説明

マスクフレーム組立体、マスクフレーム組立体の製造方法、および有機発光表示装置の製造方法

【課題】マスクをフレームに引っ張り溶接するときに発生しうるシワを改善することが可能な、マスクフレーム組立体、マスクフレーム組立体の製造方法、および有機発光表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】フレームと、フレームに第1方向に引っ張られた状態で設けられるマスクと、を備え、マスクは、複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、蒸着領域より厚く形成され、蒸着領域の両側に前記第1方向に沿って延設されるエッジ部と、蒸着領域より厚く形成され、第1方向と垂直の第2方向に隣接した蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブと、を備えるマスクフレーム組立体が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクフレーム組立体、マスクフレーム組立体の製造方法、および有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、軽薄化が可能であり、かつ広い視野角を有し、応答速度が速く、および消費電力が少ないなどの長所によって、次世代表示装置として注目されている。
【0003】
有機発光表示装置は、透明な絶縁基板上に所定パターンで形成された第1電極と、第1電極上に真空蒸着法により形成された有機膜と、有機膜の上面に形成された第2電極とを含む。
【0004】
第1電極は、フォトリソグラフィ法などのウェットエッチング法によりパターニングされる。しかし、有機膜、特に所定の色相を具現する有機発光層はウェットエッチング法によりパターニングされず、有機膜上に形成される第2電極もウェットエッチング法によりパターニングされない。これは、有機膜が形成された後でウェットエッチング法を使用すれば、その過程で発生する水分が有機膜に浸透または残留して、完成した有機発光表示装置の性能および寿命特性を顕著に劣化させるためである。
【0005】
このような問題点を解決するための方法のうち一つが蒸着法である。蒸着方法を利用して有機発光表示装置を製造するためには、基板上に形成される薄膜などのパターンと同じパターンを持つ高精細メタルマスク(Fine Metal Mask:FMM)を整列し、薄膜の元素材を蒸着して所望のパターンの薄膜を形成する。
【0006】
一方、このような高精細メタルマスクが大面積化すれば、パターン形成のためのエッチング誤差も大きくなり、自重による中央部の下がり現象も激しくなるので、最近ではマスクを複数のストライプ状に作った後、フレームに付けて使用する分割マスクが好まれている。しかし、分割マスクも大面積マスクに比べて相対的に弱いものの下がり現象が生じる恐れがあるので、フレームに付着するときにはマスクを長手方向にぴんと引っ張った状態でフレームに溶接する。
【0007】
ところが、このようにマスクを引っ張った状態でフレームに溶接すると、引っ張られる長手方向にはぴんとした引っ張り力が加えられるが、幅方向には収縮力が作用して、結果的にマスクにウェーブ形態のシワが生じうる。このようにシワが生じると、マスクが基板に密着できない部位が所々生じるため、精密なパターニングができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0083421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、マスクをフレームに引っ張り溶接するときに発生しうるシワを改善することが可能な、新規かつ改良されたマスクフレーム組立体、マスクフレーム組立体の製造方法、および有機発光表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、フレームと、上記フレームに第1方向に引っ張られた状態で設けられるマスクと、を備え、上記マスクは、複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、上記蒸着領域より厚く形成され、上記蒸着領域の両側に上記第1方向に沿って延設されるエッジ部と、上記蒸着領域より厚く形成され、上記第1方向と垂直の第2方向に隣接した蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブと、を備えるマスクフレーム組立体が提供される。
【0011】
また、上記リブの間にダミー蒸着用パターン部を備えていてもよい。
【0012】
また、上記ダミー蒸着用パターン部のパターンは、上記蒸着用パターン部のパターンと同一パターンであってもよい。
【0013】
また、上記ダミー蒸着用パターン部に対応する領域を遮蔽する遮蔽マスクをさらに備えていてもよい。
【0014】
また、上記ダミー蒸着用パターン部の幅は、上記蒸着用パターン部の幅より狭くてもよい。
【0015】
また、上記エッジ部の厚さは、上記リブの厚さと同一であってもよい。
【0016】
また、上記エッジ部と上記リブとは互いに連結されていてもよい。
【0017】
