説明

マスクポート

【課題】マスク上の便利な位置に設けられており、偶発的な破損を受けないように保護されており、かつ、チューブを詰まらせることのないマスクポート及び、そのようなポートに対応して、取り扱いやすいように充分に大きく、かつ、紛失しやすい、小ささではないポートキャップを提供すること。
【解決手段】呼吸用マスクに補助酸素供給チューブ又は測定デバイスを取り付けるためのマスクポート180が下向きに向けられ、マスクフレーム100の基底部110に引っ込めて形成されている。各ポートは、基底部110に形成されたそれぞれの凹部190に収容された1対の下方に延長した筒状スピゴット185から成り、1対の凹部の間に閉鎖キャップの架橋部分を受容するための浅い架橋凹部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時不整呼吸(sleep disordered breathing、略称SDB)(睡眠時呼吸障害)の治療のために患者に呼吸適性(呼吸に適した)ガスを送給するのに適したマスクに関し、特に、そのようなマスクのためのマスクポートに関する。
【背景技術】
【0002】
SDBの治療に用いられる呼吸用マスクは、通常、患者の鼻に被さるように設計された鼻マスクか、あるいは、患者の鼻と口に被さるように設計された全顔マスクである。いずれの場合も、マスクは、ヘッドギアによって所定位置に保持される。
【0003】
マスクは、一般に、フレームと称する比較的剛性のシェル(殻体)と、クッションと称する柔らかい部分とから成る。フレームは、患者の鼻及び、又は口を覆う後方に開放したキャビティを画定する。クッションは、顔との接触を快適にするためにフレームを顔から離隔させる。
【0004】
空気又はその他の呼吸適性ガスは、ブロアによって供給され、可撓性導管を通してマスクへ送られる。導管は、通常、例えば直径2cm程度の比較的大きい径の内孔を有する管であり、マスクフレームは、導管の径に相応する径のガス入口を有している。
【0005】
マスクは、ガス入口の他に、COウオッシュアウト(洗浄)通気孔と、補助酸素を導入したり、測定を実施するための1つ又は複数の小径ポートを備えている場合がある。それらのポートは、通常、マスクフレーム内に一体的に成形され、フレームの前面から前方に突出した1対の円筒形コネクタから成り、通常は、ポートの不使用時にマスクから空気が漏れるのを防止する着脱自在のポートキャップを備えている。
【0006】
ポートは、その部品構造、及び、補助酸素を供給するチューブとポートとの相対直径に応じて、雄コネクタ又は雌コネクタとして機能する。
【0007】
Mirage(登録商標)鼻マスク(ResMed社製)は、総体的に三角形のマスクであり、三角形の頂点から上方へガス入口チューブが延長している。このマスクの2つのポートは、患者の眼の高さの直ぐ上のところでガス入口チューブの前面に位置している。シリコーンゴム製の単一のキャップが両方のポートを覆っており、キャップの両端につまみが付設されていて、そのつまみを患者の顔から離れる方向に引っ張ることによって簡単にキャップを外すことができるようになされている。
【0008】
マスク上の便利な位置に設けられており、偶発的な破損を受けないように保護されており、かつ、チューブを詰まらせることのないマスクポートを求める要望がある。又、そのようなポートに対応して、取り扱いやすいように充分に大きく、かつ、紛失しやすい、小ささではないポートキャップを求める要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】USP 5,429,683
【特許文献2】DE 297 00 093
【特許文献3】USP 718,785
【特許文献4】USP 4,231,363
【特許文献5】USP 4,807,617
【特許文献6】USP 4,944,310
【特許文献7】USP 5,233,978
【特許文献8】USP 5,311,862
【特許文献9】USP 5,724,965
【特許文献10】USP 5,918,598
【特許文献11】USP 6,196,223
【特許文献12】FR 02766723
【特許文献13】GB 649689
【特許文献14】USP 5,474,060
【特許文献15】USP 4,782,832
【特許文献16】USP 6,439,230
【特許文献17】USP 6,478,026
【特許文献18】USP 6,354,293
【特許文献19】USP 5,975,077
【特許文献20】USP 5,474,063
【特許文献21】USP 5,375,593
【特許文献22】AU 200014935 A1
【特許文献23】USP 5,538,000
