説明

マッサージ機

【課題】身長の低い使用者が使用する場合でも、該使用者の脚部をオットマンで適切に保持することができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機は、座部に形成された収納空間内に収納可能なオットマン13と、オットマン13のうちフット51を、収納空間内に設定された第1位置と座部の前側に設定された第2位置との間で回転軸線S1を中心に回動させるための回動機構52と、オットマン13のうちレッグ50を、フット51の回動に連動して移動させるための移動機構53とを備える。移動機構53は、フット51が第1位置に位置する場合には収納空間内の第3位置にレッグ50を配置し、フット51が第2位置に位置する場合には座部の前方の第4位置にレッグ50を配置するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部に着座する使用者に対して施術を行う椅子型のマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のマッサージ機として、例えば特許文献1に記載のマッサージ機が提案されている。このマッサージ機は、使用者が着座する座部と、該座部に着座した使用者の脚部を保持するためのオットマンとを備えている。このオットマンには、使用者の脚部のうち下腿を保持するための下腿保持部と、脚部のうち足先を保持するための足先保持部とが設けられている。そして、下腿保持部及び足先保持部は、個別に回動可能となっている。
【0003】
また、座部には、オットマンを収納するための収納空間が形成されており、該収納空間は、座部の前壁に設けられた開口を介して外部と連通している。そして、オットマンの非使用時には、オットマンが収納空間内に収納される一方で、オットマンの使用時には、収納空間内から座部の前方の使用位置に向けてオットマンがスライド移動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−99450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、オットマンが収納空間内に収納される場合、下腿保持部において使用者の下腿を保持する保持面は、マッサージ機が設置される設置面に対向している。そして、オットマンが使用位置に向けてスライド移動する場合、下腿保持部は、オットマンのスライド移動に連動して保持面が座部の前方に向くように回動し、座部の前側に出現される。
【0006】
このような構成では、下腿保持部を適切な位置まで回動させるためには、下腿保持部を回動させるためのスペースを十分に設ける必要がある。つまり、オットマンの使用位置は、座部から離間した位置に設定される。そのため、オットマンを構成する足先保持部が座部から離間した位置に配置されることになり、身長の低い使用者では、該使用者の足先が足先保持部まで届かなく、足先保持部を利用しにくいという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、身長の低い使用者が使用する場合でも、該使用者の脚部をオットマンで適切に保持することができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のマッサージ機は、使用者が着座するための座部内には前側に開口する収納空間が形成され、該収納空間内に、使用者の脚部を保持するためのオットマンの少なくとも一部が収納されるマッサージ機において、前記オットマンにおいて使用者の足先を保持するための足先保持部を、前記収納空間の開口を閉塞可能な第1位置と前記座部の前側に設定された第2位置との間で、前記座部の幅方向に沿って延びる回転軸線を中心に回動させるための回動機構と、前記オットマンにおいて前記座部に着座した使用者の下腿を保持するための下腿保持部を、前記足先保持部の回動に連動して移動させるための移動機構と、を備え、前記移動機構は、前記足先保持部が前記第1位置に位置する場合には前記収納空間内に設定された第3位置に前記下腿保持部が位置し、前記足先保持部が前記第2位置に位置する場合には前記座部の前方に設定された第4位置に前記下腿保持部が位置するように構成されたことを要旨とする。
【0009】
本発明のマッサージ機において、前記第3位置は、前記収納空間内において前記第1位置よりも後側に設定されており、前記下腿保持部において使用者の下腿を保持するための下腿保持面は、前記下腿保持部が前記第3位置に配置される場合には、前記第1位置に配置される前記足先保持部に対向していることが好ましい。
【0010】
本発明のマッサージ機において、前記下腿保持部において使用者の下腿を保持するための下腿保持面は、前記下腿保持部が前記第3位置に配置される場合には、前記座部において使用者が着座する着座面又は前記マッサージ機が設置される設置面に対向していることが好ましい。
【0011】
本発明のマッサージ機において、前記座部は、使用者が着座する着座面を有し、前記足先保持部において使用者の足先を保持するための足先保持面は、前記足先保持部が前記第1位置に配置される場合には、前記第3位置に配置される下腿保持部に対向しており、前記回動機構は、前記足先保持部において前記第1位置に位置する場合に前記着座面から離間した側の基端部位を、前記回転軸線を中心に回動可能な状態で支持する回動支持部を有し、前記移動機構は、前記座部を構成する座部側フレームと前記下腿保持部とを連結する連結部材を有し、前記連結部材は、前記座部側フレームとの第1連結部位と、前記下腿保持部との第2連結部位との距離が規定の距離未満である場合には前記各連結部位の距離の変動を伴う前記下腿保持部の移動を許容する一方、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には前記各連結部位の距離が長くなるような前記下腿保持部の移動を規制するように構成されており、前記下腿保持部は、前記各連結部位の距離が前記規定の距離未満である場合には、前記足先保持部の回動に追随し、前記第3位置と、該第3位置と前記第4位置との間の第5位置との間で移動し、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には、前記第3位置と前記第5位置との間での移動とは異なる態様で、前記第5位置と第4位置との間で移動することが好ましい。
【0012】
本発明のマッサージ機において、前記連結部材は、前記各連結部位の距離が前記規定の距離未満である場合には弛む一方、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には張設される部材で構成されていることが好ましい。
【0013】
本発明のマッサージ機において、前記下腿保持部において前記着座面に近い部位に、前記連結部材との前記第2連結部位が位置していることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記下腿保持部において前記第3位置に位置する場合に前記着座面に最も近い部位は、前記下腿保持部が前記第5位置に位置する場合には、前記座部よりも前側に位置していることが好ましい。