また、上記マスクは、上記第1方向が長手方向であり、上記第2方向が幅方向である複数の分割マスクが上記フレームに設けられる分割マスクであってもよい。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、フレームを用意するステップと、複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、上記蒸着領域より厚く形成され、上記蒸着領域の両側に第1方向に沿って延設されるエッジ部と、上記蒸着領域より厚く形成され、上記第1方向と垂直の第2方向に上記複数の蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブと、を備えるマスクを用意するステップと、上記マスクの両端を上記第1方向に引っ張って上記フレームに設けるステップと、を含むマスクフレーム組立体の製造方法が提供される。
【0019】
また、上記マスクは、電鋳法により用意されてもよい。
【0020】
また、上記リブの間にダミー蒸着用パターン部をさらに形成してもよい。
【0021】
また、上記ダミー蒸着用パターン部のパターンは、上記蒸着用パターン部のパターンと同一パターンで形成してもよい。
【0022】
また、上記ダミー蒸着用パターン部に対応する領域を遮蔽する遮蔽マスクをさらに用意し、上記遮蔽マスクが上記ダミー蒸着用パターン部を遮蔽するように設けてもよい。
【0023】
また、上記マスクとフレームとはレーザー溶接で接合されてもよい。
【0024】
また、上記マスクは、上記第1方向が長手方向であり、上記第2方向が幅方向である複数の分割マスクが上記フレームに設けられる分割マスクであり、上記複数の分割マスクの両端を上記第1方向に引っ張って上記フレームに設けてもよい。
【0025】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、基板上に互いに対向する第1電極と第2電極、および上記第1電極と第2電極との間に備えられた有機膜を含む有機発光表示装置の製造方法において、上記有機膜または第2電極は、フレームおよび上記フレームに、第1方向に引っ張られた状態で設けられ、複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、上記蒸着領域より厚く形成されて、上記蒸着領域の両側に上記第1方向に沿って延設されるエッジ部と、上記蒸着領域より厚く形成され、上記第1方向と垂直の第2方向に上記複数の蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブを含むマスクと、を備えるマスクフレーム組立体を利用して蒸着する有機発光表示装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、マスクをフレームに引っ張り溶接するときに発生しうるシワを改善することができる。
【0027】
より具体的には、本発明によれば、マスクを引っ張ってフレームに溶接してもシワによるマスクの変形がほとんど生じない。したがって、これを蒸着作業に利用する場合、高解像度の有機発光表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体の平面図である。
【図2】図1に図示されたマスクフレーム組立体のうち一つの分割マスクの前面と背面との形態を示す平面図である。
【図3】図2のIIIを拡大した平面図である。
【図4】図3のIV−IV線の断面図である。
【図5】図3のV−V線の断面図である。
【図6】有機発光表示装置用基板に、本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体を利用して蒸着する態様を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る蒸着用マスクフレーム組立体を利用して蒸着形成された有機発光表示装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体の平面図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体は、フレーム200と、フレーム200に両端部が固定されたマスク100とを備えている。
【0032】
フレーム200は、マスクフレーム組立体の外郭枠組を形成するものであって、中央に開口部(図示せず)が形成された方形になっている。このフレーム200の対向する一対の辺に、マスク100の両端部が溶接部150により溶接で固定される。ここで、マスク100とフレーム200とは、例えば、レーザー溶接で接合されるが、マスク100とフレーム200との接合方法は、レーザー溶接に限られない。
【0033】
マスク100は、例えば、マスク100の引っ張り方向に垂直の第2方向(幅方向)Bに沿ってストライプ形状に分離された複数の分割マスク100A、100B、…で構成される。
【0034】
複数の分割マスク100A、100B、…は、上述したように、自重による下がり現象を低減させるために、フレーム200の開口部(図示せず)を一度に覆う一つの大きい部材にするのではなく、図1に示すように複数のストライプ形状に分割して形成される。以下では、分割マスク100A、100B、…を中心として本実施形態を説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されず、マスク100の幅が引っ張り方向である長手方向より小さな形状のマスクならば、どこであっても適用できる。
【0035】
各分割マスク100A、100B、…は、複数の蒸着用パターン部111が備えられた蒸着領域110と、蒸着領域110の両側に位置するエッジ部120および隣接した蒸着用パターン部111の間に形成されたリブ130とで構成される。
