マッサージ機
【課題】下肢を対象とするマッサージ機において、足の大きさに関係なく十分なストレッチング効果を得ることができるようにする。
【解決手段】マッサージ機1は、被施療者の脚部と足先をそれぞれ支えるレッグレスト5とフットレスト6を備える。フットレスト6は、内部に足裏指圧ユニット14、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板11を備える。足裏指圧ユニット14は、ストレッチ板11に形成された貫通穴25を通じ指圧子20を突き出してストレッチ板11に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、貫通穴25以外の箇所でストレッチ板11を指圧子20により押し上げてストレッチ板11を支点まわりに回動させる。足裏指圧ユニット14は前後方向に移動可能であり、貫通穴25は前後方向に長い長穴である。
【解決手段】マッサージ機1は、被施療者の脚部と足先をそれぞれ支えるレッグレスト5とフットレスト6を備える。フットレスト6は、内部に足裏指圧ユニット14、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板11を備える。足裏指圧ユニット14は、ストレッチ板11に形成された貫通穴25を通じ指圧子20を突き出してストレッチ板11に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、貫通穴25以外の箇所でストレッチ板11を指圧子20により押し上げてストレッチ板11を支点まわりに回動させる。足裏指圧ユニット14は前後方向に移動可能であり、貫通穴25は前後方向に長い長穴である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機、特に下肢を対象とするマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者の身体に指圧(厳密に言えば「指圧に相当する圧力」であるが、本明細書ではこれを「指圧」と称するものとする)や振動、圧迫、たたき、もみほぐしなどの刺激を与えるマッサージ機は様々なタイプのものが開発され、使用されている。その中には、ふくらはぎを中心とする脚部を施療対象としたり、さらにはくるぶしから先の足先を施療対象としたりするものもある。そのような下肢用マッサージ機の例を特許文献1〜4に見ることができる。
【0003】
特許文献1に記載されたマッサージ機は、上面を足載板とする匡体の上に上部エアセルからなる上部マッサージ部を配置し、匡体の内部には、下部エアセルからなる下部マッサージ部とその往復運動機構を配置し、下部マッサージ部は往復運動機構により所定軌道に沿って往復しながら下部エアセル上面に立設した指圧突起を足載板から出没させて足の裏を間欠的に押圧する。
【0004】
特許文献2に記載されたマッサージ機は、被施療者の脚部を側面から挟持する挟持手段を構成する側面エアバッグが設けられたレッグレストと、足先の先端部を押し上げるリフト手段を構成する底面エアバッグが設けられたフットレストを備え、挟持手段で脚部側面を挟持した状態でリフト手段を動作させて足先の先端部を持ち上げる。
【0005】
特許文献3に記載されたマッサージ機は、足先用マッサージユニットとふくらはぎ用マッサージユニットを備え、ふくらはぎ用マッサージユニットには足先用マッサージユニットに対して起き上がる方向への回転力を常に作用させている。
【0006】
特許文献4に記載されたマッサージ機は、床面に載置されるベース部と、ベース部上に前後方向に揺動可能に支持されるリクライニング可動部を備え、リクライニング可動部に被施療者の足先を挿入する凹状受部と被施療者のふくらはぎを挿入する脚受部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−167021号公報(国際特許分類:A61H39/04、A61H7/00)
【特許文献2】特許第4121918号公報(国際特許分類:A61H7/00、A61H39/04)
【特許文献3】特許第4017608号公報(国際特許分類:A61H7/00)
【特許文献4】特許第4201801号公報(国際特許分類:A61H7/00)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載されたマッサージ機のように、足先の先端部を持ち上げる機能を備えていると、アキレス腱からふくらはぎにかけてのストレッチングを行うことができ、足首部の柔軟性を高めて下肢の怪我を少なくするのに役立つ。しかしながら特許文献2に記載された装置は、底面エアバッグで直接足先を持ち上げるものであるため、底面エアバッグに取り付けられた指圧子が足裏をピンポイントで押して痛みを覚えさせる上、足の大きさによって持ち上げられる箇所が異なり、甚だしい場合には指先しか持ち上げられなくて脚部と足先が所望の鋭角状態にならず、ストレッチングの効果が生じないという問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであり、下肢を対象とするマッサージ機において、足の大きさに関係なく十分なストレッチング効果を得ることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、マッサージ機は、被施療者の脚部と足先をそれぞれ支えるレッグレストとフットレストを備え、前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記足裏指圧ユニットは前後方向に移動可能である。