説明

マッサージユニット及びこれを備えたマッサージ機

【課題】コンパクト化が可能となるマッサージユニットを提供する。
【解決手段】施療子3,4が取り付けられたアーム11,12と、回転することによって前記アーム11,12に左右方向の成分を有する揉み動作を生じさせる揉み軸13,14と、この揉み軸13,14を回転させる揉み駆動部15と、前記揉み軸13,14の軸方向を縦向きとして当該揉み軸13,14を回転可能に支持している本体部材16とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使用者に対してマッサージ動作を行うマッサージユニット及びこれを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ機として知られているものに、使用者に対して、施療子により揉みや叩きによるマッサージ動作を行うマッサージユニットを備えたものがある。例えば、椅子型のマッサージ機の場合、マッサージユニットは背凭れ部に昇降可能として設けられている(特許文献1参照)。このマッサージユニットは、施療子を端部にそれぞれ取り付けた左右一対のアームと、これらアームにマッサージ動作として揉み動作を生じさせる単一の揉み軸と、この揉み軸を回転させるモータを有する揉み駆動部とを有している。
背凭れ部において、施療子は左右にそれぞれ配設されており、この施療子の左右位置に軸端部の位置を合わせるように、揉み軸が左右方向を軸方向(長手方向)として設けられている。これにより、揉み軸の両軸端部に、施療子を有したアームを取り付けることができる。そして、この揉み軸が回転することにより、左右のアームが左右方向成分を有した揉み動作を行い、施療子により左右方向成分を有した動作が行われる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−16428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマッサージユニットにおいて、左右の施療子が左右方向の成分を有する動作を行うために、揉み軸は左右方向を軸方向として左右方向に長くなるように設けられている。このため、このマッサージユニットは、左右方向に大きく(長く)なっている。
そこで、この発明は、コンパクト化が可能となるマッサージユニット及びこれを備えたマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のマッサージユニットは、施療子が取り付けられたアームと、回転することによって前記アームに左右方向の成分を有する揉み動作を生じさせる揉み軸と、前記揉み軸を回転させる揉み駆動部と、前記揉み軸の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとして当該揉み軸を回転可能に支持している本体部材とを有しているものである。
このマッサージユニットによれば、左右方向の成分を有する揉み動作をアームに行わせるために、揉み軸の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとしている。このため、マッサージユニットが左右方向に長くなることを抑えることができ、マッサージユニットのコンパクト化が可能となる。また、この発明のマッサージユニットが、使用者の身体(身体の一部)を支持する一方向に延びて形成された身体支持体に設けられる場合において、前記縦向きとは、身体支持体の厚さ方向に直交する方向であって、身体支持体の前記一方向の一端部から他端部側へと向かう方向である。そして、前記斜め縦向きとは、身体支持体の厚さ方向に直交する方向であって、前記縦向きに対して45°以内で傾斜している範囲である。
【0006】
また、この発明のマッサージ機は、座部と、背凭れ部と、を備え、背凭れ部に前記マッサージユニットが設けられているものである。つまり、前記身体支持体としては、座部、背凭れ部の他に、フットレストや肘掛け部があるが、この場合、前記身体支持体を背凭れ部としている場合である。
このマッサージ機によれば、前記マッサージユニットが左右方向に長くなることを抑えることができる。また、使用者が背凭れ部に凭れると、使用者の体重によって背凭れ部の前後方向の力が施療子を介してマッサージユニットに作用する。そして、前記揉み軸の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとしているため、前後方向の前記力は、揉み軸に径方向の力として作用する。このため、前記本体部材はラジアル軸受を有する構成とすることができる。一般的なラジアル軸受に見られるように、これは小型でありながら大きな径方向の力を許容するため、軸受部を小さくすることができ、本体部材を小さくでき、マッサージユニットをコンパクトにすることができる。なお、前記ラジアル軸受としては、スライド軸受及び転がり軸受を採用することができる。また、背凭れ部に設けられたマッサージユニットにおいて、前記縦向きとは、背凭れ部の前後方向(厚さ方向)に直交する方向であって、背凭れ部の下部(基部)から上部(先部)へと向かう方向である。そして、前記斜め縦向きとは、背凭れ部の前後方向に直交する方向であって、前記縦向きに対して45°以内で傾斜している範囲である。
【0007】
また、前記マッサージユニットは、左右に複数設けられている構成が好ましい。このように、背凭れ部において、左右に複数のマッサージユニットを設けても、前記のとおりマッサージユニットは左右方向に長くなることを抑えることができるため、背凭れ部全体の左右幅が大きくなってしまうことを防止することができる。
【0008】
また、前記マッサージユニットは、前記アームとして、施療子がそれぞれ取り付けられた第1アーム及び第2アームを有し、前記揉み軸として、第1揉み軸及び第2揉み軸を有し、前記揉み駆動部は、前記第1揉み軸を回転させることで前記第1アームに揉み動作を生じさせ、前記第2揉み軸を回転させることで前記第2アームに揉み動作を生じさせる構成とすることができる。
この構成によれば、使用者が第1アームの施療子及び第2アームの施療子に体重をかけた状態(背凭れ部に凭れかかった状態)で、第1揉み軸側と第2揉み軸側とに荷重が分担されるため、各揉み軸の負担を軽減することができる。これにより、各揉み軸を小さくすることができる。
【0009】
また、このマッサージユニットにおいて、前記揉み駆動部は、モータと、このモータによって回転する主歯車と、前記第1揉み軸に回転トルクを与える第1副歯車と、前記第2揉み軸に回転トルクを与える第2副歯車とを有し、前記第1副歯車が前記主歯車に噛み合っているとともに、この主歯車に前記第2副歯車が噛み合っているのが好ましい。
この構成によれば、第1副歯車と第2副歯車とがそれぞれ独立して主歯車に噛み合っていることから、主歯車と第1、第2揉み軸との間の動力伝達において、第1、第2副歯車におけるそれぞれの負担を軽減することができる。これにより、両副歯車を小さくすることができる。つまり、仮に主歯車に一方の副歯車が噛合い、この一方の副歯車に他方の副歯車に噛み合っている場合、一方の副歯車には、両方の揉み軸のための負荷が作用してしまうが、前記構成によればこれを防止することができる。
【0010】
また、前記マッサージユニットにおいて、前記アームと前記揉み軸とは、当該揉み軸の両端部に設けられた動力伝達部材を介して繋がっているのが好ましい。
この構成によれば、揉み軸からアームに与える力及びその反力を、揉み軸の両端部で支持(2点支持)することができる。
【0011】
また、前記マッサージユニットは、前記揉み軸に平行な軸線を有し前記アームの揉み動作の支点となる支軸と、この支軸が取り付けられ左右方向に変位する位置変化部材とを有しているのが好ましい。
この構成によれば、位置変化部材が左右方向に変位すると、支軸が左右方向に変位する。これにより揉み動作の支点が左右方向に変化し、施療子の位置(動作する施療子の軌跡)を変えることができる。
【0012】
また、前記マッサージユニットは、前記揉み軸に偏心して設けられ当該揉み軸の回転により偏心回転する偏心軸部と、前記施療子が先部に取り付けられた前記アームの基部を揺動自在に取り付けている球面座部と、前記偏心軸部に一部が取り付けられ当該偏心軸部の偏心回転によって前記揉み軸の軸線に直交する直交平面上を偏心回転するとともに、前記直交平面に対して前記アームを傾動自在として当該アームの中間部を他部において取り付けている取り付け部材とを有しているのが好ましい。
この構成によれば、偏心軸部が偏心回転して取り付け部材が偏心回転すると、アームはその基部の球面座部を支点として揉み動作を行うことができる。
【0013】
また、前記マッサージユニットは、前後方向に出退可能に設けられ、この出退動作により前記アームを前後動させる叩き部材と、この叩き部材を出退させる叩き駆動部とを備えているのが好ましい。
この構成によれば、叩き駆動部が叩き部材を前後方向に出退させると、アームを前後動させることができ、施療子によって叩き動作を行うことができる。
また、このマッサージユニットにおいて、前記揉み軸の軸線に直交する直交平面に対して前記アームを傾動自在として当該アームの中間部を取り付けている取り付け部材を有し、前記叩き部材は、前記施療子が先部に取り付けられた前記アームの基部に取り付けられているのが好ましい。
この構成によれば、叩き部材が前後方向に出退すると、アームの基部を前後動させ、これによりアームの中間部を支点として当該アームの先部を前後動させることができ、叩き動作が可能となる。
【0014】
また、前記マッサージユニットにおいて、前記本体部材及び前記揉み駆動部を有しているマッサージ機構部を、前後方向に直交する軸線回りに回動可能として取り付けている取付フレームを有しているのが好ましい。
この構成によれば、マッサージ機構部を、前後方向に直交する軸線回りに回動させ、使用者に当てる施療子の姿勢を変更することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、揉み軸の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとしているため、マッサージユニットが左右方向に長くなることを抑えることができ、コンパクト化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔マッサージ機の全体構成〕
図1はこの発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。このマッサージ機は、使用者の身体を支持する身体支持体として、使用者が凭れる背凭れ部41と、使用者を着座させて支持する座部42と、脚を載せて支持するフットレスト43とを備えており、椅子型である。なお、背凭れ部41、座部42及びフットレスト43には、マット部材とカバー部材が設けられるが、図1ではこれを省略している。
