説明

マッサージ装置

【課題】マッサージ時に押圧動作と共にねじり動作を同時に行いうるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】把持部1と、マッサージ位置に接触する接触面53を有すると共に把持部1に移動可能に配設されたマッサージヘッド5と、前記移動に伴いマッサージヘッド5を回転付勢する回転付勢機構6とを有し、マッサージヘッド5をマッサージ位置に押圧することによりマッサージヘッド5を回転させ、この回転に伴いマッサージ位置をねじる構成とする。また回転付勢機構6を、マッサージヘッド5に設けられたカム溝55Aと、アウター4に設けられカム溝55Aに係合する係合ピン45と、マッサージヘッド5を把持部2から離間する方向に付勢するばね7とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動によりマッサージを行うマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、手動により駆動されるマッサージ装置は、円柱状の回転体(ローラ)を備えた構成のものが多く提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種のマッサージ装置は、ローラの回転によりマッサージ位置に刺激を与え、このマッサージ効果によって血行を良好とし皮膚の新陳代謝を活発にする構成とされていた。
【0003】
また、つぼを押圧することによりマッサージ効果(指圧効果)を実現できるよう構成したマッサージ装置も提供されている(特許文献2参照)。この種のマッサージ装置は、使用者が把持する把持部に湾曲した弾性アーム部を設けると共に、この弾性アームの先端に押し圧部を設けた構成とされている。そして、使用者が把持部を把持し、押し圧部を所望するマッサージ位置に当接させ押圧することによりマッサージ効果を得る構成とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新登録第3104107号公報
【特許文献2】特開2008−229111号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、局所的にこりがあるような場合は、ローラによるマッサージは適していない。これに対し、弾性アームの先端に押し圧部を設けた構成のマッサージ装置は、局所的なこりに対しては有効である。しかしながら、この従来の弾性アームの先端に押し圧部を設けた構成のマッサージ装置は、単に所望するマッサージ位置を垂直に押圧するだけの処理しかできなかった。
【0006】
これに対し、人の指により指圧を行う場合、単にマッサージ位置を垂直に押圧するばかりでなく、指にねじり動作を加えることが行われる。このように、マッサージ位置を押圧する際、マッサージ位置に押圧動作に加えてにねじり動作を加えることにより、より効果的なマッサージを行うことが可能となる。
【0007】
従来のマッサージ装置では、マッサージ位置を垂直に押圧することはできても、マッサージ位置をねじる動作を行うことはできなかった。このため、従来のマッサージ装置では、効果的なマッサージを十分に行うことができないという問題点があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、マッサージ時に押圧動作と共にねじり動作を同時に行いうるマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、第1の観点からは、
把持部と、
マッサージ位置に接触する接触面を有すると共に前記把持部に移動可能に配設されたヘッド部と、
前記移動に伴い前記ヘッド部を回転付勢する回転付勢機構とを有し、
前記ヘッド部を前記マッサージ位置に押圧することにより生ずる前記ヘッド部の移動により、前記回転付勢機構により前記ヘッド部を回転させ、前記マッサージ位置をねじる構成としたことを特徴するマッサージ装置により解決することができる。
【発明の効果】
【0010】
開示のマッサージ装置によれば、マッサージ時に押圧動作と共にねじり動作を同時に行うことができるため、効果的なマッサージを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置の外観図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置の動作を説明するための図であり、アウターのみを断面視した図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置の動作を説明するための図であり、マッサージヘッドの動きを説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置の動作を説明するための要部断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0013】
