説明

マットニス

【課題】耐スクラッチ性に優れた深みのある高マット質感を有するマット調印刷物が得られる活性エネルギー線で硬化する高濃度マットニスを提供すること。
【解決手段】少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線重合性モノマー(a)と、分散性有機溶媒(b)と、下記(z)群から選ばれる少なくとも1種の粉体(c)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線で硬化するマットニス。
(z)群;平均粒子径が0.1μm〜30μmの無機粉体、平均粒子径が0.1μm〜30μmの高分子(樹脂)ビーズ粉体、および平均粒子径が0.1μm〜30μmのワックス粉体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線で硬化するマットニス(以下単に「マットニス」という場合がある)に関し、さらに詳しくは、印刷物に塗布し、耐スクラッチ性に優れた深みのある高マット質感を有するマット調印刷物が得られるマットニスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品、菓子類などの紙器類、ラベル、書籍カバー、化粧紙、ポスター、カタログなどの印刷物は、美粧性、高級感から高い光沢性を有する印刷物を得るために、印刷物の表面にグロスニスをコーティングしていた。
【0003】
近年、上記の光沢性を有する印刷物から、より深みのあるマット調の質感を有する高級の装飾性を有する高マット調印刷物が要望されている。
【0004】
上記のマット調印刷物は、ワニスにマット剤(フィラー)を混入させたマットニスを用いて、種々のコーティング方式を使用して印刷物にコーティングして製造している。
【0005】
上記マットニスとしては、例えば、セルロース樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂を主成分とするグラビア塗工用バインダー樹脂からなるクリアニスにフィラーを混入させたマットニスがある。上記マットニスは、ワニス自身が比較的低粘度のためにフィラーの配合割合を大きくできるために、印刷物に塗布した場合に、比較的にマット感を有する印刷物を作成できる。しかしながら、マットの度合が上がるほど耐スクラッチ性が劣り、印刷物を擦ると光沢が出るなど極端に耐スクラッチ性が劣る。このために、上記マットニスは、マット度合いを上げるのには限界があり耐スクラッチ性を有する高濃度のマット印刷物が得られない。
【0006】
また、マット感を有する印刷物として、ある種の印刷物(特許文献1)が開示されている。上記特許文献1の印刷物に使用されているマットニスは、実施例に見られるように紫外線硬化型ニスにマット剤を混合したものであり、印刷物上にゴム版で印刷してマット層を形成している。
【0007】
しかしながら、上記のマットニスは、オフセットあるいはフレキソ用の紫外線硬化型マットニスであるので、得られた塗膜の耐スクラッチ性は優れているが、紫外線硬化型ニス単体に直接マット剤を配合しているために、得られるマットニスの粘度が著しく上昇してしまうために、塗工適性上、マット剤の配合量を極力少なくするよう制限される。このことは、マットニス中のマット剤の配合量が小さくなるためにマット濃度が下がり、マット感を有する印刷物を作成できない。とくに、UVオフセットマットニスは、平版印刷方式による塗布のために塗膜の厚みが薄くなるために、さらに、印刷物にマット感を出すのが難しい。
【0008】
上述のことから、印刷物に塗布し、耐スクラッチ性に優れた深みのある高マット質感を有するマット調印刷物が得られる高濃度のマットニスが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−261019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、耐スクラッチ性に優れた深みのある高マット質感を有するマット調印刷物が得られる活性エネルギー線で硬化する高濃度マットニスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の特定成分を含有するマットニスが、塗布性を阻害する粘度上昇を起こすことなく、高濃度マット化したマットニスとすることができ、種々の印刷物に塗布し活性エネルギー線で硬化することにより、耐スクラッチ性に優れた、深みのある高マット質感を有するマット調印刷物が得られることを見出した。
【0012】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線重合性モノマー(a)と、分散性有機溶媒(b)と、下記(z)群から選ばれる少なくとも1種の粉体(c)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線で硬化するマットニスを提供する。
(z)群;平均粒子径が0.1μm〜30μmの無機粉体、平均粒子径が0.1μm〜30μmの高分子(樹脂)ビーズ粉体、および平均粒子径が0.1μm〜30μmのワックス粉体。
【0013】
また、本発明の好ましい実施形態では、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)が、さらに活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)を、w/a=5/100〜40/100(質量比)の割合で含有しており、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と前記分散性有機溶媒(b)との配合割合が、b/a=10/100〜35/100(質量比)であり、前記分散性有機溶媒(b)の粘度(m)が、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)の粘度(n)に対してm≦nであり、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)が、多官能(メタ)アクリレートおよび/または単官能(メタ)アクリレートであり、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)が、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよび/またはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートであり、前記分散性有機溶媒(b)が、アルコール類、およびエステル類の群から選ばれる少なくとも1種であり、前記分散性有機溶媒(b)が、イソプロピルアルコール(u)と酢酸エチル(v)とをu/v=1/100〜100/100(質量比)の割合で含有しており、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と分散性有機溶媒(b)との混合物(a+b)と、前記粉体(c)との配合割合が、c/(a+b)=5/100〜40/100(質量比)であり、前記粉体(c)が、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、架橋アクリル樹脂ビーズ、ポリエチレンワックス、およびポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種であり、さらに、光重合開始剤を含有しており、および粘度が、100mPa・s〜1500mPa・s未満であることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、上記のマットニスを印刷物に塗布し、有機溶媒分を揮発乾燥し、乾燥後、形成された塗膜に活性エネルギー線を照射することを特徴とするマット調印刷物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のマットニスは、高濃度マットニスでありながら印刷物に対する塗布適性を有し、その塗膜を活性エネルギー線で硬化することにより、耐スクラッチ性に優れた深みのある高マット質感を有するマット調印刷物を得るのに有効である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明のマットニスは、前記の少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線重合性モノマー(a)と、分散性有機溶媒(b)と、前記(z)群から選ばれる少なくとも1種の粉体(c)とを必須成分として含有することにより、印刷物に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化することにより、耐スクラッチ性に優れた深みのある高マット質感を有するマット調印刷物が得られる。本発明における活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、レーザー光、X線、可視光など、好ましくは電子線、紫外線、レーザー光などの放射線が挙げられる。
【0017】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合の基を有する活性エネルギー線により重合するモノマーであり、前記の電子線、紫外線などの活性エネルギー線で重合する公知のモノマーであればいずれのものも使用することができる。上記のモノマーは、単独でも、2種以上を混合しても使用することができる。
【0018】
上記の活性エネルギー線重合性モノマー(a)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタアクリレートの双方を意味する。)、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクタム(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの単官能や多官能の(メタ)アクリレート、および、その他、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなど、好ましくは多官能(メタ)アクリレートおよび/または単官能(メタ)アクリレートが挙げられ、とくに好ましくはポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよび/またはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0019】
上記の活性エネルギー線重合性モノマー(a)は、前記粉体(c)を容易に混合分散でき、得られるマットニスの塗膜に活性エネルギー線を照射することにより印刷物表面に耐スクラッチ性のマット被膜を形成する。上記活性エネルギー線重合性モノマー(a)は、上記粉体(c)の分散上、その粘度が1〜1000cps(1〜1000mPa・s)(25℃)、好ましくは1〜150cps(1〜150mPa・s)(25℃)であるものが好ましく使用され、例えば、前記のポリプロピレングリコールジアクリレートの粘度は、30〜50cps(30〜50mPa・s)(25℃)であり、また、トリメチロールプロパントリアクリレートの粘度は、60〜110cps(60〜110mPa・s)(25℃)であるものが使用される。
【0020】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)は、必要に応じて、本発明の目的を妨げない範囲内において、該重合性モノマー(a)と相溶性を有する活性エネルギー線重合性プレポリマーを配合することができる。上記活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えば、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させた後(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタアクリレートの双方を意味する。)系プレポリマー;多価アルコールとモノカルボン酸あるいは多塩基酸を縮合反応させて得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート系プレポリマー、ポリエーテルポリオールに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレート系プレポリマー;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などの低分子量エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート系プレポリマー;その他オリゴ(メタ)アクリレート;アルキッド(メタ)アクリレート;ポリオール(メタ)アクリレート;ポリブタジエン(メタ)アクリレート;シリコーン(メタ)アクリレート、その他上記ポリマーを構成する各種モノマーからなる共重合体などのプレポリマーが挙げられる。
【0021】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)は、単独でも使用できるが、得られるマットニスの印刷物へのコーティング性や密着性を向上させるために、好ましくはさらに活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)を、w/a=5/100〜40/100(質量比)の割合で、より好ましくはw/a=10/100〜30/100の割合で含有することができる。上記の活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)の配合量が多過ぎると、活性エネルギー線による硬化効果が低下して得られるマットニス塗膜の耐スクラッチ性が低下する。一方、上記樹脂の配合量が少な過ぎると、印刷物への充分なコーティング性や密着性向上効果が得られない。
【0022】
上記活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)としては、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と相溶し、前記粉体(c)の分散を妨げない活性エネルギー線で硬化しないアクリル系樹脂であればいずれのものも使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸エステルおよびこれらと共重合可能なスチレン類、ビニル類などのモノマーを含むモノマー混合物の共重合体であるスチレン/アクリル酸エステル共重合体など、あるいは、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルの重合体などのポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチルなどが挙げられる。
【0023】
本発明で使用する分散性有機溶媒(b)は、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に、マット化する粉体(c)を分散させる場合に、得られるマットニスの塗布性を阻害することなく、上記粉体(c)の分散量をできるだけ多くして高濃度に分散させる目的で使用するものである。上記分散性有機溶媒(b)を介さず、直接、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に粉体(c)を分散させると、その分散量が多くなるにしたがい得られるマットニスの粘度上昇が極めて高くなり塗布性が低下するために、粉体(c)の分散量を少量にする必要があり、所望の高濃度のマットニスが得られない。
【0024】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と前記分散性有機溶媒(b)との配合割合は、好ましくはb/a=10/100〜35/100(質量比)、さらに好ましくはb/a=20/100〜35/100(質量比)である。上記分散性有機溶媒(b)の配合量が多過ぎても、それ以上の効果がなく、一方、上記配合量が少な過ぎると、活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に粉体(c)を分散させると、その分散量が多くなると得られるマットニスの粘度が著しく上昇し、それ以上の増量分散が困難になり、また、塗布性も低下し高濃度のマットニスが得られない。
【0025】
上記の分散性有機溶媒(b)としては、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に該溶媒(b)を介して粉体(c)を低粘度で高濃度分散できる有機溶媒であればいずれのものも使用することができ、好ましくは前記分散性有機溶媒(b)の粘度(m)が、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)の粘度(n)に対してm≦nであるものがよい。すなわち、上記分散性有機溶媒(b)は、その粘度が上記活性エネルギー線重合性モノマー(a)の粘度より低いか、あるいは同程度であるものが、粉体(c)を活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に該有機溶媒(b)を介して分散させる際に、低粘度で高濃度に分散させられる。
【0026】
前記分散性有機溶媒(b)としては、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に、粉体(c)を高濃度に均一に分散できるエステル類、アルコール類、エーテル類、ケトン類などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を混合しても使用することができる。
【0027】
上記のエステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチルなどのアルキルエステル類;乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸プロピル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、3−オキシプロピオン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル類、3−メトキシプロピオン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル類、3−エトキシプロピオン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル類、2−オキシプロピオン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル類、2−メトキシプロピオン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル類、2−エトキシプロピオン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのエステル類、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸のメチル、エチル、プロピルなどのエステル類、アセト酢酸のメチル、エチルなどのエステル類など、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
また、アルコール類としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類などが挙げられる。
【0030】
また、ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。その他、必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類も使用することができる。
【0031】