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記ストレッチ板の貫通穴は前後方向に長い長穴であり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方の箇所で前記ストレッチ板を押し上げる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記ストレッチ板の貫通穴は複数のものが前後方向に間隔を置いて並んでおり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方または貫通穴同士の間の箇所で前記ストレッチ板を押し上げる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記足裏指圧ユニットは、前記指圧子をエアバッグで昇降させるものである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、マッサージ機は、被施療者の足先を支えるフットレストを備え、前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、足裏指圧ユニットの指圧子でストレッチ板を持ち上げ、レッグレストに対するストレッチ板の角度を変えてストレッチングを行うものであるから、指圧子が足裏をピンポイントで圧迫して痛みを覚えさせるといったことがない上、足の大きさに関係なく脚部に対し足先が所定の角度に曲げられ、確実にストレッチング効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るマッサージ機の概略構成を示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによる指圧動作を説明する断面図である。
【図4】図3に示す箇所の上面図である。
【図5】第1実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによるストレッチ動作を説明する断面図である。
【図6】図5に示す箇所の上面図である。
【図7】第1実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の上面図である。
【図8】第1実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の側面図である。
【図9】第2実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによる指圧動作を説明する断面図である。
【図10】図9に示す箇所の上面図である。
【図11】第2実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによるストレッチ動作を説明する断面図である。
【図12】図11に示す箇所の上面図である。
【図13】第2実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の上面図である。
【図14】第2実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の側面図である。
【図15】足裏指圧ユニットによる足位置検出のフローチャートである。
【図16】足裏指圧ユニットによる足位置検出について説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1実施形態を図1から図8までの図に基づき説明する。マッサージ機1は下肢のマッサージを行うべく設計されたものであり、床の上に置かれるベース部2と、ベース部2に対し揺動可能に取り付けられたクレードル部3を有する。ベース部2に対しクレードル部3が揺動するメカニズムには、例えば特許文献4に開示されたようなものを採用することができる。
【0019】
クレードル部3には、椅子に腰掛けた被施療者が下肢の中で膝から下の部分を入れる左右1対の溝4が形成されている。クレードル部3の中で、ふくらはぎを中心とする脚部(膝から下でくるぶしより上をいう)を支える箇所はレッグレスト5となり、くるぶしから先の足先を支える箇所はフットレスト6となる。
【0020】
クレードル部3の天面には、左右のレッグレスト5の間の箇所に操作パネル部7が形成されている。クレードル部3の左右側面にはマッサージ機1を運搬するときに手を掛ける手掛け部8が形成されている。
【0021】
溝4の両側には複数のエアバッグが配置され、被施療者の脚部と足先を両側から圧迫してマッサージを行う。図2においてエアバッグを同心円模様30、31、32で表す。エアバッグ30は脚部のすね寄りを圧迫し、エアバッグ31は脚部の裏側(ふくらはぎ)を圧迫し、エアバッグ32は足先の側部を圧迫する。エアバッグ31は上下に並ぶ3箇所の膨張部分を有し、それらは互いに連通して形成されている。これらの仕組みは周知なので詳細には説明しない。
【0022】
レッグレスト5は被施療者のふくらはぎに対面する後壁9を有し、フットレスト6は被施療者の足裏に対面する踏み板10を有する。踏み板10の上には踵側を支点として回動するストレッチ板11が重ねられている。
【0023】
ストレッチ板11は踵側の端に蝶番軸12を有し、踏み板10の上面には蝶番軸12を受け入れる蝶番ベース13が固定されている。蝶番軸12と蝶番ベース13により構成される蝶番構造により、ストレッチ板11は垂直面内において回動できる形で踏み板10に連結される。
