説明

マッサージ機及びマッサージ方法

【課題】被施療者に与えるマッサージ動作を適切な出力とすることができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】被施療者に対してマッサージ動作するマッサージユニット5と、このマッサージユニット5によってマッサージを受けている被施療者の脳波を取得する脳波取得部18と、脳波取得部18が取得した脳波に基づいてマッサージユニット5によるマッサージ動作を制御する動作制御部17と、電磁ノイズを除去する電磁ノイズ除去部19とを備えている。電磁ノイズ除去部19は、脳波取得部18が取得した脳波から、当該脳波の取得中におけるマッサージ動作に応じて、当該マッサージ動作を実行しているマッサージユニット5に起因する電磁ノイズを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージ機及びマッサージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背凭れ部内にマッサージユニットが設けられた椅子型マッサージ機がある。このマッサージユニットは揉み玉からなる施療子を有し、この施療子をモータなどによって動作させることで、当該施療子に揉み、叩き、指圧などのマッサージ動作を行わせることができる。
このようなマッサージ機では、被施療者が操作器を操作することによってマッサージ動作を変更することができるものの、指圧力の強弱などのマッサージ出力は、一定の値に設定されている。このため、被施療者が痛いと感じていても、マッサージ機は常にその出力でマッサージを続けてしまう。つまり、マッサージ出力について、被施療者の快適度が考慮されたものではない。そこで、特許文献1に示しているように、被施療者から得られる脳波に基づいてマッサージユニットの動作を制御し、マッサージ出力を調整することができるものが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−215671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のマッサージ機は、マッサージ中の快適度の判定指標として被施療者の脳波を取得し、これをマッサージユニットの動作制御に用いている。すなわち、取得した脳波に基づいてマッサージユニットの動作出力を調整し、マッサージ中の快適度を高めようとするものである。
しかし、実際にマッサージ機を使用している状態で脳波を取得していると、その取得中に様々なノイズ(アーチフェクト)が脳波に含まれてしまう。ノイズの影響が含まれている脳波に基づいて、マッサージユニットの動作を制御しても、誤った出力を被施療者に与えてしまう虞がある。
そこで本発明は、被施療者に与えるマッサージ動作を適切な出力とすることができるマッサージ機及びマッサージ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するためのこの発明は、被施療者に対してマッサージを施すマッサージ機本体と、このマッサージ機本体によってマッサージを受けている被施療者の脳波を取得する脳波取得部と、前記脳波取得部が取得した脳波に基づいて前記マッサージ機本体の動作を制御する動作制御部とを備えたマッサージ機であって、前記脳波取得部が取得した脳波から、当該脳波の取得中における前記マッサージ機本体の動作に応じて、当該マッサージ機本体の動作に起因するノイズを除去するマッサージノイズ除去部を備えている。
被施療者に対してマッサージ機本体がマッサージを施すために動作していると、脳波取得部が取得する脳波に、マッサージ機本体に起因するノイズが含まれることがある。しかし、このマッサージ機によれば、マッサージノイズ除去部は、脳波の取得中におけるマッサージ機本体の動作に起因するノイズを、取得した脳波から除去することにより、得られる脳波を、ノイズが抑えられたものとすることができる。したがって、この脳波に基づいて、動作制御部によりマッサージ動作を制御することで、マッサージ機本体が被施療者に与えるマッサージを適切な出力とすることができる。
【0006】
そして、前記マッサージノイズ除去部は、前記マッサージ機本体の動作と、この動作を行なう当該マッサージ機本体に起因するノイズ成分との関連についての関連情報を記憶する記憶部と、前記関連情報から、前記脳波の取得中における前記マッサージ機本体の動作に対応する前記ノイズ成分を得て、この得られた前記ノイズ成分を、前記脳波取得部が取得した脳波から除く処理部とを有しているのが好ましい。
これによれば、処理部は、マッサージ機本体の動作に基づいて、そのマッサージ機本体に起因するノイズを脳波から除くことができる。また、記憶部が記憶している関連情報から、脳波の取得中におけるマッサージ機本体の動作に対応するノイズ成分を得ることができるので、前記ノイズを脳波から除く処理を迅速に行なうことができる。なお、マッサージ機本体に起因する前記ノイズ成分は、例えば、マッサージ機本体に起因するノイズの周波数成分である。
【0007】
また、前記マッサージ機は、前記脳波取得部が取得した脳波から、被施療者の動作に起因する動作ノイズを除去する動作ノイズ除去部を、更に備えているのが好ましい。