【特許文献24】USP 5,918,598
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、呼吸用マスクのためのマスクフレームを提供する。本発明のマスクフレームは、患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定し、呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口を有し、更に、マスクフレームの下方部分に凹部を有し、該凹部に設けられた、下方に延長する筒状のスピゴット(差込み口)から成る少くとも1つのマスクポートを有する。スピゴットは、マスクフレームのポート孔を介してマスクキャビティに連通する内孔を有している。
【0011】
ポートキャップは、シリコーン又は他のエラストマー材の単一部片から形成するのが好ましく、キャップのつまみは、マスクをポートに装着したときマスクの前面に位置するようにすることが好ましい。又、キャップを外すには、つまみをマスクの前面に対して下方に引っ張ることによって外すことができるようにすることが好ましい。
【0012】
本発明の別の側面によれば、呼吸用マスクのためのマスクフレームは、患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定し、呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口を有し、更に、マスクフレームの下方部分に設けられ、マスクキャビティに連通する、下方に開放した少くとも1つのマスクポートを有する構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明のマスクフレームの側方からみた透視図である。
【図2】図2は、図1のマスクフレームの正面図である。
【図3】図3aは、図1のマスクフレームの底面図である。図3bは、図3aの線B−Bに沿ってみた断面図である。図3cは、図3aの線C−Cに沿ってみた断面図である。
【図4】図4aは、ポートキャップの透視図である。図4bは、ポートキャップの端面図である。図4cは、ポートキャップの上からみた平面図である。図4dは、ポートキャップの正面図である。図4eは、ポートキャップの下からみた平面図である。図4fは、ポートキャップの背面図である。図4a〜図4fにおいて、概算の寸法がmmで表されている。
【図5】図5a〜5cは、本発明の変型実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態の説明
以下に添付図を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。
図1及び2は、ポリカーボネート又はそれに類する剛性材で金型成形シェルとして形成された、鼻マスクのための本発明のマスクフレーム100を示す。マスクフレーム100は、マスクのその他の構成部品を取り付けるための本体として機能する。マスクフレームの素材として好適な材料は、バイエル社製のマークロロン2458ポリカーボネートである。
【0015】
フレーム100は、総体的に三角形であり、基底部(ベース)110と、基底部から三角形の頂点に向かって延長した1対の傾斜側壁120と、前壁130を有する。フレーム100は、患者の鼻を覆うマスクキャビティを画定し、後側が開放している。基底部110の後縁及び側壁120を縁取りするリム140は、患者の顔の輪郭にほぼ合致し、密封を設定し、感触を快適にするためにフレームを患者の顔から離隔させるための柔らかいマスククッション(図示せず)を取り付けることができるようになされている。フレーム100の頂部は、額支持部材(図示せず)を取り付けるための突出部150を有している。
【0016】
図示のマスクフレームでは、フレームに枢動自在に連結される、例えばエルボコネクタ(図示せず)を備えたガス供給導管などを接続するためのガス入口孔160は、前壁130に形成されているが、他の形態のマスクでは、ガス入口孔は、フレームの頂部に形成することもできる。
【0017】
マスクフレーム100は、更に、マスクを患者の顔の所定位置に保持するヘッドギアに取り付けるための下方ヘッドギア連結部170を備えている。額支持部材(図示せず)には、上方ヘッドギア連結部を形成することができる。
【0018】
図1〜3aを参照して説明すると、マスクフレーム100は、その基底部110に形成された凹部190,190内に設けられた互いにほぼ2.5cm離隔した2つのマスクポート(以下、単に「ポート」とも称する)180を備えている。これらの凹部190は、下方ヘッドギア連結部170,170の間に位置する。ポート180は、使用において酸素又はその他の呼吸適性ガスを患者の鼻孔に近接したところで送給することができるように位置づけられている。
