説明

マッサージ機

【課題】被施療者の上半身から下半身にかけて良好なマッサージを可能としたマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機構は、左右に対をなす内側施療子と、左右に対をなす外側施療子と、これらの施療子を駆動する駆動手段と、を有し、駆動手段によって、内側施療子と外側施療子との間の左右方向の離隔距離を変更可能に構成されており、左右の内側施療子及び外側施療子を夫々支持すると共に、駆動手段により軸芯回りに回転する第1支持シャフトを更に有し、第1支持シャフトは、アームを介して内側施療子を支持する内側傾斜軸と、アームを介して外側施療子を支持する外側傾斜軸とを有し、内側傾斜軸及び外側傾斜軸は、軸芯に対して互いに異なる角度を有し、且つ対をなす内側傾斜軸は、軸芯に対して互いに異なる角度を有しており、背凭れ部から座部を経由してフットレストまでの間を移動自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の上半身から下半身にかけて良好なマッサージを可能としたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背凭れ部、座部、及び脚載置部にかけて一体的に形成したロングガイドレールに沿ってマッサージ機構を移動可能とし、被施療者の上半身から下半身にかけてマッサージ可能とした椅子型マッサージ機が知られている(例えば、特許文献1)。
また、被施療者の上半身における左半身と右半身に夫々対応して設けられた内側施療子及び外側施療子を備えたマッサージ機構を有し、該マッサージ機構が背凭れ部内のみを移動可能とされた椅子型マッサージ機が知られている(例えば、特許文献2)。
また、被施療者の脚部における左脚と右脚に夫々対応して設けられた内側施療子及び外側施療子を備えたマッサージ機構を有し、該マッサージ機構が被施療者の脚部のみの部分において移動可能とされた脚部用のマッサージ機が知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−283266号公報
【特許文献2】特開2009−254408号公報
【特許文献3】実用新案登録第3157571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示された椅子型マッサージ機においては、マッサージ機構に設けられた施療子が左右一対のみで構成されているため、被施療者の上半身をマッサージする際は、左半身と右半身の夫々に対応した揉み等のマッサージを行うことができず、かつ施療範囲も狭く良好なマッサージ効果を得ることができない。また、被施療者の脚部をマッサージする際は、左脚と右脚の夫々に対応した挟み揉み等のマッサージを行うことができず、良好なマッサージ効果を得ることができない。
一方、上記特許文献2に開示された椅子型マッサージ機においては、マッサージ機構によって被施療者の上半身に対しては、左半身と右半身の夫々に対応した揉み等のマッサージを行うことができるが、該マッサージ機構は被施療者の脚部に対してはマッサージ可能とはなっておらず、左脚と右脚の夫々に対応した挟み揉み等のマッサージを行うことができない。
また、上記特許文献3に開示された脚部用のマッサージ機においては、マッサージ機構によって被施療者の脚部に対しては、左脚と右脚の夫々に対応した挟み揉みを行うことができるが、該マッサージ機構は被施療者の上半身に対してはマッサージ可能とはなっておらず、左半身と右半身の夫々に対応した揉み等のマッサージを行うことができない。
【0005】
そこで本発明は、上述した全ての問題を解消するためになされたものであり、被施療者の上半身に対しては左半身と右半身の夫々に対応したマッサージが可能であり、且つ背筋がマッサージ可能であると共に、脚部に対しては左脚と右脚の夫々に対応したマッサージが可能であって、上半身から下半身にかけて良好なマッサージを可能としたマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被施療者が着座する座部と、被施療者が凭れる背凭れ部と、被施療者の脚部を支持するフットレストと、で構成される椅子本体と、該椅子本体に設けられ被施療部位をマッサージするマッサージ機構と、を有するマッサージ機において、前記マッサージ機構は、左右に対をなす内側施療子と、該内側施療子と対をなして該内側施療子よりも左右方向の外側に離隔して設けられると共に左右に対をなす外側施療子と、これらの施療子を駆動する駆動手段と、を有し、前記駆動手段によって、前記内側施療子と前記外側施療子との間の左右方向の離隔距離を変更可能に構成されており、左右の前記内側施療子及び前記外側施療子を夫々支持すると共に、前記駆動手段により軸芯回りに回転する第1支持シャフトを更に有し、該第1支持シャフトは、アームを介して前記内側施療子を支持する内側傾斜軸と、アームを介して前記外側施療子を支持する外側傾斜軸とを有し、前記内側傾斜軸及び前記外側傾斜軸は、前記軸芯に対して互いに異なる角度を有し、且つ対をなす前記内側傾斜軸は、前記軸芯に対して互いに異なる角度を有しており、前記背凭れ部から前記座部を経由して前記フットレストまでの間を移動自在に構成されている。
【0007】
このような構成とすることにより、マッサージ機構が背凭れ部からフットレストにかけて移動自在であると共に、内側施療子と外側施療子とが相互に近接及び離反し、且つ対をなす内側施療子が相互に近接及び離反することから、マッサージ機構が背凭れ部に位置しているときには、上半身における左半身及び右半身の夫々に対して個別に摘むようにして揉みマッサージを行うことができ、且つ背中の左右中心である背筋に対して揉みマッサージを行うことができると共に、マッサージ機構がフットレストに位置しているときには、左脚及び右脚の夫々に対して個別に挟むようにして揉みマッサージを行うことができる。また、マッサージ機構が単一であっても、被施療者の上半身から下半身まで広範囲にマッサージを行うことができる。
【0008】
また、前記座部、前記背凭れ部、及び前記フットレストの夫々に被施療者の身長方向に沿って延設され、前記マッサージ機構の移動をガイドするガイドレールを有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ機構が背凭れ部から座部を経由してフットレストまでの間を移動するのをガイドすることができる。
【0009】
また、前記内側施療子と前記外側施療子とを夫々支持すると共に、前記駆動手段により軸芯回りに回転する第2支持シャフトを更に備え、該第2支持シャフトは、アームを介して前記内側施療子を支持する内側偏芯軸と、アームを介して前記外側施療子を支持する外側偏芯軸とを有し、前記内側偏芯軸及び前記外側偏芯軸は、前記軸芯に対して偏芯して設けられ、且つ前記軸芯回りの位相が互いに異なるように構成されており、対をなす前記内側偏芯軸は、前記軸芯回りの位相が互いに異なるように構成されており、対をなす前記内側施療子及び前記外側施療子は、被施療者側へ交互に突出し、且つ対をなす前記内側施療子は被施療者側へ交互に突出するよう構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、上半身における左半身及び右半身の夫々に対して個別に叩きマッサージを行うことができ、且つ背中の左右中心である背筋に対して叩きマッサージを行うことができると共に、左脚及び右脚の夫々に対して個別に叩きマッサージを行うことができる。
【0010】
また、前記椅子本体は、被施療者の背面を支持すると共に全体又は部分的に可撓性を有する身体支持部を有し、前記身体支持部は、膝近傍に対応する箇所の撓み度合いが他の箇所よりも小さく設定されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、椅子本体に対する膝の下方への落ち込みを防ぎ、膝の側部を避けてマッサージすることができる。なお、膝の側部へのマッサージは痛みを伴うため好ましくない。