【0017】
背もたれ部41に、左右一対のマッサージユニット44a,44bが設けられている。マッサージユニット44a,44bのそれぞれは、昇降フレーム(昇降体)8と、マッサージ機構部1とを備えており、一つの昇降フレーム8に一つのマッサージ機構部1が搭載されている。マッサージ機構部1において、使用者の身体側に施療子3,4が設けられており、これら施療子3,4が動作することにより、使用者の身体(被施療部)に対してマッサージを施すことができる。なお、座部42、フットレスト43についても、使用者に対してマッサージを行うことができる別のマッサージ機構部(図示せず)が設けられている。
【0018】
背もたれ部41は、上下方向に伸びる四列のガイドレール2が設けられており、これらガイドレール2により、左右一対のガイド通路45a,45bが形成される。中央にある二列のガイドレール2は背中合わせとして設けられており、この中央のガイドレール2は背凭れ部41の左右方向の中心に位置する。ガイド通路45a,45bは、左右方向に振り分けられかつ背もたれ部41の上下方向に沿って直線的に延びるようにして形成されている。そして、左側のガイド通路45aに一つのマッサージユニット44aが設けられており、右側のガイド通路45bに一つのマッサージユニット44bが設けられている。そして、マッサージユニット44a,44bがそれぞれ備えている(後述の)昇降用動力部37によって、左側のガイド通路45aに沿って左側のマッサージユニット44aが上下に昇降し、この左側のマッサージユニット44aとは独立して、右側のガイド通路45bに沿って右側のマッサージユニット44bが上下に昇降する。
【0019】
〔マッサージ機構部1及びマッサージユニット44a,44b〕
左側のマッサージユニット44aと右側のマッサージユニット44bとは中央のガイドレール2を挟んで左右対称の構成であり、マッサージ機構部1の構成は、両マッサージユニット44a,44bにおいて同じである。図2はマッサージユニットの斜視図であり、左側のマッサージユニット44aである。図3はマッサージ機構部1の斜視図である。以下において、左側のマッサージユニット44aを代表として説明するが、右側のものも同様の構成である。
【0020】
図3において、マッサージ機構部1は、先部11aに第1施療子3が取り付けられた第1アーム11と、先部12aに別の第2施療子4が取り付けられた第2アーム12とを有している。施療子3,4はゴム製や樹脂製等のモミ玉(ローラ)であり、先部11a,12aにおいてそれぞれ回転自在として取り付けられている。
【0021】
図1及び図2のマッサージ機及びマッサージユニット44aにおいて、施療子3,4が設けられている側(図2では左側)が使用者側である前方となり、その反対側(図2では右側)が後方となる。また、右側とは、背凭れ部41に凭れて座った使用者の右側であり、左側とは、この使用者の左側である。また、背凭れ部41において下側とは座部42側であり、上側とは使用者の頭部乃至首部を支持する側である先端部側である。マッサージユニット44aが背凭れ部41のガイドレール2に沿って移動する方向が昇降方向であり、これが上下方向となる。また、図3に示した状態のマッサージ機構部1において、図の左側に第1施療子3、右側に第2施療子4が配置されており、この左右方向がマッサージ機構部1の幅方向となる。
【0022】
〔揉み動作機構について〕
図3において、マッサージ機構部1は、第1施療子3が取り付けられた板状の第1アーム11と、第2施療子4が取り付けられた板状の第2アーム12と、第1揉み軸13と、第2揉み軸14と、これら第1と第2揉み軸13,14とを収容しかつそれぞれを回転可能に支持している本体部材(ハウジング)16と、第1と第2揉み軸13,14をそれぞれ回転させる揉み駆動部15とを有している。
図4と図5はマッサージ機構部1の平面図であり、図6と図7はその正面図であり、図8は下面図である。図4と図6は、施療子3,4による後述の揉み動作において、両施療子3,4が接近した状態であり、図5と図7は、両施療子3,4が離反した状態である。
【0023】
図3と図7において、マッサージ機構部1は、さらに、第1揉み軸13の両端部に当該第1揉み軸13の軸心に対して偏心してそれぞれ設けられた偏心軸部13aと、第2揉み軸14の両端部に当該第2揉み軸14の軸心に対して偏心してそれぞれ設けられ偏心軸部14aと、第1アーム11の基部11bを、接続部材21aを介して、360度揺動自在に取り付けている第1球面座部(ボールジョイント)21と、第2アーム12の基部12bを、接続部材22aを介して、360度揺動自在に取り付けている第2球面座部22と、第1揉み軸13と第1アーム11との間に介在する第1取り付け部材(動力伝達部材)19と、第2揉み軸14と第2アーム12との間に介在する第2取り付け部材(動力伝達部材)20とを有している。第1揉み軸13がその軸線回りに回転することにより、偏心軸部13aは、当該第1揉み軸13の軸線に対して偏心回転し、第2揉み軸14がその軸線回りに回転することにより、偏心軸部14aは、当該揉み軸14の軸線に対して偏心回転する。
【0024】
前記第1取り付け部材19は、第1アーム11に平行な部分を有する第1部材19aと、この平行な部分と交差(直交)する平板状の部分を有する第2部材19bとを有している。なお、後にも説明するが、この第2部材19bは、第1揉み軸13の両端側に設けられている。これと同様に、前記第2取り付け部材20は、第2アーム12に平行な部分を有する第1部材20aと、この平行な部分と交差(直交)する平板状の部分を有する第2部材20bとを有している。この第2部材20bも第2揉み軸14の両端側に設けられている。これら第2部材19b,20bは、揉み軸13,14の軸線に直交する平面上に沿って設けられている。そして、第1取り付け部材19において、第1部材19aと第2部材19bとは第1軸17aによって回動自在として取り付けられており、第2取り付け部材20においても、これと同様となっている。
【0025】
さらに、第1取り付け部材19において、第2部材19bは、第1揉み軸13の偏心軸部13aを回動自在として取り付けており、第1部材19aは、第1アーム11に第2軸17bを介して取り付けられている。そして、第1アーム11は第1部材19aに対して第2軸17bの中心線回りに回動自在となっている。また、第2取り付け部材20においても、これと同様となっている。
【0026】
さらに、図4と図8に示しているように、第1取り付け部材19の第2部材19bは、第1揉み軸13の両端側に一対が平行に設けられており、両端側の偏心軸部13aをそれぞれ取り付けている。そして、一対の第2部材19bは一つの第1部材19aと前記第1軸17aを介して連結されている。また、第2取り付け部材20についても同様である。
このように、第1アーム11と第1揉み軸13とは、当該第1揉み軸13の両端部に設けられた一対の第2部材19bを有する第1取り付け部材(動力伝達部材)19を介して繋がっており、また、第2アーム12と第2揉み軸14とは、当該第2揉み軸14の両端部に設けられた一対の第2部材20bを有する第2取り付け部材(動力伝達部材)20を介して繋がっている。これにより、第1揉み軸13から第1アーム11に与える力及びその反力を、第1揉み軸13の両端部で支持(2点支持)する構造となっている。
【0027】
また、図3において、マッサージ機構部1は、本体部材(ハウジング)16の幅方向の両側に設けられた、板状の位置変化部材23a,23bを有している。位置変化部材23a,23bのそれぞれは、第3軸17c,18cを介して本体部材16に回動可能として取り付けられている。そして、一方の位置変化部材23aと前記第1取り付け部材19(第2部材19b)との間は、第1連結部材24aによって連結されており、他方の位置変化部材23bと前記第2取り付け部材20(第2部材20b)との間は、第2連結部材24bによって連結されている。第1連結部材24aの一端部と位置変化部材23aとは第4軸17dを介して回動自在として連結されており、第1連結部材24aの他端部と第1取り付け部材19とは前記第1軸17aを介して回動自在として連結されている。また、第2連結部材24bにおいても同様に、位置変化部材23b及び第2取り付け部材20と、回動自在として連結している。第1取り付け部材19の前記第2部材19b及び第2取り付け部材20の前記第2部材20bと同様に、この第1連結部材24a及び第2連結部材24bについても、揉み軸13,14の両端側にそれぞれ設けられている。
なお、図3と図7において、前記第1軸17a,18a、第3軸17c,18c、及び、第4軸17d,18dは、揉み軸13,14の軸線に平行な中心線を有している。また、第2軸17b,18bの中心線は、揉み軸13の軸線とねじれの位置にある。
【0028】
図4と図5において、揉み駆動部15が第1揉み軸13及び第2揉み軸14をその軸線回りに回転させると、偏心軸部13a,14aは偏心回転する(図4と図5の矢印r1,r2)。これにより、第1取り付け部材19は、第1連結部材24aによって移動が所定の範囲で制限されることで、前記偏心回転によってクランク部材として偏心回転し、第1アーム11を第4軸17dの中心線を支点として揺動動作させる(図4と図5の矢印r3)。このように、第1揉み軸13の回転にしたがって第1取り付け部材19を偏心回転させると、第1アーム11に、左右方向(以下、マッサージ機構部1の幅方向又は単に幅方向という)の成分及び前後方向の成分を有する往復揉み動作を生じさせる(図4と図5の矢印r3)。また、これと同様に、第2揉み軸14の回転にしたがって第2取り付け部材20を偏心回転させると、第2アーム12に、幅方向の成分及び前後方向の成分を有する往復揉み動作を生じさせる(図4と図5の矢印r4)。そして、前記第4軸17d,18dが、第1、第2アーム11,12の揉み動作の支点となる支軸となっている。
【0029】
さらに、図6と図7とにおいて、(前記のとおり)第1アーム11はその中間部(途中部)において、第1取り付け部材19の第1部分19aに、第2軸17bを介して取り付けられており、第1アーム11は第2軸17bの中心線回りに回動可能となっている。また、第1取り付け部材19の第2部材19bには、第1揉み軸13の偏心軸部13aが回転自在に取り付けられている。すなわち、第1部分19aにおいて、揉み軸13の軸線に直交する直交平面に対して第1アーム11を傾動自在として、この第1アーム11の中間部を取り付けており、第2部分19bは、偏心軸部13aの偏心回転によって前記直交平面上を偏心回転する構成となっている。