【0036】
蒸着用パターン部111は、例えば電鋳法によって形成して微細なパターニングおよび優秀な表面平滑性を得るようにする。もちろん、エッチング法によっても製造でき、エッチング法を用いる場合には、例えば、フォトレジストを利用して蒸着用パターン部111などと同じパターンを持つレジスト層を薄板に形成するか、またはパターンを持っているフィルムを薄板に付着した後、薄板をエッチングすることで製造できる。
【0037】
図1では、蒸着用パターン部111に形成されたパターン形状がドット状に図示されているが、本発明の実施形態はこれに限定されず、例えば、スリット状、複数の小さなパターンではない大きい方形状など多様な形状が可能であるということはいうまでもない。
【0038】
上記のように、複数の蒸着用パターン部111を備える蒸着用マスク100を利用して高精密度のパターニングを行うためには、蒸着用マスク100と基板300との密着性を高めてシャドー現象を低減させねばならない。したがって、マスク100は薄板で形成されることが望ましい。このようなマスク100の素材としては、例えば、ニッケル(Ni)や、ニッケル合金、ニッケル−コバルト合金などが使われる。
【0039】
図2は、図1に図示されたマスクフレーム組立体のうち一つの分割マスクの前面Fと背面Bとの形態を示す平面図であり、図3は、図2に示すIIIを拡大した平面図であり、図4は、図3に示すIV−IV線の断面図であり、図5は、図3に示すV−V線の断面図である。
【0040】
図2および図3を参照すると、分割マスク100Aの蒸着領域100の両側には、第1方向Aに沿って対向配置された第1エッジ121および第2エッジ122を含むエッジ部120が備えられる。
【0041】
図4を参照すると、エッジ部120の厚さT1は、蒸着領域100の厚さT0より厚く形成されていることが分かる。
【0042】
図3および図4を参照すると、分割マスク100Aの隣接する蒸着用パターン部111の間には、第1方向Aに垂直の第2方向Bに沿って対向配置された第1リブ131および第2リブ132を含むリブ部130が備えられる。
【0043】
図5を参照すると、リブ部130の厚さT2は、蒸着領域100の厚さT0より厚く形成されていることが分かる。このとき、エッジ部120の厚さT1とリブ部130の厚さT2とは同一に形成することができる。
【0044】
一般的に分割マスク100Aは、フレーム200に設けられるときに自重による下がりや熱膨張による下がりを防止するために、長手方向である第1方向Aに引っ張り力を付与した状態に固定される。このとき、分割マスク100Aには幅方向(第2方向)Bに収縮力が作用して、結果的にマスクにウェーブ形態のシワが生じる恐れがある。特に、最近のマスクは、蒸着膜の厚さに影響を与えるシャドーを低減させるために順次薄型化して、厚さがほぼ数μm〜数十μmほどしかならないため、このような幅方向の収縮力によりシワがさらに容易に生じるという問題点を有している。
【0045】
しかし、本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体によれば、分割マスク100Aの引っ張り方向である第1方向Aに沿って、蒸着領域110の周囲に蒸着領域100より厚いエッジ部120と、蒸着用パターン部111の間に引っ張り方向である第1方向Aに垂直の第2方向Bに、蒸着領域100より厚いリブ部130が形成されるため、分割マスク100Aの長手方向Aだけでなく幅方向Bの収縮力を緩和させて、分割マスク100Aのシワ発生を抑制できる。したがって、分割マスク100Aの平坦性が向上するため、分割マスク100Aの引っ張り溶接時にパターンの位置精密度を向上させることができる。
【0046】
なお、図面によれば、エッジ部120とリブ部130とは互いに連続的に連結されていると図示されているが、本発明の実施形態はこれに限定されず、エッジ部とリブ部とが分離されていてもよい。
【0047】
一方、隣接する蒸着用パターン部111の間には、ダミー蒸着用パターン部141が備えられる。さらに詳細には、ダミー蒸着用パターン部141は、蒸着用パターン部111に配置された第1リブ131と第2リブ132との間に形成される。このようなダミー蒸着用パターン部141は、幅方向Bの収縮力を緩和させて幅方向Bのシワ発生をさらに改善させることができる。
【0048】
また、ダミー蒸着用パターン部141の幅G1は蒸着用パターン部111の幅G2より狭く形成されるが、これは、表示領域を十分に確保するために当然に求められることである。
【0049】
一方、ダミー蒸着用パターン部141のパターンは、上述した蒸着用パターン部111のパターンと同様に形成できる。これは、マスク製造工程を容易に行うためである。しかしながら、本発明の実施形態は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばダミー蒸着用パターン部141に多様な形状のパターンが適用できるということはいうまでもない。
【0050】
また、ダミー蒸着用パターン部141に対応する部分に対して、基板300(図6)へのパターンの蒸着を所望しない場合、ダミー蒸着用パターン部141を遮蔽マスク400(図6)によって遮断することができる。
【0051】
本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体は、各種薄膜蒸着用に使われ、特に、有機発光表示装置の有機膜や第2電極のパターンを形成するのに使われる。このようなマスクフレーム組立体は、蒸着装置(図示せず)に装着されて蒸着を行う。
