説明

マッサージ機

【課題】マッサージ機において、より安全性を向上させることにある。
【解決手段】両肘掛け部20が組み付けられることで、両マイクロスイッチ15R,15Lがオン状態となる。両マイクロスイッチ15R,15Lがオン状態となったときにのみ、マッサージ機10の動作が可能となる。よって、肘掛け部20の組み付けが未完了である場合に、マッサージ機10が動作することが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子に配置される施療子及びエアバッグを動作させることで、ユーザの施療部位に対して押圧や圧迫等のマッサージを行うマッサージ機が存在する。この種のマッサージ機は、一般的に、座部、背もたれ部、足載せ台(オットマン)、肘掛け部等から構成されている。
【0003】
肘掛け部は、その機能上、着座したユーザからみて椅子の左右両側に設けられる。従って、肘掛け部によって、マッサージ機が一定の幅を取ることになる。このため、肘掛け部が取り付けられた状態で、特に玄関やドアの間口を通じてマッサージ機を搬入出することが困難な場合がある。これを解消するべく、肘掛け部はマッサージ機の本体部に対して着脱可能に構成されている(例えば特許文献1参照)。本体部は、マッサージ機において両肘掛け部を除く構成、すなわち座部、背もたれ部及びオットマン等で構成される。本構成においては、肘掛け部が取り外された状態で本体部を搬入し、搬入後に肘掛け部を本体部に組み付けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭60−26539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記マッサージ機においては、肘掛け部が本体部に組み付けられていない状態において、マッサージ機が使用されることを想定していない。
ここで、肘掛け部は、本体部にとって左右両側のカバーとしての機能もある。従って、肘掛け部が組み付けられていない状態においては、マッサージ機のリクライニング等に係る内部機構が露出しやすくなる。それにも関わらず、上記マッサージ機においては、肘掛け部が本体部から取り外された状態においても、マッサージ機、ひいては上記内部機構が動作可能に構成されている。動作する内部機構が外部に露出するおそれがある状況は安全面から好ましくない。安全性の観点から肘掛け部がない状態において内部機構が外部に露出することを防止するカバーが設けられる構成も存在する。しかし、本構成においては、カバーが取り外される可能性もある。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より安全性を向上させたマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のマッサージ機は、背もたれ部と座部と足載せ台のうち少なくとも一つを動作させる駆動機構を備えるとともに、肘掛け部が前記座部を有する本体部に着脱可能に構成される椅子型のマッサージ機において、前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた状態においてのみ前記駆動機構の駆動が可能に構成される。
【0008】
また、上記構成において、前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられたか否かを検出する検出手段と、前記検出手段を通じて前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられていない旨認識したとき前記駆動機構の駆動を規制し、前記検出手段を通じて前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた旨認識したとき前記駆動機構の駆動を許可する制御部と、を備えることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、前記駆動機構を駆動制御する制御部と、前記制御部及び前記駆動機構に動作電力を電力線を通じて供給する電源と、ユーザに操作されると、その旨の操作信号を信号線を通じて前記制御部に出力する操作スイッチと、前記肘掛け部内に前記信号線又は前記電力線の一部が設けられ、その一部の端部が接続されるとともに、前記肘掛け部が組み付けられた状態において前記肘掛け部における前記本体部と接する面に設けられる肘掛け部側接点と、前記本体部内に設けられる前記信号線又は前記電力線の端部が接続されるとともに、前記肘掛け部が組み付けられた状態において前記肘掛け部側接点と接触する本体部側接点と、を備え、前記制御部は、前記操作信号に基づき前記駆動機構を駆動させ、前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられていない状態においては、前記肘掛け部側接点及び前記本体部側接点が離間することで前記信号線又は前記電力線が断線状態となり、前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた状態においては、前記肘掛け部側接点及び前記本体部側接点が接触することで前記信号線又は前記電力線が導通状態となることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、ユーザへ情報を通知する情報通知手段を備え、前記制御部は、前記検出手段の検出結果に基づき認識した前記肘掛け部が組み付けられた状態であるか否かの情報を前記情報通知手段を通じて通知することが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記本体部側接点及び前記肘掛け部側接点はそれぞれ1対設けられ、前記両肘掛け部側接点には、前記肘掛け部内に設けられる前記信号線又は前記電力線の一部の両端が接続され、前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられていない状態においては、前記両本体部側接点が電気的に離間することで前記信号線又は前記電力線が断線状態となり、前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた状態においては、前記両本体部側接点間に、前記両肘掛け部側接点を介して前記信号線又は前記電力線の一部が接続されることで前記信号線又は前記電力線が導通状態となることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マッサージ機において、より安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態におけるマッサージ機の斜視図。
【図2】第1の実施形態における肘掛け部が本体部から取り外された状態のマッサージ機の側面図。
【図3】第1の実施形態における肘掛け部が本体部に組み付けられる際のマッサージ機の部分斜視図。
【図4】第1の実施形態におけるマッサージ機の構成を示すブロック図。
【図5】第2の実施形態における肘掛け部が本体部に組み付けられる際のマッサージ機の部分斜視図。
【図6】第2の実施形態におけるマッサージ機の構成を示すブロック図。
【図7】第3の実施形態における肘掛け部が本体部に組み付けられる際のマッサージ機の部分斜視図。
【図8】第3の実施形態におけるマッサージ機の構成を示すブロック図。
【図9】第4の実施形態における操作ユニットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明のマッサージ機を具体化した第1の実施形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0015】
まず、マッサージ機の機械的構成について説明する。
図1に示すように、マッサージ機10は椅子型であって、座部12と、背もたれ部13と、オットマン14と、肘掛け部20とを備える。
【0016】
座部12は、支持脚部9を通じて支持されている。そして、背もたれ部13は、座部12の後端に対して傾動可能に取り付けられている。
図2に示すように、座部12の下側には、背もたれ部13のリクライニング(傾動)を可能とするリクライニング機構16が内蔵されている。
【0017】
オットマン14は足載せ台であって、座部12の前端に対して傾動可能に取り付けられている。また、座部12の下側には、座部12の前端に対するオットマン14のリクライニング(傾動)を可能とするリクライニング機構17が内蔵されている。
【0018】
図1に示すように、背もたれ部13の中央部には、2つの施療子18aを有するマッサージ機構18が内蔵されている。施療子18aは、ユーザの肩、背中、腰に対して上下幅方向への動作、並びに接触及び離間動作をすることでマッサージを行う。
【0019】
また、座部12の左右両側には、前後方向に延びる肘掛け部20がそれぞれ設けられている。図2に示すように、これら肘掛け部20は、マッサージ機の両肘掛け部20以外の構成(座部12、背もたれ部13及びオットマン14等)からなる本体部7に対して着脱可能に構成されている。上記「発明が解決しようとする課題」において説明したように、マッサージ機10は、肘掛け部20が取り外された状態で搬入出される。