【0030】
したがって、偏心軸部13aが偏心回転すると、前記のとおり、第1取り付け部材19(第1部材19a及び第2部材19b)も偏心回転し、第1アーム11に幅方向の成分及び前後方向の成分を有する揉み動作を生じさせる他に、この動作に伴って、第1アーム11は、その基部11bの第1球面座部21を支点とし、第2軸17bの中心線回りに往復回動する。つまり、この第1アーム11は、上下方向(昇降方向)の成分を有する動作(図6と図7の矢印r5)も伴う。これにより、第1アーム11は3次元的な揉み動作を行い、施療子3を三次元的な軌跡に沿って移動させることができる。これと同様に、この第2アーム12は、上下方向(昇降方向)の成分を有する動作(図6と図7の矢印r6)を伴い、第2アーム12においても三次元的な揉み動作を行い、施療子4を3次元的な軌跡に沿って移動させることができる。
【0031】
以上のように、揉み駆動部15が第1揉み軸13及び第2揉み軸14を回転させると、第1揉み軸13の回転にしたがって第1取り付け部材19がクランク動作を行い、第1アーム11にマッサージ機構部1の幅方向の成分を有する揉み動作を生じさせる。また、第2揉み軸14の回転にしたがって第2取り付け部材20がクランク動作を行い、第2アーム12にマッサージ機構部1の幅方向の成分を有する揉み動作を生じさせる。これにより、マッサージ動作として、対の施療子3,4が、マッサージ機構部1の幅方向に接近離反を繰り返す揉み動作が行われ、施療子3,4は挟み揉み動作を行うことができる。
【0032】
前記揉み駆動部15を具体的に説明する。図9は図4の断面図である。図4と図9において、揉み駆動部15は、モータ26と、このモータ26によって回転する単一のウォーム軸(主歯車)27と、第1揉み軸13に回転トルクを与える単一の第1ウォームホイール(第1副歯車)28と、第2揉み軸14に回転トルクを与える単一の第2ウォームホイール(第2副歯車)29とを有している。モータ26からの出力は、ベルト(図示せず)を介して、ウォーム軸27の端部に設けたプーリ27aに伝達され、ウォーム軸27が回転する。ウォーム軸27の軸線は、背凭れ部41の前後方向に向いており、この方向はマッサージ機構部1の前後方向である。
第1揉み軸13の軸方向の中間部に前記第1ウォームホイール28が一体として形成されており、第2揉み軸14の軸方向の中間部に前記第2ウォームホイール29が一体として形成されている。そして、第1ウォームホイール28がウォーム軸27に噛み合っているとともに、このウォーム軸27に第2ウォームホイール29が噛み合っている。
【0033】
そして、図3と図9のマッサージ機構部1において、本体部材(ハウジング)16は、第1揉み軸13及び第2揉み軸14をそれぞれ独立して回転可能に支持している。さらに本体部材16は、マッサージ機構部1の幅方向の成分を有する揉み動作の際に、前後方向に直交する縦向き乃至斜め縦向きを軸方向(長手方向)として第1揉み軸13及び第2揉み軸14をそれぞれ支持している。なお、図示の形態では、本体部材16は、第1揉み軸13及び第2揉み軸14を、前記幅方向及び前後方向に直交する縦向きとして支持しており、これらの軸線を平行に配置している。
つまり、第1揉み軸13と第2揉み軸14とは、マッサージ機構部1の幅方向の一方側と他方側とに存在し、ウォーム軸27(の軸線)を挟んで対称の配置(幅方向に180度離れた配置)となっている。そして、これと同様に、第1と第2のアーム11,12は、ウォーム軸27を挟んで対称の配置となっている。これにより、施療子3,4もウォーム軸27を挟んで対称の配置となる。
【0034】
このように、幅方向の成分を有する揉み動作をアーム11,12に行わせるために、揉み軸13,14の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとしているため、マッサージ機構部1が幅方向に長くなることを抑えることができ、図2のマッサージユニット44a(44b)のコンパクト化に貢献することができる。
【0035】
さらに、使用者が背凭れ部41(図1参照)に凭れると、使用者の体重によって前後方向の力が、左右それぞれの施療子3,4を介してマッサージユニット44a,44bに作用する。左右のマッサージユニット44a,44bのそれぞれにおいて、第1揉み軸13及び第2揉み軸14の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとしているため、前後方向の前記力は、これら揉み軸13,14に径方向の力(ラジアル荷重)として作用する。このため、本体部材16は、これら揉み軸13,14を支持するためにラジアル軸受(図示せず)を有した構成とすることができる。一般的なラジアル軸受に見られるように、これは小型でありながら大きな径方向の力を許容するため、その軸受部を小さくすることができ、本体部材16を小さくすることができ、マッサージ機構部1をコンパクトにすることができる。なお、前記ラジアル軸受としては、スライド軸受及び転がり軸受を採用することができる。
また、揉み軸13,14の軸方向となる前記縦向きとは、背凭れ部41の前後方向(厚さ方向)に直交する方向であって、背凭れ部41の下部から上部へ向かう方向である。そして、前記斜め縦向きとは、背凭れ部41の前後方向(厚さ方向)に直交する方向であって、前記縦向きに対して45°以内で傾斜している範囲である。
【0036】
また、図1のマッサージ機では、左右に一対のマッサージユニット44a,44bを備えており、さらに、これらユニット44a,44bのそれぞれにおいて、マッサージ機構部1は一対の揉み軸13,14を有している。したがって、マッサージ機全体では、4本の揉み軸を有し、4個の施療子を有している。このため、使用者が背凭れ部41に凭れかかり、これら施療子3,4に体重をかけた状態で、左右のマッサージユニット44a,44bに荷重が分担され、各ユニットにおいて、第1揉み軸13側と第2揉み軸14側とに荷重が分担されるため、揉み軸13,14それぞれの負担が軽減される。これにより、揉み軸13,14を小さくすることができ、マッサージ機構部1のコンパクト化に貢献することができる。
【0037】
さらに、このマッサージ機構部1において、第1ウォームホイール28と第2ウォームホイール29とがそれぞれ別に(独立して)ウォーム軸27に噛み合っていることから、ウォーム軸27と第1、第2揉み軸13,14との間の動力伝達において、第1、第2ウォームホイール28,29におけるそれぞれの負担を軽減することができる。つまり、図示しないが、仮に単一のウォーム軸に一方のウォームホイールが噛合い、この一方のウォームホイールに他方のウォームホイールに噛み合っている場合、一方のウォームホイールには、両方の揉み軸のための負荷が作用してしまうが、前記構成によればこれを防止することができる。このため、両ウォームホイール28,29(歯部)を小さくすることができ、マッサージ機構部1のさらなるコンパクト化が図れる。
【0038】
〔叩き動作機構について〕
図8において、施療子3,4にマッサージ動作として叩き動作を行わせる構成は、前後方向に出退可能に設けられ、この出退動作により第1アーム11を前後動させる第1叩き部材31と、前後方向に出退可能に設けられ、この出退動作により第2アーム12を前後動させる第2叩き部材32と、これら叩き部材31,32をそれぞれ出退させる叩き駆動部33とを有している。
叩き駆動部33は、モータ33aと、このモータ33aの回転動力によって偏心回転する動作部材33bと、本体部材16に第5軸17eを介して揺動自在に取り付けられた揺動部材33cとを有している。第5軸17eは、揉み軸13,14の軸線に平行な中心線を有している。
モータ33aが回転すると、ベルト(図示せず)を介して動力が伝わって回転軸(図示せず)が回転し、この回転軸が有している偏心軸(図示せず)によって、動作部材33bは、揉み軸13,14の軸線に平行な中心線回りに偏心回転し(クランク動作を行い)、これにより、揺動部材33cは第5軸17eの中心線を揺動中心として往復揺動を繰り返す。
【0039】
第1叩き部材31は直線状の部材であり、その前部が前記第1球面座部21に取り付けられており、第1アーム11に対して360度揺動自在となっており、その後部が前記揺動部材33cの一方の側部において回動自在として取り付けられている。第2叩き部材32の前部は前記第2球面座部22に取り付けられており、第2アーム12に対して360度揺動自在となっており、その後部が前記揺動部材33cの他方の側部において回動自在として取り付けられている。これにより、モータ33aが回転し、揺動部材33cが往復揺動を繰り返すと、その左右両側が交互に前後動し、叩き部材31,32を交互に前後移動させることができる。
【0040】
また、前記のとおり(図6と図7参照)前記第1取り付け部材19は、第2軸17bを介して、第1アーム11の中間部を取り付けており、この第1アーム11は、第1揉み軸13の軸線に直交する直交平面に対して傾動自在となっている。また、前記第1叩き部材31が、第1アーム11の基部にある第1球面座部21に取り付けられた構成となっている。そして、第2アーム12側においても同様の構成となっている。
【0041】
このため、図10と図11の叩き動作の説明図に示しているように、叩き駆動部33が左右の叩き部材31,32を交互に前後移動させると、第1アーム11の基部11b及び第2アーム12の基部12bを前後動させ、これにより第1アーム11の中間部(第2軸17bの中心線)を支点として、第1アーム11の先部11aを前後動させ、また、第2アーム12の中間部(第2軸18bの中心線)を支点として、第2アーム12の先部12aを前後動させることができ、施療子3,4による叩き動作が可能となる。なお、この叩き動作は、前後方向の成分を有して施療子3,4を動作させるものであるが、上下方向の成分も伴うものとなる。また、図10と図11に示しているように、左右の施療子3,4は交互に前後動作する。
以上のように、第1、第2叩き部材31,32の前後動作から、施療子3,4による前後方向の成分を有する叩き動作を生じさせている。このように、叩き部材31,32及び施療子3,4の動作方向は同じであることから、叩きによるマッサージ動作を行わせる構成は簡単となる。
【0042】
〔施療子3,4の間隔変更機構〕
このマッサージ機構部1は、一対の施療子3,4の間隔、つまり、第1アーム11と第2アーム12との間隔を変更する間隔変更機構を有している。図3と図9において、この間隔変更機構は、第1揉み軸13に平行な軸線を有し第1アーム11の揉み動作の支点なる支軸(前記第4軸17d)と、第2揉み軸14に平行な軸線を有し第2アーム11の揉み動作の支点なる支軸(前記第4軸18d)と、これら支軸(17d,18d)がそれぞれ取り付けられマッサージ機構部1の幅方向に変位する前記位置変化部材23a,23bと、位置変化部材23a,23bを位置変化させる駆動部25a,25b(図9参照)とを有している。
【0043】
図2と図9において、マッサージ機構部1の幅方向の両外側には板状の側部部材30a,30bが設けられている。これら側部部材30a,30bは本体部材16と固定されている(図9参照)。そして、一方の側部部材30aとこれに対向する位置変化部材23aとの間に駆動部25aとして、空気の給排によって膨縮するエアセルが設けられている。また、他方の側部部材30bとこれに対向する位置変化部材23bとの間に駆動部25bとして、空気の給排によって膨縮するエアセルが設けられている。これらエアセルには、図外のポンプ等を有するエアユニットから空気が供給され、膨張することができる。
また、図9において、位置変化部材23aを側部部材30aに接近させる方向に付勢する弾性部材(捻りばね)35a、及び、位置変化部材23bを側部部材30bに接近させる方向に付勢する弾性部材35bが設けられている。
【0044】
この間隔変更機構によれば、エアセルが膨張すると(駆動部25a,25bが動作すると)、図3において、両側の位置変化部材23a,23b同士は接近し、両側の前記支軸(第4軸17d,18d)が接近する。すなわち、揉み動作の支点同士が幅方向に接近することとなり、この支点回りに回動することができる前記連結部材24a,24bが角度を変え、前記取り付け部材19,20及びアーム11,12を介して、施療子3,4の位置を変える(接近させる)ことができる。この間隔変更機構により、動作する施療子3,4の軌跡が変更され、施療子3,4による揉み動作においてその揉み幅を変更したり、施療子3,4による叩き動作においてその叩き間隔を変更したりすることができる。
また、エアセルが収縮すると、前記弾性部材35a,35bによって、両側の位置変化部材23a,23bは両側へと離反し、施療子3,4の間隔が広くなる。また、本体部材16と位置変化部材23a(23b)とのうちの一方には、ストッパ部材(図示せず)が設けられており、このストッパ部材が他方に当るまで位置変化部材23a(23b)はエアセルの膨張によって移動する。
【0045】
〔姿勢変化機構について〕
マッサージユニット44a(44b)は、使用者の身体の表面に対する施療子3,4の当り角度(姿勢)を変化させる姿勢変化機構を有している。
図2において、マッサージユニット44a(44b)は、前記マッサージ機構部1を、背凭れ部41の前後方向に直交する軸線C1回りに回動可能として取り付けている取付フレーム34を有している。この軸線C1は、マッサージ機構部1の幅方向に直交する方向に伸びている。取付フレーム34は、第1フレーム34aと第2フレーム34bとを有しており、第1フレーム34aはマッサージ機構部1を固定した状態で取り付けており、第2フレーム34bは第1フレーム34aを、第1支軸36aを介して取り付けている。この第1支軸36aの中心線が前記軸線C1であり、第1フレーム34aは第2フレーム34bに対して軸線C1回りに回動可能となっている。なお、第1フレーム34aは前記側部部材30a,30bを固定している。
【0046】
図12と図13は、取付フレーム34及びマッサージ機構部1の下面図であり、姿勢変化機構によるマッサージ機構部1の姿勢変化を説明している。第1フレーム34aと第2フレーム34bとの間には、第1フレーム34aの回動に抵抗を付与する抵抗手段34cが設けられている。抵抗手段34cは、第2フレーム34bに軸線C1に平行な軸線回りに回転可能として取り付けられた歯車34dと、この歯車34dと連結されておりその回転に抵抗を付与するダンパ(オイルダンパ)34eとを有している。
そして、歯車34dに噛み合うラック部材34fが第1フレーム34aに取り付けられている。ラック部材34fには、軸線C1を中心とした円弧に沿って歯が形成されている。これにより、第1フレーム34aが軸線C1を中心として左右に回動する際、ラック部材34fが歯車34dを回転させるが、その回転に抵抗が付与され、第1フレーム34aの回動に抵抗(粘性)が付与される。
【0047】
また、第1フレーム34aと第2フレーム34bとの間には、第1フレーム34aの回動範囲を制限する制限手段34gが設けられている。制限手段34gは、第1フレーム34aと第2フレーム34bとのうちの一方(図例では第1フレーム34a)に固定したピン34hと、他方(図例では第2フレーム34b)に形成されピン34hの移動範囲を制限するガイド部34jとからなる。具体的に説明すると、第2フレーム34bは第1フレーム34aを上下から挟むように構成されている。そして、第1フレーム34aの下部にピン34hが突出して設けられ、第2フレーム34bにこのピン34hの先端部が入るガイド部34jとして円弧形状の孔が設けられている。ガイド部34jは、軸線C1を中心とする円弧形状の孔(又は溝)とすることができる。なお、ピン34hとガイド部34jは、第1フレーム34aの上部と、第2フレーム34bとの間にも設けられている。
これにより、ガイド部34jに対するピン34hの移動範囲が制限され、第1フレーム34aの回動範囲が制限される。この制限手段34gにより、マッサージ機構部1が必要以上に大きく回動してしまうことを防止することができる。
【0048】
そして、この姿勢変化機構において、第1支軸36aの中心線C1は、マッサージ機構部1の幅方向について一対の施療子3,4の間に位置している。このため、図12のように一方の施療子4にのみ使用者の身体Bが当っている場合や、使用者の身体Bが一方の施療子4に他方に比べて強く当っている場合、他方の施療子3によるマッサージ動作が身体Bに与えられなくなったり、弱まったりするおそれがある。しかし、この姿勢変化機構によれば、第1フレーム34aはマッサージ機構部1とともに、第2フレーム34bに対して軸線C1回りに自由に回動することができ、図13に示しているように、両方の施療子3,4が身体Bに当った状態となることができる。
【0049】
つまり、一方の施療子4に作用する荷重が他方の施療子3に作用する荷重よりも大きい場合、この差を解消するように、第1フレーム34aはマッサージ機構部1とともに、第2フレーム34bに対して軸線C1回りに自動的に回動する。このように、マッサージ機構部1が軸線C1回りに自動的に回動し、使用者に当てる施療子3,4の姿勢を変更させることができ、両施療子3,4による身体Bへの当り具合を調整することができる。これにより、両施療子3,4は共に身体Bに均等(略均等)な力で接触し、施療子3,4の片当りを防止することができる。そして、前記抵抗手段34cによれば、マッサージ機構部1の姿勢の変更を許容しつつも、この姿勢が変化したマッサージ機構部1の当該姿勢を維持することができる。以上の姿勢変更機構によれば、使用者の体形(被施療部の形)に合わせてマッサージ機構部1の姿勢を変化させ、適切に施療子3,4を身体Bに接触させることができる。
【0050】
なお、図示しないが、姿勢変更機構は、第1フレーム34aを回動させる駆動部を有していてもよい。この場合、図12を参考に説明すると、駆動部は、前記歯車34dを回転駆動するモータを有する構成とすればよい。または、駆動部として空気の給排によって膨縮するエアセルとするのが好ましく、エアセルが膨張することで第1フレーム34aを押圧し回動させる構成とすればよい。駆動部としてエアセルを採用した場合、エアセルはクッション性を有していることから身体Bに対する施療子3,4の当りが柔軟となる。なお、このエアセルへの空気の供給は、図外のポンプを有するエアユニットによって行われる。これにより、使用者の体の各部位(被施療部)の形状に応じて、マッサージ機構部1の姿勢を積極的に変更することができる。
【0051】
〔旋回機構について〕
図14は、マッサージユニット44a(44b)が有しているフレーム構造を示している斜視図である。この図14は、図2のマッサージユニット44a(44b)からマッサージ機構部1を取り外した状態である。図14において、マッサージユニット44a(44b)は、昇降フレーム(昇降体)8、左右動フレーム(左右動部材)9及び前後動フレーム(前後動部材)10を備えている。
【0052】
この実施形態では、左右動フレーム9に取付軸39が突出して設けられており、取付軸39の軸線C0は前後方向に向いている。この取付軸39に前記取付フレーム34(図2)が当該取付軸39の軸線C0回りに回転可能として取り付けられている。そして、このマッサージユニット44a(44b)は、マッサージ機構部1を取付軸39の軸線C0回りに旋回(回転)させる旋回機構38を有している。なお、マッサージ機構部1のウォーム軸27(図9)の軸線が前後方向を向いている状態(図2の状態)において、当該ウォーム軸27の軸線と、前記取付軸39の軸線C0とは同一直線上の配置となる。しかし、前記姿勢変化機構によってマッサージ機構部1の姿勢が変化し、ウォーム軸27の軸線が前後方向に対して傾いた場合、ウォーム軸27の軸線と、取付軸39の軸線C0とは折れ角度を有する配置となる。
旋回機構38は、取付フレーム34の第2フレーム34bの後部に固定した歯車38a(図12)と、この歯車38aに噛み合う駆動歯車38b(図14)と、この駆動歯車38bを回転駆動するモータを有する駆動部(図示せず)とを備えている。
【0053】
この旋回機構38によれば、前記駆動部のモータを正逆回転させることで、取付フレーム34を、取付軸39の軸線C0回りに正逆回転させることができ、マッサージ機構部1を取付軸39の軸線C0(ウォーム軸27の軸線)を中心として旋回動作させることができる。例えば、図2の状態では、一対の施療子3,4は左右方向に並ぶ配置にあり、左右方向に挟み揉みする動作を行うが、旋回機構38が取付フレーム34と共にマッサージ機構部1を90度回転させると、施療子3,4は上下方向に並ぶ配置となり、上下方向に挟み揉みする動作を行うことができる。このように、旋回機構38によって、マッサージ機構部1を旋回させることで、施療子3,4の動作方向を変えることができる。また、この旋回機構38は、マッサージ機構部1の前後方向の後方に設けられており、マッサージユニット44a(44b)が、左右方向に大きくなることを防止している。
【0054】
〔フレーム構造について(第1の形態)〕
マッサージユニットのフレーム構造について、代表して右側のマッサージユニット44aについて説明する。図14において、マッサージユニット44aは、昇降フレーム8、左右動フレーム9及び前後動フレーム10を備えている。昇降フレーム8は、背凭れ部41(図1)の隣り合うガイドレール2の間を上下方向に昇降可能であり、左右動フレーム9は、昇降フレーム8に対して左右方向に移動可能であり、前後動フレーム10は昇降フレーム8に対して前後方向に移動可能となっている。