このマッサージ機によれば、脳波取得中にある被施療者が動作することに起因するノイズを除去することができる。被施療者の眼球運動(例えば瞬き)は、脳波測定に影響を与えることが知られているが、このマッサージ機によれば、被施療者が例えば瞬きをしても、取得する脳波への影響を抑えることができる。
【0008】
そして、前記動作ノイズ除去部は、前記動作ノイズの存在を判定する判定部と、この判定部の判定結果に応じて、前記動作制御部によって前記マッサージ機本体の動作を制御するための対象とする脳波から、前記動作ノイズが存在している部分を除外する選別部とを有しているのが好ましい。
この動作ノイズ除去部によれば、前記動作制御部によってマッサージ機本体の動作を制御するための対象とする脳波から、動作ノイズが存在している部分が除去されるため、動作ノイズが抑えられた脳波を得ることができる。
【0009】
また、前記動作ノイズ除去部の前記判定部は、前記脳波取得部が取得した脳波の出力値と、予め設定された閾値とを比較することで前記動作ノイズの存在を判定することができる。
これによれば、被施療者が動作すると、例えば瞬きをすると、脳波の出力値は大きくなることから、この判定部によれば、脳波取得部が取得した脳波の出力値と、予め設定された閾値とを比較することで、動作ノイズの存在を判定することができる。
さらに、前記動作ノイズ除去部の前記判定部は、前記脳波取得部が取得した脳波の波形と、被施療者の動作に起因する動作ノイズの波形雛形とを比較することで前記動作ノイズの存在を判定することができる。
これによれば、被施療者が動作すると、例えば瞬きをすると、脳波が特定の波形となることから、この判定部によれば、脳波取得部が取得した脳波の波形と、動作ノイズの波形雛型とを比較することで、動作ノイズの存在を判定することができる。
【0010】
また、前記動作ノイズ除去部は、前記脳波取得部が取得した脳波を移動平均処理すると共に、この移動平均処理された脳波を、前記脳波取得部が取得した脳波から差し引くトレンド除去部を更に有しているのが好ましい。
これによれば、被施療者がゆっくりと動作すると(例えば眼球運動が行なわれると)脳波が緩やかに変動するが、この脳波の変動を除去することができる。
【0011】
また、ノイズの除去処理の済んだ脳波に基づいて得られた前記被施療者の脳波状況を当該被施療者へ提示する提示部を備えているのが好ましい。
これによれば、マッサージを受けている被施療者は、提示部を見ることができ、自身の脳波状況(例えば快適であると感じているか不快であると感じているか)を知ることができる。
【0012】
また、前記マッサージ機によって行なうことができるマッサージ方法は、マッサージ機によってマッサージを受けている被施療者の脳波を取得し、取得した脳波から、前記マッサージ機に起因するノイズを除去し、このノイズが除去された脳波に基づいて前記マッサージ機によるマッサージ動作を制御する。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、取得した脳波からノイズを除去することから、得られる脳波を、ノイズが抑えられたものとすることができる。したがって、この脳波に基づいて、マッサージ機本体の動作を制御することで、被施療者に与えるマッサージを適切な出力とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[マッサージ機の全体構成]
図1は本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す説明図である。このマッサージ機は、マッサージ機本体として、被施療者が着座する座部1と、この座部1の後部に設けられた背凭れ部2と、座部1の前部に設けられた脚載せ部3とを備えており、椅子型である。そして、このマッサージ機本体によって被施療者に対してマッサージが施される。背凭れ部2は駆動機構(図示せず)によって回動することができ(リクライニングすることができ)、また、脚載せ部3は、座部1の前部を中心として別の駆動機構(図示せず)により上下回動することができる。
【0015】
マッサージ機本体はマッサージユニット5を有しており、このマッサージユニット5は背凭れ部2内に設けられている。マッサージユニット5は、揉み、叩き、指圧などのマッサージ動作をする施療子6を有している施療動作部と、この施療動作部を前後移動可能として取り付けている本体フレームとを有している。マッサージユニット5は、図示しないが、マッサージ機本体が有している昇降駆動機構により、背凭れ部2内に左右一対設けられたガイドレールに沿って昇降移動する。前記昇降駆動機構は、例えば、ラックピニオン式とすることができ、ラックが前記ガイドレールに沿って設けられており、ピニオンとこれを回転させる減速器付きモータがマッサージユニット5に設けられた構造である。
【0016】