【0052】
図6は、有機発光表示装置用基板に本発明の実施形態に係るマスクフレーム組立体を利用して蒸着する態様を概略的に示す断面図である。
【0053】
図6を参照すると、マスク100を利用して有機発光表示装置の有機発光膜や第2電極を蒸着するためには、真空チャンバ(図示せず)に設けられた蒸着容器(図示せず)と対応する側に、マスク100とフレーム200組立体とを設ける。すなわち、蒸着領域110より厚いエッジ部120とリブ部140とを備えるマスク100をフレーム200に引っ張り固定してマスクフレーム組立体を設け、これを有機発光素子形成用基板300に隣接させ、蒸着チャンバ(図示せず)で有機発光物質や第2電極形成用物質(蒸着物質、図示せず)を蒸着する。このとき、ダミー蒸着用パターン部141を遮蔽する遮蔽マスク400を加える場合、ダミー蒸着用パターン部141に対応する基板300には蒸着物質(図示せず)が蒸着されない。
【0054】
本発明の実施形態のように蒸着領域110より厚いエッジ部120とリブ部140とを備えるマスク100は、フレーム210に安定的に密着されて固定されるため、シャドー現象が低減して基板300に形成される有機膜や第2電極のパターンが精密に形成される。
【0055】
図7は、本発明の実施形態に係る蒸着用マスクフレーム組立体を利用して蒸着形成された有機発光表示装置の概略的な断面図である。
【0056】
図7には、上述したところによって蒸着形成された有機発光表示装置の一例を図示したが、ここでは、アクティブマトリックス型(AM type)有機発光表示装置の一副画素の一例を図示した。
【0057】
図7で副画素は、少なくとも一つのTFT(Thin Film Transistor)と自発光素子であるEL素子(OLED:Organic Light−Emitting Diode)とを有する。ただし、TFTは、必ずしも図7に図示された構造のみで可能なものではなく、その数および構造は多様に変形できる。このようなアクティブマトリックス型有機電界発光表示装置をさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0058】
図7から分かるように、基板320上にバッファ層330が形成されており、このバッファ層330の上部にTFTが備えられる。
【0059】
TFTは、半導体活性層331と、この活性層331を覆うように形成されたゲート絶縁膜332と、ゲート絶縁膜332の上部のゲート電極333とを有する。
【0060】
ゲート電極333を覆うように層間絶縁膜334が形成され、層間絶縁膜334の上部にソースおよびドレイン電極335が形成される。
【0061】
ソースおよびドレイン電極335は、ゲート絶縁膜332および層間絶縁膜334に形成されたコンタクトホールにより、活性層331のソース領域およびドレイン領域にそれぞれ接触される。
【0062】
ソース/ドレイン電極335に、有機発光素子(OLED)のアノード電極になる第1電極層321が連結される。第1電極層321は平坦化膜337の上部に形成されており、この第1電極層321を覆うように画素定義膜338が形成される。そして、この画素定義膜338に所定の開口部を形成した後、OLEDの有機層326が形成され、これらの上部に共通電極として第2電極層327が蒸着される。
【0063】
OLEDの有機層326のうち有機発光層が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に備えられてフルカラーを具現できるが、蒸着用パターン部111にドットタイプのマスキングパターンが備えられた本発明によるマスクフレーム組立体を利用して、上述したように、基板300とマスク100との密着性を高めて精密なパターンを得ることができる。
【0064】
また、第2電極層327の場合にも、蒸着用パターン部111が全面開放された状態を維持するマスクを備えたマスクフレーム組立体を利用して、上述したように、基板300とマスク100との密着性を高めて精密なパターンを得ることができる。
【0065】
かかる有機発光表示装置は、外部の酸素および水分の浸透が遮断されるように密封される。以上の説明は、本発明によるOLEDの一例を図示したものであるだけで、その構造は多様に変形できる。
【0066】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、有機発光表示装置関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0068】
100 マスク
100A、100B、… 分割マスク
110 蒸着領域
111 蒸着用パターン部
120 エッジ部
121 第1エッジ
122 第2エッジ
130 リブ
131 第1リブ
132 第2リブ
141 ダミー蒸着用パターン部
150 溶接部
200 フレーム
300 基板
400 遮蔽マスク
A 第1方向(長手方向)
B 第2方向(幅方向)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに第1方向に引っ張られた状態で設けられるマスクと、
を備え、
前記マスクは、
複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、
前記蒸着領域より厚く形成され、前記蒸着領域の両側に前記第1方向に沿って延設されるエッジ部と、
