに浮遊するフロート88と、スタンドパイプ82に沿って気泡塔型反応器30の外部に延設されたインジケータ90と、を備えている。ここでフロート88には磁石92が設けられており、このマグネット式液面計80は、磁石92の位置に基づいて、気泡塔型反応器30内のスラリーの液面位置を検出する。
なおスタンドパイプ82、フロート88は非磁性体からなり、スラリーに含有された前記触媒粒子は磁性体からなる。
【0055】
連通管84、86としては、スタンドパイプ82の底部と気泡塔型反応器30とを連通する底連通管84と、スタンドパイプ82の頂部と気泡塔型反応器30とを連通する頂連通管86と、が備えられている。これらの両連通管84、86には、いずれも開閉弁84a、86aが設けられている。頂連通管86は、気泡塔型反応器30とスタンドパイプ82との各気相部を連通している。
【0056】
スタンドパイプ82内のスラリーの液面は、気泡塔型反応器30内のスラリーの液面に対応し、気泡塔型反応器30内の液面に追従して上下推移する。
フロート88は、上下方向に延在し、フロート88の上端部は、スタンドパイプ82内のスラリーの液面よりも上方に位置している。
磁石92は、フロート88と同軸に配置され、フロート88の上端部から上方に向けて突出している。
【0057】
インジケータ90内には、図示しない指示体が昇降可能に設けられている。前記指示体には、スタンドパイプ82内の磁石92と吸引し合う図示しないマグネットが設けられている。これにより、スタンドパイプ82内の液面の上下推移に伴って、前記指示体が上下動することとなり、このとき、前記指示体は液面位置を指し示している。
【0058】
そして本実施形態では、マグネット式液面計80は、触媒粒子のスタンドパイプ82内への侵入を規制する規制部94を更に備えている。図示の例では、規制部94は、媒体油を主成分とする清澄液をスタンドパイプ82の頂部から供給する供給部96を備えている。なお清澄液は、触媒粒子を非含有の媒体油とされている。ここで、触媒粒子を非含有とは、触媒粒子を全く含有していない場合だけでなく、触媒粒子を僅かに含有している場合も含むものとする。
【0059】
図1に示すように、供給部96は、気泡塔型反応器30から排出されたスラリーから触媒粒子を分離して清澄液を生成する。供給部96は、前記分離器36と、前記分離器37と、移送部98と、供給管100と、により構成されている。
移送部98には、分離器37において分離された液体分のうち、第1精留塔40に導入されなかったものが供給される。
供給管100は、移送部98およびスタンドパイプ82の頂部に接続されている。また、供給管100には開閉弁100aが設けられている。
【0060】
以上のように構成したマグネット式液面計80では、分離器36および分離器37を介して気泡塔型反応器30から移送部98に供給された清澄液は、移送部98により移送され、一部が気泡塔型反応器30に戻され、残りの清澄液は、供給管100を通してスタンドパイプ82の頂部からスタンドパイプ82内に供給される。
すると、スタンドパイプ82内のスラリーに上方から清澄液が供給される。これにより、底連通管84内ににおいて、スタンドパイプ82側から気泡塔型反応器30側に向けてスラリーの流れを形成することが可能になり、底連通管84を通してスタンドパイプ82内に触媒粒子が侵入するのを確実に抑制することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係るマグネット式液面計80によれば、前記規制部94を備えているので、触媒粒子のスタンドパイプ82内への侵入を規制して、スタンドパイプ82内において磁力を有する触媒粒子による誤検出を抑制することができるので、液面位置を高精度に検出することができる。
【0062】
また供給部96が、気泡塔型反応器30から排出されたスラリーから触媒粒子を分離して清澄液を生成するので、気泡塔型反応器30を清澄液の供給源としても機能させることができる。これにより、FT合成ユニット5全体の簡素化および小型化を図ることができる。
【0063】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、規制部94は前記実施形態に示したものに限られず、触媒粒子のスタンドパイプ内82への侵入を規制する構成であれば、図3に示すような構成を採用することも可能である。
【0064】
図3に示すマグネット式液面計110では、規制部94には、底連通管84に配設された触媒粒子用のフィルタ部112と、フィルタ部112に対してスタンドパイプ82側から気泡塔型反応器30側に洗浄流体を供給し、フィルタ部112を逆洗する逆洗部114と、が前記供給部96に代えて備えられている。
【0065】
フィルタ部112は、底連通管84において開閉弁84aよりも気泡塔型反応器30側に配置されている。なおフィルタ部112は、底連通管84に着脱可能に装着されていてもよい。
逆洗部114は、洗浄流体が貯留された貯留部116と、この貯留部116と、底連通管84において開閉弁84aとフィルタ部112との間に位置する部分と、を接続する接続管118と、接続管118に設けられた開閉弁118aと、を備えている。
【0066】
ここで、逆洗部114を用いてフィルタ部112を逆洗する際には、底連通管84の開閉弁84aを閉状態にした後、貯留部116から接続管118を通して底連通管84に洗浄流体を供給する。なお前記洗浄流体としては、例えば窒素ガス等を好適に採用することができる。
【0067】
前記マグネット式液面計110によれば、規制部94が、前記フィルタ部112を備えているので、底連通管84を通してスタンドパイプ82内に触媒粒子が侵入するのを確実に抑制することができる。