【0011】
また、前記椅子本体は、被施療者の背面を支持すると共に全体又は部分的に可撓性を有する身体支持部を有し、前記座部は前上がり傾斜状に構成され、かつ前記フットレストは前下がり傾斜状に構成され、前記身体支持部は、前記座部と前記フットレストの境界部近傍に対応する箇所の撓み度合いが他の箇所よりも小さく設定されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、膝が座部とフットレストの境界部近傍に案内され、椅子本体に対する膝の位置決めを容易に行うことができる。そして、椅子本体に対する膝の下方への落ち込みを防ぎ、膝の側部を避けてマッサージすることができる。
【0012】
また、前記椅子本体は、被施療者の背面を支持すると共に全体又は部分的に可撓性を有する身体支持部を有し、前記身体支持部は、前記マッサージ機構を前方から覆うカバー本体と、当該カバー本体とは別体として当該カバー本体の前方において部分的に設けられたベルト部材と、を有し、前記ベルト部材の撓み度合いは、前記カバー本体の撓み度合いよりも小さく設定されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、ベルト部材により身体の一部を椅子本体に対する落ち込みを防いで安定的に支持することができると共に、カバー本体を介してマッサージ機構による十分なマッサージを受けることができる。また、マッサージ機構の動作によって、施療子がベルト部材に引っ掛かってしまうことを防止できる。
【0013】
また、前記内側施療子は、該内側施療子を支持する前記アームを挟むように該アームの左右両側方に設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ機構がフットレストに位置しているときには、外側の内側施療子が左脚の内側部及び右脚の内測部の夫々に的確に当接することとなる。また、マッサージ機構が背凭れ部に位置しているときには、内側の内側施療子が背中の左右中心である背筋に的確に当接することとなる。従って、外側施療子と外側の内側施療子とにより左脚及び右脚の夫々に対して良好に揉みマッサージを行うことができると共に、対をなす内側の内側施療子により背筋に対して良好に揉みマッサージを行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被施療者の上半身に対しては左半身と右半身の夫々に対応したマッサージが可能であり、且つ背筋に対応したマッサージが可能であると共に、脚部に対しては左脚と右脚の夫々に対応したマッサージが可能となり、上半身から下半身にかけて良好なマッサージが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】前位置状態にあるマッサージ機の斜視図である。
【図2】身体支持部を分離した前位置状態にあるマッサージ機の斜視図である。
【図3】前位置状態にあるマッサージ機の側面図である。
【図4】後位置状態にあるマッサージ機の側面図である。
【図5】マッサージ機の構成を示すブロック図である。
【図6】マッサージ機構を前方斜め上方から見たときの外観斜視図である。
【図7】マッサージ機構を後方斜め上方から見たときの外観斜視図である。
【図8】マッサージ機構の一部の構成について分解して示す分解斜視図である。
【図9】第1支持シャフトについて一部を分解して示す斜視図である。
【図10】第2支持シャフトについて一部を分解して示す斜視図である。
【図11】第1支持シャフト及び第2支持シャフトの一部を拡大して示す平面図であり、(a)は第1支持シャフトを、(b)は第2支持シャフトを夫々示している。
【図12】第1支持シャフトを回転させたときの内側施療子と外側施療子との動作を説明するための平面図であり、(a)は内側施療子と外側施療子とが互いに接近した状態、(b)は内側施療子と外側施療子とが互いに離反した状態を夫々示している。
【図13】脚部に対する施療子の動作説明図であり、(a)は椅子本体の足先側から見た模式図であり、(b)は椅子本体の左側から見た模式図である。
【図14】マッサージ機構に適用可能な他の構成を示す平面図である。
【図15】脚フレームと本体フレームの位置関係を示す平面模式図であり、(a)は椅子本体が前位置又は第1所定位置に位置している状態であり、(b)は椅子本体が後位置又は第1所定位置に位置している状態を夫々示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[全体構成]
以下、本発明のマッサージ機1の全体構成について説明する。図1は前位置状態にあるマッサージ機1の斜視図であり、図2は身体支持部8を分離した前位置状態にあるマッサージ機1の斜視図であり、図3は前位置状態にあるマッサージ機1の側面図であり、図4は後位置状態にあるマッサージ機1の側面図である。なお、図2〜図4においては、視認性を考慮して後述するエアセル13を省略して図示している。
【0017】
図1〜図4に示すとおり、本発明のマッサージ機1は、主として、被施療者が着座する座部3と、座部3の後部に一体的に設けられた被施療者が凭れる背凭れ部4と、座部3の前部に上下揺動自在に設けられた被施療者の脚部を支持するフットレスト5と、で構成される椅子本体2と、この椅子本体2を前後に揺動自在に支持する脚フレーム6と、を有している。そして、この椅子本体2には、背凭れ部4から座部3を経由してフットレスト5までの間を移動自在に構成され、被施療者の被施療部をマッサージするマッサージ機構9及びエアセル13が設けられている。このマッサージ機構9は、被施療者の身長方向に移動することにより、被施療者の首部から足先までをマッサージ可能である。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、座部に着座した被施療者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0018】
[椅子本体の構成]
椅子本体2の構成について詳述すると、左右両端部に対のガイドレール7aを備えた本体フレーム7と、本体フレーム7に設けられ被施療者の身体を支持する身体支持部8と、を有している。このガイドレール7aは、被施療者の身長方向に沿って延設されており、マッサージ機構9の移動をガイドするよう構成されている。そして、背凭れ部4と座部3のガイドレール7aは、それぞれの境界部近傍に形成された湾曲部7bを介して連続して構成されており、フットレスト5と座部3のガイドレール7aは、それぞれの境界部近傍に設けられた回動軸C1を介して連結して構成されている。すなわち、フットレスト5のガイドレール7aは、座部3のガイドレール7aに対して回動軸C1回りに所定の範囲内で上下揺動自在である。そして、フットレスト5のガイドレール7aと座部3のガイドレール7aの境界部近傍にも湾曲部7cが形成されている。背凭れ部4のガイドレール7aと座部3のガイドレール7aの境界部近傍、及びフットレスト5のガイドレール7aと座部3のガイドレール7aの境界部近傍はそれぞれ湾曲部7b,7cを有しているため、マッサージ機構9は背凭れ部4から座部3を経由してフットレスト5までの間を円滑に移動することができる。なお、フットレスト5と座部3のガイドレール7aも背凭れ部4と座部3のガイドレール7aと同様に、湾曲部7cを介して連続して構成されていてもよい。
【0019】
本体フレーム7の構成について詳述すると、左右対のガイドレール(座部3のガイドレール)7a,7aと、脚フレーム6に回動軸C2を介して回動自在にガイドレール7aを支持する左右対の支持部材7dと、両支持部材7d,7dを連結する左右方向に延設された連結部材7eと、支持部材7dとフットレスト5のガイドレール7aを連結し、本体フレーム7の前後揺動に連動してフットレスト5のみを座部3に対して上下揺動させるリンク部材7fと、ガイドレール7aに対して上下方向に所定距離Dを存して身体支持部8を支持する支持部材7g(図2、図3、及び図4参照。図2においては視認性を考慮して二点鎖線で示している。)と、により構成されている。また、本体フレーム7と脚フレーム6の間には、本体フレーム7を脚フレーム6に対して回動軸C2回りに前後揺動させる揺動駆動部10が介在している。揺動駆動部10はモータ10a駆動によりロッド10bが伸縮するアクチュエータにより構成されており、このロッド10bの前端部が脚フレーム6に取り付けられ、後端部が本体フレーム7の連結部材7eに取り付けられている。
【0020】
このロッド10bが伸長すると、図4に示す後位置状態から、椅子本体2が全体として脚フレーム6に対して回動軸C2回りに前方へ揺動するとともに、フットレスト5が座部3に対して回動軸C1回りに下方へ揺動して、図3に示す前位置状態となる。一方、このロッド10bが収縮すると、図3に示す前位置状態から、椅子本体2が全体として脚フレーム6に対して回動軸C2回りに後方へ揺動するとともに、フットレスト5が座部3に対して回動軸C1回りに上方へ揺動して、図4に示す後位置状態となる。なお、ロッド10bの伸長量を制御することにより、椅子本体2を前位置状態から後位置状態までの間の任意の前後位置で停止させることができる。また、ロッド10bの伸縮を繰り返し行うことにより、椅子本体2をいわゆるロッキング動作させることができる。
【0021】
図3及び図4に示すとおり、座部3は、前方へ向かうにつれて前上がり傾斜状に構成されており、フットレスト5は前方(足先側)へ向かうにつれて前下がり傾斜状に構成されている。すなわち、座部3とフットレスト5の境界部近傍は上に凸の湾曲部7cが形成されている。したがって、被施療者はマッサージ機1に着座する際、膝の背面をこの湾曲部7cに容易に位置決めすることができる。
【0022】
図2に示すとおり、身体支持部8は、所定の張力をもって本体フレーム7に張設され可撓性を有する布地等によりなるカバー本体11、及びこのカバー本体11と同様に張設されたベルト部材12により構成され、被施療者の上半身から下半身までを支持するよう構成されている。また、図3及び図4に示すとおり、身体支持部8は、ガイドレール7aに対して上下方向に所定距離Dを存して本体フレーム7(支持部材7g)に張設されている。被施療者は、この身体支持部8を介してマッサージ機構9によりマッサージを受けることとなる。このベルト部材12は、第1ベルト部材12a、第2ベルト部材12b、及び第3ベルト部材12cを有しており、第1ベルト部材12aは、カバー本体11に縫い込まれて一体的に形成され、身長方向に沿って背凭れ部4からフットレスト5にかけて張設されており、第2ベルト部材12bは、カバー本体11の前方に位置してカバー本体11とは別体として設けられ、左右方向に沿って背凭れ部4における腰位置及び座部3に張設されており、第3ベルト部材12cは、カバー本体11に縫い込まれて一体的に形成され、座部3とフットレスト5の境界部近傍(湾曲部7c)に張設されている。そして、カバー本体11及び各ベルト部材12a〜12cの撓み度合いは、カバー本体11>第1ベルト部材12a>第2ベルト部材12b>第3ベルト部材12cとなるよう設定されている。
【0023】
この身体支持部8において、ベルト部材12が張設されている第1支持部分は、ベルト部材12が張設されていない第2支持部分(カバー本体11のみで構成されている箇所)に比べて撓み度合いが小さく、被施療者がマッサージ機1に着座したとき、下方(マッサージ機構9が有する施療子60及びアーム68,69が動作する動作領域S)への落ち込みが少なくなるようになっている。この移動領域Sを具体的に説明すると、施療子60及びアーム68,69の左右方向における動作可能範囲、上下方向における動作可能範囲、及び身長方向における動作可能範囲で囲まれる三次元的な空間である。また、マッサージ機構9が有する施療子60は、左右方向においては第2支持部分に位置している。具体的には、対を成す内側施療子61a,62aは、前方から見て左右中央の第1ベルト部材12aと左右外側の第1ベルト部材12aの間に夫々位置しており、対を成す外側施療子61b,62bは、前方から見て左右外側のベルト部材12aの左右外側に夫々位置している。なお、第1ベルト部材12aは、左右中央1本のみで構成してもよい。
【0024】
身体支持部8を前述した構成とすることにより、被施療者の身体を第1支持部分において安定して支持することができると共に、第2支持部分においては被施療者の身体が動作領域Sに十分落ち込むのでマッサージ機構9による十分なマッサージを受けることができる。特に、身体支持部8における座部3とフットレスト5の境界部近傍に形成された湾曲部8cにおいて、その撓み度合いが他の箇所よりも小さく設定されている(第3ベルト部材12cを有する第1支持部分で構成されている)ため、膝の動作領域Sへの落ち込み量を少なくして、膝の側部を避けてマッサージすることができる。なお、膝の側部へのマッサージは痛みを伴うため好ましくない。この身体支持部8は、座部3とフットレスト5の境界部近傍の湾曲部8cに設けられた第3ベルト部材12cに代えて、剛性を有するブロー成形等よりなる硬質部材(例えば合成樹脂等)としてもよい。また、第2支持部材12bは、カバー本体11の前方に位置してカバー本体11とは別体として構成され、且つカバー本体11及び第1ベルト部材12aよりも撓み度合いが小さく設定されているため、腰及び臀部をカバー本体11よりも前方で安定して支持することができると共に、身体支持部8の後方に設けられたマッサージ機構9が動作(身長方向への移動、揉み動作、叩き動作等)することによって、施療子60が第2ベルト部材12bに引っ掛かってしまうことを防止できる。更に、椅子本体2が前位置状態にあるときは、被施療者の体重は座部3に最も作用し、椅子本体2が後位置状態にあるときは、被施療者の体重は背凭れ部4(特に腰位置)に最も作用するが、いずれの状態においても第2ベルト部材12bによって身体を安定して支持することができる。
【0025】
図1に示すとおり、椅子本体2の各所(本実施形態では、背凭れ部4、座部3、及びフットレスト5)には、エアの給排気により膨張収縮して、対応する被施療部をマッサージする左右で対を成すエアセル13が設けられている。背凭れ部4に設けられたエアセル13aは被施療者の背中を後方から押圧し、座部3に設けられたエアセル13bは下方から膨張し被施療者の臀部を略左右から挟むように押圧し、フットレスト5に設けられたエアセル13cは下方から膨張し被施療者の脚部を略前方から押圧するよう構成されている。なお、本実施の形態では、エアセル13は身体支持部8に設けられているが、本体フレーム7(支持部7g)に設けられていてもよい。
【0026】
図5は、マッサージ機1の構成を示すブロック図である。この図5に示すように、上述した各エアセル13a〜13cは、可撓性中空のエアチューブを介してポンプ及びバルブ等から成る給排気装置51に接続されている。この給排気装置51は座部3の下方に収容されており、同じく座部3の下方に収容された制御部50からの指示に従って駆動し、各エアセル13a〜13cへの給排気を互いに独立して行うことができるようになっている。そして、制御部50からの指示により給排気装置51が駆動し、エアセル13a〜13cが膨縮することにより、被施療者の全身のいたるところを押圧施療可能である。
【0027】
また、給排気装置51は制御部50からの指示に従って予め設定されたプログラムにより動作する他、制御部50に接続されたリモートコントローラ55を被施療者が操作することにより制御部50へ入力された信号に基づいても動作することができる。なお、以下に説明するマッサージ機構9、揺動駆動部10の動作についても同様に、制御部50からの指示に従って予め設定されたプログラムにより動作する他、リモートコントローラ55を被施療者が操作することにより制御部50へ入力された信号に基づいても動作することができる。
【0028】
また、制御部50はメモリ(図示せず)を有しており、このメモリには予め定められたコースに従ってマッサージ機構9やエアセル13a〜13cによって被施療部に対してマッサージを行う複数のマッサージプログラムが格納されている。そして、リモートコントローラ55は、電源釦55a、各マッサージプログラムに対応する複数のコース釦55b〜55eを有しており、コース釦55b〜55eを操作することにより対応するマッサージプログラムが実行されるようになっている。
【0029】
[マッサージ機構の構成]
以下、椅子本体に設けられたマッサージ機構の構成について説明する。図6は、マッサージ機構9を前方斜め上方から見たときの外観斜視図であり、図7は、後方斜め上方から見たときの外観斜視図である。また、図8は、マッサージ機構9の一部の構成について分解して示す分解斜視図である。
【0030】
マッサージ機構9は上下左右に配された8つの施療子60を有しており(図1も参照)、詳しくは後述するが、この施療子60は駆動手段を成すモータの駆動によって三次元的に動作し、被施療者の上半身から下半身にかけてその背面に対して揉み、叩き、及び指圧などの様々の押圧施療を施すことが可能になっている。また、このような施療子60を有するマッサージ機構9は、ガイドレール7aが有するラック(図示せず)にマッサージ機構9が有するピニオン(図示せず)が係合しており、昇降モータ14(図5参照)の駆動によりピニオンが回転すると、椅子本体2内を身長方向へ移動可能になっている。したがって、マッサージ機構9を移動させることにより、被施療者の上半身から下半身にかけてその背面に対し、首部から足先に至るまでローリングマッサージを施すことができる。この昇降モータ14は、制御部50(図5参照)からの信号により出力軸の回転方向及び回転速度が制御される。
【0031】
また、マッサージ機構9は、進退駆動部15により被施療部に対して進退可能に構成している(図5参照)。この進退駆動部15は、マッサージ機構9の背面に設けた膨張収縮するエアセルにより構成してもよいし、マッサージ機構9の側面に設けたラック・ピニオン機構により構成してもよい。この場合、マッサージ機構9は、椅子本体2に身体が支持された被施療者の被施療部を背面から押し出すようにして押圧可能になる。この進退駆動部15は、制御部50(図5参照)からの信号によりマッサージ機構9を進退可能に構成されている。
【0032】
図6〜図8に示すように、マッサージ機構9は被施療者の上半身の左側(以下、「左半身」という)又は左脚に対応して、内側施療子61a及び外側施療子61bから成る左側施療子61と、上半身の右側(以下、「右半身」という)又は右脚に対応して、内側施療子62a及び外側施療子62bから成る右側施療子62とを備えている。このうち内側施療子61aは、上側の施療子60aと下側の施療子60bとを有し、これらの施療子60a,60bは略V字状のアーム68の上下の先端にて枢支されている。同様に、外側施療子61bは、上側の施療子60cと下側の施療子60dとを有し、これらの施療子60c,60dは略V字状を成すアーム69の上下の先端にて枢支されている。なお、右半身に対応する内側施療子62a及び外側施療子62bについては、左半身に対応する上記内側施療子61a及び外側施療子61bの各構成と同様になっているのでここでの説明は省略し、図面においては、対応する構成に同一の符号を付しておく。
【0033】
アーム68,69は、夫々の基部が、略V字状を成すコンロッド70,71が夫々有する一方の先端にて、左右方向に沿った枢軸回りを所定の角度範囲で回動可能なように支持されている。また、アーム68,69には左右方向の外側へ突出したピン68p,69pが設けられ、コンロッド70,71にも左右方向の外側へ突出したピン70p,71pが設けられている。そして、ピン68p,70p間、及びピン69p,71p間の夫々には、所定のバネ係数を有するコイルバネ68s,69sが掛けられている。従って、アーム68,69は、コイルバネ68s,69sによって上側の施療子60a,60cが前方(被施療者側)へ向かうように付勢されている。なお、コイルバネ68s,69sとして適宜バネ係数を変えて採用することにより、施療子60a,60cによる被施療者への付勢力を調整することができる。また、アーム68,69は、コイルバネ68s,69sによって上側の施療子60a,60cと下側の施療子60b,60dの前方(被施療者側)への突出量が略均等である中立状態となるよう付勢されていてもよい。アーム68,69が中立状態となるようコイルバネ68s,69sの位置及び付勢力を設定すれば、マッサージ機構9が肩付近に位置する際には上側の施療子が60a,60cが肩の略上方から当接することができ、膝付近(湾曲部7c付近)を通過する際には施療子60a〜60dが膝の背面に引っ掛かってしまうことを防止できる。
【0034】
各コンロッド70,71の基部には略左右方向に貫通するよう軸受孔70a,71aが形成されており、これらの軸受孔70a,71aには、左右方向へ軸芯を沿うように配設された第1支持シャフト72が挿通されている。また、各コンロッド70,71が夫々有する他方の先端には図示しない嵌合凹部が形成され、この嵌合凹部には連結棒73,74の各一端部が夫々挿入されており、嵌合凹部と連結棒73,74の一端部とはボールジョイント等の自在継手を形成している。連結棒73,74の各他端部は、略左右方向に貫通する軸受孔75a,76aを有する軸受部材75,76の夫々に接続され、これら軸受部材75,76が有する軸受孔75a,76aには、左右方向へ軸芯を沿うように配設された第2支持シャフト77が挿通されている。
【0035】
図7に示すように、マッサージ機構9にはギヤボックス78が備えられている。このギヤボックス78は、左右方向において左半身(左脚)用の内側施療子61aと右半身(右脚)用の内側施療子62aとの間に位置し、左右方向へ延びる第1支持シャフト72及び第2支持シャフト77の中央部分が夫々貫通している。ギヤボックス78の近傍には第1モータ80及び第2モータ81が配設されており、これら第1モータ80及び第2モータ81は、制御部50(図5参照)からの信号により出力軸の回転方向及び回転速度が制御される。
【0036】
そして、第1モータ80の回転出力は、ギヤボックス78内に備えられたウォーム(図示せず)と、第1支持シャフト72の左右方向の中央部に設けられて前記ウォームに噛合するヘリカルギヤ(図示せず)とを介し、第1支持シャフト72に伝達されるようになっている。従って、制御部50からの指示により第1モータ80が駆動すると、第1支持シャフト72が軸芯72a回りに回転する。また、第2モータ81の回転出力は、ギヤボックス78に備えられたプーリ及びベルト(図示せず)と、第2支持シャフト77の左右方向の中央部に設けられたプーリとを介し、第2支持シャフト77に伝達されるようになっている。従って、制御部50からの指示により第2モータ81が駆動すると、第2支持シャフト77が軸芯77a回りに回転する。
【0037】
図9は、第1支持シャフト72について一部を分解して示す斜視図であり、図10は、第2支持シャフト77について一部を分解して示す斜視図である。また、図11は、第1支持シャフト72及び第2支持シャフト77の一部を拡大して示す平面図であり、(a)は第1支持シャフト72を、(b)は第2支持シャフト77を夫々示している。
【0038】
図9に示すように、第1支持シャフト72は、複数の部品が組み合わされて左右対称に構成されており、左右方向へ長寸の主軸83を備えている。この主軸83は、左右方向に軸芯が向けられた円柱部83aを有し、該円柱部83aの左右の端部からはシャフト部83bが左右の外方へ延設されている。シャフト部83bは断面が略矩形状を成し、周方向に存在する4つの角部分が面取りされている。また、左右の各シャフト部83bには、内側傾斜軸部材84及び外側傾斜軸部材85とエンド部材86とが挿通されており、これら傾斜軸部材84,85及びエンド部材86は、互いの間にスペーサ87が介在することによりシャフト部83bの長手方向における所定箇所に位置している。
【0039】
より詳しくは、シャフト部83bにおいて、円柱部83aに最も近い部分には、該円柱部83aとの間に円筒状のスペーサ87を挟んで内側傾斜軸部材84が外嵌している。この内側傾斜軸部材84は、小径円柱状を成して内側のコンロッド70の嵌合孔70a(図8参照)が外嵌する傾斜軸部84aと、その両端から夫々拡径方向へ張り出した大径円柱状のツバ部84bとを有し、傾斜軸部84a及びツバ部84bを貫通して貫通孔84cが形成されている。図11(a)に示すように、傾斜軸部84aとツバ部84bとは互いの軸芯84dが略一致しており、貫通孔84cはこの軸芯84dに対して所定の角度A1(>0)だけ傾斜して設けられている。従って、内側傾斜軸部材84の貫通孔84cにシャフト部83bが挿通されると、傾斜軸部84a及びツバ部84bは、シャフト部83bの軸芯72aに対して軸芯84dが角度A1だけ傾斜することとなる。
【0040】
また、内側傾斜軸部材84に対して左右方向の外方には、スペーサ87を挟んで外側傾斜軸部材85が配設されている。この外側傾斜軸部材85は、上述した内側傾斜軸部材84と同様の構成を有しており、小径円柱状を成して外側のコンロッド71の嵌合孔71a(図8参照)が外嵌する傾斜軸部85aと、大径円柱状のツバ部85bとを備え、これら傾斜軸部85a及びツバ部85bを貫通して貫通孔85cが形成されている。図11(b)に示すように、傾斜軸部85aとツバ部85bとは互いの軸芯85dが略一致しており、貫通孔85cはこの軸芯85dに対して所定の角度A2(>0)だけ傾斜して設けられている。従って、外側傾斜軸部材85の貫通孔85cにシャフト部83bが挿通されると、傾斜軸部85a及びツバ部85bは、シャフト部83bの軸芯72aに対して軸芯85dが角度A2だけ傾斜することとなる。
【0041】
また、外側傾斜軸部材85に対して左右方向の外方には、スペーサ87を挟んで円環状のエンド部材86が配設されている。更に、このようにしてシャフト部83bに挿通された内側傾斜軸部材84及び外側傾斜軸部材85は、夫々のツバ部84b,85bに径方向へ貫通形成された孔84e,85eへ係止ピン88が圧入され、係止ピン88の先端がシャフト部83bの周面に当接することにより、シャフト部83bに対して固定される。
【0042】
ところで、図11(a)に示すように、内側傾斜軸部材84の軸芯84dと外側傾斜軸部材85の軸芯85dとは、互いに平行ではなく、第1支持シャフト72の軸芯72aに対して異なる角度を有して傾斜している。特に本実施の形態では、内側傾斜軸部材84と外側傾斜軸部材85とは、平面視したときに軸芯72aに対して互いに逆向きに傾斜して設けられており、また、内側傾斜軸部材84の軸芯84dと軸芯72aとの成す鋭角A1は、外側傾斜軸部材85の軸芯85dと軸芯72aとの成す鋭角A2に比べて若干大きく(A1>A2)設定されている。また、左右の内側傾斜軸部材84,84の軸芯84d,84dは、互いに平行ではなく、第1支持シャフト72の軸芯72aに対して異なる角度を有して傾斜し、左右の外側傾斜軸部材85,85の軸芯85d,85dは、互いに平行ではなく、第1支持シャフト72の軸芯72aに対して異なる角度を有して傾斜している。特に本実施の形態では、左右の内側傾斜軸部材84,84は、平面視したときに軸芯72aに対して互いに逆向きに傾斜して設けられており、左右の外側傾斜軸部材85,85は、平面視したときに軸芯72aに対して互いに逆向きに傾斜して設けられている(図8も合わせて参照)。
【0043】
図12は、第1支持シャフト72を回転させたときの内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとの動作を説明するための平面図であり、(a)は内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとが互いに接近した状態、(b)は内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとが互いに離反した状態を夫々示している。図12(a),(b)に示すように、上述したような第1支持シャフト72が、第1モータ80(図7参照)の駆動により軸芯72a回りに回動すると、コンロッド70及びアーム68を介して傾斜軸部84aに支持された内側施療子61a,62aと、コンロッド71及びアーム69を介して傾斜軸部85aに支持された外側施療子61b,62bとは、互いの左右方向の離隔距離が変更される。なお、図12中に示す符号Pは、マッサージ機構9が背凭れ部4に位置するときの各施療子61a,61b,62a,62bにおいて被施療者の背中に接触する主な箇所を示している。
【0044】
また、第1モータ80を適宜停止させることにより、図12(a)に示す接近状態と、図12(b)に示す離反状態との間で、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとを任意の離隔寸法で維持することが可能である。更に、マッサージ機構9を背凭れ部4に位置させて第1モータ80を連続的に駆動することにより、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとを繰り返し接近及び離反させ、背凭れ部4に支持された左半身と右半身とを、独立して揉みマッサージすることができる。即ち、対を成す内側施療子61a及び外側施療子61bにより、左半身を独立して左右から摘むように揉みマッサージすることができ、対を成す内側施療子62a及び外側施療子62bにより、右半身を独立して左右から摘むように揉みマッサージすることができる。加えて、左右の内側施療子61a,62aに注目すると、第1支持シャフト72の回転により、互いに接近及び離反するため、被施療者の背骨を跨いで左右から摘むように揉みマッサージすることができる。更には、対の外側施療子62a,62bにより、上半身の側面(例えば脇等)に対しても揉みマッサージすることができる。
【0045】
また、昇降モータ14を駆動してマッサージ機構9を座部3まで移動させて、第1モータ80を連続的に駆動させれば、臀部や大腿部における左部分と右部分とを、上半身と同様に、独立して左右から摘むように揉みマッサージすることができる。また、昇降モータ14を駆動してマッサージ機構9をフットレスト5まで移動させて、第1モータ80を連続的に駆動させれば、対を成す内側施療子61a及び外側施療子61bにより、左脚を独立して左右から挟むように揉みマッサージすることができ、対を成す内側施療子62a及び外側施療子62bにより、右脚を独立して左右から挟むように揉みマッサージすることができる。
【0046】
図13は、脚部に対する施療子60の動作説明図であり、(a)は椅子本体2の足先側から見た模式図であり、(b)は椅子本体2の左側から見た模式図である。
