説明

マッサージ装置付き浴槽装置

【課題】指で押されたまま人体表面上を移動するようなマッサージ感を得ることが可能なマッサージ装置付き浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽水の吸入口が浴槽壁に形成された浴槽本体と、吸入口から浴槽水を吸入し加圧する加圧装置と、加圧装置から送られる浴槽水を浴槽本体に貯留された浴槽水中に噴出させる噴出口を有する噴流ノズルと、浴槽本体における噴流ノズルが設けられた側の浴槽壁に設けられ、入浴者の姿勢を規制するための姿勢規制手段とを備え、吸入口と噴流ノズルの噴出口との間の流路は大気との連通口に通じず、噴流ノズルは、実質気泡を有しない噴流を、入浴者に対する噴流衝突部位が、噴流束の太さより大きな所定範囲を連続的な周期運動で移動する軌跡を描くように噴出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽水中に噴出する噴流を利用したマッサージ装置付き浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽壁に噴流ノズルを設けて、そのノズルから噴流を浴槽水中に噴出させるものがあり、例えば、特許文献1、2には、噴出時ノズル内部が負圧になることで空気供給口から空気を吸い込み、水流に混合させて気泡入り噴出流を浴槽内に噴出させるものが開示されている。
【0003】
しかし、人体が気泡入り噴流を受けた場合、噴流が衝突していると感じる部位とそうでない部位との境界は、複数点における気泡の衝突感および浮力による気泡の上昇によりあいまいとなり、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることは難しかった。そのため、水流で押されたまま人体表面上を移動する感じは受けられず、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感を得ることはできなかった。
【0004】
特許文献3には、気泡を混入しない噴流発生装置が開示されているが、気泡無しの噴流では刺激が弱いため、噴流に給湯器からの湯を混ぜ刺激感の向上を試みている。しかし、噴流の噴出方向は自動的に変化せず、同一方向にのみ噴出し、水流の移動を感じることができず、入浴者が刺激に馴化し、飽きをまねきやすい。
【特許文献1】特開平4−61859号公報
【特許文献2】特開2001−8998号公報
【特許文献3】特開2001−46454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、指で押されたまま人体表面上を移動するようなマッサージ感を得ることが可能なマッサージ装置付き浴槽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、浴槽水中に噴出する噴流を利用したマッサージ装置付き浴槽装置であって、浴槽水の吸入口が浴槽壁に形成された浴槽本体と、前記吸入口から浴槽水を吸入し加圧する加圧装置と、前記加圧装置から送られる浴槽水を前記浴槽本体に貯留された浴槽水中に噴出させる噴出口を有する噴流ノズルと、前記浴槽本体における前記噴流ノズルが設けられた側の浴槽壁に設けられ、入浴者の姿勢を規制するための姿勢規制手段と、を備え、前記吸入口と前記噴流ノズルの噴出口との間の流路は、大気との連通口に通じず、前記噴流ノズルは、実質気泡を有しない噴流を、入浴者に対する噴流衝突部位が、噴流束の太さより大きな所定範囲を連続的な周期運動で移動する軌跡を描くように噴出することを特徴とするマッサージ装置付き浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、指で押されたまま人体表面上を移動するようなマッサージ感を得ることが可能なマッサージ装置付き浴槽装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置の概略構成を表す模式平面図である。
図2は、同マッサージ装置付き浴槽装置において浴槽本体を側面方向から見た模式図である。
【0010】
本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置は、主として、浴槽本体1と、ポンプ7や噴流ノズル11などから構成されるマッサージ装置とに大別される。
【0011】
浴槽本体1は、略平行に相対向する一対の長辺側浴槽壁3a、3bと、略平行に相対向する一対の短辺側浴槽壁4a、4bとを有する。浴槽本体1の上縁部には、外側にフランジ状に張り出した浴槽リム2が設けられている。
【0012】
長辺側浴槽壁3bには吸入口5が形成されている。加圧装置であるポンプ7が駆動されると、浴槽本体1に貯留された浴槽水(湯も含む)は吸入口5を介して流路13へと吸い込まれる。
【0013】
流路13の一端は吸入口5に接続され、他端はポンプ7の吸入口に接続されている。流路14の一端はポンプ7の吐出口に接続され、他端は噴流ノズル11の流水導入口に接続されている。ポンプ7は、吸入口5から流路13内に浴槽水を吸い込むと共に、その吸い込んだ浴槽水を加圧してポンプ7の下流側の流路14に吐出する。このポンプ7から吐出された加圧浴槽水は、噴流ノズル11の流水導入口に流入する。
