説明

マススペクトル測定方法

【課題】生物由来分子のマススペクトル測定による同定方法。
【解決手段】分子は、前記分子について正確に同定した質量対電荷比、および、溶出時間または荷電状態等の、少なくとも1つのさらなる物理化学的性質に基づき同定する。さらなる物理化学的性質を用いても良い。実験的に決定した正確質量および物理化学的性質は、続いて、情報の参照用テーブルにより比較することができる。前記参照用テーブルは、生成されても良く、または、公知のデータベース中のデータにおける物理化学的性質を計算しても良い。2の異なるサンプル中における同じ分子を認識し、および好ましくは同定する能力は、特定の生物学的分子が、対照サンプルと比較して実験用サンプル内で異なるように発現されているかどうか、決定するために用いても良い。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の生物由来分子混合物を含む第1のサンプルを準備する工程、
前記第1の混合物中における第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記第1の混合物中における第1の分子の質量を分析し、そして、前記第1の混合物中における第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
第2の生物由来分子混合物を含む第2のサンプルを準備する工程、
前記第2の混合物中における第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記第2の混合物中における第1の分子の質量を分析し、そして、前記第2の混合物中における第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記第1の混合物中における第1の分子の強度と前記第2の混合物中における第1の分子の強度とを決定する工程を含み、
前記第1の混合物中における第1の分子と前記第2の混合物中における第1の分子とは、実質的に等しい質量対電荷比を有し、かつ、実質的に等しい前記第1の物理化学的性質を有すると決定されたものである、
マススペクトル測定方法。
【請求項2】
前記第1の混合物および/または前記第2の混合物が、複数の異なるバイオポリマー、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、アミノ酸、炭水化物、糖、脂質、脂肪酸、ビタミン、ホルモン、DNAの一部もしくは断片、cDNAの一部もしくは断片、RNAの一部もしくは断片、mRNAの一部もしくは断片、tRNAの一部もしくは断片、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、リボヌクレアーゼ、酵素、代謝産物、ポリサッカライド、リン酸化ペプチド、リン酸化タンパク質、グリコペプチド、グリコプロテインまたはステロイドを含む、請求項1に記載のマススペクトル測定方法。
【請求項3】
前記第1の混合物および/または前記第2の混合物が、異なる特性を有する、少なくとも2, 5, 10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000, 1500, 2000,2500, 3000, 3500, 4000, 4500, または 5000の分子を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の混合物および/または前記第2の混合物が、非等モルの不均一複雑混合物(heterogeneous complex mixture)を含む、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比、および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比を、20 ppm, 19 ppm, 18 ppm, 17 ppm, 16 ppm, 15 ppm, 14 ppm, 13 ppm, 12 ppm, 11 ppm, 10 ppm, 9 ppm, 8 ppm, 7 ppm, 6 ppm, 5 ppm, 4 ppm, 3 ppm, 2 ppm, 1 ppm または <1 ppmまでの範囲で決定する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比、および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比を、15-20 ppm, 10-15 ppm, 5-10 ppm または 1-5 ppmまでの範囲で決定する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比、および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比を、0.01 マスユニット, 0.009 マスユニット, 0.008 マスユニット, 0.007 マスユニット, 0.006 マスユニット, 0.005 マスユニット, 0.004 マスユニット, 0.003 マスユニット, 0.002 マスユニット, 0.001 マスユニット または <0.001 マスユニットまでの範囲で決定する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
下記工程のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
(i) 前記第1の混合物中における第1の分子の強度を、前記第1の混合物中における第2の分子の強度と比較する工程;
(ii) 前記第1の混合物中における第1の分子の強度を、前記第2の混合物中における第1の分子の強度と比較する工程;
(iii) 前記第1の混合物中における第2の分子の強度を、前記第2の混合物中における第2の分子の強度と比較する工程;
(iv) 前記第2の混合物中における第1の分子の強度を、前記第2の混合物中における第2の分子の強度と比較する工程;および
(v) (a) 前記第1の混合物中における第1の分子の強度と前記第2の混合物中における第1の分子の強度との比を、(b) 前記第1の混合物中における第2の分子の強度と前記第2の混合物中における第2の分子の強度との比と比較する工程。
【請求項9】
前記第1の混合物中における第2の分子が、実質的に、前記第2の混合物中における第2の分子と同じである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の分子が、前記第1および第2の混合物に対して、内因性(endogenous)または外因性(exogenous)である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第2の物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、かつ、前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子が、実質的に等しい前記第2の物理化学的性質を有すると決定する、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第3の物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、かつ、前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子が、実質的に等しい前記第3の物理化学的性質を有すると決定する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第4の物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、かつ、前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子が、実質的に等しい前記第4の物理化学的性質を有すると決定する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第5のまたはさらなる物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、かつ、前記第1の混合物中における前記第1の分子および前記第2の混合物中における前記第1の分子が、実質的に等しい前記第5のまたはさらなる物理化学的性質を有すると決定する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のおよび/または前記第2のおよび/または前記第3のおよび/または前記第4のおよび/または前記第5のもしくはさらなる物理化学的性質が、(i) 溶出時間(elutiontime)、疎水性、親水性、移動時間(migration time)、またはクロマトグラフィー保持時間(chromatographic retention time); (ii) 溶解度; (iii) 分子体積またはサイズ; (iv) 正味電荷(net charge)、荷電状態(charge state)、イオン電荷または複合的な実測荷電状態; (v) 等電点(pI); (vi) 解離定数(pKa); (vii) 抗体親和力; (viii) 電気泳動移動度; (ix) イオン化ポテンシャル; (x) 双極子モーメント; (xi) 水素結合可能性(hydrogen-bonding capability) または水素結合能力(hydrogen-bonding capacity); および (xii) 気相中におけるイオン移動度(ion mobility)からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記第1の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比を、(i) フーリエ変換("FT")質量分析計; (ii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴("FTICR")質量分析計; (iii) 飛行時間("TOF")質量分析計; (iv) 直交加速式(orthogonal acceleration)飛行時間("oaTOF") 質量分析計; (v)磁気セクタ質量分析計; (vi) 四重極質量分析装置(quadrupole mass analyser); (vii) イオントラップ質量分析装置; および(viii)フーリエ変換オービトラップ(orbitrap)、静電気的イオンサイクロトロン共鳴質量分析計または静電気的フーリエ変換質量分析計のいずれかにより質量分析する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
(i) 前記第1のサンプルを病気に罹った生物から採取し、かつ、前記第2のサンプルを病気に罹っていない生物から採取するか;
(ii) 前記第1のサンプルを治療した生物から採取し、かつ、前記第2のサンプルを治療していない生物から採取するか; または
(iii) 前記第1のサンプルを変異体の生物から採取し、かつ、前記第2のサンプルを野生型の生物から採取する、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子を同定する工程をさらに含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
1またはそれ以上のさらなる生物由来分子混合物を含む1またはそれ以上のさらなるサンプルを準備する工程、
前記1またはそれ以上のさらなる混合物中における第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記1またはそれ以上のさらなる混合物中における前記第1の分子の質量を分析し、そして、前記1またはそれ以上のさらなる混合物中における前記第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記1またはそれ以上のさらなる混合物中における第1の分子の強度を決定する工程をさらに含み、
前記第1の混合物中における前記第1の分子、前記第2の混合物中における前記第1の分子、および前記1またはそれ以上のさらなる混合物中における前記第1の分子は、実質的に等しい質量対電荷比および実質的に等しい前記第1の物理化学的性質、および任意に等しい前記第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を有すると決定する、
請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子および/または前記1またはそれ以上のさらなる混合物中における前記第1の分子を同定する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子は、前記第1の混合物中における前記第1の分子の強度が、前記第2の混合物中における前記第1の分子の強度と、あらかじめ決定した量を超えて異なる場合にのみ同定する、請求項18、19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子は、前記第1の混合物中における複数の異なる分子の平均強度が、前記第2の混合物中における複数の異なる分子の平均強度と、あらかじめ決定した量を超えて異なる場合にのみ同定する、請求項18、19または20に記載の方法。
【請求項23】
前記あらかじめ決定した量が、 (i) 1%; (ii) 2%; (iii) 5%; (iv) 10%; (v) 20%; (vi) 50%; (vii) 100%; (viii) 150%; (ix) 200%; (x) 250%; (xi) 300%; (xii) 350%; (xiii)400%; (xiv) 450%; (xv) 500%; (xvi) 1000%; (xvii) 5000%; および (xviii) 10000%からなる群から選択される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子を同定する前記工程が、前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、前記第1の物理化学的性質、ならびに、任意に前記第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質、および前記決定された質量対電荷比を、分子のインデックス(index of molecules)と比較する工程を含み、
前記インデックスが、
(i) 掲載された(indexed)各分子の個性(identity);
(ii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された第1の物理化学的性質;
(iii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された、正確な質量または質量対電荷比; および
(iv) 任意に、掲載された各分子の、実験的に決定されたもしくは予想された第2の物理化学的性質および/または、掲載された各分子の、実験的に決定されたもしくは予想された第3の物理化学的性質、および/または掲載された各分子の、実験的に決定されたもしくは予想された第4の物理化学的性質、および/または掲載された各分子の、実験的に決定されたもしくは予想された第5のもしくはさらなる物理化学的性質を含む、請求項18〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子がペプチドを含み、かつ、前記分子のインデックスがペプチドのインデックスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ペプチドのインデックスは、1またはそれ以上のタンパク質が、どのようにして断片化または消化され、複数のペプチドを生じることが可能であるかを決定することにより生成されたものである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子がペプチドを含み、かつ、前記分子のインデックスがタンパク質のインデックスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子を同定する前記工程が、前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を前記分子のインデックスから計算する工程を含み、
前記インデックスが、
(i) 掲載された各分子の個性; および
(ii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された、正確な質量または質量対電荷比を含む、請求項18〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記インデックスが、(i)タンパク質またはプロテオーム(proteome)のシーケンスデータベース; (ii) 発現シーケンスタグ (Expressed Sequence Tag)(EST)のデータベース; または (iii) 遺伝子もしくはゲノムのデータベースを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子を、
(i)前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、決定した質量対電荷比を、掲載された分子の質量または質量対電荷比と比較した際の近似性; および/または
(ii) 前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、前記第1の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第1の物理化学的性質と比較した際の近似性; および/または
(iii) 前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、第2の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第2の物理化学的性質と比較した際の近似性; および/または
(iv) 前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、第3の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第3の物理化学的性質と比較した際の近似性; および/または
(v) 前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、第4の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第4の物理化学的性質と比較した際の近似性; および/または
(vi) 前記第1の混合物中における前記第1の分子および/または前記第2の混合物中における前記第1の分子の、第5のもしくはさらなる物理化学的性質を、掲載された分子における前記第5のもしくはさらなる物理化学的性質と比較した際の近似性に基づき同定する、請求項18〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
生物由来分子混合物を準備する工程、
前記混合物中における第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記第1の分子の質量を分析し、そして、前記第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における前記第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。
【請求項32】
前記分子混合物が、複数の異なるバイオポリマー、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、アミノ酸、炭水化物、糖、脂質、脂肪酸、ビタミン、ホルモン、DNAの一部もしくは断片、cDNAの一部もしくは断片、RNAの一部もしくは断片、mRNAの一部もしくは断片、tRNAの一部もしくは断片、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、リボヌクレアーゼ、酵素、代謝産物、ポリサッカライド、リン酸化ペプチド、リン酸化タンパク質、グリコペプチド、グリコプロテインまたはステロイドを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の分子を定量する工程をさらに含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
ペプチド混合物を準備する工程、
前記混合物中における、ペプチドを含む第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記ペプチドを含む第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記ペプチドを含む第1の分子を、少なくとも、前記ペプチドを含む第1の分子における、前記測定した第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。
【請求項35】
1もしくはそれ以上のペプチドおよび/または1もしくはそれ以上の合成分子を含む内部標準を、前記ペプチド混合物または前記ペプチド混合物のフラクション(fraction)に添加する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
タンパク質混合物を準備する工程、
少なくとも前記タンパク質のうちいくつかに由来するペプチドの混合物を準備する工程、
前記タンパク質混合物中における少なくとも1つのタンパク質および/または、前記ペプチド混合物中におけるペプチドを含む第1の分子の、質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記ペプチドを含む第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記ペプチドを含む第1の分子を、少なくとも、前記ペプチドを含む第1の分子における、前記測定した第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。
【請求項37】
1もしくはそれ以上のタンパク質および/または1もしくはそれ以上の合成分子を含む内部標準を、前記タンパク質混合物または前記タンパク質混合物のフラクション(fraction)に添加する工程をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記タンパク質混合物を、好ましくは1次元電気泳動法、多次元電気泳動法、サイズ排除クロマトグラフィー、またはアフィニティークロマトグラフィーにより、1またはそれ以上のタンパク質を前記タンパク質混合物から分離するように分画する工程をさらに含み、かつ、前記タンパク質混合物から分離した前記1またはそれ以上のタンパク質を、次に、前記ペプチド混合物を与えるように消化または断片化する、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記タンパク質混合物を、前記ペプチド混合物を与えるように消化または断片化する工程をさらに含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項40】
1またはそれ以上のペプチドの第1のフラクションを前記ペプチド混合物から分離する工程をさらに含む、請求項34〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記1またはそれ以上のペプチドを、(i) 高速液体クロマトグラフィー("HPLC"); (ii) 陰イオン交換; (iii) 陰イオン交換クロマトグラフィー; (iv) 陽イオン交換; (v) 陽イオン交換クロマトグラフィー; (vi) イオン対逆相クロマトグラフィー; (vii) クロマトグラフィー; (vii) 一次元電気泳動法; (ix) 多次元電気泳動法; (x) サイズ排除; (xi) アフィニティー; (xii) 逆相クロマトグラフィー; (xiii) キャピラリー電気泳動クロマトグラフィー("CEC"); (xiv) 電気泳動法; (xv) イオン移動度分離法(ion mobility separation); (xvi) 電界非対称性イオン移動度分離法(Field Asymmetric Ion Mobility Separation) ("FAIMS"); または (xvi) キャピラリー電気泳動法により前記ペプチド混合物から分離する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のフラクション中における前記1またはそれ以上のペプチドが、実質的に等しい前記第1の物理化学的性質、好ましくは、等しい溶出時間、疎水性、親水性、移動時間またはクロマトグラフィー保持時間を有する、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記ペプチドを含む第1の分子を定量する工程をさらに含む、請求項34〜42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
ペプチドを含む1またはそれ以上の同定された第1の分子と相関関係があるタンパク質または翻訳後修飾(Post Translationally Modified) ("PTM")タンパク質を同定する工程をさらに含む、請求項34〜43に記載の方法。
【請求項45】
前記タンパク質または翻訳後修飾タンパク質を定量する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記タンパク質または前記翻訳後修飾タンパク質と相関関係があると考えられる全てのペプチドの強度が、あらかじめ決定された1またはそれ以上の範囲内に含まれることをチェックする工程をさらに含む、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
代謝産物の混合物を準備する工程、
前記混合物中における代謝産物を含む第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記代謝産物を含む第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記代謝産物を含む第1の分子を、少なくとも、前記代謝産物を含む第1の分子における、前記測定した第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。
【請求項48】
前記混合物中における前記代謝産物のうち少なくとも一部(at least some)が、(i) 血漿;(ii) 尿; (iii) 糞便; (iv) 汗; または (v) 呼気からの抽出物である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
(i) DNAの一部もしくは断片を複数; (ii) RNAの一部もしくは断片を複数; (iii)オリゴヌクレオチドを複数および/もしくはオリゴヌクレオシドを複数; (iv)核酸を複数; (v) 遺伝子の一部もしくは断片を複数; (vi)リボヌクレアーゼ (RNases)を複数; (vii) cDNAの一部もしくは断片を複数; (viii) mRNAの一部もしくは断片を複数; または (ix) tRNAの一部もしくは断片を複数含む混合物を準備する工程、
前記混合物中における第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記第1の分子における質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における、前記測定した第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。
【請求項50】
(i) リン酸化ペプチド; (ii) リン酸化タンパク質; (iii) グリコペプチド; (iv) グリコプロテイン; (v) 炭水化物; (vi) 糖; (vii) 脂質; (viii) 脂肪酸; (ix) ビタミン; (x) ホルモン; (xi) ステロイド; (xii) モノクローナルまたはポリクローナル抗体; および (xiii) ポリサッカライドを含む群から選択される混合物を準備する工程、
前記混合物中における第1の分子の、質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
前記第1の分子における質量対電荷比を正確に決定する工程、
および、
前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における、前記測定した第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。
【請求項51】
前記混合物が、異なる特性を有する、少なくとも2, 5, 10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1000, 1500, 2000, 2500, 3000,3500, 4000, 4500, または 5000の分子を含む、請求項31〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記混合物が、非等モルの不均一複雑混合物(heterogeneous complex mixture)を含む、請求項31〜51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記第1の分子における質量対電荷比を正確に決定する前記工程が、前記第1の分子における質量対電荷比を、20 ppm, 19 ppm, 18 ppm, 17 ppm, 16 ppm, 15 ppm, 14 ppm, 13 ppm, 12 ppm, 11 ppm, 10 ppm, 9 ppm, 8 ppm, 7 ppm, 6 ppm, 5 ppm, 4 ppm, 3 ppm, 2 ppm, 1 ppm または <1 ppmまでの範囲で決定することを含む、請求項31〜52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記第1の分子における質量対電荷比を正確に決定する前記工程が、前記第1の分子における質量対電荷比を、15-20 ppm, 10-15 ppm, 5-10 ppm または 1-5 ppmまでの範囲で決定することを含む、請求項31〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記第1の分子における質量対電荷比を正確に決定する前記工程が、前記第1の分子における質量対電荷比を、0.01 マスユニット, 0.009 マスユニット, 0.008 マスユニット, 0.007 マスユニット, 0.006マスユニット, 0.005 マスユニット, 0.004 マスユニット, 0.003 マスユニット, 0.002 マスユニット, 0.001 マスユニット または <0.001 マスユニットまでの範囲で決定することを含む、請求項31〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記第1の分子を、前記第1の物理化学的性質の効力によって前記混合物中における他の分子から分離する、請求項31〜55のいずれかに記載のマススペクトル測定方法。