そして、マッサージ機構部1は取付フレーム34を介して左右動フレーム9に取り付けられており、この左右動フレーム9が前後動フレーム10に取り付けられている。これにより、マッサージ機構部1は、左右動(図15と図16参照)及び前後動(図17と図18参照)することができる。
【0055】
図14において、昇降フレーム8は、昇降方向に直線的に伸びている左右一対の側部フレーム部51a,51bと、これら側部フレーム部51a,51bを上部で連結している上連結部材52と、側部フレーム部51a,51bのそれぞれから前方へ伸びている取付フレーム部53a,53bと、これら取付フレーム部53a,53bを前部で連結している前連結部材54とを有している。上連結部材52及び前連結部材54は円形の軸からなり、前連結部材54の軸線は、左右方向であって水平方向に延びている。取付フレーム部53a,53bは、側部フレーム部51a,51bの昇降方向の(下寄り)途中部から前方へ突出している。一方の取付フレーム部53aは、上傾斜部と下直線部とを有し、これらが側部フレーム部51aと固定されているが、他方の取付フレーム部53bは、前方へ直線的に伸びている直線部53cのみからなる(図17及び図18参照)。
【0056】
側部フレーム部51a,51bには、複数のローラ55a,55bが回転可能に取り付けられており、ローラ55a,55bはそれぞれ前後方向及び左右方向からガイドレール2に接触することができる。これらローラ55a,55bがガイドレール2を転動し、昇降フレーム8はガイドレール2に沿って移動する。さらに、昇降フレーム8は昇降用動力部37を搭載しており、この昇降用動力部37によって昇降フレーム8をガイドレール2に沿って走行させる。図2において、昇降用動力部37は、昇降フレーム8に固定したモータ37aと、側部フレーム51aに回転可能として取り付けられた小歯車37bと、モータ37aの動力を伝達し小歯車37bを回転させる動力伝達部(図示せず)とを有している。小歯車37bは、昇降フレーム8の左右両側の側面に設けられており、直線状の軸である上連結部材52の両端部に固定されている。上連結部材52は、側部フレーム部51a,51bに軸受(図示せず)を介して回転可能として取り付けられている。この上連結部材52により、左右の両小歯車37bは連動し、回転する。そして、小歯車37bは、ガイドレール2(図1)に沿って形成されたラック部2aに噛合する。これにより、モータ37aが動作すると小歯車37bがラック部2a上を転がり、昇降フレーム8は走行することができる。
【0057】
図14において、前後動フレーム10は、昇降フレーム53の取付フレーム部53a,53b間に設けられており、前記前連結部材54の軸線回りに回動可能として、当該前連結部材54に取り付けられている。この軸線が、前後動用の回動中心となる軸線Cxである。前後動フレーム10は、左右両側にある側部部材61a,61bと、これら側部部材61a,61bを前部で繋ぐ前部材60と、側部部材61a,61bを後部で繋ぐ後部材62とを有し、これらによって矩形のフレーム構造となっている。さらに、この矩形のフレームには、底部材として前後動作用の動作部材64が固定されている。また、一方の側部部材61aには上方へ伸びる取付部材63が設けられている。この取付部材63には、後述する左右用動力部48が取り付けられる。
【0058】
そして、側部部材61a,61bの前部が、前記前連結部材54に回動可能として取り付けられている。これにより、前後動フレーム10は、昇降フレーム8に前後動可能として取り付けられた構成となる。なお、昇降フレーム8には、前後動フレーム10を下から支持することで、前後動フレーム10が下方へ落ちる(回動する)ことを規制するストッパ(図示せず)が設けられており、図14の状態を保つことができる。
【0059】
そして、前後動フレーム10の下方に、当該前後動フレーム10を前後動させる前後用動力部46が設けられている。また、昇降フレーム8の取付フレーム53a,53bには、前後用動力部46を取り付けるための前後動作用の取付部材56が固定されている。この取付部材56は、昇降フレーム8の取付フレーム部53a,53bを左右に繋ぐ板状の支持部56aを有している。図17と図18において、前後用動力部46は、空気の給排によって膨縮するエアセル46aを有している。エアセル46aは前記支持部56aと前後動フレーム10の前記動作部材64との間に介在しており、エアセル46aが膨張することによって、支持部56aに取り付けたエアセル46aが動作部材64を昇降方向の上側へ押す。
【0060】
動作部材64が上側へ押されると、前後動フレーム10は左右方向に水平である前記軸線Cx回りに回動し、この前後動フレーム10の上方に位置するマッサージ機構部1は、軸線Cx回りに回動することによって前方へ移動することができる。このように、前後動フレーム10は、昇降フレーム8に対して前後方向に移動可能であり、前後動フレーム10が前後動することによって、マッサージ機構部1を前後動させることができる。
【0061】
図18に示しているように、エアセル46aは支持部56aの上面側に固定されており、エアセル46aは、図17と図18に示しているように、軸線Cx側を中心とした扇形状に膨らむ構造となっている。このエアセル46aは、図外のポンプを有するエアユニットから空気の供給を受けて膨張することができる。このエアユニットを、例えば、マッサージ機の座部42(図1参照)の下に設けることができる。
【0062】
このようにエアセル46aを支持部56aの上面側に固定した場合、膨張するエアセル46aと動作部材64の下面との間において前後動フレーム10を押し上げる力が主に作用する領域は、図18においてp1の領域である。そして、前後動フレーム10の回動中心となる軸線Cxと、主加圧領域p1との距離をL1として示している。
なお、エアセル46aは、図26に示しているように、前後動フレーム10の動作部材64の下面側に取り付けられていてもよい。この場合、膨張するエアセル46aと動作部材64の下面との間において前後動フレーム10を押し上げ力が主に作用する領域は、図26においてp2の領域である。そして、前後動フレーム10の回動中心となる軸線Cxと、主加圧領域p2との距離をL2として示している。図26における前記距離L2は、図18における前記距離L1よりも長くなっている(L2>L1)。
図18と図26とのそれぞれのエアセル46aによる主加圧領域p1,p2における加圧力を同じとした場合、前記距離L2>前記距離L1となっているため、前後動フレーム10を前方へ移動させるための力(トルク)は、図26の形態の方が大きくなる。
【0063】
このように、マッサージ機構部1が前方へ移動することによって、施療子3,4は前方へ移動し、使用者の身体(被施療部)を押すマッサージが可能となる。膨張したエアセル46aはクッション性を有していることから、この押すマッサージは、使用者の身体に対する施療子3,4の当りが柔軟なものとなる。
【0064】
昇降フレーム8において、前後用動力部46はマッサージ機構部1よりも昇降方向の下側に設けられている。そして、マッサージ機構部1は、当該マッサージ機構部1よりも昇降方向の下側の位置にある軸線Cxを中心として前後方向に回動する構成となっている。さらに、昇降方向の上側に向かって動作する前後用動力部46(エアセル46a)によって、マッサージ機構部1は前へ押し出される構成となる。このように前後用動力部46は、マッサージ機構部1の左右方向の側方ではなく、また、マッサージ機構部1の前後方向の後方ではなく、昇降方向の下側に設けられていることから、マッサージユニット44a(44b)の左右方向の寸法及び前後方向(奥行き方向)の寸法が大きくなることを防止することができる。
【0065】
また、このマッサージユニット44a(44b)において、前後動フレーム10の前方への移動及び後方への移動(初期位置への回復)を所定の位置に制限するストッパ(図示せず)が設けられている。このストッパにより制限されて、前後動フレーム10が最も前方へ移動した状態となっても(図18)、軸線Cxの前後方向の位置は、その前方へ移動した部分の重心Gよりも、前後方向の前方に存在している。これにより、エアセル46aにおいて排気が可能な状態になると、前方へ移動した部分の自重によってエアセル46aを収縮させ、当該部分は前後方向の後ろの位置(初期位置:図17の状態)に自動的に戻ることができる。なお、この実施の形態において、前後動する部分(前方へ移動した部分)は、マッサージ機構部1、取付フレーム34、左右動フレーム9及び前後動フレーム10である。
【0066】
図14において、マッサージユニット44aは、さらに、左右動フレーム9を移動可能とするように前後動フレーム10に取り付けている取付部として、前後方向に設けられた軸70を備えている。この軸70は前後動フレーム10に固定されている。
左右動フレーム9は、その一部が前後動フレーム10(前記矩形のフレーム)内に収まった状態として設けられている。つまり、左右動フレーム9は、前後方向について、前後動フレーム10の前部材60と後部材62との間に設けられており、左右方向について、前後動フレーム10の側部部材61a,61bの間に設けられている。そして、左右動フレーム9は、前記軸70の前部に回動自在として取り付けられた前部材71と、軸70の後部に回動自在として取り付けられた後部材72と、軸70の前後方向中間部に回動自在として取り付けられたアーム73と、前部材71と後部材72とを連結している連結部材74とを有している。これにより、前部材71と後部材72とアーム73と連結部材74とは、一体となって、軸70に対して当該軸70の軸線回りに回動することができる。
そして、前記軸70は前後動フレーム10に固定されていることから、左右動フレーム9は、この軸70の軸線回りに回動可能となる。この軸70の軸線が、左右動用の回動中心となる軸線Cyとなる。
【0067】
軸70の前端部70a及び後端部70bは、前後動フレーム10の前部材60及び後部材62に固定されており、さらに、この軸70は昇降フレーム8が有する一方の取付フレーム部53b側に寄って設けられている。このため、左右動用の軸線Cyは、背凭れ部41(図1参照)の左右方向の中央側(中央のガイドレール2側)に寄って設けられた構成となっている。後部材72は昇降方向の上側へ伸びる壁部72aを有しており、この壁部72aに前記取付軸39が設けられている。この取付軸39に取付フレーム34を介してマッサージ機構部1が取り付けられている。そして、前部材71、後部材72、アーム73及び連結部材74が一体となって左右動フレーム9を構成しており、この左右動フレーム9は軸線Cy回りに回動することで、前後動フレーム10及び昇降フレーム8に対して左右方向に移動可能となる。これによりマッサージ機構部1を左右動させることができる。
