説明

マスクベント

【課題】マスクまたは導管から排気されるガスの雑音を低減すること。
【解決手段】マスクからの呼気ガスを大気に放出するために、マスクまたは関連導管に対してベント機構が設けられる。ベント機構は、排気ベント流を拡散して、空気噴射が少なくなるように構築され、それにより、患者および患者のベッドパートナの快適さが増加する。たとえば、ベント機構は、ベント流を拡散するように構築され、配置された1つまたは複数のグリルコンポーネントおよび/または媒体を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、非侵襲的陽圧換気(Non-invasive Positive Pressure Ventilation)(NPPV)、および、閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea)(OSA)などの睡眠障害呼吸(sleep disordered breathing)(SDB)状態の連続気道陽圧(continuous positive airway pressure)(CPAP)治療に使用されるマスクベントに関する。
【背景技術】
【0002】
出願の相互参照
本出願は、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2008年6月13日に出願された米国仮出願第61/129253号、2008年3月4日に出願された米国仮出願第61/064405号、および2007年8月24日に出願された米国仮出願第60/957766号の優先権を主張する。
【0003】
連続気道陽圧(CPAP)流発生器システムによる、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)などの睡眠障害呼吸(SDB)の処置は、導管およびマスクを介して、人または他の哺乳動物患者の気道に対する大気圧を超えて加圧された空気(または、他の呼吸可能ガス)の連続送出を必要とする。通常、マスクは、患者の口および/または鼻を覆うようにフィットする。加圧空気は、マスクへ流れ、鼻および/または口を介して患者の気道へ流れる。患者が呼気すると、二酸化炭素ガスが、マスク内に蓄積するおそれがある。マスクまたは導管内の排除ベントは、呼気ガスをマスクから大気に放出する。
【0004】
排除ベントは、通常、マスクに結合されたガス送出導管内のマスク内またはマスクの近くに位置する。ベントから大気へのガスの排除は、呼気ガスを除去して、二酸化炭素の蓄積、したがって、マスク装着者に対する健康リスクを表す「再呼吸(rebreathing)」を防止する。適切なガス排除は、通常、成人の場合4cmHO、また、子供の場合2cmHO程度であることができる低作動CPAP圧において最小安全排除流量を可能にするベントサイズと構成を選択することによって達成される。
【0005】
雑音は、患者および/または患者のベッドパートナにとってCPAP処置における大きな問題である。過剰な雑音により、患者がCPAP治療に従わなくなる可能性がある。1つの雑音源は、マスクまたは導管内のベントを通した排気である。ベントを通したガス流は、大気に出て、大気と相互作用するときに雑音を生成する。雑音は、雑音の大きさと特性の両方に応じて、患者およびベッドパートナの快適さに悪い影響を及ぼす可能性がある。さらに、2レベルガス送出療法は、定レベルガス送出療法に比べて多くの雑音を生成する傾向がある。これは、2レベルガス送出システム内で比較的低い圧力と比較的高い圧力との間でガスが循環するとき、ガスが加減速することによって生成される過剰の擾乱のためであると考えられる。
【0006】
ベントから出る「空気噴射(Air Jetting)」もまた大きな問題である。空気噴射またはベント内の拡散の欠如は、排気ガスの高速噴射ストリームが障害物(ベッド、ベッドパートナ、またはさらにマスク装着者自身など)上に吹き付けることを伴う。これは、排気される空気の突然の速度変化による雑音の著しい増加をもたらすだけでなく、高速噴射ストリームが、「猛烈な冷気(wild chill)」の結果としてベッドパートナまたはマスク装着者にとっての大きな不快感をも生じる。
【0007】
ガス排除に関連する雑音を低減する例示的なデバイスは、RespironicsのWhisper Swivel II、WeinmannのSilentFlow 2、WeinmannのNoise Suppressor、ResMed MAPのAero-Click、Fisher&PaykelのAclaim 2およびDragerのE-Ventである。
【0008】
ガス排除に関連する雑音を低減する他の例示的なデバイスは、ResMedのGore-Tex膜ベント、ResMedのステンレス鋼レーザカットオリフィス、およびResMedのPorexまたは焼結プラスチックベントである。たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2006年7月6日に発行された特許文献1を参照されたい。
【特許文献1】国際公開公報第2006/069415号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
呼気ガスの排除または換気に関連する雑音を低減する、長期にわたって知覚され、また、継続している必要性が存在する。マスクまたは導管から排気されるガスの雑音を低減することは、CPAP処置の利便性を著しく改善する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、マスク用のベントインサートに関する。ベントインサートは、1つまたは複数のクロスバーを含むベースと、ベースに対して設けられる1つまたは複数のグリルコンポーネントとを含む。それぞれのグリルコンポーネントはグリルを含む。1つまたは複数のグリルコンポーネントは、ベースの上部に積層可能であり、かつ、ベースの1つまたは複数のクロスバーに対する1つまたは複数のグリルコンポーネントの1つまたは複数のグリルの角度を調整し、それにより、インサートを通して細かい多孔性のベントオリフィスを選択的に画定するように、ベースに対して選択的に回転可能である。
【0011】
本発明の別の態様は、マスク用のベントインサートに関する。ベントインサートは、マスク内の出口開口内で支持されるようになされたベースと、ベースに対して設けられる1つまたは複数の媒体と、ベース内で少なくとも1つの媒体を保持するために、ベースに対して設けられるクロスバーを含むカバーとを含む。
【0012】
本発明の別の態様は、マスクに関し、マスクは、複数のベントオリフィスを有する換気エリアを含むマスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられるカバーとを含む。カバーは、複数のベントクラスタを有する換気エリアを含む。それぞれのベントクラスタは、オリフィスを画定する管状スピゴット、および、スピゴットの周りの円に沿って規則正しい間隔でかつ互いに分離した複数の弧形状オリフィスを含む。カバーは、カバーのそれぞれのベントクラスタが、マスクコンポーネントの各ベントオリフィスに整列するようにマスクコンポーネントに取り付け可能である。
【0013】
本発明の別の態様は、マスクに関し、マスクは、複数のベントオリフィスを含むマスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられるカバーとを含む。カバーのそれぞれのベントクラスタは、マスクコンポーネントの各ベントオリフィスに整列する。
【0014】
本発明の別の態様は、マスクに関し、マスクは、複数のベントオリフィスを含むマスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられるカバーとを含む。カバーは複数のベントオリフィスを含む。マスクコンポーネントのそれぞれのオリフィスは、カバーの複数のオリフィスに相当する。
【0015】
本発明の別の態様は、マスク組立体に関し、マスク組立体は、マスク内部を有するマスクと、マスクに対して設けられる空気送出管と、空気送出管の長さの一部分を覆うシュラウドとを含む。シュラウドおよび空気送出管は、両者の間にベント通路を画定する。ベント通路は、環状断面を有し、マスク内部に連通する入口および大気に対して開放した出口を含む。
【0016】
本発明の別の態様は、マスク組立体に関し、マスク組立体は、インタフェースする構造と、患者の頭の上部に位置決めされ、呼吸可能ガスの供給物に接続するようになされた多岐管と、患者の顔のそれぞれの側に沿って延びる2つの入口導管とを含む。2つの入口導管は、多岐管に接続され、呼吸可能ガスの供給物をインタフェースする構造に送出するようになっている。それぞれの入口導管および/または多岐管は、ガス排除用の1つまたは複数のベントオリフィスを含む。
【0017】
本発明の別の態様は、マスクフレームに関し、マスクフレームは、主要本体部(main body)と、主要本体部の大部分にわたって分散される複数のベントオリフィスとを含む。
【0018】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関し、ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられる少なくとも1つのベントオリフィスとを含み、それぞれのベントオリフィスはベントを含み、それぞれのベント出口に隣接するマスクコンポーネントに対して設けられる突出部を含む。突出部は、角錐、円錐、またはドーム形状である。こうした機構は、互いに実質的に垂直である排気ガスストリームを送出するようになされた隣接するベントオリフィスを提供する。
【0019】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関し、ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられる少なくとも1つのベントオリフィスとを含む。それぞれのベントオリフィスは、オリフィスの全長に沿って大きな断面から小さな断面にかけてオリフィスにテーパがつく収斂構成を有する入口部分、および、オリフィスの全長に沿って小さな断面から大きな断面にかけてオリフィスにテーパがつく発散構成を有する出口部分を含む砂時計形状を有する。入口部分は、出口部分と連続であり、入口部分と出口部分は、実質的に同様の長さを含む。
【0020】
本発明の別の態様は、マスクに関し、マスクは、マスク内部を含むマスクフレームと、フレームに対して設けられる少なくとも1つのベントオリフィスと、マスク内部内に設けられ、少なくとも1つのベントオリフィスの前面に位置決めされる障害物とを含む。
【0021】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関し、ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられたメッシュ構造とを含む。メッシュ構造は、複数のベントオリフィスを生み出すように編まれる。ある実施形態では、メッシュ構造は、ステンレス鋼メッシュまたはステンレス鋼ワイヤを含む。代替の実施形態では、メッシュ構造は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、または3次元スペーサ繊維で構成される織物を含む。
【0022】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関し、ベント機構は、ドーム形状部分を含むマスクコンポーネントと、ドーム形状部分に対して設けられる複数のベントオリフィスとを含む。ある実施形態では、オリフィスは、中心オリフィス、および、中心オリフィスの周りの円内に配置された複数のオリフィスを含む。
【0023】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関し、ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられる複数のベントオリフィスとを含む。隣接するベントオリフィスは異なる直径を有する。
【0024】
本発明の別の態様は、複数の穿孔セクションを有するシートを含むマスク用のベントインサートに関する。穿孔セクションは、互いに折り重ねられて、穿孔セクションを通るベントオリフィスを生成するようになされた。
【0025】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関する。ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられる複数の隣接する突出部とを含む。突出部はそれぞれ、1つまたは複数のベント開口を含む。突出部のベント開口は、ベント流が、異なる方向で、互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて送られて、拡散空気流が生成されるように配置される。
【0026】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関する。ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられる1つまたは複数の突出部とを含む。突出部はそれぞれ、1つまたは複数のベント開口を含む。それぞれの突出部のベント開口は、ベント流が、異なる方向で、互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて送られて、拡散空気流が生成されるように配置される。
【0027】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関する。ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられる1つまたは複数の凹所とを含む。凹所はそれぞれ、1つまたは複数のベント開口を含む。凹所のベント開口は、ベント流が、異なる方向で、互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて送られて、拡散空気流が生成されるように配置される。
【0028】
本発明の別の態様は、マスク用のベント機構に関し、ベント機構は、マスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられるベントキャップとを含む。ベントキャップは、ベース壁およびベース壁から上方に延びるドームまたは隆起部分を含む。ドームまたは隆起部分は側壁を含み、複数のベント穴が側壁に沿って配置される。ベント穴は、ユーザの呼吸サイクルの少なくとも吸気相および呼気相の間、使用中に開放する。
【0029】
本発明の別の態様は、マスクシステムに関し、マスクシステムは、マスクと、マスクに対して設けられるエルボと、マスクとエルボとの間に設けられるバッフルとを含む。エルボは、環状側壁、および、環状側壁上に配置される、ガス排除用の複数のベント穴を含む。バッフルは、排除ガスを、流路に沿ってベント穴へ誘導するように構築された、1つまたは複数の起伏および/またはガイドを有する環状構成を含む。
【0030】
本発明の別の態様は、マスクシステムに関し、マスクシステムは、ガス排除用の1つまたは複数の開口を含むマスクコンポーネントと、マスクコンポーネントに対して設けられたベントコンポーネントとを含む。ベントコンポーネントは、ガス排除を誘導するようになされた、ベントコンポーネントの外側表面に沿う1つまたは複数のトラックまたは溝を含む。ベントコンポーネントは、マスクコンポーネントの外側表面とベントコンポーネントの外側表面との間の1つまたは複数のトラックまたは溝に沿ってガス排除が起こるように、マスクコンポーネント内の1つまたは複数の開口を覆うようになされた。
【0031】
本発明の他の態様、特徴、および利点は、本開示の一部であり、また、実施例によって、本発明の原理を示す、添付図面に関連して考えられるとき、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
添付図面は、本発明の種々の実施形態の理解を促進させる。
【0033】
以下の説明は、一般的な特性と特徴を共有してもよい、いくつかの実施形態に関連して提供される。どの1つの実施形態の1つまたは複数の特徴も、他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組合せ可能であってよいことが理解される。さらに、いずれかの実施形態の任意の単一の特徴または特徴の組合せは、さらなる実施形態を構成してもよい。
【0034】
本明細書において、「備える(comprising)」という言葉は、その「オープンな(open)」意味で、すなわち、「含む(including)」という意味で理解され、そのため、「クローズな(closed)」意味、すなわち、「だけからなる(consisting only of)」という意味に限定されない。対応する意味は、記載される「備える(comprise)」、「備えた(comprised)」、「備える(comprises)」という対応する言葉による。
【0035】
「空気(air)」という用語は、呼吸可能なガス、たとえば、補充酸素を含む空気を含むと考えられる。本明細書で述べるPAPデバイスまたはブロワは、空気以外の流体を圧送するように設計されてもよいことも認められる。
【0036】
1. マスク実施形態
鼻マスク、鼻および口マスク、フルフェースマスク、ならびに鼻プロング、ピロウ、ノズルおよびカニューレを含む、ある範囲のマスク(患者インタフェースまたはマスクシステムとも呼ばれる)が知られている。
【0037】
マスクは、通常、剛性または半剛性部分(しばしば、シェルまたはフレームと呼ばれる)、および、患者の鼻および/または口とのシールを形成するようになされた柔軟な患者接触部分(しばしば、クッションまたは鼻プロング機構と呼ばれる)を含む。エルボは、フレームに対して設けられ、呼吸可能ガスを患者に送出する空気送出管(図示せず)に接続されるようになっていてもよい。しかし、他のマスク機構、たとえば、剛性がないマスク機構(たとえば、布で構成される)が可能であることが理解されるべきである。
【0038】
1つまたは複数の排除ベントは、マスクまたは関連する導管に対して設けられて、呼気ガスをマスクから大気へ放出する。複数の実施形態において、1つまたは複数のベントは、マスクのフレームおよび/またはエルボに対して設けられてもよい。関連する導管内の1つまたは複数のベントも可能である。
【0039】
2. ベントの実施形態
以下は、マスクからのガス排除用のベント機構の代替の実施形態を述べる。
【0040】
それぞれのベント機構は、任意の適したインタフェースタイプ、たとえば、鼻マスク、鼻および口マスク、フルフェースマスク、および鼻プロングなどと共に使用するようになっていてもよいことが理解されるべきである。さらに、それぞれのベント機構は、マスクの任意の適した部分、たとえば、フレーム、エルボ、導管などにおいて使用するようになっていてもよい。
【0041】
ある実施形態では、ベント機構は、複数のインタフェースタイプにおいて使用するように構築された一般的なコンポーネントであってよい。たとえば、ベント機構は、マスクエルボ、フルフェースマスク用のマスクフレーム、および鼻プロング機構用のフレームにおいて使用するようになっていてもよい。
【0042】
2.0 拡散ベント
以下で述べるベント機構は、排気ベント流を拡散するように構築されてもよい。排気ベント流の拡散増加は、ベッド布およびベッドパートナ上への少ない空気噴射をもたらし、同様に、小さい雑音を生成する場合がある。
【0043】
たとえば、比較的短い流路長を有する比較的大きなアパーチャベントオリフィスは、速度の速い未発達流を生成し、過剰の雑音を発生させる可能性がある。図1−1は、単一の大きな出口2についてのベント流を示す。図示するように、排気ベント流は、大きな混合エリア6を有する大きなコアストリーム4を生成する。高周波雑音は7で示され、低周波雑音は8で示される。
【0044】
対照的に、図1−2は、本発明のある実施形態による、分岐出口10を有する拡散ベントについてのベント流を示す。図示するように、コアストリーム14および混合エリア16は、図1−1の大きな出口2よりかなり小さい。さらに、雑音(たとえば、非常に遅い速度の大気ストリームに接触する空気ストリームからの高周波雑音)は、図1−1の大きな出口2に比べて分岐出口10からの伝わり方はかなり小さい。出口から距離xにおいて、出口2のベント流は、より多くの雑音を生成する速い速度を有するが、分岐出口10のベント流は、少ない雑音を生成する遅い速度を有する。雑音は、非常に遅い速度の大気に接触する、出て行く空気の速い速度の突然の変化によって生じるため、拡散によって生成される遅い速度は、速度変化、したがって、雑音を低減する。そのため、分岐出口10は、ベント流を拡散して、図1−1の大きな出口2に比べて遅い速度を生成し、小さい雑音を生成する場合がある。同様に、拡散ベント流は、障害物、たとえば、ベッドシーツ、枕などに当たるベント流によって小さい雑音を生成する。