前記の分散性有機溶媒(b)の内で、好ましくは前記のアルコール類、およびエステル類の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、とくに好ましくはイソプロピルアルコール(u)と酢酸エチル(v)とがu/v=1/100〜100/100(質量比)の割合で含有する混合溶媒がよい。上記の混合溶媒は、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に粉体(c)を該溶媒を介して、比較的に低粘度で高濃度に分散できる。上記のイソプロピルアルコール(u)の配合割合が多過ぎると、上記重合性モノマー(a)の粘度が上昇傾向となり粉体(c)の高濃度分散性が低下し、高濃度マットニスが得られない。一方、上記イソプロピルアルコールの配合割合が少な過ぎると、粉体(c)の上記重合性モノマー(a)に対する酢酸エチルとの相乗効果による高濃度分散性を充分に発揮することができない。上記分散性有機溶媒(b)の混合溶媒を構成するイソプロピルアルコールの粘度は、2.4cps(2.4mPa・s)(20℃)であり、また、酢酸エチルの粘度は、0.4cps(0.4mPa・s)(20℃)であり、前記活性エネルギー線重合性モノマーよりその粘度が低いものが好ましく使用される。
【0032】
本発明で使用する粉体(c)は、前記の分散性有機溶媒(b)を介して、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)中に均一に高濃度に分散させ、マット化させるものである。上記の粉体(c)は、得られるマットニスを印刷物に塗布した場合に、深みのある高マット質感を有するマット調印刷物を得るのに有効である。
【0033】
前記粉体(c)は、平均粒子径が0.1μm〜30μmの無機粉体、平均粒子径が0.1μm〜30μmの高分子(樹脂)ビーズ粉体、および平均粒子径が0.1μm〜30μmのワックス粉体から選ばれる少なくとも1種の粉体である。好ましくは上記各々の粉体の平均粒子径が5μm〜10μmの粉体が挙げられる。上記の粉体(c)は、単独でも、あるいは、2種以上を混合して使用することができる。上記の粒子径範囲の粉体が、塗布性良好な粘度を有する高濃度マットニスが得られ、高マット質感を有する印刷物を得るのに有効である。上記の粉体(c)の形状は、とくに限定するものではない。
【0034】
上記粉体(c)としては、前記の活性エネルギー線重合性モノマー(a)をマット化、あるいは半マット化するものであればいずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、クレー、珪酸アルミニウム、タルク、カオリン、ホワイトカーボンなどの無機粉体;高分子(樹脂)ビーズ粉体として、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などの架橋高分子ビーズ粉体、ナイロン樹脂などの高分子ビーズ粉体;ワックス粉体としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)ワックス、エステルワックスなどのワックス粉体など、好ましくはシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、架橋アクリルビーズ、ポリエチレンワックス、およびポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種の粉体が挙げられる。
【0035】
また、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と分散性有機溶媒(b)と前記粉体(c)とを配合する場合、好ましくは上記の重合性モノマー(a)と分散性有機溶媒(b)との混合物(a+b)と、粉体(c)との配合割合が、c/(a+b)=5/100〜40/100(質量比)、より好ましくはc/(a+b)=10/100〜30/100(質量比)である。上記粉体(c)の配合割合が多過ぎると、得られるマットニスの粘度が著しく上昇して塗布適性を有するマットニスが得られない。一方、上記粉体(c)の配合割合が少な過ぎると高濃度感を有するマットニスが得られない。
【0036】
本発明のマットニスは、印刷物などに塗布後、活性エネルギー線を照射することにより硬化する。上記活性エネルギー線として電子線を用いる場合には、電子線照射装置として、例えば、バンデグラフト型、コックロフトワルトン型、絶縁コア変圧器型、共振変圧器型、ダイナミトロン型、および高周波型などの電子源の各種電子線加速器を有する電子線照射装置を使用して、1Mrad〜30Mradの照射線量で硬化する。
【0037】
また、本発明のマットニスは、好ましくはさらに、光重合開始剤を配合し、塗布後、活性エネルギー線として紫外線を用いて硬化させることができる。上記の硬化は、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアークなどの紫外線源を有する紫外線照射装置を使用して190〜380nmの照射線量で行う。
【0038】
上記の光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤であるアセトフェノン系、イミダゾール系、オキシムエステル系、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、アントラキノン系、アルキルフェノン系、トリアジン系、ベンジル系、チオール系、および硫黄化合物系など、好ましくはアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、イミダゾール系などの光重合開始剤が挙げられる。上記の光重合開始剤は、単独でも、2種以上を混合して使用することもできる。
【0039】
上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノホリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。上記の光重合開始剤は、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社からIRGACURE[907、379、369、184、651]などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0040】
また、上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0041】
また、上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−および4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