【0014】
使用していないときに、ポンプ7内部の残留水を抜くために、ポンプ7は吸入口5よりも上方に設けることが望ましい。また、浴槽水排水時に、流路13内の残水が吸入口5を介して排水できるように、流路13は図2に表すようにポンプ7側から吸入口5に向けて下り勾配とされることが望ましい。
【0015】
吸入口5は浴槽本体1の底面に形成してもよいが、この場合前述した流路13の排水勾配をつけにくいため、吸入口5は浴槽壁に形成することが望ましい。また、一般に、入浴者は、一対の短辺側浴槽壁のうちの一方に背をもたれかけて、他方の短辺側浴槽壁に足を向けた姿勢で入浴するため、吸入口5を短辺側浴槽壁に形成した場合には、入浴者の背中や足裏で吸入口5がふさがれポンプ7に過剰の負荷がかかることが懸念される。したがって、吸入口5は、浴槽壁の中でも、入浴者の身体の一部等によってふさがれにくい長辺側浴槽壁に形成するのが望ましい。
【0016】
図1に表すように、一方の短辺側浴槽壁4aには、例えば2つの噴流ノズル11が取り付けられている。2つの噴流ノズル11は、略同じ高さ(本実施形態では、浴槽本体1の底面から概ね230(mm))に所定距離隔てて(本実施形態では、2つの噴流ノズル11間の距離は概ね160(mm)で、且つ、2つの噴流ノズル11の設置位置の中心と短辺側浴槽壁4a方向の中央部が一致するように)設けられている。噴流ノズル11が取り付けられた一方の短辺側浴槽壁4aの反対側の他方の短辺側浴槽壁4b側には浴槽水栓が設けられる。したがって、通常、入浴者は自然と噴流ノズル11が設けられた側の短辺側浴槽壁4aに背中を向けた姿勢で入浴する。
【0017】
図3(a)は、噴流ノズル11の模式断面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるA−A断面図である。
【0018】
噴流ノズル11は、略円筒状の筒体20を備え、その一端(上流端)には、ポンプ7の吐出側に接続された流路14と連通される流水導入口21が設けられ、他端(下流端)には噴出口26が設けられている。
【0019】
筒体20は、噴出口26を浴槽本体1の内部に臨ませて、短辺側浴槽壁4aに保持されている。筒体20は浴槽本体1のあふれ縁より下で、短辺側浴槽壁4aに対して保持されている。ここで、「あふれ縁」とは、浴槽本体1内に浴槽水をためていったとき、最初に浴槽本体1内から溢れる部分の浴槽本体1の縁(またはリム)を意味する。このような構成のため、噴流ノズル11からの噴流を浴槽水中に噴出させることができる。
【0020】
噴流ノズル11の噴出口26は、他方の短辺側浴槽壁4bに向いている。流水導入口21は、浴槽本体1の外側で、流路14に接続されている。
【0021】
流水導入口21と噴出口26との間の筒体20内部には、上流側(流水導入口21側)から順に、流水導入部22、流路断面収縮部23、チャンバー25が設けられ、これらを介して流水導入口21と噴出口26との間は連通している。
【0022】
流水導入部22は、流水導入口21と流路断面収縮部23との間に設けられ、その流路断面は流水導入口21から流路断面収縮部23に向かうにしたがって徐々に狭められている。流路断面収縮部23は、筒体20の軸中心Cに位置し、流水導入口21及び流水導入部22に対して流路断面が縮小されている。
【0023】
流路断面収縮部23の下流側には、流路断面収縮部23に対して流路断面が急拡大(例えば径が3倍以上急拡大された)された流路断面急拡大部24を一端部(上流側端部)に有するチャンバー25が設けられている。チャンバー25は、流路断面急拡大部24の内径寸法のまま噴出口26近傍まで続いている。すなわち、チャンバー25の上流側端部が流路断面急拡大部24として機能し、チャンバー25の下流側端部が噴出口26として機能する。
【0024】
流路断面収縮部23から流路断面急拡大部24にかけての筒体20内空間を囲む壁面23a、24aは略垂直に変化している。すなわち、流路断面収縮部23まわりの壁面23aは、筒体20の軸方向に対して略平行であるのに対して、流路断面急拡大部24として機能するチャンバー25の上流側端部の壁面24aは、壁面23aに対して略垂直に続いて径外方に広がって形成されている。この流路壁面の急変化により、後述するように流路断面急拡大部24にて、壁面からの流れの剥離が生じる。
【0025】
なお、壁面24aは、壁面23aに対して略垂直に広がっていることに限らず、流路断面急拡大部24にて、流れの剥離が生じる程度に、下流側に向けて流路断面が拡径する漏斗(またはラッパ)状に形成されていてもよい。ただし、壁面23aに対して略垂直に続くように壁面24aが形成されている方が、流路断面急拡大部24における流れの剥離を促進させやすい。
【0026】
チャンバー25の内壁面は、流路断面急拡大部24から、噴出口26の近傍に至るまでは筒体20の軸中心Cに対して略平行に延在している。チャンバー25の下流側において噴出口26に続く内壁面は、筒体20の軸中心Cに向けて傾斜された環状の傾斜面28となっている。
