説明

マッサージ具

【課題】柔軟な素材で形成されたマッサージ本体部と、硬質の素材で形成された把持部との接合部分に、隙間が生じて髪の毛を挟み込み易くなるのを効果的に回避できるマッサージ具を提供する。
【解決手段】マッサージ本体部10、把持部12、及び固定ピン部17を有するマッサージ具であって、マッサージ本体部10は、複数の押圧突起13a,13b,13cを有し、弾性力を備える合成樹脂材料からなる。把持部12は、硬質の合成樹脂材料からなる。固定ピン部17は、張出し基台18と接合ピン16とを有し、合成樹脂材料からなる。張出し基台18の下部外周縁部18cをマッサージ本体部10に融着させて、固定ピン部17がマッサージ本体部10に一体として取り付けられる。接合ピン16が把持部12の下端接合面12aに形成された嵌合接続穴15に嵌め込まれることで、マッサージ本体部10、把持部12、及び固定ピン部17が一体化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ具に関し、特にマッサージ本体部、把持部、及び固定ピン部を有するマッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、整髪や洗髪を行う際に、これらの整髪や洗髪と同時に頭部へのマッサージ効果を得ることが可能なヘアブラシが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のヘアブラシは、把持部を備える曲面状に湾曲する扁平な椀状の基板の下面に、多数のブラシ突起を突設させたものである。特許文献1のヘアブラシは、扁平な椀状の基板や多数のブラシ突起を例えばエラストマーや合成ゴム等の弾性力を備える柔軟な素材で作成した場合には、頭部への押圧と押圧の解除を繰り返すことにより、特に基板の弾性変形によって、ブラシ突起によるマッサージ効果を高めることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−27422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、扁平な椀状の基板を弾性力を備える柔軟な素材で形成した場合でも、マッサージ具としてのヘアブラシを把持するための把持部は、好ましくは硬質の素材で形成する必要があるため、ブラシの使用時に、柔軟な素材からなる基板の変形によって、把持部と基板との接合部分に隙間が生じやすくなり(図6(b)参照)、生じた隙間に髪の毛が挟まることで、髪の毛が抜けてしまうことが考えられる。
【0005】
本発明は、弾性力を備える柔軟な素材で形成されたマッサージ本体部の基板と、好ましくは硬質の素材で形成された把持部との接合部分に、使用時に隙間が生じて髪の毛を挟み込み易くなるのを効果的に回避することのできるマッサージ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、マッサージ本体部、把持部、及び固定ピン部を有するマッサージ具であって、前記マッサージ本体部は、基板の内側面から下方に突出する複数の押圧突起を有すると共に、弾性力を備える合成樹脂材料からなり、前記把持部は合成樹脂材料からなり、前記固定ピン部は、張出し基台と接合ピンとを有すると共に、合成樹脂材料からなり、該張出し基台は、前記把持部の下端接合面の外周縁部に沿った形状の外周縁部を有する上部接合面を備えると共に、該張出し基台の下部外周縁部を前記マッサージ本体部に融着させて、前記前記固定ピン部が前記基板の外側面に一体として取り付けられており、前記接合ピンは、前記基板の外側面から突出し、前記把持部の下端接合面に開口して形成された嵌合接続穴に嵌め込まれることにより、前記マッサージ本体部、前記把持部、及び前記固定ピン部が一体化されているマッサージ具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマッサージ具によれば、弾性力を備える柔軟な素材で形成されたマッサージ本体部の基板と、好ましくは硬質の素材で形成された把持部との接合部分に、使用時に隙間が生じて髪の毛を挟み込み易くなるのを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るマッサージ具の斜視図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係るマッサージ具の分解側面図である。
【図3】マッサージ本体部に固定ピン部を一体として取り付けた状態の側面図である。
【図4】マッサージ本体部に固定ピン部を一体として取り付けた状態の、固定ピン部を側面図で示す略示断面図である。
【図5】固定ピン部を介してマッサージ本体部に把持部を接合した状態の、固定ピン部を側面図で示す略示断面図である。
【図6】(a)は、本発明の好ましい一実施形態に係るマッサージ具の使用時に、マッサージ本体部が弾性変形した状態を説明する、固定ピン部を側面図で示す略示断面図、(b)は、従来のマッサージ具において、把持部とマッサージ本体部との接合部分に隙間が生じた状態を説明する略示断面図である。
【図7】固定ピン部の接合ピンの拡大側面図である。
【図8】把持部の嵌合接続穴に固定ピン部の接合ピンを嵌着固定するための、好ましい構成を説明する拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係るマッサージ具10は、例えば頭皮に指を押し当てて行う頭部へのマッサージに代えて、把持部12を把持して行う簡単な操作により、マッサージ本体部11の押圧突起13a,13b,13cを頭皮に押し付けたり擦り付けたりすることによって、好ましくは髪の毛を直接手で触れることなく、指でマッサージを行った場合と同等のマッサージ効果が得られるようにするものである。また、本実施形態のマッサージ具10は、弾性力を備える合成樹脂材料からなるマッサージ本体部11が弾性変形した際に、マッサージ本体部11と好ましくは硬質の合成樹脂材料からなる把持部12との間の接合部分に大きな隙間50(図6(b)参照)が生じないようにして、毛が挟み込まれるのを回避できる機能を備える。
【0010】
そして、本実施形態のマッサージ具10は、図2〜図5にも示すように、基板14の内側面から下方に突出する複数の押圧突起13a,13b,13cを有する、弾性力を備える合成樹脂材料からなるマッサージ本体部11と、好ましくは硬質の合成樹脂材料からなる把持部12と、基板14の外側面に一体として取り付けられて、把持部12の下端接合面12aに開口して形成された嵌合接続穴15(図5参照)に嵌め込まれる接合ピン16を基板14の外側面の好ましくは中央部分から突出させる、好ましくは硬質の合成樹脂材料からなる固定ピン部17とを含んで構成される。固定ピン部17には、把持部12の下端接合面12aの外周縁部12bに沿った形状の外周縁部18bを有する上部接合面18aを備える張出し基台18が設けられており、且つ固定ピン部17は、張出し基台18の下部外周縁部18cをマッサージ本体部11に例えば2色成形やインサート成形により融着させて、基板14の外側面に一体として取り付けられている。
【0011】
すなわち、本実施形態のマッサージ具10は、マッサージ本体部11、把持部12、及び固定ピン部17を有しており、マッサージ本体部11は、基板14の内側面から下方に突出する複数の押圧突起13a,13b,13cを有すると共に、弾性力を備える合成樹脂材料からなり、把持部12は合成樹脂材料からなり、固定ピン部17は、張出し基台18と接合ピン16とを有すると共に、合成樹脂材料からなっている。張出し基台18は、把持部12の下端接合面12aの外周縁部12bに沿った形状の外周縁部18bを有する上部接合面18aを備えると共に、当該張出し基台18の下部外周縁部18cをマッサージ本体部11に融着させて、固定ピン部17が基板14の外側面に一体として取り付けられている。接合ピン16は、基板14の外側面から突出し、把持部12の下端接合面に開口して形成された嵌合接続穴15に嵌め込まれることにより、マッサージ本体部11、把持部12、及び固定ピン部17が一体化されている。
【0012】
ここで、固定ピン部17の張出し基台18の上部接合面18aの外周縁部18bが、把持部12の下端接合面12aの外周縁部12bに沿った形状を有しているということには、上部接合面18aの外周縁部18bの形状及び大きさと下端接合面12aの外周縁部12bの形状及び大きさとが合致していることの他、これらの形状及び大きさが概ね合致していることも含まれる。例えば、双方が共に円形であって、その直径が僅かに異なる場合や、一方が円形であって、他方がこの円形に外接又は内接する多角形である場合等も含まれる。
【0013】
本実施形態では、マッサージ具10を構成するマッサージ本体部11は、好ましくは弾性率が10〜30MPa程度の相当の弾性力を備える合成樹脂材料として、例えば、エラストマー(スチレン系、ポリエステル系、オレフィン系、ウレタン系など)等を用いて形成される。特にスチレン系エラストマーは透明性に優れるものがあり、着色の自由度も大きいため、好ましく使用することができる。マッサージ本体部11の基板14は、例えば2〜7mm程度の厚さを有すると共に、平面形状として直径が例えば40〜80mm程度の円板形状を有しており、また曲率半径が例えば40〜80mm程度の曲率で曲面状(ドーム状)に湾曲した扁平な椀状に形成される。
【0014】
また、本実施形態では、基板14には、これの中央部分から外側に向けて延設する舌状片19が、中央部分側の基端部を除く周囲にU字状の貫通溝20が設けられることにより基端部から片持ち梁状に張り出した状態で、周方向に間隔をおいて複数設けられている。各々の舌状片19の先端部分には、下方に突出して押圧突起13aが設けられている。さらに、本実施形態では、基板12の中央部分の内側面に、下方に突出する中央部押圧突起13bが設けられており、また周方向に隣接する押圧突起13aの間の部分には、下方に突出する補助押圧突起13cが設けられている。これらの押圧突起13a,13b,13cの先端は、半球形状又は曲面形状に形成された押圧部となっている。
【0015】
マッサージ具10を構成する把持部12は、本実施形態では、好ましくはマッサージ本体部11よりも硬い(すなわちマッサージ本体部11よりも変形し難い)、弾性率が750〜3600MPa(より好ましくは1200〜3300MPa、更に好ましくは1700〜2500MPa)程度相当の弾性力を備える硬質の合成樹脂材料として、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)樹脂、POM(ポリアセタール)樹脂、アクリル樹脂、AS(アクリル二トリルスチレン共重合体)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等を用いて形成される。特にPCTAは、透明性に優れ、着色の自由度が大きく、耐薬品性に優れ、衝撃強度の高いものがあるので好ましく使用することができる。把持部12は、固定ピン部17を介してマッサージ本体部11と一体化されて、押圧突起13a,13b,13cを頭皮に押し当てるための押圧力や、頭部を揉み解すための回転力等を、マッサージ本体部11に効率良く伝達できるようになっている。
【0016】
また、本実施形態では、把持部12は、円筒体の周面全周がくびれ部となっている接合ドラム部21と、この接合ドラム部21の上部から径方向外側に張り出して一方向に延設するハンドル部22とが一体成形された形状を有している。これによって、マッサージ具10を用いて頭部へのマッサージを行う際に、圧迫法、強擦法、揉捏法、軽擦法、打突法等のマッサージの方法や、マッサージを行なう部位や力加減に応じて、種々の持ち方から適切な持ち方を選択することが可能になる。またこれによりマッサージ効果を得るための操作を安定した状態で行って、効率良く且つ効果的にマッサージを行うことが可能になる。
【0017】
さらに、本実施形態では、接合ドラム部21の下端面が把持部12の下端接合面12aを構成していて、固定ピン部17の張出し基台18の上部接合面18aと密着配置されるようになっていると共に、把持部12の下端接合面12aの中央部分に開口して、円形の中空断面を有する嵌合接続穴15が、接合ドラム部21の内部に形成されている。この嵌合接続穴15には、マッサージ本体部11の基板14の外側面に一体として接合された固定ピン部17の接合ピン16が、取り外すことが困難な状態で嵌合装着される。
【0018】
マッサージ具10を構成する固定ピン部17は、本実施形態では、マッサージ本体部11と融着可能で、且つ好ましくはマッサージ本体部11の合成樹脂材料よりも硬い、弾性率が750〜3600MPa(より好ましくは750〜2100MPa、更に好ましくは800〜2000MPa)程度相当の弾性力を備える硬質の合成樹脂材料として、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PET−G(ポリエチレンテレフタレートの一種)樹脂、POM(ポリアセタール)樹脂、アクリル樹脂、AS(アクリル二トリルスチレン共重合体)樹脂等を用いて形成される。特にPPは着色の自由度が高く好ましく使用することができる。
【0019】
また、固定ピン部17は、把持部12の合成樹脂材料よりも軟らかい例えば硬質の合成樹脂材料によって形成されていることが好ましい。固定ピン部17が把持部12よりも軟らかい合成樹脂材料によって形成されていることにより、接合ピン16を打ち込んだり無理押しして嵌合接続穴15に嵌め込む際に、当該接合ピン16の方を変形させることで、嵌め込みがスムーズに行われるようにすることが可能になると共に、このような変形によって接合ピン16の外周面と嵌合接続穴15の内周面との密着性を向上させて、さらに安定した状態でマッサージ本体部11と把持部12とを接合一体化することが可能になる。
【0020】
本実施形態では、固定ピン部17は、円盤形状の張出し基台18と、張出し基台18の中央部分から上方に一体として立設する接合ピン16と、張出し基台18の中央部分から接合ピン16とは反対側の下方に一体として突出する、埋込みアンカー23とによって構成される。張出し基台18の上面は、把持部12の下端接合面12aの外周縁部12bに沿った形状の外周縁部18bを有する、平坦な上部接合面18aを備えている。固定ピン部17を介して把持部12と固定ピン部17とを接合一体化させた際に、把持部12の下端接合面12aと張出し基台18の上部接合面18aとを強固に密着させて、把持部12からの力をマッサージ本体部11に安定した状態で伝達させることが可能になる。また、張出し基台18は、上面から厚さ方向下方に向けて末広がりに拡径する形状を備えると共に、平坦な下面を有している。この平坦な下面を介して、固定ピン部17がマッサージ本体部11と融着接合される。
【0021】
埋込みアンカー23は、張出し基台18の下面中央部分から下方に突出する、扁平な円柱形状を備える部分である。埋込みアンカー23は、例えば2色成形やインサート成形によってマッサージ本体部11が形成される際に、マッサージ本体部11の基板14の外側面の中央部分に埋設されて、アンカー機能を発揮することで、固定ピン部17をマッサージ本体部11に強固に接合一体化させることが可能になる。
【0022】
接合ピン16は、張出し基台18の上面中央部分から上方に突出する、把持部12の接合ドラム部21に形成された嵌合接続穴15の内径と同様の外形を有する円柱形状の突起である。接合ピン16は、その全体が嵌合接続穴15に収まる長さを備えると共に、先端が先細状に面取りされている。
【0023】
本実施形態では、接合ピン16の外周面に沿って、ピン側周方向凹溝24が形成されている。このピン側周方向凹溝24には、接合ピン16の嵌合接続穴15への嵌め込み時に、嵌合接続穴15の内周面に沿って形成された把持部側周方向凸リブ25が係合される。これによって、把持部12とマッサージ本体部11とを更に強固に接合一体化することが可能になる。
【0024】
なお、本実施形態では、図8に示すように、嵌合接続穴15の奥部領域には、内周面の内径を奥部側に向けて徐々に縮径させたテーパー面部26を設けておくこともできる。嵌合接続穴15の奥部領域にテーパー面部26を設けておくことにより、接合ピン16の嵌合接続穴15への嵌め込み時に、接合ピン16の先端部分のストレート形状の外周面を、テーパー面部26に食い込ませて楔効果を発揮させることにより、把持部12とマッサージ本体部11とを更に強固に接合一体化することが可能になる。
【0025】
また、本実施形態では、図7に示すように、接合ピン16の外周面に沿って、ピン側縦方向凹溝27を形成しておくこともできる。このピン側縦方向凹溝27には、接合ピン16の嵌合接続穴15への嵌め込み時に、嵌合接続穴15の内周面に沿って形成された把持部側縦方向凸リブ(図示せず)を係合することができる。これによって、マッサージ具10の使用時に、マッサージ本体部11に対して把持部12が相対的に回転するのを回避することが可能になる。
【0026】
さらに、本実施形態では、図8に示すように、接合ピン16の基端部分の外周面に沿って、例えばエラストマーからなる密閉用シールリング28を取り付けておくことができる。この密閉用シールリング28によって嵌合接続穴15の内周面との隙間をシールすることで、嵌合接続穴15の内部に例えば洗髪剤や整髪剤が侵入するのを遮断して、カビの発生等を効果的に回避することが可能になる。
【0027】
本実施形態では、固定ピン部17とマッサージ本体部11とは、例えば2色成形やインサート成形によって形成されることにより融着されて、強固に接合一体化される。これによって、固定ピン部17の張出し基台18の下部外周縁部18cは、基板14の外側面に隙間無く強固に融着固定される。また、固定ピン部17が接合一体化されたマッサージ本体部11は、固定ピン部17の接合ピン16を、把持部12の接合ドラム部21の嵌合接続穴15に打ち込んだり無理押しして嵌め込むことにより把持部12と一体化されて、マッサージ具10が容易に形成される。
【0028】
そして、上述の構成を有する本実施形態のマッサージ具10によれば、弾性力を備える柔軟な素材で形成されたマッサージ本体部11の基板14と、好ましくは硬質の素材で形成された把持部12との接合部分に、使用時に隙間が生じて髪の毛を挟み込み易くなるのを効果的に回避することが可能になる。
【0029】
すなわち、本実施形態によれば、マッサージ具10は、マッサージ本体部11と、把持部12と、固定ピン部17とからなり、固定ピン部17には、把持部12の下端接合面12aの外周縁部12bに沿った形状の外周縁部18bを有する上部接合面18aを備える張出し基台18が設けられており、且つ固定ピン部17は、張出し基台18の下部外周縁部18cをマッサージ本体部11に融着させて、基板14の外側面に一体として取り付けられているので、把持部12からの力を固定ピン部17を介してマッサージ本体部11に安定した状態で効果的に伝達することが可能になる。また、固定ピン部17の張出し基台18の下部外周縁部18cがマッサージ本体部11の基板14の外側面に隙間無く強固に融着しているので、図6(a)に示すように、マッサージ具10の使用時にマッサージ本体部11の基板14が変形しても、固定ピン部17の張出し基台18とマッサージ本体部11の基板14の外側面との間に隙間が生じることがない。