【0045】
以下で述べるベント機構はそれぞれ、以下の特性、すなわち、ベント噴射を防止し、障害物に対するベント雑音の感度を低減する高いレベルの拡散、静粛性、加湿状況下でのベント流の維持、飽和状況下でのベント流の維持、グリースおよび廃物によるベント閉塞の回避、CO再呼吸の最小化、最小マスクに合う物理的サイズ、低コスト、製造性、無粒子、頑健さ、清掃可能性および廃棄性、有用性、耐久性および寿命、既存の流れ発生器との適合性、保守性、生体適合性、抗細菌成長性、雑音品質、および/または信頼性認識のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0046】
2.1 半遠隔換気
図2−1は、本発明の実施例によるベント機構を含むマスクを示す。図示する実施例において、マスク20は、マスクに対して設けられたマスク端部、および、呼吸可能ガスをマスクに送出するようになされた流れ発生器に対して設けられた供給端部を有する空気送出管22を含む。短い外部管またはシュラウド25は、たとえば、マスク端部から、空気送出管22の一部分を覆う。
【0047】
外側管25の内部表面および空気送出管22の外側表面は、ベント通路26を画定する、両者の間にギャップを形成し、ギャップはベント通路26を画定する。ベント通路26は、マスク内部に流体連通する入口26(1)および大気に対して開放した出口26(2)を含む。
【0048】
ベント通路26は、環状断面を含み、ベント通路26の出口26(2)は、マスク20から離れており、マスクおよび患者と別の方に向く。ある実施形態では、ベント通路26は、たとえば、雑音を低減するために、入口から出口にかけてテーパが付いてもよい。
【0049】
同様に、ある実施形態では、外部管25は、ガス排除用の、1つまたは複数の小さな拡散したベントオリフィス28を含むために穿孔されてもよい。
【0050】
2.2 入口導管に沿った換気
図2−2−1および2−2−2は、インタフェース構造230、および、患者の顔のそれぞれの側面に沿って延び、かつ、呼吸可能ガスをインタフェース構造230に送出するようになされた2つの管または入口導管232を含むマスク220を示す。こうしたマスクの例示的な実施形態は、それぞれが参照によりその全体を本明細書に組み込まれる、2007年7月27日に出願された米国特許出願第11/878933号および2007年7月27日に出願された米国特許出願第11/878932号に開示される。
【0051】
本発明のある実施形態によれば、入口導管232はそれぞれ、ガス排除用の、1つまたは複数のベントオリフィス228を含んでもよい。たとえば、オリフィス228は、インタフェース構造230に隣接する領域内に設けられてもよく(図2−2−1を参照されたい)、かつ/または、オリフィス228は、各導管232の長さに沿って設けられてもよい(図2−2−2を参照されたい)。オリフィス228は、導管上に任意の適したパターン(たとえば、ランダム、列に整列してなど)で配置されてもよく、また、任意の適した方向に排除ガスを誘導するように配置されてもよい。さらに、各導管は、任意の適した数のオリフィスを有してもよく、各オリフィスは、その長さに沿って任意の適した断面構成を有してもよい(たとえば、テーパが付けられてもよい)。
【0052】
2.3 頭の上部における換気
別の実施例では、マスク用のベント機構は、ベント排気を、患者およびベッドパートナと別の方に誘導し直すために、患者の頭の上部に設けられてもよい。たとえば、図2−2−1および2−2−2で先に述べたマスクでは、入口導管は、患者の頭の上部に延び、多岐管によって互いに結合される。本発明のある実施形態によれば、入口導管232はそれぞれ、多岐管235に隣接する領域にガス排除用の1つまたは複数のベントオリフィス228(図2−3−1を参照されたい)を含んでもよく、かつ/または、1つまたは複数のベントオリフィス228は、多岐管235自体に設けられてもよい(図2−3−2を参照されたい)。
【0053】
オリフィス228は、導管上に任意の適したパターン(たとえば、ランダム、列に整列してなど)で配置されてもよく、また、任意の適した方向に排除ガスを誘導するように配置されてもよい。さらに、各導管は、任意の適した数のオリフィスを有してもよく、各オリフィスは、その長さに沿って任意の適した断面構成を有してもよい(たとえば、テーパが付けられてもよい)。
【0054】
2.4 完全換気式フレーム
別の実施形態では、図2−4に示すように、マスク用のマスクフレーム324は、ガス排除を拡散するために、フレーム324全体にわたって広がった複数のベントオリフィスまたはベントオリフィスのクラスタを含んでもよい。ベントオリフィスは、フレームの選択された領域内にまとめられてもよく、かつ/または、ベントオリフィスは、フレームにわたって分散されてもよい。さらに、フレームは、任意の適した数のオリフィスを有してもよく、各オリフィスは、その長さに沿って任意の適した断面構成を有してもよい(たとえば、テーパが付けられてもよい)。
【0055】
2.5 ベント出口に隣接する突出部
別の実施形態では、図2−5に示すように、マスクは、複数の隣接するベントオリフィス428を含んでもよく、角錐または円錐形状突出部440は、粘性剪断領域を埋め、したがって、雑音を低減するためにベント出口に隣接して設けられてもよい。
【0056】
ベント雑音を発生させるのは、複数のオリフィスのクラスタのベント出口のすぐ外側の粘性剪断領域、すなわち、ベントオリフィスに隣接する中間の角錐/円錐領域である。本発明のある実施形態によれば、突出部440は、これらのボイドを埋めて、この剪断領域を減少させ、したがって、雑音を低減するために設けられる。
【0057】
2.6 砂時計形状オリフィス
別の実施形態では、図2−6に示すように、マスクは、複数の密接した間隔のベントオリフィス528を含んでもよく、それぞれのベントオリフィス528は、砂時計形状を有する、すなわち、ベントオリフィス528は、収斂オリフィスと発散オリフィスの組合せを含む。特に、それぞれのベントオリフィス528は、収斂構成を有する(すなわち、オリフィスは、大きな断面から小さな断面にかけてテーパが付く)入口部分528(1)および発散構成を有する(すなわち、オリフィスは、小さな断面から大きな断面にかけてテーパが付く)出口部分528(2)を含む。オリフィスに対する入口部分528(1)は、エントランス効果を最小にするために、球形にされる、または、ある半径を含んでもよい。砂時計形状オリフィスは、より長い穴が、収斂入口として成形されることを可能にし、発散出口は、「ネック部(neck)」で接する、反対側で(ピンを)操作することによって形成される。長い穴は、長い流路を提供し、流れを完全に発達させるのに役立つ。
【0058】
2.7 ベント入口に入る速い速度を低減する
別の実施形態では、ベント入口速度を大幅に減少させ、したがって、ベント雑音を低減するために、ベントオリフィスに対して入口の前面に、障害物が設けられてもよい。
【0059】
たとえば、図2−7−1は、マスクフレーム624、フレームに対して設けられる複数のベントオリフィス628を含むインサート627、およびフレームに対して設けられかつ加圧ガスを送出するようになされた入口管622を含むResMed社製Mirageマスク620を示す。こうした実施形態では、オリフィス628のベント入口に入る直接空気流は、速い速度の層流を生成し、比較的高いベント雑音を発生する可能性がある。
【0060】
本発明のある実施形態によれば、図2−7−2に示すように、抵抗を生成し、流れ速度および発生するベント雑音を低減するために、オリフィス628のベント入口の前面に、障害物638(たとえば、フレームから延びる側壁)が設置されてもよい。すなわち、障害物638は、速い速度のガスがオリフィス628に直接入ることを減らし、雑音を低減する。
【0061】
この機構は、マスクチャンバ内の全てのものが、できる限り乱されずかつ層状のままであるべきであり、それにより、ベント内に速い速度の流れが生じるという考えに疑問を呈するため、反直感的である。いずれの障害物も、乱流からの過剰な雑音を回避するために、依然として「滑らかな輪郭を持つ(smoothly contoured)」べきである。障害物は、排気ガスがそこを通って流れる、曲がりくねった迷路に似た経路を作る。これらの経路の抵抗の増加は、運動エネルギー、したがって、流れの速度を減少させる。速度の減少は、雑音の減少および空気噴射の減少をもたらす。速度が減少した完全に発達した層流が最も望ましい。
【0062】
2.8 出口ベント流の速度の減少
ベントの音パワーは、出口ベント流の速度に非常に敏感である。たとえば、(それぞれ、単極ソースまたは4極ソースに応じて)
【0063】
【数1】

または
【数2】

【0064】
である。式中、W=放射される音パワー、S=ベントの断面積、ρ=空気密度、V=出口ベント流の速度、c=音速である。
【0065】
本発明の複数の実施形態によれば、出口ベント流の速度は、雑音を低減するために減少してもよい。
【0066】
2.9 ステンレス鋼メッシュ
別の実施形態では、図2−8に示すように、マスクの一部分は、ガス排除用の複数のベントオリフィス728を含むステンレス鋼メッシュ742を備えてもよい。ある実施形態では、ステンレス鋼メッシュ742は、複数のベントオリフィス728を有するメッシュ構造を作るために、互いに編まれるワイヤ743を含む。メッシュ742によって提供される換気性または通気性は、ワイヤサイズおよび編み物の硬さに依存する場合がある。たとえば、オリフィス面積は、メッシュの全面積の約25%であってよく、また、最小オリフィスサイズは、ワイヤが互いに出たり入ったりして進むため、最小ステンレス鋼ワイヤ直径によって左右されることがある。代替の実施形態では、メッシュは、他の織物またはメッシュ媒体、たとえば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド(たとえば、ナイロン)、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(たとえば、テフロン(登録商標))、3次元スペーサ繊維から構成されてもよい。
【0067】
2.10 ベント交換/洗浄を知らせるアラーム
微細なメッシュ、織物、材料のもろい構造、および/または非常に小さいオリフィスを含むベント機構は、汚れおよび生物学的堆積または損傷による閉塞を受ける可能性がある。したがって、ユーザは、良好なCO排除のため、適切なベント流が維持されることを保証するために、定期的に、ベントを洗浄するか、または、ベントを交換する必要がある。
【0068】
本発明のある実施形態によれば、気道陽圧(PAP)デバイスまたは流れ発生器は、ユーザがベント機構を交換する/洗浄するときを知るように、ベント流が減少する場合にユーザに知らせるアラームを含んでもよい。フェーイル−セーフモードもまた、ユーザがベントを交換する/洗浄することを注意されることを保証する方法である。たとえば、ベント媒体が、接着剤によってマスクに組み立てられる場合、接着剤は、COに敏感であり/HOに敏感である可能性があり、呼気CO/湿気に対する所定の暴露によって、徐々に溶解することになる。最終的に、ベント媒体は、ゆるくなり、(ベント媒体とマスクとの間の)ギャップを露出する場合があり、ギャップは、呼気ガスの排気を依然として可能にするが、非常にノイジーである場合がある。ある程度類似である別のフェイルセーフモードは、ベントコンポーネントが、プレロード式組立体特徴部を有することを保証することであり、プレロード式組立体特徴部は、時間と共に徐々にゆるくなり(すなわち、クリープを生じ)、ベントコンポーネントと、ベントコンポーネントがそれに対して組み立てられるマスクインタフェースとの間のギャップを露出することになる、ゆるい取り付けベントをもたらす。
【0069】
2.11 疎水性皮膜
別の実施形態では、疎水性皮膜が、ベント材料の内部に設けられてもよい(すなわち、ベント入口に沿う疎水性皮膜)。ベント入口の疎水性は、ベントオリフィスが、湿気によって閉塞することを防止するのに役立つであろう。
【0070】
2.12 ドームにわたって分散した微細ベントオリフィスのクラスタ
図2−9−1および2−9−2に示すように、マスクは、ドーム形状部分845、および、ガス排除用のドーム形状部分845にわたって分散した微細ベントオリフィス828のクラスタを含んでもよい。図示する実施形態では、オリフィス機構は、中心オリフィスおよび中心オリフィスの周りの円内に配置された複数のオリフィスを含む。図示するように、オリフィス828は、距離xだけ互いに分離され、各オリフィス828は、直径サイズdを有する。しかし、他の適したオリフィス機構が可能である。たとえば、オリフィスは、他の方法で、たとえば、ランダムに、直線的に、他のパターンなどでドームにわたって分散されてもよい。
【0071】
ある実施形態では、数値流体力学(CFD)を使用して、オリフィスサイズおよびオリフィス分離の変動をモデル化し、それにより、GoreTex(商標)などの膜の拡散特性を真似ようとして、これら2つのパラメータの最適平衡が達成される。
【0072】
製造性の点で、オリフィスは、シリコーンゴムまたはエラストマのシートから成形されてもよく、また、シートは、その後、シートをドーム形状に湾曲させるように構築された支持構造体またはレーリング(マスクに対して設けられる)上で引っ張られてもよい。しかし、ベント機構は、他の適した方法で構築されてもよい。
【0073】
2.13 異なるサイズと長さの隣接するベントオリフィス
別の実施形態では、マスクは、複数のベントオリフィスを含み、隣接するベントオリフィスは、異なるサイズを有する、たとえば、小さいベントオリフィスと大きいベントオリフィスが交互になる。こうした機構は、使用時に、雑音を低減する場合がある。
【0074】
発生するベント雑音の量は、出口ベント流の速度と、出口ベントストリームを囲む空気(すなわち、通常、比較的静止している大気)の速度との差に敏感である。
【0075】
隣接するベントオリフィスのサイズと長さに変動があることによって、噴射ストリームの速度がオリフィスサイズと流路長に依存するため、隣接する出口ベントの速度差が生じる。これは、排気ストリームと静止大気との間の速度勾配を効果的に減少させる可能性がある。
【0076】
2.14 異なるレベルの速度シュラウド
別の実施形態では、ベント機構は、ガス排除用の、フレームの一部分にわたって分散したベントオリフィスのクラスタを含んでもよい。図2−10−1および2−10−2では、ベントオリフィス928は、直径dを有する円エリア内に配置され、オリフィス928は、異なるサイズを有する。
【0077】
図示する実施形態では、クラスタは、第1直径d1を有する中心または内部オリフィス928(1)、内部オリフィス928(1)の周りの円に沿って規則正しい間隔で互いに分離し、かつ、それぞれが直径d1より大きい第2直径d2を有する複数の中央オリフィス928(2)(たとえば、6つのオリフィス)、および、中央オリフィス928(2)に同心である円に沿って規則正しい間隔で互いに分離し、かつ、それぞれが直径d2より大きい第3直径d3を有する複数の外部オリフィス928(3)(たとえば、8つのオリフィス)を含む。
【0078】
章2.13で先に述べた概念に類似して、ベント機構は、雑音を低減するために、異なるサイズの隣接するオリフィスを含む。特に、図2−10−2に示すように、ベント機構は、ベントオリフィスのクラスタの内側から外側へ向かう異なるレベルの速度シュラウドを徐々に作成する。図示するように、速度シュラウドは、内部オリフィス928(1)に関して最も速く、外部オリフィス928(3)に関して最も遅く、それにより、最も速い(highest)速度と、中央ストリームと、ゆっくり動く大気との間の速度勾配を減少させるのに役立つ。しかし、オリフィスの数、サイズ、長さ、間隔、および/または全体のレイアウトは、ある範囲の異なる並べ替え、たとえば、オリフィスの非円形配置を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0079】
2.15 コーティングされたステンレス鋼メッシュ
図2−8に関して先に述べたように、マスクの一部分は、ガス排除用の複数のベントオリフィスを含むステンレス鋼メッシュを備えてもよい。ある実施形態では、ステンレス鋼メッシュは、疎水性材料を厚くコーティングされてもよい。疎水性皮膜が十分に厚い場合、皮膜は、上述したメッシュ742などのステンレス鋼で編んだメッシュ内に画定される、通常大きなオリフィスサイズを塞ぐのに役立つ可能性がある。
【0080】
2.16 疎水性メッシュ
ある実施形態では、上述したような疎水性メッシュ/繊維は、著しく一貫性のある微細なオリフィスサイズを有する医療等級ろ過メッシュ、たとえば、Sefarから入手可能なメッシュおよび繊維であってよい。
【0081】
2.17 スロットオリフィスベント
別の実施形態では、図2−11に示すように、マスクは、ベントオリフィス1028およびベントオリフィス1028を覆うキャップ1050を含んで、たとえば、ResMed社製UltraMirageマスク内のスロットオリフィスベントに類似する、マスクから遠い出口にガス排除を誘導する小さなギャップまたはベント通路1026を画定してもよい。キャップ1050は、ベント出口に隣接して弧状部分1051を含んでもよい。
【0082】
薄いスロットまたはベント通路1026は、長い流路が、流れを完全に発達させるのを促進する非常に大きな有効エリアを提供し、それにより、発生するベント雑音量が減る。有効換気エリアは、ちょうど1028の小さなオリフィスのエリアである。しかし、比較的大きなベントキャップ半径、d1の半分は、長い流路を提供する。
【0083】
2.18 オリフィスサイズの清掃可能性と静粛性の平衡
別の実施形態では、オリフィスサイズは、清掃可能性があり、かつ、静粛であるように選択されてもよい。例示的な実施形態では、図2−12に示すように、約1.7mmのフレーム厚さを有するマスクの場合、オリフィスのd1〜d2の直径範囲は、約0.4〜0.8mmであってよい。図示するように、大きな直径のオリフィスは、清掃するのが容易であるが、オリフィスが大きくなればなるほど、オリフィスはノイジーになる。こうしたオリフィスサイズは、たとえば、フレーム厚さ、所望の清掃可能性、および/または静粛性などに応じて変動してもよい。
【0084】
2.19 ベントの折り重ね
別の実施形態では、マスクベントは、マスクに対して設けられ(たとえば、所定位置にスナップ係合結合する)、複数のベントオリフィスを画定するインサートの形態であってよい。ある実施形態では、図2−13−1〜2−13−3に示すように、インサート1160は、微細で多孔性のベントオリフィスの3次元マトリクスを生成するために、互い対して折り重ねられる複数の穿孔セクション1162(1)、1162(2)、1162(3)を有する(たとえば、図2−5または3)プラスチックの成形/スタンピングシート(たとえば、約0.5〜0.8mmの範囲の厚さを有するポリプロピレン)で構成される。
【0085】
図示するように、第1セクション1162(1)は、第1角度で配置された一連のスロット1163(1)を含み、第2セクション1162(2)は、第2角度で配置された一連のスロット1163(2)を含み、第3セクション1162(3)は、第3角度で配置された一連のスロット1163(3)を含む。図示する実施形態では、第1角度は水平から約135°であり、第2角度は水平から約45°であり(すなわち、第1角度と直角をなす)、第3角度は垂直または水平から約90°である。しかし、スロットは、他の変動する角度で配置されてもよい。同様に、スロットはそれぞれ、類似の幅を有する。しかし、スロットは、他のセクション内のスロットと変わってもよい変動する幅を有してもよい。
【0086】
セクション1162(1)、1162(2)、1162(3)は、折り重ねを容易にするために、一体形ヒンジ1164(例えば、セクション間の幅の狭いスロット付き縁部)によって互いに結合される。同様に、第1および第3セクション1162(1)、1162(3)の端部は、折り重ねた構成でインサートを保持するように構築されたロック用スナップまたはタブ1165を含んでもよい。
【0087】
折り重ねた構成にあるとき、スロット1163(1)、1163(2)、1163(3)は、互いに重なり合って、インサート1160を通して微細で多孔性のベントオリフィスを提供する。インサート1160は、清掃および/または迅速な乾燥のために、展開され、または開かれもよい。
【0088】
2.20 ベントの積層
図2−14−1〜2−14−3は、マスク用のベントインサート1260の別の実施形態を示す。この実施形態では、ベントインサート1260は、微細で多孔性のベントオリフィスの3次元マトリクスを生成するために、互いの上部に積層される複数のグリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)を含む。
【0089】
図示するように、ベントインサート1260は、マスク内の出口開口内でベースを支持するようになされたフランジまたは肩部1266を提供する円柱ベース1265を含む。一連のスロットを画定するグリル1268(たとえば、1つまたは複数のクロスバー)は、ベース1265の上側部分に設けられる。
【0090】
同様に、ベース1265の上側部分は、複数のディスクに似たグリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)を支持するようになされた環状リム1267を含む。図示する実施形態では、4つのグリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)は、ベース1265に対して設けられる。しかし、より多いか、まは、少ないグリルコンポーネント、たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のグリルコンポーネントが使用されてもよい。
【0091】
それぞれのディスクに似たグリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)は、一連のスロットを画定するグリル1272およびベース1265および/または他のグリルコンポーネントに連結(interlock)するようになされた環状リム1274を含む。特に、環状リムの上側縁部は、正反対の突出部1276を含み、環状リムの下側/外側縁部は、規則的な間隔で互いに分離した一連の凹所1278(たとえば、12の凹所)を含む。
【0092】
使用時、第1グリルコンポーネント1270(1)は、選択された凹所1278を、ベース1265の環状リム1267上に設けられた正反対の突出部1269に連結することによって、ベース1265に結合される。第1グリルコンポーネント1270(1)は、ベース1265のグリル1268に対するグリル1272の角度を調整するために、ベース1265に関して選択的に回転し、連結してもよい。
【0093】
その後、第2グリルコンポーネント1270(2)は、選択された凹所1278を、第1グリルコンポーネント1270(1)上に設けられた正反対の突出部1276に連結することによって、第1グリルコンポーネント1270(1)に選択的に結合されてもよい。同様に、第3グリルコンポーネント1270(3)は、第2グリルコンポーネント1270(2)に選択的に結合され、第4グリルコンポーネント1270(4)は、第3グリルコンポーネント1270(3)に選択的に結合されてもよい。各結合において、グリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)は、互いに対するグリル1272の角度を調整するために、選択的に回転し、連結してもよい。すなわち、グリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)は、異なる構成で積層されて、インサートを通してベントオリフィスの異なるアレイを生成してもよい。
【0094】
使用時、図2−14−3に示すように、ベース1265のグリル1268およびグリルコンポーネント1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4)のグリル1272は、互いに折り重なって、インサート1260を通して微細で多孔性のベントオリフィスを提供する。インサート1260は、清掃および/または迅速な乾燥のために、はずされる、または、取り外されてもよい。
【0095】
2.21 単一および二重層媒体
図2−15−1〜2−15−3は、マスク用のベントインサート1360の別の実施形態を示す。この実施形態では、ベントインサート1360は、流れを拡散させるために、媒体1380(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)を含む。
【0096】
図示するように、ベントインサート1360は、マスク内の出口開口内でベースを支持する(例えば、ベースは、フリクション係合、接着剤などによってマスクに固定される)ようになされたフランジまたは肩部1366を提供する円柱ベース1365を含む。一連のスロットを画定するグリル1368(たとえば、1つまたは複数のクロスバー)は、ベース1365の下側部分に設けられる。グリルまたはクロスバー(複数可)1368は、マスクハンドリング中にベント媒体の誤った接触を防止し、それにより、ハンドリングによるベント媒体の汚染を最小にする。
【0097】
ベース1365の上側部分は、少なくとも1つまたは複数の媒体1380、たとえば、1つまたは複数の層、たとえば、2つの層を支持するようになされた環状リム1367を含む。同様に、複数のスナップ係合タブ1375(例えば、4つのスナップ係合タブ)は、リムから上方へ延びる。タブ1375は、ベース1365内で媒体を維持するように構築されたカバー1385に連結するようになされた。
【0098】
カバー1385は、環状側壁1386およびクロスバー1387を含む。側壁の縁部は、スナップ係合を有するタブ1375のそれぞれの中に設けられる凹所1375(1)内に係合するようになされた係合フランジ1386(1)を含む。クロスバー1387は、ハンドリング中にベント媒体の誤った接触を防止して、(例えば、体の油、手の水分などから)ベント媒体の汚染を最小にする。
【0099】
使用時、少なくとも1つの媒体1380(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)が選択され、ベース1365内に挿入され、カバー1385が、ベース1365にスナップ係合されて、媒体1380がベース1365内に保持される。図2−15−3に示すように、ベント流は、インサート1360のグリル1368および媒体1380を通過するときに拡散され、雑音を低減する。カバー1385は、媒体1380を清掃し、かつ/または、交換するために取り除かれてもよい。
【0100】
ある実施形態では、ベース1365およびカバー1385は、プラスチック材料から成形されて、少なくとも1つの媒体1380用のプラスチックケーシングを画定してもよい。少なくとも1つの媒体1380は、ケーシングにオーバモールドされるか、または、固着されてもよい。こうした機構では、個々の媒体を交換するのではなく、全体のベントインサート1360が交換されてもよい(すなわち、交換可能カートリッジ)。
【0101】
2.22 拡張チャンバを有する二重層媒体
図2−16−1〜2−16−3は、マスク用のベントインサート1460の別の実施形態を示す。この実施形態では、ベントインサート1460は、流れを拡散させるために、2層の媒体1480(1)、1480(2)(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)を含む。
【0102】
図示するように、ベントインサート1460は、マスク内の出口開口内でベースを支持するようになされたフランジまたは肩部1466を提供する円柱ベース1465を含む。一連のスロットを画定するグリル1468は、ベース1465の下側部分に設けられる。グリル1468は、マスクハンドリング中にベント媒体の誤った接触を防止し、それにより、ハンドリングによるベント媒体の汚染を最小にする。
【0103】
ベース1465の上側部分は、第1媒体1480(1)を支持するようになされた下側の環状リム1467(1)と、第2媒体1480(2)を支持するようになされた上側の環状リムとを含む。同様に、係合フランジ1475は、上側リムから上方に延び、ベース1465内で第1および第2媒体1480(1)、1480(2)を維持するように構築されたカバー1485に係合するようになされた。
【0104】
カバー1485は、リング部分1486およびクロスバー1487を含む。リング部分1486の縁部は、ベース1465に対して設けられるフランジ1475に係合するようになされた。クロスバー1487は、マスクのハンドリング中にベント媒体の誤った接触を防止して、(例えば、体の油、手の水分などから)ベント媒体の汚染を最小にする。
【0105】
さらに、ベース1465の外周は、窪んだ側壁および側壁を貫通して延びる一連のスロット1482を含む。円柱バンド1483(例えば、フィルタまたは他の適した通気性媒体)は、窪んだ側壁に対して設けられ、スロット1482を覆う。
【0106】
使用時、第1媒体1480(1)(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)が選択され、ベース1465の下側リム1467(1)内に挿入され、第2媒体1480(2)(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)が選択され、ベース1465の上側リム1467(2)内に挿入され、カバー1485が、ベース1465に係合して、ベース1465内に媒体1480(1)、1480(2)を保持する。図示するように、カバー1485は、第2媒体1490(2)の上側表面に係合して、第2媒体1490(2)を所定位置に固定するようになされた環状突出部1469を含む。第1および第2媒体は、類似の構造(例えば、材料、厚さなど)を含んでもよく、または、第1および第2媒体は、互いに異なる構造を含んでもよいことが理解されるべきである。同様に、第1および第2媒体は、(図示するように)異なる直径を含んでもよく、または、第1および第2媒体は、類似の直径を含んでもよい(ベースは、第1および第2媒体を支持するように構築される場合)。
【0107】
図2−16−3に示すように、ベント流は、インサート1460のグリル1468ならびに第1および第2媒体1480(1)、1480(2)を通過するときに拡散され、雑音を低減する。さらに、ベント流は、流れを拡散させるために、第1媒体1480(1)と第2媒体1480(2)との間のスロット1482およびバンド1483を通過してもよい。カバー1485は、第1および第2媒体1480(1)、1480(2)を清掃し、かつ/または、交換するために取り除かれてもよい。二重層ベント媒体の機構を利用することは、単一層のベント媒体と比較して、通気性がよく開放した構造の編み物の使用を可能にする。これらのより開放された編み物の大きなオリフィスは、廃物、湿気、および飽和によって閉塞する可能性が小さい。より開放された編み物はまた、清掃が容易である。
【0108】
2.23 ひだ状媒体
図2−17−1〜2−17−3は、マスク用のベントインサート1560の別の実施形態を示す。この実施形態では、ベントインサート1560は、流れを拡散させるために、ひだ状媒体1580(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)を含む。
【0109】
図示するように、ベントインサート1560は、マスク内の出口開口内でベースを支持するようになされたフランジまたは肩部1566を提供する円柱ベース1565を含む。一連のスロットを画定するグリル1568は、ベース1565の下側部分に設けられる。グリル1568は、マスクハンドリング中にベント媒体の誤った接触を防止し、それにより、ハンドリングによるベント媒体の汚染を最小にする。
【0110】
ベース1565の上側部分は、複数のひだまたは折り目(fold)を有する媒体1580を支持するようになされた環状リム1567を含む。同様に、係合フランジ1575は、リムから上方に延び、ベース1565内で媒体1580を維持するように構築されたカバー1585に係合するようになされた。
【0111】
カバー1585は、リング部分1586およびクロスバー1587を含む。クロスバー1587は、マスクのハンドリング中にベント媒体の誤った接触を防止して、(例えば、体の油、手の水分などから)ベント媒体の汚染を最小にする。リング部分1586の縁部は、凹所を含み、ベース1565に対して設けられたフランジ1575に係合するようになされた。
【0112】
使用時、ひだ付き媒体1580(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)が選択され、ベース1565内に挿入され、カバー1585が、ベース1565に係合して、ベース1565内に媒体を保持する。
【0113】
図2−17−3に示すように、ベント流は、インサート1560のグリル1568およびひだ付き媒体1580を通過するときに拡散され、雑音を低減する。カバー1585は、ひだ付き媒体1580を清掃し、かつ/または、交換するために取り除かれてもよい。ひだ付き媒体1580の使用は、有効域を比較的小さな面積内にやはり維持しながら、大きな面積の通気性の低い換気媒体が使用されることを可能にする。換気媒体の通気性が低ければ低いほど、流れに対して非常に抵抗性があるため、雑音を低減し、空気流を拡散させるのに効果的である。
【0114】
2.24 流れを拡散させるための媒体
上述した実施形態では、媒体(たとえば、(抗細菌)フィルタ、膜、繊維、メッシュ、または、他の多孔性材料)は、流れを拡散させるために、ベント機構(たとえば、ベントインサート)に対して設けられてもよい。媒体は、ある範囲の材料、特性、および製造業者から選択されてもよい。
【0115】
たとえば、例示的な媒体は、使い捨てであり、かつ/または、疎水的に処理されてもよく、また、(たとえば、PALL、Gore-Tex、GE Energyの)プラスチックメッシュ、ステンレス鋼メッシュ、3Dスペーサ繊維、フェルト、および/または膜の形態であってよい。特定の実施例は、PALL社製BBフィルタ(疎水性)、GE Energy社製ePTFE膜、Gore-Tex社製ePTFE膜、Sefar社製PPメッシュ05-1001-K120、Sefar社製PPメッシュ05-1001-K079、Sefar社製PPメッシュ05-8000-K085、3Dスペーサ繊維SPC-121、Sefar社製SSメッシュ165/1400、Sefar社製PETメッシュ07-88-K080 二重層、Sefar社製PETメッシュ07-88-K0800 二重層ギャップ、Sefar社製PETメッシュ07-88-K060 二重層、Sefar社製NFW-PEPE-384-CS17、Tranpore Drylayer社製ウィッキング織物、再利用発泡体、および/または、3M社製8710E不織布を含む。
【0116】
プラスチックメッシュの利点は、疎水性処理、小さな有効域、加湿性、生体適合性、および/または、パンチングおよびオーバモールディングの簡単な自動化を含む。ステンレス鋼メッシュの利点は、認識される高い値、頑健性、および/または生体適合性を含む。3Dスペーサ繊維の利点は、半疎水性であること、密度による通気性のコントロール、および/または、費用がかからないことである。膜の利点は、ひだ付き、コスト、疎水性、「ハイテク(high tech)」、および/または、生体適合性を含む。
【0117】
ある実施形態では、媒体は、たとえば、使用中、かつ/または、使用後に媒体を乾燥させ、水蒸気が、ベント開口を詰まらせることを防止するために、電流が媒体を通過することを可能にする導電性材料で構成されてもよい。
【0118】
2.25 一般的なコンポーネント
上述したように、ベント機構は、複数のインタフェースタイプにおいて使用するように構築された一般的なコンポーネントであってよい。たとえば、図2−18−1〜2−18−3は、3つの異なるタイプのインタフェースに対して設けられた図2−15−1〜2−15−3に示すベントインサート1360を示す。図2−18−1では、ベントインサート1360は、マスクのマスクフレーム1624に取り付けられる。図2−18−2では、ベントインサート1360は、マスクのマスクエルボ1627に取り付けられる。図2−18−3では、ベントインサート1360は、鼻プロング機構用のフレーム1629の端部に取り付けられる。ベントインサート1360の交換可能性は、製造および交換を容易にする。
【0119】
2.26 環状ベント
図1−1で述べたように、比較的短い流路を有する大きな単一の出口についてのベント流は、比較的速い速度の流れを生成する。こうした速い速度の流れは、「噴射ストリーム(jet stream)」と考えられ、出口のすぐ外側で大きな速度変化を発生する。こうした機構は、高い噴射雑音を発生する。
【0120】
雑音レベルは、周囲空気の速度に対する噴射ストリームの速度によって決まり、図2−19に示すように、噴射ストリームの外側で速度が遅い追加の空気ストリーム(すなわち、中央の速い速度のストリームと外側の遅い速度のストリーム)を使用することによって、雑音の生成が大幅に低減される可能性がある。図示するように、ストリームの前後の徐々の速度変化は、大気に対する単一ストリームの速度変化より小さい。図2−19は、たとえば、図2−10−2に関して上述した速度シュラウドの略図である。
【0121】
図2−20は、空気圧縮器用の2相流マウスピース1790の実施形態を示す。この実施形態は、噴射ストリームの雑音を低減するための、図2−19の理論の適用を示す。図示するように、2相マウスピース1790は、高速内部ストリームを提供する中心導管1792および低速外部ストリームを提供する外側環状導管1794を含む。こうした機構は、単一導管またはストリームを有するマウスピースに比べて小さな雑音を生成する。
【0122】
図2−21−1〜2−21−4は、本発明のある実施形態によるエルボ組立体1845を示す。エルボ組立体1845は、雑音を低減するために、換気ガスの一部が、高速中心ストリームの外側で、ゆっくりした速度で移動することを可能にするベント機構を含む。こうしたベント機構は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年5月10日に出願された米国仮出願第60/924,359号に記載されるエルボ組立体と共に使用するようになされた。しかし、こうしたベント機構は、マスクの他の部分、たとえば、マスクフレームに適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0123】
図2−21−1〜2−21−4に示すように、エルボ組立体1845は、エルボ1846およびエルボ1846に着脱自在に取り付けられるカバー1850を含む。エルボ1846は、マスクフレーム内の開口に着脱自在に係合する第1端部1846(1)およびスイベルに着脱自在に係合する第2端部1846(2)を含む。第1および第2端部1846(1)、1846(2)は、スナップ係合によってフレーム/スイベルに係合するようになされた複数の弾性があり可撓性がある腕1847を含む。
【0124】
エルボ1846の主要本体部は、ガス排除用の複数のベントオリフィス1828を含む喚起エリアを含む。図2−21−3および2−21−4を見て最もよくわかるように、各ベントオリフィス1828は、ベント入口の小さい断面からベント出口の大きな断面にかけてテーパが付く。一対のラグ1848(図2−21−1に1つだけが見える)が、換気エリアの対向側面に設けられる。ラグ1848が、カバー1850の内部表面上に設けられたそれぞれの保持部材1851(図2−21−2を参照されたい)に係合するようになされた。同様に、1つまたは複数のタブ1849(図2−21−1を参照されたい)が、エルボ1846の主要本体部に対して設けられて、カバー1850は、主要本体部の外側表面から離して配置される。代替の実施形態では、ベントオリフィスのテーパ方向は反転されてもよい、すなわち、入口の大きな断面から出口の小さな断面へ変わってもよい。
【0125】
図2−21−2に示すように、エルボ1846は、エルボ1846がマスクフレームに取り付けられる場所に隣接してバッフル1852を含む。バッフル1852は、概してU形状を有し、エルボの上側腕を空気送出通路と排気通路に分割するように配置される。
【0126】
カバー1850は、ガス排除用の複数のベントクラスタ1854を含む換気エリアを含む。特に、各ベントクラスタ1854は、入口の大きな断面から出口の小さな断面にかけてテーパが付くオリフィス1856を画定する管状スピゴット、および、スピゴットの周りの円に沿って規則正しい間隔で互いに分離し、かつ、それぞれが、入口の大きな断面から出口の小さな断面にかけてテーパが付く断面を有する複数の弧形状オリフィス1858(たとえば、4つのオリフィス)を含む。代替の実施形態では、代替の実施形態では、ベントオリフィスのテーパ方向は反転されてもよい、すなわち、入口の大きな断面から出口の小さな断面へ変わってもよい。
【0127】
接続された位置において、カバー1850の換気エリアは、エルボ1846の換気エリアに整列して、図2−21−3に示すように、高速内側ストリームと低速外側ストリームを有するベント流が画定される。特に、カバー1850の各ベントクラスタ1854は、エルボ1846の各オリフィス1828に整列し、それにより、各ベントクラスタ1854のスピゴットは、エルボ1846の各オリフィス1828内に部分的に延びる。
【0128】
使用時、ベント流は、エルボ1846のオリフィス1828を通過して、カバー1850の各ベントクラスタ1854内に入る。図2−21−3に示すように、スピゴットのオリフィス1856を通過する流れは、スピゴットの外側のオリフィス1858を通過する流れより速い。追加の低速外側ストリームは、使用時のベント雑音を低減する可能性がある。