図1乃至図5は、本発明の一実施形態であるマッサージ装置10Aを説明するための図である。図1はマッサージ装置10Aの概略構成を示す分解斜視図であり、図2はマッサージ装置10Aの外観を示す斜視図であり、図3乃至図5はマッサージ装置10Aの動作を説明するための図である。
【0014】
本実施形態に係るマッサージ装置10Aは主に美容に用いられるものであり、具体的には、使用者のわき腹、顔、首,頭等に対してマッサージを行う際に使用するものである。このマッサージ装置10Aは、大略すると把持部1、マッサージヘッド5、及び回転付勢機構6等を有した構成とされている。
【0015】
把持部1は、図1に示すように、把持部本体2、インナー3、及びアウター4等を有した構成とされている。把持部本体2はマッサージ位置にマッサージを行際に使用者に把持される部位である。この把持部本体2は筒形状を有しており、よって内部に貫通穴22が形成されている。また、把持部本体2の上端部(図中、矢印X2方向側の端部)の外周には、段差部23が形成されている。
【0016】
ところで、本実施形態に係るマッサージ装置10Aは、把持部本体2内に例えば化粧料等を装填した化粧料容器(例えば、エアゾール容器等)を収納可能な構成とされている。マッサージ装置10Aに化粧料容器を装着した場合には、後述するマッサージ動作に伴い化粧料をマッサージ位置に吐出することも可能である。なお以下の説明においては、説明及び図示の便宜上、化粧料容器を装着しない場合を例に挙げて説明するものとする。
【0017】
インナー3は、インナー本体31,鍔部32,装着部33及びノズル部34を有した構成とされている。インナー本体31は、大略すると有底筒状の形状とされている。このインナー本体31の下端部(矢印X1方向の端部)の近傍には鍔部32及び装着部33が形成されている。
【0018】
装着部33は、把持部本体2の貫通穴22に嵌入されるよう構成されている。また、装着部33を把持部本体2に嵌入する際、鍔部32が把持部本体2の上方側端部(X2方向側端部で、貫通穴22の周縁部)と当接するまで挿入される。鍔部32が把持部本体2の上方側端部と当接することにより、把持部本体2に対してインナー3の位置決めが行われる。
【0019】
また、インナー本体31の上方側端部(X2方向側端部)には、ノズル部34が形成されている。ノズル部34はインナー本体31に対して小径とされており、よってノズル部34とインナー本体31との境界部分には段差部37が形成される。
【0020】
このノズル部34には、図5に示すように孔35が形成されている。この孔35は、前記した化粧料容器を装着した場合には、化粧料容器から吐出される化粧料の通路として機能する。
【0021】
アウター4は略筒形状を有しており、インナー3を覆うように配設される。このアウター4は、アウター本体41、固定部42、ヘッド受け部43、及び係合ピン45を有した構成とされている。
【0022】
アウター本体41の内径は、前記したインナー本体31の外径よりも大きく設定されている。よって、アウター本体41の内面と、インナー本体31の外面との間には筒状の間隙9が形成される。
【0023】
固定部42は、アウター本体41の下端部(X2方向側の端部)に形成されている。この固定部42は把持部本体2の段差部23に嵌着され、これによりアウター4は把持部本体2に固定される。この際、前記したインナー3を把持部本体2に装着した上で、固定部42を段差部23に嵌着する。
【0024】
固定部42の内壁でアウター本体41の境界部には、段差部42aが形成されている。アウター4を把持部本体2に固定する際、この段差部42aはインナー3の鍔部32と係合し、これを把持部本体2に向けて押圧する。よって、アウター4を把持部本体2に固定することにより、インナー3も把持部本体2に固定される。
【0025】
ヘッド受け部43は、アウター本体41の上端部(X1方向側の端部)に形成されている。このヘッド受け部43は、後述するヘッド部52が移動可能に(X1,X2方向に移動可能に)収納される。
【0026】
係合ピン4(請求項に記載の係合部材に相当する)は回転付勢機構6を構成するものであり、アウター本体41に配設されている。この係合ピン45は、アウター本体41の内壁から内側に向け突出している。
【0027】
マッサージヘッド5(請求項に記載のヘッド部に相当する)は、外側筒部51、ヘッド部52、及び内側筒部58を一体的に形成した構成とされている。本実施形態では、マッサージヘッド5はTPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)により形成されている。このTPUはゴムのような弾力性と、硬質プラスチックのような強靭さとを共に有した特性を有している。なお、マッサージヘッド5の材質はTPUに限定されるものではなく、後述する所定の硬度を有するものであれば、金属、木、ガラス、石、ゴム、など各種素材を用いることが可能である。