図2は、マッサージユニット5の正面斜視図である。マッサージユニット5は、施療子6を背凭れ部2の前後方向に移動させる押し出し機構を有している。押し出し機構は、前記施療動作部7を前後移動させる駆動源となる押出用モータ10と、このモータ10に減速機構を介して連結されたピニオン11と、このピニオン11に噛合し背凭れ部2の前後方向に沿って設けられたラック12とを有している。モータ10とピニオン11はマッサージユニット5の本体フレーム8に固定されており、ラック12は施療動作部7に固定されている。これにより、押出用モータ10を正逆回転させると、ピニオン11が正逆回転し、これによりラック12が前後移動し、このラック12とともに施療動作部7が前後移動する。
【0017】
また、施療動作部7は、施療子6に揉み、叩きのマッサージ動作をさせるために駆動する揉み機構、叩き機構を有している。図示しないが、揉み機構は、揉み用モータと、揉み軸と、揉み用モータの動力を揉み軸に伝達するギヤ等からなる動力伝達部とを有している。揉み用モータが回転し揉み軸が回転すると、施療子6を取り付けているアーム6aが揺動する。これにより、施療子6は左右方向の成分を有する揉み動作を行なう。また、叩き機構は、叩き用モータと、叩き軸と、叩き用モータの動力を叩き軸に伝達するギヤ等からなる動力伝達部とを有している。叩き用モータが回転し叩き軸が回転すると、アーム6aが左右方向の軸線に対して偏心回転する。これにより、施療子6は前後方向の成分を有する叩き動作を行なう。
なお、これら揉み機構、叩き機構及び前記押し出し機構は、通常用いられているものを適宜採用することができ、図示した以外のものであってもよい。
【0018】
前記押し出し機構によって施療動作部7の前後移動量を変更することにより、施療動作部7に搭載された施療子6によるマッサージ出力の強弱を変更することができる。つまり、施療動作部7を被施療者側へ大きく移動させることで、背凭れ部2に凭れた被施療者はその体重による反力で集中的な力(マッサージ力)を前記施療子6から受ける。これにより、被施療者は施療子6による強いマッサージ力を感じることができる。逆に、施療動作部7を後へ(被施療者と反対側へ)移動させると、背凭れ部2に凭れた被施療者の体重はこの施療子6以外に背凭れ部2の本体にも支えられ、被施療者が施療子6から受けるマッサージ力は前記集中的なマッサージ力よりも弱くなる。これにより、被施療者は弱いマッサージ力を感じることができる。
【0019】
以上より、このマッサージユニット5は、被施療者に対して施療子6により揉み等のマッサージ動作をすることができ、また、前記押し出し機構によって施療子6(施療動作部7)の前後移動量が調整されることで、マッサージ動作の際のマッサージ出力(強弱)を変更することができる。そして、このマッサージユニット5によるマッサージ動作及びマッサージ出力は、マッサージ機が備えている動作制御部17(図1参照)によって制御される。
【0020】
また、マッサージ機は、被施療者の脳波を取得する脳波取得部18を備えており、この脳波取得部18は、マッサージユニット5によってマッサージを受けている被施療者の脳波を取得する。脳波取得部18は、被施療者の頭部(額)と耳(耳たぶ)とに取り付けた対の電極を介して脳波を取得する。そして、前記動作制御部17は、この脳波取得部18が取得した脳波に基づいてマッサージユニット5によるマッサージ動作及びマッサージ出力を制御する。
さらに、マッサージ機は、アーチフェクト除去部として、脳波取得部18が取得した脳波から、被施療者の動作(動き)に起因する動作ノイズを除去する動作ノイズ除去部20、マッサージユニット5に起因する電磁ノイズを除去する電磁ノイズ除去部(マッサージノイズ除去部)19、及び、演算部23を、更に備えている。
【0021】
図3は、本発明のマッサージ機の主要部を示しているブロック図である。このマッサージ機は、CPU及び記憶部を有しているプログラマブルなマイコンを備えており、この記憶部に所定の各機能を実行するプログラムが格納されている。このプログラムが実行する機能として、前記動作制御部17、前記脳波取得部18、前記電磁ノイズ除去部19、前記動作ノイズ除去部20及び演算部23が構成される。
動作制御部17は、押し出し機構、揉み機構及び叩き機構に対して(各モータに対して)動作信号を送信し所定の動作を実行させる機能を備えている。脳波取得部18が有する機能は、被施療者の脳波を測定し取得するものであり、従来知られているものを採用することができる。
【0022】
[動作ノイズ除去部20及び演算部23について]
動作ノイズ除去部20は、脳波取得部18が取得した脳波から、被施療者の動作によって生じる動作ノイズを除去するように構成されている。また、この動作ノイズ除去部20は、電磁ノイズ除去部19が電磁ノイズを除去する処理の前に機能するように構成されている。
【0023】
動作ノイズ除去部20は、脳波取得部18が取得した脳波から、時間領域における緩やかな脳波の変動を除去するトレンド除去部25を有している。トレンド除去部25は、脳波取得部18が取得したオリジナルの脳波を移動平均処理すると共に、この移動平均処理した脳波を、脳波取得部18が取得したオリジナルの脳波から差し引く処理を行なう。マッサージ動作中であって脳波取得中の被施療者が、ゆっくりと眼球動作を行なうと、取得する脳波が緩やかに変動する。しかし、このトレンド除去部25の機能によって、脳波の変動を除去することができる。
【0024】
図4は、瞬きによる動作ノイズを含む脳波の図であり、(a)は時間領域で示したものであり、(b)は周波数領域で示したものである。被施療者が脳波取得中に二回瞬きをすることによって、図4の脳波には、二度の乱れ(二度の動作ノイズ)が含まれている。なお、この図に示しているように、瞬きをすることによって、脳波に+側(μV)の出力が生じた後、−側(μV)の出力が生じることは知られている。図4(b)に示しているように、低周波域に瞬きによる動作ノイズが含まれている。
【0025】
図3において、動作ノイズ除去部20は、前記トレンド除去部25によって処理された処理済み脳波(以下、これを単に処理済み脳波という)から、被施療者の早い眼球動作(瞬き)によって生じる動作ノイズの存在を判定する判定部26と、前記処理済み脳波から、その動作ノイズが存在している部分を除外する選別部27とを有している。判定部26は、閾値判定部31と相関係数判定部32とを有している。
【0026】
閾値判定部31は、前記処理済み脳波の出力値と、予め設定された閾値とを比較することで、瞬きによる動作ノイズの存在を判定する。閾値判定部31には、図4(a)に示しているように、脳波に関して所定の閾値x,yが設定されている。そして、閾値判定部31が、前記処理済み脳波の出力値と、前記閾値x,yとを比較し、当該処理済み脳波の出力値が閾値を超えている場合に、その脳波部分は、被施療者が瞬きをした時間帯であると判定することができる。このように、被施療者が瞬きをすると、脳波の出力値は急激に大きくなることから、この閾値判定部31によれば、瞬きによる動作ノイズの存在を判定することができる。
【0027】
図3の前記相関係数判定部32は、前記処理済み脳波の波形と、被施療者の早い眼球動作(瞬き)によって生じる動作ノイズの波形雛形とを比較することで、その動作ノイズの存在を判定する。図5は相関係数判定部32の機能を説明する説明図である。被施療者の瞬きによって生じる動作ノイズの波形雛形を、図5(a)に示す波形Fとすることができる。この雛型波形Fは、被施療者が瞬きを行なうことにより脳波取得部18が予め取得することができ、この雛型波形Fをマッサージ機(相関係数判定部32)は記憶している。
【0028】
そして、相関係数判定部32は、この雛型波形Fをテンプレートとして、前記処理済み脳波の相関係数を求めることにより、当該処理済み脳波から瞬きの時間帯を検出する。なお、前記相関係数は、一般的に知られているように、二つの確率変数の間の類似性の度合いを示す統計学的指標であり、例えば−1から+1までの実数値を取り、この値が+1に近ければ正の高い相関があり、−1に近ければ負の高い相関があると言える。逆に、値がゼロに近いと相関が弱く、類似性が低いと言える。
【0029】
そこで、本発明では、相関係数判定部32は、この相関係数を用いて雛型波形Fと処理済み脳波の波形との類似性を求め、この結果に基づいて、瞬きによる動作ノイズの存在を判定する。具体的な処理は、相関係数判定部32は、図5(b)に示している処理済み脳波の時系列データを固定し、このデータに対して雛型波形Fを時間的に進めながら両者の相関係数を求める。図5(c)はこの処理によって得られた相関係数の波形を示している。図5(c)と図5(b)とを比較すると、処理済み脳波に存在している瞬き動作付近で、高い相関値が得られている。相関係数判定部32は、相関値が、所定の閾値以上所定の閾値以下(+0.7以上、−0.7以下)であると判定した場合、高い相関であるとしており、この場合を瞬きによる動作ノイズが発生している領域であると判定する。
このように、被施療者が瞬きをすると、脳波が特定の波形となることから、この相関係数判定部32によれば、処理済み脳波の波形と、予め設定された波形雛型Fとを比較することで、瞬きによる動作ノイズの存在を判定することができる。そして、瞬きの時間帯を検出することができる。
【0030】
図3の選別部27は、判定部26の判定結果に応じて、つまり、閾値判定部31及び相関係数判定部32の双方又は一方による判定結果に応じて、処理済み脳波(動作制御部17によってマッサージ動作を制御するための対象とする脳波)から、瞬きによる動作ノイズが存在している部分を除外する。これにより、図6(a)に示しているように、処理済み脳波から、瞬きの時間帯の部分を除去することができる。そして、図6(b)は図6(a)を周波数領域で示したものである。この図6(b)と図4(b)とを比較すると、瞬きによる動作ノイズの除去処理が行なわれた脳波には、ノイズ成分(低周波部分)が取り除かれている。
【0031】
図3において、前記演算部23の第一演算部23aはFFT演算部であり、処理済み脳波から前記動作ノイズが除去されたデータを周波数領域に変換する。
また、前記演算部23の第二演算部23bは、第一演算部23aによって周波数領域に変換され、かつ、後述の電磁ノイズ除去部19から電磁ノイズが除去された脳波について、所定の周波数の帯域分離を行なう。この第二演算部23bによって、脳波中に存在している所定の周波数帯、つまり、α波とβ波とを取得することができる。
【0032】
前記動作ノイズ除去部20によって行なわれる動作ノイズの除去方法を、まとめて説明すると、この方法は、以下のステップを有する。
