説明

マッサージにおける芍薬エキスの使用方法および芍薬オイル

【課題】
マッサージの際に、植物たる芍薬から抽出したエキスを同マッサージに効果的に用いることができる芍薬エキスの使用方法、および、この芍薬エキスを主成分としてなるマッサージに適した芍薬オイルを提供する。
【解決手段】
マッサージを行う際、例えば、被マッサージ者の皮膚を骨格に沿ってマッサージを行う際に、芍薬エキスを、被マッサージ者の被マッサージ部位に塗布する。
また、芍薬オイルは、25グラム〜35グラムの乾燥した芍薬の根を、170ミリリットル〜190ミリリットルのホホバの種より採取したホホバオイルに浸漬させ、このホホバオイルを所定の時間湯煎にかけて芍薬に含有するエキスをホホバオイル内に抽出して得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージの際に用いる美容液たる芍薬から抽出した芍薬エキスの使用方法、および、この芍薬エキスを主成分とする芍薬オイルに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、日々のストレスにより疲れた身体を癒すためにマッサージを受ける人が年々増加しており、この傾向は、男女を問わず増えている。
【0003】
マッサージは、脳と繋がる皮膚の感覚神経に心地よい刺激や適度な強さの刺激を与えるように行われ、特に、美容に係るマッサージなどでは身体の被マッサージ部位に美容液を塗って行っていることが多く、また美容液も、所定の植物から抽出した成分を主原料とする安全性を優先したものが多く用いられている。
【0004】
したがって、美容液を塗ってマッサージすることにより、美容液に含まれる成分がマッサージ効果を高める働きをし、また、マッサージを受けている人は美容液に含まれる成分によってマッサージをより気持ちよく感じることができ、さらには、皮膚に浸透する美容液の成分がマッサージを受けている人の疲労回復を促進させている。
【0005】
また、美容液が塗られる皮膚については、最近、免疫に重要な役割を担っていることが分かり始めており、この一例としては、背中をマッサージすることによって身体の免疫力が上昇するとの臨床報告もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−37774号公報(第1〜9頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、マッサージの際に、植物たる芍薬から抽出したエキスを同マッサージに効果的に用いることができる芍薬エキスの使用方法、および、この芍薬エキスを主成分としてなるマッサージに適した芍薬オイルを提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係るマッサージにおける芍薬エキスの使用方法は、美容に係るマッサージを行う際に用いるものであって、被マッサージ者の皮膚を骨格に沿ってマッサージする際に、被マッサージ部位に芍薬エキスを適量塗布するものとしてある。
【0009】
また、マッサージ者によって美容に係るマッサージを行う際に用いる芍薬エキスの使用方法であって、被マッサージ者の筋肉を弛みの方向と反対に向かってマッサージする際に、被マッサージ部位に芍薬エキスを適量塗布するものとしてある。
【0010】
また、マッサージ者によって美容に係るマッサージを行う際に用いる芍薬エキスの使用方法であって、被マッサージ者の皮膚を内方に向かって押圧する際に、被押圧部位に芍薬エキスを適量塗布するものとしてある。
【0011】
そして、本発明に係る芍薬オイルは、芍薬を、ホホバより採取したホホバオイルに浸漬させ、このホホバオイルを所定の時間湯煎にかけて芍薬に含有するエキスをホホバオイル内に抽出するものとしてある。
【0012】
また、前記芍薬25グラム〜35グラムに対しホホバオイル170ミリリットル〜190ミリリットルの比率とするものとしてある。
【0013】
また、前記芍薬は、乾燥した芍薬を用いるものとしてある。
【0014】
また、前記芍薬は、特定の部位だけを用いるものとしてあり、その部位を、芍薬の根の部分としたものとしてある。
【0015】
また、前記ホホバオイルは、ホホバの種より採取するものとしてある。
【0016】
また、前記ホホバオイルに、薬効成分を含有する植物の成分を加えたものとしてある。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る芍薬エキスの使用方法によれば、芍薬エキスが被マッサージ者における被マッサージ部位や被押圧部位の皮膚から体内に浸透するとともに、マッサージ者によるマッサージによって皮膚の活性が促進されるので、芍薬エキスに含有する成分がスムースに身体に補給される。
【0018】
また、本発明の芍薬オイルによれば、芍薬エキスを抽出させるためのホホバオイルの分子構造が人間の皮膚や筋肉の分子構造に似ているので、被マッサージ者の皮膚に塗布した芍薬エキスを含有するホホバオイルすなわち芍薬オイルが被マッサージ者の皮膚からスムースに体内へ浸透し、芍薬エキスに含有する成分を無駄なく身体に補給できる。
【0019】
また、芍薬オイルに、例えばローズマリーやラベンダ等の薬効成分を含有する植物の成分を加えることにより、被マッサージ者への薬効効果をより高にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るマッサージにおける芍薬エキスの使用方法および芍薬オイルを説明する。
【0021】
本芍薬エキスの使用方法は、マッサージ者によって美容に係るマッサージを行う際に用いる。
【0022】
芍薬エキスを使用する際のマッサージ形態は、特に図には示していないが、被マッサージ者の皮膚を骨格に沿ってマッサージするマッサージ形態、また、被マッサージ者の筋肉を弛みの方向と反対に向かってマッサージするマッサージ形態、また、被マッサージ者の皮膚を内方に向かって押圧するマッサージ形態の時に適している。
【0023】
そして、上述する各マッサージ形態の時に、芍薬エキスを被マッサージ者の被マッサージ部位や被押圧部位に塗布することにより、芍薬エキスが、マッサージ者の手や指によって被マッサージ者の皮膚に刷り込まれて同皮膚内に浸透する。
【0024】
芍薬エキスは、ホホバの種より採取したホホバオイル内に抽出していて、この抽出に際し芍薬とホホバオイルの適する量の比率は、芍薬30グラムに対しホホバオイル180ミリリットの比率で行っている。
【0025】
また、芍薬は、乾燥した芍薬の根の部分を用いて、この根の部分からエキスを抽出している。
【0026】
そして、ホホバオイルには、必要に応じて薬効成分を含有する植物の成分を加える場合がある。
【0027】
この薬効成分を含有する植物としては、ローズマリー、レモン、ラベンダ、フェンネル、ゼラニウム、ジャニバーベリー、ジンジャー、ベルガモット、スイートオレンジ、ティートゥリー、サイプレス、フランキンセンス、グレープフルーツ、ペパーミント等である。
【0028】
また、これら植物の成分を適宜に組み合わせて加えた芍薬オイルを複数用意して、被マッサージ者に対しマッサージを行う際に、同被マッサージ者の体質により適する成分を含有する芍薬オイルを使用できるようにする場合がある。
【実施例】
【0029】
以下の表1に、本発明に係る芍薬オイルを用いて行ったマッサージの結果を示す。
【表1】