【0014】
本発明のマッサージ機において、前記移動機構は、前記下腿保持部に対し、前記足先保持部に接近する方向への付勢力を付勢する付勢部材をさらに有しており、前記移動機構は、前記各連結部位の距離が前記規定の距離未満である場合には、前記付勢部材からの付勢力によって、前記足先保持部の回動に追随するように前記下腿保持部を前記第3位置と前記第5位置との間で回動させ、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には、前記足先保持部が前記第2位置に接近するほど該足先保持部から前記下腿保持部が相対的に離間するように前記下腿保持部を前記第5位置と前記第4位置との間で移動させることが好ましい。
【0015】
本発明のマッサージ機において、前記座部の幅方向における中央部に配置されていることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記第4位置は、前記第3位置から前記第5位置への前記下腿保持部の移動経路の延長線上には設定されていないことが好ましい。
【0016】
本発明のマッサージ機は、前記下腿保持部を、前記足先保持部に対して相対回転可能な状態で該足先保持部に連結する連結部をさらに備え、前記第4位置は、前記第3位置よりも前記着座面に近い位置に設定されており、前記下腿保持部は、前記第5位置と前記第4位置との間では、前記足先保持部に対して相対的に回動することが好ましい。
【0017】
本発明のマッサージ機において、前記座部を構成する座部側フレームには、前記第1位置に位置する前記足先保持部の先端よりも後側に配置され、且つ前記座部の幅方向に沿って延びる軸部材が設けられており、前記軸部材には、前記オットマンを支持する支持部材が、前記軸部材に対して回動可能に連結されていることが好ましい。
【0018】
本発明のマッサージ機は、前記支持部材を、前記軸部材との連結部位を中心に回動させるべく駆動する駆動装置をさらに備え、前記下腿保持部には、使用者の下腿において膝に近い側の部位を保持する部位の反対側に凹部が形成されており、前記第3位置に位置する前記下腿保持部の凹部内には、前記駆動装置の一部が位置していることが好ましい。
【0019】
本発明のマッサージ機において、前記移動機構は、前記座部を構成する座部側フレームと前記下腿保持部とを連結する連結部材とを有し、前記連結部材は、前記座部側フレームとの第1連結部位と、前記下腿保持部との第2連結部位との距離が規定の距離未満である場合には前記各連結部位間の距離の変動を許容する一方、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には前記各連結部位の距離が長くなるような前記下腿保持部の移動を規制するように構成されており、前記連結部材は、前記支持部材に連結されていることが好ましい。
【0020】
本発明のマッサージ機において、前記第3位置は、前記収納空間内において前記第1位置よりも後側に設定されており、前記第1位置は、該第1位置に位置する前記足先保持部の前端が、前記座部の前端と同一位置又は前記座部の前端よりも後側に位置するように設定されていることが好ましい。
【0021】
本発明のマッサージ機は、前記足先保持部に対して前記第1位置に近づく方向に付勢する第1付勢部材と、前記下腿保持部に対して前記足先保持部に近づく方向に付勢する第2付勢部材と、をさらに備えることが好ましい。
【0022】
本発明のマッサージ機において、前記第2付勢部材は、その一端が前記足先保持部に連結されると共に、その他端が前記下腿保持部に連結されるように配置され、前記足先保持部に対して前記第1位置に近づく方向に付勢すると共に、前記下腿保持部に対して前記足先保持部に近づく方向に付勢するように配置されていることが好ましい。
【0023】
本発明のマッサージ機において、前記第2付勢部材は、前記第1位置と、該第1位置と前記第2位置との間の中途位置との間に前記足先保持部が位置する場合には、前記第1位置から前記足先保持部が離間するほど該足先保持部に対する付勢力が大きくなり、前記中途位置と前記第2位置との間に前記足先保持部が位置する場合には、前記第2位置に前記足先保持部が接近するほど該足先保持部に対する付勢力が小さくなるように設けられていることが好ましい。
【0024】
本発明のマッサージ機において、前記足先保持部には、前記第1位置側から前記第2位置に向けて回動させる際に操作される操作部が設けられていることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記足先保持部において使用者の足先を保持するための足先保持面は、前記足先保持部が前記第1位置に位置する場合には、該足先保持部において該足先保持面の反対側に位置する非足先保持面よりも後側に位置しており、前記操作部は、前記足先保持部の先端部位における前記足先保持面側に設けられ、先端に近づくほど前記足先保持部の厚みが薄くなるように形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、身長の低い使用者が使用する場合でも、該使用者の脚部をオットマンで適切に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)(b)は本発明のマッサージ機の一実施形態を示す斜視図。
【図2】座部を構成する座部側フレームを示す斜視図。
【図3】(a)は収納空間での各駆動装置の配置態様を模式的に示す平面図、(b)は第1駆動装置の配置態様を模式的に示す側面図。
【図4】オットマンが回動した状態を示す斜視図。
【図5】オットマンの構成を模式的に説明する側面図。
【図6】(a)(b)(c)(d)はオットマンが収納された状態から施術可能な状態になる過程を説明する側面図。
【図7】(a)(b)(c)はオットマンが収納された状態から施術可能な状態になる過程を説明する側面図。
【図8】(a)(b)は別の実施形態のマッサージ機を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を、椅子型のマッサージ機(以下、単に「マッサージ機」という。)に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」とはマッサージ機に着座した使用者を基準とした方向に該当する方向である。また、「幅方向」とは使用者の左右方向に該当する方向であり、「上下方向」とはマッサージ機が設置される設置面と直交する方向に該当する方向であるものとする。
【0028】
図1(a)(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機11は、使用者の体幹を保持するためのチェア12と、使用者の脚部を保持するためのオットマン13とを備えている。また、マッサージ機11には、チェア12やオットマン13内に埋設された施療子、エアバッグ及びヒーターなどの施術機構(図示略)と、該施術機構を制御する制御装置(図示略)と、使用者が操作するコントローラー(図示略)となどが設けられている。