【0024】
フットレスト6の内部には、踏み板10の下に足裏指圧ユニット14が配置される。足裏指圧ユニット14には左足用と右足用があり、それらはいずれも踏み板10と平行して前後方向に移動できるよう、図示しない案内装置で支持されている。
【0025】
左足用の足裏指圧ユニット14と右足用の足裏指圧ユニット14は、図4に示すビーム15の左右端に取り付けられている。クレードル部3の内部には、左右の溝4の間に、前後方向に延びる送りねじ16が配置されている。送りねじ16には図示しないナットが組み合わせられ、このナットにビーム15が連結されている。図示しないモータで送りねじ16を回転させると、回転方向に応じ、足裏指圧ユニット14は前方または後方に移動する。
【0026】
足裏指圧ユニット14は、ハウジング17と、その内部に配置された円筒形のエアバッグ18と、エアバッグ18の天板19に取り付けられ、ハウジング17の天板21に形成された筒状部22よりハウジング17の外に突き出す棒状の指圧子20と、ハウジング17の天板21とエアバッグ18の天板19の間に挿入された圧縮コイルばね23を備える。天板19には図4に示すように左右に2本の指圧子20が突設され、すなわち1個の足裏指圧ユニット14に左右に並ぶ形で配置される。この2本の指圧子20は、成人の平均的な足幅の範囲に収まるように間隔が設定されている。
【0027】
踏み板10とストレッチ板11には、各指圧子20を足裏に届かせるための貫通穴が形成されている。踏み板10の貫通穴24とストレッチ板11の貫通穴25は、いずれも前後方向に長い長穴であり、足裏指圧ユニット14の筒状部22は貫通穴24の中に入り込んでいる。但し筒状部22は、貫通穴25には届かない。
【0028】
貫通穴24、25は被施療者の足裏の踵からつま先までをカバーするが、貫通穴24の方が貫通穴25よりもさらに前方に長く延びている。すなわち、貫通穴24を下から覗くと、ストレッチ板11の貫通穴形成領域の前方の箇所が露出している。この露出箇所に、2個の貫通穴24をまたぐ形で指圧子係合凹部26が形成される。指圧子係合凹部26は
指圧子20がストレッチ板11から逸脱しないようにするためのものであり、彫りは浅い。
【0029】
マッサージ機1の動作は次の通りである。被施療者はマッサージ機1の後に置いた図示しない椅子に腰を掛け、下肢を溝4に入れて、脚部はレッグレスト5に委ね、足先はフットレスト6に委ねる。そして操作パネル部7の中の操作ボタンを操作して、マッサージ機1の電源をONにし、所望のマッサージコースを選択する。マッサージが開始されると、脚部と足先の両側に配置されたエアバッグに図示しないエアポンプが空気を送り込み、エアバッグを膨張させる。これにより、脚部と足先は両側から圧迫される。所定時間経過後、エアバッグから空気が抜かれ、エアバッグは収縮する。これを所定のリズムで繰り返すことにより、脚部と足先は両側からもまれることになる。
【0030】
脚部と足先が両側からもまれている間、足裏指圧ユニット14は送りねじ16で前後に移動せしめられる。足裏指圧ユニット14が所定箇所で停止すると、前記図示しないエアポンプはエアバッグ18に空気を送り込み、圧縮コイルばね23の圧力に抗してエアバッグ18を膨張させる。エアバッグ18が膨張すると、図3に示す通り指圧子20が上昇してハウジング17から突き出し、被施療者の足裏を押す。これにより被施療者は、足裏の「ツボ」に指圧を受けることになる。所定時間が経過するとエアバッグ18から空気が抜かれ、エアバッグ18は収縮して、指圧子20は頂部がストレッチ板11より低くなる位置まで下降し、指圧は終了する。
【0031】
その後送りねじ16は足裏指圧ユニット14の位置を前後にずらし、その位置で足裏指圧ユニット14は足裏を再び指圧子20で押す。これを繰り返すことにより、足裏の全域に指圧が加えられる。足裏指圧ユニット14は貫通穴25の長さが許す範囲で前後に移動可能である。
【0032】
操作パネル部7で「ストレッチ」を選択すると、エアバッグ18から空気が抜け、指圧子20が下降する。この状態で足裏指圧ユニット14は前進する。貫通穴25の末端に差し掛かっても、指圧子20は頂部がストレッチ板11より低くなる位置まで下降しているため、ストレッチ板11に引っ掛からない。指圧子20が指圧子係合凹部26の下に達したところで足裏指圧ユニット14は前進をやめる。ここでエアバッグ18に空気圧が加えられ、エアバッグ18は膨張する。
【0033】
エアバッグ18の膨張により指圧子20が上昇してハウジング17から突き出し、図5に示す通りストレッチ板11を突き上げる。ストレッチ板11は蝶番軸12を支点として回動し、その上に載置された被施療者の足先は被施療者の脚部に対し鋭角をなす。これにより、アキレス腱と、それに続くふくらはぎの筋肉がストレッチングされることになる。この時、脚部の両側のエアバッグ30、31が脚部を圧迫して、脚部をがっちりと固定することとしておけば、ストレッチングの効果がさらに高まる。
【0034】
このように、足裏指圧ユニット14の指圧子20でストレッチ板11を持ち上げ、レッグレスト5に対するストレッチ板11の角度を変えてストレッチングを行うものであるから、指圧子20が足裏をピンポイントで圧迫して痛みを覚えさせるといったことがない。