【0028】
外側筒部51は、前記したインナー3とアウター4との間に移動可能に挿入される。即ち、前記したようにアウター本体41の内面とインナー本体31の外面との間には筒状の間隙9が形成されるが、外側筒部51はこの間隙9内に移動可能(X1,X2方向に移動可能)に挿入される。よって、マッサージヘッド5は、インナー3及びアウター4に案内されて図中矢印X1,X2方向に移動する。また、外側筒部51の表面には、後述する回転付勢機構6を構成するカム溝55Aが形成されている。
【0029】
ヘッド部52の直径は、外側筒部51の直径より大きく設定されている。このヘッド部52は、アウター4のヘッド受け部43の内部に移動可能に装着される。このヘッド部52の上面は、マッサージ装置10Aを用いてマッサージを行う際にマッサージ位置(使用者の肌)に接触する接触面53とされている。
【0030】
接触面53は、複数の凸部54,56が形成されている(図4に詳しい)。本実施形態では、円形状の接触面53の中心位置に凸部56が形成され、この凸部56を中心として45°間隔で4個の凸部54が同心円的に形成されている。また、凸部56の中心位置には、孔57が形成されている。
【0031】
マッサージ装置10Aの使用時において接触面53をマッサージ位置に押圧した際、この凸部54,56はマッサージ位置に押し付けられ、これによりマッサージ位置と接触面53との間に滑りが発生することを防止する。これにより、後述するねじり効果をマッサージ位置に有効に作用させることができる。
【0032】
内側筒部58は外側筒部51の内部に形成されており、接触面53の裏面から下方に向けて(X1方向に向けて)延出するよう形成されている。前記したインナー3に形成されたノズル部34は、この内側円筒部57内に挿入される。この際、ノズル部34は内側筒部58に移動可能となるよう構成されている。
【0033】
またインナー3及びアウター4にマッサージヘッド5を装着する際、図5に示すように、内側筒部58の外周位置にはばね7が装着され、また内側筒部58の内部にはスポンジ8が装着される。ばね7は回転付勢機構6を構成するものであり、インナー3に対してマッサージヘッド5をX2方向に付勢する機能を奏する。また、スポンジ8は、孔57を閉塞する機能を奏する。
【0034】
次に、回転付勢機構6について説明する。回転付勢機構6は、マッサージヘッド5をマッサージ位置に押圧することにより、このマッサージヘッド5を回転させる機能を奏するものである。この回転付勢機構6は、係合ピン45、カム溝55A、及びばね7等により構成されている。
【0035】
係合ピン45は前記のようにアウター4のアウター本体41に配設されており、その先端部分はアウター本体41の内壁から内側に向け突出している。また、カム溝55Aは円筒部51の表面に形成されている。またカム溝55Aの形状は、図3に示すように右上向から左下方に延在した形状(螺旋状の形状)とされている。係合ピン45は、図3に示されるように、カム溝55Aと係合した構成とされている。よって、係合ピン45とカム溝55Aは、協働して円筒カムを構成する。
【0036】
ばね7は本実施形態ではコイルばねを用いており、図5に示されるように接触面53の裏面とインナー3(具体的には、段差部37)との間に配設されている。このばね7の弾性力により、マッサージヘッド5はインナー3に対して矢印X2方向に付勢されている。
【0037】
次に、図3乃至図5を用いて、上記構成とされたマッサージ装置10Aの動作について説明する。なお、図3(A),図4(A),図5(A)はマッサージ装置10Aを使用者のマッサージ位置に押圧する前の状態(以下、押圧前状態という)を示しており、図3(B),図4(B),図5(B)はマッサージ装置10Aを使用者のマッサージ位置に押圧した状態(以下、押圧状態という)を示している。
【0038】
押圧前状態では、ばね7は伸長した状態となっておりマッサージヘッド5はインナー3及びアウター4に対して矢印X2方向に移動した状態となっている。この押圧前状態では、マッサージヘッド5のヘッド部52はアウター4のヘッド受け部43から突出した状態となっている。
【0039】
なお、押圧前状態においてもばね7はマッサージヘッド5を矢印X2方向に付勢しているが、アウター4とマッサージヘッド5との間には、図示しない係止機構が設けられており、図3(A),図4(A),図5(A)に示す位置よりマッサージヘッド5が更にX2方向に移動することを規制している。
【0040】
この押圧前状態から、使用者がマッサージ装置10Aの把持部1を把持してマッサージヘッド5をマッサージ位置に押圧する(押し当てる)と、マッサージヘッド5はばね7の弾性力に抗して矢印X1方向に移動を開始する。
【0041】