【0068】
図15において、前後動フレーム10の前記取付部材63に、左右動フレーム9を左右動させる左右用動力部48が設けられている。左右用動力部48は、取付部材63に固定したモータ48aと、昇降方向の上下に伸びるネジ軸48bと、このネジ軸48bに螺合しているナット体48cと、モータ48aの動力を伝達しネジ軸48bを回転させる動力伝達部(図示せず)とを有している。動力伝達部としては、モータ48aの出力軸にあるプーリ48dと、ネジ軸48bに固定のプーリ48eと、これらの間にかけられたベルト(図示せず)とを有している。
ナット体48cは、ネジ孔を有する本体部48gと、この本体部48gに一端部が回動自在として取り付けられた連結部材48fとを有している。連結部材48fの他端部には、左右動フレーム9(図16)の前記アーム73が回動自在として取り付けられている。
【0069】
モータ48aの回転によりネジ軸48bが回転すると、ナット体48cは、ネジ軸48bに沿って移動する。ナット体48cが上へ移動すると(図16)、ナット体48cはアーム73の先端部を持ち上げ、アーム73は基端部側の前記軸線Cyを中心として回動する。これにより、左右動フレーム9(後部材72a)は、初期位置(図15)から、左右方向の一方側へ移動し、マッサージ機構部1を当該方向へ移動させる(図16)。そして、ナット体48cが下側へ移動すると、アーム73は下へ移動し、左右動フレーム9は初期位置(図15)に戻る。
このように、マッサージユニット44aの左右用動力部48は、昇降方向に長いネジ軸48bと、このネジ軸48bを回転させるモータ48aと、ネジ軸48bに螺合し昇降するナット体48cとを有し、動作方向を変換する変換部(連結部材48f及びアーム73)によって、ナット体48cの昇降運動を左右動フレーム9の左右運動に変換する構成となっている。
【0070】
図14において、左右動フレーム9は、前後方向を長手方向としている前記軸70(取付部)の軸線回りに回動可能として、前後動フレーム10に取り付けられていることにより、左右動フレーム9は左右方向に移動可能となっているが、図16に示しているように、左右動フレーム9を取り付けている取付部としての軸70は、一対の施療子3,4の少なくとも一部が、昇降フレーム8の左右方向の一端部を超えて当該昇降体の左右外方に位置するまで(昇降フレーム8を左右方向の一方側に超えるまで)、左右動フレーム9を移動可能として取り付けている。図16では、左側と右側とにそれぞれ位置した一対の施療子3,4のうちの一方(施療子4)が、昇降フレーム8の側部フレーム部51b(左右方向の前記一端部)を超えて当該側部フレーム部51の左右外方に位置するまで、左右動フレーム9は移動可能となっている。さらに他方の施療子3は側部フレーム部51bの前方にまで達している。これを図1により説明すると、一対の施療子3,4は、中央のガイドレール2の前方に位置することができる。
なお、左側のマッサージユニット44aにおいては、左右動フレーム9は右側へ向かって移動し、施療子3,4は背凭れ部41の左右方向の中央部に位置することができ、右側のマッサージユニット44bにおいては、左右動フレーム9は左側へ向かって移動し、施療子3,4は背凭れ部41の左右方向の中央部に位置することができる。
【0071】
この構成とするために、図17に示しているように、施療子3,4が移動する左右方向の一方側にある前記側部フレーム部51bよりも、前後方向の前の位置となるようにして、左右動フレーム9の全部は、前後動フレーム10に取り付けられている。これにより、左右動フレーム9は、昇降フレーム8の側部フレーム部51bに当らないで、左右方向の一方側に移動することができる。
【0072】
このように、施療子4が昇降フレーム8を左右方向の一方側に超えるまで、左右動フレーム9は昇降フレーム8に対して左右方向に移動するので、施療子3,4の移動範囲を広くすることができる。これにより、使用者の身体(背中、腰部及び肩部)を広範囲にわたってマッサージすることができる。
さらに、左右動フレーム9によって左右動させたマッサージ機構部1を、前後動フレーム10が前後方向に回動することによって、前後方向にも移動させることができる。すなわち、施療子3,4を左右方向に移動させた状態から、その施療子3,4を前後方向へ移動させることができる。
【0073】
以上の実施形態によるマッサージユニット44a(44b)によれば、図2において、マッサージ機構部1は、取付フレーム34を介して左右動フレーム9に取り付けられており、この左右動フレーム9は、左右方向に移動可能となって前後動フレーム10に取り付けられており、この前後動フレーム10は、左右方向の水平軸線Cx回りに回動可能として昇降フレーム8に取り付けられた構成となる。
そして、左右動フレーム9を左右動させるモータ48aを含む左右用動力部48は、前後動フレーム10に搭載されており、前後動フレーム8を前後動させる前後用動力部46は、昇降フレーム8に搭載されている。
【0074】
この実施形態において、マッサージ機構部1を取り付けた左右動フレーム9を左右方向の一方側に移動させた状態で(図16)、前後動フレーム10を左右方向の水平軸線Cx回りに回動させ前方へ移動させると、マッサージ機構部1を前方へ移動させることができる。これにより、左右方向の一方側に移動させた施療子3,4を前方へ押し出すことができ、押圧によるマッサージ動作が可能となる。さらに、前後用動力部46のエアセル46aの膨張率を制御することにより、マッサージ機構部1を前方の途中位置まで移動させ、施療子3,4の前後方向の位置を途中の位置に調整する(停止させる)こともできる。また、左右用動力部48のナット体48gを上下方向の途中位置に停止させることで、マッサージ機構部1を左右方向の途中の位置に停止させることができる。
【0075】
そして、施療子3,4を前方へ押し出す際、当該施療子3,4は、水平な左右方向の軸線Cxを中心として回動し前後移動することができるため、例えば、前方へ押し出した施療子3,4によって使用者の肩部を押す場合、施療子3,4は左右方向に移動しないで押すマッサージとなる。すなわち、施療子3,4によって肩部を押す際、左右方向に直交する鉛直面に沿って施療子3,4を前方へ移動させながら降ろすことができ、好ましい形態のマッサージ動作が可能となる。
【0076】
図19は図1のマッサージ機の正面図である。背凭れ部41は、ガイドレール2に被せられるマット部材5を有している。なお、この図において、マット部材5を二点鎖線により示している。このマット部材5に使用者は凭れることができる。そして、この背凭れ部41の前部、すなわち、マット部材5の前部は、中央に開口部6が形成され、この開口部6の左右両側及び上側に使用者の身体を支持する側部支持面部7a及び上部支持面部7bが設けられている。開口部6は背凭れ部41(マット部材5)の上下方向に沿って長く形成されており、一対の施療子3,4がこの開口部6内を上下左右に移動できるようにマッサージ機構部1は設けられている。
【0077】
そして、左右の側部支持面部7aが使用者の背中の左右両側に当る部分であり、この左右の側部支持面部7aの裏側(背後側)に、左右動フレーム9を左右動させる前記左右用動力部48、及び、昇降フレーム8を昇降させる前記昇降用動力部37が配設されている。これにより、側部支持面部7aの裏側のスペースを有効に利用することができる。さらに、図2及び図17に示しているように、昇降フレーム8を昇降させる昇降用動力部37は、マッサージ機構部1よりも前後方向の後方に設けられており、この配置により、マッサージユニット44a(44b)が、左右方向に大きくなることを抑えることができる。
【0078】
〔フレーム構造について(第2の形態)〕
図20と図21は、マッサージユニットの他の実施形態を示している正面図であり、図22と図23は側面図である。このマッサージユニットは、前記の形態(図15〜図18)と比べてフレーム構造(昇降フレーム8,左右動フレーム9及び前後動フレーム10)が異なっているが、その他(マッサージ機構部1、取付フレーム34、昇降用動力部37、前後用動力部46及び左右用動力部48)は同じである。
【0079】
このマッサージユニット44aは、前記の形態と同様に昇降フレーム8、左右動フレーム9及び前後動フレーム10を備えているが、昇降フレーム8に対する左右動フレーム9及び前後動フレーム10の取り付け順番が入れ替わっている。すなわち、施療子3,4を有しているマッサージ機構部1は、取付フレーム34を介して前後動フレーム10に取り付けられており、この前後動フレーム10が、左右動フレーム9に対して前後方向移動可能となって当該左右動フレーム9に取り付けられており、この左右動フレーム9が、昇降フレーム8に対して左右方向に移動可能となって当該昇降フレーム8に取り付けられている。
【0080】
そして、前後動フレーム10を前後動させる前後用動力部46は左右動フレーム9に搭載されており、左右動フレーム9を左右動させる左右用動力部48は昇降フレーム8に固定されている。前後用動力部46はエアセル46aを含み、左右用動力部48はモータ48aを含む。
これにより、マッサージ機構部1を取り付けた前後動フレーム10は、左右動フレーム9及び昇降フレーム8に対して前後移動することができ、この前後動フレーム10を取り付けた左右動フレーム9は、昇降フレーム8に対して左右移動することができる。
【0081】
具体的に説明すると、昇降フレーム8の(板状の)前連結部材54と後連結部材(図示せず)との間に、左右動フレーム9を取り付けるための取付部としての軸70が前後方向に設けられている。この軸70は前記形態と同様に、マッサージユニット44aが有しているものであり、側部フレーム部51b側に寄って存在している。そして、この軸70の軸線が、左右動用の軸線Cyとなる。さらに、左右用動力部48は、モータ48aによって回転するネジ軸48bと、これに螺合するナット体48cとを有し、ネジ軸48bの回転によってナット体48cは上下移動する。ナット体48cが上に移動すると、ナット体48cは左右動フレーム9のアーム73の先端部を持ち上げ、アーム73は基端部側の前記軸線Cyを中心として回動する。これにより、左右動フレーム9は、初期位置(図20)から、左右方向の一方側へ移動し、マッサージ機構部1を当該方向へ移動させる(図21)。そして、ナット体48cが下側へ移動すると、アーム73は下へ移動し、初期位置に戻る。
【0082】