【請求項57】
前記第1の分子を、時間的におよび/または空間的に、前記混合物中における他の分子と分離する、請求項56に記載のマススペクトル測定方法。
【請求項58】
前記第1の分子を、(i) 高速液体クロマトグラフィー("HPLC"); (ii) 陰イオン交換; (iii) 陰イオン交換クロマトグラフィー; (iv) 陽イオン交換; (v) 陽イオン交換クロマトグラフィー; (vi) イオン対逆相クロマトグラフィー; (vii) クロマトグラフィー; (vii) 一次元電気泳動法; (ix) 多次元電気泳動法; (x) サイズ排除; (xi) アフィニティー; (xii) 逆相クロマトグラフィー; (xiii) キャピラリー電気泳動クロマトグラフィー("CEC"); (xiv) 電気泳動法; (xv)イオン移動度分離法(ion mobility separation); (xvi) 電界非対称性イオン移動度分離法(Field Asymmetric Ion Mobility Separation) ("FAIMS"); または (xvi) キャピラリー電気泳動法により前記混合物中における他の分子から分離する、請求項56または57のいずれかに記載のマススペクトル測定方法。
【請求項59】
少なくとも前記第1の物理化学的性質を、前記混合物中における分子のマススペクトルから決定する、請求項31〜58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
前記第1の物理化学的性質が、正味電荷(net charge)、荷電状態(charge state)、イオン電荷または複合的な実測荷電状態を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第2の物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、前記第2の物理化学的性質は前記第1の物理化学的性質とは異なり、かつ、
前記第1の分子を同定する前記工程は、前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における前記第1および第2の物理化学的性質ならびに前記決定した質量対電荷比に基づき同定することをさらに含む、請求項31〜60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
前記混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第3の物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、前記第3の物理化学的性質は前記第1および第2の物理化学的性質とは異なり、かつ、
前記第1の分子を同定する前記工程は、前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における前記第1、第2および第3の物理化学的性質ならびに前記決定した質量対電荷比に基づき同定することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第4の物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、前記第4の物理化学的性質は前記第1、第2および第3の物理化学的性質とは異なり、かつ、
前記第1の分子を同定する前記工程は、前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における前記第1、第2、第3および第4の物理化学的性質ならびに前記決定した質量対電荷比に基づき同定することをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記混合物中における前記第1の分子の、質量対電荷比以外の第5のまたはさらなる物理化学的性質を測定する工程をさらに含み、前記第5のまたはさらなる物理化学的性質は前記第1、第2、第3および第4の物理化学的性質とは異なり、かつ、
前記第1の分子を同定する前記工程は、前記第1の分子を、少なくとも、前記第1の分子における前記第1、第2、第3、第4、第5のまたはさらなる物理化学的性質ならびに前記決定した質量対電荷比に基づき同定することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質が、(i) 溶出時間(elution time)、疎水性、親水性、移動時間(migration time)、またはクロマトグラフィー保持時間(chromatographic retention time); (ii) 溶解度; (iii) 分子体積またはサイズ; (iv) 正味電荷(net charge)、荷電状態(charge state)、イオン電荷または複合的な実測荷電状態; (v) 等電点(pI); (vi) 解離定数(pKa); (vii) 抗体親和力; (viii) 電気泳動移動度; (ix) イオン化ポテンシャル; (x) 双極子モーメント; (xi) 水素結合可能性(hydrogen-bonding capability) または水素結合能力(hydrogen-bonding capacity); および (xii) 気相中におけるイオン移動度(ion mobility)からなる群から選択される、請求項31〜64のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
1もしくはそれ以上の内因性(endogenous)および/または1もしくはそれ以上の外因性(exogenous)分子を内部標準として用いることをさらに含む、請求項31〜65のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
前記内部標準は、少なくとも前記第1の物理化学的性質を、ならびに任意に前記第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を較正する(calibrate)ために使用する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の分子を同定する前記工程が、前記第1の分子の、前記第1の物理化学的性質、ならびに、任意に前記第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質、および前記決定された質量対電荷比を、分子のインデックス(index of molecules)と比較する工程を含み、
前記インデックスが、
(i) 掲載された(indexed)各分子の個性(identity);
(ii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された第1の物理化学的性質;および
(iii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された、正確な質量または質量対電荷比を含む、請求項31〜67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記第1の分子がペプチドを含み、かつ、前記分子のインデックスがペプチドのインデックスを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ペプチドのインデックスは、1またはそれ以上のタンパク質が、どのようにして断片化または消化され、複数のペプチドを生じることが可能であるかを決定することにより生成されたものである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記第1の分子がペプチドを含み、かつ、前記分子のインデックスがタンパク質のインデックスを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記第1の分子を、
(i) 前記第1の分子の、決定した質量対電荷比を、掲載された分子の質量または質量対電荷比と比較した際の近似性; および/または
(ii) 前記第1の分子の、前記第1の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第1の物性値と比較した際の近似性; および/または
(iii) 前記第1の分子の、第2の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第2の物性値と比較した際の近似性; および/または
(iv) 前記第1の分子の、第3の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第3の物性値と比較した際の近似性; および/または
(v) 前記第1の分子の、第4の物理化学的性質を、掲載された分子における前記第4の物性値と比較した際の近似性; および/または
(vi) 前記第1の分子の、第5のもしくはさらなる物理化学的性質を、掲載された分子における前記第5のもしくはさらなる物性値と比較した際の近似性に基づき同定する、請求項68〜71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記第1の分子を同定する前記工程が、前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を分子のインデックスから計算する工程を含み、
前記インデックスが、
(i) 掲載された各分子の個性; および
(ii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された、正確な質量または質量対電荷比を含む、請求項31〜72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記インデックスが、(i)タンパク質もしくはプロテオーム(proteome)のシーケンスデータベース; (ii) 発現シーケンスタグ (Expressed Sequence Tag)(EST)のデータベース; または (iii) 遺伝子もしくはゲノムのデータベースを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
生物由来分子をマススペクトル測定により同定するために使用するインデックスを生成させる方法であり、
生物由来分子の質量または質量対電荷比を正確に決定する工程、
前記生物由来分子における、質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を決定する工程、および
任意に、前記生物由来分子における第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を決定する工程を含む方法。
【請求項76】
生物由来分子をマススペクトル測定により同定するために使用するインデックスを生成させる方法であり、
ポリペプチドまたはタンパク質の消化または断片化により生じるペプチドを含む分子の質量または質量対電荷比を正確に決定する工程、
前記ペプチドを含む分子における、質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を決定する工程、および
任意に、前記ペプチドを含む分子における第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を決定する工程を含む方法。
【請求項77】
生物由来分子をマススペクトル測定により同定するために使用するインデックスを生成させる方法であり、
ポリペプチドまたはタンパク質の消化または断片化により生じるペプチドを含む分子の質量または質量対電荷比を正確に決定する工程、
前記ペプチドが由来する1またはそれ以上のタンパク質における、質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を決定する工程、および
任意に、前記タンパク質における第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を決定する工程を含む方法。
【請求項78】
前記分子における前記質量対電荷比を、20 ppm, 19 ppm, 18 ppm, 17 ppm, 16 ppm, 15 ppm, 14 ppm, 13 ppm, 12 ppm, 11 ppm, 10 ppm, 9 ppm, 8 ppm, 7 ppm, 6 ppm, 5 ppm, 4ppm, 3 ppm, 2 ppm, 1 ppm または <1 ppmまでの範囲で決定する、請求項75、76または77に記載の方法。
【請求項79】
前記分子における前記質量対電荷比を、15-20 ppm, 10-15 ppm, 5-10 ppm または 1-5 ppmまでの範囲で決定する、請求項75〜78のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記分子における前記質量対電荷比を、0.01 マスユニット, 0.009 マスユニット, 0.008マスユニット, 0.007 マスユニット, 0.006 マスユニット, 0.005 マスユニット, 0.004マスユニット, 0.003 マスユニット, 0.002 マスユニット, 0.001 マスユニット または<0.001 マスユニットまでの範囲で決定する、請求項75〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質が、(i) 溶出時間(elution time)、疎水性、親水性、移動時間(migration time)、またはクロマトグラフィー保持時間(chromatographic retention time); (ii) 溶解度; (iii) 分子体積またはサイズ; (iv) 正味電荷(net charge)、荷電状態(charge state)、イオン電荷または複合的な実測荷電状態; (v) 等電点(pI); (vi) 解離定数(pKa); (vii) 抗体親和力; (viii) 電気泳動移動度; (ix) イオン化ポテンシャル; (x) 双極子モーメント; (xi) 水素結合可能性(hydrogen-bonding capability) または水素結合能力(hydrogen-bonding capacity); および (xii) 気相中におけるイオン移動度(ion mobility)からなる群から選択される、請求項75〜80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
比較的低い(lower)閾値以下に質量または質量対電荷比を有する分子に対し、相対的に低い優先順位を割り当てる工程をさらに含む、請求項75〜81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記比較的低い閾値が、(i) <500 ダルトン; (ii) 500-1000 ダルトン; (iii) 1000-1500 ダルトン; (iv) 1500-2000 ダルトン; (v) 2000-2500 ダルトン; (vi) 2500-3000 ダルトン; および (vii) 3000-3500 ダルトンの範囲である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記比較的低い閾値が、6, 7, 8, 9, 10, 11 または 12よりも少ないアミノ酸を有するペプチドにおける質量または質量対電荷比に相当する、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