【0027】
噴出口26近傍のチャンバー25内には、噴出口26へと通じるチャンバー25内流路の一部を遮る遮蔽体27が設けられている。
【0028】
図4(a)は、遮蔽体27が設けられた部分における筒体20及びチャンバー25の断面図であり、図4(b)は図4(a)におけるB−B断面図である。
【0029】
遮蔽体27は円盤状に形成され、その中心を筒体20の軸中心Cに一致させて、チャンバー25の内部に設けられている。遮蔽体27は、チャンバー25内流路のすべてを遮蔽しておらず、遮蔽体27とチャンバー25の内壁部25bとの間には、チャンバー25から噴出口26への流水の流れを許容する流路25aが確保されている。
【0030】
遮蔽体27は、遮蔽体27とチャンバー25の内壁部25bとの間に放射状に設けられた3本の棒状の支持部31を介してチャンバー25の内壁部25bに対して支持されている。支持部31の一端は遮蔽体27の内部に嵌入されて固定され、他端はチャンバー25の内壁部25bに形成された孔に嵌入されて固定されている。3本の支持部31は、遮蔽体27の外周面のまわりに周方向に沿って等間隔で設けられている。
【0031】
遮蔽体27は、流水導入口21から導入されチャンバー25を経て噴出口26へと流れる加圧浴槽水の圧力(動圧)を受けるため、支持部31が1本だけであると前記圧力に耐え得る十分な強度が得られず遮蔽体27が外れてしまう可能性があり、支持部31が2本だけであると、遮蔽体27表面に作用する前記圧力が軸中心Cに対して非軸対称分布になることにより生じる支持部周りのモーメントの影響を受け、遮蔽体27が回転してしまう可能性がある。したがって、支持部31は、3本以上設けるのが望ましい。
【0032】
噴流ノズル11の先端部は、図2に表されるように、噴流ノズル11が設けられた短辺側浴槽壁4aの内面から浴槽内に出っ張っており、その出張部11aは、入浴者の姿勢を規制するための姿勢規制手段として機能する。
【0033】
以上説明したように構成される本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置において、浴槽本体1近傍に設けられた図示しないコントローラのスイッチを入浴者が操作すると、ポンプ7が起動し、浴槽本体1に貯留された浴槽水が吸入口5から流路13内へと吸入される。この吸入された浴槽水は、ポンプ7にて加圧されて、流路14を介して、噴流ノズル11の流水導入口21に導入される。噴流ノズル11内に導入された加圧浴槽水は、以下に説明するように、噴出方向を不規則に変化させた旋回噴流として浴槽本体1に貯留された浴槽水中に噴出される。
【0034】
図5(a)〜(d)は、噴流ノズル11にて旋回噴流が形成される作用を説明するための模式図である。
【0035】
流水導入口21から導入された加圧浴槽水は、流水導入部22、流路断面収縮部23および流路断面急拡大部24を順に経てチャンバー25内に噴流となって流入する。加圧浴槽水が、流路断面収縮部23からチャンバー25内に流入する際、流路断面の急拡大により、筒体20内壁面に沿って流れることができなくなり、すなわち流路内壁面に対して流れの剥離が生じる。
【0036】
一般的に、噴流は、外部流体との運動量交換により外部流体を加速し、噴流内部に巻き込む。このとき、噴流近傍に壁面が存在すると、外部流体を内部に引き込むように作用する引きつけ力の反作用により、噴流自身が壁面に向かって曲げられ、再び流れが壁面に沿うようになる。つまり、チャンバー25の内壁面の周の一部に流れが再付着する。
【0037】
チャンバー25の内壁面に付着した主流は、そのままチャンバー25内壁面に沿い、遮蔽体27の外周面とチャンバー25内壁面との間を噴出口26に向かって流れ、噴出口26の手前(上流側)で筒体20の軸中心に向かうように傾斜して形成された傾斜面28に沿って軸中心Cに対して傾斜した噴流として噴出口26から浴槽水中に噴出する。
【0038】
以上のようにして、噴流ノズル11内に、主流(図5(a)において太線矢印aで表す)が形成される。
【0039】
流路断面収縮部23に比べて噴出口26の流路断面が大きく、流れは下流に向かって減速、すなわち、チャンバー25内部では下流に向かって静圧が増加する逆圧力勾配が形成されること、さらにチャンバー25内に流路の一部を遮るように遮蔽体27が設けられていることによって、前述した主流の一部は、噴出口26から噴出されず、図5(b)において矢印bで表すように、チャンバー25の上流側に戻される。
【0040】
その上流側に戻された流れが、図5(c)に表すように、流路断面急拡大部24付近にて主流が剥離したよどみ領域に流れ込むことで、図5(d)に表すように、流路断面急拡大部24付近で中心軸Cまわりに旋回流が形成され、これにより、主流の内壁面に対する再付着位置が周方向で不規則に変化し、噴出口26からは中心軸Cまわりに不規則に旋回した噴流が噴出される。
【0041】
噴出流に気泡を混入させて噴出流を可視化した状態で、噴流ノズル11から旋回噴流を噴出させた様子を、図6(a)〜(d)の写真図に表す。