そして、この左右動フレーム9は、左右方向に伸びる軸線Cxを有する軸75を有している。前後動フレーム10は、この軸75に軸線Cxを中心として回動可能として取り付けられている。前後動フレーム10の後部材62に、前記形態と同様の前後方向を軸線とする取付軸39が設けられており、この後部材75に取付フレーム34を介してマッサージ機構部1が取り付けられている。これにより、左右動フレーム9の左右動とともに、前後動フレーム10(マッサージ機構部1)も左右動することとなる。
また、左右動フレーム9の下方には、エアセル46aを有する前後用動力部46が設けられている。前後用動力部46は前記形態と同じである。エアセル46aが膨張すると、前後動フレーム10を押し上げ、軸線Cx回りに回動させる。これにより、マッサージ機構部1を前方へ移動させることができる。
【0083】
以上の構成によれば、左右用動力部48のモータ48aは、昇降フレーム8に固定されているため、前後方向及び左右方向には、位置変化しない構成となっている。つまり、マッサージ機構部1が前後移動又は左右移動する際、エアセル46aに比べて重量のあるモータ48aを、左右方向又は前後方向に移動させる必要がない。
また、前後動フレーム10を前後動させる前後用動力部46(エアセル46a)は、左右動フレーム9に固定されているため、左右動フレーム9を左右動させると、この左右動にともなってエアセル46aも左右に移動することとなる。このように、マッサージ機構部1を左右移動させる場合に、当該エアセル46aも左右移動する構成となるが、このエアセル46aは軽量であるため、そのための動力の負担は(重量のあるモータに比べて)小さくて済む。
【0084】
また、この形態においても、施療子4が昇降フレーム8(側部フレーム部51b)を左右方向の一方側に超えるまで、左右動フレーム9は移動可能となっている。このために、左右動フレーム9は、側部フレーム部51bよりも前の位置に取り付けられている。
【0085】
また、このフレーム構造において、マッサージ機構部1を左右方向へ移動させた状態で(図21)、前後動フレーム10を前方へ移動させ、施療子3,4が使用者の身体を押すマッサージ動作が可能となる。この場合、押し出しのための回動中心となる軸線Cxが傾くこととなるため、前後動フレーム10を前方へ移動させると、施療子3,4は、左右方向に移動しながら斜めに前後移動する。つまり、前方へ押し出した施療子3,4によって使用者を押す場合、施療子3,4は斜めに向かって押すこととなる。
【0086】
〔マッサージ動作について〕
以上の各実施形態のマッサージ機によるマッサージ動作について説明する。
マッサージ機構部1において、施療子3,4が行うマッサージ動作として、前記揉み動作機構による揉み動作と、前記叩き動作機構による叩き動作とのいずれか一方とすることができるが、揉み動作機構により揉み動作を行わせると同時に、叩き動作機構により叩き動作を行わせることもできる。
また、左側のマッサージユニット44aと、右側のマッサージユニット44bとの双方又は一方において、マッサージ機構部1による揉みや叩きによる前記マッサージ動作が可能となる。
さらに、このようなマッサージ動作の選択はマッサージ機が備えている制御装置によって行われる。この制御装置は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶部(ROM)を有するプログラマブルなマイコンよりなり、このマッサージ機において駆動する各部分の動作制御等のための処理を行う。
【0087】
制御装置の制御によって行う他のマッサージ動作を説明する。図1に示しているように、マッサージ機は、左右の両側にマッサージユニット44a,44bを備えており、これらはそれぞれ独立して所定の昇降位置まで移動することができる。図1では、左側のマッサージユニット44aのマッサージ機構部1が使用者の肩部の高さに位置し、右側のマッサージユニット44bのマッサージ機構部1が腰部の高さに位置している。マッサージユニット44a,44bのそれぞれが備えているマッサージ機構部1は、前記のとおり、一対の施療子3,4によって挟み揉む動作を行うことができる。肩部の高さ位置にあるマッサージユニット44aにおいて、図1の状態では、施療子3,4は左右に位置して対向した状態となる。これにより、施療子3,4は左右方向の挟み揉み動作が可能となる。この図1の状態から、マッサージ機構部1を前記旋回機構38(図14参照)によって前後方向の軸線C0回りに回転させると、施療子3,4は上下に位置して対向した状態となる(図示せず)。これにより、施療子3,4は上下方向の挟み揉み動作が可能となる。さらに、この状態から、前後動フレーム10を前方へ移動させると、施療子3,4は下方の左右方向に水平な軸線Cx回りに回動して前方の位置となり、挟み揉み方向が前後方向となる(又は前後方向に上下方向が加わる)。これにより、施療子3,4によって肩部を前後方向に挟んで揉むことができる。
【0088】
また、図1のマッサージユニット44aのマッサージ機構部1を首部の高さ位置とし、左右動フレーム9を左右方向の一方側である背凭れ部41の中心部側へ移動させる。この状態において、施療子3,4の挟み揉み方向は左右方向である。前記のとおり、施療子3,4は、中央のガイドレール2の前方に位置することとなる。これにより、施療子3,4によって使用者の首部を左右方向に挟んで揉む動作が可能となる。
【0089】
また、このマッサージユニット44a(44b)では、マッサージ機構部1の左右動は、これを載せている左右動フレーム9が前後方向の軸線Cyを中心として回動することによって行われる構成となっている(例えば図15と図16参照)。このため、マッサージ機構部1を左右動させるのみで、施療子3,4の挟み揉みの方向が多少変化することとなる。そこで、前記旋回機構38によってマッサージ機構部1を旋回させることにより、この挟み揉みの方向を変化前の状態に戻すことができる。具体的に説明すると、左右方向を挟み揉み方向としていた施療子3,4を有するマッサージ機構部1を左右動させると、この挟み揉み方向は、左右方向に対して少し傾斜する。この際、旋回機構38によってこの傾斜を解消する方向にマッサージ機構部1を旋回させると、施療子3,4の挟み揉み方向は左右方向に戻る。
【0090】
さらに、左右動フレーム9の左右動と旋回機構38(図14)とによって、次のようなマッサージ動作が可能となる。
図24は、マッサージユニット44aが備えているマッサージ機構部1の動作を説明する説明図である。旋回機構38が、マッサージ機構部1を軸線C0回りに旋回させ(矢印R1)、ローラからなる施療子3,4の軸線(転がり中心線Cr)が、左右動フレーム9の回動中心となる前記軸線Cyに向かう方向とする。そして、左右動フレーム9を、軸線Cyを中心として回動させると(矢印R2)、使用者に当接している施療子3,4は、転がり中心線Cr回りに転がりながら使用者に当接して移動する。これにより、左右方向に施療子3,4が移動するローリングによるマッサージ動作が可能となる。このマッサージ動作は、使用者の被施療部に対して広い(大きい)範囲で行なわれる。なお、この場合の施療子3,4による左右方向の移動は、昇降方向の成分も含むため円弧軌道によるものとなる。
また、他のローリングによるマッサージ動作として、旋回機構38(図14)によるものがある。図24を参考に説明すると、旋回機構38が、マッサージ機構部1を軸線C0回りに旋回させる(矢印R1)。これにより、施療子3,4が軸線C0回りに回転又は円弧移動するローリングによるマッサージ動作(矢印R3)が可能となる。そして、このマッサージ動作は、使用者の被施療部に対して狭い(小さい)範囲で行なわれる。
【0091】
また、他のローリングによるマッサージ動作として、前記のローリングによるマッサージ動作に含まれている施療子3,4の前記昇降方向の成分を解消するように、昇降フレーム8を昇降させる制御も同時に行うことができる。すなわち、施療子3,4を左右方向に移動させるために左右動フレーム9が軸線Cy回りを回動し、施療子3,4が昇降方向上へ移動しようとする成分が生じる際に、昇降フレーム8を下げ、逆に、施療子3,4が昇降方向下へ移動しようとする成分が生じる際に、昇降フレーム8を上げることで、使用者に対する施療子3,4の昇降方向の高さ位置を変化させないで、左右方向にローリングによるマッサージ動作が可能となる。この場合の施療子3,4による左右方向の移動は、直線的な軌道によるものとなる。さらに、この場合において、前記旋回機構38が連動し、マッサージ機構部1を旋回させ、ローラからなる施療子3,4の転がり中心線Cr(図24参照)を、昇降方向の上下に向かせる。これにより、施療子3,4は左右方向に直線的に転がることができる。
また、施療子3,4の挟み揉み方向を左右方向とした状態(図1:転がり中心線Crが左右方向)で、マッサージユニット44aを昇降させると、上下方向に施療子3,4が移動するローリングによるマッサージ動作も行うことができる。
【0092】
さらに、別のマッサージ動作として、左右のマッサージユニット44a,44bの昇降方向の位置を同じとし、それぞれのマッサージ機構部1によって揉み、叩きによるマッサージを行うことができる他に、左右のマッサージユニット44a,44bの昇降方向の位置を異ならせ、それぞれのマッサージ機構部1によって揉み、叩きによるマッサージを行うことができる。
さらに、マッサージユニット44a,44bを昇降方向に移動させながら、マッサージ機構部1によって揉み、叩きによるマッサージを行うことができる。この場合、マッサージユニット44a,44bを連続的に昇降方向に移動させてもよいが、間欠的に(間に昇降方向に停止しながら)所定の距離ずつ移動させてもよい。また、左右のマッサージユニット44a,44bが交互に所定の距離ずつ同じ方向へ移動してもよく、一方が他方を昇降方向に追い越した後、他方が一方を昇降方向に追い越すようにして移動してもよい。これにより、人手によるマッサージの動作に近似したものとなる。
また、一方のマッサージユニット44aにおいて、施療子3,4が使用者の肩部を押すように又は肩部を挟んだ状態とするように動作させ、これにより使用者の身体を固定させ、他方のマッサージユニット44bにおいて、施療子3,4によってマッサージ動作を行なわせてもよい。このマッサージ動作は、施療子3,4による揉みや叩き等の動作である。これにより人手による(左右の両手による)マッサージの動作に近似したものとなる。
【0093】
〔その他の構成〕
図25はこのマッサージ機の平面図である。このマッサージ機は、背凭れ部41において、左右一対のマッサージユニット44a,44bを備えており、マッサージユニット44a,44bのそれぞれは前記のとおり各種モータ、エアセルを有していることから、マッサージユニット44a,44bのそれぞれに電力ケーブル50a及びエア配管50bが接続されている。これら電力ケーブル50a及びエア配管50bは、座部42の下等に設けられた電源ユニット(ポンプ)、制御装置及びエアユニットと接続されている。また、左右一対のマッサージユニット44a,44bのそれぞれにおいてマッサージ機構部1が、左右方向へ移動したり、前後方向へ移動したりする。
