説明

マスカラ塗布具及び化粧品

【課題】マスカラを睫毛に確実にさばきつけることを可能としたマスカラ塗布具及び化粧品を提供する。
【解決手段】軸芯12に複数の突出部13が形成されたマスカラ塗布具において、複数の突出部13A,13Bを扁平な形状とする。また、複数の突出部13を、長手方向が軸芯12の周方向に対して第1の角度傾いた第1の突出部13Aと、第1の突出部と異なる第2の角度に傾いた第2の突出部13Bにより構成し、軸芯12の回転に伴い第1の突出部13Aと第2の突出部13Bが交互に順次睫毛MAに当接し、睫毛MAの進行経路をジクザグとなるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスカラ塗布具及び化粧品に係り、特に睫毛にマスカラを塗布する際に使用されるマスカラ塗布具及び化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、睫毛にマスカラを塗布する美容具として、マスカラ塗布具が知られている。マスカラの施術者は、マスカラ塗布具にマスカラを付着させた後、このマスカラのついたマスカラ塗布具を手で回転させたり移動させたりすること等により、睫毛にマスカラを塗布する。マスカラ塗布具を用いて睫毛にマスカラを塗布することにより、睫毛にボリュームを持たせたり、睫毛をカールさせたり、また睫毛をセパレートして広げることが可能となる。
【0003】
このマスカラ塗布具としては、多数のブラシ繊維束を一対の金属製の芯材の間に挟持させた上でこの芯材を螺旋状に巻回して作製するスクリューブラシ(特許文献1参照)や、樹脂を金型を用いて成型することにより作製される樹脂成型ブラシ(特許文献2参照)が知られている。樹脂成型ブラシによれば、ブラシを構成する複数の突出部(櫛歯)を高精度に成型することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−265235号公報
【特許文献2】特開2002−051833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、樹脂成型ブラシでは、ブラシを構成する複数の突出部(櫛歯)を高精度に成型することができる。しかしながら従来の樹脂成型ブラシは、断面円形の複数の突出部が睫毛の特性等に関係なく整列された構成であったため、睫毛にマスカラをからませながら一本一本さばきつけることができないという問題点があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、マスカラを睫毛に確実にさばきつけることを可能としたマスカラ塗布具及び化粧品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、第1の観点からは、
中心に位置する軸芯に複数の突出部が形成されてなり、前記軸芯の中心軸回りに回転させることにより、前記突出部に付着されたマスカラを施術者の睫毛に塗布するマスカラ塗布具において、
前記複数の突出部を扁平な形状とし、
前記複数の突出部を、長軸が前記軸芯の周方向に対して第1の角度に傾いた第1の突出部と、該第1の突出部と異なる第2の角度に傾いた第2の突出部により構成し、
前記軸芯の回転に伴い、前記第1の突出部に前記睫毛が当接することにより該睫毛の進行経路が変更されるよう構成すると共に、該第1の突出部により変更された睫毛の進行経路上に前記第2の突出部を配設し、
前記第1の突出部と前記第2の突出部とを前記軸芯の周方向に交互に配置した構成としたことを特徴とするマスカラ塗布具により解決することができる。
【0008】
上記発明において、前記第1の突出部と前記第2の突出部が前記軸芯の周方向に対して千鳥状に配置した構成としてもよい。
【0009】
また上記発明において、前記第1の突出部と前記第2の突出部とを連続させた構成としてもよい。
【0010】
また上記発明において、前記軸芯及び前記突出部は樹脂を一体成形した構成としてもよい。
【0011】
また上記の課題は、他の観点からは、
マスカラが充填される容器本体と、該容器本体の開口部に装着される蓋体とを有する化粧品であって、
前記蓋体に請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスカラ塗布具を設けたことを特徴とする化粧品により解決することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記発明によれば、睫毛は第1及び第2の突出部に順次当接して案内されるため、睫毛をジクザグに動かすことができ、睫毛にマスカラをからませながらさばきつけることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は左側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具を一部展開した状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