1.眼球運動(瞬き)が含まれた脳波を移動平均処理するステップ。2.オリジナルの脳波から移動平均処理された信号を差し引くことで脳波のトレンドを除去するステップ。3.トレンド除去された脳波に関して所定の閾値を設定しておき、瞬きの時間帯を検出するステップ。4.前記3.のステップと共に典型的な瞬き波形をテンプレートとし、トレンド除去された脳波の相関係数を求め、瞬きの時間帯を検出するステップ。5.前記3.のステップ及び前記4.のステップの双方又は一方を満たす時間帯を、瞬きが生じている時間であると捉え、その時間帯についてFFT処理の対象から除外するステップ。6.瞬きの無い時間帯についてのFFT処理後の脳波から、α波の成分とβ波の成分とを抽出するステップ。
【0033】
また、瞬き以外のゆっくりとした眼球運動を被施療者が行なった場合にも、動作ノイズは発生する。しかし、この動作ノイズによる脳波は緩やかに変動することから、前記トレンド除去部25によって、当該動作ノイズを取り除くことができる。
以上のように構成した本発明のマッサージ機によれば、脳波を測定しながらマッサージを受けている被施療者が、瞬きのような早い眼球運動及びゆっくりとした眼球運動を行なったとしても、この眼球運動によって生じるノイズを、取得している脳波から除去することができ、正確な脳波の成分(α波、β波)を取得することができる。
【0034】
なお、前記判定部26において、閾値判定部31及び相関係数判定部32の双方において判定条件を満たす時間帯を、瞬きが生じている時間帯であると判定するのが好ましい。これは、閾値判定部31の閾値x,yを狭い範囲と設定し、瞬きによる動作ノイズであると思われる部分を多く判定し、この判定された部分のうちから、相関係数判定部32が、前記波形雛型Fによって、真の瞬きによる動作ノイズを選別するためである。
【0035】
[電磁ノイズ除去部19について]
図7(a)は、取得した脳波を周波数成分で示した図であり、図7(b)は18〜21Hz帯域の拡大図である。なお、この脳波は、前記マッサージユニット5が有している前記叩き機構によって、所定の叩きマッサージ動作を受けている被施療者から取得されたものである。この脳波には、前記動作制御部17によってマッサージ動作を制御するための対象とするα波及びβ波の他に、18Hz及び20Hz付近(正確には、18.2〜18.8Hz及び19.9〜20.1Hz)に、ノイズが含まれている。このノイズは、マッサージユニット5の叩き機構に起因して生じているものである。つまり、叩き機構は、所定の叩きマッサージ動作を行なう際に、前記叩き用モータが回転する。これにより、叩き動作を行なうと特定の周波数成分を有する電磁ノイズが脳波に含まれる。
【0036】
そこで、図3において、電磁ノイズ除去部19は、前記動作ノイズ除去部20によって動作ノイズが除去された脳波から、脳波の取得中における叩きマッサージ動作に応じて、この叩きマッサージ動作を実行している前記叩き機構に起因する電磁ノイズを除去する処理を行なう。
【0037】
また、図8(a)は、取得した脳波を周波数成分で示した図であり、図8(b)は18〜21Hz帯域の拡大図である。なお、この脳波は、前記マッサージユニット5が有している前記揉み機構によって、所定の揉みマッサージ動作を受けている被施療者から取得されたものである。この脳波には、前記動作制御部17によってマッサージ動作を制御するための対象とするα波及びβ波の他に、20Hz(正確には、19.9〜20.1Hz)に、ノイズが含まれている。このノイズは、マッサージユニット5の揉み機構に起因して生じているものである。つまり、揉み機構は、所定の叩きマッサージ動作を行なう際に、前記揉み用モータが回転する。これにより、揉み動作を行なうと特定の周波数成分を有する電磁ノイズが脳波に含まれる。
【0038】
そこで、電磁ノイズ除去部19は、動作ノイズが除去された脳波から、脳波の取得中における揉みマッサージ動作に応じて、この揉みマッサージ動作を実行しているマッサージユニット5の揉み機構に起因する電磁ノイズを除去する処理を行なう。
【0039】
電磁ノイズ除去部19の構成及び処理についてさらに説明する。図3において、電磁ノイズ除去部19は、後述する関連情報を記憶する記憶部21と、脳波から特定の周波数成分を除去する処理部22とを有している。
記憶部21が記憶している関連情報は、図9に示しているように、マッサージユニット5によるマッサージ動作の種類(マッサージ動作モード)と、このマッサージ動作の種類を実行するマッサージユニット5によって生じる特定の電磁ノイズの周波数成分との関連についての対応情報である。
【0040】
具体的には、記憶部21は、関連情報として、マッサージ動作の種類が「叩きマッサージ動作でその出力が中程度(中)」である場合に、特定の電磁ノイズの周波数として「18Hz及び20Hz」を記憶している。同様に、マッサージ動作の種類が「揉みマッサージ動作でその出力が中程度(中)」である場合に、特定の電磁ノイズの周波数として「20Hz」を記憶している。なお、この関連情報は、図9のような表以外に、数式によって表されるものであってもよい。
【0041】