また規制部94が、前記逆洗部114を備えているので、例えば定期的にフィルタ部112の逆洗を行うこと等により、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
以上のように、底連通管84を通してスタンドパイプ82内に触媒粒子が侵入するのを確実に抑制することができる。
【0068】
なお、図3に示すマグネット式液面計110では、規制部94に、フィルタ部112および逆洗部114が前記供給部96に代えて備えられているものとしたが、フィルタ部112および逆洗部114、並びに供給部96が備えられていてもよい。
【0069】
また前記実施形態では、インジケータ90の前記指示部が液面位置を指し示すものとしたが、フロートに設けられた磁石の位置に基づいて、収容容器内のスラリーの液面位置を検出する構成であれば、適宜変更することが可能である。例えば、インジケータ90に代えて、磁気センサを採用してもよい。
【0070】
また前記実施形態では、液体燃料合成システム1に供給される炭化水素原料として、天然ガスを用いたが、かかる例に限定されず、例えば、アスファルト、残油など、その他の炭化水素原料を用いてもよい。
【0071】
また、前記実施形態では、気泡塔型反応器30における合成反応として、FT合成反応による液体炭化水素の合成を例示したが、本発明はかかる例に限定されない。気泡塔型反応器における合成反応としては、例えば、オキソ合成(ヒドロホルミル化反応)「R−CH=CH+CO+H→R−CHCHCHO」、メタノール合成「CO+2H→CHOH」、ジメチルエーテル(DME)合成「3CO+3H→CHOCH+CO」などにも適用することができる。
【0072】
また、本発明に係るマグネット式液面計80は、液体燃料合成システム1への適用に限られるものではなく、スラリーを収容する気泡塔型反応器30の液面を検出するのに好適に採用することができる。
【0073】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)
3 合成ガス生成ユニット
5 FT合成ユニット(炭化水素合成反応装置)
7 アップグレーディングユニット
30 気泡塔型反応器(収容容器)
80、110 マグネット式液面計
82 スタンドパイプ
84、86 連通管
88 フロート
92 磁石
94 規制部
96 供給部
112 フィルタ部
114 逆洗部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリーが収容された収容容器に併設されるスタンドパイプと、
前記スタンドパイプと前記収容容器とを連通する連通管と、
前記スタンドパイプ内の前記スラリーに浮遊するフロートと、を備え、
前記フロートに設けられた磁石の位置に基づいて、前記収容容器内のスラリーの液面位置を検出するマグネット式液面計であって、
前記スラリーに含有された触媒粒子の前記スタンドパイプ内への侵入を規制する規制部を備えていることを特徴とするマグネット式液面計。
【請求項2】
請求項1記載のマグネット式液面計であって、
前記規制部は、前記スラリーの媒体液を主成分とする清澄液を前記スタンドパイプの頂部から供給する供給部を備えていることを特徴とするマグネット式液面計。
【請求項3】
請求項2記載のマグネット式液面計であって、
前記供給部は、前記収容容器から排出された前記スラリーから前記触媒粒子を分離して前記清澄液を生成することを特徴とするマグネット式液面計。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のマグネット式液面計であって、
前記規制部は、
前記連通管に配設された前記触媒粒子用のフィルタ部と、
前記フィルタ部に対して前記スタンドパイプ側から前記収容容器側に洗浄流体を供給し、前記フィルタ部を逆洗する逆洗部と、を備えていることを特徴とするマグネット式液面計。
【請求項5】
水素ガスおよび一酸化炭素ガスを主成分とする合成ガスと、媒体液中に磁性体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとを接触させることによって炭化水素化合物を合成する炭化水素合成反応装置であって、
前記スラリーを収容するとともに前記合成ガスが供給される収容容器と、
請求項1から4のいずれか1項に記載のマグネット式液面計と、を備えていることを特徴とする炭化水素合成反応装置。
【請求項6】
請求項5記載の炭化水素合成反応装置と、
炭化水素原料を改質して前記合成ガスを生成し、前記合成ガスを前記収容容器に供給する合成ガス生成ユニットと、
前記炭化水素化合物から液体燃料を製造するアップグレーディングユニットと、を備えていることを特徴とする炭化水素合成反応システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−208028(P2012−208028A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74246(P2011−74246)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【出願人】(509001630)国際石油開発帝石株式会社 (57)
【出願人】(000004444)JX日鉱日石エネルギー株式会社 (1,898)
【出願人】(591090736)石油資源開発株式会社 (70)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】