具の突出部を拡大して示す図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具を用いたときの睫毛の動作を説明するための図(その1)である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具を用いたときの睫毛の動作を説明するための図(その2)である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具を用いたときの睫毛の動作を説明するための図(その3)である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態である化粧品を示す部分断面図である。
【図8】図8は本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具の第1変形例を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は突出部の拡大図である。
【図9】図9は本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具の第2変形例を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は突出部の拡大図である。
【図10】図10は本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具の第3変形例を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は突出部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0015】
図1乃至図3は、本発明の一実施形態であるマスカラ塗布具を示す図である。図1はマスカラ塗布具10の正面及び側面を模式的に示した図であり、図2はマスカラ塗布具10の一部を展開した状態を示す図であり、図3は突出部13を拡大して示す斜視図である。
【0016】
マスカラ塗布具10はブラシ部11と軸芯12とにより構成されており、マスカラを施術者Xの睫毛MAに塗布する際に使用されるものである。本実施形態に係るマスカラ塗布具10は、大略すると軸芯12と突出部13とにより構成されている。このマスカラ塗布具10は、マスカラからを突出部13に付着させると共に、軸芯12をその中心軸回りに回転させることにより、突出部13に付着されたマスカラを施術者の睫毛MAに塗布するものである。
【0017】
軸芯12と突出部13は、金型を用いて樹脂を一体成型することにより形成されている。樹脂材料としては熱可塑性樹脂を用いることが望ましく、具体的にはエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセテート等を用いることができる。
【0018】
軸芯12は円筒形状を有しており、マスカラ塗布具10の中心部分に位置するものである。この軸芯12の直径は、例えばφ2.6mmである。また、軸芯12の外周面(表面)には、複数の突出部13が形成されている。本実施形態では、この各突出部13の形状を四角錐形状としている。
【0019】
ここで、突出部13の形状について詳述する。
【0020】
図3は、1本の突出部13を拡大して示している。本実施形態では、突出部13を菱形形状の底面を有した四角錐形状としている。いま、突出部13の菱形形状の底面の対角線a,b(a>b)とすると、この対角線の長さは例えばa=0.6mm,b=0.3mmとすることができる。また、突出部13の高さHは、例えばH=1.8mmとすることができる。更に、突出部13を構成する底面を除く各面は、後述するようにマスカラを塗布する際に睫毛MAを案内する案内面13aを構成する。
【0021】
上記のように、本実施形態では突出部13の形状を菱形形状の底面を有した四角錐形状としているため、突出部13を平面視した場合、図2に示すように、各突出部13は扁平な形状(平たい形状)となっている。具体的には、長い対角線aと短い対角線bの比(b/a)が、0.2≦(b/a)≦0.8の範囲に設定されている。なお、以下の説明において、突出部13の長い対角線aの延在方向を長手方向といい、突出部13の短い対角線bの延在方向を短手方向というものとする。
【0022】
次に、軸芯12の表面における突出部13の並び方に注目する。
【0023】
突出部13は、後述する所定の規則に従って列設されることにより突出部列を形成している。突出部列は、軸芯12の外周で突出部13が周方向に列設されることにより構成される複数の周方向突出部列15と、軸芯12の軸方向(X1,X2方向)に突出部13が列設されることにより構成される複数の軸方向突出部列18とを有している。
【0024】