【0042】
入浴者は、噴流ノズル11から噴出される旋回噴流を、腰、背、肩、手、足等の身体の一部に受けることにより、マッサージ効果を得ることができる。噴流ノズル11から噴出される噴流は、一般的に広く知られる気泡浴装置による細く強い直線的な噴流とは異なり、太くやわらかい旋回噴流であるため、腰を包み込む、背中、腰全体を押すようにもみほぐすなど、局所的に強い刺激感ではなく、広範囲をもみほぐすような手もみに近いマッサージ感を得ることができ、長時間入浴していても飽きがなくゆったりとリラックスできる。また、直線的な強い噴流を局所的に受ける場合には、所望の部位にその噴流を受けるべく姿勢を保つために緊張状態になりがちであったが、本実施形態の旋回噴流は広範囲にわたってやわらかい刺激を与えるため、入浴者に緊張を強いることなく、力を抜いたリラックスした状態にさせやすい。
【0043】
噴流ノズル11は、内部に導入された浴槽水自らが、前述したようにチャンバー25内での還流作用によって、噴出口26から噴出される噴流の旋回を励起する構成となっている。この噴出動作に際して噴流ノズル11内部では、導入された加圧浴槽水のみが流動し、噴流ノズル11自体には可動部や摺動部がなく、また、それら部品を可動させるためモータも不要であり、モータ駆動音、部品の可動・摺動音が発生せず、静音化できる。また、可動・摺動部分における摩耗やゴミ詰まりなどによる旋回性能低下の心配もない。
【0044】
また、噴流ノズル11内における作動流体自身の乱れにより噴流の旋回運動が形成されるため、不規則に旋回周波数が変化してゆらいでいる時間帯と、ほぼ一定周波数で旋回している時間帯と、旋回していない時間帯とが不規則に存在する。結果として特別な制御をしなくても自然なゆらぎを持った旋回噴流を実現することができる。これにより、人による手もみ感覚に近づけることができ、変化に富んだ旋回噴流刺激が得られ、飽きがこない。
【0045】
噴流ノズル11における筒体20は一重構造である。すなわち、ひとつの筒体20によって周囲が囲まれる単一空間(流路)内で、噴出口26へと向かう主流、および主流とは逆方向に流れる還流が形成され、浴槽水中に旋回噴流として噴出される。したがって、構造が単純化され、安価に作製することができ、またメンテナンスも容易になる。さらには、目詰まりによる旋回性能低下の心配もない。
【0046】
噴流ノズル11から噴出される噴流は旋回しているので、気泡が混入されなくても、マッサージ感を受けるのに十分な刺激感が得られる。むしろ気泡混入では得られない水で押されるような手もみに近いマッサージ感が得られる。
【0047】
また、噴流に気泡を混入しないため、吸入口5と噴流ノズル11の噴出口26との間の流路は、大気との連通口(空気取り入れ口)に通じていない。この結果、空気が浴槽水の循環流路内に取り込まれる際の音や、気泡発泡音が発生せず、静かな環境でよりリラックスして噴流マッサージを受けることができる。
【0048】
気泡混入の有無を切り替えたり気泡混入量を調整するバルブを設け、そのバルブを閉じて気泡が噴流に混入しないようにしたとしても、バルブ内に残存した空気が配管内に引き込まれ発泡音を発生させる場合がある。しかし、本実施形態では、浴槽水の循環流路内に空気を取り込む構成自体がなく、当然前述したようなバルブもないため、そのバルブ内に残存する空気に起因する騒音も発生しない。
【0049】
噴流ノズル11は、噴流噴出角度または噴出口の位置を連続的に変えながら噴流を噴出し、入浴者に対する噴流衝突部位(例えば入浴者の背中への噴流衝突部位)が、噴流束の太さより大きな所定範囲を連続的な周期運動で移動するような軌跡を描く。ここでの、「周期運動」とは、前記所定範囲内にて噴流衝突部位が同じような軌跡を繰り返しながら移動することを意味する。
【0050】
図7は、噴流ノズル11から噴出される噴流束の太さと、その噴流束が移動する範囲を表す模式図である。
図7において、噴流束の太さをaの円で表し、その噴流束が移動する所定範囲をAの円で表す。また、噴流束(の中心)の移動軌跡の一例を1点鎖線で表す。
【0051】
噴流束の太さは人の指の太さに対応し、所定範囲Aはその指が移動する範囲に対応する。したがって、本実施形態によれば、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感が得られる。
【0052】
指(特に一般的な指圧でよく用いられる親指)でマッサージされている感覚を実現するためには、直径5cm以上8cm以下の円内(所定範囲A)を、1cm以上3cm以下の太さの噴流束で押しながら移動させるのが好ましく、噴流ノズル11の噴出口26の直径を1cm以上3cm以下とするのがよい。
【0053】
また、人体が気泡入り噴流を受けた場合、噴流が衝突していると感じる部位とそうでない部位との境界は、複数点における気泡の衝突感および浮力による気泡の上昇によりあいまいとなり、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることは難しかった。そのため、水流で押されたまま人体表面上を移動する感じは受けられず、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感を得ることはできなかった。