【0029】
チェア12には、上面が使用者の臀部を支持する着座面14として機能する座部15が設けられている。この座部15の後側には、座部15に着座する使用者の背中を保持するための背もたれ部16が座部15に対して回動可能な状態で設けられると共に、座部15の幅方向における両側には、使用者の腕を保持するための肘掛17が設けられている。
【0030】
こうした座部15の着座面14の下側には、オットマン13を収納するための収納空間18が設けられている。この収納空間18は、座部15の前側に形成された開口部(開口)18aを介して外部に連通している。なお、図1(a)はオットマン13の少なくとも一部が収納空間18内に収納された収納状態を示すと共に、図1(b)はオットマン13を施療で使用可能な施療状態を示している。収納状態におけるオットマン13の前端は、開口部18aよりも前側であって、且つ座部15の前端と前後方向において同一位置又は該位置よりも後側に位置している。
【0031】
図2に示すように、座部15を構成する座部側フレーム20は、上下方向に延びる複数本(本実施形態では4本)の支持脚フレーム21a,21b,21c,21dを備えている。支持脚フレーム21a,21bは、座部15の前側であって且つ幅方向における両端に配置されると共に、支持脚フレーム21c,21dは、座部15の後側であって且つ幅方向における両端に配置されている。
【0032】
また、座部側フレーム20には、幅方向における一方側(座部15に着座する使用者の左側)に位置する支持脚フレーム21a,21cを連結する複数本(本実施形態では2本)の連結フレーム22a,22bが前後方向に延びるように設けられている。同様に、座部側フレーム20には、幅方向における他方側(座部15に着座する使用者の右側)に位置する支持脚フレーム21b,21dを連結する複数本(本実施形態では2本)の連結フレーム22c,22dが前後方向に延びるように設けられている。これら各連結フレーム22a〜22dのうち、下側に位置する連結フレーム22a,22cは、支持脚フレーム21a〜21dの下端部位に連結される一方、上側に位置する連結フレーム22b,22dは、支持脚フレーム21a〜21dの上端部位に連結されている。そして、上側に位置する連結フレーム22b,22dの前端では、幅方向に延びる軸部材23を支持している。
【0033】
この軸部材23の幅方向における両側には、軸部材23に対して回動可能に接続される支持部材としての接続フレーム24が設けられている。これら各接続フレーム24は、支持脚フレーム21a,21bよりも幅方向における内側に配置されている。こうした各接続フレーム24の基端(図2では上端)は軸部材23に回動可能な状態で連結される一方、各接続フレーム24の先端(図2では下端)にはオットマン13が連結されている。また、各接続フレーム24の基端部位において軸部材23よりも前側には、幅方向に延びる回動フレーム25が接続されている。そして、各接続フレーム24を回動させることにより、オットマン13が回動する。
【0034】
また、上側に位置する連結フレーム22b,22dの後端には、背もたれ部16を構成する背もたれ側フレーム26が設けられている。この背もたれ側フレーム26は、座部側フレーム20に対して相対的に回動可能な状態で連結されている。
【0035】
図3(a)(b)に示すように、収納空間18内において着座面14に近い位置における前側、即ち収納空間18内における上方域には、オットマン13が連結される各接続フレーム24を回動させるための第1駆動装置(駆動装置)30と、背もたれ側フレーム26を回動させるための第2駆動装置40とが設けられている。第2駆動装置40は、モータなどの駆動源41と、該駆動源41で発生した駆動力を背もたれ側フレーム26に伝達するための伝達機構42とを備えている。
【0036】
第1駆動装置30は、モータなどの駆動源31と、該駆動源31で発生した駆動力を回動フレーム25に伝達するための伝達機構32とを備えている。そして、伝達機構32を介した駆動源31からの駆動力が回動フレーム25に伝達されると、各接続フレーム24は、軸部材23との連結部位を中心に回動する。その結果、図1及び図4に示すように、各接続フレーム24に支持されるオットマン13が回動する。本実施形態では、駆動源31からの駆動力によって、予め設定された許容範囲内でオットマン13が回動する。なお、「許容範囲」とは、マッサージ機11が設置される設置面にほぼ垂直な状態で収納空間18内にオットマン13の少なくとも一部が収納される位置(図1参照)から、座部15の前側であってオットマン13が設置面にほぼ平行な状態で配置される位置(図4参照)までの範囲内を示している。
【0037】
次に、オットマン13について、図1〜図5を参照して説明する。
図1(a)(b)に示すように、オットマン13は、使用者の脚部のうち下腿を保持するための下腿保持部としてのレッグ50と、足先を保持するための足先保持部としてのフット51とを別体に設けたものである。本実施形態において、「下腿」とは使用者の脚部のうち膝から足首までの部分を示し、「足先」とは脚部のうち足首から先の部分を示している。
【0038】
図2及び図5に示すように、フット51において着座面14から離間した側の基端部位(図5では下端)と、座部側フレーム20を構成する各接続フレーム24の先端部位(図5では下端)との間には、フット51を座部15に対して相対的に回動させるための回動機構52が設けられている。この回動機構52は、フット51に設けられる図示しないピン部材と、上記接続フレーム24に設けられ且つ該ピン部材を回転自在に支持する支持部(例えば、軸受)とを備えている。そして、フット51は、回動機構52によって、収納空間18において開口部18aを閉塞可能な第1位置(図1(a)に示す位置)と、座部15の前側に位置し且つ使用者が使用可能となる第2位置との間で、幅方向に延びる回転軸線S1を中心として回動可能とされている。
【0039】
「第1位置」とは、フット51を足先の置き場として使用させないための非使用時の位置である。こうした第1位置にフット51が配置される場合、該フット51の前端は、座部15の前端と同一位置又は同一位置よりも後側に位置している。また、収納空間18の開口部18aは、第1位置に配置されるフット51によって閉塞される。一方、「第2位置」とは、フット51を足先の置き場として使用させるための使用時の位置であって、第1位置とは「略90°」だけ異なる位置を示している。したがって、本実施形態では、接続フレーム24が、フット51の基端部位を回動可能な状態で支持する回動支持部としても機能する。
【0040】
また、回動機構52には、フット51に対して収納空間18に収納させる方向、即ち図5におけるA矢印方向に付勢する第2付勢部材としてのねじりばね521が設けられている。このねじりばね521からフット51に付与される付勢力は、該フット51が第1位置から離間するほど、即ち第2位置に接近するほど次第に大きくなる。