【0019】
各ポート180は、外径ほぼ4mm、長さほぼ1cmの筒状スピゴット185として形成されている。スピゴット185は、例えば酸素を供給する小口径のチューブを差し込むことができる雄コネクタを構成する。
【0020】
図3bは、ポート180の立断面図であり、図3cは、横断面図である。
【0021】
図3b、3cに明示されているように、各凹部190は、立面でみてほぼ長方形であり(図3a)、スピゴット185の内孔220とマスクキャビティとの間の凹部の上壁を貫通して形成されたポート孔200を除いては、マスクキャビティから遮蔽されている。凹部190は、上壁210と、側壁部分230,240と、後壁部分250によって囲われており、底部は開放している。前壁260は、マスクフレーム100の前壁130の延長部として形成されている。後壁部分250と一方又は両方の側壁部分230とは連続した曲線として形成することができる。
【0022】
凹部190の囲い壁230,240,250,260は、小口径の酸素チューブをスピゴット185に被せて押し込むことができ、又、不使用時にはポートキャップ280(図4a〜4f)の対応する閉鎖部分(スピゴットとに蓋をして閉鎖する部分)270を保持するのに充分な間隙、例えば1mmほどの間隙を開けてスピゴット185から離隔されている。
【0023】
マスクフレーム100の基底部110は、又、キャップ280の2つの閉鎖部分270をつないでいる架橋部分300を受容するための、2つの凹部190をつなぐ浅い架橋凹部290を有している。
【0024】
フレームの前壁130には、キャップ280のつまみ320を通すための1対の小さい切欠き310(図3a参照)が形成されており、つまみ320をユーザーがつかめるように前壁130の前方へ突出させることができるようになされている。つまみ320を下方へ引っ張れば、それぞれの閉鎖部分270をスピゴット185から外すことができ、酸素チューブ又は測定器に通じるチューブをスピゴット185に装着することができる。
【0025】
キャップ280は、例えばDow Silastic 94−595HCシリコーンのような比較的柔軟なエラストマー材で形成することが好ましい。
【0026】
上述した構造によれば、キャップ280の底部は、図1及び2ににみられるように、フレーム100の基底部110と実質的に面一をなし、コンパクトで美しい外観を呈する。
【0027】
凹部190,290の形状が前後非対称であり(図3a及び3c参照)、それに対応してキャップ280の形状もやはり非対称である(図4c及び4e参照)から、ユーザーがキャップ280を誤って前後逆にして装着しようとするおそれが少ない。
【0028】
ポート180をマスクフレーム100に引っ込めて形成することのもう1つの利点は、フレームのデッドスペースを少なくすることである。又、ポート180にマスクフレーム100の底部からアクセスすることができる構成としたことにより、空気又はガスをブロアから供給するために回り継手が用いられる場合、ガス送給導管を詰まらせる(塞いでしまう)おそれを少なくするという利点も得られる。
【0029】
更に他の利点は、ポート180を主通気路(160)から離して位置づけしたことにより補助酸素が通気孔を通って漏失するのを少なくすることができる。
【0030】
他の実施形態として、ポート180を1つだけにしてもよく、あるいは、2つ以上にしてもよい。又、各ポートにそれぞれ個別のキャップを設けてもよい。ポート180は、デバイスを設定する際や、SDBの治療の際にマスクキャビティ内の圧力を測定するために小口径チューブを介して又は他の任意の適当な手段でマノメーター(圧力計)に接続することができる。あるいは、自動調節デバイスの作動を制御するために1つ又は複数のポートをトランスジューサ又は制御アルゴリズムと連携して用いることもできる。
【0031】
本発明の変型実施形態として、ポートとして比較的大径のシリンダを用いることができ、シリンダが補助酸素供給チューブに対して雌コネクタとして機能するようにすることができる。
【0032】
別の実施例として、酸素供給を鼻孔に一層近接させた部位で行うためにスピゴットをマスクフレーム内に突出させることもできる。
【0033】
図5a〜5cは、本発明の変型実施形態によるマスクポート構造500の正面からみた立断面図であり、る。図5aは、酸素供給チューブ510をポート520に挿入するところを示し、図5bは、酸素供給チューブ510がポート520に挿入されたところを示し、図5cは、酸素供給チューブ510が外され、キャップ530が装着されたところを示す。