【0054】
これに対して、本実施形態の噴流ノズル11は、実質気泡を有しない噴流を浴槽水中に噴出するため、気泡の影響を受けずに、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることができ、水流で押されたまま人体表面上を移動する感じ、すなわち指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感を得ることができる。
【0055】
ここで、「実質気泡を有しない噴流」とは、直径が数十μm以下の気泡(マイクロバブル、ナノバブル等)は噴流に含まれてもよいことを意味する。そのような直径が数十μm以下の気泡が噴流に含まれたとしても、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることができる。
【0056】
実際に人が指圧マッサージをする場合において、人体表面に対して荷重を加えながら、その荷重位置を移動させるため、人体表面に対する荷重の方向は概ね人体表面に対して斜め方向となる。本実施形態の噴流ノズル11から噴出される旋回噴流は、中心軸Cから偏向して噴出し、且つ、噴流衝突点が移動し、人体表面に対して斜め方向から衝突するので、人の手または指に近い手もみマッサージ感覚を得やすい。
【0057】
人体の皮膚は、互いに接近した複数部位への同時刺激よりも、1部位への刺激の方が刺激の変化をより感じやすく、例えば背中の2点に刺激を与える場合それら部位が40mm以上離れていた方が2点に別の刺激があることを感じやすい。そこで、背側(短辺側浴槽壁4a)に複数の噴流ノズル11を設ける場合には、それら2つの噴流ノズル11は少なくとも50mm以上、好ましくは100mm以上離して設けるのが好ましい。また、特許文献2のように一つのノズルに2つの噴流孔(噴出口)があると互いに接近した2部位への同時刺激となり噴流の移動を感じにくいが、本実施形態では、一つの噴流ノズル11は一つの噴出口26しか有せず、よって、それぞれの噴流ノズル11からの噴流が人体表面上を移動する感じを得ることができる。
【0058】
また、本実施形態の噴流ノズル11から噴出される旋回噴流は、噴流ノズル11の中心軸Cから例えば0°〜30°傾いて噴出するため、噴出口26からの距離により刺激感が異なる。噴出口26からの距離が概ね20(mm)以下の場合には、狭い範囲を強く押されるような刺激感が得られる。噴出口26からの距離が概ね20〜100(mm)の位置では、噴流の旋回が顕著に感じられ、噴流によるもみ感が得られる。噴出口26からの距離が30〜50(mm)の場合には、噴流の旋回が顕著に感じられると共に、水流束の拡散が小さく、より大きな刺激を得ることができる。噴出口26からの距離が概ね100(mm)以上の位置では、旋回により大きく拡散した噴流によって、広範囲を押されるような刺激感が得られる。
【0059】
ここで、図2に表されるように、入浴者が短辺側浴槽壁4aに背をもたれて、くつろいで入浴する場合、臀部を短辺側浴槽壁4aからやや離れた位置に置き、図示しない浴槽用枕等に頭部をのせたり、首、肩あるいは背の一部を短辺側浴槽壁4aに接触させた入浴姿勢をとることから、入浴者の上半身は自然と短辺側浴槽壁4aに対して傾斜し、噴流ノズル11が設置されている高さ(本実施の形態では底面より230mm)では、短辺側浴槽壁4aと入浴者との間には概ね30〜100(mm)程度の隙間が生じる。また、一方で、噴流ノズル11は互いに着脱自在な少なくとも2つ以上の複数のノズル構成部品からなり、これら複数のノズル構成部品によって、短辺側浴槽壁4aに開口する穴部に、例えばフランジ等の接続手段を用いて、短辺側浴槽壁4aを挟み込むようにして保持されるから、噴流ノズル11の先端つまり、噴出口26は、短辺側浴槽壁4aに対して、概ね5〜10(mm)浴槽内部に位置する。
【0060】
すなわち、噴流ノズル11を短辺側浴槽壁4aに配置することで、噴出口26から人体までの距離は概ね20〜95(mm)程度となり、短辺側浴槽壁4aに背をもたれた入浴者の身体の一部に的確に噴流を当てることができ、十分な手もみまたは指圧感を与えることができる。
【0061】
噴流ノズル11から噴出される噴流は、特に気泡を混入しないため、やわらかい刺激の旋回噴流であるため、直線的な強い刺激を与える気泡を含んだ噴流の場合に比べて、入浴者は噴出口26に近づきやすく、場合によっては噴出口26を背中で塞いでしまうことが起こり得る。
【0062】
そこで、噴流ノズル11の先端部を、図2に表すように、噴流ノズル11が取り付けられた短辺側浴槽壁4aの内面より浴槽内方に例えば10mm出っ張らせれば、入浴者がその背をぴったり短辺側浴槽壁4aの内面に沿わせた場合には、噴流ノズル11の出張部11aが背に当たり不快に感じるため、入浴者は自然と背を短辺側浴槽壁4aから離す姿勢をとることになり、噴出口26が入浴者の背で塞がれてしまうのを防ぐことができる。
【0063】