また、足の大きさに関係なく脚部に対し足先が所定の角度に曲げられ、確実にストレッチング効果を得ることができる。さらに、足裏指圧ユニット14は指圧子20をエアバッグ18で進退させるものであるから、足先に対する力のかかり方がソフトで、無理なストレッチングを避けることができる。
【0035】
図9から図14に本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と異なるのはストレッチ板11の構造である。すなわち第1実施形態の場合、貫通穴25は前後方向に長い長穴であったが、第2実施形態では、前後に短い貫通穴25(形状は円形である)が複数個、前後方向に間隔を置いて配置されている。そして貫通穴25同士の間の箇所にも指圧子係合凹部26が形成されている。
【0036】
第2実施形態の足裏指圧ユニット14は、指圧子20が貫通穴25に一致する位置で停止し、その位置で足裏に指圧を加える(図9参照)。これを貫通穴25毎に行う。
【0037】
ストレッチングの際、指圧子20が貫通穴形成領域の前方の箇所でストレッチ板11を押し上げれば、ストレッチ板11を第1実施形態の場合と同じ角度にし、第1実施形態の場合と同じ強度のストレッチングを行うことができる。
【0038】
図11に示すように足裏指圧ユニット14を踵に近づけ、前後の貫通穴25同士の間の箇所でストレッチ板11を押し上げると、ストレッチ板11の傾斜角が増大し、ストレッチングの強度が高まる。どの位置でストレッチ板11を押し上げるかにより、ストレッチ板11の傾斜角が段階的に変わるので、様々な段階のストレッチング強度を選択することができる。
【0039】
第1実施形態のように、ストレッチ板11の貫通穴25が前後方向に連続した長穴である場合、指圧子20に足裏に接触させたまま、足裏指圧ユニット14を前後方向に動かして、足裏の起伏がもたらすエアバッグ18の圧力変化より足裏の形状を求めることができる。そして、後刻足裏の指圧を行うとき、極力「ツボ」が圧迫されるようにすることができる。これを図15と図16に基づき説明する。
【0040】
図15のフローチャートにおいて、ステップ#111では足裏指圧ユニット14が踵部側に移動する。
【0041】
ステップ#112では足裏指圧ユニット14のエアバッグ18に出力一定の空気圧が加えられる。すなわち出力一定で与圧される。この時の与圧は指圧子20を足裏に接触させることが目的であり、足裏に指圧を加えることが目的ではないので、圧力レベルは低い。
【0042】
ステップ#113では、エアバッグ18か、与圧用のエアポンプか、エアバッグ18とエアポンプの間の給気管のいずれかに設けられた図示しない圧力ゲージにより、指圧子20が足裏から反作用として受ける圧力を検知しつつ、足裏指圧ユニット14を踵の側からつま先の側に移動させる。圧力ゲージの圧力変化を観察すると、上方に窪んだ土踏まずの箇所では圧力が低くなり、その前後では圧力が高くなり、大略図16のグラフのようなカーブを描く。
【0043】
ステップ#114では、マッサージ機1の制御部において、上記圧力変化に基づき、足裏の形状が算出される。「ツボ」の位置も割り出される。
【0044】
ステップ#115では足裏の指圧が開始される。指圧は、ステップ#114の算出結果に基づき、指圧子20が足裏からはみ出さないよう、また指圧子20が「ツボ」またはそれに近い箇所を押すよう、コントロールしつつ行われる。
【0045】
上述のように足裏指圧ユニット14を用いることにより、被施療者の足裏の形状に合わせた、最適な指圧を行うことができる。
【0046】
第1、第2実施形態のマッサージ機1はレッグレスト5とフットレスト6を有しているが、レッグレスト5を廃してフットレスト6だけを残し、足先のみマッサージするマッサージ機として構成することもできる。特許請求の範囲の請求項6はこの構成を表している。このようなマッサージ機であっても、使用者が脚部を動かさないようにしておきさえすれば、ストレッチ板11の回動でストレッチング効果を得ることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、下肢用のマッサージ機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 マッサージ機
2 ベース部
3 クレードル部
4 溝
5 レッグレスト
6 フットレスト
11 ストレッチ板
14 足裏指圧ユニット
18 エアバッグ
20 指圧子
25 貫通穴
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機、特に下肢を対象とするマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
被施療者の身体に指圧(厳密に言えば「指圧に相当する圧力」であるが、本明細書ではこれを「指圧」と称するものとする)や振動、圧迫、たたき、もみほぐしなどの刺激を与えるマッサージ機は様々なタイプのものが開発され、使用されている。その中には、ふくらはぎを中心とする脚部を施療対象としたり、さらにはくるぶしから先の足先を施療対象としたりするものもある。そのような下肢用マッサージ機の例を特許文献1〜4に見ることができる。
【0003】
特許文献1に記載されたマッサージ機は、上面を足載板とする匡体の上に上部エアセルからなる上部マッサージ部を配置し、匡体の内部には、下部エアセルからなる下部マッサージ部とその往復運動機構を配置し、下部マッサージ部は往復運動機構により所定軌道に沿って往復しながら下部エアセル上面に立設した指圧突起を足載板から出没させて足の裏を間欠的に押圧する。
【0004】
特許文献2に記載されたマッサージ機は、被施療者の脚部を側面から挟持する挟持手段を構成する側面エアバッグが設けられたレッグレストと、足先の先端部を押し上げるリフト手段を構成する底面エアバッグが設けられたフットレストを備え、挟持手段で脚部側面を挟持した状態でリフト手段を動作させて足先の先端部を持ち上げる。
【0005】
特許文献3に記載されたマッサージ機は、足先用マッサージユニットとふくらはぎ用マッサージユニットを備え、ふくらはぎ用マッサージユニットには足先用マッサージユニットに対して起き上がる方向への回転力を常に作用させている。
【0006】
特許文献4に記載されたマッサージ機は、床面に載置されるベース部と、ベース部上に前後方向に揺動可能に支持されるリクライニング可動部を備え、リクライニング可動部に被施療者の足先を挿入する凹状受部と被施療者のふくらはぎを挿入する脚受部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−167021号公報(国際特許分類:A61H39/04、A61H7/00)
【特許文献2】特許第4121918号公報(国際特許分類:A61H7/00、A61H39/04)
【特許文献3】特許第4017608号公報(国際特許分類:A61H7/00)
【特許文献4】特許第4201801号公報(国際特許分類:A61H7/00)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載されたマッサージ機のように、足先の先端部を持ち上げる機能を備えていると、アキレス腱からふくらはぎにかけてのストレッチングを行うことができ、足首部の柔軟性を高めて下肢の怪我を少なくするのに役立つ。しかしながら特許文献2に記載された装置は、底面エアバッグで直接足先を持ち上げるものであるため、底面エアバッグに取り付けられた指圧子が足裏をピンポイントで押して痛みを覚えさせる上、足の大きさによって持ち上げられる箇所が異なり、甚だしい場合には指先しか持ち上げられなくて脚部と足先が所望の鋭角状態にならず、ストレッチングの効果が生じないという問題があった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであり、下肢を対象とするマッサージ機において、足の大きさに関係なく十分なストレッチング効果を得ることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、マッサージ機は、被施療者の脚部と足先をそれぞれ支えるレッグレストとフットレストを備え、前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記足裏指圧ユニットは前後方向に移動可能である。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記ストレッチ板の貫通穴は前後方向に長い長穴であり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方の箇所で前記ストレッチ板を押し上げる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記ストレッチ板の貫通穴は複数のものが前後方向に間隔を置いて並んでおり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方または貫通穴同士の間の箇所で前記ストレッチ板を押し上げる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成のマッサージ機において、前記足裏指圧ユニットは、前記指圧子をエアバッグで昇降させるものである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、マッサージ機は、被施療者の足先を支えるフットレストを備え、前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、足裏指圧ユニットの指圧子でストレッチ板を持ち上げ、レッグレストに対するストレッチ板の角度を変えてストレッチングを行うものであるから、指圧子が足裏をピンポイントで圧迫して痛みを覚えさせるといったことがない上、足の大きさに関係なく脚部に対し足先が所定の角度に曲げられ、確実にストレッチング効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るマッサージ機の概略構成を示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによる指圧動作を説明する断面図である。
【図4】図3に示す箇所の上面図である。
【図5】第1実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによるストレッチ動作を説明する断面図である。
【図6】図5に示す箇所の上面図である。
【図7】第1実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の上面図である。
【図8】第1実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の側面図である。
【図9】第2実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによる指圧動作を説明する断面図である。
【図10】図9に示す箇所の上面図である。
【図11】第2実施形態に係るマッサージ機の足裏指圧ユニットによるストレッチ動作を説明する断面図である。
【図12】図11に示す箇所の上面図である。
【図13】第2実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の上面図である。
【図14】第2実施形態に係るマッサージ機で用いられたストレッチ板の側面図である。
【図15】足裏指圧ユニットによる足位置検出のフローチャートである。
【図16】足裏指圧ユニットによる足位置検出について説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1実施形態を図1から図8までの図に基づき説明する。マッサージ機1は下肢のマッサージを行うべく設計されたものであり、床の上に置かれるベース部2と、ベース部2に対し揺動可能に取り付けられたクレードル部3を有する。ベース部2に対しクレードル部3が揺動するメカニズムには、例えば特許文献4に開示されたようなものを採用することができる。
【0019】
クレードル部3には、椅子に腰掛けた被施療者が下肢の中で膝から下の部分を入れる左右1対の溝4が形成されている。クレードル部3の中で、ふくらはぎを中心とする脚部(膝から下でくるぶしより上をいう)を支える箇所はレッグレスト5となり、くるぶしから先の足先を支える箇所はフットレスト6となる。
【0020】
クレードル部3の天面には、左右のレッグレスト5の間の箇所に操作パネル部7が形成されている。クレードル部3の左右側面にはマッサージ機1を運搬するときに手を掛ける手掛け部8が形成されている。
【0021】
溝4の両側には複数のエアバッグが配置され、被施療者の脚部と足先を両側から圧迫してマッサージを行う。図2においてエアバッグを同心円模様30、31、32で表す。エアバッグ30は脚部のすね寄りを圧迫し、エアバッグ31は脚部の裏側(ふくらはぎ)を圧迫し、エアバッグ32は足先の側部を圧迫する。エアバッグ31は上下に並ぶ3箇所の膨張部分を有し、それらは互いに連通して形成されている。これらの仕組みは周知なので詳細には説明しない。
【0022】
レッグレスト5は被施療者のふくらはぎに対面する後壁9を有し、フットレスト6は被施療者の足裏に対面する踏み板10を有する。踏み板10の上には踵側を支点として回動するストレッチ板11が重ねられている。
【0023】
ストレッチ板11は踵側の端に蝶番軸12を有し、踏み板10の上面には蝶番軸12を受け入れる蝶番ベース13が固定されている。蝶番軸12と蝶番ベース13により構成される蝶番構造により、ストレッチ板11は垂直面内において回動できる形で踏み板10に連結される。
【0024】
フットレスト6の内部には、踏み板10の下に足裏指圧ユニット14が配置される。足裏指圧ユニット14には左足用と右足用があり、それらはいずれも踏み板10と平行して前後方向に移動できるよう、図示しない案内装置で支持されている。
【0025】
左足用の足裏指圧ユニット14と右足用の足裏指圧ユニット14は、図4に示すビーム15の左右端に取り付けられている。クレードル部3の内部には、左右の溝4の間に、前後方向に延びる送りねじ16が配置されている。送りねじ16には図示しないナットが組み合わせられ、このナットにビーム15が連結されている。図示しないモータで送りねじ16を回転させると、回転方向に応じ、足裏指圧ユニット14は前方または後方に移動する。
【0026】
足裏指圧ユニット14は、ハウジング17と、その内部に配置された円筒形のエアバッグ18と、エアバッグ18の天板19に取り付けられ、ハウジング17の天板21に形成された筒状部22よりハウジング17の外に突き出す棒状の指圧子20と、ハウジング17の天板21とエアバッグ18の天板19の間に挿入された圧縮コイルばね23を備える。天板19には図4に示すように左右に2本の指圧子20が突設され、すなわち1個の足裏指圧ユニット14に左右に並ぶ形で配置される。この2本の指圧子20は、成人の平均的な足幅の範囲に収まるように間隔が設定されている。
【0027】
踏み板10とストレッチ板11には、各指圧子20を足裏に届かせるための貫通穴が形成されている。踏み板10の貫通穴24とストレッチ板11の貫通穴25は、いずれも前後方向に長い長穴であり、足裏指圧ユニット14の筒状部22は貫通穴24の中に入り込んでいる。但し筒状部22は、貫通穴25には届かない。
【0028】
貫通穴24、25は被施療者の足裏の踵からつま先までをカバーするが、貫通穴24の方が貫通穴25よりもさらに前方に長く延びている。すなわち、貫通穴24を下から覗くと、ストレッチ板11の貫通穴形成領域の前方の箇所が露出している。この露出箇所に、2個の貫通穴24をまたぐ形で指圧子係合凹部26が形成される。指圧子係合凹部26は
指圧子20がストレッチ板11から逸脱しないようにするためのものであり、彫りは浅い。
【0029】
マッサージ機1の動作は次の通りである。被施療者はマッサージ機1の後に置いた図示しない椅子に腰を掛け、下肢を溝4に入れて、脚部はレッグレスト5に委ね、足先はフットレスト6に委ねる。そして操作パネル部7の中の操作ボタンを操作して、マッサージ機1の電源をONにし、所望のマッサージコースを選択する。マッサージが開始されると、脚部と足先の両側に配置されたエアバッグに図示しないエアポンプが空気を送り込み、エアバッグを膨張させる。これにより、脚部と足先は両側から圧迫される。所定時間経過後、エアバッグから空気が抜かれ、エアバッグは収縮する。これを所定のリズムで繰り返すことにより、脚部と足先は両側からもまれることになる。
