マッサージ機
【課題】足先の上方への移動を規制して、効果的に足裏のマッサージを施すことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機10において、エアバックの膨張に追従してマッサージ機本体11に置かれた足先が上方へ移動してしまうことを規制するベルト25を、マッサージ機本体11に置かれた足先の甲に対向する位置に設けた。
【解決手段】マッサージ機10において、エアバックの膨張に追従してマッサージ機本体11に置かれた足先が上方へ移動してしまうことを規制するベルト25を、マッサージ機本体11に置かれた足先の甲に対向する位置に設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバックを用いて足裏をマッサージするマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のマッサージ機として、例えば特許文献1のものがある。特許文献1のマッサージ機を構成する足先用マッサージユニットは、その本体部であるユニット筐体を有している。ユニット筐体には、被施療者(使用者)の足先(くるぶしよりも下の部分)が挿入可能な一対の凹部が形成されている。一対の凹部は、底壁と、底壁の両端から上方に向けて互いに平行に延びる一対の第1側壁と、各第1側壁と平行に延びるとともに底壁における各第1側壁の間から突設された第2側壁とから形成されている。各凹部は、上方及び前後両方が開放されている。
【0003】
各第1側壁における第2側壁と対向する側面には側面エアバックが設けられている。また、第2側壁の両側面(各第1側壁と対向する側面)には弾性部材が設けられている。さらに、底壁には底面エアバックが設けられている。底面エアバックにはウレタン樹脂等からなる指圧子が突設されている。
【0004】
そして、両足先を各凹部に挿入した状態で、側面エアバックを膨張させると、この側面エアバックの膨張によって被施療者の足先が弾性部材側へ押圧されて、被施療者の足先が弾性部材に埋没していく。これにより、被施療者の足先が凹部に保持される。そして、底面エアバックを膨張させると、凹部に保持された足先の足裏が指圧子によって指圧マッサージされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−230020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、側面エアバックの膨張により、足先の側方から足先を弾性部材に向けて押し付けているだけであるため、底面エアバックの膨張に追従して足先が上方へ移動してしまう虞がある。底面エアバックの膨張に追従して足先が上方へ移動してしまうと、指圧子を足裏に押し付けることができず、足裏を効果的にマッサージすることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、足先の上方への移動を規制して、効果的に足裏のマッサージを施すことができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のマッサージ機は、マッサージ機本体に置かれた足先の足裏を前記マッサージ機本体に設けられたエアバックを用いてマッサージするマッサージ機において、前記エアバックの膨張に追従して前記マッサージ機本体に置かれた足先が上方へ移動してしまうことを規制する規制手段が、前記マッサージ機本体に置かれた足先の甲に対向する位置に設けられていることを特徴とする。
【0009】
このマッサージ機において、前記規制手段が足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されていることが好ましい。
このマッサージ機において、前記規制手段は、前記マッサージ機本体に対して前記マッサージ機本体の上方を通過するように架け渡されたベルトであり、前記ベルトと前記マッサージ機本体との間には、足先を挿入可能な挿入部材が設けられていることが好ましい。
【0010】
このマッサージ機において、前記挿入部材は、前記ベルトに対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
このマッサージ機において、前記規制手段を覆う被覆部をさらに備えたことが好ましい。
【0011】
このマッサージ機において、前記被覆部は可撓性を有していることが好ましい。
このマッサージ機において、前記挿入部材には係止突起が設けられるとともに、前記被覆部には前記係止突起に係止可能な係止孔が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、足先の上方への移動を規制して、効果的に足裏のマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における挿入部材、本体カバー、マッサージ機本体及びベルトを示す分解斜視図である。
【図2】マッサージ機本体の分解斜視図である。
【図3】エアバックの回路図である。
【図4】マッサージ機本体の平面図である。
【図5】マッサージ機本体にベルトが取り付けられた状態を示す平面図である。
【図6】マッサージ機本体が本体カバーに取り付けられた状態を示す部分断面図である。
【図7】挿入部材をベルトの内側に配置した状態を示す部分平面図である。
【図8】挿入部材が本体カバーに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】挿入部材の係止突起が本体カバーの係止孔に対して係止している状態を示す部分断面図である。
【図10】挿入部材の内側に足先を挿入した状態を示す部分断面図である。
【図11】足裏とマッサージ機本体との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、足裏をマッサージするために用いられるマッサージ機に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、マッサージ機10は、足先(くるぶしよりも下の部分)が置かれるマッサージ機本体11と、マッサージ機本体11が取り付けられた本体カバー31と、本体カバー31の内部に挿入される挿入部材41とを有している。
【0015】
まず、マッサージ機本体11について説明する。
図2に示すように、マッサージ機本体11は略矩形箱状の本体部12を有しており、本体部12の上面12aの中央部には、第1貫通孔12b及び第2貫通孔12cが形成されている。第1貫通孔12b及び第2貫通孔12cは、本体部12の短手方向(図2に示す矢印Y1の方向)に沿って所定の間隔をあけて配置されている。本体部12の上面12aにはエアバック13が載置される。
【0016】
エアバック13は、第1エア室13aと第2エア室13bとに区画された構成になっている。第1エア室13aは、本体部12の一長側面121側に位置するとともに本体部12の長手方向(図2に示す矢印Y2の方向)に沿って延びるように配置されている。第2エア室13bは、本体部12の他長側面122側に位置するとともに本体部12の長手方向に沿って延びるように配置されている。エアバック13には、第1エア室13a内に連通する第1連通孔131aと、第2エア室13b内に連通する第2連通孔131bとが形成されている。本体部12の上面12aにエアバック13が載置された状態において、第1連通孔131aは第1貫通孔12bと重なるとともに、第2連通孔131bは第2貫通孔12cと重なるようになっている。
【0017】