【0129】
こうした機構は、また、0.7mm以下の厚さを有するピンが、非常に小さな穴、すなわち、中心オリフィス1856の周りの弧状オリフィス1858を成形するのに使用されることを可能にする。知られている実施形態では、0.7mm未満の直径を有する通常の成形ピンは、モールド用のツールにおいて使用するのに特に頑健ではない。
【0130】
ベント機構のある実施形態では、図2−21−4に示すように、Dは約1.76mmであり、Dは約0.7mmであり、Dは約0.3mmであり、Dは約1.13mmであり、Dは約1.6mmであり、Dは約2.6mmであり、Dは約2.5mmであり、Dは約1.5mmであり、Dは約2mmであってよい。ベント機構の特定の寸法および範囲が示されるが、これらの寸法および範囲は、例示に過ぎず、他の寸法および範囲が、用途に応じて可能であることが理解される。たとえば、例示的な寸法は、用途に応じて、10〜20%あるいはそれ以上かまたはそれ以下に変動してもよい。
【0131】
2.27 ベントを有する突出部
図2−22−1および2−22−2は、本発明の別の実施形態によるベント機構2000を示す。この実施形態では、ベント機構2000は、マスクの換気エリア2004に対して設けられた1つまたは複数の突出部2002を含み、1つまたは複数のベント開口2006が、排除ガスを換気するために各突出部2002の側壁内に設けられる。さらに、1つまたは複数のベント開口2008が、排除ガスを換気するために突出部2002に隣接する換気エリア内に設けられてもよい。使用時、突出部2002内のベント開口2006からの排除ガスおよび隣接する換気エリア内のベント開口2008からの排除ガスは、空気流を拡散させるために、互いの方へ誘導されて、より拡散した換気をもたらす。あるいは、隣接するストリームは、また、ストリームの直接衝突を回避するために少しずらされて、乱流雑音を最小にし、しかし、ある程度の拡散をやはり提供してもよい。
【0132】
図示する実施形態では、換気エリア2004は、ベース壁2005およびベース壁2005から外側に延びる複数の突出部2002を提供する。図示するように、各突出部2002は、先端を切り取った角錐の形態であり、ベント開口2006は、角錐の各側壁を貫通するように設けられる、すなわち、角錐当たり4つのベント開口2006が設けられる。しかし、任意の適した数の開口が、各角錐に対して設けられてもよい、すなわち、各側壁内に複数の開口、選択された側壁だけに1つの開口、少なくとも1つの側壁内に1つの開口が設けられてもよいなどであることが理解されるべきである。同様に、図示する実施形態では、各開口2006は、概して台形形状、たとえば、約0.2〜0.6mm(たとえば、0.4mm)の高さを有する。しかし、開口は、他の適切な形状、サイズ、および/または、配置構成、たとえば、その長さに沿ってテーパが付いた円形を有してもよい。
【0133】
図2−22−1に示すように、突出部2002は、離間した格子に似た方式で角から角まで配置される。こうした配置構成は、突出部2002間に複数の換気エリアを画定し、換気エリア内に、各ベント開口208が設けられる。しかし、突出部の他の適した配置構成、たとえば、ランダム、円、行、列などの配置構成が可能である。さらに、2つ以上の開口2008が、突出部2002間に画定される各換気エリア内に設けられてもよいことが理解されるべきである。同様に、開口2008は、単に設けられなくてもよい。
【0134】
図示する実施形態では、各開口2008は、概して円形状を有する。しかし、開口2008は、他の適切な形状、サイズ、および/または、配置構成、たとえば、その長さに沿ってテーパが付いた非円形を有してもよい。
【0135】
突出部2002は、換気のために利用可能な表面積を増加させるように構築されるため、より多くのベント開口が、マスクの換気エリアにわたって設けられてもよい。たとえば、図示する実施形態では、突出部2002は、各ベント2008と類似の面積で4つのベント開口2006を提供する。
【0136】
使用時、突出部2002内のベント開口2006およびベース壁2005内のベント開口2008は、拡散空気流を生成するために、排除ガスが、異なる方向で、互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて誘導されるように配置される(たとえば、図2−22−1を参照されたい)。
【0137】
突出部は、他の適した形状または配置構成を有してもよいことが理解されるべきである。たとえば、突出部は、星形状、三日月形状、英数字形状、ロゴ形状、六角形、八角形などであってよい。すなわち、突出部は、任意の適した形状を有し、ベント開口は、隣接するベントオリフィスに平行でない方向に排気ガスを送出するように配置されてもよい。同様に、図2−22−3および2−22−4に示すように、ベント開口2006の下側縁部は、図2−22−1および2−22−2の場合と同様に、ベース壁2005から上方に離間するのではなく、ベース壁2005に整列してもよい。さらに、突出部2002の内側ベースまたは内部表面は、(図2−22−2および2−22−4に示すように)平坦ではなく、たとえば、角のある、または、丸い形状をしていてもよい。この配置構成は、ベント開口2006からより平滑な通路内に空気ストリームを誘導してもよく、それにより、乱流、したがって、雑音を低減する。
【0138】
図2−22−5は、図2−22−3および2−22−4の突出部を成形するモールドの略図である。図示するように、上側および下側モールドUM、LMは、協働して、突出部の上部、ベース壁、および両者の間のベント開口を画定する。
【0139】
別の実施例では、図2−23に示すように、突出部はそれぞれ、反転構成、たとえば、ベース壁2005から内側に延び、呼吸空洞内に入る、先端を切り取った角錐形状凹所を有してもよい。こうした配置構成では、ベント開口2007は、拡散流を生成するために、ベース壁2005ではなく、それぞれの先端を切り取った角錐形状凹所の低部壁内に設けられてもよい。
【0140】
別の実施例では、図2−24に示すように、各突出部は、ドーム形状を有し、ベント開口2006はドームに沿って設けられてもよい。
【0141】
なお別の実施例では、図2−25に示すように、各突出部は、細長い3次元台形の形態であり、ベント開口2006は3次元台形の側壁に沿ってあってもよい。図示するように、3D台形は、離間して、3D台形の間に換気エリアを画定し、換気エリア内に、ベント開口2008が設けられる。
【0142】
ある実施形態では、突出部は、1つまたは複数のベント開口を含む、マスクに対して取り付けられるか、または、改造されるようになされた、マスクと別個のコンポーネントとして設けられてもよい。すなわち、突出部は、ベント開口を覆うために、選択されたベント開口上の所定位置に固定され(たとえば、接着、スナップ係合などをされ)、ガスが、使用時にベント開口を通過するときに拡散ベント流を提供してもよい。
【0143】
2.28 ディスクに似たベント機構
図2−26は、本発明の別の実施形態によるベント機構2100を示す。この実施形態では、ベント機構2100は、マスクと空気送出導管との間に接続されるように構築される。図示するように、ベント機構2100は、互いの上部に積層されるようになされた複数のディスク2195を含む。複数のディスク2195(たとえば、積層体内の全てのディスク、積層体内の1台おきのディスクなど)は、拡散ベント流用の通路を作るベント開口2197(たとえば、湾曲した凹所)を含む。長い積層ディスクは、より多くの拡散ベント流を生成する可能性がある。
【0144】
ある実施形態では、ディスクは、互いに結合して(たとえば、スリンキーに似た配置構成)、一体もの構造を生成してもよい、たとえば、清掃を容易にし、小さな部品を失うリスクを低減してもよい。
【0145】
3.0 音パワー
図3は、上述したベント媒体についての音パワーを示すチャートを提供する。図示するように、10cmHOにおいて、上述したベント媒体についての音パワーは、約6〜57L/分の流量の場合、約22dBA〜約45dBAの範囲にあってよく、20cmHOにおいて、音パワーは、約23〜42L/分の流量の場合、約28dBA〜約35dBAの範囲にあってよい。標準的なベントは、たとえば、図4−1Aに示すベント機構であることができる。
【0146】
ベント媒体は、音要件、選好などに基づいて選択されてもよい。たとえば、ある実施形態では、ベントは約30dBAより静粛であってよい。別の実施形態では、ベントは約25dBAより静粛であってよい。ベント媒体についての音パワーは、各ベント媒体の繊維の荒さ、ベント媒体内の穴のサイズ、および/または、ベント媒体を通る流路に依存してもよい。
【0147】
ある実施形態では、ベント媒体内の繊維は、乱流を回避するために、粗くなくてもよい。たとえば、ePTFE膜は、膜全体を通して傷および変動を有し、したがって、特に、高い流量において、高い雑音レベルを生じる場合がある。
【0148】
ある実施形態では、ベント媒体内の穴のサイズは小さくてもよく、たとえば、ステンレス鋼メッシュは、許容可能なレベルの雑音を放出する小さなベント穴を有してもよい。
【0149】
ある実施形態では、ベント媒体を通る流路は、概して長くかつ真っ直ぐであってよく、たとえば、連続したトンネルを形成する。たとえば、PPメッシュを通る流路は、(繊維の配置構成のために)網目状発泡体または編まれたウィッキング繊維を通る流路より真っ直ぐであり、それにより、発泡体に比べてPPメッシュから放出される雑音が低減される。
【0150】
4.1 バイヨネットベント
図4−1A〜4−7Dは、本発明の別の実施形態によるベント機構を示す。この実施形態では、マスクベントは、マスクの開口または換気エリアに着脱自在に取り付けられるように構築されたベントキャップの形態である。ベントカバーは、使用時にマスクを出る空気流を拡散させるように構築され、配置された複数のベント穴を含む。
【0151】
図4−1A〜4−1Cは、本発明の代替の実施形態によるベントキャップを示す。図4−1Aは、使用時に空気流を患者の顔と別の方に誘導するために、ベース壁上に配置された複数のベント穴2230を含むベントキャップ2200を示す。図4−1Bは、患者の顔ならびにベッドパートナと別の方に誘導される拡散空気流を提供するために、環状側壁上に配置された複数のベント穴2330を含むベントキャップ2300を示す。拡散空気流の角度は、ベントキャップの寸法を変更することによって調節されうる。図4−1Cは、マスクからの空気流を拡散するように構築された媒体2430(たとえば、織物、フィルタ、膜、繊維、メッシュ、あるいは他の多孔性材料または換気手段)を含むベントキャップ2400を示す。
【0152】
各ベントキャップの実施形態において、ベントキャップの周りに分散する任意の適した数の穴が存在してもよい。各穴は、任意の適した形状、たとえば、概して丸い、四角形の、その長さに沿ってテーパが付いたなどの形状を有してもよい。同様に、穴は、サイズおよび/または形状が均一であっても異なってもよい。ある実施形態では、各穴は、たとえば、ツールの制約に基づいて、直径が約0.6〜0.8mm(たとえば、0.7mm)しかなくてもよい。より小さな穴は、空気流がより完全に発達した流れになるように空気流を誘導するため、好ましい場合がある。代替の実施形態では、ベントキャップは、例えば、上述した図2−21−1〜2−21−4に示す機構に類似の「完全な(full)」ベント通路を画定するために、一緒に組み立てられると、マスク(たとえば、エルボ)の換気エリアに整列するようになされた換気エリアを含んでもよい。
【0153】
ある実施形態では、ベントキャップは、ポリプロピレンまたはポリカーボネートなどのポリマから作られうる。しかし、他の適した材料が可能である。同様に、ベントキャップは、比較的耐久性があるように構築され、配置されてもよく、または、ベントキャップは、耐久性が低く、交換可能であり、かつ/または、使い捨て可能であるように構築され、配置されてもよい。
【0154】
ベントキャップ2300は、ここでより詳細に述べられる。図4−2A〜4−2Cおよび4−3A〜4−3Cに示すように、ベントキャップ2300は、ベース壁2335、および、ベース壁2335の水平表面の上にベース壁2335から上方に延びるドーム2340を含む。図示するように、複数のベント穴2330が、ドーム2340の環状側壁上に配置される。
【0155】
ドーム2340は、概してドーム、台形、四角形、または他の所望の形状を有してもよい。好ましくは、ドーム2340は、低いプロファイルを有する、たとえば、ベース壁の水平表面から1〜3mm(たとえば、2mm)隆起する。この機構は、より完全に発達した、かつ/または、層状の流れを維持するために、長く薄い経路内に空気流を誘導するのに役立つ。同様に、「ドーム状(domed)」ベントキャップは、排気流を、マスクから上でかつ出るように誘導する、すなわち、「ドーム状」ベントキャップは、排気流の方向を、第1の到来方向d1から、第1方向d1に対して傾斜した、または、角度が付いた第2の出て行く方向d2に、たとえば、図4−3Bに示すように実質的に直角に変える。さらに、ベント穴は、排気流がベントキャップを出るとき、排気流を異なる方向に分割するように配置されるため、ベントキャップは排気分割器を構成する。図示する実施形態では、ベント穴は、ドーム2340の環状側壁に沿って半径方向に配置されて、排気流を360°に半径方向に分割する。しかし、ベント穴は、ドームの円周、たとえば、360°(たとえば、270°、180°、90°、または、それ以下およびその間のどこか)までの円周の一部分、円周の選択たれた弧、または、円周の複数の部分に沿って他の適した方式で配置されてもよいことが理解されるべきである。ドーム上の代替のベント穴機構は、排気ガスを、一定の方向に、たとえば、患者の顔またはベッドパートナと別の方に誘導するように選択されてもよい。同様に、図4−3Bに示すように、ベント穴は、排気ガスを水平に対してある角度で誘導するように構成されてもよい、たとえば、ベント穴は、排気ガスを、方向d2に、または、d2に対して角度α1、α2(たとえば、α1、α2は約0〜20°)で誘導してもよい。ドーム2340は、任意の適したサイズであるが、ベース壁より広くあるべきではない。ドーム2340の外側表面は、平滑な仕上りを有してもよく、たとえば、ベント穴2330は、ドーム2340の外側表面から隆起しない、または、外側表面内に沈下しない。しかし、代替の実施形態では、穴2330は、ドーム2340の外側表面から隆起してもよく、または、外側表面内に沈下してもよい。
【0156】
図示する実施形態では、ベントキャップはそれぞれ、バイヨネット接続によってマスクに着脱自在に取り付けられるように構築される。マスクのエルボ2390に対するベントキャップ2300の取り付けが、ここでより詳細に説明される。しかし、ベントキャップは、類似の方法でマスクの別の部分、たとえば、マスクフレームに着脱自在に取り付けられてもよいことが理解されるべきである。同様に、ベントキャップは、他の適した方法、たとえば、スナップ係合、超音波溶接(この場合、ベントキャップは着脱自在のコンポーネントではなくなることになる)、締まり嵌め、スライディング係合(sliding fit)、マスク内への永久的な機械加工でマスクに取り付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0157】
図4−2A〜4−2Cおよび4−3A〜4−3Cに示すように、ベントキャップ2300は、外側および内側側壁2352、2354(たとえば、図4−2Bを参照されたい)を含み、外側および内側側壁2352、2354は、ベース壁2335から下方に延び、両者の間にチャネル2356を画定する。2つの正反対の突出部2360は、外側側壁2352から内側に延びる。さらに、ベントキャップ2300は、ユーザが、ベントキャップ2300が以下で述べるロック位置にあるときを視覚的に認識することを可能にする、各突出部2360に隣接する窓を含む。
【0158】
図4−5A〜4−5Bおよび4−7Dに示すように、エルボ2390は、ガス排除用の開口2392を含む。環状リップ2394は開口2392を囲み、1つまたは複数のリブ2396(たとえば、2つの正反対のリブ)は、リップ2394から半径方向外側に延びる。図示する実施液体では、各リブ2396は、第1脚部2396(1)および第2脚部2396(2)を含む概してL形状である。第2脚部2396(2)は、ベントキャップ2300が過剰回転し、その結果、はずれるのを防止するバイヨネット「停止部(stop)」である。第2脚部2396(2)は、また、ベントキャップが「端部(end)」に達し、適切にロックされているというフィードバックをユーザに提供する。
【0159】
図4−6A〜4−6Bおよび4−7A〜4−7Cは、エルボ2390に対するベントキャップ2300の取り付けを示す。図4−6A〜4−6Bは、非ロック位置にあるベントキャップ2300を示し、ベントキャップ2300は、エルボリップ2394上に載る、すなわち、チャネル2356は、エルボリップ2394とリブ2396を収容する。図示するように、ベントキャップ2300の外側側壁2352は、突出部2360がエルボリブ2396から円周方向に離間するようにエルボリップ2394にオーバハングする。
【0160】
図4−7A〜4−7Cに示すようにベントキャップ2300をロック位置に移動させるために、ベントキャップ2300は、エルボ2390に対して回転可能である。図示するように、ベントキャップ2300は、回転して、突出部2360を、リブ2396のそれぞれの第1脚部2396(1)の下に位置決めし、それにより、ベントキャップ2300が、エルボ2390上の所定位置に軸方向にロックされる。リブ2396の第2脚部2396(2)は、エルボ2390に対するベントキャップ2300のさらなる回転を防止する。すなわち、さらなる回転によって、突出部2360が、それぞれの第2脚部2396(2)に係合する。図4−7Bに示すように、ベントキャップ2300の窓2358は、リブ2396の第1脚部2396(1)が、突出部2360に整列し、したがって、ロックするときを、ユーザが視覚的に認識することを可能にする。
【0161】
バイヨネット接続は、使用するのが、比較的単純でかつ直感的な機構を提供する。バイヨネット接続は、また、接続が半径方向であり、たとえば、クリップオンベントカバーのような、ベントキャップを所定位置にロックするための干渉を必要としないため、ベントキャップからの漏れを最小にする。
【0162】
ある実施形態では、ベントキャップは、空気流が、ベントから約500mm未満、たとえば、約200mm未満、約100mm未満、50mm未満、30mm未満の距離の人によって検出可能でないように空気を拡散することになる。
【0163】
ある実施形態では、ベントキャップは、ISO3744に従って試験された、10cmHOにおいて約40dBA未満、たとえば、約30dBA未満、約25dBA未満、約20dBA未満の音パワーを生成することになる。
【0164】
図4−1A〜4−3Bでは、ベントキャップは、概して円形状を有する。しかし、ベントキャップは、バイヨネット接続または他の接続メカニズムを可能にする他の適した形状を有してもよい。たとえば、図4−4Aおよび4−4Bに示すように、ベントキャップ2300は、ベース壁2335から外側へ突出する延長縁部2380を含んでもよい。
【0165】
4.2 超静粛拡散ベント
理想的なベントは、静粛でかつ拡散することになる。雑音は、遅い速度の完全に発達した層流をベントから増大させることによって最小になる可能性がある。拡散流は、大面積にわたって空気流を放出させることによって達成される可能性がある。特徴部の組合せによって、雑音を最小にし、流れを拡散させるように構築されたベント機構が以下に述べられる。
【0166】
さらに、ベントは、飽和条件または加湿条件下で流れを維持することができ、CO再呼吸を最小にし、製造可能であり、清掃可能または使い捨て可能であり、生体適合性のものとなる。
【0167】
ある実施形態では、マスクシステムを出る空気流は、静粛でありかつ拡散するベントを通して誘導されることになる。好ましい形態では、ベントからの雑音は、約30〜40dBA未満、たとえば、35dBA未満になる。ある実施形態では、ベントは、雑音が30dBA、たとえば、約20〜25dBAであるとき、「超静粛(super quiet)」であると考えられてもよい。
【0168】
以下の実施形態は、個々にまたは組合せて、マスクシステム内に組み込まれてもよい特徴を含むことが理解される。
【0169】
4.2.1 バッフル
ある実施形態では、バッフル2500は、図5−1に概略的に示すように、マスク2520とエルボ2540との間に設けられてもよい。バッフル2500は、空気が通常マスク2520から換気される、エルボ2540とマスク2520のフレームまたはクッションとの間に位置決めされてもよい。図示するように、バッフル2500は、マスク2520を出る空気が狭い通路を通って流れることを強制するように設計される。