そして、図3において、処理部22の第一処理部22aは、前記動作制御部17から脳波取得中におけるマッサージ動作の種類についての動作情報を得る。そして、第一処理部22aは、この動作情報に基づいて、前記関連情報から、脳波の取得中におけるマッサージ動作に対応する特定の電磁ノイズの周波数成分を得る。つまり、動作制御部17によってマッサージ動作として「叩きマッサージ動作(中)」が実行されている場合、第一処理部22aは、図9の関連情報から、このマッサージ動作に対応する特定の電磁ノイズの周波数成分として「18Hz及び20Hz」を得る。
【0042】
そして、図3において、処理部22の第二処理部22bは、前記動作ノイズが除去された脳波から、前記第一処理部22aによって得られた特定の電磁ノイズの周波数成分「18Hz及び20Hz」を除去する処理を行なう。
これによれば、図7(a)で説明したように、脳波には、前記叩き機構に起因する18Hz及び20Hz付近の電磁ノイズが含まれていることから、この電磁ノイズ除去部19によって、特定の電磁ノイズの周波数成分である「18Hz及び20Hz」を除去する処理を行なうことで、叩き機構に起因する電磁ノイズを除去することができる。
【0043】
また、同様に、動作制御部17によってマッサージ動作として「揉みマッサージ動作(中)」が実行されている場合、第一処理部22aは、図9の関連情報から、このマッサージ動作に対応する特定の電磁ノイズの周波数成分として「20Hz」を得る。
そして、マッサージ動作の種類が「揉みマッサージ動作(中)」である場合、図8(a)で説明したように、脳波には、前記揉み機構に起因する20Hz付近の電磁ノイズが含まれていることから、この電磁ノイズ除去部19によって、特定の電磁ノイズの周波数成分である「20Hz」を除去する処理を行なうことで、叩き機構に起因する電磁ノイズを除去することができる。
【0044】
以上の電磁ノイズ除去部19によれば、必要とする脳波の成分(α波とβ波)には極力影響を与えることなく、マッサージユニット5のマッサージ動作の種類に基づいて、そのマッサージユニット5による電磁ノイズの影響を、脳波から除去することができる。また、脳波の取得中におけるマッサージ動作に対応する特定の電磁ノイズの周波数成分を、記憶部21が記憶している関連情報から得ることができるので、電磁ノイズを除去する処理を迅速に行なうことができる。
【0045】
以上のように構成されたマッサージ機によって行なうことができるマッサージ方法は、マッサージ機によってマッサージを受けている被施療者の脳波を前記脳波取得部18によって取得し、取得した脳波から、このマッサージ機によって生じる電磁ノイズを前記電磁ノイズ除去部19によって除去し、この電磁ノイズが除去された脳波に基づいてマッサージ機によるマッサージ動作を前記動作制御部17によって制御することで行なわれる。
このようなマッサージ機及びマッサージ方法によれば、マッサージユニット5がマッサージ動作を実行していると、脳波取得部18が取得する脳波に、マッサージユニット5によって生じる電磁ノイズが含まれることがある。しかし、電磁ノイズ除去部19は、脳波の取得中にマッサージ動作を実行しているマッサージユニット5によって生じる電磁ノイズを、取得した脳波から除去することから、得られる脳波は、ノイズが抑えられたものなる。この脳波に基づいて、動作制御部17によりマッサージ動作を制御することで、被施療者に与えるマッサージ動作を適切な出力とすることができる。
【0046】
[脳波状況提示システムについて]
図1において、本発明のマッサージ機は脳波状況提示システム35を備えている。このシステム35は、マッサージユニット5によってマッサージを受けている被施療者に対して、当該マッサージ中の快適度の判定指標として当該被施療者の脳波の状況を提示する。このシステム35は、椅子型であるマッサージ機に座っている被施療者が見るモニタ(提示部)36を有しており、このモニタ36は、例えば肘掛け部の上方に設けられている。なお、モニタ36は被施療者が操作する操作器の一部に設けられていてもよい。
【0047】
図10は、モニタ36に提示される脳波状況(表示情報)の例を示している説明図である。このモニタ36には、前記動作ノイズ及び前記電磁ノイズの除去処理が済んだ脳波に基づいて得られた被施療者の脳波状況が、提示される。脳波状況提示システム35は、前記第二演算部23bによって取得されたα波の値とβ波の値を得ることができ、これらの値に基づいてモニタ36の表示を変化させる処理を行なう。被施療者がマッサージを受けている間、時間の経過と共に、モニタ36の表示は図10(a)から(e)へと順次変化する。
【0048】
モニタ36の脳波状況に関する表示情報としては、モニタ36の表示色であり、脳波状況提示システム35は、α波の値とβ波の値の比(β/α)に基づいて、モニタ36の色を変化させる。なお、図10では色の変化を、ハッチの密度の変化として表現している。例えば、比(β/α)の値が大きくなると表示色を赤(ハッチが密)に近づけ、快適度が低いことを知らせる。一方、比(β/α)の値が小さくなると表示色を青(ハッチが粗)に近づけ、快適度が高いことを知らせる。
モニタ36の脳波状況に関する表示情報としては、さらに、前記表示色の変化部の下に、横軸を時間とし縦軸を比(β/α)の値とした棒グラフを示している。これにより、比(β/α)の値の時間的変化をグラフ化することができ、これを被施療者に見せることができる。また、図10では、モニタ36の表示情報としてさらに、比(β/α)の値も表示している。