比較的高い(upper)閾値以上に質量または質量対電荷比を有する分子に対し、相対的に低い優先順位を割り当てる工程をさらに含む、請求項82、83または84に記載の方法。
【請求項86】
前記比較的高い閾値が、(i) 5000-5500 ダルトン; (ii) 5500-6000 ダルトン; (iii) 6000-6500 ダルトン; (iv) 6500-7000 ダルトン; (v) 7000-7500 ダルトン; (vi) 7500-8000ダルトン; (vii) 8000-8500 ダルトン; (viii) 8500-9000 ダルトン; (ix) 9000-9500 ダルトン; (x) 9500-10000 ダルトン; (xi) 10000-10500 ダルトン; (xii) 10500-11000 ダルトン; (xiii) 11000-11500 ダルトン; (xiv) 11500-12000 ダルトン; (xv) 12000-12500 ダルトン; (xvi) 12500-13000 ダルトン; (xvii) 13000-13500 ダルトン; (xviii) 13500-14000 ダルトン; (xix) 14000-14500 ダルトン; (xx) 14500-15000 ダルトン; (xxi) 15000-15500; (xxii) 15500-16000; (xxiii) 16000-16500; および (xiv) >16500 ダルトンの範囲である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のおよびさらなる物理化学的性質を計算する工程をさらに含む、請求項75〜86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
質量分析計であって、
前記第1の分子における質量対電荷比を正確に決定する質量分析装置(mass analyser)を含み、
使用において、少なくとも、前記第1の分子における質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定し、そして、任意に、第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を測定し、
かつ、前記質量分析計は、少なくとも、前記第1の分子における前記第1の物理化学的性質および前記正確に決定した質量対電荷比に基づき、そして、任意に、前記第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質に基づき、前記第1の分子を同定する手段をさらに含む、
質量分析計。
【請求項89】
前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質は、(i) 液体クロマトグラフィーもしくは高速液体クロマトグラフィー("HPLC")カラム; (ii) 逆相高速液体クロマトグラフィーカラム; (iii) 超高圧液体クロマトグラフィーカラム; (iv) サイズ排除クロマトグラフィーカラム; (v) アフィニティークロマトグラフィーカラム; (vi) キャピラリー電気泳動("CE")カラム; (vii) イオンクロマトグラフィーカラム; (viii) 1次元もしくは多次元電気泳動デバイス; または (ix) ガスを含むドリフトチューブを用いて測定される、請求項88に記載の質量分析計。
【請求項90】
前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質は、前記第1の分子のマススペクトルから計る、請求項88または89に記載の質量分析計。
【請求項91】
前記物理化学的性質が、正味電荷(net charge)、荷電状態(charge state)、イオン電荷または複合的な実測荷電状態を含む、請求項90に記載の質量分析計。
【請求項92】
前記第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質が、(i) 溶出時間(elution time)、疎水性、親水性、移動時間(migration time)、またはクロマトグラフィー保持時間(chromatographic retention time); (ii) 溶解度; (iii) 分子体積またはサイズ; (iv) 正味電荷(net charge)、荷電状態(charge state)、イオン電荷または複合的な実測荷電状態; (v) 等電点(pI); (vi) 解離定数(pKa); (vii) 抗体親和力; (viii) 電気泳動移動度; (ix) イオン化ポテンシャル; (x) 双極子モーメント; (xi) 水素結合可能性(hydrogen-bonding capability) または水素結合能力(hydrogen-bonding capacity); および (xii) 気相中におけるイオン移動度(ion mobility)からなる群から選択される、請求項88〜91のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項93】
前記第1の分子における質量対電荷比を、20 ppm, 19 ppm, 18 ppm, 17 ppm, 16 ppm, 15ppm, 14 ppm, 13 ppm, 12 ppm, 11 ppm, 10 ppm, 9 ppm, 8 ppm, 7 ppm, 6 ppm, 5 ppm,4 ppm, 3 ppm, 2 ppm, 1 ppm または <1 ppmまでの範囲で決定する、請求項88〜92のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項94】
前記第1の分子における質量対電荷比を、15-20 ppm, 10-15 ppm, 5-10 ppm または 1-5 ppmまでの範囲で決定する、請求項88〜93のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項95】
前記第1の分子における質量対電荷比を、0.01 マスユニット, 0.009 マスユニット, 0.008 マスユニット, 0.007 マスユニット, 0.006 マスユニット, 0.005 マスユニット, 0.004 マスユニット, 0.003 マスユニット, 0.002 マスユニット, 0.001 マスユニット または <0.001 マスユニットまでの範囲で決定する、請求項88〜94のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項96】
前記質量分析計が、(i) フーリエ変換("FT")質量分析計; (ii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴("FTICR")質量分析計; (iii) 飛行時間("TOF")質量分析計; (iv) 直交加速式(orthogonal acceleration)飛行時間("oaTOF") 質量分析計; (v)磁気セクタ質量分析計; (vi) 四重極質量分析装置(quadrupole mass analyser); (vii) イオントラップ質量分析装置; および(viii)フーリエ変換オービトラップ(orbitrap)、静電気的イオンサイクロトロン共鳴質量分析計または静電気的フーリエ変換質量分析計を含む群から選択される、請求項88〜95のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項97】