【0030】
脚部と足先が両側からもまれている間、足裏指圧ユニット14は送りねじ16で前後に移動せしめられる。足裏指圧ユニット14が所定箇所で停止すると、前記図示しないエアポンプはエアバッグ18に空気を送り込み、圧縮コイルばね23の圧力に抗してエアバッグ18を膨張させる。エアバッグ18が膨張すると、図3に示す通り指圧子20が上昇してハウジング17から突き出し、被施療者の足裏を押す。これにより被施療者は、足裏の「ツボ」に指圧を受けることになる。所定時間が経過するとエアバッグ18から空気が抜かれ、エアバッグ18は収縮して、指圧子20は頂部がストレッチ板11より低くなる位置まで下降し、指圧は終了する。
【0031】
その後送りねじ16は足裏指圧ユニット14の位置を前後にずらし、その位置で足裏指圧ユニット14は足裏を再び指圧子20で押す。これを繰り返すことにより、足裏の全域に指圧が加えられる。足裏指圧ユニット14は貫通穴25の長さが許す範囲で前後に移動可能である。
【0032】
操作パネル部7で「ストレッチ」を選択すると、エアバッグ18から空気が抜け、指圧子20が下降する。この状態で足裏指圧ユニット14は前進する。貫通穴25の末端に差し掛かっても、指圧子20は頂部がストレッチ板11より低くなる位置まで下降しているため、ストレッチ板11に引っ掛からない。指圧子20が指圧子係合凹部26の下に達したところで足裏指圧ユニット14は前進をやめる。ここでエアバッグ18に空気圧が加えられ、エアバッグ18は膨張する。
【0033】
エアバッグ18の膨張により指圧子20が上昇してハウジング17から突き出し、図5に示す通りストレッチ板11を突き上げる。ストレッチ板11は蝶番軸12を支点として回動し、その上に載置された被施療者の足先は被施療者の脚部に対し鋭角をなす。これにより、アキレス腱と、それに続くふくらはぎの筋肉がストレッチングされることになる。この時、脚部の両側のエアバッグ30、31が脚部を圧迫して、脚部をがっちりと固定することとしておけば、ストレッチングの効果がさらに高まる。
【0034】
このように、足裏指圧ユニット14の指圧子20でストレッチ板11を持ち上げ、レッグレスト5に対するストレッチ板11の角度を変えてストレッチングを行うものであるから、指圧子20が足裏をピンポイントで圧迫して痛みを覚えさせるといったことがない。
また、足の大きさに関係なく脚部に対し足先が所定の角度に曲げられ、確実にストレッチング効果を得ることができる。さらに、足裏指圧ユニット14は指圧子20をエアバッグ18で進退させるものであるから、足先に対する力のかかり方がソフトで、無理なストレッチングを避けることができる。
【0035】
図9から図14に本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と異なるのはストレッチ板11の構造である。すなわち第1実施形態の場合、貫通穴25は前後方向に長い長穴であったが、第2実施形態では、前後に短い貫通穴25(形状は円形である)が複数個、前後方向に間隔を置いて配置されている。そして貫通穴25同士の間の箇所にも指圧子係合凹部26が形成されている。
【0036】
第2実施形態の足裏指圧ユニット14は、指圧子20が貫通穴25に一致する位置で停止し、その位置で足裏に指圧を加える(図9参照)。これを貫通穴25毎に行う。
【0037】
ストレッチングの際、指圧子20が貫通穴形成領域の前方の箇所でストレッチ板11を押し上げれば、ストレッチ板11を第1実施形態の場合と同じ角度にし、第1実施形態の場合と同じ強度のストレッチングを行うことができる。
【0038】
図11に示すように足裏指圧ユニット14を踵に近づけ、前後の貫通穴25同士の間の箇所でストレッチ板11を押し上げると、ストレッチ板11の傾斜角が増大し、ストレッチングの強度が高まる。どの位置でストレッチ板11を押し上げるかにより、ストレッチ板11の傾斜角が段階的に変わるので、様々な段階のストレッチング強度を選択することができる。
【0039】
第1実施形態のように、ストレッチ板11の貫通穴25が前後方向に連続した長穴である場合、指圧子20に足裏に接触させたまま、足裏指圧ユニット14を前後方向に動かして、足裏の起伏がもたらすエアバッグ18の圧力変化より足裏の形状を求めることができる。そして、後刻足裏の指圧を行うとき、極力「ツボ」が圧迫されるようにすることができる。これを図15と図16に基づき説明する。
【0040】
図15のフローチャートにおいて、ステップ#111では足裏指圧ユニット14が踵部側に移動する。
【0041】
ステップ#112では足裏指圧ユニット14のエアバッグ18に出力一定の空気圧が加えられる。すなわち出力一定で与圧される。この時の与圧は指圧子20を足裏に接触させることが目的であり、足裏に指圧を加えることが目的ではないので、圧力レベルは低い。
【0042】
ステップ#113では、エアバッグ18か、与圧用のエアポンプか、エアバッグ18とエアポンプの間の給気管のいずれかに設けられた図示しない圧力ゲージにより、指圧子20が足裏から反作用として受ける圧力を検知しつつ、足裏指圧ユニット14を踵の側からつま先の側に移動させる。圧力ゲージの圧力変化を観察すると、上方に窪んだ土踏まずの箇所では圧力が低くなり、その前後では圧力が高くなり、大略図16のグラフのようなカーブを描く。
【0043】
ステップ#114では、マッサージ機1の制御部において、上記圧力変化に基づき、足裏の形状が算出される。「ツボ」の位置も割り出される。
【0044】