なお、モニタ36への表示は、比(β/α)に関する情報以外に、α波のみによる情報、β波のみによる情報であってもよい。また、過去(前回)に行なったマッサージ動作の際のα波β波についての情報を、マッサージ機に記憶させておき、今回、同じマッサージ動作を行なっている際に、前回の情報との比較を提示してもよい。
【0049】
このように、マッサージを受けている被施療者が、モニタ36を見ることにより、自身の脳波の状況をリアルタイムで知ることができる。そして、マッサージ動作と共に脳波の状況、つまり快適度の指標が向上していることを確認することができる。この結果、被施療者が実際のマッサージの効果を視覚的に把握することができ、気分的にも良い効果を与えることができる。
また、この脳波状況提示システム35に入力されるα波の値とβ波の値とは、前記各ノイズが除去されたものであるため、被施療者の快適度(快・不快)を表すものとして適切な指標となる。
また、モニタ36へ表示させる脳波の成分の値(比(β/α))が、予め設定されている一般的(標準的な)な値と大きく異なっている場合、例えば深刻な疲労が予測されるという診断情報を、モニタ36に表示させることもできる。
【0050】
前記実施形態では、モニタ36がマッサージ機に取り付けられた場合を説明したが、これ以外として、モニタ36は、図示しないが、マッサージ機と別に設けられたコンピュータが備えているものであってもよい。この場合、例えば(家庭にある)コンピュータに脳波状況提示システム35の機能を有するプログラムを記憶させておき、マッサージ機と前記コンピュータとをインターフェースケーブルで接続する等して、マッサージ機とコンピュータとが通信を行なうように構成すればよい。これにより、前記コンピュータによって、脳波の状況を提示させることができる。
【0051】
[D型学習制御部について]
図1において、本発明のマッサージ機は、D型学習制御部40を備えている。このD型学習制御部40は、前記動作ノイズ及び前記電磁ノイズの除去処理が済んだ脳波から得られた被施療者のα波とβ波とに基づいて、つまり、マッサージ中の被施療者の脳が感じている快適度に応じて、マッサージ出力を自動的に設定し、また、使用回数を重ねる毎に、そのマッサージ出力を被施療者にとって好ましいものとさせる制御を行なう機能を備えている。
【0052】
D型学習制御部40は、マッサージ出力を設定する出力設定部を有している。この出力設定部は、図1に示しているように、施療子6が所定の指圧力(所定のマッサージ出力)のマッサージ動作をしたことで前記脳波取得部18によって得た脳波(α波、β波、及び、これらの比(β/α))と、予め設定してある目標値との差、及び、このマッサージ動作をした際の前記所定指圧力を用いて、マッサージユニット5による次回のマッサージ動作の指圧力を求める処理を行なう。
なお、図1では、前記目標値を(α/α0d、(β/β0d、及び(β・α0/β0・α)dとしており、α0とβ0は被施療者が安静状態のときの(マッサージを受けていないときの)α波とβ波である。また、Γα、Γβ及びΓβ/αは学習ゲインである。そして、図1のブロック中のa、b及びcは、0≦(a,b,c)≦1かつa+b+c=1の関係を満たす係数であり、α波、β波、及び、これらの比(β/α)のうちのどの脳波成分に重きを置くかを決定する重み付きのパラメータである。これにより、α波、β波、及び、これらの比(β/α)のうちの少なくとも一つによって、前記処理が実行される。
【0053】
このD型学習制御部40によれば、被施療者から得られる脳波が、その目標値に近づくようにマッサージ出力を調整する制御が行なわれる。また、このマッサージ出力をマッサージ機(D型学習制御部40のメモリ)が記憶しておくことで、次回のマッサージの際に、このマッサージ出力を反映させたマッサージが可能となる。
【0054】
本発明のマッサージ機は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、マッサージユニット5の形態は図示したもの以外であってもよく、コンプレッサの動作によりエアが給排されて膨縮動作するエアセルを有するものであってもよい。また、図9の関連情報に関しては、マッサージの種類(マッサージ動作モード)についてさらに他のもの(前記エアセルによるマッサージ動作、ローリングマッサージ、振動によるマッサージ)に関する情報を有していてもよい。さらに、マッサージの種類には、強、中、弱以外にも、マッサージスピード毎の情報を有していても良い。
また、前記実施形態では、前記電磁ノイズ除去部(マッサージノイズ除去部)19が除去する、マッサージ機本体の動作に起因するノイズを、マッサージユニット5に搭載されている機構(揉み機構、叩き機構等)の動作に起因するノイズとしているが、ローリングマッサージの際の昇降駆動機構の動作に起因するノイズがある。なお、ローリングマッサージは、施療子6を被施療者に当接させて昇降駆動機構がマッサージユニット5を昇降させることで行なわれる。または、マッサージ機本体の動作に起因するノイズとして、背凭れ部2をリクライニング動作させる駆動機構、脚載せ部3を上下回動させる駆動機構の動作に起因するノイズがある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す説明図である。