【0020】
図2に示すように、肘掛け部20が取り外された状態においては、座部12の下側の側面を覆う箱状のカバー21が露出している。このカバー21は、肘掛け部20が取り外された状態において、両リクライニング機構16,17が外部に露出することを防ぐものである。そして、搬入後に肘掛け部20は上方から本体部7の側部に取り付けられる。
【0021】
ここでは、右側の肘掛け部20及びそれが取り付けられる本体部7付近の構成について代表して説明する。図3に示すように、カバー21の上側面(座部12の座面と同じ方向に延びる面)からは1対の本体側突出部22a,22bが突出している。突出部22aは背もたれ部13側に設けられ、突出部22bはオットマン14側に設けられる。また、支持脚部9におけるカバー21の前後両側方には本体側嵌合穴23a,23bが形成されている。
【0022】
一方、肘掛け部20の内面(カバー21と接する側の面)には、カバー21が嵌り込む凹部25が形成されている。この凹部25は、図中の上下方向に延びる側面25aと、その側面25aの両端から図中の左右方向に延びる2つの側面25bとを有する。両側面25bは、肘掛け部20の右側端面まで形成されている。凹部25の側面25aには、一対の肘掛け側嵌合穴24a,24bが形成されている。
【0023】
肘掛け側嵌合穴24aは本体側突出部22aに対応し、肘掛け側嵌合穴24bは本体側突出部22bに対応する位置及び形状とされている。また、肘掛け部20の下端(図中の右端)には一対の肘掛け側突出部26a,26bが設けられている。肘掛け側突出部26aは本体側嵌合穴23aに嵌合可能な位置及び形状とされ、肘掛け側突出部26bは本体側嵌合穴23bに嵌合可能な位置及び形状とされている。
【0024】
また、カバー21において、肘掛け部20と接する箇所にはマイクロスイッチ15Rが設けられている。マイクロスイッチ15Rは、レバー15aを備える。このレバー15aは、自身に外力が加えられていないとき、その先端がマイクロスイッチ15Rの本体から離間した状態に保たれる。この状態がマイクロスイッチ15Rのオフ状態である。レバー15aが外力によりマイクロスイッチ15Rの本体側に変位すると、本体内の接点(図示略)が接触してマイクロスイッチ15Rがオン状態となる。肘掛け部20の取り付け前においては、カバー21における肘掛け部20と接する面からレバー15aが突出する態様でマイクロスイッチ15Rが設けられている。
【0025】
なお、左側の肘掛け部20及びそれが取り付けられる本体部7付近の構成も、上記右側の肘掛け部20と同様である。左側のカバー21にはマイクロスイッチ15Lが設けられる。
【0026】
次に、右側の肘掛け部20の組み付け方法について順番に説明する。
まず、肘掛け側嵌合穴24a,24bに、本体側突出部22a,22bを挿入させていく。このとき、マイクロスイッチ15Rのレバー15aは、凹部25の底面に押圧される。従って、マイクロスイッチ15Rがオフ状態からオン状態となる。
【0027】
肘掛け側嵌合穴24a,24bに本体側突出部22a,22bを完全に挿入させたとき、肘掛け側突出部26a,26bが本体側嵌合穴23a,23bに嵌合する。また、凹部25にはカバー21が嵌る。これにて、右側の肘掛け部20の組み付けが完了する。肘掛け部20が組み付けられた状態においては、マイクロスイッチ15Rがオン状態に維持される。なお、左側の肘掛け部20の組み付け方法も右側の肘掛け部20と同様であって、左側の肘掛け部20の組み付けが完了したときマイクロスイッチ15Lがオン状態となる。
【0028】
次に、マッサージ機の電気的構成について説明する。
図4に示すように、マッサージ機10は、制御回路11と、施療子駆動部36と、背もたれ部用モータ16aと、オットマン用モータ17aと、操作ユニット30と、電源回路19と、マイクロスイッチ15R,15Lとを備える。
【0029】
電源回路19は、制御回路11等の各種構成に動作電力を供給する。なお、図4においては、図の簡略化の観点から電源回路19と制御回路11以外の各種構成との接続関係を省略している。この各種構成への電力供給の制御は制御回路11によって実行される。
【0030】
操作ユニット30は、操作スイッチ31と、スピーカ32と、ディスプレイ33と、を備える。
操作スイッチ31は操作されると、その旨の操作信号を制御回路11に出力する。ディスプレイ33は、制御回路11によって画像制御されるとともに、実行中のマッサージ内容等を表示する。スピーカ32は、制御回路11によって制御されるとともに、音声を通じてユーザにマッサージの開始及び終了等を通知する。
【0031】