【0170】
好ましくは、図5−2の図の実線で示すように、バッフルは、(通路が短い狭いバッフルと比較して)空気がより長い通路を通って流れるように広いものとなろう。こうした長い通路は、遅い速度の完全に発達した層流を増大させる。
【0171】
図示する実施形態では、バッフルは概して円形である。しかし、バッフルは、エルボの幾何形状をフレームに、または、エルボの幾何形状をクッション接続部に密接に一致させる任意の適した形状、たとえば、楕円を有してもよい。好ましい実施形態では、バッフルは、マスクシステムの重量を最小にするために比較的薄いものとなろう。同様に、バッフルは完全に閉じた形状を形成しなくてもよく、例えば、バッフルは半球であってよい。この機構は、別の装置(たとえば、抗窒息弁(AAV))の通路またはバッフルの容易な挿入および取り外しを可能にしてもよい。
【0172】
ある実施形態では、図5−3−1および5−3−2に示すように、バッフル2500は、空気が、マスクシステムを出る前に大面積にわたって流れることを強制する起伏または曲線2502を有してもよい。これは、空気流を遅延させ、遅い速度の完全に発達した層流を生成する。
【0173】
一形態では、バッフルは、エルボの一部を形成してもよい。しかし、バッフルは、エルボに対して改造されてもよい別個の部品であってよい。改造される場合、バッフルは、任意の適した手段、たとえば、締まり嵌め、プッシュ係合、または接着剤などによって所定場所に保持されてもよい。バッフルがエルボ内に締まり嵌めされる、または、プッシュ係合される場合、シールを強化するために、リップがバッフルに対して設けられてもよい。
【0174】
別の実施形態では、図5−3−1および5−3−2に示すように、また、図5−4に概略的に示すように、バッフルは、バイヨネット接続によって取り付けられてもよい。図示する実施形態では、バッフル2500は環状側壁2510を含み、1つまたは複数の雄コネクタ2512が環状側壁2510の外側表面に対して設けられる。エルボ2540は環状側壁2542を含み、対応する数の雌コネクタ2544(たとえば、L形状雌コネクタ)が環状側壁2542の内側表面に対して設けられる。使用時、雄コネクタ2512は、それぞれの雌コネクタ2544の第1脚部2544(1)内に収容され、次に、バッフル2500およびエルボ2540が、互いに回転して、雄コネクタ2512が、それぞれの雌コネクタ2544の第2脚部2544(2)内に摺動する。
【0175】
しかし、バイヨネット接続の他の適した機構が設けられてもよいことが理解されるべきである。たとえば、バッフルは、エルボ上に雄コネクタに取り付ける雌コネクタを含んでもよい。同様に、バイヨネット接続は、(図5−3−1、5−3−2、および5−4に示すように)バッフルおよびエルボの環状側壁上に位置決めされてもよく、または、バイヨネット接続は、バッフルおよびエルボの係合表面上に位置決めされてもよい(たとえば、図5−5を参照されたい)。
【0176】
図示する実施形態では、エルボ2540は、環状側壁上に配置された複数のベント穴2545を含み、それにより、エルボ2540およびバッフル2550は、使用時に排除ガスを強制的にユーザの顔にほぼ平行にさせるように構成される。通常、ベントは、マスクシステムからのベント流が、ユーザの顔に直角であり、かつ、ベント流を、ベッドパートナまたはベッドなどの他の干渉物上におそらく噴射するように位置決めされる。噴射は、雑音およびベッドパートナの不快を増加させる。ユーザの顔に平行に進む換気されるガスは、排除ガスを小さい領域に全て集中させるのではなく、大面積にわたって半径方向に排除ガスを「広がらせる(spreading)」ことによって、これらの問題を回避する傾向がある。すなわち、この機構のベント流は、経路内の障害物に出会った場合、集中負荷ではなく分散負荷に似ている。
【0177】
一形態では、エルボおよびバッフルによって生じる空気経路2560は、約0.01〜5mm、たとえば、1mmであろう。
【0178】
別の形態では、バッフル2500は1つの位置に固定されなくもよい。たとえば、バッフル2500は、エルボ2540内で回転できてもよい。
【0179】
別の形態では、一連のバッフルは、空気流を複数の空気経路から強制的に出すのに使用されうる。たとえば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のバッフルが、エルボとマスクとの間に積層され、設置されてもよい。
【0180】
一形態では、バッフルは、約1〜30mm幅(半径方向に)、たとえば、10mm幅(半径方向に)であってよい。
【0181】
ある実施形態では、バッフルは、たとえば、ポリカーボネートなどの硬質プラスチックで構築されてもよい。あるいは、バッフルは、より多くの音を吸収する軟質材料、たとえば、デュロメータ硬さが低いシリコーンから構築されてもよい。しかし、他の適切な材料も可能である。
【0182】
代替の実施形態では、図5−6−1および5−6−2に示すように、複数の空気経路を形成するために巻回される単一バッフルが使用されてもよい。マスク2620とエルボ2640との間において、図5−6−1は、その非巻回または非圧縮位置のコイル型バッフル2600を示し、図5−6−2は、その巻回または圧縮位置のコイル型バッフル2600を示す。図示するように、コイルは協働して、その長さに沿って空気経路を形成する。ある実施形態では、コイルにわたって空気経路を画定するために、各コイル内に1つまたは複数の溝が設けられてもよい。こうした機構は、一体もの構造として一体形成されたベントリングの「積層体(stack)」を提供する。
【0183】
4.2.2 トラックまたはガイド
ある実施形態では、排除ガスが、マスクシステムを出るときに、長く狭い通路内を強制的に流れるように構築されるトラックまたはガイドが、ベント穴に対して設けられてもよい。
【0184】
たとえば、図5−7−1および5−7−2は、複数のベント穴2745、および、エルボ2740の内側表面(すなわち、加圧空気流にさらされるエルボの側)に沿って各ベント穴2745に近接した離間した隆起トラック2747を含むエルボ2740を示す。図示する実施形態では、トラック2747は、概して長方形である。しかし、トラックは、排除ガスを誘導するための他の適した形状、たとえば、楕円形状を有してもよい。ある実施形態では、「トラック(track)」機構は、また、図5−3−1および5−3−2に示す環状バッフルの使用を組み込んでもよい。
【0185】
代替の実施形態では、トラックは、エルボ2740の内側表面内に延びてもよい。こうした実施形態では、トラックは、窪みまたは凹所に似ていることになる。使用時、窪みの付いたトラックは、内部に空気流を引き込み、長く狭い流路を生成することになる。
【0186】
別の形態では、トラックは、長さが均一であってよい。あるいは、長さが変動してもよい。ある実施形態では、トラックは、約2mm、たとえば、4mmより長いことになる。
【0187】
ある実施形態では、各ベント穴2745は、穴の開口につながる1つまたは複数のトラック、たとえば、図5−7−2に示すように、ベント穴当たり2つのトラックを有することになる。各ベント穴について2つ以上のトラックが存在する場合、トラックは、任意の適した量、たとえば、約0.1mmより長い量だけ分離してもよい。
【0188】
ある実施形態では、トラックは、エルボ内に成形されるか、または、その他の方法で形成されてもよい。あるいは、トラックは、別個のコンポーネント内に設けられ(たとえば、別個のコンポーネント内に成形され)、エルボに対して改造されてもよい。
【0189】
別の実施形態では、2つ以上のトラックが、ベント穴の周りで、結合するか、または、その他の方法で協働して、管(または、管の少なくとも一部分)が形成されてもよい。この管は、円形断面か、または、任意の他の所望の断面、たとえば、四角形断面を有してもよい。トラックと類似して、管は、長く狭い通路の下流に空気流を誘導して、遅い速度の完全に発達した層流が形成されることになる。
【0190】
4.2.3 トラックまたはガイドを有するバッフル
ある実施形態では、トラックを有するバッフルが、エルボに対して設けられてもよい。
【0191】
たとえば、図5−8−1は、複数のトラック2802を含むバッフル2800を示す。図示するように、バッフル2800は、リングに似た構造を含み、各トラック2802は、バッフルの内径からバッフルの外径まで延びる。
【0192】
図示する実施形態では、トラック2802のグループは、バッフルの周りに設置される。しかし、トラックは、他の適した方法で、たとえば、バッフルの周りに連続して配置されてもよく、ランダムに配置されてもよい。
【0193】
図示する実施形態では、各トラック2802は、窪みまたは凹所と同様に、バッフルの表面内に延びてもよい。あるいは、各トラックは、バッフルの表面から隆起してもよい。
【0194】
図示する実施形態では、各トラック2802は、バッフルの内径からバッフルの外径まで湾曲してもよい。この機構は、空気が長い距離を進み、速度を失うようにトラックの長さを最大にする。しかし、各トラックは、その長さに沿って他の適した形状、たとえば、直線またはらせん状を有し、バッフルの内径からバッフルの外径まで延びてもよい。
【0195】
図5−8−1および5−8−2に示すように、トラック2802は、バッフル2800の一方の面に対して設けられる。しかし、トラック2802は、バッフル2800の両面に対して設けられてもよい(たとえば、図5−8−3を参照されたい)。
【0196】
図5−8−2および5−8−3は、エルボ2840に対して設けられたバッフル2800を示す。図示するように、エルボ2840は、バッフル2800を収容するようになされたその円周の周りの1つまたは複数の窓2870を含む。特に、バッフル2800は、窓2870を通して延び、窓2870に隣接するエルボ壁部分2872を収容する切欠部2804を含む。同様に、バッフル2800、たとえば、サークリップに似たばねは、バッフル2800が、エルボ2840に対する組立/解体中に少し変形することを可能にするためにオープエンド(たとえば、C形状)である。
【0197】
ある実施形態では、一方の面上にトラックを有するバッフル2800は、他の従来のマスク(たとえば、ResMed社製Mirage Micro)と比較すると、ベントからの雑音を少なくとも10dBAだけ低減する場合がある。人の聴力の観点から、10dBAの雑音低減は、以前に放出された雑音の量の半分に相当する。ベントキャップ(章4.1で上述した)は、他の従来のマスクと比較すると、ベントからの雑音を少なくとも3dBAだけ低減する場合がある。5dBAの雑音低減は、以前に放出された雑音と比較すると、明らかに顕著である。3dBAの雑音低減は、以前に放出された雑音と比較すると、まさに顕著である。したがって、バッフルは、ベントからの雑音低減を最大にし、ベントからの空気流を拡散するという観点から非常に有効である。
【0198】
図5−9−1〜5−9−6は、本発明の別の実施形態によるエルボ3140用のバッフルまたはベントリング3100を示す。図示するように、ベントリング3100は、オープンエンドのC形状主要本体部3101を有し、L形状フィンガータブ3103がオープンエンドに隣接する(図5−9−2を参照されたい)。主要本体部3101は、主要本体部3101の一方の面または両面上に複数の半径方向に弧状のトラックまたは溝3102を含む。溝3102は、ベントリングの内径からベントリングの外径まで延びる
【0199】
図示する実施形態では、各溝は、オープンエンド(たとえば、U形状、V形状、半円形状など)であり、その長さに沿ってベントリングの内径からベントリングの外径までテーパが付く。さらに、各溝は、その長さに沿って半径方向に弧状であるか、または、湾曲してもよい。しかし、各溝は、他の適した配置構成を含んでもよい、たとえば、その長さに沿って同じ幅を含んでもよい、その長さに沿ってジグザグまたは他の曲がりくねった経路を含んでもよい、異なるサイズを含んでもよい、異なる深さを含んでもよい、主要本体部に沿って異なる角度で延びてもよい(たとえば、ベントリングの内径からベントリングの外径までの最長経路)などであることが理解されるべきである。
【0200】
上述したバッフル2800と類似して、ベントリング3100は、(たとえば、cクリップまたはサークリップと同様に)エルボ3140に対して組立/解体するために変形可能である。図5−9−4を見ると最もよくわかるように、エルボ3140は、ベントリング3100をエルボ3140内に収容し、支持するようになされたスロット3142を含む。特に、スロット3142は、ベントリング3100を収容する入口/出口窓3143、ベントリング3100をエルボ内で支持する上側および下側フランジ3144、3145、ベントリング3100にわたるガス排除を可能にする入口/出口窓3143と一緒の窓3146、およびエルボ3140内でベントリング3100を維持し、整列させる支持梁3148を提供する。
【0201】
エルボ3140に対してベントリング3100を組立るために、ユーザの指は、ベントリング3100のフィンガータブ3103によって画定されるギャップ内に設置されて、フィンガータブ3103を互いに把持し、強く押し付けることを容易にし、把持し、強く押し付けることによって、概して丸いベントリングを卵形状に歪むか、または、変形する(図5−9−3を参照されたい)。歪んだベントリング3103は、今や、エルボ3140の入口/出口窓3143の幅より小さいため、ベントリング3103は、入口/出口窓3143を通って摺動し、エルボ3140に入ってもよい(図5−9−4を参照されたい)。フィンガータブ3103が開放されると、ベントリング3100は、ばねで弾性的に所定形状に戻る。ベントリング3100は、締まり嵌めによって所定場所に保持され、そこで、ベントリング3100の幅は、入口/出口窓3143の幅と実質的に同じになる。さらに、ベントリング3100は、エルボ3140の支持梁3148を収容するための切欠部3104を含む(図5−9−1および5−9−5を参照されたい)。
【0202】
エルボ3140からの挿入および取り外しのためベントリング3100に加えられる力のために、ベントリング3100は、実質的に剛性または半剛性材料から作られてもよい。同様に、エルボ3140は、ベントリング3100の対向面上にフランジ3144、3145を設けて、(たとえば、加圧ガス流が)装填されると、ベントリング3100を支持し、それにより、ベントリング3100の撓み、したがって、漏れを防止する(図5−9−6を参照されたい)。
【0203】
使用時、溝付きベントリングは、エルボと組合されて、ベントオリフィスを画定する、すなわち、各ベントオリフィスは、ベントリングの一部(溝)およびエルボの一部(上側フランジおよび/または下側フランジ)によって画定される。そのため、換気ガスは、エルボの外側表面とベントリングとの間の1つまたは複数のトラックまたは溝に沿って逃げる。
【0204】
図5−10−1〜5−10−3は、本発明の別の実施形態によるベントリング3200を示す。この実施形態では、ベントリング3200は、ヒンジまたは移動可能継手3290およびヒンジ3290と正反対にあるロックメカニズム3292を含む。ロックメカニズム3292がロック解除されると、ヒンジ3290は、ベントリング3200が、旋回して開き、エルボ3140内でスロット3142に巻き付けられることを可能にする(図5−10−2を参照されたい)。図示する実施形態では、ロックメカニズム3292は、ピンおよび溝機構を含み、ピン3292(1)および溝3292(2)は、一緒に押し込まれ、連結されて(図5−10−1を参照されたい)、スロットの周りでベントリング3200の腕を閉じる。溝3292(2)は、把持を容易にするために、弧状突出部3294を有するフィンガータブ3293に対して設けられてもよい。同様に、図示するように、ヒンジ3290は、ベントリング3200の薄肉化された(thinned)領域(たとえば、切欠部3204およびスロット3291)によって提供される。ベントリング3200は、ベントリング3200が、エルボ3140に対する組立のために変形して(フープストレスを加えて)ロック解除位置または開放位置になることを可能にするために、ある程度可撓性があるべきである。
【0205】
上記に類似して、ベントリング3200は、ベントリング3200の一方の面または両面上に複数の半径方向に弧状のトラックまたは溝3202を含む。溝3202が両面に設けられるとき、対向する上部面と底部面上で反対方向に延びる溝3202を有することが好ましく、それにより、空気ストリームが反対方向に排気され(図5−10−3を参照されたい)、より拡散した排気が可能になる。
【0206】
図5−11−1および5−11−2は、本発明の別の実施形態によるベントリング3300およびエルボ3340を示す。この実施形態では、ベントリング3300は、軟質でかつ可撓性があり、また、閉じたoリング形状を含み、それにより、ベントリング3300は、エルボ3340の周りに伸張するか、または、巻き付けられうる。フィンガータブ3303がベントリング3300に対して設けられて、エルボ3340に対する組立/解体を容易にする。
【0207】
エルボ3340は、ベントリング3300を収容するために、その外周の周りにスロット3342を含む。スロット3342の底部壁はガス排除用の開口3346を含み、スロット3342の各側壁(各開口3346に隣接する)は、複数のトラックまたは溝3302を含む。そのため、ベントリング3300上には溝が全く設けられず、むしろ、溝3302はエルボ3340上に設けられる。使用時、ベントリング3300は、エルボ3340とのシールを形成するため、空気は、ベントリング3300とエルボ3340上の溝3302との間で排気されうるだけである。同様に、軟質でかつ可撓性があるベントリング3300は、使用時に音を減衰させる場合がある。
【0208】
図5−12−1および5−12−2は、本発明の別の実施形態によるベントリング3400およびエルボ3440を示す。この実施形態は、図5−11−1および5−11−2の実施形態に類似する。対照的に、溝3402はベントリング3400上に設けられ、エルボ3440(たとえば、スロット3442の側壁上の平滑表面)上には溝が全く設けられない。この機構は、製造するのが容易である場合がある。
【0209】
図示するように、ベントリング3400は、ベントリング3400の全外周に沿って複数のトラックまたは溝3402を含む。この機構は、360°のベント流を提供し、より拡散した排気を可能にする場合がある。ある実施形態では、ベントリング3400のあるセクションは、溝を持たなくてもよく、このセクションは、使用時に、空気流が患者の目を刺激しないように、患者の目と位置合わせすることができる。
【0210】
5. 一体形拡散ベントキャップを有する一体ものエルボ
図6−1〜6−7は、本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボ3040を示す。この実施形態では、ベント機構は、エルボ3040との一体ものとして一体成形される拡散ベントキャップ3000の形態である。この機構は、取り外し可能な部品の無い単一ピースエルボを提供するため、たとえば、患者は、清掃のためにエルボを解体する必要がない。代替の実施形態では、ベントキャップは、マスクの他の部分、たとえば、マスクフレーム、関連する導管などとの一体ものに一体成形されてもよい。
【0211】
図示するように、エルボ3040は、マスクフレーム内の開口に着脱自在に係合する第1端部3040(1)およびスイベルに着脱自在に係合する第2端部3040(2)を含む。図示する実施形態では、第1端部3040(1)は、スナップ係合によってマスクフレームに係合するようになされた対向するリブ3046を含む。第1端部3040(1)は、また、マスクフレームにインタフェースするようになされた長いシール表面3041を有してもよく、それにより、こうした長いシール表面は、よりよいシールを増大させ、それにより、エルボとマスクフレームとの間の漏れが低減される。同様に、シール表面3041は、2つの移動部分の摩擦によって生じる雑音(たとえば、きしる音)を防止するために、艶消しされる、または、木目を出されてもよい。第1端部3040(1)は、また、段差付き機構を有してもよく、それにより、シール表面3041は、段差付き表面3042より広い。これは、マスクフレームからのエルボの容易な解体を可能にする場合がある。さらに、スカラップまたは切欠部3043が、段差付き表面3402に対して設けられて、段差付き表面3042が、内側に撓むことを可能にし、それにより、マスクフレームからのエルボの解体が可能になる。第2端部3040(2)は、スナップ係合によってスイベルに係合するようになされた複数の弾性があり可撓性がある腕3047を含む。しかし、第1および第2端部3040(1)、3040(2)は、フレーム/スイベルに係合する他の適した構造を含んでもよい。
【0212】