エアバック13の上面には、布製のシート材14を介して第1〜第4指圧プレート15,16,17,18が配設される。第1指圧プレート15及び第2指圧プレート16は平面視L字状をなしている。第1指圧プレート15及び第2指圧プレート16は、第1連通孔131aを挟むとともに所定の間隔をあけて本体部12の両短側面123,124側に第1エア室13aと重なるように配置される。第1指圧プレート15及び第2指圧プレート16の上面には、ツボ押し部15a,16aが複数(本実施形態では3つずつ)突出している。第3指圧プレート17及び第4指圧プレート18は平面視矩形状をなしている。第3指圧プレート17及び第4指圧プレート18は、第2連通孔131bを挟むとともに所定の間隔をあけて本体部12の両短側面123,124側に第2エア室13bと重なるように配置される。第3指圧プレート17及び第4指圧プレート18の上面には、ツボ押し部17a,18aが複数(本実施形態では2つずつ)突出している。
【0018】
第1指圧プレート15及び第3指圧プレート17は、本体部12の短手方向に並んで配置されている。よって、各ツボ押し部15a,17aは、本体部12の短手方向に並んで配置されている。第2指圧プレート16及び第4指圧プレート18は、本体部12の短手方向に並んで配置されている。よって、各ツボ押し部16a,18aは、本体部12の短手方向に並んで配置されている。また、本体部12の一短側面123側には操作部19が設けられている。操作部19は、マッサージ機10のマッサージモードをON又はOFFに切り替えるマッサージモード切替ボタンと、マッサージ機10のヒータモードをON又はOFFに切り替えるヒータモード切替ボタンとを有している。
【0019】
図3に示すように、本体部12内には、第1エア室13a及び第2エア室13bにエアを送り込むための加圧ポンプPが内蔵されている。加圧ポンプPにはエアチューブCの一端が接続されている。エアチューブCの他端側は、第1エア室13aに連通する第1連通部C1と、第2エア室13bに連通する第2連通部C2とに分岐されている。第1連通部C1は、第1貫通孔12b及び第1連通孔131aを介して第1エア室13a内に挿通されている。第2連通部C2は、第2貫通孔12c及び第2連通孔131bを介して第2エア室13b内に挿通されている。
【0020】
第1連通部C1には第1排気通路E1が接続されるとともに、第1排気通路E1には第1電磁弁V1が設けられている。第2連通部C2には第2排気通路E2が接続されるとともに、第2排気通路E2には第2電磁弁V2が設けられている。第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2は、第1エア室13a及び第2エア室13bに供給されたエアを第1排気通路E1及び第2排気通路E2を介して大気へ排出するための排気弁として機能する。具体的には、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が閉弁された状態では、加圧ポンプPから供給されたエアはエアチューブCを介して第1エア室13a及び第2エア室13bに供給されるようになっている。一方、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が開弁された状態では、第1エア室13a及び第2エア室13bに供給されたエアが、第1排気通路E1及び第2排気通路E2、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を介して大気へ排出されるようになっている。加圧ポンプP、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2の駆動は、本体部12内に内蔵された制御部Sにより制御されるようになっている。
【0021】
使用者が操作部19のマッサージモード切替ボタンを押して、マッサージモードをONにすると、制御部Sは、加圧ポンプPを駆動するように加圧ポンプPを制御するとともに、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が閉弁になるように第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を制御する。すると、加圧ポンプPからエアチューブCに供給されたエアが、第1連通部C1を介して第1エア室13aに供給されるとともに、加圧ポンプPからエアチューブCに供給されたエアが第2連通部C2を介して第2エア室13bに供給され、エアバック13全体が膨張するようになっている。
【0022】
また、第1エア室13a及び第2エア室13bにエアが所定量供給されると、制御部Sは、加圧ポンプPの駆動を一時停止するように加圧ポンプPを制御するとともに、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が開弁状態になるように第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を制御する。すると、第1エア室13a及び第2エア室13bのエアが、第1排気通路E1及び第2排気通路E2、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を介して大気へ排出されて、エアバック13全体が膨張状態から元の膨張する前の状態に戻る。尚、制御部Sが、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2の開弁のタイミングを制御することで、例えば、エアバック13において、第1エア室13a側の部位のみを膨張させたり、第2エア室13b側の部位のみを膨張させたりすることが可能となる。
【0023】
図4に示すように、本体部12の上面12aにおける一長側面121側の中央にはヒータ部Hが設けられている。具体的には、ヒータ部Hは、第1指圧プレート15と第2指圧プレート16とに挟まれた位置に設けられている。
【0024】
ヒータ部Hは、本体部12の上面12aから上方に向けて突出する突出部H1を有している。突出部H1の上端には、ヒータ素子H2が埋設されている。ヒータ素子H2は、使用者が操作部19のヒータモード切替ボタンを押して、ヒータモードをONにすると、図示しない電圧印加部から所定の電圧(12V)がヒータ素子H2に印加されて、ヒータ素子H2自身が発熱するようになっている。ヒータ素子H2の上側には、平板状をなすアルミニウム製のヒータプレートH3が配設されている。ヒータプレートH3は、ヒータ素子H2から発せられる熱が伝達されるようになっている。さらに、ヒータプレートH3の上側には平板状のヒータカバーH4が配設されている。このヒータカバーH4によりヒータプレートH3全体が被覆されている。
【0025】
本体部12の上面12aにおいて、操作部19と、第1指圧プレート15及び第3指圧プレート17との間には、第1取付部21が枠状に突設されるとともに、第1取付部21には第1挿入部21aが形成されている。また、本体部12の一長側面121の中央には第2取付部22が枠状に突設されるとともに、第2取付部22には第2挿入部22aが形成されている。さらに、本体部12における他短側面124には第3取付部23が枠状に突設されるとともに、第3取付部23には第3挿入部23aが形成されている。第1取付部21及び第3取付部23は、本体部12の長手方向に沿う直線上に位置している。
【0026】
図5に示すように、マッサージ機本体11には第1〜第3取付部21,22,23を利用して規制手段としてのベルト25が取り付けられる。ベルト25は、足先の甲(足首から足指の付け根までの部位)に密着するように足先の甲に対してベルト25が締め付けられても、足先の甲が痛むことがない柔らかい材質で形成されており、足先の甲に沿うように変形可能になっている。ベルト25の両端には所定の長さを有する貼着部T[例えばマジックテープ(登録商標)]が設けられている。
【0027】
ベルト25をマッサージ機本体11に取り付けるには、まず、ベルト25の一端を、第1取付部21の第1挿入部21aに対して本体部12の一短側面123側から挿入する。続いて、第1挿入部21aを通過したベルト25の一端を、第2取付部22の第2挿入部22aに対して上方から挿入する。続いて、第2挿入部22aを通過したベルト25の一端を、第3取付部23の第3挿入部23aに対して上方から挿入する。第3挿入部23aを通過したベルト25の一端は、ベルト25の他端に対して貼着部Tを用いて貼着される。このようにして、ベルト25は、マッサージ機本体11に対してマッサージ機本体11の上方を通過するように架け渡される。また、ベルト25は、貼着部Tにより足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されている。
【0028】
次に、本体カバー31について説明する。
図1及び図6に示すように、本体カバー31は発泡性材料から形成されるとともに可撓性を有しており、略円板状の底壁32と、底壁32の外周縁から上方に向けて弧状に湾曲するように膨らむ周壁33とを有している。周壁33には開口34が形成されている。開口34の大きさは両足先が挿入可能な大きさになっている。周壁33における開口34よりも奥側は、足先を本体カバー31の内側に挿入すると、爪先から足先の甲に至る部位を被覆可能になっている。よって、本実施形態では、周壁33における開口34よりも奥側は、爪先から足先の甲に至る部位を被覆する被覆部35になっている。また、周壁33における開口34周りには係止孔38が所定の間隔をあけて複数(本実施形態では8つ)形成されている。
【0029】
図6に示すように、底壁32には、マッサージ機本体11が取り付けられる取付凹部36が形成されている。取付凹部36の底面36aには、本体部12の底面から突出形成された位置決め部12eが嵌合される位置決め孔37が形成されている。そして、マッサージ機本体11は、本体部12を取付凹部36に対して嵌め込むとともに、位置決め部12eを位置決め孔37に嵌合させることで、本体カバー31に対して位置決めされた状態で取り付けられる。マッサージ機本体11が本体カバー31に取り付けられた状態では、被覆部35によりベルト25のほぼ全体が覆われている。また、マッサージ機本体11が本体カバー31に取り付けられた状態において、位置決め部12eの底面は位置決め孔37を介して外方に臨んでいる。
【0030】
次に、挿入部材41について説明する。
図1に示すように、挿入部材41は布製であるとともに袋状をなしており、右足先が挿入可能な右足先挿入部42と、左足先が挿入可能な左足先挿入部43とを有している。挿入部材41の開口41aの大きさは両足先が挿入可能な大きさになっている。挿入部材41における開口41a周りには、本体カバー31の係止孔38に係止可能な係止突起44が複数(本実施形態では8つ)設けられている。係止突起44は、挿入部材41における開口41a周りに取り付けられる円板状の取付部44aと、取付部44aの一面から直交する方向へ延びる延設部44bと、延設部44bの先端から外方へ突出して本体カバー31の係止孔38周りに係止可能な係止部44cとから構成されている。
【0031】
図7に示すように、挿入部材41は、本体カバー31の開口34を介して本体カバー31内に挿入され、ベルト25の内側(ベルト25とマッサージ機本体11との間)に配置されるようになっている。具体的には、ベルト25における第1取付部21と第2取付部22との間で架け渡された部位の下側に右足先挿入部42が配置されるとともに、ベルト25における第2取付部22と第3取付部23との間で架け渡された部位の下側に左足先挿入部43が配置される。さらに、ベルト25における第3取付部23と第1取付部21との間で架け渡された部位の下側に、挿入部材41における足先の甲の上方に位置する部位が配置される。
【0032】
図8に示すように、挿入部材41がベルト25の内側に配置された状態において、各係止突起44を各係止孔38に係止させる。具体的には、図9に示すように、係止突起44を係止孔38に対して強制的に挿入する。すると、係止部44cが係止孔38を通過するとともに、係止部44cが係止孔38周りに係止される。これにより、挿入部材41が本体カバー31に対して着脱可能に取り付けられる。このようにして、本実施形態のマッサージ機10が構成される。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。尚、使用者は、ベルト25が使用者の足先の甲に密着するように、足先の甲に対するベルト25の締め付け具合が貼着部Tにより予め調整されているものとする。
【0034】
図10に示すように、使用者は、両足先を挿入部材41内に挿入する(図10においては右足先のみ図示)。すると、図11に示すように、足の親指がヒータ部H上に接触するとともに、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aの頂部151a,161a,171a,181aが足裏に接触する。すなわち、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aは、足先の長手方向に沿って配置されている。また、被覆部35により爪先から足先の甲に至る部位が被覆される。
【0035】
続いて、使用者は、操作部19のマッサージモード切替ボタンを押して、マッサージモードをONにする。すると、エアバック13が膨張する。このとき、ベルト25により足先の甲がマッサージ機本体11側へ締め付けられているため、エアバック13の膨張に追従して足先が上方へ移動してしまうことが防止される。その結果として、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aが足裏に押し付けられ、効果的に足裏のマッサージが施される。
【0036】
また、使用者が操作部19のヒータモード切替ボタンを押して、ヒータモードをONにすることで、ヒータ部Hが加温されるため、足の親指を中心として足裏が温められる。さらには、被覆部35により爪先から足先の甲に至る部位が被覆されているため、マッサージ機10を使用している際に足先が冷え難く、使用者は快適な状態でマッサージ機10を使用することが可能となる。
【0037】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)マッサージ機10において、マッサージ機本体11に置かれた足先がエアバック13の膨張に追従して上方へ移動してしまうことを規制するベルト25を、マッサージ機本体11に置かれた足先の甲に対向する位置に設けた。よって、エアバック13が膨張した際に、足先が上方へ移動してしまうことをベルト25により防止することができ、効果的に足裏のマッサージを施すことができる。
【0038】
(2)ベルト25は、足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されている。よって、足のサイズに応じてベルト25における足先への締め付け具合を調整することができるため、使用者の足のサイズに関係無く、エアバック13の膨張に追従して足先が上方に移動してしまうことを効率良く防止することができる。
【0039】
(3)ベルト25の内側(ベルト25とマッサージ機本体11との間)に挿入部材41を配置した。よって、使用者は、挿入部材41に足先を挿入するだけで、ベルト25の内側に足先を位置させることができる。したがって、例えば、ベルト25の内側に挿入部材41を配置していない状態で、ベルト25の内側に足先を挿入しようとしたときに、足先にベルト25が引っ掛かってしまうことがなく、マッサージ機10の使い勝手を向上させることができる。