図13に示すように、被施療者の膝は、身体支持部8における撓み度合いの小さい座部3とフットレスト5の境界部近傍の湾曲部8c(第1支持部分)において支持されるため、二点鎖線で図示したマッサージ機構9の移動領域Sへの落ち込みが小さく、内側施療子61a,62a及び外側施療子61b,62bによって膝の背面を揉みマッサージすることができ、膝を除く脚部(ふくらはぎ等)は、身体支持部8における撓み度合いの大きい部分(第2支持部分)において支持されるため、一点鎖線で図示したマッサージ機構9の移動領域Sへ十分落ち込み、対を成す内側施療子61a及び外側施療子61bにより、左ふくらはぎを独立して左右から挟むように揉みマッサージすることができ、対を成す内側施療子62a及び外側施療子62bにより、右ふくらはぎを独立して左右から挟むように揉みマッサージすることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、既に説明したように図11(a)に示す角度A1,A2がA1>A2という関係に設定されており、第1支持シャフト72が回転したときの左右方向の動作範囲は、内側施療子61a,62aの方が外側施療子61b,62bよりも大きくなっている。これにより、外側施療子61b,62bが左右の外方へ移動したときに、椅子本体2内の本体フレーム7と干渉するのを防止しつつ、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとの相対距離の変更可能範囲を大きく確保している。また、内側施療子61a,62aの動作範囲を決定する角度A1は、コンロッド70とギヤボックス78との干渉を防止すること、及び外側施療子61b,62bとの接近時の距離などを考慮して決定される。また、上記のように設定された角度A1,A2は一例であり、周辺の構成や他の事情に応じて異なる関係の角度に設定することも可能であって、A1=A2に設定することもできる。
【0048】
一方、図10に示すように、第2支持シャフト77は、複数の部品が組み合わされて左右対称に構成されており、左右方向へ長寸の主軸90を備えている。この主軸90は、左右方向に軸芯が向けられた円柱部90aを有し、該円柱部90aの左右の端部からはシャフト部90bが左右の外方へ延設されている。シャフト部90bは断面が略矩形状を成し、周方向に存在する4つの角部分が面取りされている。また、左右の各シャフト部90bには、内側偏芯軸部材91及び外側偏芯軸部材92とエンド部材93とが挿通されており、これら偏芯軸部材91,92及びエンド部材93は、互いの間にスペーサ94が介在することによりシャフト部90bの長手方向における所定箇所に位置している。
【0049】
より詳しくは、シャフト部90bにおいて、円柱部90aに最も近い部分には内側偏芯軸部材91が外嵌している。この内側偏芯部材91は、小径円柱状を成して内側施療子61a,62aに対応して設けられた軸受部材75の軸受孔75a(図8参照)が外嵌する偏芯軸部91aと、該偏芯軸部91aの左右方向の内方端から拡径方向へ張り出した大径円柱状のツバ部91bとを有し、偏芯軸部91a及びツバ部91bを左右方向へ貫通する貫通孔91cが形成されている。ここで、貫通孔91cの軸芯は、偏芯軸部91aの軸芯91dから所定寸法だけ偏芯している。従って、図11(b)に示すように、内側偏芯軸部材91の貫通孔91cにシャフト部90bが挿通されると、偏芯軸部91aの軸芯91dは、第2支持シャフト77の軸芯77aに対して所定寸法D1だけ偏芯して位置することとなる。
【0050】
また、内側偏芯軸部材91に対して左右方向の外方には、スペーサ94を挟んで外側偏芯軸部材92が配設されている。この外側偏芯軸部材92は、上述した内側偏芯軸部材91と同様の構成を有しており、小径円柱状を成して外側施療子61b,62bに対応して設けられた軸受部材76の軸受孔76a(図8参照)が外嵌する偏芯軸部92aと、該偏芯軸部92aの左右方向の外方端から拡径方向へ張り出した大径円柱状のツバ部92bとを有し、偏芯軸部92a及びツバ部92bを左右方向へ貫通する貫通孔92cが形成されている。この貫通孔92cについても、その軸芯は、偏芯軸部92aの軸芯92dから所定寸法だけ偏芯している。従って、図11(b)に示すように、外側偏芯軸部材92の貫通孔92cにシャフト部90bが挿通されると、偏芯軸部92aの軸芯92dは、第2支持シャフト77の軸芯77aに対して所定寸法D2だけ偏芯して位置することとなる。
【0051】
また、外側偏芯軸部材92に対して左右方向の外方には、スペーサ94を挟んで円環状のエンド部材93が配設されている。更に、このようにしてシャフト部90bに挿通された内側偏芯軸部材91及び外側偏芯軸部材92は、夫々のツバ部91b,92bに径方向へ貫通形成された孔91e,92eへ係止ピン95が圧入され、係止ピン95の先端がシャフト部90bの周面に当接することにより、シャフト部90bに対して固定される。
【0052】
ところで、本実施の形態においては、図11(b)に示すように、内側偏芯軸部材91の軸芯91dと外側偏芯軸部材92の軸芯92dとは、第2支持シャフト77の軸芯77aを中心とする位相が互いに異なっており、より具体的には、180度の位相差を有するように構成されている。従って、第2支持シャフト77が、第2モータ81(図7参照)の駆動により軸芯77a回りに回動すると、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとは、被施療者の身体の背面側への相対的な突出寸法が変更される。また、左右の内側偏芯軸部材91,91の軸芯91d,91dは、第2支持シャフト77の軸芯77aを中心とする位相が互いに異なっており、より具体的には、180度の位相差を有するように構成され、左右の外側偏芯軸部材92,92の軸芯92d,92dは、第2支持シャフト77の軸芯77aを中心とする位相が互いに異なっており、より具体的には、180度の位相差を有するように構成されている(図8も合わせて参照)。従って、第2支持シャフト77が、第2モータ81(図7参照)の駆動により軸芯77a回りに回動すると、左右の内側施療子61a,62aは、被施療者の身体の背面側への相対的な突出寸法が夫々変更され、左右の外側施療子61b,62bは、被施療者の身体の背面側への相対的な突出寸法が夫々変更される。
【0053】
また、第2モータ81を適宜停止させることにより、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとを、これらの進退動作可能範囲内の任意の位置で維持することが可能である。更に、マッサージ機構9を背凭れ部4に位置させて第2モータ81を連続的に駆動することにより、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bと繰り返し交互に進退動作させ、背凭れ部4に支持された左半身と右半身とを、独立して叩きマッサージすることができ、左右の内側施療子61a,62aを繰り返し交互に進退動作させ、背凭れ部4に支持された背中の左右中心である背筋を叩きマッサージすることができる。即ち、対を成す内側施療子61a及び外側施療子61bにより、左半身に対してマッサージ師が実際に両手でするような叩きマッサージをすることができ、対を成す内側施療子62a及び外側施療子62bにより、右半身に対して同様の叩きマッサージを左半身とは独立して行うことができる。更には、対の内側施療子61a,62aにより、背筋に対して叩きマッサージすることができ、対の外側施療子61b,62bにより、上半身の側面(例えば脇等)に対しても叩きマッサージすることができる。
【0054】
また、昇降モータ14を駆動してマッサージ機構9を座部3まで移動させて、第2モータ81を連続的に駆動させれば、臀部や大腿部における左部分と右部分とを、上半身と同様に、独立して叩きマッサージすることができると共に、臀部や大腿部における左右中央部分を叩きマッサージすることができる。また、昇降モータ14を駆動してマッサージ機構9をフットレスト5まで移動させて、第2モータ81を連続的に駆動させれば、対を成す内側施療子61a及び外側施療子61bにより、左脚と右脚とを、上半身と同様に、独立して叩きマッサージすることができる。