評価基準 A:20以上
B:10以上20未満
C:0以上10未満
D:0未満

両足の接地面積を比較したフットルック測定結果は、ケア後に接地面積が大きくなった被験者が12名(A:6名、B:4名、C:2名)であったのに対し、効果の出なかったDは3名と少なく、芍薬オイルを用いたマッサージの効果は十分に得られた。
【表2】


評価基準 A:20以上
B:10以上20未満
C:0以上10未満
D:−10以上0未満
E:−10未満

インナーバランスの測定結果は、くつろぎ度と活性化度の良くなった被験者(測定値がケア前より下がった被験者)が4名(A:2名、B:1名、C:1名)であったのに対し、効果の出なかった被験者(測定値がケア前より上がった被験者、D)は2名と少なく、芍薬オイルを用いたマッサージの効果は十分に得られた。
【0030】
以下の表3に、本発明に係る芍薬オイルを用いて行ったマッサージのアンケート結果(12名)を示す。

【表3】


表3の結果より、オイルの香りは使用者全員が心地よいと感じ、オイルの使用感(温かさ、触感)に対しても使用者の92%が心地よいと感じ、使用者全員が心地よいあるいは良いと感じた。
オイルの効果感も、被施術者の50%、施術者自身の76%が心地良いと感じ、使用者全員が心地よいあるいは良いと感じた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
美容に係るマッサージを行う際に用いる芍薬エキスの使用方法であって、被マッサージ者の皮膚を骨格に沿ってマッサージする際に、被マッサージ部位に芍薬エキスを適量塗布してなるマッサージにおける芍薬エキスの使用方法。
【請求項2】
マッサージ者によって美容に係るマッサージを行う際に用いる芍薬エキスの使用方法であって、被マッサージ者の筋肉を弛みの方向と反対に向かってマッサージする際に、被マッサージ部位に芍薬エキスを適量塗布してなるマッサージにおける芍薬エキスの使用方法。
【請求項3】
マッサージ者によって美容に係るマッサージを行う際に用いる芍薬エキスの使用方法であって、被マッサージ者の皮膚を内方に向かって押圧する際に、被押圧部位に芍薬エキスを適量塗布してなるマッサージにおける芍薬エキスの使用方法。
【請求項4】
芍薬を、ホホバより採取したホホバオイルに浸漬させ、このホホバオイルを所定の時間湯煎にかけて芍薬に含有するエキスをホホバオイル内に抽出してなる芍薬オイル。
【請求項5】
前記芍薬25グラム〜35グラムに対しホホバオイル170ミリリットル〜190ミリリットルの比率とする請求項4に記載の芍薬オイル。
【請求項6】
前記芍薬は、乾燥した芍薬を用いてなる請求項4に記載の芍薬オイル。
【請求項7】
前記芍薬は、特定の部位だけを用いてなる請求項4に記載の芍薬オイル。
【請求項8】
前記部位は、芍薬の根の部分である請求項7に記載の芍薬オイル。
【請求項9】
前記ホホバオイルは、ホホバの種より採取してなる請求項4に記載の芍薬オイル。
【請求項10】
前記ホホバオイルに、薬効成分を含有する植物の成分を加えてなる請求項4に記載の芍薬オイル。

【公開番号】特開2012−144497(P2012−144497A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5058(P2011−5058)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(507238894)株式会社アンジェラックスプランニング (1)
【Fターム(参考)】