制御回路11は、操作スイッチ31からの操作信号に基づき各種動作を実行する。例えば、制御回路11は、複数のモータからなる施療子駆動部36を通じて施療子18aを動作させることでマッサージ動作を実行する。この施療子駆動部36は、上記マッサージ機構18を構成する。
【0032】
制御回路11は、オットマン用モータ17aの駆動を通じてリクライニング機構17を動作させることでオットマン14をリクライニングする。また、制御回路11は、背もたれ部用モータ16aの駆動を通じてリクライニング機構16を動作させることで背もたれ部13をリクライニングする。
【0033】
マイクロスイッチ15R,15Lは、そのオンオフ状態を制御回路11に出力する。
制御回路11は、両マイクロスイッチ15R,15Lのうち少なくとも何れか一方がオフ状態である旨認識したとき、肘掛け部20の組み付けが未完了であるとして、施療子駆動部36及び両モータ16a,17aの駆動を規制する。また、制御回路11は、両マイクロスイッチ15R,15Lがオン状態である旨認識したとき、肘掛け部20の組み付けが完了したとして、操作信号に基づき施療子駆動部36及び両モータ16a,17aの駆動を許可する。
【0034】
すなわち、本例では、マイクロスイッチ15R,15Lは、2つの肘掛け部20が本体部7に組み付けられたか否かを検出する検出手段に相当する。また、両リクライニング機構16,17及び両モータ16a,17aは、背もたれ部13及びオットマン14を動作させる駆動機構に相当する。
【0035】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)両肘掛け部20が組み付けられることで、両マイクロスイッチ15R,15Lがオン状態となる。両マイクロスイッチ15R,15Lがオン状態となったときにのみ、マッサージ機10の動作が可能となる。よって、肘掛け部20の組み付けが未完了である場合に、マッサージ機10が動作することが防止される。従って、マッサージ機10の安全性をより向上させることができる。
【0036】
また、従来、安全性の観点から、肘掛け部20が本体部7に組み付けられていない状態において、本体部7の全体に覆い(カバー)が被せられていた。このカバーを省略することもできる。
【0037】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。この実施形態のマッサージ機は、肘掛け部の組み付けが完了していない場合におけるマッサージ機の動作の防止方法が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0038】
図5に示すように、カバー21における右側の肘掛け部20と接する面には、本体部側接点50Rが設けられている。図6に示すように、この本体部側接点50Rは、制御回路11に接続されている。また、図5に示すように、肘掛け部20が組み付けられた状態において、凹部25における本体部側接点50Rに対応する部位には、肘掛け部側接点51Rが設けられている。図6に示すように、この肘掛け部側接点51Rは操作ユニット30に接続されている。
【0039】
左側の肘掛け部20及びそれが取り付けられる本体部7付近の構成も上記右側の肘掛け部20と同様の構成である。すなわち、左側の肘掛け部20に対応するカバー21には本体部側接点50Lが設けられる。図6に示すように、この本体部側接点50Lは、制御回路11に接続されている。また、左側の肘掛け部20の凹部25には肘掛け部側接点51Lが設けられている。図6に示すように、この肘掛け部側接点51Lは電源回路19に接続されている。
【0040】
上記構成において、右側の肘掛け部20が組み付けられていない状態においては、本体部側接点50R及び肘掛け部側接点51Rは離間した状態となるため、制御回路11及び操作ユニット30間の信号線は断線した状態となる。このため、制御回路11は、操作ユニット30から操作信号を受けること、ひいてはその操作信号に基づきマッサージ機を動作させることができない。
【0041】
また、左側の肘掛け部20が組み付けられていない状態においては、本体部側接点50L及び肘掛け部側接点51Lは離間した状態となるため、制御回路11及び電源回路19間の電力線は断線した状態となる。よって、制御回路11は、電源回路19から電力を受けて、各モータ16a,17a及び施療子駆動部36を制御すること、ひいてはマッサージ機を動作させることができない。
【0042】
右側の肘掛け部20が組み付けられた状態においては、本体部側接点50R及び肘掛け部側接点51Rは接触し、信号線ひいては制御回路11及び操作ユニット30間は導通状態となる。これにより、制御回路11は、操作ユニット30から操作信号を受けることが可能となる。
【0043】
左側の肘掛け部20が組み付けられた状態においては、本体部側接点50L及び肘掛け部側接点51Lは接触し、電力線ひいては制御回路11及び電源回路19間は導通状態となる。これにより、制御回路11は、電源回路19から電力を受けることが可能となる。
【0044】
すなわち、両肘掛け部20が組み付けられることで、制御回路11は、電源回路19からの電力に基づき、各モータ16a,17a及び施療子駆動部36を駆動させてマッサージ動作を実行することができる。
【0045】
なお、本例では上記第1の実施形態におけるマイクロスイッチ15R,15Lが省略されている。
以上、説明した実施形態によれば、特に、以下の効果を奏することができる。
【0046】
(2)肘掛け部20の組み付けが未完了である場合には、電力線又は信号線が断線状態となることで、マッサージ機10の動作が防止される。本構成においては、両肘掛け部20が組み付けられたか否かを検出する検出手段を設ける必要がないことから、マッサージ機をより簡易、かつ安価に構成することができる。また、断線状態を通じてマッサージ機10の動作を防止していることから、検出手段の誤検出又は制御回路11の誤動作等によってマッサージ機10が動作することがない。よって、より確実にマッサージ機10の動作を防止できる。
【0047】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。この実施形態のマッサージ機は、肘掛け部及びカバーに設けられる接点の配置態様等が上記第2の実施形態と異なっている。以下、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
図7に示すように、カバー21における右側の肘掛け部20と接する面には、2つの本体部側接点60R,61Rが設けられている。図8に示すように、本体部側接点60Rは制御回路11に接続され、本体部側接点61Rは操作ユニット30に接続されている。
【0049】
また、図7に示すように、凹部25におけるカバー21に接する面には、2つの肘掛け部側接点62R,63Rが設けられている。図8に示すように、両肘掛け部側接点62R,63Rは、肘掛け部20内部において接続線L1を介して電気的に接続されている。
【0050】
右側の肘掛け部20が組み付けられた状態において、本体部側接点60Rと肘掛け部側接点62Rとが接触し、本体部側接点61Rと肘掛け部側接点63Rとがそれぞれ接触する。
【0051】
左側の肘掛け部20及びそれが取り付けられる本体部7付近の構成も上記右側の肘掛け部20と同様の構成である。すなわち、左側の肘掛け部20に対応するカバー21には本体部側接点60L,61Lが設けられている。図8に示すように、本体部側接点60Lは制御回路11に接続され、本体部側接点61Lは電源回路19に接続されている。肘掛け部側接点62L,63L間は接続線L2で接続されている。
【0052】
上記構成において、右側の肘掛け部20が組み付けられていない状態においては、図8に示すように、両本体部側接点60R,61R間には接続線L1が存在しない状態となる。このとき、制御回路11及び操作ユニット30間が非導通状態となる。このため、制御回路11は、操作ユニット30から操作信号を受けること、ひいてはその操作信号に基づきマッサージ機10を動作させることができない。
【0053】
また、左側の肘掛け部20が組み付けられていない状態においては、図8に示すように、両本体部側接点60L,61L間には接続線L2が存在しない状態となる。このとき、制御回路11及び電源回路19間が非導通状態となる。よって、制御回路11は、電源回路19から電力を受けること、ひいてはその電力に基づき各モータ16a,17a及び施療子駆動部36を駆動させてマッサージ動作を実行することができない。
【0054】
右側の肘掛け部20が組み付けられることで、接続線L1を通じて両本体部側接点60R,61R間が導通状態となる。これにより、信号線、ひいては制御回路11及び操作ユニット30間が導通状態となる。従って、制御回路11は、操作ユニット30から操作信号を受けることが可能となる。
【0055】
左側の肘掛け部20が組み付けられることで、接続線L2を通じて両本体部側接点60L,61L間が導通状態となる。これにより、電力線、ひいては制御回路11及び電源回路19間が導通状態となる。従って、制御回路11は、電源回路19から電力を受けることが可能となる。
【0056】