【0094】
そこで、電力ケーブル50a及びエア配管50bをマッサージ機構部1の左右動及び前後動に追従させるために、背凭れ部41において、電力ケーブル50a及びエア配管50bは蛇行状として取り付けられており、前後方向及び左右方向にたるみを持たせている。具体的には、マッサージユニット44a(44b)において、昇降フレーム8の前後方向の後部であって昇降方向の上部に取付部材49a(49b)が固定されており、この取付部材49a(49b)に電力ケーブル50a及びエア配管50bの途中部が取り付けられ、当該取付部材49a(49b)とマッサージ機構部1との間において、電力ケーブル50a及びエア配管50bが蛇行状として設けられている。これにより、マッサージ機構部1が左右動したり前後動したりしても、蛇行状としたことによって前後方向及び左右方向に生じているたるみを解消するように、電力ケーブル50a及びエア配管50bは、取付部材49a(49b)との間で伸びることができ、追従することができる。
【0095】
なお、取付部材49a(49b)から電源ユニット、制御装置及びエアユニットまでの間についても、図示しないが、電力ケーブル50a及びエア配管50bは蛇行状とされており、電力ケーブル50a及びエア配管50bはマッサージユニット44a(44b)の昇降動作に追従することができる。
また、前記エアユニットは、エアセルに対する空気の給排を制御するために利用する電磁弁(図示せず)を有している。これら電磁弁からエア配管50bが取付部材49a(49b)を介してマッサージ機構部1に繋がっている。この電磁弁を、エアポンプなどと共に、座部42の下部に設けてもよいが、背凭れ部41の中央のガイドレール2の背面に設けてもよい。
【0096】
また、この発明のマッサージユニット及びマッサージ機は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。前記実施形態では、マッサージ機は、椅子型であり、座部42と、背凭れ部41と、フットレスト43とを備え、背凭れ部41に前記マッサージユニット44a,44bが設けられたものとして説明したが、フットレスト43がないものであってもよく。また、椅子型以外に、背凭れ部41に相当するマット型のマッサージ機であってもよい。
【0097】
また、マッサージユニット44a(44b)において、左右動フレーム9は左右移動可能であり、これによりマッサージ機構部1を左右動させる。前記実施形態では、施療子4の一方が昇降フレーム8(側部フレーム51b)を左右方向の一方側に超えるまで、左右動フレーム9は移動可能となっている場合(図16、図21参照)を説明した。しかし、これ以外に、図示しないが、左右動フレーム9が左右動することによって、一対の施療子3,4が共に昇降フレーム8(側部フレーム51b)を左右方向の一方側に超えてもよく、または、一方の施療子4の一部のみが、昇降フレーム8(側部フレーム51b)を左右方向の一方側に超えるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】この発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】マッサージ機が備えているマッサージユニットの斜視図である。
【図3】マッサージユニットが有しているマッサージ機構部の斜視図である。
【図4】マッサージ機構部の平面図であり、両施療子が接近した状態である。
【図5】マッサージ機構部の平面図であり、両施療子が離反した状態である。
【図6】マッサージ機構部の正面図であり、両施療子が接近した状態である。
【図7】マッサージ機構部の正面図であり、両施療子が離反した状態である。
【図8】マッサージ機構部の下面図である。
【図9】マッサージ機構部の断面図である。
【図10】施療子による叩き動作の説明図である。
【図11】施療子による叩き動作の説明図である。
【図12】姿勢変化機構によるマッサージ機構部の姿勢変化を説明する下面図であり、マッサージ機構部が初期位置にある状態である。
【図13】姿勢変化機構によるマッサージ機構部の姿勢変化を説明する下面図であり、マッサージ機構部が姿勢を変えた状態である。
【図14】マッサージユニットが有しているフレーム構造の斜視図である。
【図15】マッサージ機構部の左右動を説明するマッサージユニットの正面図であり、マッサージ機構部が初期位置にある状態である。
【図16】マッサージ機構部の左右動を説明するマッサージユニットの正面図であり、左右方向の一方側へマッサージ機構部が移動した状態である。
【図17】マッサージ機構部の前後動を説明するマッサージユニットの側面図であり、マッサージ機構部が初期位置にある状態である。
【図18】マッサージ機構部の前後動を説明するマッサージユニットの側面図であり、マッサージ機構部が前へ移動した状態である。
【図19】マッサージ機の正面図である。
【図20】マッサージユニットの他の実施形態を示している正面図であり、マッサージ機構部が初期位置にある状態である。
【図21】マッサージユニットの他の実施形態を示している正面図であり、左右方向の一方側へマッサージ機構部が移動した状態である。
【図22】マッサージユニットの他の実施形態を示している正面図であり、マッサージ機構部が初期位置にある状態である。
【図23】マッサージユニットの他の実施形態を示している側面図であり、マッサージ機構部が前へ移動した状態である。
【図24】マッサージ機構部の動作を説明する説明図である。
【図25】マッサージ機の平面図である。
【図26】マッサージ機構部の前後動を説明するマッサージユニットの一部を示している側面図である。
【符号の説明】
【0099】
1 マッサージ機構
3 第1施療子
4 第2施療子
11 第1アーム
12 第2アーム
13 第1揉み軸
13a 偏心軸部
14 第2揉み軸
14a 偏心軸部
15 揉み駆動部
16 本体部材
19 第1取り付け部材(動力伝達部材)
20 第2取り付け部材(動力伝達部材)
21 第1球面座部
22 第2球面座部
23a,23b 位置変化部材
26 モータ
27 ウォーム軸(主歯車)
28 第1ウォームホイール(副歯車)
29 第2ウォームホイール(副歯車)
31 第1叩き部材
32 第2叩き部材
33 叩き駆動部
34 取付フレーム
41 背凭れ部
42 座部
43 フットレスト
44a,44b マッサージユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子が取り付けられたアームと、
回転することによって前記アームに左右方向の成分を有する揉み動作を生じさせる揉み軸と、
前記揉み軸を回転させる揉み駆動部と、
前記揉み軸の軸方向を縦向き乃至斜め縦向きとして当該揉み軸を回転可能に支持している本体部材と、
を有していることを特徴とするマッサージユニット。
【請求項2】
前記アームとして、施療子がそれぞれ取り付けられた第1アーム及び第2アームを有し、
前記揉み軸として、第1揉み軸及び第2揉み軸を有し、
前記揉み駆動部は、前記第1揉み軸を回転させることで前記第1アームに揉み動作を生じさせ、前記第2揉み軸を回転させることで前記第2アームに揉み動作を生じさせる請求項1に記載のマッサージユニット。
【請求項3】
前記揉み駆動部は、モータと、このモータによって回転する主歯車と、前記第1揉み軸に回転トルクを与える第1副歯車と、前記第2揉み軸に回転トルクを与える第2副歯車と、を有し、
前記第1副歯車が前記主歯車に噛み合っているとともに、この主歯車に前記第2副歯車が噛み合っている請求項2に記載のマッサージユニット。
【請求項4】
前記アームと前記揉み軸とは、当該揉み軸の両端部に設けられた動力伝達部材を介して繋がっている請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項5】
前記揉み軸に平行な軸線を有し前記アームの揉み動作の支点となる支軸と、
この支軸が取り付けられ左右方向に変位する位置変化部材と、
を有している請求項1〜4のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項6】
前記揉み軸に偏心して設けられ当該揉み軸の回転により偏心回転する偏心軸部と、
前記施療子が先部に取り付けられた前記アームの基部を揺動自在に取り付けている球面座部と、
前記偏心軸部に一部が取り付けられ当該偏心軸部の偏心回転によって前記揉み軸の軸線に直交する直交平面上を偏心回転するとともに、前記直交平面に対して前記アームを傾動自在として当該アームの中間部を他部において取り付けている取り付け部材と、を有している請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項7】
前後方向に出退可能に設けられ、この出退動作により前記アームを前後動させる叩き部材と、
この叩き部材を出退させる叩き駆動部と、
を備えている請求項1〜4のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項8】
前記揉み軸の軸線に直交する直交平面に対して前記アームを傾動自在として当該アームの中間部を取り付けている取り付け部材を有し、
前記叩き部材は、前記施療子が先部に取り付けられた前記アームの基部に取り付けられている請求項7に記載のマッサージユニット。
【請求項9】
前記本体部材及び前記揉み駆動部を有しているマッサージ機構部を、前後方向に直交する軸線回りに回動可能として取り付けている取付フレームを有している請求項1〜8のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項10】
座部と、背凭れ部と、を備え、前記背凭れ部に請求項1〜9のいずれか一項に記載のマッサージユニットが設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項11】
前記マッサージユニットは、左右に複数設けられている請求項10に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−90000(P2009−90000A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265225(P2007−265225)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】