【0041】
フット51には、使用者の足先を保持するための足先保持面511と、該足先保持面511の反対側に位置する非足先保持面512とが形成されている。そして、フット51が第2位置に配置される場合、足先保持面511は、使用者の足先の足裏を保持可能となる。また、フット51が第1位置に配置される場合、非足先保持面512は、座部15に着座する使用者の下腿に対向する。こうしたフット51の先端部位において足先保持面511側には、第1位置に位置するフット51を第2位置に回動させる際に使用者に操作される操作部513が設けられている。この操作部513は、先端に近づくに連れてフット51の肉厚が次第に薄くなるように形成されている。
【0042】
さらに、フット51の基端部位の幅方向における両側は、レッグ50の基端部位(図5では下端部位)に向けて突出する連結部としての突出部514がそれぞれ設けられている。これら各突出部514の先端には、レッグ50が回動可能に連結されている。
【0043】
図1(b)及び図2に示すように、レッグ50は、使用者の下腿を保持する下腿保持面501を備えている。そして、下腿保持面501側には、幅方向に沿って等間隔に配置される3つの側壁502が設けられている。これら各側壁502は、レッグ50に保持される下腿の延びる方向に対応する方向の長さH1が、該下腿の厚み方向に対応する方向における長さH2よりも長くなるように構成されている。
【0044】
各側壁502のうち幅方向における両端に位置する側壁502内には、フット51の突出部514の先端が収容される収容部515がそれぞれ形成されている。これら各収容部515は、側壁502の下側に開口している。そして、フット51に設けられた各突出部514の先端は、対応する側壁502内に配置されている。
【0045】
図3(a)に示すように、各側壁502の非使用側(図3における後側)の上端には、収納空間18内に設置された各駆動装置30,40の設置スペースを確保するために凹部503が形成されている。そして、レッグ50が収納空間18内の第3位置に配置される場合、凹部503内には駆動装置30,40の一部が位置している。
【0046】
レッグ50が第3位置に配置される場合、図2及び図5に示すように、下腿保持面501は、第1位置に配置されるフット51に対向している。そして、第3位置に位置するレッグ50は、移動機構53によって、フット51の第1位置から第2位置への回動に連動し、座部15の前側であって第3位置よりも上方に設定された第4位置(図1(b)参照)に向けて移動される。
【0047】
移動機構53は、レッグ50をフット51の足先保持面511に近づける方向、即ち図5におけるB矢印方向に付勢する第1付勢部材としてのコイルばね531を備えている。このコイルばね531は、収縮する方向に変形することにより付勢力を付与するばねであって、レッグ50の収容部515内に配置されている。こうしたコイルばね531の一端は、突出部514の長手方向における中央よりも先端側に接続されている。また、コイルばね531の他端は、第3位置に配置されるレッグ50において上下方向における略中央であって、且つ前後方向における中央よりも前側に接続されている。そのため、本実施形態のコイルばね531は、フット51を第1位置に接近させる方向に付勢している。
【0048】
ここで、コイルばね531の一端が突出部514に固定される位置を「第1個定位置P1」とし、コイルばね531の他端がレッグ50に固定される位置を「第2個定位置P2」とすると、各固定位置P1,P2の位置関係は、以下に示すようになる。すなわち、各固定位置P1,P2間の直線距離は、第1位置と、第1位置と第2位置との間の中途位置との間でフット51が回動する場合、該フット51が第1位置から離間するに連れて長くなる。一方、各固定位置P1,P2間の直線距離は、上記中途位置と第2位置との間でフット51が移動する場合、該フット51が第2位置に接近するに連れて短くなる。そのため、コイルばね531の長さは、フット51が上記中途位置に位置する場合に最大となる。そして、コイルばね531の長さは、フット51が上記中途位置から第1位置に近づくに連れて次第に短くなる。同様に、コイルばね531の長さは、フット51が上記中途位置から第2位置に近づくに連れて次第に短くなる。つまり、コイルばね531がレッグ50及びフット51に付与する付勢力は、フット51が上記中途位置に位置する場合に最大となる。
【0049】
また、移動機構53には、上記各接続フレーム24の基端(図5では上端)と、フット51の先端部位(図5では上端部位)とを連結する連結機構54が設けられている。この連結機構54は、接続フレーム24に固着された補強部材541と、該補強部材541の第1連結部位543に一端が固定された連結部材としてのベルト部材542とを備えている。このベルト部材542の他端は、レッグ50を構成する側壁502の先端に設けられた第2連結部位544に固定されている。この第2連結部位544は、レッグ50が第3位置に配置される場合には、第1連結部位543よりも後側に位置している。
【0050】
ベルト部材542は、レッグ50が第3位置に配置される場合には弛んでいる。そのため、フット51が第1位置から第2位置に向けて回動する場合、レッグ50は、コイルばね531による付勢力によって、フット51との位置関係をほぼ保った状態で、該フット51に追随するように回動する。そして、フット51の先端が座部15の前端よりも前側に位置する第5位置(図6(d)参照)までフット51が回動すると、ベルト部材542は張った状態になる。このようにベルト部材542が張ると、該ベルト部材542によって、各連結部位543,544間の直線距離がさらに長くなるようなフット51の移動が規制される。
【0051】
その結果、フット51が第2位置にさらに近づくと、レッグ50は、フット51から離間するように移動して第4位置に近づく。この第4位置は、第3位置から第5位置へのレッグ50の移動経路の延長線上には設定されてない。すなわち、本実施形態では、レッグ50の移動態様は、各連結部位543,544間の直線距離がベルト部材542の長さに対応する規定の距離未満である場合と、各連結部位543,544間の直線距離が規定の距離になった場合とでは異なる。
【0052】
次に、収納状態のオットマン13を施療状態にする際の作用について、図6及び図7を参照して説明する。なお、図6及び図7では、コイルばね531及びねじりばね521の図示を省略している。
【0053】
さて、図6(a)に示すように、使用者がフット51の先端に形成された操作部513を操作すると、フット51は、使用者からの力が操作部513を介してフット51に伝達されることにより、フット51は第1位置から第2位置に向けて回動し始める。すると、フット51の突出部514に連結されるレッグ50は、フット51の回動に追随するように第3位置から第5位置に向けて移動し始める。この際、レッグ50には、コイルばね531によって、フット51の足先保持面511に接近する方向への付勢力が付与されている(図5参照)。そのため、図6(b)(c)に示すように、レッグ50は、フット51との位置関係を保つように移動する。つまり、レッグ50は、その上端部位が下端部位よりも先行して前方に向けて移動する。なお、図6(a)の状態から図6(d)の状態になるまでの間は、レッグ50と接続フレーム24とに連結されるベルト部材542が弛んだ状態であるため、レッグ50は、各連結部位543,544間の直線距離が次第に長くなるような態様で移動する。
【0054】
そして、図6(d)に示すように、レッグ50が第5位置に到達すると、レッグ50と接続フレーム24とに連結されるベルト部材542は、弛んだ状態から張った状態になる。すると、各連結部位543,544間の直線距離がこれ以上長くなるようなレッグ50の移動が、ベルト部材542によって規制される。その結果、図7(a)(b)(c)に示すように、レッグ50は、フット51が第2位置に近づくに連れてフット51から離間するように移動する。
【0055】
具体的には、レッグ50は、第5位置から第4位置に向けて、その上端部位が上下方向において着座面14に接近すると共に、その下端部位が座部15の前側に変位するように移動する。この際、レッグ50の先端がフット51から離間するように、レッグ50はフット51に対して相対的に回動する。ちなみに、第5位置は第4位置の下方に設定されている。そのため、座部15の前方に突出したレッグ50は、座部15の着座面14、即ち上方に接近するように移動する。そして、フット51が第2位置に到達すると、レッグ50は第4位置に到達する。すなわち、オットマン13が施療状態になる。
【0056】
なお、上述したように、収納空間18の上方域には、オットマン13の位置を調整したり、背もたれ側フレーム26を回動させたりするための駆動装置30,40、及び座部側フレーム20を補強するための各種補強部材などが配置されている。しかし、本実施形態では、レッグ50が第3位置から第4位置に移動する過程において、レッグ50の先端が座部15の前方に突出する第5位置までは、レッグ50が上記上方域を避けるように移動する。そのため、レッグ50と上方域に配置される各種部材との接触が回避される。
【0057】
また、フット51には、ねじりばね521からの付勢力と、コイルばね531からの付勢力が付与される。ねじりばね521からの付勢力は、フット51が第1位置から第2位置に近づくに連れて次第に大きくなる。また、コイルばね531からの付勢力は、フット51が第1位置から第2位置に向かうに連れて次第に大きくなる。しかし、コイルばね531からの付勢力は、該コイルばね531の長さが最大となる上記中途位置を通過すると、フット51が第2位置に近づくに連れて次第に小さくなる。フット51が上記中途位置から第2位置に向かうまでの間におけるコイルばね531からの付勢力の減少量は、フット51が上記中途位置から第2位置に向かうまでの間におけるねじりばね521からの付勢力の増加量よりも多い。そのため、各ばね521,531からの付勢力の合計は、フット51が上記中途位置に位置する場合に最大となる。つまり、各ばね521,531からの付勢力の合計は、フット51が上記中途位置から第2位置に向かうに連れて次第に小さくなる。
【0058】
そのため、フット51が第2位置に位置する状態で、使用者の足先がフット51から離れたとしても、フット51に加わる自重などによって、該フット51が第1位置に直ちに戻ってしまうことが抑制される。その一方で、使用者によるマッサージ機11の使用が終わると、使用者はオットマン13を収納しようとする。このとき、使用者が少しの力をフット51に付与することにより、フット51及びレッグ50は、各ばね521,531の付勢力を利用し、第1位置及び第3位置に戻る。その結果、オットマン13が収納状態になる。なお、この際のフット51とレッグ50の移動態様は、オットマン13を収納状態から施療状態にする際の移動態様の逆であるため、その説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)座部15に形成された収納空間18内に収納されるオットマン13を使用する際には、オットマン13を構成するフット51を、第1位置から第2位置に向けて回動させる。そして、フット51が第2位置に配置された時点で、当該フット51の足先保持面511に、座部15に着座する使用者の足先を保持させることができる。つまり、従来のように、収納空間18内からフット51を座部15の前方にスライド移動させる必要がない分、フット51を、前後方向において座部15の近い位置に配置することができる。したがって、身長の低い使用者が使用する場合でも、該使用者の脚部をオットマン13で適切に保持することができる。
【0060】
(2)また、収納空間18内からフット51を座部15の前方にスライド移動させる従来の場合と比較して、フット51を前後方向において座部15に近い位置に配置できる分、マッサージ機11をコンパクトな状態で使用できる。そのため、限られたスペース内にマッサージ機11を設置した場合であっても、オットマン13を施術可能な状態にすることができる。
【0061】
(3)また、従来の技術では、オットマンを座部15の前方にスライド移動させると、レッグ50が施術可能な位置に配置される。しかし、この状態ではフット51を施術時に使用できない。そのため、スライド移動されたフット51を、足先保持面511が上方に向くように回動させる必要がある。つまり、従来の技術では、レッグ50を使用可能にする工程と、フット51を使用可能にする工程とを別々に行う必要がある。この点、本実施形態では、第1位置に位置するフット51を第2位置まで回動させると、該フット51の回動に連動してレッグ50が第3位置から第4位置に移動する。つまり、一つの工程を得るだけで、フット51及びレッグ50が共に使用可能な状態になる。したがって、フット51及びレッグ50を使用可能な状態にする際の手間を簡略化することができる。
【0062】
(4)レッグ50を構成する各側壁502の長さH1は、側壁502の長さH2よりも長い(図2参照)。こうしたレッグ50は、収納空間18内では、下腿保持面501が第1位置に位置するフット51に対向するように配置されている。そのため、下腿保持面501が設置面又は着座面14に対向するようにレッグ50が収納される場合と比較して、収納空間18の前後方向における長さを短くすることができる。したがって、収納空間18を有する座部15の前後方向における長さの短縮化に貢献することができる。
【0063】
(5)もし仮にレッグ50が第3位置から第4位置に直線的に移動する構成であった場合、第3位置の上側に配置される各種部材を、レッグ50の移動経路よりも上方に設置する必要がある。この場合、収納空間18の上下方向における長さを長くするために、座部15を大型化する必要が生じる。この点、本実施形態では、レッグ50は、第3位置から第5位置までは、フット51との位置関係が保たれるように移動する。そして、第5位置に到達したレッグ50は、第5位置よりも上方に位置する第4位置に向けて移動する。つまり、レッグ50は、収納空間18内の上方域に収納される各種部材との接触を避けるように移動する。したがって、第3位置と第4位置とを直線で結んだ間に各種部材を配置できる分、着座面14の位置を低くすることができる。また、身長の低い使用者にとっては、座部15に着座しやすくなる。
【0064】
(6)本実施形態では、連結部材は、ベルト部材542によって構成されている。そのため、連結部材を、伸縮自在な部材で構成する場合と比較して、使用者が手を挟むという事態を抑制できる。すなわち、レッグ50の移動時における安全性を向上させることができる。
【0065】
(7)また、施療時には、レッグ50が上下方向において着座面14に近い位置に配置される。そのため、座部15に着座する使用者の下腿において膝に近い位置を、レッグ50で適切に保持することができる。したがって、レッグ50内に施術機構が設けられる場合には、座部15に着座する使用者の下腿において膝に近い位置に対して、適切に施術を行うことができる。
【0066】
(8)オットマン13は、座部側フレーム20の構成要素の一つである軸部材23に対して回動可能に接続される各接続フレーム24に連結されている。そのため、各接続フレーム24の回動によって、オットマン13の位置が調整される。しかも、この際、オットマン13を構成するレッグ50とフット51との位置関係が変更されない。したがって、オットマン13の位置に関係なく、身長の異なる様々な使用者に対して、オットマン13を適切に使用させることができる。
【0067】
(9)レッグ50の各側壁502には凹部503が形成されている。そして、レッグ50が第3位置に配置される場合、オットマン13の位置を調整するための第1駆動装置30の一部が、レッグ50の凹部503内に位置している。そのため、第1駆動装置30を、上下方向において第3位置に配置されるレッグ50に接近した位置に配置できる分、座部15の上下方向における大型化を抑制することができる。また、着座面14を低い位置に設けることができる分、身長の低い使用者にとっては、座部15に着座しやすくなる。
【0068】
(10)レッグ50は、コイルばね531によって、フット51に接近する方向に付勢されている。そのため、フット51が第1位置から第2位置に移動する際に、複雑な構成を設けることもなく、フット51に追随するように、第3位置に位置するレッグ50を第5位置まで移動させることができる。
【0069】
(11)また、フット51が第1位置に配置される場合、該フット51の前端は、座部15の前端と同一位置又は同一位置よりも後側に位置している。そのため、オットマン13を利用することなく座部15に使用者が着座する際における利便性を向上させることができる。すなわち、本実施形態のマッサージ機11を、単なる椅子(チェア)としても好適に利用させることができる。
【0070】
(12)フット51には、ねじりばね521によって、常に第1位置に接近する方向への付勢力が付与されている。そのため、第2位置に位置するフット51を第1位置に戻す際には、使用者がフット51に対して少しの力を付与するだけで、ねじりばね521からの付勢力を利用してフット51を第1位置に戻すことができる。したがって、使用後の後片づけ時において、フット51を含んだオットマン13を容易に収納空間18内に収納することができる。
【0071】
(13)また、フット51には、ねじりばね521からだけではなく、コイルばね531からの付勢力も付与されている。こうした各ばね521,531からの付勢力の合計は、第1位置と第2位置との間の中途位置にフット51が位置する場合に最大となり、該中途位置から第2位置にフット51が移動するに連れて次第に小さくなる。そのため、第2位置にフット51が位置する場合に付勢力の合計が最大となる場合とは異なり、施療中において使用者の足先がフット51から離れた際に、各ばね521,531からの付勢力によって、フット51が第2位置から第1位置に戻るという事態の発生を抑制することができる。
【0072】
(14)また、本実施形態では、フット51には、該フット51を第1位置から第2位置に回動させる際に使用者に操作させる操作部513が形成されている。そのため、使用者による操作によって、フット51を第1位置から第2位置まで回動させやすくすることができる。
【0073】
(15)本実施形態の操作部513は、フット51の足先保持面511側に形成されている。そのため、フット51を第1位置から第2位置に回動させる際には、使用者の足裏で、フット51を第2位置側に踏み込みやすくすることができる。
【0074】
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、操作部513は、フット51を第1位置から第2位置に回動させる際に使用者が操作可能な構成であれば、他の任意の構成であってもよい。例えば、操作部513は、一端がフット51の先端に固定された帯状部材であってもよい。
【0075】
・実施形態において、フット51に、操作部513を設けなくてもよい。
・実施形態において、コイルばね531を、フット51が第2位置に配置される場合に該フット51に対する付勢力が最大となるように設置してもよい。
【0076】
・また、レッグ50とフット51との間に配置される第2付勢部材は、レッグ50側に固定される第1の磁石と、フット51側に固定される第2の磁石とを備えた構成であってもよい。そして、各磁石は、互いに吸引し合うように設けられる。
【0077】
この際、各磁石のうち何れか一方を、磁性部材としてもよい。また、磁石は、永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよい。
・実施形態において、第2付勢部材を設けなくてもよい。このように構成しても、レッグ50には、突出部514を介してフット51が連結されている。そのため、フット51が第1位置から第2位置に回動する際に、該フット51の回動に連動し、レッグ50を第3位置から第4位置に向けて移動させることができる。この際、収納空間18内には、レッグ50の第3位置と第5位置との間での移動をガイドするためのガイド機構を設けてもよい。
【0078】
・実施形態において、レッグ50を構成する各側壁502に凹部503を設けなくてもよい。この場合、第3位置に配置されるレッグ50の上方に、各駆動装置30,40などを配置することになる。そのため、上記実施形態の場合と比較して、着座面14が上方に設けられることになる。
【0079】
・実施形態において、オットマン13を回動させるための機構を設けなくてもよい。この場合、第1駆動装置30が不要となるため、レッグ50を構成する各側壁502のうち少なくとも一つの側壁502には、凹部503を設けなくてもよい。
【0080】
・上記実施形態では、座部15の幅方向における両側に連結機構54がそれぞれ配置されている。しかし、連結機構54は一つのみ搭載すればよい。このように連結機構54を一つのみ設ける場合には、座部15の幅方向における中央部に設けることが好ましい。この場合、連結機構54を構成するベルト部材542は、レッグ50を構成する各側壁502のうち中央に位置する側壁502に連結されることになる。
