説明

マスキング材

【課題】本発明は、マスキング材に金型を使用することなく安価に製造することを課題とする。
【解決手段】上面には複数条の凸条3Aを平行に形成した板状体2Aを、保護対象の孔部または凹部の形状に合わせて打抜きあるいは切断してマスキング材1を製造する。該マスキング材1は孔部または凹部に挿着され、該孔部または該凹部を表面処理から保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材の孔部あるいは凹部を塗装、メッキ等の表面処理から保護するために用いられるマスキング材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、図7に示すように栓状の本体12と、該本体12の上面に凸設されているつまみ13とからなるマスキング材11が提供されている。
上記マスキング材は図8に示すように、孔部4に挿入され、該孔部4を表面処理から保護する。
【0003】
上記従来のマスキング材11は、主としてプラスチックあるいはプラスチック発泡体を材料とし、例えばプラスチックの発泡性ビーズを使用した発泡ビーズ成形、射出成形、発泡射出成形、プラスチックシートあるいは発泡プラスチックシートを真空および/または圧空成形することによって製造される(特許文献1,2参照)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2044048号
【特許文献2】実用新案登録第2107492号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発泡ビーズ成形、射出成形、発泡射出成形、真空および/または圧空成形では金型を使用するので、マスキング材のサイズ、形状に合わせて各種金型を準備する必要があり、製造コストが高くなると云う問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するための手段として、孔部4または凹部に挿入されて該孔部4または凹部を保護するマスキング材1であって、上面に複数条の凸条3を平行に形成した板状体2を、保護対象の孔部4または凹部の形状に合わせて打抜きあるいは切断してなるマスキング材1を提供するものである。
通常、上記マスキング材1はプラスチック発泡体またはダンボールを材料としている。
【発明の効果】
【0007】
〔作用〕
本発明のマスキング材1は、上面に複数条の凸条3と平行に形成した板状体2Aを、保護対象の孔部4、または凹部の形状、寸法に合わせて、打抜くかあるいは切断して製造するので、金型が不要である。
このようにして板状体2Aを打抜くかあるいは切断して製造したマスキング材1は、板状体2A部分が本体2であり、該板状体2Aの上面に形成されている凸条3Aがつまみ3になる。
マスキング材1のサイズ、形状、即ち保護対象の孔部4のサイズ、形状によって、該マスキング材1は、1条あるいは2条以上の凸条3をつまみとして有する。
【0008】
〔効果〕
本発明のマスキング材は、製造に金型を用いる必要がなく、また板状体上面には複数条の凸条が形成されているので、孔部あるいは凹部のサイズ形状に合わせて打抜き、あるいは切断してマスキング材を製造することが出来、同サイズ、同形状の同一の板状体から、各種サイズ、形状のマスキング材を製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を図1〜図4に示す―実施例によって説明すれば、図1に示す板状体2Aの上面には複数条の凸条3Aが等間隔で平行に形成されている。
このような板状体2Aでは、プラスチック、プラスチック発泡体、ダンボール、繊維板、金属を材料とするが、打抜き加工や切断加工の容易性からみると、プラスチック発泡体、特にポリスチレン発泡体、あるいはダンボールを材料とすることが望ましい。
【0010】
上記板状体2Aは保護対象の孔部4のサイズ、形状(本実施例の場合には円孔)に合わせて、図1中の実線Lに沿って打抜きあるいは切断され、その打抜きあるいは切断された部分(本実施例の場合には実線Lに囲まれた部分)が図2に示すマスキング材1となる。
【0011】
上記マスキング材1にあっては、3条の凸条3Aを含む板状体2Aの打抜きあるいは切断部分が本体2となり、上記3条の凸条3Aであった部分が3個のつまみ3となる。
【0012】
上記マスキング材1は、図3に示すようにつまみ3を手掛りとして孔部4に本体2を挿着することによって、部材5の孔部4に取付けられ、該部材5の表面処理時に該孔部4を該表面処理から保護する。
【0013】
図4は、部材51の孔部41が図3に示す部材5の孔部4よりも小さいサイズ(中サイズ)である場合を示しており、この場合には該孔部41のサイズに合わせて、2条の凸条3Aを含む板状体2Aを打抜きあるいは切断して本体21とし、該2条の凸条3A部分を2個のつまみ3としたマスキング材11を製造する。
【0014】
図5は、部材52の孔部42が図4に示す部材51の孔部41よりも小さいサイズ(小サイズ)である場合を示しており、この場合には該孔部42のサイズに合わせて、1条のみの凸条3Aを含む板状体2Aを打抜きあるいは切断して本体22とし、該1条の凸条3A部分のみを1個のつまみ32としたマスキング材12を製造する。
【0015】
図6は、部材53の孔部43が矩形の場合を示している。この場合は該孔部43形状に合わせて板状体2Aを矩形に打抜きあるいは切断して、上面に3条の凸条3A部分からなる3個のつまみ33を有するマスキング材13を製造する。
【0016】
本発明のマスキング材1,11,12,13は、孔部以外に凹部に適用されてもよい。
また凸条3Aは、各図面に示したような側面視で四角形のものに限らず、側面視で半円形、あるいは三角形、台形、五角形、六角形などの多角形としてもよい。
本発明では、板状体からマスキング材を打抜きあるいは切断して製造した際に発生する端切れを集め、マスキング材その他の部材、部品の材料として再生することが望ましい。
また上記凸条は、板状体の成形時にプレス成形、熱転写成形等すれば簡易に形成することができる。他に、板状体の材料がプラスチック発泡体の場合、冷却盤に凹条を成形しておいたり、押出成形したり等することで凸条を簡易に形成することができる。他にも、切削によって凸条を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明のマスキング材は、金型を使用することなく、安価に製造出来るから、産業上利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1〜図5は本発明の実施例を示すものである。
図6は他の実施例を示すものである。
図7、8は従来例を示すものである。
【図1】板状体の斜視図。
【図2】マスキング材の斜視図。
【図3】マスキング材孔部挿着状態側断面図。
【図4】中サイズのマスキング材。
【図5】小サイズのマスキング材。
【図6】他の実施例のマスキング材説明斜視図。
【図7】マスキング材の斜視図。
【図8】マスキング材孔部挿着状態側断面図。
【符号の説明】
【0019】
1,11,12,13 マスキング材
2A 板状体
3A 凸条
4,41,42,43 孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔部または凹部に挿入されて該孔部または凹部を保護するマスキング材であって、上面に複数条の凸条を平行に形成した板状体を、保護対象の孔部または凹部の形状に合わせて打抜きあるいは切断してなることを特徴とするマスキング材。
【請求項2】
上記マスキング材はプラスチック発泡体またはダンボールを材料としている請求項1に記載のマスキング材。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate