説明

マッサージ機

【課題】電熱線にかかる負荷を小さくすることのできるマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機1は、シート53上に配置される電熱線70に対して足裏を幅方向に移動させる右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。そして、電熱線70の蛇行部分71の幅方向に沿う幅長さを合計した長さは足奥行方向に沿う奥行長さを合計した長さよりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電熱線および電熱線が配置される配置面を有するマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のマッサージ機は、足裏に温感を付与する電熱線を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−312857号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記マッサージ機において足裏が電熱線に対して移動する場合、電熱線に負荷がかかる。なお、生体としての足裏以外の部位を移動させるマッサージ機においても同様の課題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、電熱線にかかる負荷を小さくすることのできるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
・本発明のマッサージ機は、電熱線およびこの電熱線が配置される配置面を有するマッサージ機において、前記マッサージ機は、前記電熱線に対して生体を移動させる移動機構を有し、前記配置面上において互いに直交する方向をA方向およびB方向として、前記移動機構は、前記生体を前記配置面上において前記A方向に移動させ、前記A方向に沿う前記電熱線の長さは、前記B方向に沿う前記電熱線の長さよりも大きいことを特徴としている。
【0007】
・本発明のマッサージ機は、電熱線およびこの電熱線が配置される配置面を有するマッサージ機において、前記マッサージ機は、前記電熱線に対して生体を移動させる移動機構を有し、前記配置面上において互いに直交する方向をA方向およびB方向として、前記移動機構は、前記生体を前記配置面上において前記A方向および前記B方向に移動させ、前記移動機構が前記生体を前記A方向に移動させる移動量は、前記移動機構が前記生体を前記B方向に移動させる移動量よりも大きく、前記A方向に沿う前記電熱線の長さは、前記B方向に沿う前記電熱線の長さよりも大きいことを特徴としている。
【0008】
・このマッサージ機において、前記マッサージ機は、足裏を支持する足支持部を有するオットマンであり、前記移動機構は、前記電熱線に対して前記生体としての前記足裏を移動させることが好ましい。
【0009】
・このマッサージ機において、前記A方向は、前記マッサージ機の幅方向であることが好ましい。
・このマッサージ機において、前記移動機構として、第1移動機構および第2移動機構を有し、前記第1移動機構および前記第2移動機構は、互いに対向することが好ましい。
【0010】
・このマッサージ機において、前記マッサージ機は、前記配置面から突出する施術突起を有することが好ましい。
・このマッサージ機において、前記移動機構は、エアバッグであることが好ましい。
【0011】
・このマッサージ機において、前記マッサージ機は、椅子型マッサージ機であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、電熱線にかかる負荷を小さくすることのできるマッサージ機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のマッサージ機について、その斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態のマッサージ機のオットマンについて、その斜視構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態のマッサージ機のオットマンについて、図2の3−3線に沿う断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態のマッサージ機のオットマンについて、足裏支持部の平面構造を示す平面図。
【図5】同実施形態のマッサージ機のオットマンについて、足裏支持部の一部の平面構造を示す平面図。
【図6】その他の実施形態のマッサージ機のオットマンについて、足裏支持部の一部の平面構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、足裏に温感を付与するマッサージ機1の構成を説明する。