【0055】
加えて、本実施の形態に係るマッサージ機構9は、第1モータ80と第2モータ81とを互いに独立して動作可能であるため、例えば、第1モータ80の駆動により、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとの左右方向の離隔距離を被施療者の好みに設定しつつ、第2モータ81の駆動により叩きマッサージを行うことも可能である。また、第2モータ81の駆動により、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとの相対的な突出寸法を被施療者の好みに設定しつつ、第1モータ80の駆動により揉みマッサージを行うことも可能である。これにより、被施療者に対する揉みマッサージ及び叩きマッサージの対象範囲が拡大すると共に、被施療者自身が身体を動かさずとも、内側施療子61a,62aと外側施療子61b,62bとを移動させて、所望の部位をマッサージすることができる。更には、第1モータ80及び第2モータ81を同時に駆動したり、駆動中の回転速度及び回転方向を変化させることにより、多様なマッサージ効果を得ることができる。
【0056】
[マッサージ機構の他の構成1]
図14は、マッサージ機構9に適用可能な他の構成を示す平面図である。図14に示すマッサージ機構9では、左右の内側施療子61a,62aが、上側の施療子として既に説明した施療子60aに加えてもう1つ施療子60eを備えている。より詳しく説明すると、図6等を用いて既に説明したマッサージ機構9では、アーム68の上下先端における左右方向の内側面に施療子60aが枢支されているのみであったが、図14に示すマッサージ機構9では、反対側である外側面にも施療子60eが枢支されている。また、これらの施療子60a,60eは、外側施療子60cに比べて小寸法に構成され、特に、厚み寸法が小さくなるように構成されている。また、この施療子60eは、アーム68の外側面において下側の施療子60bの反対側に対応する位置にも設けられていてもよい。なお、図14に示すマッサージ機構9の構成は、施療子60eを追加した点を除いて前述したマッサージ機構9の構成と同様であるので、その他の構成については説明を省略する。
【0057】
従って、特に第1モータ80の駆動により上半身に対して揉みマッサージを行う場合には、左右の内側施療子61a,62aが夫々有する施療子60a,60aによって背骨を挟む部位を揉みマッサージし、左半身に対応する内側施療子61aの施療子60eと外側施療子61bの施療子60cとによって、左脇近傍部位を揉みマッサージすることができる。同様に、右半身に対応する内側施療子62aの施療子60eと、外側施療子62bの施療子60cとによって、右脇近傍部位を揉みマッサージすることができる。また、第1モータ80の駆動により脚部に対して揉みマッサージを行う場合には、左脚に対応する内側施療子61aの施療子60eと外側施療子61bの施療子60cとによって、左脚を挟み揉みマッサージすることができると共に、右脚に対応する内側施療子62aの施療子60eと外側施療子62bの施療子60cとによって、右脚を挟み揉みマッサージすることができる。そして、このように各施療部位に対して夫々対応する施療子が設けられているため、各施療部位の特性(筋肉量、体型、骨格、鋭敏性等)に応じて専用の施療子を採用することができる。
【0058】
[ロッキング動作に係る構成]
以下、マッサージ機1のロッキング動作について、図1〜図5、及び図15に基づいて具体的に説明する。図15は、脚フレーム6と本体フレーム7の位置関係を示す平面模式図であり、(a)は椅子本体2が前位置又は第1所定位置に位置している状態であり、(b)は椅子本体2が後位置又は第1所定位置に位置している状態を夫々示している。
【0059】
本発明のマッサージ機1は、被施療者が着座する座部3と、被施療者が凭れる背凭れ部4と、で構成される椅子本体2と、椅子本体2を前後に揺動可能に支持する脚フレーム6と、椅子本体2を前後に揺動させる揺動駆動部10と、椅子本体2を前後に往復揺動させる中で、前後の軌道端部の手前で揺動速度を減速させるよう制御する制御部50と、を有している。
このような構成とすることにより、椅子本体2の揺動方向の切り替えを滑らかに行うことができ、被施療者に快適な揺れを与えることができる。
【0060】
また、椅子本体2の前記軌道端部における位置を検出する第1センサ20と、椅子本体2の前記軌道端部手前における第1所定位置を検出する第2センサ21と、を有し、第2センサ21が前記第1所定位置を検出すると、制御部50は椅子本体2の揺動速度を減速させるよう制御する。
このような構成とすることにより、椅子本体2の軌道端部手前の第1所定位置を的確に検出して、椅子本体2の揺動を減速させる時間を確保することができる。
【0061】
また、揺動駆動部10は、モータ10aと、モータ10aの駆動により伸縮するロッド10bと、により構成され、第1センサ20は、ロッド10bの伸縮ストロークエンドを検出するよう構成され、第1センサ20がロッド10bの伸縮ストロークエンドを検出すると、制御部50は椅子本体2の揺動方向を反転させるべくモータ10aの回転方向を切り替えるよう制御する。
このような構成とすることにより、揺動駆動部10を簡単な構成とした場合であっても、椅子本体2の揺動方向の切り替えを滑らかに行うことができる。
【0062】
また、前記第2センサ21は、前後の第1所定位置の間に位置する第2所定位置を検出するよう構成されている。
このような構成とすることにより、椅子本体2の軌道端部の間における第2所定位置を検出することができ、椅子本体2を往復揺動させる範囲を変更することができる。例えば、往復揺動させる範囲を前後の軌道端部間、軌道前端部と第2所定位置の間、又は軌道後端部と第2所定位置の間と様々に設定することができる。
【0063】
図15に示すとおり、前述した揺動駆動部10は、モータ10aと、モータ10aの駆動により伸縮するロッド10bとにより構成されている。このモータ10aは、制御部50に電気的に接続されており、制御部50からの指示に従って予め設定されたプログラムにより動作する他、制御部50に接続されたリモートコントローラ55を被施療者が操作することにより制御部50へ入力された信号に基づいても動作することができる(図5参照)。そして、モータ10aの回転速度及び回転方向は、制御部50からの指示に従って適宜設定される。モータ10aの回転速度に椅子本体2の揺動速度が対応しており、モータ10aの回転方向に椅子本体2の揺動方向が対応している。そして、ロッド10bは、自身の伸縮ストロークエンドを検出する第1センサ20を有しており、最も伸長した状態(図3に示す前位置状態)と、最も収縮した状態(図4に示す後位置状態)を検出できるよう構成されている。この第1センサ20は制御部50に電気的に接続されている。
【0064】
また、図15に示すとおり、本発明のマッサージ機1には、脚フレーム6に対する椅子本体2の所定の前後位置を検出する第2センサ21が設けられている。この第2センサ21は非接触式センサであり、本体フレーム7の連結部材7eに設けられた磁性体等よりなる被検出体22と、脚フレーム6に設けられたホールIC等よりなる検出体23と、により構成されている。この検出体23は、前後方向に複数(本実施形態では3つ)設けられており、椅子本体2の軌道端部手前(軌道端部近傍)に位置する第1所定位置を検出する検出体23a,23aと、前後の第1所定位置の間に位置する第2所定位置を検出する検出体23bと、を有している。この第2センサ21は制御部50に電気的に接続されている。なお、図3、図4、及び図15から理解できるとおり、椅子本体2が前位置状態に近づく程、連結部材7eは後方に位置することとなり、椅子本体2が後位置状態に近づく程、連結部材7eは前方に位置することとなる。
【0065】
本実施形態では、第1所定位置は、椅子本体2が図3及び図4に示す前位置状態及び後位置状態となる手前の位置であり、第2所定位置は、前位置状態と後位置状態との略中間位置である。図15(a)に示すとおり、第1センサ20が前位置にある本体フレーム7(実線で図示)を検出することができ、第2センサ21が第1所定位置にある本体フレーム7(二点鎖線で図示)を検出することができる。また、図15(b)に示すとおり、第1センサ20が後位置にある本体フレーム7(実線で図示)を検出することができ、第2センサ21が第1所定位置にある本体フレーム7(二点鎖線で図示)を検出することができる。
【0066】
制御部50は、椅子本体2を脚フレーム6に対して前後に往復揺動させる中で、検出体23aが被検出体22の通過を検出すると、モータ10aの回転速度を減速させるよう制御する。そして、制御部50は、第1センサ20によって椅子本体2が軌道端部(前位置状態又は後位置状態)に到達したことを検出すると、モータ10aの回転方向を反転させるよう制御する。すなわち、制御部50は、椅子本体2を前位置状態から後方に揺動させる中で、第2検出センサ21によって椅子本体2が第1所定位置となったことを検出すると椅子本体2の後方への揺動速度を減速させ、続いて第1検出センサ20によって椅子本体2が後位置状態となったことを検出すると揺動方向を切り替えて椅子本体2を前方に揺動させる。続いて、制御部50は、椅子本体2を後位置状態から前方に揺動させる中で、第2検出センサ21によって椅子本体2が第1所定位置となったことを検出すると椅子本体2の前方への揺動速度を減速させ、続いて第1検出センサ20によって椅子本体2が前位置状態となったことを検出すると揺動方向を切り替えて椅子本体2を後方に揺動させる。なお、制御部50は、上記サイクルを繰り返し実行する。
【0067】
また、制御部50は、椅子本体2を脚フレーム6に対して前後に往復揺動させる中で、検出体23bが被検出体の通過を検出すると、モータ10aの回転方向を反転させるよう制御することもでき、椅子本体2を往復揺動させる範囲を、前後の軌道端部間、軌道前端部と第2所定位置の間、又は軌道後端部と第2所定位置の間と様々に設定することができる。椅子本体2を往復揺動させる範囲は、リモートコントローラ55を被施療者が操作することにより設定してもよいし、予め設定されたプログラムに従って時系列的に可変されるよう構成してもよい。往復揺動範囲がプログラムに従って時系列的に可変される構成とした場合、被施療者に対してバリエーションに富んだ揺れを与えることができ、よりリラックス感を与えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、被施療者の上半身に対しては左半身と右半身の夫々に対応したマッサージが可能であるとともに、脚部に対しては左脚と右脚の夫々に対応したマッサージが可能であって、上半身から下半身にかけて良好なマッサージを可能としたマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 マッサージ機
2 椅子本体
3 座部
4 背凭れ部
5 フットレスト
7a ガイドレール
8 身体支持部
9 マッサージ機構
60a〜60e 施療子
61 左側施療子
61a 内側施療子
61b 外側施療子
62 右側施療子
62a 内側施療子
62b 外側施療子
68,69 アーム
72 第1支持シャフト
77 第2支持シャフト
80 駆動手段(第1モータ)
81 駆動手段(第2モータ)
84 内側傾斜軸部材
85 外側傾斜軸部材
91 内側偏芯軸部材
92 外側偏芯軸部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が着座する座部と、被施療者が凭れる背凭れ部と、被施療者の脚部を支持するフットレストと、で構成される椅子本体と、該椅子本体に設けられ被施療部位をマッサージするマッサージ機構と、を有するマッサージ機において、
前記マッサージ機構は、
左右に対をなす内側施療子と、該内側施療子と対をなして該内側施療子よりも左右方向の外側に離隔して設けられると共に左右に対をなす外側施療子と、これらの施療子を駆動する駆動手段と、を有し、
前記駆動手段によって、前記内側施療子と前記外側施療子との間の左右方向の離隔距離を変更可能に構成されており、
左右の前記内側施療子及び前記外側施療子を夫々支持すると共に、前記駆動手段により軸芯回りに回転する第1支持シャフトを更に有し、
該第1支持シャフトは、アームを介して前記内側施療子を支持する内側傾斜軸と、アームを介して前記外側施療子を支持する外側傾斜軸とを有し、前記内側傾斜軸及び前記外側傾斜軸は、前記軸芯に対して互いに異なる角度を有し、且つ対をなす前記内側傾斜軸は、前記軸芯に対して互いに異なる角度を有しており、
前記背凭れ部から前記座部を経由して前記フットレストまでの間を移動自在に構成されている
ことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記座部、前記背凭れ部、及び前記フットレストの夫々に被施療者の身長方向に沿って延設され、前記マッサージ機構の移動をガイドするガイドレールを有していることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記内側施療子と前記外側施療子とを夫々支持すると共に、前記駆動手段により軸芯回りに回転する第2支持シャフトを更に備え、
該第2支持シャフトは、アームを介して前記内側施療子を支持する内側偏芯軸と、アームを介して前記外側施療子を支持する外側偏芯軸とを有し、
前記内側偏芯軸及び前記外側偏芯軸は、前記軸芯に対して偏芯して設けられ、且つ前記軸芯回りの位相が互いに異なるように構成されており、
対をなす前記内側偏芯軸は、前記軸芯回りの位相が互いに異なるように構成されており、
対をなす前記内側施療子及び前記外側施療子は、被施療者側へ交互に突出し、且つ対をなす前記内側施療子は被施療者側へ交互に突出するよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記椅子本体は、被施療者の背面を支持すると共に全体又は部分的に可撓性を有する身体支持部を有し、
前記身体支持部は、膝近傍に対応する箇所の撓み度合いが他の箇所よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記椅子本体は、被施療者の背面を支持すると共に全体又は部分的に可撓性を有する身体支持部を有し、
前記座部は前上がり傾斜状に構成され、かつ前記フットレストは前下がり傾斜状に構成され、
前記身体支持部は、前記座部と前記フットレストの境界部近傍に対応する箇所の撓み度合いが他の箇所よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記椅子本体は、被施療者の背面を支持すると共に全体又は部分的に可撓性を有する身体支持部を有し、
前記身体支持部は、前記マッサージ機構を前方から覆うカバー本体と、当該カバー本体とは別体として当該カバー本体の前方において部分的に設けられたベルト部材と、を有し、
前記ベルト部材の撓み度合いは、前記カバー本体の撓み度合いよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記内側施療子は、該内側施療子を支持する前記アームを挟むように該アームの左右両側方に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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