説明

マッサージ具

【課題】操作性よく効率的に人体の表面をマッサージすることができるマッサージ具を提供することにある。
【解決手段】 マッサージ具100は、柄10と、柄10に設けられた第1の回転軸14と、柄10に設けられた第2の回転軸16と、第1の回転軸14に回転自在に取り付けられた第1のローラ体20と、第2の回転軸16に回転自在に取り付けられた第2のローラ体30と、を含む。柄10は、把持部12を含む。第1のローラ体20と第2のローラ体30とは、隣り合う位置に空間を置いて離間して設けられ、第1のローラ体20の第2のローラ体30側の端面は、把持部12から離れるにしたがって、第2のローラ体30と離れる方向に傾斜し、第2のローラ体30の第1のローラ体20側の端面は、把持部12から離れるにしたがって、第1のローラ体20と離れる方向に傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の表面をマッサージするためのマッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のローラを用いて人体の表面をマッサージするためのマッサージ具が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、隣接した2つのローラを傾斜した状態で設けたマッサージ具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−205073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、操作性よく効率的に人体の表面をマッサージすることができるマッサージ具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマッサージ具は、
把持部を有するマッサージ具であって、
基体と、
前記基体に設けられた第1の回転軸と、
前記基体に設けられた第2の回転軸と、
前記第1の回転軸に回転自在に取り付けられた第1のローラ体と、
前記第2の回転軸に回転自在に取り付けられた第2のローラ体と、を含み、
前記第1のローラ体と前記第2のローラ体とは、隣り合う位置に空間を置いて離間して設けられ、
前記第1のローラ体の前記第2のローラ体側の端面は、前記マッサージ具の押し出し方向にいくにしたがって、前記第2のローラ体と離れる方向に傾斜し、
前記第2のローラ体の前記第1のローラ体側の端面は、前記マッサージ具の押し出し方向にいくにしたがって、前記第1のローラ体と離れる方向に傾斜している。
【0006】
本発明のマッサージ具は、柄を押すようにして使用するものである。すなわち、第1のローラ体および第2のローラ体が、第1および第2のローラ体の端面の間隔が広がっている側の部分が人体の表面に接し、回転にしたがって、狭い側が接していくこととなる。本願発明者は、第1端面と第2端面の間隔が広がっている側から狭い側へと人体の表面が接することとなることで、人体の表面が第1のローラ体および第2のローラ体の間に挟まれて引き上げられることを見出した。すなわち、このマッサージ具によれば、肌をつり上げる効果があり、マッサージ効果が向上する。さらに、マッサージ具の第1端面と第2端面との間隔が柄から離れるにしたがって広がっているため、柄を押す方向に動かせばよいため、操作性が向上する。特に、顔のマッサージをする際に、柄を下にして、上に押し上げて使用するため、操作性が向上する。
【0007】
本発明において、
前記第1のローラ体は、多角形の第1の板状体が複数重ねられた状態で連結体により連結されて構成され、
前記複数の第1の板状体は、隣り合う前記第1の板状体と回転ずれをさせた状態で設けられており、
前記第2のローラ体は、多角形の第2の板状体が複数重ねられた状態で連結体により連結されて構成され、
前記複数の第2の板状体は、隣り合う前記第2の板状体と回転ずれをさせた状態で設けられていることができる。
【0008】
本発明のマッサージ具によれば、第1および第2のローラ体が複数の板状体からなることで、内側の板状体間で肌をつり上げた後に、続いてその外側の板状体が肌をつり上げることとなる。したがって、一つの場合よりも、つり上げられる感覚が増すこととなる。
【0009】
本発明において、前記把持部は、前記基体の一部を構成しており、前記マッサージ具の押し出し方向とは前記把持部から離れる方向であることができる。
【0010】
本発明において、前記基体の上に設けられたカバー体を有し、前記カバー体は、前記把持部を構成していることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係るマッサージ具を模式的に示す図である。
【図2】柄の構成例を模式的に示す図である。
【図3】第1のローラ体を模式的に示す図である。
【図4】図3におけるA1方向からみた図である。
【図5】比較例を示す図面である。
【図6】比較例を示す図面である。