【図2】マッサージユニットの正面斜視図である。
【図3】本発明のマッサージ機の主要部を示しているブロック図である。
【図4】瞬きによる動作ノイズを含む脳波の図であり、(a)は時間領域で示したものであり、(b)は周波数領域で示したものである。
【図5】相関係数判定部の機能を説明する説明図である。
【図6】動作ノイズを除去した脳波の図であり、(a)は時間領域で示したものであり、(b)は周波数領域で示したものである。
【図7】叩きマッサージ動作中の脳波の図であり、(a)は周波数成分で示したものであり、(b)は18〜21Hz帯域の拡大図である。
【図8】揉みマッサージ動作中の脳波の図であり、(a)は周波数成分で示したものであり、(b)は18〜21Hz帯域の拡大図である。
【図9】記憶部が記憶している関連情報の説明図である。
【図10】モニタに提示される脳波状況の例を示している説明図である。
【符号の説明】
【0056】
5 マッサージユニット
17 動作制御部
18 脳波取得部
19 電磁ノイズ除去部(マッサージノイズ除去部)
20 動作ノイズ除去部
21 記憶部
22 処理部
25 トレンド除去部
26 判定部
27 選別部
36 モニタ(提示部)
F 波形雛型
x,y 閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者に対してマッサージを施すマッサージ機本体と、
このマッサージ機本体によってマッサージを受けている被施療者の脳波を取得する脳波取得部と、
前記脳波取得部が取得した脳波に基づいて前記マッサージ機本体の動作を制御する動作制御部と、を備えたマッサージ機であって、
前記脳波取得部が取得した脳波から、当該脳波の取得中における前記マッサージ機本体の動作に応じて、当該マッサージ機本体の動作に起因するノイズを除去するマッサージノイズ除去部を備えていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記マッサージノイズ除去部は、
前記マッサージ機本体の動作と、この動作を行なう当該マッサージ機本体に起因するノイズ成分との関連についての関連情報を記憶する記憶部と、
前記関連情報から、前記脳波の取得中における前記マッサージ機本体の動作に対応する前記ノイズ成分を得て、この得られた前記ノイズ成分を、前記脳波取得部が取得した脳波から除く処理部と、を有している請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記脳波取得部が取得した脳波から、被施療者の動作に起因する動作ノイズを除去する動作ノイズ除去部を、更に備えている請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記動作ノイズ除去部は、
前記動作ノイズの存在を判定する判定部と、
この判定部の判定結果に応じて、前記動作制御部によって前記マッサージ機本体の動作を制御するための対象とする脳波から、前記動作ノイズが存在している部分を除外する選別部と、を有している請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記判定部は、前記脳波取得部が取得した脳波の出力値と、予め設定された閾値とを比較することで前記動作ノイズの存在を判定する請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記判定部は、前記脳波取得部が取得した脳波の波形と、被施療者の動作に起因する動作ノイズの波形雛形とを比較することで前記動作ノイズの存在を判定する請求項4又は5に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記動作ノイズ除去部は、前記脳波取得部が取得した脳波を移動平均処理すると共に、この移動平均処理された脳波を、前記脳波取得部が取得した脳波から差し引くトレンド除去部を更に有している請求項3〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項8】
ノイズの除去処理の済んだ脳波に基づいて得られた前記被施療者の脳波状況を当該被施療者へ提示する提示部を備えている請求項1〜7のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【請求項9】
マッサージ機によってマッサージを受けている被施療者の脳波を取得し、
取得した脳波から、前記マッサージ機に起因するノイズを除去し、
このノイズが除去された脳波に基づいて前記マッサージ機によるマッサージ動作を制御することを特徴とするマッサージ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−189398(P2009−189398A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30342(P2008−30342)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】