すなわち、両肘掛け部20が組み付けられることで、制御回路11は、電源回路19からの電力に基づき、各モータ16a,17a及び施療子駆動部36を駆動させてマッサージ動作を実行することができる。
【0057】
以上、説明した実施形態によれば、特に、以下の効果を奏することができる。
(3)肘掛け部20の組み付けが未完了である場合には、信号線又は電力線が断線状態となることで、制御回路11と、操作ユニット30又は電源回路19との間が非導通状態となる。これにより、マッサージ機10が動作することが防止される。本構成においては、第2の実施形態と同様に、マッサージ機をより簡易に構成すること、より確実にマッサージ機10の動作を防止することができる。
【0058】
さらに、本構成においては、肘掛け部20を独立して構成することができる。すなわち、第2の実施形態と異なって、肘掛け部20から操作ユニット30に延びる信号線、及び肘掛け部20から電源回路19に延びる電力線を省略できる。よって、マッサージ機10の設計の自由度を向上させることができる。
【0059】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について、図9を参照して説明する。この実施形態のマッサージ機は、肘掛けの組み付けが完了したか否かがユーザに通知される点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0060】
制御回路11は、両マイクロスイッチ15R,15Lのオンオフ状態に基づき、ディスプレイ33に肘掛け部20の組み付けが完了したか否かを表示する。
詳しくは、図9に示すように、制御回路11は、両マイクロスイッチ15R,15Lのうち少なくとも何れか一方がオフ状態である旨認識したとき、肘掛け部20の組み付けが未完了であるとして、その旨をディスプレイ33に表示する。また、制御回路11は、両マイクロスイッチ15R,15Lがオン状態である旨認識したとき、肘掛け部20の組み付けが未完了である旨の表示を消す。
【0061】
また、制御回路11は、両マイクロスイッチ15R,15Lのうち少なくとも何れか一方がオフ状態である旨認識しているときに、操作スイッチ31が操作された旨認識すると、スピーカ32を通じて肘掛け部20の組み付けが未完了である旨の通知を行う。
【0062】
本例では、ディスプレイ33及びスピーカ32は情報通知手段に相当する。
以上、説明した実施形態によれば、特に、以下の効果を奏することができる。
(4)スピーカ32及びディスプレイ33を通じて肘掛け部20の組み付けが未完了である旨がユーザに通知される。よって、マッサージ機10が動作しないときに、その原因は肘掛け部20の組み付けが完了していないことにあることに、ユーザはより確実に気が付くことができる。すなわち、ユーザに故障であると誤解されることを抑制できる。
【0063】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・第4の実施形態においては、肘掛け部20の組み付けが未完了であるときに、操作スイッチ31が操作された旨認識すると、スピーカ32を通じて肘掛け部20の組み付けが未完了である旨を通知していた。しかし、スピーカ32を通じた通知タイミングは、これに限らず、例えば、肘掛け部20の組み付けが未完了であるときに一定時間経過毎にスピーカ32を通じた通知を行ってもよい。
【0064】
・第4の実施形態においては、肘掛け部20の組み付けが未完了である旨がスピーカ32及びディスプレイ33を通じてユーザに通知されていた。しかし、スピーカ32及びディスプレイ33を通じた通知のうち何れか一方を省略してもよい。また、通知方法はこれらに限らず、例えば振動であってもよい。
【0065】
・第4の実施形態における肘掛け部20の組み付けが未完了である旨の表示を点滅させてもよい。また、その旨の表示を例えば赤色等としてもよい。これらの場合には、ユーザにより注意を喚起することができる。
【0066】
・第4の実施形態においては、肘掛け部20の組み付けが未完了である旨の表示のみが行われていたが、肘掛け部20の組み付けが完了した旨の表示を行ってもよい。
さらに、一方の肘掛け部20の組み付けが完了したときには、その旨をスピーカ32又はディスプレイ33を通じてユーザに通知してもよい。
【0067】
また、文字による通知に限らず、アイコン(絵)による通知であってもよい。
・第2及び第3の実施形態を組み合わせて構成してもよい。例えば、右側の肘掛け部20及びカバー21には第2の実施形態を適用して接点50R,51Rを設け、左側の肘掛け部20及びカバー21には第3の実施形態を適用して接点60L,61L,62L,63Lを設ける。
【0068】
・第3の実施形態においては、各接点60R〜63Rは、制御回路11及び操作ユニット30間の信号線上に位置し、各接点60L〜63Lは、制御回路11及び電源回路19間の電力線上に位置していた。しかし、各接点60R〜63R及び各接点60L〜63Lを、同一の信号線又は電力線上に設けてもよい。
【0069】
・第2の実施形態においては、制御回路11及び電源回路19間に本体部側接点50L及び肘掛け部側接点51Lが設けられていたが、本体部側接点50L及び肘掛け部側接点51Lが電源回路19と、各モータ16a,17aとの間に設けられていてもよい。この構成においては、肘掛け部20の組み付けが未完了の場合、各モータ16a,17a等に電力が供給されないため、制御回路11の制御に関わらず、背もたれ部13及びオットマン14がリクライニング動作することが防止される。これは、第3の実施形態も同様であって、接点60L〜63Lを電源回路19と、各モータ16a,17aとの間に設けてもよい。
【0070】
・第1の実施形態においては、肘掛け部20が本体部7に組み付けられたか否かを検出する検出手段としてマイクロスイッチ15R,15Lが採用されていた。しかし、肘掛け部20が本体部7に組み付けられたか否かを検出可能であれば、マイクロスイッチに限らず、近接スイッチであってもよい。近接スイッチとしては、誘導型、静電容量型、超音波型、光電型及び磁気型の何れを採用してもよい。
【0071】
・上記各実施形態においては、肘掛け部20全体が本体部7に対して着脱可能に構成されていた。しかし、肘掛け部20の基礎部が予め本体部7に固定的に取り付けられていて、その基礎部に肘掛け部20の一部が着脱可能に構成されていてもよい。この場合、肘掛け部20の基礎部及び肘掛け部20の一部間に、第1の実施形態と同様にマイクロスイッチ15R,15Lを設けたり、第2及び第3の実施形態と同様に各種接点を設けたりすることで、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0072】
・上記各実施形態においては、背もたれ部13及びオットマン14がリクライニング動作可能に構成されていた。しかし、マッサージ機10におけるその他部位、例えば座部12が動作可能に構成されていてもよい。この場合、肘掛け部20の組み付けが未完了の場合における、座部12の動作が防止される。
【0073】
また、マッサージ機10において、オットマン14、リクライニング機構17及びオットマン用モータ17aを省略してもよい。
・第1又は第4の実施形態においては、肘掛け部20の組み付けが未完了である場合であっても、特定の操作があったときにマッサージ機10を動作させてもよい。この場合、例えば、操作スイッチ31を通じて暗証番号等の入力を要求する。制御回路11は、操作スイッチ31からの操作信号に基づき暗証番号が入力された旨認識したとき、両マイクロスイッチ15R,15Lの少なくとも何れか一方がオフ状態である旨認識しても、マッサージ機10の動作を許可する。この暗証番号に代えて、操作スイッチ31の同時押しや長押し等であってもよい。
【0074】
・上記各実施形態においては、カバー21が設けられていたがそれを省略、又はカバー21の一部に孔を形成してもよい。本構成においても、肘掛け部20の組み付けが未完了である場合には、両リクライニング機構16,17が動作することがないので安全性が確保される。第1の実施形態においてカバー21を省略した場合には、マイクロスイッチ15R,15Lを本体部7における肘掛け部20と接する面、例えば、座部12の側面における両本体側突出部22a,22b間に設ける。第2〜第4の実施形態においても、上記同様にカバー21を省略等してもよい。この場合にも、本体部側接点を本体部7における肘掛け部20と接する面に設ける。
【0075】
・第1又は第4の実施形態において、両マイクロスイッチ15R,15Lの何れかを省略してもよい。同様に、第2の実施形態において両接点50R,51Rと、両接点50L,51Lとのうち何れかを省略してもよいし、第3の実施形態において各接点60R〜63Rと、各接点60L〜63Lとのうち何れかを省略してもよい。この場合であっても、通常、2つの肘掛け部20は、ほぼ同時に本体部7に組み付けられることを考えれば、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。本構成においては、マッサージ機10をより簡易に構成することができる。
【符号の説明】
【0076】
7…本体部、10…マッサージ機、11…制御回路(制御部)、12…座部、13…背もたれ部、14…オットマン、15L,15R…マイクロスイッチ、16,17…リクライニング機構、16a…背もたれ部用モータ、17a…オットマン用モータ、19…電源回路、20…肘掛け部、21…カバー、30…操作ユニット、31…操作スイッチ、32…スピーカ、33…ディスプレイ、50L,50R…本体部側接点、51L,51R…肘掛け部側接点、60L,60R,61L,61R…本体部側接点、62L,62R,63L,63R…肘掛け部側接点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれ部と座部と足載せ台のうち少なくとも一つを動作させる駆動機構を備えるとともに、肘掛け部が前記座部を有する本体部に着脱可能に構成される椅子型のマッサージ機において、
前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた状態においてのみ前記駆動機構の駆動が可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられたか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段を通じて前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられていない旨認識したとき前記駆動機構の駆動を規制し、前記検出手段を通じて前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた旨認識したとき前記駆動機構の駆動を許可する制御部と、を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記駆動機構を駆動制御する制御部と、
前記制御部及び前記駆動機構に動作電力を電力線を通じて供給する電源と、
ユーザに操作されると、その旨の操作信号を信号線を通じて前記制御部に出力する操作スイッチと、
前記肘掛け部内に前記信号線又は前記電力線の一部が設けられ、その一部の端部が接続されるとともに、前記肘掛け部が組み付けられた状態において前記肘掛け部における前記本体部と接する面に設けられる肘掛け部側接点と、
前記本体部内に設けられる前記信号線又は前記電力線の端部が接続されるとともに、前記肘掛け部が組み付けられた状態において前記肘掛け部側接点と接触する本体部側接点と、を備え、
前記制御部は、前記操作信号に基づき前記駆動機構を駆動させ、
前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられていない状態においては、前記肘掛け部側接点及び前記本体部側接点が離間することで前記信号線又は前記電力線が断線状態となり、
前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた状態においては、前記肘掛け部側接点及び前記本体部側接点が接触することで前記信号線又は前記電力線が導通状態となることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項2に記載のマッサージ機において、
ユーザへ情報を通知する情報通知手段を備え、
前記制御部は、前記検出手段の検出結果に基づき認識した前記肘掛け部が組み付けられた状態であるか否かの情報を前記情報通知手段を通じて通知することを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項3に記載のマッサージ機において、
前記本体部側接点及び前記肘掛け部側接点はそれぞれ1対設けられ、
前記両肘掛け部側接点には、前記肘掛け部内に設けられる前記信号線又は前記電力線の一部の両端が接続され、
前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられていない状態においては、前記両本体部側接点が電気的に離間することで前記信号線又は前記電力線が断線状態となり、
前記肘掛け部が前記本体部に組み付けられた状態においては、前記両本体部側接点間に、
前記両肘掛け部側接点を介して前記信号線又は前記電力線の一部が接続されることで前記信号線又は前記電力線が導通状態となることを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−81664(P2013−81664A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224249(P2011−224249)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】