【図7】第2の実施の形態に係るマッサージ具を模式的に示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係る構成要素を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
1.第1の実施の形態
マッサージ具100は、図1に示すように、基体としての柄10と、第1のローラ体20と、第2のローラ体30とを含む。
【0014】
柄10は、図2に示すように、マッサージ具100を使用する者が手で持つところの把持部12を含み、把持部12の逆側の部分に第1の回転軸14および第2の回転軸16が設けられている。第1の回転軸14および第2の回転軸16は、それぞれ向かい合うように設けられ、先端にいくにしたがって把持部12から離れるように傾いて設けられている。第1の回転軸12の延長線と第2の回転軸16の延長線とのなす角度A1は、後述するように、第1のローラ体20の第1端面22aと第2のローラ体30の第2端面32aとの傾き度合いによって決まる。
【0015】
第1のローラ体20は、第1の回転軸14に回転自在に取り付けられている。第1のローラ体20の柄に対する取り付け方として、たとえば第1のローラ体20の中心に穴を設けその穴に第1の回転軸14を通し、第1の回転軸14の端にストッパーを設けることができる。第1のローラ体20は、図3に示すように、第1の板状体22が複数重ねられた状態で構成されることができる。複数の第1の板状体22を一体化させて構成させるために、軸状の連結体24により連結することができる。第1の板状体22は、多角形の形状を有し、図4に示すように、隣り合う第1の板状体22と回転ずれ(たとえば約45度回転)をさせた状態で設けられることができる。
【0016】
第2のローラ体30は、第2の回転軸16に回転自在に取り付けられている。第2のローラ体30の柄に対する取り付け方として、たとえば第2のローラ体30の中心に穴を設けその穴に第2の回転軸16を通し、第2の回転軸16の端にストッパーを設けることができる。第2のローラ体30は、第2の板状体32が複数重ねられた状態で構成されている。複数の第2の板状体32を一体化させて構成させるために、連結体34により連結することができる。第2の板状体32は、多角形の形状を有し、隣り合う第2の板状体32と回転ずれ(たとえば約45度回転)をさせた状態で設けられることができる。
【0017】
第1の板状体22および第2の板状体32の大きさは、特に限定されず、たとえば平均径が1cm〜3cmとすることができる。
【0018】
第1のローラ体20と第2のローラ体30とは、隣り合う位置に離間して設けられている。第1のローラ体20と第2のローラ体30との間隔W1は、最も狭い部分において、たとえば1〜10mm、好ましくは1〜5mm、より好ましくは1〜3mmとすることができる。第1のローラ体20の第2のローラ体30側の第1端面22aは、柄10の把持部12から離れるにしたがって(マッサージ具の押し出し方向にいくにしたって)、第2のローラ体30と離れる方向に傾斜している。第2のローラ体30の第1のローラ体20側の第2端面32aは、柄10の把持部12から離れるにしたがって(マッサージ具の押し出し方向にいくにしたがって)、第1のローラ体20と離れる方向に傾斜している。
【0019】
第1端面22aの延長線と、第2端面32aの延長線とのなす角A2は、たとえば、10度から50度、好ましくは20度から40度とすることができる。第1の回転軸14の延長線と第2の回転軸16の延長線とのなす角は、第1端面22aの延長線と第2端面32aの延長線とのなす角が所望の角となるように考慮して決められる。
【0020】
第1の板状体20および第2の板状体30は、たとえば熱可塑性ゴム(ポリウレタンなど)などからなることができる。
【0021】
以下、マッサージ具100の使用方法および作用効果について説明する。
【0022】
本実施の形態に係るマッサージ具100は、柄10を押すようにして使用するものである。すなわち、第1のローラ体20および第2のローラ体30が、第1および第2のローラ体20,30の端面の間隔が広がっている側の部分が人体の表面に接し、回転にしたがって、狭い側が接していくこととなる。本願発明者は、第1端面22aと第2端面32aの間隔が広がっている側から狭い側へと人体の表面が接することとなることで、人体の表面が第1のローラ体20および第2のローラ体30の間に挟まれて、その挟まれた部分が引き上げられることを見出した。すなわち、このマッサージ具100によれば、肌をつり上げる効果があり、マッサージ効果(血行の促進効果を含む)が向上する。さらに、マッサージ具100の第1端面22aと第2端面32aとの間隔が柄10から離れるにしたがって広がっているため、柄を押す方向に動かせばよいため、操作性が向上する。特に、顔のマッサージをする際に、柄を下にして、上に押し上げて使用するため、操作性が向上する。
【0023】