前記蒸着領域より厚く形成され、前記第1方向と垂直の第2方向に隣接した蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブと、
を備えることを特徴とする、マスクフレーム組立体。
【請求項2】
前記リブの間にダミー蒸着用パターン部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項3】
前記ダミー蒸着用パターン部のパターンは、前記蒸着用パターン部のパターンと同一パターンであることを特徴とする、請求項2に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項4】
前記ダミー蒸着用パターン部に対応する領域を遮蔽する遮蔽マスクをさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項5】
前記ダミー蒸着用パターン部の幅は、前記蒸着用パターン部の幅より狭いことを特徴とする、請求項2に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項6】
前記エッジ部の厚さは、前記リブの厚さと同一であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項7】
前記エッジ部と前記リブとは互いに連結されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項8】
前記マスクは、前記第1方向が長手方向であり、前記第2方向が幅方向である複数の分割マスクが前記フレームに設けられる分割マスクであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマスクフレーム組立体。
【請求項9】
フレームを用意するステップと、
複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、前記蒸着領域より厚く形成され、前記蒸着領域の両側に第1方向に沿って延設されるエッジ部と、前記蒸着領域より厚く形成され、前記第1方向と垂直の第2方向に前記複数の蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブと、を備えるマスクを用意するステップと、
前記マスクの両端を前記第1方向に引っ張って前記フレームに設けるステップと、
を含むことを特徴とする、マスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項10】
前記マスクは、電鋳法により用意されることを特徴とする、請求項9に記載のマスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項11】
前記リブの間にダミー蒸着用パターン部をさらに形成することを特徴とする、請求項9、または10に記載のマスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項12】
前記ダミー蒸着用パターン部のパターンは、前記蒸着用パターン部のパターンと同一パターンで形成することを特徴とする、請求項11に記載のマスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項13】
前記ダミー蒸着用パターン部に対応する領域を遮蔽する遮蔽マスクをさらに用意し、前記遮蔽マスクが前記ダミー蒸着用パターン部を遮蔽するように設けることを特徴とする、請求項11に記載のマスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項14】
前記マスクとフレームとはレーザー溶接で接合されることを特徴とする、請求項9に記載のマスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項15】
前記マスクは、前記第1方向が長手方向であり、前記第2方向が幅方向である複数の分割マスクが前記フレームに設けられる分割マスクであり、前記複数の分割マスクの両端を前記第1方向に引っ張って前記フレームに設けることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか1項に記載のマスクフレーム組立体の製造方法。
【請求項16】
基板上に互いに対向する第1電極と第2電極、および前記第1電極と第2電極との間に備えられた有機膜を含む有機発光表示装置の製造方法において、
前記有機膜または第2電極は、
フレームおよび前記フレームに、第1方向に引っ張られた状態で設けられ、
複数の蒸着用パターン部が備えられる蒸着領域と、前記蒸着領域より厚く形成されて、前記蒸着領域の両側に前記第1方向に沿って延設されるエッジ部と、前記蒸着領域より厚く形成され、前記第1方向と垂直の第2方向に前記複数の蒸着用パターン部の間に少なくとも2つ以上形成されるリブを含むマスクと、を備えるマスクフレーム組立体を利用して蒸着することを特徴とする、有機発光表示装置の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−132096(P2012−132096A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238995(P2011−238995)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】