【0042】
また、上記イミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾリル、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(p−メトキシフェニル)ビスイミダゾリル、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’−5,5’−テトラキスフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
【0043】
上記の光重合開始剤は、脂肪族アミン系、芳香族アミン系などの光増感剤など、本発明の目的を妨げない範囲において併用することができる。
【0044】
本発明のマットニスは、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と、前記分散性有機溶媒(b)と、前記粉体(c)と、その他、活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)および添加剤を適宜に配合し、好ましくは各々の成分を前記数値範囲内の割合で配合し、公知の方法で混合分散し、好ましくは40℃にて加温溶解しながら混合分散して調製される。なお、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、さらに前記光重合開始剤を配合して調製される。上記の添加剤としては、本発明の目的を妨げない範囲において、耐摩性やスリップ性を向上させるためのワックス類、シリコーンなどの滑剤、その他、塗膜のレベリングを良好にするために界面活性剤などのレベリング剤、紫外線吸収剤、消泡剤、可塑剤などの添加剤が挙げられる。
【0045】
前記のように調製された本発明のマットニスは、好ましくは粘度が100mPa・s〜1500mPa・s未満、より好ましくは100mPa・s〜300mPa・sである。上記の粘度が高過ぎると、印刷物への塗布性が低下して均一な厚みを有する塗膜が形成されないために、均一な高濃度のマット感を有する印刷物が得られない。一方、上記粘度が低過ぎると、得られる塗膜厚みが薄くなり耐スクラッチ性が劣り、また、深みのある高濃度のマット感を有する印刷物が得られない。なお、本発明における粘度は、東機産業社製のB型粘度計を使用して25℃の条件下で測定した値である。
【0046】
本発明のマットニスを使用したマット調印刷物の製造方法としては、水性インキあるいは油性インキのいずれかにより印刷された印刷物(印刷方式はとくに限定されるものではない)の表面に、本発明のマットニス、あるいは活性エネルギー線源として紫外線を使用する場合には、該マットニスに光重合開始剤を配合したマットニスを用いて、必要に応じて前記分散性有機溶媒(b)、または、(b)以外の公知の有機溶媒などの有機溶媒分を用いて適宜の濃度に希釈し、グラビアコート、フレキソコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ダイコート、ナイフコート、ブレードコート、カーテンコート、スプレーコート、スロットオリフィス、バーコートなど公知の塗布方法により塗布し、あるいは、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、シルク印刷方式などの印刷方式によりパターンコートし、次に、マットニス中の分散性有機溶媒(b)、および上記希釈用の有機溶媒などの有機溶媒分を揮発乾燥し、形成された塗膜に電子線または紫外線などの活性エネルギー線を照射し、塗膜を硬化させマット調印刷物を得る。電子線および紫外線の照射量は照射時間、照射源の種類、塗膜の厚みなどにより適宜に調整される。
【実施例】
【0047】
次に、本発明のマットニスM1〜M5と比較例のマットニスN1〜N5を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の「部]または「%」とあるのは質量基準である。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0048】
[実施例1〜5](マットニスM1〜M5)
活性エネルギー線重合性モノマー(a)と、活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)と、分散性有機溶媒(b)と、粉体(c)と、光重合開始剤(d)とを用いて、各々の成分を表1のように配合し、ディスパーを使用し40℃にて加温溶解しながら均一に混合分散して電子線硬化性マットニスM1〜M2、および紫外線硬化性マットニスM3〜M5を調製した。
【0049】
上記の各成分は、下記の通りである。
[活性エネルギー線重合性モノマー(a)]
a1:ポリプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成社製、アロニックスM−220)
a2:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成社製、アロニックスM−309)
【0050】
[活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)]
ポリメタクリル酸メチル(重量平均分子量8,000)
【0051】
[分散性有機溶媒(b)]
b1:イソプロピルアルコール
b2:酢酸エチル
【0052】
[粉体(c)]
c1:平均粒子径が5μm〜10μmのシリカ粉体
c2:平均粒子径が5μm〜10μmの架橋アクリル樹脂ビーズ粉体
c3:平均粒子径が5μm〜10μmのポリエチレンワックス粉体
【0053】
[光重合開始剤(d)]
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、IRGACURE184
【0054】

【0055】
[比較例1〜4](マットニスN1〜N4)
実施例1〜4において、分散性有機溶媒(b)を配合しない以外は表2のように各々の成分を配合して電子線硬化性マットニスN1〜N2、および紫外線硬化性マットニスN3〜N4を調製した。
【0056】
[比較例5](マットニスN5)
表2のとおり活性エネルギー線重合性モノマー(a)、活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)、および光重合開始剤(d)を使用しない以外は各々の成分を配合し均一に混合分散して粘度1000mPa・sの通常のマットニスN5を調製した。
【0057】

【0058】