【0030】
したがって、本実施形態によれば、例えば図6(b)に示す従来のマッサージ具51のように、使用時に弾性力を備えるマッサージ本体部52と、例えば硬質の合成樹脂材料からなる把持部53との間の接合部分に大きな隙間50が生じて、この隙間50に毛が挟み込まれ易くなるのを効果的に回避することが可能になる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、把持部は、接合ドラム部とこれの上部から一方向に延設するハンドル部とからなるものである必要は必ずしもなく、例えば円筒体の部分のみからなる把持部であっても良い。また、マッサージ本体部は、基板に舌状片を設けたものである必要は必ずしも無く、基板の内側面から押圧突起を直接突出させたものであっても良い。さらに、接合ピンの外周面に沿ってピン側周方向凸リブを形成して、これを嵌合接続穴の内周面に沿って形成された把持部側周方向凹溝に係合させても良く、接合ピンの外周面に沿ってピン側縦方向凸リブを形成して、これを嵌合接続穴の内周面に沿って形成された把持部側縦方向凹溝に係合させても良い。
【符号の説明】
【0032】
10 マッサージ具
11 マッサージ本体部
12 把持部
12a 下端接合面
12b 外周縁部
13a,13b,13c 押圧突起
14 基板
15 嵌合接続穴
16 接合ピン
17 固定ピン部
18 張出し基台
18a 上部接合面
18b 外周縁部
18c 下部外周縁部
21 接合ドラム部
22 ハンドル部
23 埋込みアンカー
24 ピン側周方向凹溝
25 把持部側周方向凸リブ
26 テーパー面部
27 ピン側縦方向凹溝
28 密閉用シールリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ本体部、把持部、及び固定ピン部を有するマッサージ具であって、
前記マッサージ本体部は、基板の内側面から下方に突出する複数の押圧突起を有すると共に、弾性力を備える合成樹脂材料からなり、
前記把持部は合成樹脂材料からなり、
前記固定ピン部は、張出し基台と接合ピンとを有すると共に、合成樹脂材料からなり、
該張出し基台は、前記把持部の下端接合面の外周縁部に沿った形状の外周縁部を有する上部接合面を備えると共に、該張出し基台の下部外周縁部を前記マッサージ本体部に融着させて、前記前記固定ピン部が前記基板の外側面に一体として取り付けられており、
前記接合ピンは、前記基板の外側面から突出し、前記把持部の下端接合面に開口して形成された嵌合接続穴に嵌め込まれることにより、前記マッサージ本体部、前記把持部、及び前記固定ピン部が一体化されているマッサージ具。
【請求項2】
前記固定ピン部の合成樹脂材料が、前記把持部の合成樹脂材料よりも軟らかい合成樹脂材料である請求項1記載のマッサージ具。
【請求項3】
前記固定ピン部の合成樹脂材料が、前記マッサージ本体部の合成樹脂材料よりも硬い合成樹脂材料である請求項1又は2記載のマッサージ具。
【請求項4】
前記接合ピンの外周面に沿って、ピン側周方向凹溝又はピン側周方向凸リブが形成されており、前記嵌合接続穴の内周面に沿って、前記接合ピンの前記嵌合接続穴への嵌め込み時に前記ピン側周方向凹溝又はピン側周方向凸リブに係合される、把持部側周方向凸リブ又は把持部側周方向凹溝が形成されている請求項1〜3の何れか1項記載のマッサージ具。
【請求項5】
前記嵌合接続穴の奥部領域には、内周面の内径を奥部側に向けて徐々に縮径させたテーパー面部が設けられている請求項1〜4の何れか1項記載のマッサージ具。
【請求項6】
前記接合ピンの外周面に沿って、ピン側縦方向凹溝又はピン側縦方向凸リブが形成されており、前記嵌合接続穴の内周面に沿って、前記接合ピンの前記嵌合接続穴への嵌め込み時に前記ピン側縦方向凹溝又はピン側縦方向凸リブに係合される、把持部側縦方向凸リブ又は把持部側縦方向凹溝が形成されている請求項1〜5の何れか1項記載のマッサージ具。
【請求項7】
前記固定ピン部は、前記張出し基台から前記接合ピンとは反対側に突出する埋込みアンカーを備えており、該埋込みアンカーは、前記マッサージ本体部の前記基板に埋設される請求項1〜6の何れか1項記載のマッサージ具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−105965(P2012−105965A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229662(P2011−229662)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】