周方向突出部列15は、軸芯12の周方向(Z1,Z2方向)に列設された突出部13の列であり、図2に符号15で示す二点鎖線で示す範囲内に位置する突出部13が一つの周方向突出部列15を構成する。これに対して軸方向突出部列18は、軸芯12の軸方向(X1,X2方向)に列設された突出部13の列であり、図2に符号18A〜18Cで示す一点鎖線で囲まれた内部に位置する突出部13が一つの軸方向突出部列18を構成する。
【0025】
次に、図2において突出部13の長手方向の角度に注目する。
【0026】
いま、軸芯12の周方向(Z1,Z2方向)に対し時計方向の角度を正(+)とし、反時計方向の角度を負(−)とすると、第1及び第3の軸方向突出部列18A,18Cの突出部13の軸芯12の周方向(Z1,Z2方向)に対する角度(第1の長手方向角度という)は+θとされている。これに対し、第1及び第3の軸方向突出部列18A,18Cの間に挟まれた位置にある第2の軸方向突出部列18Bの突出部13の周方向(Z1,Z2方向)に対する角度(第2の長手方向角度という)は−θとされている。
【0027】
なお、以下の説明においては、第1の長手方向角度+θを有した突出部13を特に第1の突出部13Aといい、第2の長手方向角度−θを有した突出部13を特に第2の突出部13Bといい、また第1及び第2の突出部13A,13Bを総称する場合には突出部13というものとする。
【0028】
このように本実施形態では、各突出部13A,13Bの長手方向角度が軸芯12の周方向(Z1,Z2方向)に対して傾くよう設定されている。更に、隣り合った軸方向突出部列18に属する第1の突出部13Aと第2の突出部13Bは軸芯12の周方向に対して異なる角度を有するよう構成されている。
【0029】
具体的には、本実施形態では第1の突出部13Aの第1の長手方向角度θを+30°としており、第2の突出部13Bの第2の長手方向角度を−30°としている。第1の突出部13Aと第2の突出部13Bは、図2に示されるように、軸芯12の周方向(Z1,Z2方向)に交互に配置された構成とされている。
【0030】
次に、隣接する突出部13間における離間距離に注目する。
【0031】
先ず、周方向突出部列15に注目すると、一の周方向突出部列15(例えば、図2における左端部の周方向突出部列15)で第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13B(図2に矢印A2で示す)は、第1の軸方向突出部列18Aに属する第1の突出部13A(図2に矢印A1で示す)に対してX2方向に距離LXだけ離間して配置されている。また、第3の軸方向突出部列18Cに属する第1の突出部13A(図2に矢印A3で示す)は、第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13B(図2に矢印A2で示す)に対してX1方向に距離LXだけ離間して配置されている。
【0032】
従って、各周方向突出部列15に属する突出部13(13A,13B)は、周方向に対して千鳥状に配置された構成とされている。なお、本実施形態では各突出部13間の離間距離LXを1.2mmとしている。
【0033】
次に、軸方向突出部列18に注目する。
【0034】
各軸方向突出部列18に属する突出部13は、X1,X2方向に延在する突出部の列であり、各軸方向突出部列18に属する突出部13の長手方向角度は同一角度とされている。またその列設状態は、周方向突出部列15と異なり直線状とされている。
【0035】
この各軸方向突出部列18(18A,18B,18C)の周方向の離間距離をLZとすると、隣接する軸方向突出部列18間の離間距離LZは等しく設定されている。具体的には、図1(B)に示すように突出部13は軸芯12の中心位置に対して等角度αで配設された構成とされている。本実施形態では、角度αは22.5°に設定されている。よって、離間距離LZは、この角度αと軸芯12の半径から求めることができる。
【0036】
なお、上記した軸芯12の直径、突出部13の底面の対角線a,bの寸法、各突出部13間の離間距離LX,LZ等、突出部13の軸芯12の中心位置に対する配設角度α等は、あくまでも一例を示したものであり、これに限定されるものではない。
【0037】
次に、図4乃至図6を用いて、上記構成とされたマスカラ塗布具10を用いて施術者の睫毛MAにマスカラからを塗布するときの動作について説明する。図4乃至図6は、説明の便宜上、図2と同様にマスカラ塗布具10を展開した状態を示している。また突出部13には、既にマスカラが付着されているものとして以下説明を行う。
【0038】
図4は、マスカラ塗布具10が塗布を開始しようとする位置(塗布開始位置)にある状態を示している。マスカラ塗布具10が塗布開始位置にある状態では、睫毛MAは第1の軸方向突出部列18Aの各第1の突出部13Aの案内面13a(図中、上方側に位置した案内面13a)と対向した状態となっている。
【0039】
この塗布開始位置より軸芯12を図中矢印Z2方向に回転すると、これに伴い各軸方向突出部列18を構成する突出部13もZ2方向に回転を行う。この回転に伴い、先ず睫毛MAは第1の軸方向突出部列18Aに属する第1の突出部13Aの案内面13aに当接(係合)する。