上記で得られたマットニスM3〜M5、およびマットニスN3〜N5を用いて、板紙(300g/m2)にフレキソ印刷機を使用して、ザ・インクテック(株)製のフレキソインキ(UVフレキソUFL991黒)を使用して印刷し印刷物を作成し、次に、該印刷物表面に上記のマットニスをグラビアコートし、有機溶媒分を揮発乾燥し、乾燥後、形成された塗膜を、オーク製作所製のメタルハライドランプを使用して380nmにて紫外線を照射して硬化し印刷物表面に3〜4μmのマット塗膜を形成した。なお、マットニスN5の乾燥塗膜は紫外線の照射はなし。また、マットニスM1〜M2、およびマットニスN1〜N2を用いて、上記の紫外線の照射の代わりに、岩崎電気社製の電子線照射装置を使用して3Mradにて電子線を照射して印刷物表面に3〜4μmのマット塗膜を形成した。
【0059】
上記で得られたマット塗膜を有する印刷物のマット感、およびマット塗膜面の耐スクラッチ性に関して下記の評価方法により評価した。評価結果を表3に示す。
(マット感)
上記印刷物を目視にて評価し、下記の評価点により評価した。
評価点:
○:マット印刷物が、深みのある高濃度のマット質感を有している。
△:マット印刷物が、マット濃度がやや低く、深みのあるマット質感がやや劣る。
×:マット印刷物が、マット濃度不足で深みのあるマット質感がない。
【0060】
(耐スクラッチ性)
上記印刷物のマット面を指爪で引っ掻き、マット面のキズの状態から耐スクラッチ性を判定した。
評価点:
○:マット面に光沢が発生しておらず、マット面の耐スクラッチ性が良好である。
×:マット面に光沢が発生し、マット面の耐スクラッチ性が劣る。
【0061】

【0062】
上記の評価結果より、本発明のマットニスは、容易に印刷物に塗布することができ、電子線あるいは紫外線などの活性エネルギー線を照射して硬化することにより、耐スクラッチ性に優れた深みのある高濃度のマット質感を有する印刷物が得られる高濃度マットニスであることが実証された。一方、比較例のマットニスは、高濃度マット化すると高粘度になり塗布性が低下し、その濃度を下げなければならないために、深みのある高濃度のマット質感を有する印刷物が得られなかった。また、比較例の通常のマットニスは、耐スクラッチ性が劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のマットニスは、化粧品、菓子類などの紙器類、ラベル、書籍カバー、化粧紙、ポスター、カタログなどの印刷物にコーティングすることにより、耐スクラッチ性に優れた深みのある高濃度のマット質感を有するマット調印刷物を得るのに有効に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線重合性モノマー(a)と、分散性有機溶媒(b)と、下記(z)群から選ばれる少なくとも1種の粉体(c)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線で硬化するマットニス。
(z)群;平均粒子径が0.1μm〜30μmの無機粉体、平均粒子径が0.1μm〜30μmの高分子(樹脂)ビーズ粉体、および平均粒子径が0.1μm〜30μmのワックス粉体。
【請求項2】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)が、さらに活性エネルギー線非硬化性アクリル系樹脂(w)を、w/a=5/100〜40/100(質量比)の割合で含有する請求項1に記載のマットニス。
【請求項3】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と前記分散性有機溶媒(b)との配合割合が、b/a=10/100〜35/100(質量比)である請求項1または2に記載のマットニス。
【請求項4】
前記分散性有機溶媒(b)の粘度(m)が、前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)の粘度(n)に対してm≦nである請求項1〜3のいずれか1項に記載のマットニス。
【請求項5】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)が、多官能(メタ)アクリレートおよび/または単官能(メタ)アクリレートである請求項1〜4のいずれか1項に記載のマットニス。
【請求項6】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)が、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよび/またはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートである請求項5に記載のマットニス。
【請求項7】
前記分散性有機溶媒(b)が、アルコール類、およびエステル類の群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のマットニス。
【請求項8】
前記分散性有機溶媒(b)が、イソプロピルアルコール(u)と酢酸エチル(v)とをu/v=1/100〜100/100(質量比)の割合で含有する請求項7に記載のマットニス。
【請求項9】
前記活性エネルギー線重合性モノマー(a)と分散性有機溶媒(b)との混合物(a+b)と、前記粉体(c)との配合割合が、c/(a+b)=5/100〜40/100(質量比)である請求項1〜8のいずれか1項に記載のマットニス。
【請求項10】
前記粉体(c)が、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、架橋アクリル樹脂ビーズ、ポリエチレンワックス、およびポリプロピレンワックスから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のマットニス。
【請求項11】
さらに、光重合開始剤を含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載のマットニス。
【請求項12】
粘度が、100mPa・s〜1500mPa・s未満である請求項1〜11のいずれか1項に記載のマットニス。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のマットニスを印刷物に塗布し、有機溶媒分を揮発乾燥し、乾燥後、形成された塗膜に活性エネルギー線を照射することを特徴とするマット調印刷物の製造方法。

【公開番号】特開2011−37916(P2011−37916A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183361(P2009−183361)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000183923)株式会社DNPファインケミカル (268)
【Fターム(参考)】