説明

マッサージ機

【課題】異なる患部であっても使用者に十分なマッサージ効果を与える。
【解決手段】マッサージ機100は、使用者の患部に当接して、患部をマッサージする揉み部122を含む本体部110と、本体部110の両端から脚状に延設された一対の延設部170と、一方の延設部170に設けられた各種スイッチを含む操作部180とで構成される。本体部110と延設部170とは、いわゆるヒンジ構造を備える連結部160により、一対の延設部170が矢示B方向に開脚可能かつ矢示C方向に閉脚可能なように連結され、延設部170が使用者Uの身体に当接しマッサージ機100の揉み部122の位置を容易に固定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の患部(首部、肩部、腰部、大腿部等)に対して、マッサージを行うマッサージ機に関し、特に、U字型形状を呈し、体格の異なる使用者であっても、同じ使用者の異なる患部であっても、マッサージ部が患部に確実に当接する、ハンディタイプのマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、首部や肩部(以下、首肩部と記載する場合がある)をマッサージするハンディタイプのマッサージ機が知られている。
たとえば、特開2002−685号公報(特許文献1)は、使用者の首部に巻き付け可能なU字形の形状をしたマッサージ機を開示する。このマッサージ機は、マッサージ機能を有するマッサージ体を備え、全体が略U字形状に形成されている。このマッサージ体は、首部後方周囲に当接する中央マッサージ部と、両肩部に当接する両側マッサージ部と、両肩部前方側にならうように湾曲した両先端部と、から構成される。このマッサージ体の前方を開口側にし、マッサージ部を首肩部位に位置させて、首肩部の周囲をマッサージするようにしたことを特徴とする。
【0003】
このマッサージ機において、マッサージ体の両先端部の開口部の幅は、首の幅よりも細く形成されており、使用時には、マッサージ体の両先端部を持って開口部を広げて首部の後方から開口側が肩部の前方側に位置するように、首部の周囲にマッサージ機を架ける。このようにすると、両先端部が肩部の前方側にならうように湾曲するため、使用者の患部(首肩部)にマッサージ体がフィットした状態を保持することができる。そして、首部の後方周囲のツボに中央のマッサージ体が当接するとともに、両肩部のツボにも両側のマッサージ体が当接し、効果的なマッサージを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1には、マッサージ機の開口部の幅が首の幅よりも細く形成されていること、開口部を広げて首部の周囲に架けることが開示されている。しかしながら、使用者の体格が異なると首の幅が異なり、使用者によっては患部にマッサージ体がフィットした状態を保持することができない場合がある。
また、特許文献1のマッサージ機は、開口部を広げることができるように、両側マッサージ部を発泡ウレタン等の軟質材で形成している。それ故、使用者が、特許文献1のマッサージ機を首肩部に装着しようと両側マッサージ部を手で把持し後ろ側に回した場合、両側マッサージ部が撓んで下側に垂れ下がることがあり、扱いにくいといった欠点があった。この欠点をなくすためには、両側マッサージ部を構成する軟質材の量を多くすることも考えられるが、その場合、逆にマッサージ機の開口部を広げることが難しくなったり、マッサージ機自体が嵩高いものとなる可能性を否めない。
【0006】
ところで、特許文献1のマッサージ機を用いて首肩部をマッサージするのみならず、腰部や大腿部等をマッサージすることも好ましい。しかしながら、同一の使用者であっても、首部の幅と腰部や大腿部の幅とは異なるので、1台のマッサージ機で兼用すると、患部にマッサージ体がフィットした状態を保持することが困難である。さらに、特許文献1のマッサージ機を、体格の大きな使用者の腰部などに使用しようとした場合、マッサージ機の両側マッサージ部を大きく広げることができず、装着自体ができないといった虞すらある。つまり、特許文献1のマッサージ機の場合、1台のマッサージ機で、様々な体格の使用者の首肩部および腰部や大腿部等を効果的にマッサージすることは困難である。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、U字型形状を呈するマッサージ機であって、体格の違いがあっても患部にマッサージ部が確実に当接して効果的にマッサージすることができるとともに、首肩部のみならず他の部位(腰部、大腿部等)を効果的にマッサージすることができる、マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
すなわち、本発明に係るマッサージ機は、使用者の患部をマッサージする施療部を備えた本体部と、前記本体部の両端から脚状に延設された一対の延設部とを備えていてU字型形状を呈するマッサージ機において、前記一対の延設部は、本体部に連結する芯材を内部に有していて、前記芯材と本体部とが、一対の延設部を開脚可能とする連結部を介して連結されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るマッサージ機は、使用者の患部をマッサージする施療部を備えた本体部と、前記本体部の両端から延設された一対の延設部とを備えていてU字型形状を呈するマッサージ機において、前記一対の延設部は、本体部に連結する芯材を内部に有していて、前記芯材と本体部とが、前記延設部が使用者の身体に当接し位置固定可能となるように、前記本体部に対する延設部の角度を変更可能とする連結部を介して連結されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記延設部の先端には、使用者が手で把持可能な把持部を備えるように構成することができる。
さらに、前記連結部は、ヒンジ構造とすることができる。
さらに、前記施療部は、首筋に当接する揉み玉と肩に当接する揉み玉とが一体的に構成された、左右一対の揉み部を備え、前記揉み部が前面視で八の字形状であるように構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るマッサージ機によれば、使用者の体格の違いがあっても患部にマッサージ部が確実に当接して効果的にマッサージすることができるとともに、首肩部のみならず他の部位を効果的にマッサージすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るマッサージ機の使用態様を示す斜視図である。
【図2】図1に示したマッサージ機の外観斜視図である。
【図3】図1に示したマッサージ機の透過斜視図である。
【図4】図1に示したマッサージ機においてクッション材および前側ハウジングを外した斜視図である。
【図5】図4に示したA−A断面図である。
【図6】図1に示したマッサージ機における変換部および後側ハウジングの分解斜視図である。
【図7】図1に示したマッサージ機における連結部近傍の拡大斜視図である。
【図8】図1に示したマッサージ機の使用態様を示す上面図である。
【図9】図1に示したマッサージ機の使用方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係るマッサージ機100を図に基づいて説明する。以降、便宜上、図1の紙面に矢印にて示した前後方向、左右方向(幅方向)、上下方向を用いて装置の説明を行う。これは、図1のようにマッサージ機100を装着した使用者Uからみた前後方向、左右方向、上下方向と一致するものとなっている。この方向の定義に基づけば、図8の紙面左右方向が装置説明での右左方向、図8の紙面上下方向が装置説明での後前方向、図8の紙面貫通方向が装置説明での下上方向となる。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態に係るマッサージ機100は、使用者Uが、肩にかけて装着することができるハンディタイプのマッサージ機である。このマッサージ機100は、図1に示すように首肩部をマッサージするのみならず、後述するように、腰部や大腿部等をマッサージすることもできる。
図1および図2に、マッサージ機100の外観を斜視図で示す。
【0015】
これらの図に示すように、このマッサージ機100は、全体としてU字型形状を呈する。このマッサージ機100は、使用者Uの患部(図1では首肩部)に当接して、患部をマッサージする施療部120を含む本体部110と、本体部110の両端から脚状に延設された一対の延設部170と、一方の延設部170に設けられた各種スイッチを含む操作部180と、使用者が両手で把持する把持部190とで構成される。
【0016】
これら本体部110及び延設部170は、施療部120を除いて、ウレタンなどのクッション材172により被覆されていて、さらに、人工皮革などのカバーで全体が覆われている。施療部120に対応する部分は、たとえば伸縮性のあるメッシュ材112で覆われている。
図3にマッサージ機100の透過斜視図を、図4にマッサージ機100においてクッション材172および前側ハウジング114を外した斜視図を、それぞれ示す。
【0017】
これらの図に示すように、このマッサージ機100の本体部110は、椀形状を呈し、後方に向けて開口が形成された前側ハウジング114と、この前側ハウジング114に嵌り込む開口を有した椀形状の後側ハウジング116とを有している。この前側ハウジング114、後側ハウジング116は、たとえば、樹脂製とされている。前側ハウジング114の開口と後側ハウジング116の開口とが合わさるように、両ハウジング114,116が前後方向で嵌合し本体部110が形成される。
【0018】
本体部112は、標準的な体格を有する使用者の肩幅に略対応する幅を有していると共に、下方に膨出するように垂れ下がった楕円形状となっている。この垂下した部分(垂下部195)が、使用者の肩から背中部に当設し、装着時の安定感を増すように作用する。
本体部112の前面側、すなわち、前側ハウジング114には、詳細は後述する施療部120が貫通し前側に突出するための開口部196(切欠部)が左右一対に設けられている。一対の開口部196,196間は、なだらかな凸状部となっていて、この凸状部の下側はなだらかな凹状部となっている。
【0019】
図3、図4に示すように、本体部112の左右両端部から、左右一対の延設部170が前方へ延びるように設けられている。この延設部170は、使用者が図1に示すようにマッサージ機100を装着した際に、使用者の肩を超えて胸の位置に達する長さを有する。
延設部170は、長尺状とされ且つ厚み方向が上下方向となっている平板状の芯材174を内部に有しており、この平板状の芯材174にクッション材172が巻き付けられている。芯材174の基端側は、本体部112の左右両端部、すなわち前側ハウジング114の両端側に後述する連結部160を介して連結されている。この芯材174は、基端から先端に向けて上方に凸となるようにアーチ状とされている。芯材174は、たとえば、樹脂製であるが、金属製であっても良い。
【0020】
このように、延設部170は平板状の芯材174が内部に通っているので、クッション材のみで構成された延設部(従来のマッサージ機の延設部)に比して、剛性を有するものとなっており、厚みを薄くでき嵩高いものとはなっていない。そのため、使用者Uが、マッサージ機1を施療部に装着しようと延設部170を把持したとしても当該延設部170が撓らず扱いやすいものとなっている。また、芯材174はクッション材に覆われている故、使用者Uに対する延設部170のフィット感も良いものとなっている。
【0021】
ところで、図1に示すように、延設部170の先端部には把持部190が設けられている。この把持部190は、延設部170の幅より幅狭とされた帯状体をその基端と先端とを合わせることで形成されたループ状の把持ベルト192で構成される。使用者Uは、把持ベルト192に手を通してマッサージ機100を把持することにより、揉み部122の揉み玉が作動しても患部から施療部120が離れないように(密着状態で)支える。
【0022】
図7にマッサージ機100における連結部160近傍の拡大斜視図を示し、連結部160について説明する。
図7に示すように、本体部110と延設部170とは、固定連結されず、いわゆるヒンジ構造を備える連結部160により、一対の延設部170が開脚可能なように連結されている。これは、延設部170が使用者Uの身体に当接し位置固定可能となるように、本体部110に対する延設部170の角度が変更可能なことを示す。
【0023】
連結部160は、芯材174の基端側(本体部110側)に立設された中空円柱状の突起部164と、突起部164の中空部に挿入される半円柱状の棒状芯材166とを有している。すなわち、突起部164と棒状芯材166とは、平板状の芯材174の基端に対して貫通するように設けられている。さらに、連結部160は、本体部110を構成する前側ハウジング114に突設され、棒状芯材166を軸心が上下方向を向くように回転自在に支持する嵌合部162を有している。このような構成は、いわゆるヒンジ構造と呼ばれるものである。
【0024】
このような連結部160により本体部110と延設部170とが連結されているために、本体部110に対する延設部170の角度(水平面内における角度)が変更可能となる。具体的には、図8に示すように、矢示B方向に延設部170の開脚角度(一対の延設部170が左右方向に広がったり狭まったりする際の延設部170,170間の角度)を大きくしたり(例えば、θ=0〜40°)、矢示C方向に延設部170の開脚角度を小さくしたり(例えば、θ=0〜−20°)することができる。これは、後述するように、マッサージ機100を使用者Uの身体に当接し位置固定可能となることを示す。
【0025】
なお、図8に示すように、開脚角度が大の状態にある一対の延設部170(実線で示す)は、芯材174に巻き付けられたクッション材172の弾性作用により、自然に開脚角度が小の状態にある一対の延設部170(破線で示す)へと戻るようになっている。この戻り動作をより確実なものとすべく、たとえば、ばね等の弾性体を連結部160に設けて、矢示B方向へ広げた後に弾性体の弾性力で矢示C方向へ戻るようにしてもよい。さらに、延設部170を矢示C方向へ閉じた状態でクッション材172を本体部110および延設部170へ巻き付けることにより、矢示B方向へ広げた後にクッション材172の復元力で矢示C方向へ戻るようにしてもよい。
【0026】
なお、連結部160の構造は、本体部110に対する延設部170の角度が変更可能なように連結されるものであれば、ヒンジ構造に限定されるものではない。
図4などに示す如く、マッサージ機100の本体部110には、使用者の施療対象部位に対してマッサージを施術する施療部120が設けられている。本発明の場合、この施療部120の構成、構造は限定されるものではなく、バイブレータ機構を採用することも可能であるし、打撃力を発生する機構を採用してもよい。
【0027】
本実施形態の場合、施療部120は、以下の構成を有している。
施療部120は、左右一対に配備された揉み部122を備え、各揉み部122はその先端部に第1の揉み玉126および第2の揉み玉128が設けられている。
揉み部122は、先端が上下に二股形状とされた平板状の揉み玉支持体124を有している。揉み玉支持体124の二股のうち上方に延びた部分の先端には、第1の揉み玉126が取り付けられ、揉み玉支持体124の二股のうち下方に延びた部分の先端には、第2の揉み玉128が取り付けられている。
【0028】
各揉み部122は、前側ハウジング114に形成された開口部196を貫通して前方に突出するようになっている。左右一対の揉み部122を前面視すると、左右の第1の揉み玉126間の幅が狭く、左右の第2の揉み玉128間の幅が広くなっており、八の字形状を呈している。この構成により、使用者の首肩部に施療部120をあてがった場合、第1の揉み玉126が首部に当たるようになり、左右の第2の揉み玉128が肩部に当接するようになる。
【0029】
揉み部122の基端側(揉み玉支持体124の揉み玉が取り付けられていない側)は、後述する変換部140の環状嵌合部142が設けられており、揉み玉支持体124と環状嵌合部142とは一体的に構成されている。なお、揉み玉126,128にヒータを内蔵して患部を暖めるようにすることも好ましい。
本体部112の内部空間、言い換えれば、前側ハウジング114および後側ハウジング116で構成される空間には、揉み部122の揺動運動の駆動源である駆動部130と、駆動部130の回転運動を揉み運動(揺動運動)へ変換する変換部140および規制部150とが収納される。
【0030】
図5に図4に示したA−A断面図を、図6にマッサージ機100における変換部140および後側ハウジング116の分解斜視図を、それぞれ示し、駆動部130、変換部140および規制部150について説明する。図6において、変換部140は、90°回転されて後側ハウジング116に取り付けられる。
駆動部130は、本体部110の中央下方に回転軸を上方向に向けて設けられた電動モータ132と、電動モータ132の回転数を調整(減速)するとともに、左右方向に設けられた回転軸146を回転させるために電動モータ132の回転方向を直交変換するギアボックス134とで構成される。電動モータ132は図示しない制御部および電源部に接続され、使用者Uが操作部180を操作することにより、電動モータ132の回転がオン/オフされたり電動モータ132の回転数が変更されたり、電動モータ132の回転方向が変更(正転/逆転)されたりする。
【0031】
変換部140は、回転軸146の回転運動を揉み運動(揺動運動)へ変換する。変換部140は、揉み玉支持体124と一体的に構成された環状嵌合部142と、回転軸146に固着され回転軸146とともに回転運動する左右一対の回転ボス部144とで構成される。さらに詳しくは、環状嵌合部142は、回転ボス部144の周縁に相対回転自在に嵌り込むように取り付けられている。さらに、回転ボス部144に対して環状嵌合部142が供回りすることを規制する規制部150が備えられている。
【0032】
回転ボス部144の周縁面(摺動面)には、回転軸146に対して傾斜する軸心を有する略円形であって無端状の軌道(カム面)が形成されている。この軌道に沿って環状嵌合部142が回転ボス部144に対して相対回転自在となっている。左右一対の揉み玉支持体124に一体的に構成された環状嵌合部142には、左右一対の回転ボス部144がそれぞれ取り付けられている。左右の回転ボス部144の軌道の傾斜方向は、互いに逆向きになるように、回転ボス部144が回転軸146に固定されている。
【0033】
規制部150は、環状嵌合部142に設けられた円柱状の規制突起154と、後側ハウジング116の内面に設けられた規制溝152とで構成される。規制突起154は、揉み玉支持体124が取り付けられていない側の外周に設けられる。規制突起154は、規制溝152の間に嵌め込まれる。規制突起154が規制溝152を左右方向に摺動するため、規制溝152により規制突起154の上下方向の動きが規制される。これにより、回転ボス部144に対して環状嵌合部142が供回りすることが規制されて、ひいては、回転軸146が回転することによる揉み玉(第1の揉み玉126および第2の揉み玉128)の供回りが規制される。したがって、回転軸146が回転すると、回転ボス部144が回転軸146と共に回転して、回転軸146に対して傾斜する軸心を有する軌道(カム面)に沿って環状嵌合部142が摺動することになる。環状嵌合部142が摺動しても、環状嵌合部142の回転運動は規制部150によって規制され、揉み玉(第1の揉み玉126および第2の揉み玉128)が揺動(マッサージ動作)することになる。
【0034】
以上のような構造を備えるマッサージ機100の使用方法について説明する。
図9に示すように、使用者Uが首肩部をマッサージするときには、矢示C方向に延設部170の開脚角度をそのまま乃至は狭くして、使用者Uが腰部をマッサージするときには、矢示B方向に延設部170の開脚角度を広くする。また、体格の大きい使用者が肩をマッサージした後に、体格の小さい使用者が肩をマッサージするときには、矢示C方向に延設部170の開脚角度を狭くして、体格の小さい使用者が肩をマッサージした後に、体格の大きな使用者が肩をマッサージするときには、矢示B方向に延設部170の開脚角度を広くする。
【0035】
このようにすると、患部および体格に合致した延設部170の開脚角度になり、使用者Uの身体に延設部170がしっかりと当接する。さらに、このとき、使用者Uが、把持ベルト192に手を通してマッサージ機100を把持することにより、揉み部122の揉み玉が駆動部130により作動しても、患部から施療部120が離れないように支えるようにする。このようにすることにより、施療部120の位置を患部に固定することができる。すなわち、使用者Uが首肩部をマッサージするときには、両肩の上に延設部170が載せられることになり、施療部120の位置を首肩部に固定することができ、使用者Uが腰部をマッサージするときには腰回りに延設部170をまとわりつかせて施療部120の位置を腰部に固定することができる。
【0036】
以上のように、本実施の形態に係るマッサージ機100によると、患部の場所および/または使用者の体格が異なっても、1台のマッサージ機で、様々な部位を効果的にマッサージすることができる。具体的には、首肩部を効果的にマッサージするのみならず、腰部や大腿部等を効果的にマッサージすることができる。
本発明に係るマッサージ機100は、使用者Uの首肩部および腰部だけに限定されるものではなく、使用者Uの脚部などにも使用が可能である。また、マッサージ機100の形状は、U字型形状であればよく、種々の変更可能である。
【0037】
なお、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【符号の説明】
【0038】
100 マッサージ機
110 本体部
112 メッシュ材
114 前側ハウジング
116 後側ハウジング
120 施療部
122 揉み部
124 揉み玉支持体
126 第1の揉み玉
128 第2の揉み玉
130 駆動部
132 電動モータ
134 ギアボックス
140 変換部
142 環状嵌合部
144 回転ボス部
146 回転軸
150 規制部
152 規制溝
154 規制突起
160 連結部
162 嵌合部
164 突起部
166 棒状芯材
170 延設部
172 クッション材
174 芯材
180 操作部
190 把持部
192 把持ベルト
195 垂下部
196 開口部
U 使用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の患部をマッサージする施療部を備えた本体部と、前記本体部の両端から脚状に延設された一対の延設部とを備えていてU字型形状を呈するマッサージ機において、
前記一対の延設部は、本体部に連結する芯材を内部に有していて、
前記芯材と本体部とが、一対の延設部を開脚可能とする連結部を介して連結されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
使用者の患部をマッサージする施療部を備えた本体部と、前記本体部の両端から延設された一対の延設部とを備えていてU字型形状を呈するマッサージ機において、
前記一対の延設部は、本体部に連結する芯材を内部に有していて、
前記芯材と本体部とが、前記延設部が使用者の身体に当接し位置固定可能となるように、前記本体部に対する延設部の角度を変更可能とする連結部を介して連結されていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
前記延設部の先端には、使用者が手で把持可能な把持部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記連結部は、ヒンジ構造とされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療部は、首筋に当接する揉み玉と肩に当接する揉み玉とが一体的に構成された、左右一対の揉み部を備え、
前記揉み部が前面視で八の字形状であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−94442(P2013−94442A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240172(P2011−240172)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(592009214)大東電機工業株式会社 (106)
【Fターム(参考)】