【0040】
(4)挿入部材41は本体カバー31に対して着脱可能に取り付けられている。よって、挿入部材41を本体カバー31から取り外して、挿入部材41をクリーニング(洗濯)することができ、清潔感を維持した状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0041】
(5)マッサージ機10にベルト25を覆う被覆部35を設けた。よって、例えば、ベルト25の締め付け力が弱まっていた場合に、エアバック13の膨張に追従して足先が上方へ移動してしまうことを被覆部35により抑制することができる。
【0042】
(6)本体カバー31は可撓性を有している。よって、足先を挿入する際に、被覆部35に足先が接触したとしても、被覆部35が足先に追従して撓むため、被覆部35が邪魔にならずにスムーズに足先を本体カバー31内に挿入することができる。
【0043】
(7)挿入部材41には係止突起44が設けられるとともに、本体カバー31には係止突起44が係止可能な係止孔38が形成されている。よって、係止突起44と係止孔38との係止により、挿入部材41を本体カバー31に対して容易に取り付けることができるとともに、係止突起44と係止孔38との係止を解除するだけで、挿入部材41における被覆部35に対しての取り外しを容易に行うことができる。
【0044】
(8)マッサージ機10において、マッサージ機本体11に置かれた足の爪先から足先の甲に至る部位を被覆する被覆部35を設けた。よって、足先が露出してしまっている構成のマッサージ機に比べると、マッサージ機10を使用している際に足先が冷え難く、使用者は快適な状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0045】
(9)本体カバー31は発泡性材料から形成されている。発泡性材料は保温性が良いため、足先を効率良く温めることができる。
(10)足裏を温めるヒータ部Hをマッサージ機本体11にさらに備えた。よって、ヒータ部Hによって足裏を効率良く温めることができるため、使用者はより快適な状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0046】
(11)マッサージ機10において、ヒータ部Hを、マッサージ機本体11に置かれた足先の親指に対向する位置に設けるとともに、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aを、ヒータ部Hを挟むように足の長手方向に沿うように配置した。よって、足裏の中でも特に感じ易い親指をヒータ部Hにより温めつつも、足裏の大部分を各ツボ押し部15a,16a,17a,18aにより指圧することができるため、マッサージ効果と保温効果とを両立させることができ、使用者は快適な状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0047】
(12)各ツボ押し部15a,16a,17a,18aの頂部151a,161a,171a,181aに足裏が接触した状態で、ヒータ部Hが足裏に接触するようにヒータ部Hがマッサージ機本体11側から足裏に向けて突出している。よって、ヒータ部Hが足裏に接触していない場合に比べると、足裏を効率良く温めることができる。
【0048】
(13)挿入部材41の内側に足先を挿入しているため、挿入部材41が無い場合に比べると、保温性をさらに高めることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0049】
・実施形態において、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aの頂部151a,161a,171a,181aに足裏が接触した状態で、ヒータ部Hが足裏に接触するようにヒータ部Hがマッサージ機本体11側から足裏に向けて突出していなくてもよい。
【0050】
・実施形態において、ヒータ部Hの配置位置は、足の親指に対向する位置でなくてもよく、例えば、足裏のほぼ全体にヒータ部が設けられていてもよい。また、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aは、ヒータ部Hを挟むように足の長手方向に沿うように配置されていなくてもよい。
【0051】
・実施形態において、ヒータ部Hを削除してもよい。
・実施形態において、本体カバー31が発泡性材料から形成されていなくてもよく、例えば、ゴム材料や樹脂材料から形成されていてもよい。
【0052】
・実施形態において、本体カバー31が可撓性を有していなくてもよい。
・実施形態において、本体カバー31を削除してもよい。
・実施形態において、挿入部材41は被覆部35に着脱可能に取り付けられていなくてもよく、例えば、ベルト25に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0053】
・実施形態において、挿入部材41が本体カバー31に対して一体的に設けられていてもよい。すなわち、挿入部材41が本体カバー31に対して着脱不可能な構成であってもよい。
【0054】
・実施形態において、挿入部材41が布製でなくてもよく、例えば、ゴム材料や樹脂材料から形成されていてもよい。
・実施形態において、挿入部材41を削除してもよい。
【0055】
・実施形態において、ベルト25は、足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整することができない構成であってもよい。
・実施形態において、規制手段として、ベルト25を適用したが、これに限らず、例えば紐であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…マッサージ機、11…マッサージ機本体、13…エアバック、25…規制手段としてのベルト、35…被覆部、38…係止孔、41…挿入部材、44…係止突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバックを用いて足裏をマッサージするマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のマッサージ機として、例えば特許文献1のものがある。特許文献1のマッサージ機を構成する足先用マッサージユニットは、その本体部であるユニット筐体を有している。ユニット筐体には、被施療者(使用者)の足先(くるぶしよりも下の部分)が挿入可能な一対の凹部が形成されている。一対の凹部は、底壁と、底壁の両端から上方に向けて互いに平行に延びる一対の第1側壁と、各第1側壁と平行に延びるとともに底壁における各第1側壁の間から突設された第2側壁とから形成されている。各凹部は、上方及び前後両方が開放されている。
【0003】
各第1側壁における第2側壁と対向する側面には側面エアバックが設けられている。また、第2側壁の両側面(各第1側壁と対向する側面)には弾性部材が設けられている。さらに、底壁には底面エアバックが設けられている。底面エアバックにはウレタン樹脂等からなる指圧子が突設されている。
【0004】