この際、回転付勢機構6を構成する係合ピン45はカム溝55Aに係合している。このため、マッサージヘッド5のX1方向の移動に伴い、係合ピン45が相対的にカム溝55A内を進行する。カム溝55Aは前記のように右上方から左下方に延出した形状(螺旋状の形状)を有しているため、係合ピン45がカム溝55A内を相対的に移動することにより、マッサージヘッド5には回転が発生する。このように、本実施形態に係るマッサージ装置10Aは、マッサージヘッド5がX1方向に移動することにより、この移動に伴いマッサージヘッド5には図中矢印A1方向の回転が発生する。
【0042】
マッサージ装置10Aの使用時においては、マッサージヘッド5の接触面53は使用者のマッサージ位置(使用者の肌)に触れた状態となっている。よって、本実施形態のようにマッサージヘッド5がX1方向に移動すると共に接触面53が回転することにより、マッサージ位置はマッサージヘッド5に押圧されると共にねじり付勢された状態となる。
【0043】
このように、本実施形態に係るマッサージ装置10Aによれば、マッサージ位置の押圧とねじりの二つのマッサージ処理を同時に行うことができるため、従来のような単に押圧するだけのマッサージに比べ、より効果的なマッサージを簡単に行うことが可能となる。
【0044】
なお、押圧状態からマッサージ装置10Aをマッサージ位置から離間させると、ばね7は弾性復元し、マッサージヘッド5はX2方向に伸長すると共に逆回転(A2方向へ回転)して再び押圧前状態に戻る。
【0045】
ところで、マッサージ装置10Aによるマッサージ位置のねじり量は、マッサージヘッド5(接触面53)の回転量によって決められる。本実施形態では、X1方向への移動に伴い回転するマッサージヘッド5(接触面53)の回転角度を5°以上180°以下に設定した。これは、接触面53の回転角度が5°未満になった場合はねじり量が少なく、ねじりによるマッサージ効果が十分に発揮できないからである。また、接触面53の回転角度が180°を越えると、マッサージ位置が過剰にねじられ、やはり有効なマッサージ効果が得られないからである。
【0046】
また、マッサージ装置10Aの使用感の向上を図るためには、使用者がマッサージ装置10Aをマッサージ位置に押圧した際に、円滑にマッサージヘッド5が回転する必要がある。また、マッサージヘッド5が円滑に回転するためには、ばね7のばね定数を適正化する必要がある。本実施形態では、ばね7のばね定数を0.1N/mm以上0.5N/mm以下に設定している。
【0047】
これは、ばね7のばね定数を0.1N/mm未満とした場合には軽い押圧力でマッサージヘッド5が移動及び回転してしまうため、十分な指圧効果が得られないと共に、接触面53とマッサージ位置(使用者の肌)との間で滑りが生じて有効なねじりが行われなくなるからである。
【0048】
また、ばね7のばね定数を0.5N/mmを超す値に設定した場合には、マッサージ装置10Aをマッサージ位置に押圧してもマッサージヘッド5がX1方向に容易に移動せず、よって接触面53の回転量も小さくなる。このため、マッサージ位置を十分にねじることかできず、ねじりによるマッサージ効果が低減してしまうからである。
【0049】
また、良好なねじりによるマッサージを実現するためには、使用時におけるマッサージヘッド5のX1方向の移動量と接触面53の回転角度との関係を適正化する必要がある。即ち、マッサージヘッド5のX1方向の移動量が長いにも拘らず接触面53の回転角度が小さいとねじりによるマッサージ効果は低減してしまう。逆に、マッサージヘッド5のX1方向の移動量に対して接触面53の回転角度が大きいと、肌と接触面53との間に滑りが発生したり、マッサージ位置の肌が過剰にねじられてしまったりして、使用性が低下してしまう。
【0050】
そこで本実施形態では、マッサージヘッド5がX1方向に20mm移動した際、マッサージヘッド5(接触面53)が45°回転するよう設定されているこの構成とすることにより、マッサージヘッド5のX1方向の移動に伴う指圧効果と、段差部23の回転に伴うねじりによるマッサージ効果のバランスを適正化することができる。
【0051】
なお、マッサージヘッド5のX1方向への移動量に対する回転角度は、上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜調整が可能なものである。例えば本実施形態では、マッサージヘッド5の20mmの移動で回転角度を5°〜180°の回転範囲で設定することができる。
【0052】
図6は、図1乃至図5に示したマッサージ装置10Aの変形例であるマッサージ装置10Bを示している。なお、図6において、図1乃至図5に示したマッサージ装置10Aの構成と対応する構成については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
上記したマッサージ装置10Aは、マッサージヘッド5をマッサージ位置に押圧する際、図中矢印A1で示す方向にのみマッサージヘッド5が回転する構成とされていた。即ち、マッサージ装置10Aは、マッサージ位置において接触面53が接触する肌を一方向にのみねじる構成とされていた。
【0054】