噴流ノズル11先端部の、浴槽壁内面からの出っ張り長さが5mm以下では入浴者が感触として噴流ノズル11の出っ張りを感じにくく、また、出っ張り長さが30mm以上ではその出っ張った部分が入浴中に邪魔となり、またデザイン性も損ねる。したがって、噴流ノズル11先端部の、浴槽壁内面からの出っ張り長さは5〜30mmの間に設定するのが望ましい。
【0064】
浴槽底面よりリム面までの高さが525mmの浴槽の短辺側浴槽壁に、先端部を10mm浴槽内方に出っ張らせて噴流ノズル11を設けた構成において、身長が155〜175cmの入浴者が、リムに頭から首の部分をもたれかけるように、背中の上部を浴槽壁面に接触させて浴槽内に入った(浴槽底面に座った)場合、噴流ノズル11先端から、入浴者の背中または腰までの距離は30〜80mmとなり、前述した噴流ノズル11からの旋回噴流を、入浴者の背または腰の一部に的確に当てて、十分な手もみ感または指圧感を与えることができる。
【0065】
噴流ノズル11から噴出される旋回噴流は、直線的に噴出される噴流に比べて、噴出口と人体との間の距離の変動によって、噴流が人体に当たる範囲(衝突範囲)が変わりやすく、入浴者と噴出口との間の距離によっては手もみ感または指圧感を得られない場合がある。しかし、前述したように、噴出ノズル11先端部の出っ張り長さを適切に設定することで、噴出口と人体との間の距離を例えば30〜80mmに自然とさせることができ、十分な手もみ感または指圧感を与えることが可能となる。
【0066】
入浴者の姿勢を規制する姿勢規制手段としては、噴流ノズル11の出張部11aに限らない。例えば、図8に示すように、噴流ノズル11が取り付けられた短辺側浴槽壁4aの上部(噴流ノズル11取付位置よりも上方の部分)に、浴槽内方に向けて出っ張った枕101や背当て102を設けることで、入浴者を所望の姿勢に規制して、噴出口26と、入浴者の背または腰との間に所望の間隔(30〜80mm)が自然と形成されるようにすることもできる。
【0067】
枕101や背当て102の厚みを、(噴流ノズル11の出っ張り長さ)+(30〜80mm)とすれば、入浴者が頭から首さらに背にかけての部分を枕101と背当て102にもたれかけた姿勢で浴槽底面に座った場合、入浴者の背または腰が噴流ノズル11先端から自然と30〜80mm程度離れ、手もみ感または指圧感を得るのに最適な姿勢とすることができる。なお、枕101と背当て102は、いずれか一方のみを設けてもよい。
【0068】
以上説明した本実施形態において、噴流ノズル11のチャンバー25内静圧は、浴槽本体1に貯留された浴槽水の静圧より低く、チャンバー25内部では下流側に向かって静圧が増加する逆圧力勾配が形成されるため、遮蔽体27を設けなくても、主流の一部をチャンバー25上流側に戻す還流を形成することは可能である。ただし、遮蔽体27を設けた方が、逆静圧勾配(流れ方向に対して静圧が上昇)による還流形成に比べ、より安定した(確実性の増した)還流が形成されることから、噴流の旋回が安定する。
【0069】
また、噴出口26の手前(上流側)に傾斜面28を設けなくても、前述したように主流がチャンバー25内壁の周の一部に偏ることから偏向した噴流が実現されるが、傾斜面28を設け、その傾斜面28に主流を沿わせることで、主流の偏向を促進することができ、より広範囲にわたるやわらかな旋回噴流を形成しやすくなる。
【0070】
流水導入部42の内径は、流水導入口21から流路断面収縮部43aにかけて略同じとしてもよい。ただし、図3に表す前述した実施形態のように、流水導入部22の流路断面を、流水導入口21から流路断面収縮部23に向けて徐々に狭めることで、噴流ノズル11内での圧力損失が小さくなり、噴出に際して大きな圧力を与えなくて済む。すなわち、ポンプ7を大きなものにしなくて済み、設置スペース及びコスト低減が図れる。
【0071】
吸入口5の数は1つに限らず複数設けてもよい。噴流ノズル11は2つに限らず、1つの噴流ノズル11を短辺側浴槽壁4aに設けてもよい。もちろん、3つ以上の噴流ノズル11を設けてもよい。
【0072】
噴流ノズル11は、略円筒形状のみに限定されるものではなく、略楕円筒形状であってもよい。あるいは、断面矩形状の噴流ノズルを用いてもよい。
【0073】
あるいは、図9に表すように、噴流孔43aの位置が変化する噴流ノズル40を用いてもよい。
図9(a)はその噴流ノズル40を側方から見た模式図であり、図9(b)は噴流ノズル40における羽根車42が設けられた部分の模式断面図であり、図9(c)は噴流ノズル40における回転体43の断面図である。
【0074】
噴流ノズル40は、略円筒状の筒体41を有し、その内部に回転体43が回転自在に設けられている。筒体41の軸中心には、回転軸44が回転自在に支持され、その回転軸44に対して回転体43及び羽根車42が固定されている。羽根車42は、複数の羽根42aを有し、筒体41内における回転体43よりも上流側に設けられている。回転体43には、回転軸44に対して略平行に延在して回転体43を貫通する一つの噴出孔43aが形成されている。筒体41の下流端46は開口されており、その下流端46を浴槽内に臨ませて噴流ノズル40は浴槽壁に取り付けられる。
【0075】
羽根車42に臨む空間に連通して設けられた流水導入部45より、前述した加圧浴槽水が筒体41内に導入されると、羽根車42が回転し、これに伴って回転体43も羽根車42と一体となって回転する。回転体43の回転により、噴出孔43aの位置が、回転軸44を中心に円を描くような軌跡で変化する。
【0076】
すなわち、噴流ノズル40は、噴出孔(噴出口)の位置を連続的に変えながら噴流を噴出し、これにより、入浴者に対する噴流衝突部位が、噴流束の太さより大きな所定範囲を連続的な周期運動で移動するような軌跡を描く。この結果、この噴流ノズル40においても、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感が得られる。
【0077】
また、噴流に気泡は混入されず、さらに回転体43の回転は水流の力を利用しており、モータを用いていないため、静音化やコスト低減が図れる。
【0078】
さらに、気泡が混入されないことで、気泡の影響を受けずに、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることができ、水流で押されたまま人体表面上を移動する感じ、すなわち指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感を得ることができる。
【0079】
また、噴出孔43aは、回転軸44に対して略平行に形成されているため、回転体43の回転に伴って噴流噴出方向は略一定(回転軸に対して略平行方向)であり、ノズル先端と入浴者との間の距離が変動しても人体表面上における噴流衝突部位は大きく変化しない。
【0080】
図10は、噴流ノズルのさらに他の具体例を表す模式図である。
【0081】
この噴流ノズル50は、略円筒状の筒体51を有し、その内部には、筒体51の軸中心に設けられた軸部材53に支持された回転体52が回転自在に設けられている。回転体52には、回転体52を上流側から下流側にかけて貫通する一つの噴出孔52aが形成されている。噴出孔52aは、軸部材53に対して平行ではなく、下流側に向かうにしたがって徐々に軸部材53から離れる径外方に偏向している。あるいは、噴出孔52aを、下流側に向かうにしたがって徐々に軸部材53に近づく径内方に偏向させて形成してもよい。筒体51の下流端55は開口されており、その下流端55を浴槽内に臨ませて噴流ノズル50は浴槽壁に取り付けられる。噴出孔52aの内径は14(mm)であり、回転体52中心と噴出孔52a中心との距離は15(mm)である。
【0082】
筒体51において回転体52よりも上流側の内部に、流水導入部54から前述した加圧浴槽水が導入されると、その浴槽水が噴出孔52aを通過して、開口された筒体下流端55より浴槽内に噴出する。ここで、噴出孔52aが、軸部材53に対して平行ではなく前述したように偏向しているため、噴出孔52a内を流れる水流の反力により回転体52が軸部材53まわりに回転し、噴出孔52aの位置が変化していく。さらに、図10(a)の状態では噴出方向が上向きとされ、図10(a)から180°回転体52が回転した図10(b)の状態では噴出方向が下向きとされ、回転体52の回転に伴い噴出方向も連続的に変化する。
【0083】
すなわち、噴流ノズル50は、噴出孔(噴出口)の位置及び噴出方向を連続的に変えながら噴流を噴出し、これにより、入浴者に対する噴流衝突部位が、噴流束の太さより大きな所定範囲を連続的な周期運動で移動するような軌跡を描く。この結果、この噴流ノズル50においても、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感が得られる。特に噴出孔52aあたりの吐出流量を25(リットル/分)以上とした場合に、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感が得られた。特に本実施形態においては、一つの回転体52に一つの噴出孔52aが設けられているため、一つの回転体52に二つの噴出孔を設けた場合に比べ、指で押されたまま人体表面上を移動する指圧マッサージ感を感じやすい。
【0084】
また、噴流に気泡は混入されず、さらに水流の反力を利用して回転体52を回転させており、モータを用いていないため、静音化やコスト低減が図れる。
【0085】
さらに、気泡が混入されないことで、気泡の影響を受けずに、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることができ、水流で押されたまま人体表面上を移動する感じ、すなわち指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感を得ることができる。
【0086】
水流の反力を利用して回転体52を回転させる噴流ノズル50において、気泡を混入していないため、気泡を入れた場合よりも水流の線流速が小さくなり回転体52の回転数は小さくなり、やわらかな手もみ感を与えやすい。
【0087】
図11は、姿勢規制手段のさらに他の具体例を表す模式図である。
【0088】