主として分子イオンまたは擬分子イオン(molecular or pseudo-molecular ions)を生成するイオン源をさらに含む、請求項88〜96のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項98】
前記イオン源が、大気圧イオン化源(atmospheric pressure ionization source)を含む、請求項88〜97のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項99】
前記イオン源が、(i) 電子スプレーイオン化(Electrospray ionisation) ("ESI")イオン源; (ii) 大気圧化学イオン化(Atmospheric Pressure Chemical Ionisation) ("APCI") イオン源; (iii) 大気圧光イオン化(Atmospheric Pressure Photo Ionisation) ("APPI")イオン源; および (iv) 大気圧マトリクス補助レーザー脱着イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation) ("MALDI")イオン源からなる群から選択される、請求項98に記載の質量分析計。
【請求項100】
前記イオン源が非大気圧イオン化源(non-atmospheric pressure ionization source)を含む、請求項88〜97のいずれかに記載の質量分析計。
【請求項101】
前記イオン源が、(i) 高速原子衝突 ("FAB") イオン源; (ii) 液体二次イオン質量分析(Liquid Secondary Ions Mass Spectrometry) ("LSIMS") イオン源; (iii) マトリクス補助レーザー脱着イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation) ("MALDI") イオン源; (iv) マトリクス補助レーザー脱着イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption)("MALDI")イオン源と、衝突冷却イオン(collisionally cooling ions)のための衝突セルとの組み合わせ; および (v) レーザー脱着イオン化(Laser Desorption Ionisation) ("LDI") イオン源からなる群から選択される、請求項100に記載の質量分析計。
【請求項102】
質量分析計であって、
前記質量分析計により分析される第1の分子を同定するための同定手段を含み、前記同定手段は、使用時に分子のインデックスを参照し、
前記インデックスが、
(i) 掲載された(indexed)各分子の個性(identity);
(ii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された第1の物理化学的性質;
(iii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された、正確な質量または質量対電荷比; および
(iv) 任意に、掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された、第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を含む、
質量分析計。
【請求項103】
前記インデックスが、少なくとも部分的に、前記質量分析計により保存されもしくは生成され、および/または、前記インデックスが、少なくとも部分的に、遠隔的に、好ましくはインターネットにより、保存されもしくは生成される、請求項102に記載の質量分析計。
【請求項104】
質量分析計であって、
前記質量分析計により分析される第1の分子を同定するための同定手段を含み、前記同定手段は、使用時に分子のインデックスを参照し、
前記インデックスが、
(i) 掲載された(indexed)各分子の個性(identity);および
(ii) 掲載された各分子の、実験的に決定されたまたは予想された質量または質量対電荷比を含み、
かつ、前記同定手段は、前記インデックス中における前記分子の、質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質をさらに決定し、そして、任意に、前記インデックス中における前記分子の、第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質ををさらに決定する、
質量分析計。
【請求項105】
前記インデックスが、(i)タンパク質またはプロテオーム(proteome)のシーケンスデータベース; (ii) 発現シーケンスタグ (Expressed Sequence Tag)(EST)のデータベース; または (iii) 遺伝子もしくはゲノムのデータベースを含む、請求項104に記載の質量分析計。
【請求項106】
タンパク質混合物を準備する工程、
少なくとも前記タンパク質のうちいくつかに由来するペプチド混合物を準備する工程、
前記タンパク混合物中における少なくとも1つのタンパク質および/または前記ペプチド混合物中におけるペプチドを含む第1の分子の、質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質を測定する工程、
任意に、前記タンパク混合物中における少なくとも1つのタンパク質および/または前記ペプチド混合物中における前記ペプチドを含む第1の分子の、質量または質量対電荷比以外の第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質を測定する工程、
前記ペプチドを含む第1の分子の質量対電荷比を正確に決定する工程、および
前記ペプチドを含む第1の分子を、少なくとも、前記測定した、前記タンパク混合物中における少なくとも1つのタンパク質および/または前記ペプチド混合物中におけるペプチドを含む第1の分子の質量または質量対電荷比以外の第1の物理化学的性質、ならびに前記正確に決定した前記第1のペプチドの質量対電荷比に基づき、ならびに任意に前記第2のおよび/または第3のおよび/または第4のおよび/または第5のもしくはさらなる物理化学的性質に基づき同定する工程を含む、
マススペクトル測定方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図9J】
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【図9K】
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【図9L】
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【図9M】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−76403(P2008−76403A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265544(P2007−265544)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【分割の表示】特願2003−555211(P2003−555211)の分割
【原出願日】平成14年12月9日(2002.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(504142097)マイクロマス ユーケー リミテッド (57)
【Fターム(参考)】