椅子型のマッサージ機1は、体幹を支持するチェア10と、下肢を支持するオットマン20とを有する。またこの他に、チェア10およびオットマン20の各装置を制御する制御装置と、使用者がチェア10およびオットマン20を操作するためのコントローラとを有する(いずれも図示略)。なお、足裏は「生体」に相当する。
【0015】
チェア10は、臀部を支持する座部11と、背中を支持する背もたれ12と、腕を支持する肘掛13とを有する。背もたれ12は、背中を施術する施術機構14を有する。施術機構14は、背中をもみほぐす施術子15と、施術子15を駆動させる駆動部16とを有する。
【0016】
オットマン20は、脚を支持する脚支持部30と、足を支持する足支持部40とを有する。脚支持部30と足支持部40とは、脚支持部30の接続部33により互いに接続されている。
【0017】
マッサージ機1について次の用語を定義する。
(A)マッサージ機1の幅方向を「幅方向」とする。なお、幅方向は「A方向」に相当する。
(B)幅方向において、チェア10に着座した使用者から見て右の方向を「右方」とし、同使用者から見て左の方向を「左方」とする。
(C)足支持部40の短手方向を「足奥行方向」とし、足奥行方向および幅方向に直交する方向を「足高さ方向」とする。なお、足奥行方向は「B方向」に相当する。
(D)足奥行方向において、踵から足指に向かう方向を「前方」とし、足指から踵に向かう方向を「後方」とする。
(E)足高さ方向において、足から下腿に向かう方向を「上方」とし、下腿から足に向かう方向を「下方」とする。
【0018】
脚支持部30は、脚の側面を支持する3つの脚側壁31と、下腿を支持する脚背壁32と、脚側壁31と足支持部40とを互いに接続する接続部33とを有する。また、脚を施術するエアバッグとして、右下腿および左下腿を右方側から施術する右側部エアバッグ34と、右下腿および左下腿を左方側から施術する左側部エアバッグ35と、右下腿および左下腿をそれぞれ後方側から施術する後部エアバッグ36とを有する。なお、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35は「移動機構」および「エアバッグ」に相当する。また、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35の一方は「第1移動機構」に相当する。また、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35の他方は「第2移動機構」に相当する。
【0019】
脚側壁31は、右脚の右方の側面を支持する脚側壁31と、左脚の左方の側面を支持する脚側壁31と、右脚の左方の側面および左脚の右方の側面を支持する脚側壁31とを有する。
【0020】
足支持部40は、足裏を支持する部分の本体としての支持部本体41と、右足裏を支持する足裏支持部50と、左足裏を支持する足裏支持部50と、各足裏に温感を付与する電熱線70とを有する。また、足支持部40の各要素を覆うカバーとして、支持部本体41を覆う第1カバー44と、第1カバー44のうちの各足裏支持部50に対応する部分を覆う2枚の第2カバー45とを有する。
【0021】
図2を参照して、足支持部40の詳細な構成について説明する。
支持部本体41は、各足裏支持部50が載せられる足底壁42と、右足の右方への移動を規制する足側壁43と、左足の左方への移動を規制する足側壁43とを有する。
【0022】
足底壁42は、その上面において右足用および左足用の足裏支持部50を有する。右足用の足裏支持部50と左足用の足裏支持部50とは、隙間を介して直接的に対向している。すなわち支持部本体41は、各足の幅方向への移動を規制する側壁を右足用の足裏支持部50と左足用の足裏支持部50との間に有していない。
【0023】
第1カバー44は、各足裏支持部50の前方および後方の端部に対応する部分において、それぞれ第1面ファスナ44Aを有する。第2カバー45は、その前方および後方の端部においてそれぞれ第2面ファスナ45Aを有する。これにより、マッサージ機1の使用者は、第2カバー45を第1カバー44に取り付けること、および第2カバー45を第1カバー44から取り外すことができる。
【0024】
図1を参照して、チェア10およびオットマン20の制御について説明する。
制御装置は、コントローラから送信された信号に基づいて、施術機構14、右側部エアバッグ34、左側部エアバッグ35、後部エアバッグ36、施術突起51、および電熱線70を制御する。
【0025】
マッサージ機1は、コントローラの操作により選択することのできる複数の動作モードが予め用意されている。また、マッサージ機1は、動作モードを実行しているとき、電熱線70による足裏への温感の付与を行う。なお、動作モードにともない行なわれる電熱線70の制御とは別に、コントローラの操作により電熱線70のオンおよびオフを選択することもできる。
【0026】