【0081】
このように構成すると、レッグ50の回動途中に、使用者の身体の一部(例えば、指)がベルト部材542に触れる可能性を低くすることができる。すなわち、レッグ50の移動時における安全性をさらに向上させることができる。
【0082】
・実施形態において、ベルト部材542は、レッグ50を支持するのに十分な強度を有するのであれば、帯状の部材であっても、ひも状の部材であってもよい。
・実施形態において、連結機構54は、補強部材541を備えない構成であってもよい。この場合、ベルト部材542の一端は、接続フレーム24に直接連結される。
【0083】
・実施形態において、ベルト部材542の代わりに、伸縮自在なリンク部材を連結部材として使用してもよい。
・実施形態において、第1位置を、該第1位置にフット51が配置される場合に、該フット51の前端が座部15の前端よりも前側に位置するように設定してもよい。
【0084】
・実施形態において、移動機構53は、第3位置と第4位置との間でレッグ50を直線的に移動させる構成であってもよい。この場合、上記実施形態の場合よりも着座面14を上方に設け、収納空間18の上下方向における長さを長くし、レッグ50の移動経路よりも上方に、補強部材などを配置することが好ましい。
【0085】
・実施形態において、レッグ50を、図8(a)(b)に示すように、その下腿保持面501が設置面100に対向するように配置してもよい。この場合、上記実施形態の場合と比較して、座部15の前後方向における長さが長くなる一方で、着座面14の位置を下方に設けることができる。
【0086】
・実施形態において、レッグ50を、その下腿保持面501が着座面14に対向するように配置してもよい。この場合、上記実施形態の場合と比較して、座部15の前後方向における長さが長くなる一方で、着座面14の位置を下方に設けることができる。
【0087】
・実施形態において、オットマン13全体を収納空間18内に収納可能となるように、オットマン13を構成してもよい。
・実施形態において、マッサージ機11は、背もたれ部16を備えない構成であってもよい。また、マッサージ機11は、肘掛17を備えない構成であってもよい。
【0088】
・実施形態において、モータなどの動力源と、該動力源で発生した駆動力を回動機構52に伝達するための伝達機構とをさらに備えてもよい。この場合、動力源からの駆動力に基づき、レッグ50及びフット51が移動することになる。
【符号の説明】
【0089】
11…マッサージ機、13…オットマン、14…着座面、15…座部、18…収納空間、18a…開口部(開口)、20…座部側フレーム、23…軸部材、24…回動支持部、支持部材としての接続フレーム、30…駆動装置としての第1駆動装置、50…下腿保持部としてのレッグ、501…下腿保持面、503…凹部、51…足先保持部としてのフット、511…足先保持面、512…非足先保持面、513…操作部、514…連結部としての突出部、52…回動機構、521…第1付勢部材としてのねじりばね、53…移動機構、531…付勢部材、第2付勢部材としてのコイルばね、542…連結部材としてのベルト部材、543…第1連結部位、544…第2連結部位、100…設置面、S1…回転軸線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座するための座部内には前側に開口する収納空間が形成され、該収納空間内に、使用者の脚部を保持するためのオットマンの少なくとも一部が収納されるマッサージ機において、
前記オットマンにおいて使用者の足先を保持するための足先保持部を、前記収納空間の開口を閉塞可能な第1位置と前記座部の前側に設定された第2位置との間で、前記座部の幅方向に沿って延びる回転軸線を中心に回動させるための回動機構と、
前記オットマンにおいて前記座部に着座した使用者の下腿を保持するための下腿保持部を、前記足先保持部の回動に連動して移動させるための移動機構と、を備え、
前記移動機構は、前記足先保持部が前記第1位置に位置する場合には前記収納空間内に設定された第3位置に前記下腿保持部が位置し、前記足先保持部が前記第2位置に位置する場合には前記座部の前方に設定された第4位置に前記下腿保持部が位置するように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記第3位置は、前記収納空間内において前記第1位置よりも後側に設定されており、
前記下腿保持部において使用者の下腿を保持するための下腿保持面は、前記下腿保持部が前記第3位置に配置される場合には、前記第1位置に配置される前記足先保持部に対向していることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記下腿保持部において使用者の下腿を保持するための下腿保持面は、前記下腿保持部が前記第3位置に配置される場合には、前記座部において使用者が着座する着座面又は前記マッサージ機が設置される設置面に対向していることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記座部は、使用者が着座する着座面を有し、
前記足先保持部において使用者の足先を保持するための足先保持面は、前記足先保持部が前記第1位置に配置される場合には、前記第3位置に配置される下腿保持部に対向しており、
前記回動機構は、前記足先保持部において前記第1位置に位置する場合に前記着座面から離間した側の基端部位を、前記回転軸線を中心に回動可能な状態で支持する回動支持部を有し、
前記移動機構は、前記座部を構成する座部側フレームと前記下腿保持部とを連結する連結部材を有し、
前記連結部材は、前記座部側フレームとの第1連結部位と、前記下腿保持部との第2連結部位との距離が規定の距離未満である場合には前記各連結部位の距離の変動を伴う前記下腿保持部の移動を許容する一方、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には前記各連結部位の距離が長くなるような前記下腿保持部の移動を規制するように構成されており、
前記下腿保持部は、
前記各連結部位の距離が前記規定の距離未満である場合には、前記足先保持部の回動に追随し、前記第3位置と、該第3位置と前記第4位置との間の第5位置との間で移動し、
前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には、前記第3位置と前記第5位置との間での移動とは異なる態様で、前記第5位置と第4位置との間で移動することを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記連結部材は、前記各連結部位の距離が前記規定の距離未満である場合には弛む一方、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には張設される部材で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記下腿保持部において前記着座面に近い部位に、前記連結部材との前記第2連結部位が位置していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記下腿保持部において前記第3位置に位置する場合に前記着座面に最も近い部位は、前記下腿保持部が前記第5位置に位置する場合には、前記座部よりも前側に位置していることを特徴とする請求項4〜請求項6のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記移動機構は、前記下腿保持部に対し、前記足先保持部に接近する方向への付勢力を付勢する付勢部材をさらに有しており、
前記移動機構は、
前記各連結部位の距離が前記規定の距離未満である場合には、前記付勢部材からの付勢力によって、前記足先保持部の回動に追随するように前記下腿保持部を前記第3位置と前記第5位置との間で回動させ、
前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には、前記足先保持部が前記第2位置に接近するほど該足先保持部から前記下腿保持部が相対的に離間するように前記下腿保持部を前記第5位置と前記第4位置との間で移動させることを特徴とする請求項4〜請求項7のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記連結部材は、前記座部の幅方向における中央部に配置されていることを特徴とする請求項4〜請求項8のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記第4位置は、前記第3位置から前記第5位置への前記下腿保持部の移動経路の延長線上には設定されていないことを特徴とする請求項4〜請求項9のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項11】
前記下腿保持部を、前記足先保持部に対して相対回転可能な状態で該足先保持部に連結する連結部をさらに備え、
前記第4位置は、前記第3位置よりも前記着座面に近い位置に設定されており、
前記下腿保持部は、前記第5位置と前記第4位置との間では、前記足先保持部に対して相対的に回動することを特徴とする請求項4〜請求項10のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項12】
前記座部を構成する座部側フレームには、前記第1位置に位置する前記足先保持部の先端よりも後側に配置され、且つ前記座部の幅方向に沿って延びる軸部材が設けられており、
前記軸部材には、前記オットマンを支持する支持部材が、前記軸部材に対して回動可能に連結されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項13】
前記支持部材を、前記軸部材との連結部位を中心に回動させるべく駆動する駆動装置をさらに備え、
前記下腿保持部には、使用者の下腿において膝に近い側の部位を保持する部位の反対側に凹部が形成されており、
前記第3位置に位置する前記下腿保持部の凹部内には、前記駆動装置の一部が位置していることを特徴とする請求項12に記載のマッサージ機。
【請求項14】
前記移動機構は、前記座部を構成する座部側フレームと前記下腿保持部とを連結する連結部材とを有し、
前記連結部材は、前記座部側フレームとの第1連結部位と、前記下腿保持部との第2連結部位との距離が規定の距離未満である場合には前記各連結部位間の距離の変動を許容する一方、前記各連結部位の距離が前記規定の距離である場合には前記各連結部位の距離が長くなるような前記下腿保持部の移動を規制するように構成されており、
前記連結部材は、前記支持部材に連結されていることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のマッサージ機。
【請求項15】
前記第3位置は、前記収納空間内において前記第1位置よりも後側に設定されており、
前記第1位置は、該第1位置に位置する前記足先保持部の前端が、前記座部の前端と同一位置又は前記座部の前端よりも後側に位置するように設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項14のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項16】
前記足先保持部に対して前記第1位置に近づく方向に付勢する第1付勢部材と、
前記下腿保持部に対して前記足先保持部に近づく方向に付勢する第2付勢部材と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項15のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項17】
前記第2付勢部材は、
その一端が前記足先保持部に連結されると共に、その他端が前記下腿保持部に連結されるように配置され、
前記足先保持部に対して前記第1位置に近づく方向に付勢すると共に、前記下腿保持部に対して前記足先保持部に近づく方向に付勢するように配置されていることを特徴とする請求項16に記載のマッサージ機。
【請求項18】
前記第2付勢部材は、
前記第1位置と、該第1位置と前記第2位置との間の中途位置との間に前記足先保持部が位置する場合には、前記第1位置から前記足先保持部が離間するほど該足先保持部に対する付勢力が大きくなり、
前記中途位置と前記第2位置との間に前記足先保持部が位置する場合には、前記第2位置に前記足先保持部が接近するほど該足先保持部に対する付勢力が小さくなるように設けられていることを特徴とする請求項17に記載のマッサージ機。
【請求項19】
前記足先保持部には、前記第1位置側から前記第2位置に向けて回動させる際に操作される操作部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項18のうち何れか一項に記載のマッサージ機。
【請求項20】
前記足先保持部において使用者の足先を保持するための足先保持面は、前記足先保持部が前記第1位置に位置する場合には、該足先保持部において該足先保持面の反対側に位置する非足先保持面よりも後側に位置しており、
前記操作部は、前記足先保持部の先端部位における前記足先保持面側に設けられ、先端に近づくほど前記足先保持部の厚みが薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項19に記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−223433(P2012−223433A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95055(P2011−95055)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】