エルボ3040の主要本体部は、主要本体部との一体ものに一体成形されたベントキャップ3000を含む。上述したベントキャップ2300と類似して、ベントキャップ3000は、患者の顔ならびにベッドパートナと別の方に誘導される拡散空気流を供給するために、ベース壁3035、ベース壁3035から上方に延びるドーム3040、および、ドーム3040の環状側壁上に配置された複数のベント穴3030を含んでもよい。拡散空気流の角度は、ベントキャップの寸法を変えることによって調節されうる。拡散空気流は、噴射を回避するために大面積にわたる換気を可能にし、同様に、雑音を低減してもよい。
【0213】
図6−2および6−4に示すように、エルボ3040は、エルボ3040が、それに隣接してマスクフレームに取り付けられるバッフル3052を含む。バッフル3052は、たとえば、COの排除を増大させるために、概してU形状を有し、エルボの上側腕を空気送出通路と排気通路に分割するように配置される。図示する実施形態では、バッフル3052は、エルボ3040と一体成形される。しかし、代替の実施形態では、バッフルは、エルボに対して改造されてもよい。第1端部3040(1)の内側表面からバッフル3052のいずれかの面上にギャップ3053が設けられて、段差付き表面3042が、マスクフレームに対して組み立てられ、また、解体されるときに、自由に撓むことが可能になる。
【0214】
6. プラグ型ベント
図7−1〜7−3は、本発明の別の実施形態によるプラグ型ベント3500およびフレーム3540を示す。この実施形態では、プラグ3500は、軟質でかつ可撓性があり、また、フレーム3540内の対応するI形状スロット3542内への挿入用の比較的長くかつ狭い形状(たとえば、I形状)を含む。
【0215】
図示するように、プラグ3500は、ベース3501およびベース3501から延びる上部リップ3503を含む。複数のトラックまたは溝3502が、ベース3501の外側表面およびリップ3503の下側表面に沿って設けられる。スロット3542の底部壁は、ガス排除用の細長い開口3546を含む。使用時、溝付きプラグ3500は、スロット3542とシールを形成するため、空気は、スロット壁とプラグ3500上の溝3502との間で排気されうるだけである。同様に、軟質でかつ可撓性があるプラグ3500は、フレーム3540に対する取り付けを容易にし、使用時に音を減衰させてもよい。
【0216】
図示する実施形態では、溝3502は、プラグの全外周に沿って延び(たとえば、360°ベント流)、ベント流が患者の目に誘導されることが可能になる場合がある。代替の実施形態では、溝は、水平ではなく垂直にプラグを出て、空気流を患者の目と別の方に誘導してもよい。
【0217】
図8−1〜8−3は、本発明の別の実施形態によるプラグ型ベント3600およびフレーム3640を示す。この実施形態では、プラグ3600および対応するスロット3642は、概してv形状構成を有する。
【0218】
図示するように、プラグ3600は、一対の腕3608および腕3608に接続する接続部分3609を含む。複数のトラックまたは溝3602は、各腕3608に対して設けられ、各腕の底部表面および外側面に沿って延びる。スロット3642の各腕は、ガス排除用の細長い開口3646を含む。
【0219】
使用時、溝3602は、ベント流をフレームの側面に沿って誘導し、患者の目への排気を回避する。代替の実施形態では、溝は、各腕3608の内面に沿って延びるため、排気は、内面から流れ出て、空気経路の衝突を生じることになる。
【0220】
図9−1〜9−4は、本発明の別の実施形態によるプラグ型ベント3700およびフレーム3740を示す。この実施形態では、プラグ3700および対応するスロット3742は、概してu形状構成を有する。
【0221】
図9−2および9−3を見ると最もよくわかるように、プラグ3700は、一対の腕3708および腕3708に接続する湾曲(bight)部分3709を含む。各腕3708は、腕の一方の面または両面上に複数のトラックまたは溝3702およびフレーム3740に係合する接続部分3711を含む。さらに、各腕3708は、接続部分3711から延び、かつ、フレーム3740内に設けられる各ポート3745に係合するようになされたポートキャップ3715を含む。
【0222】
フレーム3740は、プラグ3700を収容するためのスロット3742を含む。スロット3742の底部壁は、ガス排除用の1つまたは複数の開口3746を含む(図9−4を参照されたい)。使用時、溝付きプラグ3700は、スロット3742とシールを形成するため、空気は、スロット壁とプラグ3700上の溝3702との間で排気されうる。
【0223】
図9−4に示すように、スロット壁は、空気ストリームをスロット3742から外へ誘導する角度α(たとえば、5〜45°の範囲、たとえば、10°)を画定する。好ましくは、角度αは、空気ストリームが患者の胸に誘導されるように、比較的大きくない。
【0224】
支持梁3744は、スロット3742の中心に設けられて、上側スロット壁と下側スロット壁との間の間隔が維持される。たとえば、プラグをスロット内に整列させ、締まり嵌めを強化するために、溝3717は、プラグ3700の湾曲部分3709内に設けられて、支持梁3744の少なくとも一部分を収容する。しかし、複数の支持梁が設けられてもよいことが理解されるべきである。こうした実施形態では、十分な排気ガスが、プラグ3700上の溝3702に入って、適切なCO排除を可能にするように、支持梁は、互いに十分に離間すべきである。ある実施形態では、CO排除に関して役立つバッフルが、フレーム内部に設けられてもよい。
【0225】
図示する実施形態では、各腕の接続部分3711は、その対向面上にロックバンプ3713(1)、3713(2)を含み、ロックバンプの一方は、スロット3742に沿ってフレーム3740に対して設けられる保持スロット3747(図9−1および9−2を参照されたい)に連結するようになされた(すなわち、締まり嵌め)。ロックバンプの他方を収容するためのクリアランス3749が、保持スロット3747に対向するスロット3742に対して設けられる。プラグが対称であるため、この機構は、プラグ3700がいずれの方向にも組み立てられることを可能にする。しかし、組立を容易にするために、アライメントマーク(たとえば、アライメントドット、矢印)が、プラグおよび/またはフレームに組み込まれてもよい。
【0226】
図示するように、プラグ3700は、フレーム3740に対して設けられる入口開口3751の周りでかつその下に巻き付くようになされた。しかし、プラグは、フレーム上の他の適したロケーションに位置決めされてもよい。
【0227】
図示する実施形態では、ポートキャップ3715は、マスク部品の数を減らすために、プラグ3700に組み込まれる。任意の適した数のポートキャップが、プラグに対して設けられてもよいことが理解されるべきである。各、ポートキャップ3715をプラグ3700に接続する接続腕またはヒンジ3716は、任意の適した長さまたは厚さを有してもよく(たとえば、腕は、より広く、より厚く、かつ/または、より長くなることができる)、長さまたは厚さは、材料特性および/または所望の組立力/解体力に依存する可能性がある。同様に、各ポート3745からポートキャップ3715を取り外すとき、プラグ全体の取り外しが所望されない限り、プラグ3700は、スロット3742内の所定位置に維持されてもよい。
【0228】
ある実施形態では、プラグ3700は、軟質でかつ可撓性がある材料(たとえば、シリコーン、TPE、ゴム)から構築されて、フレームに対する取り付けを容易にし、使用時に雑音を減衰させる。ある実施形態では、プラグ材料は、水分保持にほとんど関係がなく、また、クリープし易くない。同様に、プラグは、不透明なエラストマから作られてもよく、かつ/または、比較的大きな部品であり、それにより、プラグは、患者が見失うには難しい。
【0229】
その実施形態では、プラグ3700は、2つのショット成形によって作られてもよい。すなわち、第1ショットは、骨格を形成するためにより剛性がある材料から作られてもよく、その後、第2ショットは、軟質材料から作られてもよい。こうした構成の利点は、プラグの構造的完全性、より容易でかつより正確な組立/解体、および/または、雑音を減衰させる軟質外側表面を含む。こうした実施形態では、ポリプロピレン材料が使用されてもよい。
【0230】
上述した各実施形態では、ベントコンポーネントは、マスクの任意の部分、たとえば、エルボの一部分またはフレームの一部分に対して設けられてもよいことが理解されるべきである。同様に、各実施形態では、個々のベントコンポーネントは、マスクから完全に取り外されなくてもよい。たとえば、一方、ベントコンポーネントのある部分が、フレーム/エルボに永久的に取り付けられたままで、ベントコンポーネントは、清掃のために部分的に取り外されてもよい。この機構は、不正確な組立および部品の紛失の可能性を減らす場合がある。
【0231】
同様に、ある実施形態では、ベントコンポーネントは、マスクの一部分(たとえば、エルボまたはフレーム)内の既存のベント開口に対して改造されてもよい。たとえば、ベントコンポーネント(たとえば、図7−1〜7−3および8−1〜8−3のプラグ型ベント)は、既存のマスクのベント開口に挿入される適切な大きさに作られてもよい。別の実施例では、ベントコンポーネントは、その外周の周りに溝を含んでもよく、溝は、マスク内のベント開口の相応した大きさに作られたリムに対してベントコンポーネントを配置するようになされた。
【0232】
別の実施形態では、マスクは、異なる換気特性(たとえば、溝の数、溝の配置、溝の形状、溝のサイズなど)を有する一連の交換可能なベントコンポーネント(たとえば、一連のベントリングまたはベントプラグ)を備えてもよい。この機構は、たとえば、処置要件、最適ガス排除、換気方向、音要件などに基づいて患者用のよりカスタマイズされたマスクシステムを提供するために、ベントコンポーネントが、一連のものから選択されることを可能にする。
【0233】
本発明は、現在のところ、最も実用的でかつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して述べられたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるのではなく、逆に、本発明の精神および範囲内に含まれる種々の修正物および等価機構を包含することを意図されることが理解される。同様に、上述した種々の実施形態は、他の実施形態と共に実施されてもよい。たとえば、1つの実施形態の態様は、別の実施形態の態様と組み合わされて、他の実施形態が実現されてもよい。さらに、任意所与の組立体のそれぞれの独立した特徴またはコンポーネントは、さらなる実施形態を構成してもよい。さらに、任意所与の組立体のそれぞれの個々のコンポーネント、任意所与の組立体の個々のコンポーネントの1つまたは複数の部分、および、1つまたは複数の実施形態からのコンポーネントの種々の組合せは、1つまたは複数の装飾的設計特徴を含んでもよい。さらに、本発明は、OSAを病む患者に対して特定の用途があるが、他の病気(たとえば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満手術)を病む患者が、上記教示から利益を引き出しうることが理解される。さらに、上記教示は、患者および非医療用途に一致する非患者に関して適用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1−1】当技術分野で知られている単一の大きな出口についてのベント流を示す略図である。
【図1−2】本発明の実施形態による分岐出口を有する拡散ベントについてのベント流を示す略図である。
【図2−1】本発明の実施形態による半遠隔換気を含むマスクの略図である。
【図2−2−1】本発明の実施形態による入口導管に沿う換気を含むマスクの斜視図である。
【図2−2−2】本発明の実施形態による入口導管に沿う換気を含むマスクの斜視図である。
【図2−3−1】本発明の実施形態による患者の頭の上部に換気を含むマスクの斜視図である。
【図2−3−2】本発明の実施形態による患者の頭の上部に換気を含むマスクの斜視図である。
【図2−4】本発明の実施形態による完全換気式フレームの斜視図である。
【図2−5】本発明の実施形態によるベント出口に隣接して突出部を含むマスクの略図である。
【図2−6】本発明の実施形態による砂時計形状のベントオリフィスの略図である。
【図2−7−1】ResMed社製Mirageマスクのベント入口を通る流れを示す略図である。
【図2−7−2】本発明の実施形態によるベント入口の前面の障害物を示す略図である。
【図2−8】本発明の実施形態によるベントオリフィスを含むステンレス鋼メッシュの平面図である。
【図2−9−1】本発明の実施形態によるドームにわたって分散するオリフィスの略図である。
【図2−9−2】本発明の実施形態によるドームにわたって分散するオリフィスの略図である。
【図2−10−1】本発明の実施形態による異なるレベルの速度シュラウドを画定するオリフィスの略図である。
【図2−10−2】本発明の実施形態による異なるレベルの速度シュラウドを画定するオリフィスの略図である。
【図2−11】本発明の実施形態によるスロットオリフィスベントの略図である。
【図2−12】清掃性と静粛性を平衡させるためのオリフィスについての直径範囲を示す概略グラフである。
【図2−13−1】本発明の実施形態による折り重ね可能なベントインサートの略図である。
【図2−13−2】本発明の実施形態による折り重ね可能なベントインサートの略図である。
【図2−13−3】本発明の実施形態による折り重ね可能なベントインサートの略図である。
【図2−14−1】本発明の実施形態による積層可能なベントインサートの図である。
【図2−14−2】本発明の実施形態による積層可能なベントインサートの図である。
【図2−14−3】本発明の実施形態による積層可能なベントインサートの図である。
【図2−15−1】本発明の実施形態による単一層の媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−15−2】本発明の実施形態による単一層の媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−15−3】本発明の実施形態による単一層の媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−16−1】本発明の実施形態による2層の媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−16−2】本発明の実施形態による2層の媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−16−3】本発明の実施形態による2層の媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−17−1】本発明の実施形態によるひだ状媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−17−2】本発明の実施形態によるひだ状媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−17−3】本発明の実施形態によるひだ状媒体を含むベントインサートの図である。
【図2−18−1】本発明の実施形態による一般的なコンポーネントとしてのベントインサートの図である。
【図2−18−2】本発明の実施形態による一般的なコンポーネントとしてのベントインサートの図である。
【図2−18−3】本発明の実施形態による一般的なコンポーネントとしてのベントインサートの図である。
【図2−19】中心の速い速度のストリームと外側の遅い速度のストリームを含むベントの略図である。
【図2−20】図2−19の理論の適用を実証する空気圧縮器用の2相流マウスピースの略図である。
【図2−21−1】本発明の実施形態によるエルボ組立体の図である。
【図2−21−2】本発明の実施形態によるエルボ組立体の図である。
【図2−21−3】本発明の実施形態によるエルボ組立体の図である。
【図2−21−4】本発明の実施形態によるエルボ組立体の図である。
【図2−22−1】本発明の別の実施形態によるベントを有する複数の突出部を含むベント機構を示す図である。
【図2−22−2】図2−22−1に示すベント機構の断面図である。
【図2−22−3】本発明の別の実施形態によるベントを有する複数の突出部を含むベント機構を示す図である。
【図2−22−4】図2−22−3に示すベント機構の断面図である。
【図2−22−5】図2−22−3および図2−22−4の突出部を成形するモールドの略図である。
【図2−23】本発明の別の実施形態によるベントを有する凹所を含むベント機構の断面図である。
【図2−24】本発明の別の実施形態によるベントを有する複数のドーム形状突出部を含むベント機構を示す図である。
【図2−25】本発明の別の実施形態によるベントを有する複数の細長い3次元台形形状突出部を含むベント機構を示す図である。
【図2−26】本発明の別の実施形態によるディスクに似たベント機構を示す図である。
【図3】本発明の実施形態によるベント媒体についての音パワーを示すチャートである。
【図4−1A】本発明の実施形態によるベントキャップの平面図である。
【図4−1B】本発明の別の実施形態によるベントキャップの平面図である。
【図4−1C】本発明の別の実施形態によるベントキャップの平面図である。
【図4−2A】図4−1Bに示すベントキャップの略平面図である。
【図4−2B】図4−1Bに示すベントキャップの略底面図である。
【図4−2C】図4−1Bに示すベントキャップの略側面図である。
【図4−3A】図4−1Bに示すベントキャップの平面図である。
【図4−3B】図4−1Bに示すベントキャップの側面図である。
【図4−3C】図4−1Bに示すベントキャップの斜視図である。
【図4−4A】本発明の別の実施形態によるベントキャップの斜視図である。
【図4−4B】本発明の別の実施形態によるベントキャップの斜視図である。
【図4−5A】本発明の実施形態によるエルボの平面図である。
【図4−5B】本発明の実施形態によるエルボの側面図である。
【図4−6A】本発明の実施形態によるエルボに対するベントキャップのロック解除位置を示す略平面図である。
【図4−6B】本発明の実施形態によるエルボに対するベントキャップのロック解除位置を示す略側面図である。
【図4−7A】本発明の実施形態によるエルボに対するベントキャップのロック位置を示す略平面図である。
【図4−7B】本発明の実施形態によるエルボに対するベントキャップのロック位置を示す略側面図である。
【図4−7C】本発明の実施形態によるエルボ上のベントキャップを示す斜視図である。
【図4−7D】本発明の実施形態によるベントキャップとエルボを示す斜視図である。
【図5−1】本発明の実施形態によるマスクとエルボとの間に設けられるバッフルの略側面図である。
【図5−2】本発明の実施形態によるバッフルの略平面図である。
【図5−3−1】本発明の実施形態によるバッフルとエルボを示す分解図である。
【図5−3−2】組み立てられた構成における、図5−3−1に示すバッフルとエルボの断面図である。
【図5−4】本発明の実施形態によるバイヨネット接続の略図である。
【図5−5】本発明の別の実施形態によるバイヨネット接続の略図である。
【図5−6−1】本発明の別の実施形態によるコイル型バッフルの略図であり、コイル型バッフルは非巻回位置にある。
【図5−6−2】図5−6−1に示すコイル型バッフルの略側面図であり、コイル型バッフルは巻回位置にある。
【図5−7−1】本発明の実施形態によるエルボの平面斜視図である。
【図5−7−2】本発明の実施形態によるエルボの底面斜視図である。
【図5−8−1】本発明の実施形態によるバッフルの斜視図である。
【図5−8−2】本発明の実施形態によるバッフルとエルボを示す分解図である。
【図5−8−3】本発明の実施形態によるバッフルとエルボの断面図である。
【図5−9−1】本発明の別の実施形態によるベントリングとエルボの斜視図である。
【図5−9−2】図5−9−1のベントリングの平面図である。
【図5−9−3】変形した位置にある、図5−9−1のベントリングの平面図である。
【図5−9−4】図5−9−1のベントリングとエルボの組立体を示す斜視図である。
【図5−9−5】図5−9−1の組み立てられたベントリングとエルボの断面図である。
【図5−9−6】図5−9−1のベントリングとエルボの側面図である。
【図5−10−1】本発明の別の実施形態によるベントリングの斜視図である。
【図5−10−2】エルボに対する、図5−10−1のベントリングの組立を示す斜視図である。
【図5−10−3】図5−10−1のベントリングの拡大平面図である。
【図5−11−1】本発明の別の実施形態によるベントリングとエルボの組立体を示す斜視図である。
【図5−11−2】図5−11−1のベントリングとエルボの組立体を示す斜視図である。