そして、両足先を各凹部に挿入した状態で、側面エアバックを膨張させると、この側面エアバックの膨張によって被施療者の足先が弾性部材側へ押圧されて、被施療者の足先が弾性部材に埋没していく。これにより、被施療者の足先が凹部に保持される。そして、底面エアバックを膨張させると、凹部に保持された足先の足裏が指圧子によって指圧マッサージされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−230020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、側面エアバックの膨張により、足先の側方から足先を弾性部材に向けて押し付けているだけであるため、底面エアバックの膨張に追従して足先が上方へ移動してしまう虞がある。底面エアバックの膨張に追従して足先が上方へ移動してしまうと、指圧子を足裏に押し付けることができず、足裏を効果的にマッサージすることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、足先の上方への移動を規制して、効果的に足裏のマッサージを施すことができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のマッサージ機は、マッサージ機本体に置かれた足先の足裏を前記マッサージ機本体に設けられたエアバックを用いてマッサージするマッサージ機において、前記エアバックの膨張に追従して前記マッサージ機本体に置かれた足先が上方へ移動してしまうことを規制する規制手段が、前記マッサージ機本体に置かれた足先の甲に対向する位置に設けられていることを特徴とする。
【0009】
このマッサージ機において、前記規制手段が足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されていることが好ましい。
このマッサージ機において、前記規制手段は、前記マッサージ機本体に対して前記マッサージ機本体の上方を通過するように架け渡されたベルトであり、前記ベルトと前記マッサージ機本体との間には、足先を挿入可能な挿入部材が設けられていることが好ましい。
【0010】
このマッサージ機において、前記挿入部材は、前記ベルトに対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
このマッサージ機において、前記規制手段を覆う被覆部をさらに備えたことが好ましい。
【0011】
このマッサージ機において、前記被覆部は可撓性を有していることが好ましい。
このマッサージ機において、前記挿入部材には係止突起が設けられるとともに、前記被覆部には前記係止突起に係止可能な係止孔が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、足先の上方への移動を規制して、効果的に足裏のマッサージを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における挿入部材、本体カバー、マッサージ機本体及びベルトを示す分解斜視図である。
【図2】マッサージ機本体の分解斜視図である。
【図3】エアバックの回路図である。
【図4】マッサージ機本体の平面図である。
【図5】マッサージ機本体にベルトが取り付けられた状態を示す平面図である。
【図6】マッサージ機本体が本体カバーに取り付けられた状態を示す部分断面図である。
【図7】挿入部材をベルトの内側に配置した状態を示す部分平面図である。
【図8】挿入部材が本体カバーに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】挿入部材の係止突起が本体カバーの係止孔に対して係止している状態を示す部分断面図である。
【図10】挿入部材の内側に足先を挿入した状態を示す部分断面図である。
【図11】足裏とマッサージ機本体との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、足裏をマッサージするために用いられるマッサージ機に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、マッサージ機10は、足先(くるぶしよりも下の部分)が置かれるマッサージ機本体11と、マッサージ機本体11が取り付けられた本体カバー31と、本体カバー31の内部に挿入される挿入部材41とを有している。
【0015】
まず、マッサージ機本体11について説明する。
図2に示すように、マッサージ機本体11は略矩形箱状の本体部12を有しており、本体部12の上面12aの中央部には、第1貫通孔12b及び第2貫通孔12cが形成されている。第1貫通孔12b及び第2貫通孔12cは、本体部12の短手方向(図2に示す矢印Y1の方向)に沿って所定の間隔をあけて配置されている。本体部12の上面12aにはエアバック13が載置される。
【0016】
エアバック13は、第1エア室13aと第2エア室13bとに区画された構成になっている。第1エア室13aは、本体部12の一長側面121側に位置するとともに本体部12の長手方向(図2に示す矢印Y2の方向)に沿って延びるように配置されている。第2エア室13bは、本体部12の他長側面122側に位置するとともに本体部12の長手方向に沿って延びるように配置されている。エアバック13には、第1エア室13a内に連通する第1連通孔131aと、第2エア室13b内に連通する第2連通孔131bとが形成されている。本体部12の上面12aにエアバック13が載置された状態において、第1連通孔131aは第1貫通孔12bと重なるとともに、第2連通孔131bは第2貫通孔12cと重なるようになっている。
【0017】
エアバック13の上面には、布製のシート材14を介して第1〜第4指圧プレート15,16,17,18が配設される。第1指圧プレート15及び第2指圧プレート16は平面視L字状をなしている。第1指圧プレート15及び第2指圧プレート16は、第1連通孔131aを挟むとともに所定の間隔をあけて本体部12の両短側面123,124側に第1エア室13aと重なるように配置される。第1指圧プレート15及び第2指圧プレート16の上面には、ツボ押し部15a,16aが複数(本実施形態では3つずつ)突出している。第3指圧プレート17及び第4指圧プレート18は平面視矩形状をなしている。第3指圧プレート17及び第4指圧プレート18は、第2連通孔131bを挟むとともに所定の間隔をあけて本体部12の両短側面123,124側に第2エア室13bと重なるように配置される。第3指圧プレート17及び第4指圧プレート18の上面には、ツボ押し部17a,18aが複数(本実施形態では2つずつ)突出している。
【0018】
第1指圧プレート15及び第3指圧プレート17は、本体部12の短手方向に並んで配置されている。よって、各ツボ押し部15a,17aは、本体部12の短手方向に並んで配置されている。第2指圧プレート16及び第4指圧プレート18は、本体部12の短手方向に並んで配置されている。よって、各ツボ押し部16a,18aは、本体部12の短手方向に並んで配置されている。また、本体部12の一短側面123側には操作部19が設けられている。操作部19は、マッサージ機10のマッサージモードをON又はOFFに切り替えるマッサージモード切替ボタンと、マッサージ機10のヒータモードをON又はOFFに切り替えるヒータモード切替ボタンとを有している。
【0019】
図3に示すように、本体部12内には、第1エア室13a及び第2エア室13bにエアを送り込むための加圧ポンプPが内蔵されている。加圧ポンプPにはエアチューブCの一端が接続されている。エアチューブCの他端側は、第1エア室13aに連通する第1連通部C1と、第2エア室13bに連通する第2連通部C2とに分岐されている。第1連通部C1は、第1貫通孔12b及び第1連通孔131aを介して第1エア室13a内に挿通されている。第2連通部C2は、第2貫通孔12c及び第2連通孔131bを介して第2エア室13b内に挿通されている。
【0020】