なお、図5に示すように、2つのローラ体120,130の間隔がない部分がある場合には、人体の表面がローラ120,130間に挟まれて、その挟まれた部分が引き上げられることがなく、本実施の形態に係る作用効果を奏することができない。また、2つのローラ体120,130の間にさらに別のローラ体140を設けた場合にも、2つのローラ体120,130間に人体の表面が挟まれて、その挟まれる部分が引き上げられることがないため、本実施の形態に係る作用効果を奏することができない。また、柄122の方に引く方向でマッサージ具を動かす必要があり、操作性が悪い。
【0024】
さらに、第1および第2のローラ体20,30が複数の板状体からなり、隣り合う板状体が回転ずれをさせて状態で設けられることとで、内側の板状体間で肌をつり上げた後に、続いてその外側の板状体が肌をつり上げることとなる。したがって、一つの場合よりも、つり上げられる感覚が増すこととなる。
【0025】
板状体が方形(たとえば正方形)であることで、板状体が回転することで、1つの回転の間で、第1のローラ体20と第2のローラ体30との間隔を変えることができ、単調ではなく、挟まれる強さに強弱が生じるためマッサージ効果を奏することができる。また、板状体が方形であると、角張っているところがあるため、人体の表面に刺激を与えることができる。
【0026】
2.第2の実施の形態
図7および図8に第2の実施の形態に係るマッサージ具を模式的に示す。
【0027】
第2の実施の形態に係るマッサージ具200は、図7に示すように、基体210に第1のローラ体220と第2のローラ体230のセットが複数セット設けられていてもよい。第1のローラ体220および第2のローラ体230は、基体210に設けられた穴218に基体210から伸びる回転軸214を介して設けることができる。基体210の上に、カバー体240を設け、このカバー体240を把持部としてもよい。カバー体240には、手の載置エリア(図示せず)が記載されていてもよい。この載置エリアは、手の形状に沿って凹んでいてもよく、手の先側が押し出す方向となる。なお、押し出し方向を表示する矢印250を設けておくことができる。
【0028】
第1のローラ体220および第2のローラ体230の詳細な構成は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0029】
第2の実施の形態に係るマッサージ具200においても、第1の実施の形態に係るマッサージ具100と同様の作用効果を奏することができる。
【0030】
第2の実施の形態に係るマッサージ具200によれば、頭皮のマッサージをするのに特に有用である。
【0031】
本実施の形態は、本発明の範囲内において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
人体の表面のマッサージの際に使用されるマッサージ具に適用できる。
【符号の説明】
【0033】
10 柄
12 把持部
14 第1の回転軸
16 第2の回転軸
20 第1のローラ体
22 第1の板状体
24 連結体
30 第2のローラ体
32 第2の板状体
34 連結体
100 マッサージ具
200 マッサージ具
210 基体
214 回転軸
218 穴
220 第1のローラ体
230 第2のローラ体
240 カバー体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部を有するマッサージ具であって、
基体と、
前記基体に設けられた第1の回転軸と、
前記基体に設けられた第2の回転軸と、
前記第1の回転軸に回転自在に取り付けられた第1のローラ体と、
前記第2の回転軸に回転自在に取り付けられた第2のローラ体と、を含み、
前記第1のローラ体と前記第2のローラ体とは、隣り合う位置に離間して設けられ、
前記第1のローラ体の前記第2のローラ体側の端面は、前記マッサージ具の押し出し方向にいくにしたがって、前記第2のローラ体と離れる方向に傾斜し、
前記第2のローラ体の前記第1のローラ体側の端面は、前記マッサージ具の押し出し方向にいくにしたがって、前記第1のローラ体と離れる方向に傾斜しているマッサージ具。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のローラ体は、多角形の第1の板状体が複数重ねられた状態で連結体により連結されて構成され、
前記複数の第1の板状体は、隣り合う前記第1の板状体と回転ずれをさせた状態で設けられており、
前記第2のローラ体は、多角形の第2の板状体が複数重ねられた状態で連結体により連結されて構成され、
前記複数の第2の板状体は、隣り合う前記第2の板状体と回転ずれをさせた状態で設けられているマッサージ具。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記把持部は、前記基体の一部を構成しており、
前記マッサージ具の押し出し方向とは、前記把持部から離れる方向であるマッサージ具。
【請求項4】
請求項1または2において、
前記基体の上に設けられたカバー体を有し、
前記カバー体は、前記把持部を構成しているマッサージ具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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