これに対して変形例に係るマッサージ装置10Bは、マッサージヘッド5をマッサージ位置に押圧する(押し当てる)際にマッサージヘッド5がA1方向及びA2方向の双方向に回転するよう構成したことを特徴とするものである。
【0055】
前記したマッサージ装置10Aは、マッサージヘッド5の外側筒部51に
右上方から左下方に向けて延在するカム溝55Aを形成した。これに対して本変形例では、横V字状のカム溝55Bを形成したことを特徴としている。このカム溝55Bは、位置Pを中心として斜め下方に延出するカム部55B−1と、位置Pを中心として斜め上方に延出するカム部55B−2とを有している。
【0056】
押圧前状態では、係合ピン45は位置Pよりも下側(X1側)に位置するカム部55B−1と係合している。よって、押圧前状態からマッサージ装置10Bがマッサージ位置に押圧されると、係合ピン45は相対的にカム部55B−1内を移動し、よってマッサージヘッド5はA1方向に回転する。そして、係合ピン45が位置Pを通過してカム部55B−2に至ると、マッサージヘッド5の回転方向は逆転してはA1方向に回転することとなる。
【0057】
このように本変形例に係るマッサージ装置10Bは、マッサージヘッド5が押圧状態となるまでマッサージヘッド5がX1方向に移動する間に、マッサージヘッド5はA1方向の回転とA2方向の回転の二方向の回転を行うことができる。これにより、単一方向にのみマッサージヘッド5(接触面53)が回転するマッサージ装置10Aに比べ、更にねじりによるマッサージ効果を高めることができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0059】
例えば、上記した実施形態ではアウター4に係合ピン45を設けると共にマッサージヘッド5にカム溝55A,55Bを形成した例を示した。しかしながら、アウター4(アウター本体41)の内壁にカム溝を形成すると共に、このカム溝と係合する係合ピンをマッサージヘッド5に設けた構成とすることによっても、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、上記した実施形態では、アウター4に対して1個のマッサージヘッド5のみを設けた構成例を示した。しかしながら、アウター4に配設するマッサージヘッド5の数は1個に限定されるものではなく、複数個のマッサージヘッドを配設することも可能である。
【0061】
この際、肌に押し付けることにより回転するマッサージヘッドの方向は、全てのマッサージヘッドにおいて同一方向とする必要はなく、個々のマッサージヘッドにおいて回転方向が異なるよう設定することも可能である。更に、各マッサージヘッド毎にばねのばね定数を変化させたり、X1方向に移動した際の回転量を変化させたりすることも可能である。これにより、一つのマッサージ装置で異なる種類の複数のマッサージを行なうことができ、マッサージ効果をより向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1 把持部
2 把持部本体
3 インナー
4 アウター
5 マッサージヘッド
6 回転付勢機構6
7 ばね
10A,10B マッサージ装置
31 インナー本体
33 装着部
34 ノズル部
41 アウター本体
42 固定部
43 ヘッド受け部
44 貫通穴
45 係合ピン
51 外側筒部
52 ヘッド部
53 接触面
54,56 凸部
55A,55B カム溝
58 内側筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、
マッサージ位置に接触する接触面を有すると共に前記把持部に移動可能に配設されたヘッド部と、
前記移動に伴い前記ヘッド部を回転付勢する回転付勢機構とを有し、
前記ヘッド部を前記マッサージ位置に押圧することにより生ずる前記ヘッド部の移動により、前記回転付勢機構により前記ヘッド部を回転させ、前記マッサージ位置をねじる構成としたことを特徴するマッサージ装置。
【請求項2】
前記回転付勢機構は、
前記把持部又は前記ヘッド部のいずれか一方に設けられたカム溝と、
前記把持部又は前記ヘッド部のいずれか他方に設けられ、前記カム溝に係合する係合部材と、
前記ヘッド部を前記把持部から離間する方向に付勢する弾性部材とを有することを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記移動に伴い回転する前記ヘッド部の回転角度を5°以上180°以下に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記弾性部材としてばねを用い、該ばねのばね定数を0.1N/mm以上0.5N/mm以下に設定したことを特徴とする請求項2又は3記載のマッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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