第1連通部C1には第1排気通路E1が接続されるとともに、第1排気通路E1には第1電磁弁V1が設けられている。第2連通部C2には第2排気通路E2が接続されるとともに、第2排気通路E2には第2電磁弁V2が設けられている。第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2は、第1エア室13a及び第2エア室13bに供給されたエアを第1排気通路E1及び第2排気通路E2を介して大気へ排出するための排気弁として機能する。具体的には、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が閉弁された状態では、加圧ポンプPから供給されたエアはエアチューブCを介して第1エア室13a及び第2エア室13bに供給されるようになっている。一方、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が開弁された状態では、第1エア室13a及び第2エア室13bに供給されたエアが、第1排気通路E1及び第2排気通路E2、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を介して大気へ排出されるようになっている。加圧ポンプP、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2の駆動は、本体部12内に内蔵された制御部Sにより制御されるようになっている。
【0021】
使用者が操作部19のマッサージモード切替ボタンを押して、マッサージモードをONにすると、制御部Sは、加圧ポンプPを駆動するように加圧ポンプPを制御するとともに、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が閉弁になるように第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を制御する。すると、加圧ポンプPからエアチューブCに供給されたエアが、第1連通部C1を介して第1エア室13aに供給されるとともに、加圧ポンプPからエアチューブCに供給されたエアが第2連通部C2を介して第2エア室13bに供給され、エアバック13全体が膨張するようになっている。
【0022】
また、第1エア室13a及び第2エア室13bにエアが所定量供給されると、制御部Sは、加圧ポンプPの駆動を一時停止するように加圧ポンプPを制御するとともに、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2が開弁状態になるように第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を制御する。すると、第1エア室13a及び第2エア室13bのエアが、第1排気通路E1及び第2排気通路E2、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2を介して大気へ排出されて、エアバック13全体が膨張状態から元の膨張する前の状態に戻る。尚、制御部Sが、第1電磁弁V1及び第2電磁弁V2の開弁のタイミングを制御することで、例えば、エアバック13において、第1エア室13a側の部位のみを膨張させたり、第2エア室13b側の部位のみを膨張させたりすることが可能となる。
【0023】
図4に示すように、本体部12の上面12aにおける一長側面121側の中央にはヒータ部Hが設けられている。具体的には、ヒータ部Hは、第1指圧プレート15と第2指圧プレート16とに挟まれた位置に設けられている。
【0024】
ヒータ部Hは、本体部12の上面12aから上方に向けて突出する突出部H1を有している。突出部H1の上端には、ヒータ素子H2が埋設されている。ヒータ素子H2は、使用者が操作部19のヒータモード切替ボタンを押して、ヒータモードをONにすると、図示しない電圧印加部から所定の電圧(12V)がヒータ素子H2に印加されて、ヒータ素子H2自身が発熱するようになっている。ヒータ素子H2の上側には、平板状をなすアルミニウム製のヒータプレートH3が配設されている。ヒータプレートH3は、ヒータ素子H2から発せられる熱が伝達されるようになっている。さらに、ヒータプレートH3の上側には平板状のヒータカバーH4が配設されている。このヒータカバーH4によりヒータプレートH3全体が被覆されている。
【0025】
本体部12の上面12aにおいて、操作部19と、第1指圧プレート15及び第3指圧プレート17との間には、第1取付部21が枠状に突設されるとともに、第1取付部21には第1挿入部21aが形成されている。また、本体部12の一長側面121の中央には第2取付部22が枠状に突設されるとともに、第2取付部22には第2挿入部22aが形成されている。さらに、本体部12における他短側面124には第3取付部23が枠状に突設されるとともに、第3取付部23には第3挿入部23aが形成されている。第1取付部21及び第3取付部23は、本体部12の長手方向に沿う直線上に位置している。
【0026】
図5に示すように、マッサージ機本体11には第1〜第3取付部21,22,23を利用して規制手段としてのベルト25が取り付けられる。ベルト25は、足先の甲(足首から足指の付け根までの部位)に密着するように足先の甲に対してベルト25が締め付けられても、足先の甲が痛むことがない柔らかい材質で形成されており、足先の甲に沿うように変形可能になっている。ベルト25の両端には所定の長さを有する貼着部T[例えばマジックテープ(登録商標)]が設けられている。
【0027】
ベルト25をマッサージ機本体11に取り付けるには、まず、ベルト25の一端を、第1取付部21の第1挿入部21aに対して本体部12の一短側面123側から挿入する。続いて、第1挿入部21aを通過したベルト25の一端を、第2取付部22の第2挿入部22aに対して上方から挿入する。続いて、第2挿入部22aを通過したベルト25の一端を、第3取付部23の第3挿入部23aに対して上方から挿入する。第3挿入部23aを通過したベルト25の一端は、ベルト25の他端に対して貼着部Tを用いて貼着される。このようにして、ベルト25は、マッサージ機本体11に対してマッサージ機本体11の上方を通過するように架け渡される。また、ベルト25は、貼着部Tにより足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されている。
【0028】
次に、本体カバー31について説明する。
図1及び図6に示すように、本体カバー31は発泡性材料から形成されるとともに可撓性を有しており、略円板状の底壁32と、底壁32の外周縁から上方に向けて弧状に湾曲するように膨らむ周壁33とを有している。周壁33には開口34が形成されている。開口34の大きさは両足先が挿入可能な大きさになっている。周壁33における開口34よりも奥側は、足先を本体カバー31の内側に挿入すると、爪先から足先の甲に至る部位を被覆可能になっている。よって、本実施形態では、周壁33における開口34よりも奥側は、爪先から足先の甲に至る部位を被覆する被覆部35になっている。また、周壁33における開口34周りには係止孔38が所定の間隔をあけて複数(本実施形態では8つ)形成されている。
【0029】
図6に示すように、底壁32には、マッサージ機本体11が取り付けられる取付凹部36が形成されている。取付凹部36の底面36aには、本体部12の底面から突出形成された位置決め部12eが嵌合される位置決め孔37が形成されている。そして、マッサージ機本体11は、本体部12を取付凹部36に対して嵌め込むとともに、位置決め部12eを位置決め孔37に嵌合させることで、本体カバー31に対して位置決めされた状態で取り付けられる。マッサージ機本体11が本体カバー31に取り付けられた状態では、被覆部35によりベルト25のほぼ全体が覆われている。また、マッサージ機本体11が本体カバー31に取り付けられた状態において、位置決め部12eの底面は位置決め孔37を介して外方に臨んでいる。