【図5−12−1】本発明の別の実施形態によるベントリングとエルボの斜視図である。
【図5−12−2】図5−12−1のベントリングとエルボの組立体を示す斜視図である。
【図6−1】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図6−2】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図6−3】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図6−4】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図6−5】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図6−6】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図6−7】本発明の別の実施形態によるベント機構を含むエルボの図である。
【図7−1】本発明の別の実施形態によるプラグ型ベントとフレームの後方斜視図である。
【図7−2】図7−1のプラグ型ベントとフレームの平面斜視図である。
【図7−3】図7−1のプラグ型ベントの斜視図である。
【図8−1】本発明の別の実施形態によるプラグ型ベントとフレームの後方斜視図である。
【図8−2】図8−1のプラグ型ベントとフレームの平面斜視図である。
【図8−3】図8−1のプラグ型ベントの斜視図である。
【図9−1】本発明の別の実施形態によるプラグ型ベントとフレームの斜視図である。
【図9−2】図9−1のプラグ型ベントとフレームの分解図である。
【図9−3】図9−1のプラグ型ベントの斜視図である。
【図9−4】図9−1のフレームの側面図である。
【符号の説明】
【0235】
10 分岐出口
14 コアストリーム
16 混合エリア
20 マスク
22 空気送出管
25 外部管またはシュラウド
26 ベント通路
26(1) 入口
26(2) 出口
220 マスク
228、428、528、628、728、828、928、1028、1828 ベントオリフィス
230 インタフェース構造
232 入口導管
235 多岐管
324、624 マスクフレーム
440 円錐形状突出部
528(1) 入口部分
528(2) 出口部分
620 マスク
622 入口管
627、1160、1260、1360、1460、1560 インサート
638 障害物
742 ステンレス鋼メッシュ
743 ワイヤ
928(1) 内部オリフィス
928(2) 中央オリフィス
928(3) 外部オリフィス
1050 キャップ
1026 ベント通路
1051 弧状部分
1162(1) 第1穿孔セクション
1162(2) 第2穿孔セクション
1162(3) 第3穿孔セクション
1163(1)、1163(2)、1163(3) スロット
1165 タブ
1270(1)、1270(2)、1270(3)、1270(4) グリルコンポーネント
1265、1365、1465、1565 ベース
1266、1366 フランジまたは肩部
1268、1272、1368、1468、1568 グリル
1274、1367、1567 環状リム
1276 突出部
1278、1375(1) 凹所
1375 スナップ係合タブ
1380、1480(1)、1480(2)、1490(1)、1490(2)、1580 媒体
1385、1485、1585、1850 カバー
1385 環状側壁
1386(1) フランジ
1387、1487、1587 クロスバー
1466、1566 肩部
1475、1575 係合フランジ
1482 スロット
1482 バンド
1467(1) 下側リム
1467(2) 上側リム
1469 環状突出部
1486、1586 リング部分
1624、1629 マスクフレーム
1627 マスクエルボ
1792 中心導管
1794 外側環状導管
1845 エルボ組立体
1846 エルボ
1846(1) 第1端部
1846(2) 第2端部
1848 ラグ
1849 タブ
1851 保持部材
1852 バッフル
1854 ベントクラスタ
1856 テーパが付くオリフィス
1858 弧形状オリフィス
2000、2100 ベント機構
2002 突出部
2004 換気エリア
2005、2335 ベース壁
2006、2007、2008、2197 ベント開口
UM、LM モールド
2195 ディスク
2200、2300、2400 ベントキャップ
2230、2330 ベント穴
2340 ドーム
2430 媒体
2352、2354 側壁
2356 チャネル
2358 窓
2360 突出部
2380 延長縁部
2390、2540、2640、2740、2840 エルボ
2392 開口
2394 リップ
2396 リブ
2396(1) 第1脚部
2396(2) 第2脚部
2500、2550、2800 バッフル
2500 起伏または曲線
2510 環状側壁
2512 雄コネクタ
2520、2620 マスク
2544 雌コネクタ
2544(1) 第1脚部
2544(2) 第2脚部
2545、2745 ベント穴
2600 コイル型バッフル
2747、2802 ラック
2870 窓
3000 ベントキャップ
3030 ベント穴
3035 ベース壁
3040 ドーム
3040、3140、3340、3440 エルボ
3040(1) 第1端部
3040(2) 第2端部
3041 シール表面
3042 段差付き表面
3052 バッフル
3053 ギャップ
3100、3200、3300、3400 ベントリング
3100 C形状主要本体部
3102、3202 トラックまたは溝
3100 フィンガータブ
3104、3204、3043 切欠部
3142、3291、3342、3442 スロット
3144、3145 フランジ
3143、3146 窓
3148 支持梁
3290 ヒンジ
3292 ロックメカニズム
3239(1) ピン
3292(2)、3402 溝
3293、3303 フィンガータブ
3294 弧状突出部
3346 開口
3500、3600、3700 プラグ型ベント
3500 ベース
3502、3602、3702、3717 溝
3503 上部リップ
3540、3640、3740 フレーム
3542、3642、3742 スロット
3546、3746 開口
3608、3708 腕
3609、3711 接続部分
3709 湾曲部分
3713(1)、3713(2) ロックバンプ
3715 ポートキャップ
3716 ヒンジ
3745 ポート
3744 支持梁
3747 保持スロット
3749 クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク用のベントインサートであって、
1つまたは複数のクロスバーを含むベースと、
前記ベースに対して設けられる1つまたは複数のグリルコンポーネントと、を備え、
それぞれのグリルコンポーネントがグリルを含み、
前記1つまたは複数のグリルコンポーネントが、前記ベースの上部に積層可能であり、かつ、前記ベースの前記1つまたは複数のクロスバーに対する前記1つまたは複数のグリルコンポーネントの前記1つまたは複数のグリルの角度を調整し、それにより、インサートを通して細かい多孔性のベントオリフィスを選択的に画定するように、前記ベースに対して選択的に回転可能であるベントインサート。
【請求項2】
前記1つまたは複数のグリルコンポーネントは、4つのグリルコンポーネントを含む請求項1に記載のベントインサート。
【請求項3】
前記1つまたは複数のグリルコンポーネントは、前記ベースの上部に積層可能であり、かつ、前記ベースに対して、かつ互いに回転可能な2つ以上のグリルコンポーネントを含む請求項1に記載のベントインサート。
【請求項4】
前記ベースおよび1つまたは複数のグリルコンポーネントは、互いに連結可能である請求項1に記載のベントインサート。
【請求項5】
マスク用のベントインサートであって、
前記マスク内の出口開口内で支持されるようになされた、1つまたは複数のベースクロスバーを含むベースと、
前記ベースに対して設けられる1つまたは複数の媒体と、
前記ベース内で前記少なくとも1つの媒体を保持するために、前記ベースに対して設けられるクロスバーを含むカバーと、
を備えるベントインサート。
【請求項6】
前記少なくとも1つの媒体は、フィルタ、膜、繊維、メッシュ、および/または多孔性材料を含む請求項5に記載のベントインサート。
【請求項7】
前記カバーは、スナップ係合によって前記ベースに取り付けられる請求項5に記載のベントインサート。
【請求項8】
前記ベースは、第1媒体を支持する第1リムおよび第2媒体を支持する第2リムを含む請求項5に記載のベントインサート。
【請求項9】
前記媒体は、ひだをつけられる請求項5に記載のベントインサート。
【請求項10】
マスクであって、
フレームと、
前記フレームに対して設けられるインタフェースと、
請求項1に記載されるベントインサートと、
を備えるマスク。
【請求項11】
前記インタフェースはクッションである請求項10に記載のマスク。
【請求項12】
前記インタフェースは、鼻プロング機構である請求項10に記載のマスク。
【請求項13】
前記ベントインサートは、前記フレームに対して設けられる請求項10に記載のマスク。
【請求項14】
前記フレームに対して設けられるエルボをさらに備え、
前記ベントインサートは、前記エルボに対して設けられる請求項10に記載のマスク。
【請求項15】
複数のベントオリフィスを有する換気エリアを含むマスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられるカバーと、を備え、
前記カバーが、複数のベントクラスタを有する換気エリアを含み、
それぞれのベントクラスタが、オリフィスを画定する管状スピゴット、および、前記スピゴットの周りの円に沿って規則正しい間隔でかつ互いに分離した複数の弧形状オリフィスを含み、
前記カバーのそれぞれのベントクラスタが前記マスクコンポーネントの各ベントオリフィスに整列するように、前記カバーが、前記マスクコンポーネントに取り付け可能であるマスク。
【請求項16】
それぞれのベントクラスタの前記スピゴットは、前記マスクコンポーネントの各ベントオリフィス内に部分的に延びる請求項15に記載のマスク。
【請求項17】
前記マスクコンポーネントおよびカバーの前記換気エリアは、高速内側ストリームと低速外側ストリームによってベント流を画定する請求項15に記載のマスク。
【請求項18】
前記スピゴットの前記オリフィスを通過するベント流は、前記スピゴットの周りの前記弧形状オリフィスを通過するベント流より速い請求項15に記載のマスク。
【請求項19】
前記マスクコンポーネントは、エルボである請求項15に記載のマスク。
【請求項20】
複数のベントオリフィスを含むマスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられ、複数のベントクラスタを含むカバーと、を備え、
前記カバーのそれぞれのベントクラスタが、前記マスクコンポーネントの各ベントオリフィスに整列するマスク。
【請求項21】
それぞれのベントクラスタは、前記マスクコンポーネントの各ベントオリフィス内に部分的に延びる管状スピゴットを含む請求項20に記載のマスク。
【請求項22】
前記マスクコンポーネントはエルボである請求項20に記載のマスク。
【請求項23】
複数のベントオリフィスを含むマスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられ、複数のベントオリフィスを含むカバーと、を備え、
前記マスクコンポーネントのそれぞれのオリフィスが、前記カバーの複数のオリフィスに相当するマスク。
【請求項24】
前記マスクコンポーネントのそれぞれのオリフィスは、前記カバーの2つ以上のオリフィスに相当する請求項23に記載のマスク。
【請求項25】
前記マスクコンポーネントのそれぞれのオリフィスは、前記カバーの5つのオリフィスに相当する請求項23に記載のマスク。
【請求項26】
前記マスクコンポーネントは、エルボである請求項23に記載のマスク。
【請求項27】
マスク内部を有するマスクと、
前記マスクに対して設けられる空気送出管と、
前記空気送出管の長さの一部分を覆うシュラウドと、を備え、
前記シュラウドおよび空気送出管が、両者の間にベント通路を画定し、
前記ベント通路は、環状断面を有し、前記マスク内部に連通する入口および大気に対して開放した出口を含むマスク組立体。
【請求項28】
前記シュラウドは、1つまたは複数のベントオリフィスを含む請求項27に記載のマスク組立体。
【請求項29】
インタフェースする構造と、
患者の頭の上部に位置決めされ、呼吸可能ガスの供給物に接続するようになされた多岐管と、
患者の顔のそれぞれの側面に沿って延びる2つの入口導管と、を備え、
前記2つの入口導管は、前記多岐管に接続され、前記呼吸可能ガスの供給物を前記インタフェースする構造に送出するようになされ、
それぞれの入口導管および/または前記多岐管は、ガス排除用の1つまたは複数のベントオリフィスを含むマスク組立体。
【請求項30】
前記1つまたは複数のベントオリフィスは、前記インタフェースする構造に隣接する領域内でそれぞれの入口導管に対して設けられる請求項29に記載のマスク組立体。
【請求項31】
前記1つまたは複数のベントオリフィスは、それぞれの入口導管の長さに沿って分散される請求項29に記載のマスク組立体。
【請求項32】
前記1つまたは複数のベントオリフィスは、前記多岐管に隣接する領域内でそれぞれの入口導管に対して設けられる請求項29に記載のマスク組立体。
【請求項33】
前記1つまたは複数のベントオリフィスは、前記多岐管内に設けられる請求項29に記載のマスク組立体。
【請求項34】
主要本体部と、
前記主要本体部の大部分にわたって分散される複数のベントオリフィスと、を備えるマスクフレーム。
【請求項35】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
それぞれのベントオリフィスがベント出口を含む、前記マスクコンポーネントに対して設けられる少なくとも1つのベントオリフィスと、
それぞれのベント出口に隣接する前記マスクコンポーネントに対して設けられる突出部と、
を備えるベント機構。
【請求項36】
前記突出部は、前記ベント出口の外への換気ガスによって設けられる粘性剪断領域を埋めるように構築される請求項35に記載のベント機構。
【請求項37】
前記突出部は、角錐、円錐、またはドーム形状である請求項35に記載のベント機構。
【請求項38】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられる少なくとも1つのベントオリフィスと、を備え、
それぞれのベントオリフィスが、前記オリフィスの全長に沿って大きな断面から小さな断面にかけて前記オリフィスにテーパがつく収斂構成を有する入口部分、および、前記オリフィスの全長に沿って小さな断面から大きな断面にかけて前記オリフィスにテーパがつく発散構成を有する出口部分を含む砂時計形状を有し、
前記入口部分が、前記出口部分と連続であり、
前記入口部分と前記出口部分とが、実質的に同様の長さを含むベント機構。
【請求項39】
前記入口部分は、球形にされる、または、ある半径を含む請求項38に記載のベント機構。
【請求項40】
マスク内部を含むマスクフレームと、
前記フレームに対して設けられる少なくとも1つのベントオリフィスと、
前記マスク内部内に設けられ、前記少なくとも1つのベントオリフィスの前面に位置決めされる障害物と、
を備えるマスク。
【請求項41】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられ、複数のベントオリフィスを生み出すように編まれたメッシュ構造と、
を備えるベント機構。
【請求項42】
前記メッシュ構造は、互いに編まれた、ステンレス鋼メッシュまたはステンレス鋼ワイヤを含む請求項41に記載のベント機構。
【請求項43】
前記メッシュは、疎水性材料でコーティングされる請求項42に記載のベント機構。
【請求項44】
前記メッシュ構造は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、または3次元スペーサ繊維で構成される織物を含む請求項41に記載のベント機構。
【請求項45】
マスク用のベント機構であって、
ドーム形状部分を含むマスクコンポーネントと、
前記ドーム形状部分に対して設けられる複数のベントオリフィスと、を備え、
前記オリフィスが、中心オリフィス、および、前記中心オリフィスの周りの円内に配置された複数のオリフィスを含むベント機構。
【請求項46】
前記円は、4つ以上のオリフィスを含む請求項45に記載のベント機構。
【請求項47】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられる複数のベントオリフィスと、を備え、
隣接するベントオリフィスが、異なる直径を有するベント機構。
【請求項48】
前記オリフィスは、円エリア内に配置される請求項47に記載のベント機構。
【請求項49】
前記オリフィスは、第1直径を有する中心オリフィス、前記中心オリフィスの周りの円に沿って規則正しい間隔でかつ互いに分離し、また、それぞれ、前記第1直径より大きい第2直径を有する複数の中間オリフィス、および、前記中間オリフィスと同心である円に沿って規則正しい間隔でかつ互いに分離し、また、それぞれ、前記第2直径より大きい第3直径を有する複数の外側オリフィスを含む請求項48に記載のベント機構。
【請求項50】
マスク用のベントインサートであって、
複数の穿孔セクションを有するシートを備え、
前記穿孔セクションが、互いに折り重ねられて、前記穿孔セクションを通るベントオリフィスを生成するようになされたベントインサート。
【請求項51】
前記複数の穿孔セクションは、第1角度で配置される一連のスロットを含む第1セクション、前記第1角度と異なる第2角度で配置される一連のスロットを含む第2セクション、および、前記第1および第2角度と異なる第3角度で配置される一連のスロットを含む第3セクションを含む請求項50に記載のベントインサート。
【請求項52】
前記複数の穿孔セクションは、一体形ヒンジによって互いに接合される請求項50に記載のベントインサート。
【請求項53】
前記穿孔セクションの少なくとも1つは、折り重ねられた構成内に前記インサートを保持するように構築されたロック要素を含む請求項50に記載のベントインサート。
【請求項54】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられる複数の隣接する突出部と、を備え、
前記突出部が、それぞれ、1つまたは複数のベント開口を含み、
前記突出部の前記ベント開口が、ベント流が異なる方向で互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて誘導されて、拡散空気流が生成されるように配置されるベント機構。
【請求項55】
前記突出部に隣接して前記マスクコンポーネントのベース壁に対して設けられる1つまたは複数のベント開口をさらに備え、
前記ベース壁内の前記1つまたは複数のベント開口は、前記ベント流が、前記突出部の前記ベント開口によって、前記ベント流内に、かつ/または、前記ベント流から少しずれて送られる請求項54に記載のベント機構。
【請求項56】
それぞれの突出部は、先端を切り取った角錐形状を有し、
前記ベント開口は、前記突出部の1つまたは複数の側壁内に設けられる請求項54に記載のベント機構。
【請求項57】
前記突出部のそれぞれの側壁は、ベント開口を含む請求項56に記載のベント機構。
【請求項58】
それぞれの突出部は、ドーム形状を有し、
前記ベント開口は、前記ドームに沿って設けられる請求項54に記載のベント機構。
【請求項59】
前記突出部は、離間した格子状に配置される請求項54に記載のベント機構。
【請求項60】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられる1つまたは複数の突出部と、を備え、
前記突出部がそれぞれ、1つまたは複数のベント開口を含み、
それぞれの突出部の前記ベント開口が、ベント流が異なる方向で互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて送られて、拡散空気流が生成されるように配置されるベント機構。
【請求項61】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられる1つまたは複数の凹所と、を備え、
前記凹所がそれぞれ、1つまたは複数のベント開口を含み、
前記凹所の前記ベント開口が、ベント流が異なる方向で互いにベント流中に、かつ/または、互いに少しずれて送られて、拡散空気流が生成されるように配置されるベント機構。
【請求項62】
マスク用のベント機構であって、
マスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられるベントキャップと、を備え、