動作モードとしては、施術機構14の動作、各エアバッグ34〜36の動作、施術突起51の動作のうちの1つの動作から構成される3つの動作モード、およびこれら3つの動作のうちの2つまたは3つの動作を組み合わせた4つの動作モードの計7つの動作モードが用意されている。
【0027】
図3を参照して、足裏支持部50の詳細な構成について説明する。なお、図3は、第1カバー44の第1面ファスナ44Aおよび第2カバー45の第2面ファスナ45Aを省略した足裏支持部50を示している。
【0028】
各足裏支持部50は、足裏に刺激を付与する施術突起51と、施術突起51を足底壁42(図2参照)に対して高さ方向に移動させるエアバッグ52と、施術突起51の一部およびエアバッグ52を収容する取付台60とを有する。またこの他に、足裏に温感を付与する電熱線70の一部と、電熱線70を配線するためのシート53とを有する。なお、シート53は「配置面」に相当する。
【0029】
電熱線70は、電熱線70の下方の半分がシート53に埋め込まれ、電熱線70の上方の半分がシート53から露出するように配線されている。電熱線70の太さは、取付台60に対応する部分の全体にわたり径の大きさが同一のものが用いられている。
【0030】
取付台60は、足裏を支持する平面部61と、平面部61の下面側の空間を取り囲む側壁部62とを有する。側壁部62は、平面部61の下面の縁に接続されている。平面部61は、足奥行方向および幅方向の中間部分において、施術突起51を挿入するための突起孔63を有する。
【0031】
取付台60としては、樹脂材料により形成された剛体の高いものが用いられている。すなわち、外部から力が加えられたときに電熱線70よりも変形しにくいものが用いられている。
【0032】
取付台60は、平面部61と側壁部62とにより囲まれた空間を有する。取付台60の空間は、施術突起51の下方の部分およびエアバッグ52を収容している。エアバッグ52は、足底壁42と施術突起51との間に形成されている。
【0033】
施術突起51は、突起孔63に対してすきま嵌めされている。施術突起51の先端部は、エアバッグ52が最も収縮した状態において突起孔63を介して平面部61から外部に突出する。
【0034】
施術突起51のうちの平面部61から突出している部分の高さ方向の大きさ(以下、「突出量」)は、エアバッグ52の状態に応じて変化する。施術突起51の突出量は、エアバッグ52が最も膨張したとき最大となる。また、エアバッグ52が最も収縮したとき最小となる。
【0035】
図4に示されるように、シート53は、左方の取付台60に対応した配線部53Aと、右方の取付台60に対応した配線部53Aと、左方の配線部53Aと右方の配線部53Aとを互いに連結する連結部53Bとを有する。
【0036】
シート53の配線部53Aは、足奥行方向において取付台60の前方の端部から取付台60の後方の端部までにわたり配置される。また、幅方向において取付台60の左方の端部から右方の端部までにわたり配置される。
【0037】
配線部53Aは、取付台60の突起孔63に対応する部分において、突起孔63よりも径が大きい開口部53Cを有する。施術突起51、突起孔63、および開口部53Cはそれぞれ同心円上に配置される。
【0038】
図4を参照して、電熱線70の配線について説明する。
電熱線70は、足支持部40において2つの足裏支持部50に対して足Fの各部分に対応するように配線されている。また、1つの足裏支持部50において施術突起51を取り囲むように配線されている。
【0039】
電熱線70は、各足Fの足指から踵までに対応して幅方向に蛇行して配線される2つの蛇行部分71と、2つの蛇行部分71を互いに接続する接続部分74とを有する。
蛇行部分71は、幅方向に沿う6つの幅部分72と、足奥行方向に沿う5つの奥行部分73とを有する。また、後方から2番目の幅部分72と3番目の幅部分72とはそれぞれ施術突起51の後方および前方に配置されている。右方の奥行部分73の配置は、幅方向において一致する。また、左方の奥行部分73の配置は、幅方向において一致する。なお、右脚と対応する蛇行部分71は、右方の奥行部分73を3つ、および左方の奥行部分73を2つ有する。また、左脚と対応する蛇行部分71は、右方の奥行部分73を2つ、および左方の奥行部分73を3つ有する。
【0040】
図5を参照して、幅部分72および奥行部分73の長さについて説明する。なお、図5は、右脚と対応する足裏支持部50を拡大して示している。左脚と対応する足裏支持部50については、右脚と対応する足裏支持部50と幅方向において対称の構成を有するため、図示を省略する。
【0041】
ここで、蛇行部分71の左方の奥行部分73から右方の奥行部分73までの長さを「配置幅LX」とする。また、蛇行部分71の最も前方の幅部分72から最も後方の幅部分72までの長さを「配置奥行LY」とする。なお、配置幅LXおよび配置奥行LYは足裏の大きさに対応している。このため、配置幅LXは、配置奥行LYよりも小さい。
【0042】