【0030】
次に、挿入部材41について説明する。
図1に示すように、挿入部材41は布製であるとともに袋状をなしており、右足先が挿入可能な右足先挿入部42と、左足先が挿入可能な左足先挿入部43とを有している。挿入部材41の開口41aの大きさは両足先が挿入可能な大きさになっている。挿入部材41における開口41a周りには、本体カバー31の係止孔38に係止可能な係止突起44が複数(本実施形態では8つ)設けられている。係止突起44は、挿入部材41における開口41a周りに取り付けられる円板状の取付部44aと、取付部44aの一面から直交する方向へ延びる延設部44bと、延設部44bの先端から外方へ突出して本体カバー31の係止孔38周りに係止可能な係止部44cとから構成されている。
【0031】
図7に示すように、挿入部材41は、本体カバー31の開口34を介して本体カバー31内に挿入され、ベルト25の内側(ベルト25とマッサージ機本体11との間)に配置されるようになっている。具体的には、ベルト25における第1取付部21と第2取付部22との間で架け渡された部位の下側に右足先挿入部42が配置されるとともに、ベルト25における第2取付部22と第3取付部23との間で架け渡された部位の下側に左足先挿入部43が配置される。さらに、ベルト25における第3取付部23と第1取付部21との間で架け渡された部位の下側に、挿入部材41における足先の甲の上方に位置する部位が配置される。
【0032】
図8に示すように、挿入部材41がベルト25の内側に配置された状態において、各係止突起44を各係止孔38に係止させる。具体的には、図9に示すように、係止突起44を係止孔38に対して強制的に挿入する。すると、係止部44cが係止孔38を通過するとともに、係止部44cが係止孔38周りに係止される。これにより、挿入部材41が本体カバー31に対して着脱可能に取り付けられる。このようにして、本実施形態のマッサージ機10が構成される。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。尚、使用者は、ベルト25が使用者の足先の甲に密着するように、足先の甲に対するベルト25の締め付け具合が貼着部Tにより予め調整されているものとする。
【0034】
図10に示すように、使用者は、両足先を挿入部材41内に挿入する(図10においては右足先のみ図示)。すると、図11に示すように、足の親指がヒータ部H上に接触するとともに、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aの頂部151a,161a,171a,181aが足裏に接触する。すなわち、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aは、足先の長手方向に沿って配置されている。また、被覆部35により爪先から足先の甲に至る部位が被覆される。
【0035】
続いて、使用者は、操作部19のマッサージモード切替ボタンを押して、マッサージモードをONにする。すると、エアバック13が膨張する。このとき、ベルト25により足先の甲がマッサージ機本体11側へ締め付けられているため、エアバック13の膨張に追従して足先が上方へ移動してしまうことが防止される。その結果として、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aが足裏に押し付けられ、効果的に足裏のマッサージが施される。
【0036】
また、使用者が操作部19のヒータモード切替ボタンを押して、ヒータモードをONにすることで、ヒータ部Hが加温されるため、足の親指を中心として足裏が温められる。さらには、被覆部35により爪先から足先の甲に至る部位が被覆されているため、マッサージ機10を使用している際に足先が冷え難く、使用者は快適な状態でマッサージ機10を使用することが可能となる。
【0037】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)マッサージ機10において、マッサージ機本体11に置かれた足先がエアバック13の膨張に追従して上方へ移動してしまうことを規制するベルト25を、マッサージ機本体11に置かれた足先の甲に対向する位置に設けた。よって、エアバック13が膨張した際に、足先が上方へ移動してしまうことをベルト25により防止することができ、効果的に足裏のマッサージを施すことができる。
【0038】
(2)ベルト25は、足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されている。よって、足のサイズに応じてベルト25における足先への締め付け具合を調整することができるため、使用者の足のサイズに関係無く、エアバック13の膨張に追従して足先が上方に移動してしまうことを効率良く防止することができる。
【0039】
(3)ベルト25の内側(ベルト25とマッサージ機本体11との間)に挿入部材41を配置した。よって、使用者は、挿入部材41に足先を挿入するだけで、ベルト25の内側に足先を位置させることができる。したがって、例えば、ベルト25の内側に挿入部材41を配置していない状態で、ベルト25の内側に足先を挿入しようとしたときに、足先にベルト25が引っ掛かってしまうことがなく、マッサージ機10の使い勝手を向上させることができる。
【0040】
(4)挿入部材41は本体カバー31に対して着脱可能に取り付けられている。よって、挿入部材41を本体カバー31から取り外して、挿入部材41をクリーニング(洗濯)することができ、清潔感を維持した状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0041】
(5)マッサージ機10にベルト25を覆う被覆部35を設けた。よって、例えば、ベルト25の締め付け力が弱まっていた場合に、エアバック13の膨張に追従して足先が上方へ移動してしまうことを被覆部35により抑制することができる。
【0042】
(6)本体カバー31は可撓性を有している。よって、足先を挿入する際に、被覆部35に足先が接触したとしても、被覆部35が足先に追従して撓むため、被覆部35が邪魔にならずにスムーズに足先を本体カバー31内に挿入することができる。
【0043】
(7)挿入部材41には係止突起44が設けられるとともに、本体カバー31には係止突起44が係止可能な係止孔38が形成されている。よって、係止突起44と係止孔38との係止により、挿入部材41を本体カバー31に対して容易に取り付けることができるとともに、係止突起44と係止孔38との係止を解除するだけで、挿入部材41における被覆部35に対しての取り外しを容易に行うことができる。
【0044】
(8)マッサージ機10において、マッサージ機本体11に置かれた足の爪先から足先の甲に至る部位を被覆する被覆部35を設けた。よって、足先が露出してしまっている構成のマッサージ機に比べると、マッサージ機10を使用している際に足先が冷え難く、使用者は快適な状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0045】
(9)本体カバー31は発泡性材料から形成されている。発泡性材料は保温性が良いため、足先を効率良く温めることができる。
(10)足裏を温めるヒータ部Hをマッサージ機本体11にさらに備えた。よって、ヒータ部Hによって足裏を効率良く温めることができるため、使用者はより快適な状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0046】