前記ベントキャップが、ベース壁および前記ベース壁から上方に延びるドームまたは隆起部分を含み、
前記ドームまたは隆起部分が、側壁を含み、複数のベント穴が前記側壁に沿って配置され、
前記ベント穴が、ユーザの呼吸サイクルの少なくとも吸気相および呼気相の間、使用中に開放するベント機構。
【請求項63】
前記ベントキャップは、バヨネット接続によって前記マスクコンポーネントに着脱自在に取り付けられる請求項62に記載のベント機構。
【請求項64】
前記ベントキャップは、前記マスクコンポーネントに対して設けられるそれぞれ半径方向外側に延びるリブに連結するように構築された1つまたは複数の半径方向内側に延びる突出部を含む請求項63に記載のベント機構。
【請求項65】
前記ベントキャップは、前記ベントキャップがロックされた位置にあるときを、ユーザが視覚的に確認することを可能にする、それぞれの突出部に隣接する窓を含む請求項64に記載のベント機構。
【請求項66】
前記マスクコンポーネントは、エルボである請求項62に記載のベント機構。
【請求項67】
前記ベントキャップは、前記マスクコンポーネントと共に、1つの部品に一体成形される請求項62に記載のベント機構。
【請求項68】
前記マスクコンポーネントは、エルボである請求項67に記載のベント機構。
【請求項69】
前記ベント穴は、排気流を異なる方向に分割するように配置される請求項62に記載のベント機構。
【請求項70】
前記ベント穴は、排気流を半径方向に分割するように配置される請求項62に記載のベント機構。
【請求項71】
前記ベント穴は、排気流を360°に半径方向に分割するように配置される請求項70に記載のベント機構。
【請求項72】
前記ベント穴は、排気流を最大360°に半径方向に分割するように配置される請求項70に記載のベント機構。
【請求項73】
前記ベント穴は、排気流を、前記側壁の選択された弧または部分に沿って分割するように配置される請求項70に記載のベント機構。
【請求項74】
前記ベント穴は、排気流を、前記側壁からある角度で誘導するように配置される請求項70に記載のベント機構。
【請求項75】
前記ベント穴は、排気流を、前記側壁から0〜20°で誘導するように配置される請求項70に記載のベント機構。
【請求項76】
マスクと、
請求項62に記載のベント機構と、
を備えるマスクシステム。
【請求項77】
マスクと、
前記マスクに対して設けられ、環状側壁、および前記環状側壁上に配置されるガス排除用の複数のベント穴を含むエルボと、
前記マスクと前記エルボとの間に設けられるバッフルと、を備え、
前記バッフルが、排除ガスを、流路に沿って前記ベント穴へ誘導するように構築された、1つまたは複数の起伏および/またはガイドを有する環状構成を含むマスクシステム。
【請求項78】
前記バッフルは、離間した弧状凹所を含む請求項77に記載のマスクシステム。
【請求項79】
前記バッフルは、バヨネット接続によって前記エルボに着脱自在に取り付けられる請求項77に記載のマスクシステム。
【請求項80】
ガス排除用の1つまたは複数の開口を含むマスクコンポーネントと、
前記マスクコンポーネントに対して設けられたベントコンポーネントと、を備え、
前記ベントコンポーネントが、ガス排除を誘導するようになされた、前記ベントコンポーネントの外側表面に沿う1つまたは複数のトラックまたは溝を含み、
前記ベントコンポーネントが、前記マスクコンポーネントの外側表面と前記ベントコンポーネントの外側表面との間の前記1つまたは複数のトラックまたは溝に沿ってガス排除が起こるように、前記マスクコンポーネント内の前記1つまたは複数の開口を覆うようになされたマスクシステム。
【請求項81】
前記マスクコンポーネントは、エルボである請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項82】
前記マスクコンポーネントは、マスクフレームである請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項83】
前記マスクコンポーネント内の開口のうちの1つは、前記ベントコンポーネントを受け取る入口/出口窓を提供する請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項84】
前記1つまたは複数のトラックまたは溝は、前記ベントコンポーネントの一方の面または両面上に設けられる請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項85】
前記ベントコンポーネントは、前記マスクコンポーネントに対して組み立てる、または、分解するように変形可能である請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項86】
前記ベントコンポーネントは、前記ベントコンポーネントの変形を容易にする1つまたは複数のフィンガータブを含む請求項85に記載のマスクシステム。
【請求項87】
前記ベントコンポーネントは、ヒンジおよび前記ヒンジと正反対にあるロックメカニズムを含み、
前記ヒンジは、前記ロックメカニズムがロック解除位置にあるとき、前記ベントコンポーネントが旋回して開くことを可能にするようになされた請求項85に記載のマスクシステム。
【請求項88】
前記ベントコンポーネントは、c形状か、oリング形状か、または、u形状である請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項89】
前記1つまたは複数のトラックまたは溝は、前記ベントコンポーネントの内径から前記ベントコンポーネントの外径まで延びる請求項88に記載のマスクシステム。
【請求項90】
前記ベントコンポーネントは、前記マスクコンポーネントに対して設けられるそれぞれのポートに係合するようになされた少なくとも1つのポートキャップを含む請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項91】
前記ベントコンポーネントは、プラグである請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項92】
前記プラグは、I形状か、V形状か、またはU形状である請求項91に記載のマスクシステム。
【請求項93】
それぞれのトラックまたは溝は、オープンエンドである請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項94】
それぞれのトラックまたは溝は、前記マスクコンポーネントと組み合わされて、ベントオリフィスを画定する請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項95】
ベントオリフィスは、前記マスクコンポーネントの一部および前記ベントコンポーネントの一部によって画定される請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項96】
それぞれのトラックまたは溝は、その長さに沿ってテーパがつく請求項80に記載のマスクシステム。
【請求項97】
マスクのためのベント装置であって、
前記マスクに設けられるように構成されて少なくとも部分的にガス流出のための1または複数の開口部を形成するベントコンポーネントと、
前記ベントコンポーネントと一体化された少なくとも1つのポートキャップであって、当該ポートキャップそれぞれがマスクに設けられたそれぞれのポートと係合するように構成された少なくとも1つのポートキャップと、
を備えるベント装置。
【請求項98】
前記ベントコンポーネント及び少なくとも1つの前記ポートキャップが、一部品で一体的に形成されている請求項97に記載のベント装置。
【請求項99】
マスクと、
請求項97に記載のベント装置と、を備えるマスクシステム。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2−1】
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【図2−2−2】
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【図2−3−1】
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【図2−3−2】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7−1】
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【図2−7−2】
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【図2−8】
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【図2−9−1】
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【図2−9−2】
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【図2−10−1】
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【図2−10−2】
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【図2−11】
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【図2−12】
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【図2−13−1】
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【図2−13−2】
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【図2−13−3】
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【図2−14−1】
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【図2−14−2】
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【図2−14−3】
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【図2−15−1】
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【図2−15−2】
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【図2−15−3】
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【図2−16−1】
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【図2−16−2】
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【図2−16−3】
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【図2−17−1】
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【図2−17−2】
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【図2−17−3】
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【図2−18−1】
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【図2−18−2】
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【図2−18−3】
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【図2−19】
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【図2−20】
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【図2−21−1】
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【図2−21−2】
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【図2−21−3】
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【図2−21−4】
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【図2−22−1】
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【図2−22−2】
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【図2−22−3】
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【図2−22−4】
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【図2−22−5】
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【図2−23】
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【図2−24】
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【図2−25】
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【図2−26】
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【図3】
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【図4−1A】
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【図4−1B】
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【図4−1C】
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【図4−2A】
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【図4−2B】
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【図4−2C】
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【図4−3A】
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【図4−3B】
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【図4−3C】
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【図4−4A】
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【図4−4B】
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【図4−5A】
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【図4−5B】
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【図4−6A】
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【図4−6B】
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【図4−7A】
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【図4−7B】
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【図4−7C】
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【図4−7D】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3−1】
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【図5−3−2】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6−1】
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【図5−6−2】
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【図5−7−1】
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【図5−7−2】
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【図5−8−1】
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【図5−8−2】
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【図5−8−3】
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【図5−9−1】
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【図5−9−2】
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【図5−9−3】
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【図5−9−4】
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【図5−9−5】
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【図5−9−6】
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【図5−10−1】
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【図5−10−2】
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【図5−10−3】
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【図5−11−1】
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【図5−11−2】
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【図5−12−1】
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【図5−12−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図6−6】
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【図6−7】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図9−4】
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【公開番号】特開2009−50707(P2009−50707A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−215721(P2008−215721)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】