【0040】
前記のように第1の軸方向突出部列18Aに属する各第1の突出部13Aは、軸芯12の周方向(Z1,Z2方向)に対して第1の長手方向角度+θだけ傾いた構成とされている。よって、案内面13aも第1の長手方向角度+θに対応した角度だけ傾いた構成となっている。このため、マスカラ塗布具10の回転に伴い睫毛MAは、案内面13aに案内されて図中右上方向に進行する。このように、本実施形態に係るマスカラ塗布具10では、軸芯12の回転に伴い、第1の突出部13A(案内面13a)に睫毛MA睫毛が当接することにより該睫毛の進行経路が変更される。
【0041】
第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13Bは、第1の軸方向突出部列18Aに属する第1の突出部13Aにより変更された睫毛MAの進行経路上に位置するよう配設されている。よって、第1の軸方向突出部列18Aの第1の突出部13Aで案内された睫毛MAは、図5に示されるように、第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13Bの案内面13aに当接する。
【0042】
第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13Bは、第2の長手方向角度−θを有している。この第2の長手方向角度−θは、第1の突出部13Aが有する第1の長手方向角度+θに対して反対方向に傾いている。よって、第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13B(突出部13a)に案内されることにより、睫毛MAはその進行経路が図中左上方向に変更される。
【0043】
第3の軸方向突出部列18Cに属する第1の突出部13Aは、第2の軸方向突出部列18Bに属する第2の突出部13Bにより変更された睫毛MAの進行経路上に位置するよう配設されている。よって、第2の軸方向突出部列18Bの第2の突出部13Bで案内された睫毛MAは、第3の軸方向突出部列18Cに属する第1の突出部13Aの案内面13aに当接する。
【0044】
第3の軸方向突出部列18Cに属する第1の突出部13Aは第1の軸方向突出部列18Aと同様に、第1の長手方向角度+θを有している。よって、第3の軸方向突出部列18Cに属する第1の突出部13A(突出部13a)に案内されることにより、図6に示されるように、睫毛MAは再びその進行経路が図中右上方向に変更される。
【0045】
本実施形態に係るマスカラ塗布具10は、第3の軸方向突出部列18C以降においても、第1の長手方向角度+θを有する第1の突出部13Aを含む軸方向突出部列18と、第2の長手方向角度−θを有する第2の突出部13Bを含む軸方向突出部列18とが交互に配設された構成とされている。
【0046】
よって、マスカラ塗布具10を回転することにより、睫毛MAは第1の突出部13Aと第2の突出部13Bに順次案内されて進行するため、睫毛MAはジグザグ状の進行経路を取ることになる。これにより単に軸芯12を回転させるだけで睫毛MAをジクザグに動かすことができ、睫毛にマスカラをからませながらさばきつけることが可能となる。よって、マスカラ塗布具10を用いることにより,容易かつ確実に睫毛MAにマスカラを塗布することができる。
【0047】
なお、図4〜図5では、図示及び説明の便宜上、各突出部13に対して1本の睫毛MAが案内される例を示しているが、実際は複数の睫毛MAが同時に突出部13により案内される。
【0048】
図7は、上記したマスカラ塗布具10を適用したマスカラ化粧品20を示している。マスカラ化粧品20は、大略するとマスカラ塗布具10、容器本体21、蓋体22、軸23、及びしごき部材24等により構成されている。
【0049】
容器本体21は、内部にマスカラ(図示せず)を充填される容器である。この容器本体21の上部には、マスカラを取り出すための開口部が形成されている。蓋体22は、容器本体21に装着されることにより開口部を閉蓋する。
【0050】
また、蓋体22は軸23が配設されると共に、この軸23の先端部にはマスカラ塗布具10が設けられている。よって、蓋体22を容器本体21に装着すると、マスカラ塗布具10の突出部13は、マスカラに浸漬された状態となる。
【0051】
しごき部材24は、容器本体21の開口部に装着されている。このしごき部材24は弾性体により構成されており、蓋体22を容器本体21から取り外す際、マスカラ塗布具10(突出部13)に付着したマスカラをしごくのに使用される。このしごき部材24により、マスカラ塗布具10に含ませるマスカラの量を適度に調整することができる。
【0052】
本実施形態に係るマスカラ塗布具10は、このような容器本体21と蓋体22とを有するマスカラ化粧品20に適用することができる。また、本実施形態に係るマスカラ塗布具10は、必ずしもマスカラ化粧品20と一体化する必要はなく、美容具として化粧品(マスカラ)と別箇な構成とすることも可能である。