(11)マッサージ機10において、ヒータ部Hを、マッサージ機本体11に置かれた足先の親指に対向する位置に設けるとともに、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aを、ヒータ部Hを挟むように足の長手方向に沿うように配置した。よって、足裏の中でも特に感じ易い親指をヒータ部Hにより温めつつも、足裏の大部分を各ツボ押し部15a,16a,17a,18aにより指圧することができるため、マッサージ効果と保温効果とを両立させることができ、使用者は快適な状態でマッサージ機10を使用することができる。
【0047】
(12)各ツボ押し部15a,16a,17a,18aの頂部151a,161a,171a,181aに足裏が接触した状態で、ヒータ部Hが足裏に接触するようにヒータ部Hがマッサージ機本体11側から足裏に向けて突出している。よって、ヒータ部Hが足裏に接触していない場合に比べると、足裏を効率良く温めることができる。
【0048】
(13)挿入部材41の内側に足先を挿入しているため、挿入部材41が無い場合に比べると、保温性をさらに高めることができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0049】
・実施形態において、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aの頂部151a,161a,171a,181aに足裏が接触した状態で、ヒータ部Hが足裏に接触するようにヒータ部Hがマッサージ機本体11側から足裏に向けて突出していなくてもよい。
【0050】
・実施形態において、ヒータ部Hの配置位置は、足の親指に対向する位置でなくてもよく、例えば、足裏のほぼ全体にヒータ部が設けられていてもよい。また、各ツボ押し部15a,16a,17a,18aは、ヒータ部Hを挟むように足の長手方向に沿うように配置されていなくてもよい。
【0051】
・実施形態において、ヒータ部Hを削除してもよい。
・実施形態において、本体カバー31が発泡性材料から形成されていなくてもよく、例えば、ゴム材料や樹脂材料から形成されていてもよい。
【0052】
・実施形態において、本体カバー31が可撓性を有していなくてもよい。
・実施形態において、本体カバー31を削除してもよい。
・実施形態において、挿入部材41は被覆部35に着脱可能に取り付けられていなくてもよく、例えば、ベルト25に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0053】
・実施形態において、挿入部材41が本体カバー31に対して一体的に設けられていてもよい。すなわち、挿入部材41が本体カバー31に対して着脱不可能な構成であってもよい。
【0054】
・実施形態において、挿入部材41が布製でなくてもよく、例えば、ゴム材料や樹脂材料から形成されていてもよい。
・実施形態において、挿入部材41を削除してもよい。
【0055】
・実施形態において、ベルト25は、足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整することができない構成であってもよい。
・実施形態において、規制手段として、ベルト25を適用したが、これに限らず、例えば紐であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…マッサージ機、11…マッサージ機本体、13…エアバック、25…規制手段としてのベルト、35…被覆部、38…係止孔、41…挿入部材、44…係止突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ機本体に置かれた足先の足裏を前記マッサージ機本体に設けられたエアバックを用いてマッサージするマッサージ機において、
前記エアバックの膨張に追従して前記マッサージ機本体に置かれた足先が上方へ移動してしまうことを規制する規制手段が、前記マッサージ機本体に置かれた足先の甲に対向する位置に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記規制手段が足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機において、
前記規制手段は、前記マッサージ機本体に対して前記マッサージ機本体の上方を通過するように架け渡されたベルトであり、
前記ベルトと前記マッサージ機本体との間には、足先を挿入可能な挿入部材が設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項3に記載のマッサージ機において、
前記挿入部材は、前記ベルトに対して着脱可能に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記規制手段を覆う被覆部をさらに備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項5に記載のマッサージ機において、
前記被覆部は可撓性を有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項6に記載のマッサージ機において、
前記挿入部材には係止突起が設けられるとともに、前記被覆部には前記係止突起に係止可能な係止孔が形成されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項1】
マッサージ機本体に置かれた足先の足裏を前記マッサージ機本体に設けられたエアバックを用いてマッサージするマッサージ機において、
前記エアバックの膨張に追従して前記マッサージ機本体に置かれた足先が上方へ移動してしまうことを規制する規制手段が、前記マッサージ機本体に置かれた足先の甲に対向する位置に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記規制手段が足先の甲に密着するように足先の甲に対して締め付け調整可能に構成されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機において、
前記規制手段は、前記マッサージ機本体に対して前記マッサージ機本体の上方を通過するように架け渡されたベルトであり、
前記ベルトと前記マッサージ機本体との間には、足先を挿入可能な挿入部材が設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項3に記載のマッサージ機において、
前記挿入部材は、前記ベルトに対して着脱可能に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記規制手段を覆う被覆部をさらに備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項5に記載のマッサージ機において、
前記被覆部は可撓性を有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項6に記載のマッサージ機において、
前記挿入部材には係止突起が設けられるとともに、前記被覆部には前記係止突起に係止可能な係止孔が形成されていることを特徴とするマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−509(P2013−509A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137360(P2011−137360)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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