ステップ#115では足裏の指圧が開始される。指圧は、ステップ#114の算出結果に基づき、指圧子20が足裏からはみ出さないよう、また指圧子20が「ツボ」またはそれに近い箇所を押すよう、コントロールしつつ行われる。
【0045】
上述のように足裏指圧ユニット14を用いることにより、被施療者の足裏の形状に合わせた、最適な指圧を行うことができる。
【0046】
第1、第2実施形態のマッサージ機1はレッグレスト5とフットレスト6を有しているが、レッグレスト5を廃してフットレスト6だけを残し、足先のみマッサージするマッサージ機として構成することもできる。特許請求の範囲の請求項6はこの構成を表している。このようなマッサージ機であっても、使用者が脚部を動かさないようにしておきさえすれば、ストレッチ板11の回動でストレッチング効果を得ることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、下肢用のマッサージ機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 マッサージ機
2 ベース部
3 クレードル部
4 溝
5 レッグレスト
6 フットレスト
11 ストレッチ板
14 足裏指圧ユニット
18 エアバッグ
20 指圧子
25 貫通穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の脚部と足先をそれぞれ支えるレッグレストとフットレストを備えたマッサージ機において、
前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、
前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記足裏指圧ユニットは前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記ストレッチ板の貫通穴は前後方向に長い長穴であり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方の箇所で前記ストレッチ板を押し上げることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記ストレッチ板の貫通穴は複数のものが前後方向に間隔を置いて並んでおり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方または貫通穴同士の間の箇所で前記ストレッチ板を押し上げることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記足裏指圧ユニットは、前記指圧子をエアバッグで昇降させるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
被施療者の足先を支えるフットレストを備えたマッサージ機において、
前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、
前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項1】
被施療者の脚部と足先をそれぞれ支えるレッグレストとフットレストを備えたマッサージ機において、
前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、
前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記足裏指圧ユニットは前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記ストレッチ板の貫通穴は前後方向に長い長穴であり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方の箇所で前記ストレッチ板を押し上げることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記ストレッチ板の貫通穴は複数のものが前後方向に間隔を置いて並んでおり、前記指圧子は貫通穴形成領域の前方または貫通穴同士の間の箇所で前記ストレッチ板を押し上げることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記足裏指圧ユニットは、前記指圧子をエアバッグで昇降させるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項6】
被施療者の足先を支えるフットレストを備えたマッサージ機において、
前記フットレストは、内部に足裏指圧ユニット、上面には踵側を支点として回動するストレッチ板を備え、
前記足裏指圧ユニットは、前記ストレッチ板に形成された貫通穴を通じ指圧子を突き出して当該ストレッチ板に載置されている被施療者の足裏に指圧力を加えるとともに、前記貫通穴以外の箇所で前記ストレッチ板を前記指圧子により押し上げて当該ストレッチ板を前記支点まわりに回動させることを特徴とするマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−115355(P2012−115355A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265971(P2010−265971)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]