6つの幅部分72の長さ(以下、「幅長さLA」)を合計した長さは、配置幅LXの6倍に等しい。また、5つの奥行部分73の長さ(以下、「奥行長さLB」)を合計した長さは、配置奥行LYに等しい。幅長さLAを合計した長さは、奥行長さLBを合計した長さよりも大きい。また、蛇行部分71のうちのU字を構成する2つの幅部分72およびこれら幅部分72の間の奥行部分73を単位蛇行部分としたとき、1つの単位蛇行部分に含まれる幅部分72の長さは、奥行部分73の長さよりも大きい。
【0043】
マッサージ機1の動作について説明する。
図1に示されるように、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35は、エアバッグ34〜36が動作するモードが選択されているとき、交互に膨張および収縮を繰り返す。また、後部エアバッグ36は常に膨張する。
【0044】
脚および足裏は、右側部エアバッグ34が膨張し、かつ左側部エアバッグ35が収縮するとき、左方に移動する。また、右側部エアバッグ34が収縮し、かつ左側部エアバッグ35が膨張するとき、右方に移動する。足裏は、側部エアバッグ34,35により脚および足裏が幅方向に移動するとき、足裏支持部50の表面を擦る。図4に示されるように、足裏の動きは、電熱線70の幅部分72および奥行部分73に対して幅方向の力を付与する。すなわち、幅方向と直交する奥行部分73にかかる負荷は、幅方向に沿う幅部分72にかかる負荷よりも大きい。
【0045】
図3に示されるように、エアバッグ52は、施術突起51が動作するモードが選択されているとき、膨張および収縮を繰り返す。エアバッグ52が膨張するとき、施術突起51の突出量は大きくなる。また、エアバッグ52が収縮するとき、施術突起51の突出量は小さくなる。
【0046】
図1に示されるように、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35と、施術突起51とは、エアバッグ34〜36および施術突起51が動作するモードが選択されているとき、互いに独立して動作する。すなわち、マッサージ機1は、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35により脚および足裏を幅方向に移動させながら、施術突起51により足裏への刺激を付与する。
【0047】
本実施形態のマッサージ機1は以下の効果を奏する。
(1)足裏は、電熱線70に対して移動するとき、電熱線70に負荷を与える。このとき、足裏が電熱線70に与える負荷は、移動方向に沿って配置される電熱線70の部分に与える負荷よりも、移動方向と直交する方向に沿って配置される電熱線70の部分に与える負荷が大きい。このため、足裏と対応する部分の電熱線70は、足裏の移動方向に沿う長さよりも足裏の移動方向と直交する方向に沿う長さが大きいとき、電熱線70の負荷が大きい。
【0048】
マッサージ機1は、電熱線70に対して足裏を幅方向に移動させる右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。電熱線70の幅長さLAを合計した長さは、足奥行方向に沿う奥行長さLBを合計した長さよりも大きい。この構成によれば、電熱線70の幅長さLAを合計した長さが奥行長さLBを合計した長さよりも小さい場合と比較して、足裏の移動による電熱線70の負荷を小さくすることができる。
【0049】
(2)右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35は、下腿を挟んで互いに対向する。この構成によれば、右側部エアバッグ34と左側部エアバッグ35を交互に駆動することにより下腿を幅方向に交互に移動させることができる。
【0050】
(3)マッサージ機1は、足裏を押す施術突起51を有する。この構成によれば、足裏を移動させることにより、足裏の複数の位置を施術突起51が押すことができる。
(4)マッサージ機1は右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35により脚および足Fを移動させる。この構成によれば、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35により、脚および足Fを移動させること、および脚を加圧して脚をマッサージすることができる。
【0051】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
【0052】
・上記実施形態の電熱線70は、足裏支持部50において幅方向に沿う幅部分72および足奥行方向に沿う奥行部分73を有する蛇行部分71を備える。一方、変形例(図6)の電熱線80は、足裏支持部50において幅方向および足奥行方向に対して傾斜する4つの傾斜部分82を有する往復部分81を有する。
【0053】
ここで、往復部分81の傾斜部分82の右側の端部から左側の端部までの長さを「配置幅LV」とする。また、往復部分81の最も前方の端部から最も後方の端部までの長さを「配置奥行LW」とする。なお、配置幅LVは、配置奥行LWよりも小さい。4つの傾斜部分82の幅方向に沿う大きさを合計した長さ(以下、「幅合計長さBA」)は、配置幅LVの4倍に等しい。また、4つの傾斜部分82の足奥行方向に沿う大きさを合計した長さ(以下、「奥行合計長さBB」)は、配置奥行LWに等しい。幅合計長さBAは、奥行合計長さBBよりも大きい。
【0054】
・上記実施形態のマッサージ機1は、脚および足Fを幅方向に移動させる右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、脚および足Fを足奥行方向に移動させる奥行エアバッグを有する。奥行エアバッグは、後部エアバッグ36と、脚の前方に配置される前部エアバッグとにより構成される。後部エアバッグ36および前部エアバッグが交互に圧縮および収縮を繰り返すことにより、脚および足Fが足奥行方向に沿って移動する。また、電熱線70の蛇行部分は、奥行長さLBを合計した長さが幅長さLAを合計した長さよりも大きくなるように配置される。具体的には、図5の電熱線70の蛇行部分71がシート53に対して90度回転した態様で蛇行する。なお、この場合、足奥行方向は「A方向」に相当し、幅方向は「B方向」に相当する。また、前部エアバッグおよび後部エアバッグの一方は「第1移動機構」に相当し、前部エアバッグおよび後部エアバッグの他方は「第2移動機構」に相当する。
【0055】
・上記実施形態のマッサージ機1は、右側部エアバッグ34、左側部エアバッグ35、および後部エアバッグ36を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、右側部エアバッグ34、左側部エアバッグ35、後部エアバッグ36、および脚の前方に配置される前部エアバッグを有する。そして、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35による脚および足Fの幅方向の移動と、後部エアバッグ36および前部エアバッグによる脚および足Fの足奥行方向の移動とを交互に行う。また、幅方向の1回の移動距離は足奥行方向の1回の移動距離よりも大きい。なお、この場合、1回の移動距離は「移動量」に相当する(変形例A)。
【0056】
・変形例Aのマッサージ機1は、幅方向の1回の移動距離が足奥行方向の1回の移動距離よりも大きい。一方、さらなる変形例のマッサージ機1は、複数回の幅方向の移動距離の合計が複数回の足奥行方向の移動距離の合計よりも大きい。なお、この場合、複数回の移動距離は「移動量」に相当する。
【0057】
・変形例Aのマッサージ機1は、幅方向の1回の移動距離が足奥行方向の1回の移動距離よりも大きい。一方、さらなる変形例のマッサージ機1は、足奥行方向の1回の移動距離が幅方向の1回の移動距離よりも大きい。また、電熱線70の蛇行部分は、奥行長さLBを合計した長さが幅長さLAを合計した長さよりも大きくなるように蛇行して配置される。具体的には、図5の電熱線70の蛇行部分71がシート53に対して90度回転した態様で蛇行する。なお、この場合、足奥行方向は「A方向」に相当し、幅方向は「B方向」に相当する。
【0058】
・変形例Aのマッサージ機1は、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35による脚および足Fの幅方向の移動と、後部エアバッグ36および前部エアバッグによる脚および足Fの足奥行方向の移動とを交互に行う。一方、さらなる変形例のマッサージ機1は、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35による脚および足Fの幅方向の移動と、後部エアバッグ36および前部エアバッグによる脚および足Fの足奥行方向の移動とを同時に行う。すなわち、脚および足Fは、電熱線70の上を、円形を描くように移動する。
【0059】
・上記実施形態のマッサージ機1は、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35の一方を省略している。
【0060】
・上記実施形態のマッサージ機1は、足裏を幅方向に移動させる移動機構として右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、足裏を幅方向に移動させる移動機構としてピストンを有する。
【0061】
・上記実施形態のマッサージ機1は、下腿に接触する右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、足Fに接触する右側部エアバッグおよび左側部エアバッグを有する。
【0062】