【0053】
次に、図8〜図10を用いて、上記したマスカラ塗布具10の変形例について説明する。なお、図8〜図10において、図1乃至図7に示した構成と対応する構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図8及び図9は、上記したマスカラ塗布具10の第1及び第2変形例である化粧品20,30を示している。この第1及び第2変形例である化粧品20,30は、図2に示した第1乃至第3の軸方向突出部列18A〜18Cを周方向に連続させた構成としたものである。
【0055】
図8に示す第1変形例である化粧品20は、突出部23を波状に形成し、その一部を睫毛MAが案内される案内面23aとしたものである。また、図9に示す第2変形例である化粧品30は、突出部23をジグザグ状に形成し、その一部を睫毛MAが案内される案内面33aとしたものである。この第1及び第2変形例である化粧品20,30によれば、睫毛MAを確実にジグザグ状に案内することができる。
【0056】
図10は、第3変形例であるマスカラ塗布具40を示している。前記したマスカラ塗布具10では、突出部13の形状を上部に向かうにつれて断面積が小さくなる四角錐形状としたが、本変形例では突出部43の形状を角柱形状としたものである。このように、突出部の形状は四角錐に限定されるものではなく、睫毛MAをジグザグ状に案内しうる案内面を有する形状であれば、他の形状とすることも可能である。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0058】
具体的には、上記したマスカラ塗布具10は、施術者Xがマスカラ塗布具10を把持して回転させることによりマスカラを施術者Xに塗布する構成であったが、軸芯12をモータに接続することにより、モータの駆動力によりマスカラ塗布具10を回転させて睫毛MAにマスカラを塗布する構成としてもよい。この構成とすることにより、マスカラ塗布具10の操作性を向上させることができる。また、マスカラ塗布具にマスカラを加熱する加熱機構を設けることにより、マスカラを加熱しつつ塗布することが可能な構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0059】
10,20,30,40 マスカラ塗布具
12 軸芯
13,23,33,43 突出部
13A 第1の突出部
13B 第2の突出部
13a,23a,33a,43a 案内面
15 周方向突出部列
18 軸方向突出部列
18A 第1の軸方向突出部列
18B 第2の軸方向突出部列
18C 第3の軸方向突出部列
20 マスカラ化粧品
21 容器本体
22 蓋体
23 軸
24 しごき部材
LA 睫毛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に位置する軸芯に複数の突出部が形成されてなり、前記軸芯の中心軸回りに回転させることにより、前記突出部に付着されたマスカラを施術者の睫毛に塗布するマスカラ塗布具において、
前記複数の突出部を扁平な形状とし、
前記複数の突出部を、長手方向が前記軸芯の周方向に対して第1の角度に傾いた第1の突出部と、長手方向が該第1の突出部と異なる第2の角度に傾いた第2の突出部により構成し、
前記軸芯の回転に伴い、前記第1の突出部に前記睫毛が当接することにより該睫毛の進行経路が変更されるよう構成すると共に、該第1の突出部により変更された睫毛の進行経路上に前記第2の突出部を配設し、
前記第1の突出部と前記第2の突出部とを前記軸芯の周方向に交互に配置した構成としたことを特徴とするマスカラ塗布具。
【請求項2】
前記第1の突出部と前記第2の突出部が前記軸芯の周方向に対して千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1記載のマスカラ塗布具。
【請求項3】
前記第1の突出部と前記第2の突出部とを連続させたことを特徴とする請求項1又は2記載のマスカラ塗布具。
【請求項4】
前記軸芯及び前記突出部は、樹脂を一体成形した構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマスカラ塗布具。
【請求項5】
マスカラが充填される容器本体と、該容器本体の開口部に装着される蓋体とを有する化粧品であって、
前記蓋体に請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスカラ塗布具を設けたことを特徴とする化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−100929(P2012−100929A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252932(P2010−252932)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)