この具体例では、噴流ノズル11が設けられた一方の短辺側浴槽壁4aにおける噴流ノズル11設置部位よりも上方に、下方(浴槽底部)に向かうほど対向する他方の短辺側浴槽壁4bとの距離が短くなるよう傾斜した傾斜面104を姿勢規制手段として設けている。入浴者がその傾斜面104に背を沿わせてもたれることで、自然と、噴流ノズル11先端と入浴者との間に隙間が生じ、噴出口26が塞がれることを防いだり、指圧感を得るのに適切な距離を保つことができる。
【0089】
本発明者等の検討によれば、傾斜面104の下端を噴出口26の中心から50(mm)ほどの高さに位置させ、その下端を通る鉛直線Zに対して角度θ=10〜15°ほど傾斜面104を浴槽壁4aの外側に傾倒させた場合、入浴者が背中を傾斜面104に沿わせてもたれると、噴流ノズル11先端と、入浴者の背中との間隔を20〜95(mm)とすることができるとの知見が得られた。なお、傾斜面104の表面は平坦面であることに限らず曲面状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置の概略構成を表す模式平面図。
【図2】同マッサージ装置付き浴槽装置において浴槽本体を側面方向から見た模式図。
【図3】(a)は同マッサージ装置付き浴槽装置における噴流ノズルの模式断面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図。
【図4】同噴流ノズルにおける遮蔽体部分の断面図であり、(b)は(a)におけるB−B断面図。
【図5】同噴流ノズルにて旋回噴流が形成される様子を説明するための模式図。
【図6】噴出流に気泡を混入させて噴出流を可視化した状態で、同噴流ノズルから旋回噴流を噴出させた様子を表す写真図。
【図7】本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置において、噴流束の太さと、その噴流束が移動する範囲を表す模式図。
【図8】本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置において、姿勢規制手段の他の具体例を表す模式図。
【図9】本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置において、噴流ノズルの他の具体例を表す模式図。
【図10】本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置において、噴流ノズルのさらに他の具体例を表す模式図。
【図11】本実施形態に係るマッサージ装置付き浴槽装置において、姿勢規制手段のさらに他の具体例を表す模式図。
【符号の説明】
【0091】
1…浴槽本体、5…吸入口、7…加圧装置(ポンプ)、11…噴流ノズル、22…流水導入部、23…流路断面収縮部、24…流路断面急拡大部、25…チャンバー、26…噴出口、27…遮蔽体、11a,101,102,104…姿勢規制手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水中に噴出する噴流を利用したマッサージ装置付き浴槽装置であって、
浴槽水の吸入口が浴槽壁に形成された浴槽本体と、
前記吸入口から浴槽水を吸入し加圧する加圧装置と、
前記加圧装置から送られる浴槽水を前記浴槽本体に貯留された浴槽水中に噴出させる噴出口を有する噴流ノズルと、
前記浴槽本体における前記噴流ノズルが設けられた側の浴槽壁に設けられ、入浴者の姿勢を規制するための姿勢規制手段と、を備え、
前記吸入口と前記噴流ノズルの噴出口との間の流路は、大気との連通口に通じず、
前記噴流ノズルは、実質気泡を有しない噴流を、入浴者に対する噴流衝突部位が、噴流束の太さより大きな所定範囲を連続的な周期運動で移動する軌跡を描くように噴出することを特徴とするマッサージ装置付き浴槽装置。
【請求項2】
前記姿勢規制手段は、前記浴槽壁の内面から浴槽内に出っ張った前記噴流ノズルの出張部であることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置付き浴槽装置。
【請求項3】
前記姿勢規制手段は、前記浴槽壁における前記噴流ノズル設置部位よりも上方に設けられ、下方に向かうほど対向する浴槽壁との距離が短くなるよう傾斜した傾斜面であることを特徴とする請求項1または2に記載のマッサージ装置付き浴槽装置。
【請求項4】
前記姿勢規制手段は、前記浴槽壁に設けられた背当てであることを特徴とする請求項1または2に記載のマッサージ装置付き浴槽装置。
【請求項5】
前記姿勢規制手段は、前記浴槽壁に設けられた枕であることを特徴とする請求項1または2に記載のマッサージ装置付き浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−264283(P2008−264283A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112608(P2007−112608)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】