・上記実施形態のマッサージ機1は、オットマン20に右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、肘掛13に右側部エアバッグおよび左側部エアバッグを有する。この場合、電熱線70は、座部11に配置され、生体としての臀部および上腿に温感を付与する。また、オットマン20を省略することもできる。
【0063】
・上記実施形態のマッサージ機1は、オットマン20に右側部エアバッグ34および左側部エアバッグ35を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、背もたれ12の幅方向の両端部に右側部エアバッグおよび左側部エアバッグを有する。この場合、電熱線70は、背もたれ12に配置され、生体としての背中および腰に温感を付与する。なお、この場合オットマン20を省略することもできる。
【0064】
・上記実施形態のマッサージ機1は、施術突起51の突出量を変更するエアバッグ52を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、エアバッグ52を省略している。
・上記実施形態のマッサージ機1は、1つの足裏支持部50に1つの施術突起51を有する。一方、変形例のマッサージ機1は、1つの足裏支持部50に複数の施術突起51を有する。
【0065】
・上記実施形態のマッサージ機1は、チェア10を有する。一方、変形例のマッサージ機は、チェア10を省略している。この場合、オットマン20を倒し、寝た状態の脚および足にマッサージを行う。
【0066】
・本発明は、上記実施形態に例示されるマッサージ機1以外の他のマッサージ機に適用することもできる。要するに、生体を移動させる機能を有するマッサージ機であれば、いずれのマッサージ機に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1…マッサージ機、20…オットマン、40…足支持部、34…右側部エアバッグ(移動機構、第1移動機構、第2移動機構、エアバッグ)、35…左側部エアバッグ(移動機構、第1移動機構、第2移動機構、エアバッグ)、51…施術突起、53…シート(配置面)、70、80…電熱線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電熱線およびこの電熱線が配置される配置面を有するマッサージ機において、
前記マッサージ機は、前記電熱線に対して生体を移動させる移動機構を有し、
前記配置面上において互いに直交する方向をA方向およびB方向として、前記移動機構は、前記生体を前記配置面上において前記A方向に移動させ、前記A方向に沿う前記電熱線の長さは、前記B方向に沿う前記電熱線の長さよりも大きい。
【請求項2】
電熱線およびこの電熱線が配置される配置面を有するマッサージ機において、
前記マッサージ機は、前記電熱線に対して生体を移動させる移動機構を有し、
前記配置面上において互いに直交する方向をA方向およびB方向として、前記移動機構は、前記生体を前記配置面上において前記A方向および前記B方向に移動させ、
前記移動機構が前記生体を前記A方向に移動させる移動量は、前記移動機構が前記生体を前記B方向に移動させる移動量よりも大きく、
前記A方向に沿う前記電熱線の長さは、前記B方向に沿う前記電熱線の長さよりも大きい。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記マッサージ機は、足裏を支持する足支持部を有するオットマンであり、
前記移動機構は、前記電熱線に対して前記生体としての前記足裏を移動させる。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、
前記A方向は、前記マッサージ機の幅方向である。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、
前記移動機構として、第1移動機構および第2移動機構を有し、
前記第1移動機構および前記第2移動機構は、互いに対向する。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、
前記マッサージ機は、前記配置面から突出する施術突起を有する。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、
前記移動機構は、エアバッグである。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項において、
前記マッサージ機は、椅子型マッサージ機である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−106819(P2013−106819A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254616(P2011−254616)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】