【0034】
ポート520の位置及び向きは、図1〜3cに関連して先に述べたのと総体的に同様であるが、図5a〜5cの実施形態では、ポート520は、マスクキャビティ内へ上向きに突出したチューブとして形成されており、上端が開放しているという点で異なる。先の実施形態と同様に、マスクフレームの基底部540には、浅い架橋凹部550によって連結された1対の引っ込められたポート520が形成されている。
【0035】
図5a及び5bから分かるように、ポート520は、ポート520に密封係合するように選定された直径を有する酸素供給チューブ510を下から挿入するための雌コネクタとして機能する。
【0036】
図5cに示されるように、キャップ530の形態は、架橋部分570によって連結された1対の閉鎖部分560を有し、図4a〜4fのキャップ280とほぼ同様であるが、不使用時にポートを密封するための閉鎖部分560は、図4a〜4fのカップ形閉鎖部分とは異なり、中実プラグとしてとして形成することが好ましい。
【0037】
別の実施例として、キャップ280のつまみ320は、前方にではなく、下方に設けることができる。
【0038】
以上、本発明を実施形態に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施形態の構造及び形状に限定されるものではなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろな変更及び改変を加えることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0039】
100 マスクフレーム、フレーム
110 基底部
120 傾斜側壁
130 前壁
140 リム
150 突出部
160 ガス入口孔
170 下方ヘッドギア連結部
180 マスクポート、ポート
185 筒状スピゴット、スピゴット
190 凹部
200 ポート孔
210 上壁
220 内孔
230,240 側壁部分
250 後壁部分
260 前壁
270 閉鎖部分
280 キャップ
290 架橋凹部
300 架橋部分
500 マスクポート構造
510 酸素供給チューブ
520 ポート
530 キャップ
540 基底部
550 架橋凹部
560 閉鎖部分
570 架橋部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する呼吸用マスクのためのマスクフレームであって、
呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口を有し、該マスクフレームの下方部分に設けられ、該マスクキャビティに連通する少くとも1つの下方に開放したポートを有していることを特徴とするマスクフレーム。
【請求項2】
前記ポートは、前記マスクキャビティ内へ突出したチューブとして形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスクフレーム。
【請求項3】
該マスクフレームは、正面からみて総体的に三角形であり、前壁と、基底部と、頂部と、該基底部の両端からから該頂部へ延長した1対の傾斜側壁を有し、前記ポートは、該基底部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスクフレーム。
【請求項4】
前記基底部は、1対の前記ポートを備えていることを特徴とする請求項2に記載のマスクフレーム。
【請求項5】
着脱自在のポートキャップを含み、該ポートキャップは、それぞれ対応する前記ポートの1つを密封することができる1対の閉鎖部分と、該1対の閉鎖部分を連結する架橋部分を有することを特徴とする請求項4に記載のマスクフレーム。
【請求項6】
前記ポートキャップは、使用において該マスクフレームの前記前壁の前方に突出する少くとも1つのつまみを備えていることを特徴とする請求項5に記載のマスクフレーム。
【請求項7】
前記ポートキャップの基部は、使用において該マスクフレームの前記基底部と実質的に面一であることを特徴とする請求項5に記載のマスクフレーム。
【請求項8】
前記基底部は、更に、前記ポートキャップの前記架橋部分を受容するための、前記1対のポートの間に延長した浅い架橋凹部を有することを特徴とする請求項5に記載のマスクフレーム。
【請求項9】
前記ポートに挿入するための端部を有する酸素供給チューブを備えており、該チューブの外表面が該ポートの内表面に密着し密封するようになされていることを特徴とする請求項1に記載のマスクフレーム。
【請求項10】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する壁を持つ呼吸用マスクのためのマスクフレームにおいて
呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口を第1平面上に有し、
前記マスクフレームの最も下部に設けられた少なくとも一つのポートを有し、
前記少なくとも一つのポートは、実質的に円筒形の穴を形成する壁の一部で画定し、及び、ポートの開口部を介して前記マスクキャビティに連通し、並びに、前記第1平面に対して凡そ垂直な第2平面上に配置し、
さらに、少なくとも一つの穴を成す前記実質的に円筒形の穴が、前記マスクキャビティ内の最も下部から伸延していることを特徴とするマスクフレーム。
【請求項11】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する壁を持つ呼吸用マスクのためのマスクフレームにおいて
呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口を第1平面上に有し、
前記マスクフレームの最も下部に設けられた少なくとも一つのポートを有し、
前記少なくとも一つのポートは、実質的に円筒形の穴を形成する壁の一部で画定し、及び、ポートの開口部を介して前記マスクキャビティに連通し、並びに、前記第1平面に対して凡そ垂直な第2平面上に配置し、
さらに、
前壁と、基底部と、前記基底部の反対側に配置した頂点と、前記基底部の両端部から前記頂点に伸びた一対の側壁とを有し、
前記少なくとも一つのポートを前記基底部に形成したことを特徴とするマスクフレーム。
【請求項12】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する壁を持つ呼吸用マスクのためのマスクフレームにおいて
呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口を第1平面上に有し、
前記マスクフレームの最も下部に設けられた少なくとも一つのポートを有し、
前記少なくとも一つのポートは、実質的に円筒形の穴を形成する壁の一部で画定し、及び、ポートの開口部を介して前記マスクキャビティに連通し、並びに、前記第1平面に対して凡そ垂直な第2平面上に配置し、
さらに、
チューブを通過させて押し込むための壁の無い底部と、対面する両横面部と、上面部と、後面部とで構成する凹部の内部に、前記少なくとも一つのポートを設けたことを特徴とするマスクフレーム。
【請求項13】
少なくとも一つの前記凹部の前面部を前記マスクフレームの前記壁の一部で形成する前記請求項12記載のマスクフレーム。
【請求項14】
少なくとも一つの前記凹部の前記対面する両横面部及び前記後面部が、実質的に連続する曲面の壁である請求項12記載のマスクフレーム。
【請求項15】
少なくとも一つの前記凹部の対面する両横面部及び後面部並びに前面部が、チューブの形状で実質的に連続する曲面の壁として形成した前記請求項12記載のマスクフレーム。
【請求項16】
前記凹部の穴が、前記凹部の前記上面部を貫通する前記請求項12記載のマスクフレーム。
【請求項17】
前記ガス入口が、前記マスクフレームの前壁に位置し、且つ、前記少なくとも一つの凹部の上に配置した請求項12記載のマスクフレーム。
【請求項18】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する壁を持つ呼吸用マスクのためのマスクフレームにおいて
呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口と、
前記マスクフレームの最も下部に設けられた少なくとも一つのポートと
を有し、
前記少なくとも一つのポートは、実質的に円筒形の穴を形成する壁の一部で画定し、及び、ポートの開口部を介して前記マスクキャビティに連通し、
さらに、
チューブを通過させて押し込むための壁の無い底部と、対面する両横面部と、上面部と、後面部とで構成する凹部の内部に、前記少なくとも一つのポートを設け、
そして、
前記凹部の前記上面部が、前記マスクフレームの一部で形成されたチューブ止めであることを特徴とするマスクフレーム。
【請求項19】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する壁を持つ呼吸用マスクのためのマスクフレームにおいて
呼吸適性ガスの供給源に接続することができるように構成されたガス入口と、
前記マスクフレームの下部に設けられた少なくとも一つのポートと
を有し、
前記少なくとも一つのポートは、実質的に円筒形の穴を形成する壁の一部で画定し、及び、ポートの開口部を介して前記マスクキャビティに連通
さらに、
前記ガス入口に枢動自在な連結管を備えることを特徴とするマスクフレーム。
【請求項20】
患者の気道と連通するようになされたマスクキャビティを画定する呼吸用マスクのためのマスクフレームにおいて、
前記マスクフレームが、
前壁、及び基底部、並びに頂点と、
前記基底部の両端部から前記頂点に伸びた一対の側壁と、
一対の下方ヘッドギア連結部と
を有し、そして、
前記基底部に設けた前記一対の下方ヘッドギア連結部の間に複数の凹部が一対に位置し、前記一対の凹部のそれぞれが、前記マスクキャビティに向けて凹んでおり、
さらに、
前記一対の凹部のそれぞれが、その低部に壁が無く、少なくとも一つの上面部及び対面する両横面部並びに前面部で形成され、且つ、それら上面部及び両横面部並びに前面部を前記マスクフレームの前壁の一部として形成し、
そしてさらに、
複数のマスクポートを一対として有し、各マスクポートは、複数の前記凹部の内の一つ毎に下方に向けて筒状のチューブ用の差込み口を前記凹部の少なくとも一部に有し、前記差込み口のそれぞれが前記上面部を貫通するように前記マスクポートの開口部を介して前記マスクキャビティに連通し、
なおさらに、
呼吸適性ガスの供給源に接続するガス入口を有し、前記ガス入口が、前記凹部の上部に配置し、且つ前記マスクフレームの前記前壁に配置し、
そして、なおさらに、
前記マスクポートを閉鎖するために前記凹部のそれぞれに押込み可能な一対の閉鎖部分を有した着脱可能なポートキャップを有し、前記ポートキャップが、前記一対の閉鎖部分をつなぐ架橋部分を有し、前記閉鎖部分のそれぞれには、使用中に前記マスクフレームの前記前壁の前方に突き出すつまみを有し、前記ポートキャップが、一方向からのみ前記凹部に挿入できるように、前記凹部及び前記ポートキャップの形状を形成することを特徴とするマスクフレーム。
【請求項21】
前記マスクポートが凡そ2.5cmほど離れている請求項20記載のマスクフレーム。
【請求項22】
前記マスクポートが、患者の鼻孔に近接してガスを送給する位置にある請求項21記載のマスクフレーム。
【請求項23】
前記ポートキャップをエラストマー材で形成する請求項22記載のマスクフレーム。
【請求項24】
前記エラストマー材がシリコーンである請求項23記載のマスクフレーム。
【請求項25】
前記チューブ用の差込み口の外形直径が凡そ4mmである請求項24記載のマスクフレーム。
【請求項26】
前記チューブ用の差込み口の長さが凡そ1cmである請求項25記載のマスクフレーム。
【請求項27】
各々の前記凹部の前記前面部及び前記後面部並びに対面する両横面部と、前記チューブ用の差込み口との間が、少なくとも1mm離れている請求項26記載のマスクフレーム。
【請求項28】
複数の切欠きを前記マスクフレームの前記前面部に設け、前記閉鎖部分毎の前記つまみを前記切欠きに通す請求項27記載のマスクフレーム。
【請求項29】
前記ポートキャップの基底部は、使用中に前記マスクフレームの基底部と実質的に同一平面になる請求項28記載のマスクフレーム。
【請求項30】
前記マスクフレームの前記頂点に接続し、且つ、額支持部材に取り付ける突出部を有す請求項29記載のマスクフレーム。
【請求項31】
前記マスクフレームが、ポリカーボネート製である請求項30記載のマスクフレーム。

【請求項32】
請求項20記載のマスクフレームに、患者の顔から離隔させるマスククッションを前記マスクフレームに取り付け、ヘッドギアを下方ヘッドギア連結部に取り付け、
さらに、このマスクフレームを備えた上、前記ガス入口と前記呼吸適性ガスの供給源との間に枢動自在な連結管を設ける睡眠時呼吸障害の治療用のマスク。
【請求項33】
請求項32記載のマスクにおいて、さらに、前記マスクフレームの前記頂点に接続する突出部に額支持部材を取り付けたマスク。
【請求項34】
請求項33載のマスクにおいて、前記額支持部材が前記ヘッドギアに取り付けるための上方ヘッドギア連結部を有するマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−221057(P2010−221057A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131362(P2010−131362)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【分割の表示】特願2001−504442(P2001−504442)の分割
【原出願日】平成12年6月16日(2000.6.16)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD