マットレス
【課題】マットレスの一部を効率よく組み換えることができて、メインテナンス性や取扱性にも優れた、新規な構造のマットレスをを提供すること。
【解決手段】マットレス10は、人体支持面14の幅方向に延びるベース部材と、ベース部材の長手方向両端部上にそれぞれ設けられた連結部28a,28bと、ベース部材26の長手方向の中間部分に取り付けられるクッション体30aを含んで構成されたマットレスユニット20a,20bの複数を備え、それらマットレスユニット20a,20bが人体支持面14の長さ方向に整列配置されて、連結部28a,28bに設けられた連結手段106,108により、相互に着脱可能に連結されている。
【解決手段】マットレス10は、人体支持面14の幅方向に延びるベース部材と、ベース部材の長手方向両端部上にそれぞれ設けられた連結部28a,28bと、ベース部材26の長手方向の中間部分に取り付けられるクッション体30aを含んで構成されたマットレスユニット20a,20bの複数を備え、それらマットレスユニット20a,20bが人体支持面14の長さ方向に整列配置されて、連結部28a,28bに設けられた連結手段106,108により、相互に着脱可能に連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドや寝床等の人体の支持面上に配設されて用いられるマットレスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、介護用ベッド等における人体の支持部分には、クッション作用を有するマットレスが採用されており、人体を弾性的に支持することで寝心地の改善が図られている。このマットレスは、例えば、ウレタンフォーム等の弾性材によって形成された所謂静止型のものが主流である。
【0003】
ところで、寝返りをすることが困難な使用者等が、一般的なマットレスを長期に亘って連続的に使用すると、体圧(人体の荷重による圧力)の反力が使用者の局所に連続して作用することから、血流の悪化等に起因する褥瘡が生じるおそれがある。そこで、褥瘡の発生を防止するために、流体の圧力を利用して使用者の体圧の作用位置を変化させて、実質的に使用者に作用する体圧の反力を分散させることが可能なマットレスが提案されている。例えば、特開2000−189472号公報(特許文献1)には、マットレスの内部に荷重センサシートを配設する一方、人体を支持する基体の体圧作用面(人体の支持部分)を複数のセルで構成して、各セルの流体室に外部から空気等の流体を送入/排出することによりセルの内圧を調節可能とした、所謂圧切換型のマットレス構造が開示されている。このような圧切換型のマットレスにおいては、高い荷重圧力が測定されたセルの流体を排出する一方、低い荷重圧力が測定されたセルに流体を送入することで、定期的にセルの内圧を変化させて、使用者の体の一部が体圧の作用で長期に亘って圧迫されるのを防ぐようになっている。
【0004】
ところが、このような従来構造の圧切換型のマットレスにおいては、各セルの流体室に対して、ポンプからの流体の給排を行うための流体管路を接続したり、各セルの流体室を流体管路に連通/遮断するための電磁弁等を各セル毎に設ける必要がある。ここで、各セルから延び出す流体管路をベッド下のスペース等に収容することも考えられるが、各セルからマニホールド等の連結管体やポンプまでの比較的長距離に亘って流体管路を引き回す必要があり、流体管路が交錯したり、ベッド可動時に他部材と干渉して流体管路が破損するおそれもあった。また、何れかのセルに不具合が発生した場合でも、複数の流体管路のうち何れが問題のセルに接続された管路であるか特定が難しく、メンテナンス性に劣るという問題もあった。
【0005】
さらに、各セルの流体出入口に電磁弁を設ける場合、外部の制御装置と各電磁弁とを電気的に接続する必要があり、狭いスペースに多数の配線を整理して配策することが一層難しくなり、電磁弁に不具合が発生した場合のメンテナンス性にも劣っていた。このような問題は、より良い使用感や寝心地を提供するためにセルの大きさを細かくする場合には一層顕著になっていた。
【0006】
加えて、褥瘡の発生部位は、使用者の性別、体格、年齢といった条件の違いや、疾病の種類、進行状態によっても異なるものである。例えば、特開2007−222672号公報(特許文献2)には、使用者の体型や疾患部位に合わせてエアセルの大きさや配置を簡単に変更できる複数のエアセルからなるマットレスが提案されている。しかしながら、特許文献2に記載のマットレスでは、結局エアセルをひとつずつ交換する必要性があり、頻繁な組み換えやメンテナンス性には劣っていた。また、特許文献2に記載のマットレス構造において、各エアセルの内圧を個別に調節可能とするためには、各エアセルの直下に電磁弁等の切換弁を組み込む必要があり、電線の配策等が複雑となって取扱性にも劣っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−189472号公報
【特許文献2】特開2007−222672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、マットレスの一部を効率よく組み換えることができて、メインテナンス性や取扱性にも優れた、新規な構造のマットレスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、人体の支持面上に配設されて用いられるマットレスであって、前記支持面の幅方向に延びるベース部材と、該ベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方に設けられた連結部と、該ベース部材の長手方向の少なくとも中間部分に設けられたクッション体を含んで構成されたマットレスユニットを複数備えていると共に、前記複数のマットレスユニットが、前記支持面の長さ方向に整列配置されて、各前記連結部に設けられた連結手段により相互に着脱可能に連結されて構成されていることを、特徴とする。
【0010】
このような第1の態様に従う構造とされたマットレスによれば、支持面の幅方向に延びるマットレスユニットを一単位として、それらマットレスユニットを長さ方向に整列配置して連結部にて連結手段により相互に着脱可能に連結することにより、マットレスを構成することができる。従って、特定のマットレスユニットに不具合が生じた場合には、当該マットレスユニットの連結部を隣り合うマットレスユニットの連結部から離脱させて取り出すことにより、容易にマットレスのメンテナンスや交換が可能となる。
【0011】
また、連結手段により着脱可能に連結される連結部がベッド等の支持面の幅方向に延びるベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方の端部に設けられていることから、ベッド等の側方から組み換えが可能でメンテナンス時の操作性や取扱性に優れている。さらに、マットレスが、幅方向に延びるマットレスユニット毎に分割された構造となっていることから、不具合の生じたマットレスユニットのみ交換することも可能であり、経済性にも優れている。なお、連結部は、ベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方に設けられていればよいが、両側に設けることにより、マットレスユニットの組み付け安定性を向上させることができる。
【0012】
さらに、クッション体を内部に圧力が切換え可能な流体室を有するセルを用いて構成する場合には、セルに接続される流体管路や電磁弁等の切換弁、切換弁に接続される電線等を各マットレスユニット内に一括して収容配置することができ、圧切換型のクッション体の取扱性やメンテナンス性を有利に向上させることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載されたマットレスにおいて、前記クッション体の構成が異ならされた複数種類の前記マットレスユニットから、任意に選択されたマットレスユニットにより前記複数のマットレスユニットが構成されている一方、前記複数種類のマットレスユニットが、前記クッション体を内部に設けられた流体室の圧力を調節することで高さを変更設定可能な複数のセルで構成した圧切換型マットレスユニットと、前記クッション体を弾性体により構成した静止型マットレスユニットを含んでいる請求項1に記載のマットレス。
【0014】
本態様によれば、クッション体の構成が異ならされた複数種類のマットレスユニットが予め準備されていることから、使用者の体型や症状に応じたマットレスユニットの組み合わせが可能となる。例えば、圧切換型等の高度なマットレスが不要な部位は静止型マットレスユニットで構成し、褥瘡が生じるおそれのある部位には圧切換型マットレスユニットで構成することも可能である。これにより、最低限必要な部位のみを高価な圧切換型マットレスユニットを適用することができ、褥瘡の発生防止に有効な圧切換型のクッション体を比較的安価に提供することも可能となる。また、マットレスをすべて圧切換型マットレスユニットで構成したり、すべて静止型マットレスユニットで構成することも本態様に含まれるものである。
【0015】
なお、圧切換型マットレスユニットは、空気式のものや液圧式のものが採用可能である。また、圧切換型マットレスユニットにおいても、セルの形状を異ならせた複数種類の圧切換型マットレスユニットを構成することもできる。これにより一層使用者の体型や症状に合わせたクッション体の選択が可能となる。同様に、静止型マットレスユニットにおいても、発泡ポリウレタンやスプリング等の公知の弾性体が採用可能であり、弾性体の種類を異ならせた複数種類の静止型マットレスユニットを構成することもできる。
【0016】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載されたマットレスにおいて、前記圧切換型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、前記セルを外部のポンプ装置に連通する流体管路と、該流体管路に各前記セルを連結/遮断する複数の切換弁を備えたバルブユニットと、該切換弁の駆動を制御する制御ユニットが収容されているものである。
【0017】
本態様によれば、クッション体を内部に圧力が切換え可能な流体室を有するセルを用いて構成する場合に問題となっていた、各セルに接続される流体管路や切換弁を含むバルブユニットおよびそれの制御ユニットを、一括して連結部の連結ブロック内に収容配置することができる。これにより、圧切換型マットレスユニットの取扱性やメンテナンス性を一層有利に向上させることができる。また、連結ブロック内にバルブユニットを収容したことにより、切換弁の動作音等を低減することも可能となる。
【0018】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載されたマットレスにおいて、前記連結体の前記連結ブロックに対して、前記バルブユニットが吸音材を介して支持固定されているものである。これにより、連結ブロックへの切換弁の動作振動等が伝達されることを防止でき、圧切換型マットレスユニットの一層の静音化が達成される。
【0019】
本発明の第5の態様は、第2の態様に記載されたマットレスにかかり、前記静止型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、流体管路と導電路が収容配置されているものである。
【0020】
本態様によれば、圧切換型マットレスユニットの間に静止型マットレスユニットが介在して整列配置される場合に、静止型マットレスユニットの連結部に収容配置された流体管路と導電路を介して、両側の圧切換型マットレスユニットの連結部に収容配置された流体管路とバルブユニットおよび制御ユニットを連通させることができる。これにより、圧切換型マットレスユニットの機能を阻害することなく、圧切換型マットレスと静止型マットレスの自由な配列が可能となるのである。
【0021】
本発明の第6の態様は、第3〜5のいずれか1つの態様に記載されたマットレスにおいて、各前記連結部の前記連結ブロックが、前記複数のユニットセルの整列方向で対向する一対の対向壁を有しており、該一対の対向壁の一方には、前記流通管路の入力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する入力コネクタが設けられている一方、該一対の対向壁の他方には、前記流体管路の出力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する出力コネクタが設けられており、前記マットレスユニットの整列方向で隣り合う前記連結ブロックの一方の前記出力ポートを他方の該入力ポートに順次連結管により連結することにより、各セルが前記ポンプ装置に連通可能とされる一方、前記一方の前記出力コネクタと前記他方の入力コネクタを順次電線により接続することにより、前記連結ブロックの各前記制御ユニットに外部制御装置からの電源および制御信号が供給可能とされているものである。
【0022】
本態様によれば、隣り合うマットレスユニットの連結部に設けられたコネクタやポートを順次連結することにより、連結部の連結ブロック内に収容された流体管路や制御ユニットおよび導電路を利用して、システム全体の電源系や管路系を構成することができる。これにより、圧切換型マットレスユニットの駆動に必要な配管や配電を非常にコンパクトに連結部に集約することが可能となる。それ故、連結部に設けられたコネクタとポートを連通/遮断するのみで各マットレスユニットの配管や配電を含めた交換が容易に実現でき、高度な取扱性やメンテナンス性を実現した分割型のマットレスを提供できるのである。
【0023】
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載されたマットレスにおいて、各前記連結部の前記連結ブロックの前記一対の対向壁の少なくとも一方には凹所が形成されており、該凹所内に前記入出力ポートおよび入出力コネクタ並びにそれらに取り付けられる前記連結管および前記電線が収容されるようになっているものである。
【0024】
本態様によれば、隣り合うマットレスユニットの連結部の対向壁に設けた凹所内に、対向壁に突設されたコネクタやポートおよび連結管や電線が収容されるようになっていることから、各マットレスユニットを隣り合う連結部同士を相互に離脱可能に連結して整列配置した際に、それらがいずれも連結部の連結ブロック外面に突出することなく凹所内に収容されることとなる。これにより、本態様のマットレスの使用時にコネクタやポートおよび連結管や電線が外部に突出することを防止して、ポートやコネクタに使用者や介護者がぶつかってけがをしたり、誤って連結間や電線を外してしまったり等の問題を未然に防止することができる。また、ポートやコネクタからの連結管や電線の離脱を未然に防止して、それらの接続安定性を確保することができる。
【0025】
本発明の第8の態様は、第1〜7のいずれか1つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記複数のマットレスユニットの前記連結部に設けられた前記連結手段が、前記幅方向に並んで配設された複数の連結帯状体によって構成されており、それら複数の連結帯状体の長さ方向の中間部分が、前記整列方向で隣り合う前記連結部の間を上下に延びていると共に、少なくとも1つの該連結帯状体の両端部分が、前記整列方向で隣り合う一方の該連結部の上面と他方の該連結部の下面とに取り付けられていると共に、他の該連結帯状体の両端部分が、該一方の連結部材の下面と該他方の連結部材の上面とに取り付けられているものである。
【0026】
本態様によれば、連結部が複数の連結帯状体を用いた簡単な構造で相互に傾動可能に連結されていると共に、それら連結部の傾動によって、マットレスの凹状変形(上方に凹となる屈曲)と凸状変形(上方に凸となる屈曲)の両方に対応することが可能となる。即ち、マットレスの凹状変形部分では、隣り合う連結部の上端部間を幅方向に延びるように傾動の軸が設定されて、隣り合う連結部およびクッション体が傾動の軸周りに傾動することで、マットレスの凹状変形に対応することができる。一方、マットレスの凸状変形部分では、隣り合う連結部の下端部間を幅方向に延びるように傾動の軸が設定されて、隣り合う連結部およびクッション体が傾動の軸周りに傾動することでマットレスの凸状変形に対応することができる。従って、隣り合う連結部を複数の連結帯状体で連結した単一構造を用いて、ベッドの機種毎に異なる屈曲態様(背上げ部分での凹状変形と、膝の支持部分での凸状変形等)に自在に対応することができて、ベッドの機種に合わせた屈曲位置や屈曲方向の変更等が不要になる。
【0027】
なお、連結帯状体の長さ方向での変形が制限されていると共に、連結帯状体の厚さ方向での変形(屈曲)が許容されていることによって、隣り合う連結部が相互に位置決めされて連結状態に保持されると共に、相対的な傾動が容易に許容される。それ故、連結帯状体としては、長さ方向での伸縮変形(歪み)が小さく、且つ厚さ方向での変形(屈曲)を容易に許容されるものが望ましい。また、マットレスの凹状変形部分において連結帯状体が連結手段として機能する。
【0028】
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載されたマットレスにおいて、前記連結帯状体の両端部分が前記連結部に対して面ファスナで着脱可能に取り付けられているものである。
【0029】
本態様によれば、連結帯状体を連結部に対して自由に着脱できることから、連結帯状体を連結部から取り外すことで、連結帯状体や連結部、クッション体、ベース部材の交換等を容易に行うことができる。しかも、面ファスナは、面直交方向の力が作用することで容易に外れる一方で、面方向の力が作用しても外れ難いことから、マットレスの屈曲時に連結帯状体に対して長さ方向で作用する力では外れ難く、連結部が連結状態に安定して保持される。要するに、連結帯状体の連結部に対する取付け手段として、面ファスナが用いられていることにより、連結帯状体の連結部に対する着脱時に及ぼされる力の方向と、マットレスの屈曲時に連結帯状体と連結部の間に作用する力の方向とが、互いに異なる方向とされて、使用状態での安定性と、メンテナンス時等の着脱容易性が、両立して実現されているのである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ベッド等の支持面の幅方向に延びるマットレスユニットを一単位として、それらマットレスユニットの複数を長さ方向に整列配置して連結部にて連結手段により相互に着脱可能に連結することにより、マットレスを構成することができる。従って、特定のマットレスユニットに不具合が生じた場合には、当該マットレスユニットの連結部の連結を解除することにより容易に取り出すことができ、マットレスのメンテナンスや交換を容易に行うことができる。しかも、連結手段により着脱可能に連結される連結部がベッド等の支持面の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられていることから、ベッド等の側方から組み換え作業が可能でメンテナンス時の操作性や取扱性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのマットレスを示す平面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】図1に示されたマットレスを構成する圧切換型マットレスユニットにおいて、セルを拡大して示す縦断面図。
【図5】図1に示されたマットレスのシステム構成の説明図。
【図6】図1のVI−VI断面図。
【図7】図1に示されたマットレスを構成する連結ブロックの連結状態を説明するための概念図。
【図8】図1に示されたマットレスを構成する連結ブロックの幾つかを代表的に示す斜視図。
【図9】図8に示された連結ブロックの右側面図。
【図10】図8に示された連結ブロックの相対的な傾動を説明するための斜視図。
【図11】図8に示された連結ブロックの傾動による凹状変形を説明するための右側面図。
【図12】図8に示された連結ブロックの傾動による凸状変形を説明するための右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1および図2には、本発明の第1の実施形態としてのマットレス10が示されている。マットレス10では、ベッド12の人体支持面14の長さ方向の両端部分に配設された頭部側ブロック16と脚部側ブロック18の間に、マットレスユニットとしての圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bの複数が、人体支持面14の長さ方向に整列配置されており、それらマットレスユニット20a,20bの表面上の全体に亘って広がる表層マット22および体圧センサ24が載置された構造とされている(図2参照)。なお、以下の説明において、原則として、幅方向とは、図1中の左右方向を、長さ方向とは、図1中の上下方向を、高さ方向とは、図2中の上下方向を、それぞれ言う。また、図1では、後述する連結ブロック28a、28bやセル36の配置を見易くするために、表層マット22および体圧センサ24の図示を省略し、圧切換型マットレスユニット20aにおいては、後述する天部クッション層34の図示を省略している。
【0034】
頭部側ブロック16および脚部側ブロック18は、互いに略同じ直方体形状で幅方向に延びており、ウレタンフォーム等の弾性体で形成されている。また、頭部側ブロック16と脚部側ブロック18は、ベッド12の人体支持面14の長さ方向各一方の端部に配設されており、長さ方向で所定距離を隔てて配置されている。
【0035】
また、頭部側ブロック16と脚部側ブロック18の間には、複数のマットレスユニット20a,20bが配設されている。マットレスユニット20a,20bは、同一の基本構造を備えている。即ち、マットレスユニット20a,20bは、人体支持面14の幅方向に延びるベース部材26と、ベース部材26の長手方向両端部上にそれぞれ設けられた連結部としての連結ブロック28a,28bと、ベース部材26の長手方向の中間部分に取り付けられるクッション体30a,30bを、含んで構成されている。
【0036】
ベース部材26は、合成樹脂や金属等で形成された硬質の部材であって、幅方向に略一定の断面形状で延びる長手板状とされている。また、本実施形態のベース部材26は、上面がベッド12の人体支持面14に広がる平面とされていると共に、下面が長さ方向の中央側に行くに従って下向きの突出高さが大きくなる湾曲面とされて、逆向きの蒲鉾形を呈しており、重量の増加を抑えつつ、機械的な強度が高められている。
【0037】
連結ブロック28a,28bは、合成樹脂や金属等の硬質材料で形成された矩形中空箱体状とされており、図3および図6に示されているように、ベース部材26の長手方向の一方の端部上に連結ブロック28aが取り付けられていると共に、長手方向の他方の端部上に連結ブロック28bが取り付けられている。そして、人体支持面14上に複数整列配置されたマットレスユニット20a,20bが、連結ブロック28a,28bにおいて相互に着脱可能に連結されるように、連結ブロック28a,28bには、後述する連結手段を構成する連結帯状体としての第1連結ベルト106および第2連結ベルト108が設けられている。
【0038】
マットレスユニット20a,20bは、上記のとおり基本構造を同じにしつつも、クッション体30a,30bの構成が互いに異ならされており、本実施形態では、圧切換型のクッション体30aを備えた圧切換型マットレスユニット20aと、静止型のクッション体30bを備えた静止型マットレスユニット20bの2種類が提供されている。
【0039】
先ず、図3に圧切換型マットレスユニット20aの断面図を示す。圧切換型マットレスユニット20aのクッション体30aは、底部クッション層32と天部クッション層34の間に複数のセル36が配設された構造を有しており、このセル36の内部に設けられた後述する流体室42の圧力を調節することによりセル36の高さが変更調節できるものである。
【0040】
底部クッション層32は、人体支持面14の幅方向に長手の矩形板状を呈する弾性体(ウレタンフォーム等)であって、人体支持面14の長さ方向における寸法がベース部材26と略同じとされていると共に、人体支持面14の幅方向における寸法が両端の連結ブロック28a,28bの対向面間距離と略同じとされている。
【0041】
天部クッション層34は、人体支持面14の幅方向に延びる板状の弾性体(ウレタンフォーム等)であって、人体支持面14の長さ方向における寸法および幅方向における寸法が、何れも底部クッション層32と略同じとされている。そして、天部クッション層34は、底部クッション層32に対して上方に所定距離を隔てて対向配置されている。
【0042】
また、上下方向で対向して配置された底部クッション層32と天部クッション層34の間には、複数のセル36が配設されている。各セル36は、図4に拡大して示すように、全体として袋状とされており、下方に開口する上側袋状部38と、上方に開口する下側袋状部40とを、開口部で相互に固着した構造を有している。なお、本実施形態では、上側袋状部38および下側袋状部40がポリウレタン等の合成樹脂で形成された2枚のシートを重ね合わせて、それらシートの外周端部を溶着することで形成されており、それら上側袋状部38と下側袋状部40の開口部を相互に溶着することで各セル36が形成されている。
【0043】
さらに、各セル36の内部には、外部から密閉された流体室42が形成されており、下側袋状部40の底壁部の中央部分に設けられたポート44およびポート44に接続された分岐管路46を通じて、後述する外部のポンプ装置56に連通されている。そして、ポンプ装置56により、ポート44を通じて流体室42内に空気等の流体が給排されることにより、流体室42の内圧が調節されて、セル36の膨張/収縮に伴うセル36の高さの変更設定可能とされている。なお、セル36に給排される流体は、空気に限定されるものではなく、例えば、水等の液体を用いることも出来る。
【0044】
なお、各セル36の高さ方向中間部分には、括れ部48が形成されている。即ち、上側袋状部38と下側袋状部40が何れも開口部に向かって次第に窄む形状とされていることにより、上側袋状部38と下側袋状部40との固着部分(開口部)に括れ部48が形成されている。これにより、セル36は、括れ部48の設けられた高さ方向中間部分において細くなっており、膨張時の縦断面において略8の字形乃至は瓢箪形を呈する2段構造とされている。
【0045】
このような構造とされたセル36は、底部クッション層32と天部クッション層34の間に配設されて、底部クッション層32によって底面の中央部分を支持されると共に、上面に対して天部クッション層34が重ね合わされている。これにより、圧切換型のクッション体30aが形成されている。また、セル36は、ベッド12の人体支持面14の幅方向に並んで複数が配設されており、本実施形態では、7つのセル36が底部クッション層32上で1列に並んで配設されている。なお、各セル36に設けられたポート44に接続された分岐管路46は、底部クッション層32上を連結ブロック28aに向かって延出して配設されている。なお、図4に拡大して示すように、底部クッション層32の上面には、連結ブロック28aに向かって延びる長さの異なる7つの凹所50が開口形成されており、それら凹所50にセル36のポート44から延び出す7本の分岐管路46が、それぞれ嵌め込まれて位置決めされている。また、セル36上に重ね合わされた天部クッション層34は、セル36の膨張と収縮によって、底部クッション層32に対して相対的に接近/離隔するようになっている。
【0046】
さらに、圧切換型マットレスユニット20aの一方の連結ブロック28aの内部には、バルブユニット52と制御ユニット54が収容配置されている。バルブユニット52はウレタンフォーム等の吸音材53を介して連結ブロック28aに支持固定されている。ここで、図5を用いて、圧切換型マットレスユニット20aのセル36の内圧を制御するシステム構成について、詳述する。図5に概略的に示すように、マットレス10は、圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bを組み合わせて構成されている。各圧切換型マットレスユニット20aは、クッション体30aを構成する横方向(図1,5中、左右方向)に隣接して配設された7つのセル36と、これら7つのセル36への流体の給排制御を司るバルブユニット52および制御ユニット54を含んで構成されている。このような圧切換型マットレスユニット20aの17本が、マットレス10の縦方向(図1,5中、上下方向)で、途中4本の静止型マットレスユニット20bを介在させつつ、並設されている。これにより、ベッド12の人体支持面14上には、合計119個(7個×17本)のセル36が配設されている。
【0047】
バルブユニット52は、ポンプ装置56から延び出すメイン管路57に接続すると共に、セル36からそれぞれ延び出す7つの分岐管路46が接続される分岐型の流体管路58と、分岐管路46上にそれぞれ設けられる電磁弁等からなる7つの切換弁60を含んで構成されている。一方、制御ユニット54は、プリント基板上に構成された制御回路を用いて構成されており、各切換弁60に電気的に接続されている。制御ユニット54は、電気的に接続された外部のメイン制御機70からの指令に基づき、各切換弁60に制御信号を送信して駆動を制御することにより、切換弁60を介した分岐管路46の流体管路58への連通と遮断を選択的に切り替えるようになっている。
【0048】
ポンプ装置56には例えば電磁弁からなる給気バルブ62および排気バルブ64が設けられており、メイン管路57と接続されている。給気バルブ62はポンプ装置56に設けられたポンプ66と接続されている。一方、排気バルブ64は大気中に連通されている。更に、ポンプ装置56には圧力計68が設けられており、メイン管路57と接続されている。
【0049】
また、ポンプ装置56には、メイン制御機70が設けられている。メイン制御機70は給気バルブ62および排気バルブ64、ポンプ66と電気的に接続されており、後述する制御装置74からの制御信号に基づいて、これらの作動を制御するようになっている。更にまた、メイン制御機70は圧力計68と電気的に接続されており、メイン管路57の内圧を測定可能とされている。更に、メイン制御機70は各圧切換型マットレスユニット20aの制御ユニット54と電気的に接続されており、各制御ユニット54に制御信号を送信することにより、それぞれの圧切換型マットレスユニット20aにおける各切換弁60の作動を制御するようになっている。更にまた、ポンプ装置56には電源装置72が設けられている。電源装置72は各圧切換型マットレスユニット20aの制御ユニット54に接続されており、制御ユニット54および切換弁60の駆動電源を供給するようになっている。
【0050】
このようなポンプ装置56のメイン制御機70は、制御装置74と電気的に接続されている。制御装置74は、CPU(Central Processing
Unit)76と、ROM(Read Only Memory)78と、RAM(Random Access Memory)80と、駆動回路82と、電源回路84を備えている。ROM78にはセル36の内圧の制御プログラム等が記憶されている。RAM80には、制御プログラムの演算値や圧力計68からの計測値等が一時的に格納される。そして、CPU76がROM78に記憶された制御プログラムに基づいて、駆動回路82を通じてポンプ装置56のメイン制御機70に制御信号を送信することによって、メイン管路57への空気の給排と各セルの切換弁60の作動が制御されるようになっている。
【0051】
上述のとおり、圧切換型マットレスユニット20aには、セル36の内圧が変更設定可能な圧切換型のクッション体30aと、クッション体30aの各セル36の駆動に必要な分岐管路46や、分岐管路46への流体の給排を制御するバルブユニット52と制御ユニット54がスペース効率よく収容配置されているのである。
【0052】
次に、図6に静止型マットレスユニット20bの断面図を示す。静止型マットレスユニット20bのクッション体30bは、全体として厚肉の矩形板状を呈しており、多孔質のウレタンフォーム等の弾性体で構成されている。クッション体30bは、人体支持面14の長さ方向における寸法がベース部材26と略同じとされていると共に、人体支持面14の幅方向における寸法が両端の連結ブロック28a,28bの対向面間距離と略同じとされている。さらに、クッション体30bは厚肉とされており、その高さ寸法が、両端の連結ブロック28a,28bの高さ寸法と略同一とされると共に、圧切換型マットレスユニット20aの天部クッション層34の表面と略同一の高さ位置で面一となるように設定されている。
【0053】
静止型マットレスユニット20bの一方の連結ブロック28aの内部には、圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aに収容された流体管路58に連通される流体管路86と、制御ユニット54に電気的に接続される導電路88が収容配置されている。
【0054】
このような構造とされた圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bは、使用者の体型や疾病の状況にあわせた任意の組み合わせで整列配置されることとなる。本実施形態では、人体支持面14の下方側の一部に静止型マットレスユニット20bが4本配置されている以外は、全て圧切換型マットレスユニット20aが配置されている。ここで、図7を用いてマットレスユニット20a,20bの連結ブロック20aにおける電源系や管路系の接続方法について説明する。
【0055】
図7に概略的に示されているように、圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aには、整列方向(図7中、左右方向)で対向する一対の対向壁90a,90bの一方である対向壁90aの外面には、制御ユニット54に電気的に接続された入力コネクタ92と、バルブユニット52の流体管路58に連通された入力ポート94が設けられている。また、一対の対向壁90a,90bの他方である対向壁90bの外面には、制御ユニット54に電気的に接続された出力コネクタ96と、バルブユニット52の流体管路58に連通された出力ポート98が設けられている。
【0056】
同様に、静止型マットレスユニット20bの連結ブロック28aには、一方の対向壁90aの外面に、導電路88に電気的に接続された入力コネクタ92と、流体管路86に連通された入力ポート94が設けられていると共に、他方の対向壁90bの外面には、導電路88に電気的に接続された出力コネクタ96と、流体管路86に連通された出力ポート98が設けられている。
【0057】
そして、マットレスユニット20a,20bの整列方向(図7中、左右方向)で隣り合う連結ブロック28a間において、ポンプ装置56やメイン制御機70および電源装置72に近い上流側(図7中、左側)に位置する連結ブロック28aの出力コネクタ96を下流側(図7中、右側)に位置する連結ブロック28aの入力コネクタ92に被覆電線100により順次接続する。また、上流側の連結ブロック28aの出力ポート98を下流側の連結ブロック28aの入力ポート94に連結管102により順次接続する。なお、図示は省略するが、最も上流側に位置する圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aに設けられた入力コネクタ92は、電源装置72,制御装置74に電気的に接続され、入力ポート94は、ポンプ装置56のメイン管路57に接続されている。さらに、最も下流側に位置する圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aに設けられた出力コネクタ96および出力ポート98は、カバー等により栓止されている。
【0058】
このように、整列配置されたマットレスユニット20a,20bの連結ブロック28aに設けられた出力コネクタ96と入力コネクタ92、出力ポート98と入力ポート94を、順次被覆電線100および連結管102により接続することにより、連結ブロック28aの内部に収容された制御ユニット54と導電路88や、流体管路58と流体管路86を相互に連結して、外部の電源装置72,制御装置74およびポンプ装置56に接続した全体の電源系や管路系を構成することができる。これにより、圧切換型マットレスユニット20aの駆動に必要な配管や配電を非常にコンパクトに連結ブロック28aの内部に集約することが可能となる。さらに、配管や配電を必要としない静止型マットレスユニット20bの連結ブロック28a内にも流体管路86や導電路88を収容することで、圧切換型マットレスユニット20aの間に静止型マットレスユニット20bが介在した場合でも、流体管路86や導電路88を介して、電源系や管路系が寸断されないようになっている。また、連結ブロック28aに設けられた入出力コネクタ92,96および入出力ポート94,98を着脱するのみで、マットレスユニット20a,20bの配管や配電を含めた交換が容易に実現できるのである。
【0059】
さらに、連結ブロック28aの対向壁90bの外面に開口する凹所104が設けられている。この凹所104の底面に出力コネクタ96および出力ポート98が設けられており、凹所104内に収容されるようになっている。また、凹所104は、出力コネクタ96および出力ポート98の底面からの突出高さ以上の深さ寸法で形成されている。そして、マットレスユニット20a,20bが整列配置された際に、隣り合う連結ブロック28a,28aの対向壁90a,90bに設けられた入出力コネクタ92,96および入出力ポート94,98並びにそれらを連結する被覆電線100および連結管102が、何れも凹所104内に収容された状態で連結ブロック28a同士を接近させることができる。これにより、マットレス10の使用時に入出力コネクタ92,96、入出力ポート94,98、被覆電線100、連結管102が外部に突出することがなく、使用者や介護者がそれらにぶつかってけがをしたり、誤って連結間や電線を外してしまったり等の問題を未然に防止することができ、接続安定性を確保できるようになっている。
【0060】
なお、凹所104は、例示の如く一方の対向壁90bのみに設けてもよいが、両方の対向壁90aに設けてそれぞれにコネクタやポートを収容するようにしてもよい。また、図示は省略するが、連結ブロック28a,28bには、壁部の一部に開閉部(ドア部)が設けられていることが望ましい。これにより、連結ブロック28aの内部機器のメンテナンス性が向上される。また連結ブロック28bの内部を収納ボックス等に利用することもできる。
【0061】
このように整列配置されたマットレスユニット20a,20bは、整列方向で隣り合うもの同士が連結ブロック28a,28bに設けられた連結手段を構成する連結帯状体としての第1連結ベルト106と第2連結ベルト108によって相互に連結されている。なお、マットレスユニット20a,20bの連結構造については、図8〜図12に示されているように、長さ方向に並んだ3つの連結ブロック28aを抜き出して説明する。ここでは、連結構造の理解の容易のため、連結ブロック28a,28bの対向壁90a,90bに設けられた入出力コネクタ92,96および入出力ポート94,98並びにそれらを接続する被覆電線100および連結管102の図示を省略している。また、以下では、ベース部材26の長手方向一方の端部上に取り付けられた連結ブロック28aの連結構造について説明をするが、ベース部材26の長手方向他方の端部上に取り付けられた連結ブロック28bの連結構造も、連結ブロック28aの連結構造と同様である。
【0062】
第1,第2連結ベルト106,108は、何れも、薄肉且つ狭幅の長手帯状とされており、合成樹脂や化学繊維、合成皮革等によって形成されている。また、第1,第2連結ベルト106,108は、外力の作用によって厚さ方向で容易に変形するものであって、長手方向での歪みが小さい(伸縮変形し難い)ものが望ましい。なお、後述する連結ブロック28a,28aの長さ方向での位置決めと傾動を実現するためには、第1,第2連結ベルト106,108の長手方向での歪みは小さいほど良いが、第1,第2連結ベルト106,108や被覆電線100、連結管102の着脱を容易にする等の目的で、連結ブロック28aの位置決め作用等が充分に得られる程度であれば歪みが許容されていても良い。
【0063】
また、第1,第2連結ベルト106,108の両端部分には、それぞれ図示しない面ファスナが配設されている。より具体的には、第1連結ベルト106には、一方の端部の上面に面ファスナが設けられていると共に、他方の端部の下面に面ファスナが設けられている一方、第2連結ベルト108には、一方の端部の下面に面ファスナが設けられていると共に、他方の端部の上面に面ファスナが設けられている。
【0064】
そして、第1連結ベルト106が連結ブロック28aの幅方向外側(人体支持面14の幅方向外方であって、ベース部材26の長手方向外方)の端部に取り付けられていると共に、第2連結ベルト108が連結ブロック28aの幅方向内側(人体支持面14の幅方向内方であって、ベース部材26の長手方向内方)の端部に取り付けられている。また、第1連結ベルト106の長さ方向一方の端部が、頭側に位置する連結ブロック28aの上面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられると共に、第1連結ベルト106の他方の端部が、脚側に位置する連結ブロック28aの下面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられる。更に、第2連結ベルト108の一方の端部が、頭側に位置する連結ブロック28aの下面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられると共に、第2連結ベルト108の他方の端部が、脚側に位置する連結ブロック28aの上面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられる。なお、上記からも明らかなように、連結ブロック28aの上面および下面には、幅方向両端部分に予め面ファスナが固着されている。尤も、第1,第2連結ベルト106,108は、接着や溶着等の手段によって、連結ブロック28aに対して取外し不能な状態で固着されていても良い。
【0065】
また、第1,第2連結ベルト106,108の長さ方向の中間部分は、隣り合う連結ブロック28a,28aの間で略上下方向に延びている。この第1,第2連結ベルト108の中間部分は、連結ブロック28aの長さ方向の側面に沿って配置されており、それら連結ブロック28a,28aに対して拘束されることなく接近や離隔等の相対変位が許容されている。なお、本実施形態では、ベース部材26の長手方向の両端上に取り付けられた連結ブロック28a,28aの何れにも第1,第2連結ベルト106,108が取り付けられており、整列方向で隣り合う連結ブロック28a,28aが相互に連結されている。
【0066】
このように第1,第2連結ベルト106,108が整列方向で隣接する連結ブロック28a,28aに取り付けられることにより、それら連結ブロック28a,28aが第1,第2連結ベルト106,108によって整列方向で相互に連結されている。なお、連結ブロック28a,28aを整列方向で離隔させるように作用する外力は、第1,第2連結ベルト106,108の連結ブロック28a,28aに対する取付け部分(面ファスナ)に対して面方向の力として作用することから、かかる外力の作用によって第1,第2連結ベルト106,108が連結ブロック28a,28aから外れることはなく、連結ブロック28a,28aが整列方向で連結された状態に保持される。
【0067】
さらに、第1,第2連結ベルト106,108が何れも整列方向での伸縮変形を抑えられていることによって、整列方向で隣り合う連結ブロック28a,28aの整列方向および高さ方向での相対変位が制限されて、相互に位置決めされている。即ち、連結ブロック28a,28aが整列方向又は高さ方向で相対的に変位するためには、第1,第2連結ベルト106,108の少なくとも一方が整列方向に伸びる必要があるが、第1,第2連結ベルト106,108は、整列方向での伸縮変形が制限されていることから、連結ブロック28a,28aの整列方向および高さ方向での相対変位が制限されている。
【0068】
一方、整列方向に隣り合う連結ブロック28a,28aは、第1,第2連結ベルト106,108による連結状態において、図11に示されているように、上端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸(図10参照)周りで、相対的な傾動が許容されている。即ち、連結ブロック28a,28aは、第1連結ベルト106の長さ方向一方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度および第2連結ベルト108の長さ方向他方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度(図11中のθ1 )が、変化することによって、連結ブロック28a,28aの上端部間を幅方向に延びる傾動の軸周りでの相対的な傾動が許容される。そこにおいて、第1,第2連結ベルト106,108は、何れも、薄肉帯状で厚さ方向に容易に変形することから、外力の作用による上記の如き連結ブロック28a,28aの傾動が許容される。これにより、本実施形態では、連結部材(連結ブロック28a)を傾動可能に連結する連結手段が、第1,第2連結ベルト106,108によって構成されている。
【0069】
同様に、整列方向に隣り合う連結ブロック28a,28aは、第1,第2連結ベルト106,108による連結状態において、図12に示されているように、下端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸(図10参照)周りで、相対的な傾動が許容されている。即ち、連結ブロック28a,28aは、第1連結ベルト106の長さ方向他方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度および第2連結ベルト108の長さ方向一方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度(図12中のθ2 )が、変化することによって、連結ブロック28a,28aの下端部間を幅方向に延びる傾動の軸周りでの相対的な傾動が許容される。そこにおいて、第1,第2連結ベルト106,108は、何れも、薄肉帯状で厚さ方向に容易に変形することから、外力の作用による上記の如き連結ブロック28a,28aの傾動が許容される。
【0070】
なお、整列方向で隣り合う連結ブロック28b,28bは、連結ブロック28a,28aと同様に第1,第2連結ベルト106,108によって連結されており、整列方向および高さ方向で相対的に位置決めされている。更に、連結ブロック28b,28bは、上端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸周りで、相対的な傾動を許容されていると共に、下端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸周りで、相対的な傾動を許容されている。
【0071】
このように、ベース部材26の長手方向両端部上に設けられた連結ブロック28a,28bが、何れも、整列方向で隣り合う別の連結ブロック28a,28bに対して、相対傾動を許容された状態で連結されていることにより、マットレスユニット20a,20bが隣り合う別のマットレスユニット20a,20bに対して相対的に傾動可能とされている。従って、例えば、ベッド12が背上げ機構を有しており、人体支持面14が長さ方向の中間部分で屈曲される場合でも、図11に示すように隣り合う別の連結ブロック28a,28bが傾動して、マットレス10が上向きに凹となる形状に変形して、人体支持面14の変形に追従することができる。また、ベッド12の人体支持面14が、背上げ時に膝を支持する部分が上方に凸状変形するようになっている場合でも、図12に示すように隣り合う別の連結ブロック28a,28bが傾動して、マットレス10が上向きに凸となる形状に変形して、人体支持面14の変形に追従することができる。
【0072】
このように、第1,第2連結ベルト106,108を用いた単一の連結構造によって、全てのマットレスユニット20a,20bが隣り合うもの同士で相互に連結されていると共に、全ての連結部位において凹状変形と凸状変形と変形なしの何れかが任意に選択的に許容されるようになっている。それ故、マットレス10は、特別な調整や部品の交換等を要することなく、脚部を支持する部分での凸状変形の有無等といったベッド12の変形(背上げ)態様の違いや、ベッド12の屈曲位置の違い等に、自在に対応することが可能とされている。しかも、第1,第2連結ベルト106,108を用いた極めて簡単な構造によってフレキシブルな連結構造が実現されており、製造が容易であると共に、信頼性や軽量化等においてもメリットがある。
【0073】
さらに、第1,第2連結ベルト106,108が、連結ブロック28aに対して面ファスナで着脱可能に取り付けられていることから、第1,第2連結ベルト106,108を連結ブロック28aから取り外すことによって、マットレスユニット20a,20bを他のマットレスユニット20a,20bから容易に取り外すことができる。それ故、第1,第2連結ベルト106,108の交換が容易に実現されることは勿論、マットレスユニット20a,20bを構成するベース部材26や連結ブロック28a、クッション体30a,30b等の交換やメンテナンスも容易に行われ得る。
【0074】
このように人体支持面14上に複数の圧切換型マットレスユニット20aおよび静止型マットレスユニット20bを整列配置して、隣接する連結ブロック28a,28b同士を第1,第2連結ベルト106,108相互に連結した際には、マットレスユニット20a,20bのクッション体30a,30bの表面が略面一になるようにされている。そして、相互に連結された複数のマットレスユニット20a,20bの表面上には、表層マット22が重ね合わされている。表層マット22は、薄肉の矩形板状とされたウレタンフォーム等の弾性体であって、頭部側ブロック16と脚部側ブロック18の間で、連結ボックス28a,28bおよびクッション体30a,30bの上面を覆うように配設されている。
【0075】
また、クッション体30a,30bの上面には、体圧センサ24が重ね合わされており、体圧センサ24が表層マット22とクッション体30a,30bの間に挟み込まれて配設されている。かかる体圧センサ24としては、歪ゲージや磁歪体を用いたロードセル等を採用することも可能であるが、本実施形態ではシート状の静電容量型センサが採用されている。このような静電容量型センサとしては、従来公知のもの(例えば、特許第4565359号公報に開示されたもの)が適宜に採用可能であることから、ここでは概略の説明に留める。即ち、体圧センサ24は、ウレタンフォーム等のエラストマーで形成された誘電体層の一方の面に帯状で柔軟な第1電極膜が重ね合わされていると共に、他方の面に第1電極膜と略同一形状で異なる方向を長手とする第2電極膜が重ね合わされており、それら第1, 第2電極膜の対向部分に検出部が構成されるようになっている。そして、検出部に体圧等の外力(体荷重)が作用すると、誘電体層の厚さ(第1, 第2電極膜の対向面間距離)が変化して、検出部に構成されるコンデンサの静電容量が変化することから、静電容量の変化に基づいて検出部に作用した体圧が検出されるようになっている。特に、体圧センサ24は、寝心地に悪影響を及ぼさないために、薄肉であると共に、柔軟性を有することが望ましい。
【0076】
なお、本実施形態では、体圧センサ24の検出部が縦21個×横7個で設けられており、圧切換型マットレスユニット20aが選択されて組み付けられた際には、クッション体30aのセル36と位置合わせされて配置設置されるようになっている。即ち、体圧センサ24は、147の検出部を有しており、マットレス10が全21本の圧切換型マットレスユニット20aで構成された際にも、全147個のセル36に作用する荷重が測定可能とされている。尤も、体圧センサ24の検出部の数は、必ずしもセル36の数と同数に限定されるものではなく、例えば、セル36よりも多くの検出部を設けて、より高精度に体荷重を検出することもでき得る。
【0077】
そして、体圧センサ24による使用者の体圧の測定結果に基づいて、各セル36の流体室42の圧力が調節される。これにより、体圧が広範囲に分散して作用するようにセル36の弾性や高さが制御されて、褥瘡の発生が抑えられる。より具体的には、例えば、体圧センサ24によって測定された体圧が大きい部分では、流体室42内の流体が排出されて、セル36の高さが低くされると共に、体圧センサ24によって測定された体圧が小さい部分では、流体室42に流体が供給されて、セル36の高さが高くされることにより、使用者の体に対して体圧の反力が広範囲に亘って分散作用するようになっている。
【0078】
このような構成とされた本実施形態のマットレス10においては、人体支持面14の幅方向に延びるマットレスユニット20a,20bを一単位として、それらを人体支持面14の長さ方向に整列配置すると共に、マットレスユニット20a,20bの両端に設けた連結ブロック28a,28bにおいて相互に着脱可能に連結することにより構成されている。従って、不具合が生じた特定のマットレスユニット20a,20bのみ連結を離脱して取り出し、容易に、交換やメンテナンスを行うことができ、経済性にも優れている。
【0079】
特に、連結ブロック28aがベース部材26の両端上に設けられていることから、ベッド12の側方から連結ブロック28aの着脱操作も容易に行うことができ、取扱性や操作性にも優れている。
【0080】
また、マットレスユニット20a,20bとして、クッション体30a,30bの種類が異ならされた複数種類が準備されており、圧切換型マットレスユニット20a,静止型マットレスユニット20bを任意に選択して組み合わせることができる。従って、使用者の体型や症状に応じて、褥瘡が生じるおそれのある部位には圧切換型マットレスユニット20aを用い、それ以外の部分は安価な静止型マットレスユニット20bを用いることが可能となる。これにより、褥瘡の発生防止に有効な圧切換型のクッション体を備えたマットレス10を比較的安価に提供することも可能となるのである。
【0081】
そして、複数のセル36の駆動に多数の管路や電線等が必要となる圧切換型マットレスユニット20aにあっては、ベース部材26の端部上に設けられた連結ブロック28a、28bを利用して、かかる連結ブロック28a、28bの内部にバルブユニット52や制御ユニット54が集約して収容されている。これにより、圧切換型マットレスユニット20aの取扱性やメンテナンス性が有利に向上されると共に、連結ブロック28a、28b内にバルブユニット52を収容したことにより、切換弁60の動作音等の防音効果も図ることができる。特に、バルブユニット52が吸音材53を介して連結ブロック28に支持固定されていることにより、一層の防音効果が達成され得る。
【0082】
加えて、静止型マットレスユニット20bにおいても、連結ブロック28aの内部に流体管路86と導電路88が設けられていることから、圧切換型マットレスユニット20aの間に静止型マットレスユニット20bが介在しても、静止型マットレスユニット20bの流体管路86と導電路88を介して、両側の圧切換型マットレスユニット20aのバルブユニット52と制御ユニット54が相互に連通されるようになっている。従って、圧切換型マットレスユニット20aの機能を阻害することなく、任意の順番で圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bを組み合わせることができるのである。
【0083】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、マットレス10を圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bを組み合わせて構成した例を示したが、マットレス10を、圧切換型マットレスユニット20aのみ、或いは静止型マットレスユニット20bのみで構成することも可能であり、同一のクッション体で構成されたマットレスユニットを複数組み合わせて構成したマットレスが、本発明に含まれることは言うまでもない。その場合でも、マットレスユニット20a又は20b単位で分割されており、ベース部材26の少なくとも一方の端部上に設けられた連結ブロック28a,28bにおいて着脱可能に連結されているマットレス10のメンテナンス性や取扱性等の効果は同様に享受できる。
【0084】
また、前記実施形態では、隣り合う連結ブロック28a,28bの連結手段として、第1,第2連結ベルト106,108により傾動可能に連結された例を示したが、連結手段はこれに限定されず、連結ブロック28a,28bが着脱可能に連結されるものであれば、周知の連結構造が何れも採用可能である。例えば、連結ブロック28a,28bの一方の対向壁90aに嵌合凸部を設けると共に、他方に対向壁90bに嵌合凹部を設け、それらを凹凸嵌合することにより、連結手段を構成してもよい。
【0085】
さらに、圧切換型マットレスユニット20aは、7つのセル36が幅方向に整列されたものを例示したが、セル36の数や形状が異なる複数種類の圧切換型マットレスユニット20aを設けることも可能である。また、同様に、静止型マットレスユニット20bにおいても、例示の多孔質のウレタンフォームの他、スプリング等の種類の異なる弾性体でクッション体30を構成した複数種類の静止型マットレスユニット20bを設けててもよい。これにより、一層使用者の体型や症状に合わせたクッション体30a,30bの選択が可能となる。
【0086】
また体圧センサ24とクッション体30a,30bの間に、クッション層(例えばウレタンフォーム)が挟まれていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10:マットレス、12:ベッド、14:人体支持面、16:頭部側ブロック、18:脚部側ブロック、20a:圧切換型マットレスユニット、20b:静止型マットレスユニット、26:ベース部材、28a,b:連結ブロック(連結部)、30a,b:クッション体、32:底部クッション層、34:天部クッション層、36:セル、42:流体室、46:分岐管路、52:バルブユニット、53:吸音材、54:制御ユニット、56:ポンプ装置、57:メイン管路、58:流体管路、60:切換弁、72:電源装置、74:制御装置、86:流体管路、88:導電路、90a,b:対向壁、92:入力コネクタ、94:入力ポート、96:出力コネクタ、98:出力ポート、100:被覆電線(電線)、102:連結管、104:凹所、106:第1連結ベルト(連結帯状体,連結手段)、108:第2連結ベルト(連結帯状体,連結手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドや寝床等の人体の支持面上に配設されて用いられるマットレスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、介護用ベッド等における人体の支持部分には、クッション作用を有するマットレスが採用されており、人体を弾性的に支持することで寝心地の改善が図られている。このマットレスは、例えば、ウレタンフォーム等の弾性材によって形成された所謂静止型のものが主流である。
【0003】
ところで、寝返りをすることが困難な使用者等が、一般的なマットレスを長期に亘って連続的に使用すると、体圧(人体の荷重による圧力)の反力が使用者の局所に連続して作用することから、血流の悪化等に起因する褥瘡が生じるおそれがある。そこで、褥瘡の発生を防止するために、流体の圧力を利用して使用者の体圧の作用位置を変化させて、実質的に使用者に作用する体圧の反力を分散させることが可能なマットレスが提案されている。例えば、特開2000−189472号公報(特許文献1)には、マットレスの内部に荷重センサシートを配設する一方、人体を支持する基体の体圧作用面(人体の支持部分)を複数のセルで構成して、各セルの流体室に外部から空気等の流体を送入/排出することによりセルの内圧を調節可能とした、所謂圧切換型のマットレス構造が開示されている。このような圧切換型のマットレスにおいては、高い荷重圧力が測定されたセルの流体を排出する一方、低い荷重圧力が測定されたセルに流体を送入することで、定期的にセルの内圧を変化させて、使用者の体の一部が体圧の作用で長期に亘って圧迫されるのを防ぐようになっている。
【0004】
ところが、このような従来構造の圧切換型のマットレスにおいては、各セルの流体室に対して、ポンプからの流体の給排を行うための流体管路を接続したり、各セルの流体室を流体管路に連通/遮断するための電磁弁等を各セル毎に設ける必要がある。ここで、各セルから延び出す流体管路をベッド下のスペース等に収容することも考えられるが、各セルからマニホールド等の連結管体やポンプまでの比較的長距離に亘って流体管路を引き回す必要があり、流体管路が交錯したり、ベッド可動時に他部材と干渉して流体管路が破損するおそれもあった。また、何れかのセルに不具合が発生した場合でも、複数の流体管路のうち何れが問題のセルに接続された管路であるか特定が難しく、メンテナンス性に劣るという問題もあった。
【0005】
さらに、各セルの流体出入口に電磁弁を設ける場合、外部の制御装置と各電磁弁とを電気的に接続する必要があり、狭いスペースに多数の配線を整理して配策することが一層難しくなり、電磁弁に不具合が発生した場合のメンテナンス性にも劣っていた。このような問題は、より良い使用感や寝心地を提供するためにセルの大きさを細かくする場合には一層顕著になっていた。
【0006】
加えて、褥瘡の発生部位は、使用者の性別、体格、年齢といった条件の違いや、疾病の種類、進行状態によっても異なるものである。例えば、特開2007−222672号公報(特許文献2)には、使用者の体型や疾患部位に合わせてエアセルの大きさや配置を簡単に変更できる複数のエアセルからなるマットレスが提案されている。しかしながら、特許文献2に記載のマットレスでは、結局エアセルをひとつずつ交換する必要性があり、頻繁な組み換えやメンテナンス性には劣っていた。また、特許文献2に記載のマットレス構造において、各エアセルの内圧を個別に調節可能とするためには、各エアセルの直下に電磁弁等の切換弁を組み込む必要があり、電線の配策等が複雑となって取扱性にも劣っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−189472号公報
【特許文献2】特開2007−222672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、マットレスの一部を効率よく組み換えることができて、メインテナンス性や取扱性にも優れた、新規な構造のマットレスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、人体の支持面上に配設されて用いられるマットレスであって、前記支持面の幅方向に延びるベース部材と、該ベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方に設けられた連結部と、該ベース部材の長手方向の少なくとも中間部分に設けられたクッション体を含んで構成されたマットレスユニットを複数備えていると共に、前記複数のマットレスユニットが、前記支持面の長さ方向に整列配置されて、各前記連結部に設けられた連結手段により相互に着脱可能に連結されて構成されていることを、特徴とする。
【0010】
このような第1の態様に従う構造とされたマットレスによれば、支持面の幅方向に延びるマットレスユニットを一単位として、それらマットレスユニットを長さ方向に整列配置して連結部にて連結手段により相互に着脱可能に連結することにより、マットレスを構成することができる。従って、特定のマットレスユニットに不具合が生じた場合には、当該マットレスユニットの連結部を隣り合うマットレスユニットの連結部から離脱させて取り出すことにより、容易にマットレスのメンテナンスや交換が可能となる。
【0011】
また、連結手段により着脱可能に連結される連結部がベッド等の支持面の幅方向に延びるベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方の端部に設けられていることから、ベッド等の側方から組み換えが可能でメンテナンス時の操作性や取扱性に優れている。さらに、マットレスが、幅方向に延びるマットレスユニット毎に分割された構造となっていることから、不具合の生じたマットレスユニットのみ交換することも可能であり、経済性にも優れている。なお、連結部は、ベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方に設けられていればよいが、両側に設けることにより、マットレスユニットの組み付け安定性を向上させることができる。
【0012】
さらに、クッション体を内部に圧力が切換え可能な流体室を有するセルを用いて構成する場合には、セルに接続される流体管路や電磁弁等の切換弁、切換弁に接続される電線等を各マットレスユニット内に一括して収容配置することができ、圧切換型のクッション体の取扱性やメンテナンス性を有利に向上させることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載されたマットレスにおいて、前記クッション体の構成が異ならされた複数種類の前記マットレスユニットから、任意に選択されたマットレスユニットにより前記複数のマットレスユニットが構成されている一方、前記複数種類のマットレスユニットが、前記クッション体を内部に設けられた流体室の圧力を調節することで高さを変更設定可能な複数のセルで構成した圧切換型マットレスユニットと、前記クッション体を弾性体により構成した静止型マットレスユニットを含んでいる請求項1に記載のマットレス。
【0014】
本態様によれば、クッション体の構成が異ならされた複数種類のマットレスユニットが予め準備されていることから、使用者の体型や症状に応じたマットレスユニットの組み合わせが可能となる。例えば、圧切換型等の高度なマットレスが不要な部位は静止型マットレスユニットで構成し、褥瘡が生じるおそれのある部位には圧切換型マットレスユニットで構成することも可能である。これにより、最低限必要な部位のみを高価な圧切換型マットレスユニットを適用することができ、褥瘡の発生防止に有効な圧切換型のクッション体を比較的安価に提供することも可能となる。また、マットレスをすべて圧切換型マットレスユニットで構成したり、すべて静止型マットレスユニットで構成することも本態様に含まれるものである。
【0015】
なお、圧切換型マットレスユニットは、空気式のものや液圧式のものが採用可能である。また、圧切換型マットレスユニットにおいても、セルの形状を異ならせた複数種類の圧切換型マットレスユニットを構成することもできる。これにより一層使用者の体型や症状に合わせたクッション体の選択が可能となる。同様に、静止型マットレスユニットにおいても、発泡ポリウレタンやスプリング等の公知の弾性体が採用可能であり、弾性体の種類を異ならせた複数種類の静止型マットレスユニットを構成することもできる。
【0016】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載されたマットレスにおいて、前記圧切換型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、前記セルを外部のポンプ装置に連通する流体管路と、該流体管路に各前記セルを連結/遮断する複数の切換弁を備えたバルブユニットと、該切換弁の駆動を制御する制御ユニットが収容されているものである。
【0017】
本態様によれば、クッション体を内部に圧力が切換え可能な流体室を有するセルを用いて構成する場合に問題となっていた、各セルに接続される流体管路や切換弁を含むバルブユニットおよびそれの制御ユニットを、一括して連結部の連結ブロック内に収容配置することができる。これにより、圧切換型マットレスユニットの取扱性やメンテナンス性を一層有利に向上させることができる。また、連結ブロック内にバルブユニットを収容したことにより、切換弁の動作音等を低減することも可能となる。
【0018】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載されたマットレスにおいて、前記連結体の前記連結ブロックに対して、前記バルブユニットが吸音材を介して支持固定されているものである。これにより、連結ブロックへの切換弁の動作振動等が伝達されることを防止でき、圧切換型マットレスユニットの一層の静音化が達成される。
【0019】
本発明の第5の態様は、第2の態様に記載されたマットレスにかかり、前記静止型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、流体管路と導電路が収容配置されているものである。
【0020】
本態様によれば、圧切換型マットレスユニットの間に静止型マットレスユニットが介在して整列配置される場合に、静止型マットレスユニットの連結部に収容配置された流体管路と導電路を介して、両側の圧切換型マットレスユニットの連結部に収容配置された流体管路とバルブユニットおよび制御ユニットを連通させることができる。これにより、圧切換型マットレスユニットの機能を阻害することなく、圧切換型マットレスと静止型マットレスの自由な配列が可能となるのである。
【0021】
本発明の第6の態様は、第3〜5のいずれか1つの態様に記載されたマットレスにおいて、各前記連結部の前記連結ブロックが、前記複数のユニットセルの整列方向で対向する一対の対向壁を有しており、該一対の対向壁の一方には、前記流通管路の入力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する入力コネクタが設けられている一方、該一対の対向壁の他方には、前記流体管路の出力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する出力コネクタが設けられており、前記マットレスユニットの整列方向で隣り合う前記連結ブロックの一方の前記出力ポートを他方の該入力ポートに順次連結管により連結することにより、各セルが前記ポンプ装置に連通可能とされる一方、前記一方の前記出力コネクタと前記他方の入力コネクタを順次電線により接続することにより、前記連結ブロックの各前記制御ユニットに外部制御装置からの電源および制御信号が供給可能とされているものである。
【0022】
本態様によれば、隣り合うマットレスユニットの連結部に設けられたコネクタやポートを順次連結することにより、連結部の連結ブロック内に収容された流体管路や制御ユニットおよび導電路を利用して、システム全体の電源系や管路系を構成することができる。これにより、圧切換型マットレスユニットの駆動に必要な配管や配電を非常にコンパクトに連結部に集約することが可能となる。それ故、連結部に設けられたコネクタとポートを連通/遮断するのみで各マットレスユニットの配管や配電を含めた交換が容易に実現でき、高度な取扱性やメンテナンス性を実現した分割型のマットレスを提供できるのである。
【0023】
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載されたマットレスにおいて、各前記連結部の前記連結ブロックの前記一対の対向壁の少なくとも一方には凹所が形成されており、該凹所内に前記入出力ポートおよび入出力コネクタ並びにそれらに取り付けられる前記連結管および前記電線が収容されるようになっているものである。
【0024】
本態様によれば、隣り合うマットレスユニットの連結部の対向壁に設けた凹所内に、対向壁に突設されたコネクタやポートおよび連結管や電線が収容されるようになっていることから、各マットレスユニットを隣り合う連結部同士を相互に離脱可能に連結して整列配置した際に、それらがいずれも連結部の連結ブロック外面に突出することなく凹所内に収容されることとなる。これにより、本態様のマットレスの使用時にコネクタやポートおよび連結管や電線が外部に突出することを防止して、ポートやコネクタに使用者や介護者がぶつかってけがをしたり、誤って連結間や電線を外してしまったり等の問題を未然に防止することができる。また、ポートやコネクタからの連結管や電線の離脱を未然に防止して、それらの接続安定性を確保することができる。
【0025】
本発明の第8の態様は、第1〜7のいずれか1つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記複数のマットレスユニットの前記連結部に設けられた前記連結手段が、前記幅方向に並んで配設された複数の連結帯状体によって構成されており、それら複数の連結帯状体の長さ方向の中間部分が、前記整列方向で隣り合う前記連結部の間を上下に延びていると共に、少なくとも1つの該連結帯状体の両端部分が、前記整列方向で隣り合う一方の該連結部の上面と他方の該連結部の下面とに取り付けられていると共に、他の該連結帯状体の両端部分が、該一方の連結部材の下面と該他方の連結部材の上面とに取り付けられているものである。
【0026】
本態様によれば、連結部が複数の連結帯状体を用いた簡単な構造で相互に傾動可能に連結されていると共に、それら連結部の傾動によって、マットレスの凹状変形(上方に凹となる屈曲)と凸状変形(上方に凸となる屈曲)の両方に対応することが可能となる。即ち、マットレスの凹状変形部分では、隣り合う連結部の上端部間を幅方向に延びるように傾動の軸が設定されて、隣り合う連結部およびクッション体が傾動の軸周りに傾動することで、マットレスの凹状変形に対応することができる。一方、マットレスの凸状変形部分では、隣り合う連結部の下端部間を幅方向に延びるように傾動の軸が設定されて、隣り合う連結部およびクッション体が傾動の軸周りに傾動することでマットレスの凸状変形に対応することができる。従って、隣り合う連結部を複数の連結帯状体で連結した単一構造を用いて、ベッドの機種毎に異なる屈曲態様(背上げ部分での凹状変形と、膝の支持部分での凸状変形等)に自在に対応することができて、ベッドの機種に合わせた屈曲位置や屈曲方向の変更等が不要になる。
【0027】
なお、連結帯状体の長さ方向での変形が制限されていると共に、連結帯状体の厚さ方向での変形(屈曲)が許容されていることによって、隣り合う連結部が相互に位置決めされて連結状態に保持されると共に、相対的な傾動が容易に許容される。それ故、連結帯状体としては、長さ方向での伸縮変形(歪み)が小さく、且つ厚さ方向での変形(屈曲)を容易に許容されるものが望ましい。また、マットレスの凹状変形部分において連結帯状体が連結手段として機能する。
【0028】
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載されたマットレスにおいて、前記連結帯状体の両端部分が前記連結部に対して面ファスナで着脱可能に取り付けられているものである。
【0029】
本態様によれば、連結帯状体を連結部に対して自由に着脱できることから、連結帯状体を連結部から取り外すことで、連結帯状体や連結部、クッション体、ベース部材の交換等を容易に行うことができる。しかも、面ファスナは、面直交方向の力が作用することで容易に外れる一方で、面方向の力が作用しても外れ難いことから、マットレスの屈曲時に連結帯状体に対して長さ方向で作用する力では外れ難く、連結部が連結状態に安定して保持される。要するに、連結帯状体の連結部に対する取付け手段として、面ファスナが用いられていることにより、連結帯状体の連結部に対する着脱時に及ぼされる力の方向と、マットレスの屈曲時に連結帯状体と連結部の間に作用する力の方向とが、互いに異なる方向とされて、使用状態での安定性と、メンテナンス時等の着脱容易性が、両立して実現されているのである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ベッド等の支持面の幅方向に延びるマットレスユニットを一単位として、それらマットレスユニットの複数を長さ方向に整列配置して連結部にて連結手段により相互に着脱可能に連結することにより、マットレスを構成することができる。従って、特定のマットレスユニットに不具合が生じた場合には、当該マットレスユニットの連結部の連結を解除することにより容易に取り出すことができ、マットレスのメンテナンスや交換を容易に行うことができる。しかも、連結手段により着脱可能に連結される連結部がベッド等の支持面の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられていることから、ベッド等の側方から組み換え作業が可能でメンテナンス時の操作性や取扱性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのマットレスを示す平面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】図1に示されたマットレスを構成する圧切換型マットレスユニットにおいて、セルを拡大して示す縦断面図。
【図5】図1に示されたマットレスのシステム構成の説明図。
【図6】図1のVI−VI断面図。
【図7】図1に示されたマットレスを構成する連結ブロックの連結状態を説明するための概念図。
【図8】図1に示されたマットレスを構成する連結ブロックの幾つかを代表的に示す斜視図。
【図9】図8に示された連結ブロックの右側面図。
【図10】図8に示された連結ブロックの相対的な傾動を説明するための斜視図。
【図11】図8に示された連結ブロックの傾動による凹状変形を説明するための右側面図。
【図12】図8に示された連結ブロックの傾動による凸状変形を説明するための右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1および図2には、本発明の第1の実施形態としてのマットレス10が示されている。マットレス10では、ベッド12の人体支持面14の長さ方向の両端部分に配設された頭部側ブロック16と脚部側ブロック18の間に、マットレスユニットとしての圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bの複数が、人体支持面14の長さ方向に整列配置されており、それらマットレスユニット20a,20bの表面上の全体に亘って広がる表層マット22および体圧センサ24が載置された構造とされている(図2参照)。なお、以下の説明において、原則として、幅方向とは、図1中の左右方向を、長さ方向とは、図1中の上下方向を、高さ方向とは、図2中の上下方向を、それぞれ言う。また、図1では、後述する連結ブロック28a、28bやセル36の配置を見易くするために、表層マット22および体圧センサ24の図示を省略し、圧切換型マットレスユニット20aにおいては、後述する天部クッション層34の図示を省略している。
【0034】
頭部側ブロック16および脚部側ブロック18は、互いに略同じ直方体形状で幅方向に延びており、ウレタンフォーム等の弾性体で形成されている。また、頭部側ブロック16と脚部側ブロック18は、ベッド12の人体支持面14の長さ方向各一方の端部に配設されており、長さ方向で所定距離を隔てて配置されている。
【0035】
また、頭部側ブロック16と脚部側ブロック18の間には、複数のマットレスユニット20a,20bが配設されている。マットレスユニット20a,20bは、同一の基本構造を備えている。即ち、マットレスユニット20a,20bは、人体支持面14の幅方向に延びるベース部材26と、ベース部材26の長手方向両端部上にそれぞれ設けられた連結部としての連結ブロック28a,28bと、ベース部材26の長手方向の中間部分に取り付けられるクッション体30a,30bを、含んで構成されている。
【0036】
ベース部材26は、合成樹脂や金属等で形成された硬質の部材であって、幅方向に略一定の断面形状で延びる長手板状とされている。また、本実施形態のベース部材26は、上面がベッド12の人体支持面14に広がる平面とされていると共に、下面が長さ方向の中央側に行くに従って下向きの突出高さが大きくなる湾曲面とされて、逆向きの蒲鉾形を呈しており、重量の増加を抑えつつ、機械的な強度が高められている。
【0037】
連結ブロック28a,28bは、合成樹脂や金属等の硬質材料で形成された矩形中空箱体状とされており、図3および図6に示されているように、ベース部材26の長手方向の一方の端部上に連結ブロック28aが取り付けられていると共に、長手方向の他方の端部上に連結ブロック28bが取り付けられている。そして、人体支持面14上に複数整列配置されたマットレスユニット20a,20bが、連結ブロック28a,28bにおいて相互に着脱可能に連結されるように、連結ブロック28a,28bには、後述する連結手段を構成する連結帯状体としての第1連結ベルト106および第2連結ベルト108が設けられている。
【0038】
マットレスユニット20a,20bは、上記のとおり基本構造を同じにしつつも、クッション体30a,30bの構成が互いに異ならされており、本実施形態では、圧切換型のクッション体30aを備えた圧切換型マットレスユニット20aと、静止型のクッション体30bを備えた静止型マットレスユニット20bの2種類が提供されている。
【0039】
先ず、図3に圧切換型マットレスユニット20aの断面図を示す。圧切換型マットレスユニット20aのクッション体30aは、底部クッション層32と天部クッション層34の間に複数のセル36が配設された構造を有しており、このセル36の内部に設けられた後述する流体室42の圧力を調節することによりセル36の高さが変更調節できるものである。
【0040】
底部クッション層32は、人体支持面14の幅方向に長手の矩形板状を呈する弾性体(ウレタンフォーム等)であって、人体支持面14の長さ方向における寸法がベース部材26と略同じとされていると共に、人体支持面14の幅方向における寸法が両端の連結ブロック28a,28bの対向面間距離と略同じとされている。
【0041】
天部クッション層34は、人体支持面14の幅方向に延びる板状の弾性体(ウレタンフォーム等)であって、人体支持面14の長さ方向における寸法および幅方向における寸法が、何れも底部クッション層32と略同じとされている。そして、天部クッション層34は、底部クッション層32に対して上方に所定距離を隔てて対向配置されている。
【0042】
また、上下方向で対向して配置された底部クッション層32と天部クッション層34の間には、複数のセル36が配設されている。各セル36は、図4に拡大して示すように、全体として袋状とされており、下方に開口する上側袋状部38と、上方に開口する下側袋状部40とを、開口部で相互に固着した構造を有している。なお、本実施形態では、上側袋状部38および下側袋状部40がポリウレタン等の合成樹脂で形成された2枚のシートを重ね合わせて、それらシートの外周端部を溶着することで形成されており、それら上側袋状部38と下側袋状部40の開口部を相互に溶着することで各セル36が形成されている。
【0043】
さらに、各セル36の内部には、外部から密閉された流体室42が形成されており、下側袋状部40の底壁部の中央部分に設けられたポート44およびポート44に接続された分岐管路46を通じて、後述する外部のポンプ装置56に連通されている。そして、ポンプ装置56により、ポート44を通じて流体室42内に空気等の流体が給排されることにより、流体室42の内圧が調節されて、セル36の膨張/収縮に伴うセル36の高さの変更設定可能とされている。なお、セル36に給排される流体は、空気に限定されるものではなく、例えば、水等の液体を用いることも出来る。
【0044】
なお、各セル36の高さ方向中間部分には、括れ部48が形成されている。即ち、上側袋状部38と下側袋状部40が何れも開口部に向かって次第に窄む形状とされていることにより、上側袋状部38と下側袋状部40との固着部分(開口部)に括れ部48が形成されている。これにより、セル36は、括れ部48の設けられた高さ方向中間部分において細くなっており、膨張時の縦断面において略8の字形乃至は瓢箪形を呈する2段構造とされている。
【0045】
このような構造とされたセル36は、底部クッション層32と天部クッション層34の間に配設されて、底部クッション層32によって底面の中央部分を支持されると共に、上面に対して天部クッション層34が重ね合わされている。これにより、圧切換型のクッション体30aが形成されている。また、セル36は、ベッド12の人体支持面14の幅方向に並んで複数が配設されており、本実施形態では、7つのセル36が底部クッション層32上で1列に並んで配設されている。なお、各セル36に設けられたポート44に接続された分岐管路46は、底部クッション層32上を連結ブロック28aに向かって延出して配設されている。なお、図4に拡大して示すように、底部クッション層32の上面には、連結ブロック28aに向かって延びる長さの異なる7つの凹所50が開口形成されており、それら凹所50にセル36のポート44から延び出す7本の分岐管路46が、それぞれ嵌め込まれて位置決めされている。また、セル36上に重ね合わされた天部クッション層34は、セル36の膨張と収縮によって、底部クッション層32に対して相対的に接近/離隔するようになっている。
【0046】
さらに、圧切換型マットレスユニット20aの一方の連結ブロック28aの内部には、バルブユニット52と制御ユニット54が収容配置されている。バルブユニット52はウレタンフォーム等の吸音材53を介して連結ブロック28aに支持固定されている。ここで、図5を用いて、圧切換型マットレスユニット20aのセル36の内圧を制御するシステム構成について、詳述する。図5に概略的に示すように、マットレス10は、圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bを組み合わせて構成されている。各圧切換型マットレスユニット20aは、クッション体30aを構成する横方向(図1,5中、左右方向)に隣接して配設された7つのセル36と、これら7つのセル36への流体の給排制御を司るバルブユニット52および制御ユニット54を含んで構成されている。このような圧切換型マットレスユニット20aの17本が、マットレス10の縦方向(図1,5中、上下方向)で、途中4本の静止型マットレスユニット20bを介在させつつ、並設されている。これにより、ベッド12の人体支持面14上には、合計119個(7個×17本)のセル36が配設されている。
【0047】
バルブユニット52は、ポンプ装置56から延び出すメイン管路57に接続すると共に、セル36からそれぞれ延び出す7つの分岐管路46が接続される分岐型の流体管路58と、分岐管路46上にそれぞれ設けられる電磁弁等からなる7つの切換弁60を含んで構成されている。一方、制御ユニット54は、プリント基板上に構成された制御回路を用いて構成されており、各切換弁60に電気的に接続されている。制御ユニット54は、電気的に接続された外部のメイン制御機70からの指令に基づき、各切換弁60に制御信号を送信して駆動を制御することにより、切換弁60を介した分岐管路46の流体管路58への連通と遮断を選択的に切り替えるようになっている。
【0048】
ポンプ装置56には例えば電磁弁からなる給気バルブ62および排気バルブ64が設けられており、メイン管路57と接続されている。給気バルブ62はポンプ装置56に設けられたポンプ66と接続されている。一方、排気バルブ64は大気中に連通されている。更に、ポンプ装置56には圧力計68が設けられており、メイン管路57と接続されている。
【0049】
また、ポンプ装置56には、メイン制御機70が設けられている。メイン制御機70は給気バルブ62および排気バルブ64、ポンプ66と電気的に接続されており、後述する制御装置74からの制御信号に基づいて、これらの作動を制御するようになっている。更にまた、メイン制御機70は圧力計68と電気的に接続されており、メイン管路57の内圧を測定可能とされている。更に、メイン制御機70は各圧切換型マットレスユニット20aの制御ユニット54と電気的に接続されており、各制御ユニット54に制御信号を送信することにより、それぞれの圧切換型マットレスユニット20aにおける各切換弁60の作動を制御するようになっている。更にまた、ポンプ装置56には電源装置72が設けられている。電源装置72は各圧切換型マットレスユニット20aの制御ユニット54に接続されており、制御ユニット54および切換弁60の駆動電源を供給するようになっている。
【0050】
このようなポンプ装置56のメイン制御機70は、制御装置74と電気的に接続されている。制御装置74は、CPU(Central Processing
Unit)76と、ROM(Read Only Memory)78と、RAM(Random Access Memory)80と、駆動回路82と、電源回路84を備えている。ROM78にはセル36の内圧の制御プログラム等が記憶されている。RAM80には、制御プログラムの演算値や圧力計68からの計測値等が一時的に格納される。そして、CPU76がROM78に記憶された制御プログラムに基づいて、駆動回路82を通じてポンプ装置56のメイン制御機70に制御信号を送信することによって、メイン管路57への空気の給排と各セルの切換弁60の作動が制御されるようになっている。
【0051】
上述のとおり、圧切換型マットレスユニット20aには、セル36の内圧が変更設定可能な圧切換型のクッション体30aと、クッション体30aの各セル36の駆動に必要な分岐管路46や、分岐管路46への流体の給排を制御するバルブユニット52と制御ユニット54がスペース効率よく収容配置されているのである。
【0052】
次に、図6に静止型マットレスユニット20bの断面図を示す。静止型マットレスユニット20bのクッション体30bは、全体として厚肉の矩形板状を呈しており、多孔質のウレタンフォーム等の弾性体で構成されている。クッション体30bは、人体支持面14の長さ方向における寸法がベース部材26と略同じとされていると共に、人体支持面14の幅方向における寸法が両端の連結ブロック28a,28bの対向面間距離と略同じとされている。さらに、クッション体30bは厚肉とされており、その高さ寸法が、両端の連結ブロック28a,28bの高さ寸法と略同一とされると共に、圧切換型マットレスユニット20aの天部クッション層34の表面と略同一の高さ位置で面一となるように設定されている。
【0053】
静止型マットレスユニット20bの一方の連結ブロック28aの内部には、圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aに収容された流体管路58に連通される流体管路86と、制御ユニット54に電気的に接続される導電路88が収容配置されている。
【0054】
このような構造とされた圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bは、使用者の体型や疾病の状況にあわせた任意の組み合わせで整列配置されることとなる。本実施形態では、人体支持面14の下方側の一部に静止型マットレスユニット20bが4本配置されている以外は、全て圧切換型マットレスユニット20aが配置されている。ここで、図7を用いてマットレスユニット20a,20bの連結ブロック20aにおける電源系や管路系の接続方法について説明する。
【0055】
図7に概略的に示されているように、圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aには、整列方向(図7中、左右方向)で対向する一対の対向壁90a,90bの一方である対向壁90aの外面には、制御ユニット54に電気的に接続された入力コネクタ92と、バルブユニット52の流体管路58に連通された入力ポート94が設けられている。また、一対の対向壁90a,90bの他方である対向壁90bの外面には、制御ユニット54に電気的に接続された出力コネクタ96と、バルブユニット52の流体管路58に連通された出力ポート98が設けられている。
【0056】
同様に、静止型マットレスユニット20bの連結ブロック28aには、一方の対向壁90aの外面に、導電路88に電気的に接続された入力コネクタ92と、流体管路86に連通された入力ポート94が設けられていると共に、他方の対向壁90bの外面には、導電路88に電気的に接続された出力コネクタ96と、流体管路86に連通された出力ポート98が設けられている。
【0057】
そして、マットレスユニット20a,20bの整列方向(図7中、左右方向)で隣り合う連結ブロック28a間において、ポンプ装置56やメイン制御機70および電源装置72に近い上流側(図7中、左側)に位置する連結ブロック28aの出力コネクタ96を下流側(図7中、右側)に位置する連結ブロック28aの入力コネクタ92に被覆電線100により順次接続する。また、上流側の連結ブロック28aの出力ポート98を下流側の連結ブロック28aの入力ポート94に連結管102により順次接続する。なお、図示は省略するが、最も上流側に位置する圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aに設けられた入力コネクタ92は、電源装置72,制御装置74に電気的に接続され、入力ポート94は、ポンプ装置56のメイン管路57に接続されている。さらに、最も下流側に位置する圧切換型マットレスユニット20aの連結ブロック28aに設けられた出力コネクタ96および出力ポート98は、カバー等により栓止されている。
【0058】
このように、整列配置されたマットレスユニット20a,20bの連結ブロック28aに設けられた出力コネクタ96と入力コネクタ92、出力ポート98と入力ポート94を、順次被覆電線100および連結管102により接続することにより、連結ブロック28aの内部に収容された制御ユニット54と導電路88や、流体管路58と流体管路86を相互に連結して、外部の電源装置72,制御装置74およびポンプ装置56に接続した全体の電源系や管路系を構成することができる。これにより、圧切換型マットレスユニット20aの駆動に必要な配管や配電を非常にコンパクトに連結ブロック28aの内部に集約することが可能となる。さらに、配管や配電を必要としない静止型マットレスユニット20bの連結ブロック28a内にも流体管路86や導電路88を収容することで、圧切換型マットレスユニット20aの間に静止型マットレスユニット20bが介在した場合でも、流体管路86や導電路88を介して、電源系や管路系が寸断されないようになっている。また、連結ブロック28aに設けられた入出力コネクタ92,96および入出力ポート94,98を着脱するのみで、マットレスユニット20a,20bの配管や配電を含めた交換が容易に実現できるのである。
【0059】
さらに、連結ブロック28aの対向壁90bの外面に開口する凹所104が設けられている。この凹所104の底面に出力コネクタ96および出力ポート98が設けられており、凹所104内に収容されるようになっている。また、凹所104は、出力コネクタ96および出力ポート98の底面からの突出高さ以上の深さ寸法で形成されている。そして、マットレスユニット20a,20bが整列配置された際に、隣り合う連結ブロック28a,28aの対向壁90a,90bに設けられた入出力コネクタ92,96および入出力ポート94,98並びにそれらを連結する被覆電線100および連結管102が、何れも凹所104内に収容された状態で連結ブロック28a同士を接近させることができる。これにより、マットレス10の使用時に入出力コネクタ92,96、入出力ポート94,98、被覆電線100、連結管102が外部に突出することがなく、使用者や介護者がそれらにぶつかってけがをしたり、誤って連結間や電線を外してしまったり等の問題を未然に防止することができ、接続安定性を確保できるようになっている。
【0060】
なお、凹所104は、例示の如く一方の対向壁90bのみに設けてもよいが、両方の対向壁90aに設けてそれぞれにコネクタやポートを収容するようにしてもよい。また、図示は省略するが、連結ブロック28a,28bには、壁部の一部に開閉部(ドア部)が設けられていることが望ましい。これにより、連結ブロック28aの内部機器のメンテナンス性が向上される。また連結ブロック28bの内部を収納ボックス等に利用することもできる。
【0061】
このように整列配置されたマットレスユニット20a,20bは、整列方向で隣り合うもの同士が連結ブロック28a,28bに設けられた連結手段を構成する連結帯状体としての第1連結ベルト106と第2連結ベルト108によって相互に連結されている。なお、マットレスユニット20a,20bの連結構造については、図8〜図12に示されているように、長さ方向に並んだ3つの連結ブロック28aを抜き出して説明する。ここでは、連結構造の理解の容易のため、連結ブロック28a,28bの対向壁90a,90bに設けられた入出力コネクタ92,96および入出力ポート94,98並びにそれらを接続する被覆電線100および連結管102の図示を省略している。また、以下では、ベース部材26の長手方向一方の端部上に取り付けられた連結ブロック28aの連結構造について説明をするが、ベース部材26の長手方向他方の端部上に取り付けられた連結ブロック28bの連結構造も、連結ブロック28aの連結構造と同様である。
【0062】
第1,第2連結ベルト106,108は、何れも、薄肉且つ狭幅の長手帯状とされており、合成樹脂や化学繊維、合成皮革等によって形成されている。また、第1,第2連結ベルト106,108は、外力の作用によって厚さ方向で容易に変形するものであって、長手方向での歪みが小さい(伸縮変形し難い)ものが望ましい。なお、後述する連結ブロック28a,28aの長さ方向での位置決めと傾動を実現するためには、第1,第2連結ベルト106,108の長手方向での歪みは小さいほど良いが、第1,第2連結ベルト106,108や被覆電線100、連結管102の着脱を容易にする等の目的で、連結ブロック28aの位置決め作用等が充分に得られる程度であれば歪みが許容されていても良い。
【0063】
また、第1,第2連結ベルト106,108の両端部分には、それぞれ図示しない面ファスナが配設されている。より具体的には、第1連結ベルト106には、一方の端部の上面に面ファスナが設けられていると共に、他方の端部の下面に面ファスナが設けられている一方、第2連結ベルト108には、一方の端部の下面に面ファスナが設けられていると共に、他方の端部の上面に面ファスナが設けられている。
【0064】
そして、第1連結ベルト106が連結ブロック28aの幅方向外側(人体支持面14の幅方向外方であって、ベース部材26の長手方向外方)の端部に取り付けられていると共に、第2連結ベルト108が連結ブロック28aの幅方向内側(人体支持面14の幅方向内方であって、ベース部材26の長手方向内方)の端部に取り付けられている。また、第1連結ベルト106の長さ方向一方の端部が、頭側に位置する連結ブロック28aの上面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられると共に、第1連結ベルト106の他方の端部が、脚側に位置する連結ブロック28aの下面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられる。更に、第2連結ベルト108の一方の端部が、頭側に位置する連結ブロック28aの下面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられると共に、第2連結ベルト108の他方の端部が、脚側に位置する連結ブロック28aの上面に対して、面ファスナを用いた着脱可能な状態で取り付けられる。なお、上記からも明らかなように、連結ブロック28aの上面および下面には、幅方向両端部分に予め面ファスナが固着されている。尤も、第1,第2連結ベルト106,108は、接着や溶着等の手段によって、連結ブロック28aに対して取外し不能な状態で固着されていても良い。
【0065】
また、第1,第2連結ベルト106,108の長さ方向の中間部分は、隣り合う連結ブロック28a,28aの間で略上下方向に延びている。この第1,第2連結ベルト108の中間部分は、連結ブロック28aの長さ方向の側面に沿って配置されており、それら連結ブロック28a,28aに対して拘束されることなく接近や離隔等の相対変位が許容されている。なお、本実施形態では、ベース部材26の長手方向の両端上に取り付けられた連結ブロック28a,28aの何れにも第1,第2連結ベルト106,108が取り付けられており、整列方向で隣り合う連結ブロック28a,28aが相互に連結されている。
【0066】
このように第1,第2連結ベルト106,108が整列方向で隣接する連結ブロック28a,28aに取り付けられることにより、それら連結ブロック28a,28aが第1,第2連結ベルト106,108によって整列方向で相互に連結されている。なお、連結ブロック28a,28aを整列方向で離隔させるように作用する外力は、第1,第2連結ベルト106,108の連結ブロック28a,28aに対する取付け部分(面ファスナ)に対して面方向の力として作用することから、かかる外力の作用によって第1,第2連結ベルト106,108が連結ブロック28a,28aから外れることはなく、連結ブロック28a,28aが整列方向で連結された状態に保持される。
【0067】
さらに、第1,第2連結ベルト106,108が何れも整列方向での伸縮変形を抑えられていることによって、整列方向で隣り合う連結ブロック28a,28aの整列方向および高さ方向での相対変位が制限されて、相互に位置決めされている。即ち、連結ブロック28a,28aが整列方向又は高さ方向で相対的に変位するためには、第1,第2連結ベルト106,108の少なくとも一方が整列方向に伸びる必要があるが、第1,第2連結ベルト106,108は、整列方向での伸縮変形が制限されていることから、連結ブロック28a,28aの整列方向および高さ方向での相対変位が制限されている。
【0068】
一方、整列方向に隣り合う連結ブロック28a,28aは、第1,第2連結ベルト106,108による連結状態において、図11に示されているように、上端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸(図10参照)周りで、相対的な傾動が許容されている。即ち、連結ブロック28a,28aは、第1連結ベルト106の長さ方向一方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度および第2連結ベルト108の長さ方向他方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度(図11中のθ1 )が、変化することによって、連結ブロック28a,28aの上端部間を幅方向に延びる傾動の軸周りでの相対的な傾動が許容される。そこにおいて、第1,第2連結ベルト106,108は、何れも、薄肉帯状で厚さ方向に容易に変形することから、外力の作用による上記の如き連結ブロック28a,28aの傾動が許容される。これにより、本実施形態では、連結部材(連結ブロック28a)を傾動可能に連結する連結手段が、第1,第2連結ベルト106,108によって構成されている。
【0069】
同様に、整列方向に隣り合う連結ブロック28a,28aは、第1,第2連結ベルト106,108による連結状態において、図12に示されているように、下端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸(図10参照)周りで、相対的な傾動が許容されている。即ち、連結ブロック28a,28aは、第1連結ベルト106の長さ方向他方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度および第2連結ベルト108の長さ方向一方の端部と中間部分との相対的な傾斜角度(図12中のθ2 )が、変化することによって、連結ブロック28a,28aの下端部間を幅方向に延びる傾動の軸周りでの相対的な傾動が許容される。そこにおいて、第1,第2連結ベルト106,108は、何れも、薄肉帯状で厚さ方向に容易に変形することから、外力の作用による上記の如き連結ブロック28a,28aの傾動が許容される。
【0070】
なお、整列方向で隣り合う連結ブロック28b,28bは、連結ブロック28a,28aと同様に第1,第2連結ベルト106,108によって連結されており、整列方向および高さ方向で相対的に位置決めされている。更に、連結ブロック28b,28bは、上端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸周りで、相対的な傾動を許容されていると共に、下端部間を幅方向に延びる仮想的な傾動の軸周りで、相対的な傾動を許容されている。
【0071】
このように、ベース部材26の長手方向両端部上に設けられた連結ブロック28a,28bが、何れも、整列方向で隣り合う別の連結ブロック28a,28bに対して、相対傾動を許容された状態で連結されていることにより、マットレスユニット20a,20bが隣り合う別のマットレスユニット20a,20bに対して相対的に傾動可能とされている。従って、例えば、ベッド12が背上げ機構を有しており、人体支持面14が長さ方向の中間部分で屈曲される場合でも、図11に示すように隣り合う別の連結ブロック28a,28bが傾動して、マットレス10が上向きに凹となる形状に変形して、人体支持面14の変形に追従することができる。また、ベッド12の人体支持面14が、背上げ時に膝を支持する部分が上方に凸状変形するようになっている場合でも、図12に示すように隣り合う別の連結ブロック28a,28bが傾動して、マットレス10が上向きに凸となる形状に変形して、人体支持面14の変形に追従することができる。
【0072】
このように、第1,第2連結ベルト106,108を用いた単一の連結構造によって、全てのマットレスユニット20a,20bが隣り合うもの同士で相互に連結されていると共に、全ての連結部位において凹状変形と凸状変形と変形なしの何れかが任意に選択的に許容されるようになっている。それ故、マットレス10は、特別な調整や部品の交換等を要することなく、脚部を支持する部分での凸状変形の有無等といったベッド12の変形(背上げ)態様の違いや、ベッド12の屈曲位置の違い等に、自在に対応することが可能とされている。しかも、第1,第2連結ベルト106,108を用いた極めて簡単な構造によってフレキシブルな連結構造が実現されており、製造が容易であると共に、信頼性や軽量化等においてもメリットがある。
【0073】
さらに、第1,第2連結ベルト106,108が、連結ブロック28aに対して面ファスナで着脱可能に取り付けられていることから、第1,第2連結ベルト106,108を連結ブロック28aから取り外すことによって、マットレスユニット20a,20bを他のマットレスユニット20a,20bから容易に取り外すことができる。それ故、第1,第2連結ベルト106,108の交換が容易に実現されることは勿論、マットレスユニット20a,20bを構成するベース部材26や連結ブロック28a、クッション体30a,30b等の交換やメンテナンスも容易に行われ得る。
【0074】
このように人体支持面14上に複数の圧切換型マットレスユニット20aおよび静止型マットレスユニット20bを整列配置して、隣接する連結ブロック28a,28b同士を第1,第2連結ベルト106,108相互に連結した際には、マットレスユニット20a,20bのクッション体30a,30bの表面が略面一になるようにされている。そして、相互に連結された複数のマットレスユニット20a,20bの表面上には、表層マット22が重ね合わされている。表層マット22は、薄肉の矩形板状とされたウレタンフォーム等の弾性体であって、頭部側ブロック16と脚部側ブロック18の間で、連結ボックス28a,28bおよびクッション体30a,30bの上面を覆うように配設されている。
【0075】
また、クッション体30a,30bの上面には、体圧センサ24が重ね合わされており、体圧センサ24が表層マット22とクッション体30a,30bの間に挟み込まれて配設されている。かかる体圧センサ24としては、歪ゲージや磁歪体を用いたロードセル等を採用することも可能であるが、本実施形態ではシート状の静電容量型センサが採用されている。このような静電容量型センサとしては、従来公知のもの(例えば、特許第4565359号公報に開示されたもの)が適宜に採用可能であることから、ここでは概略の説明に留める。即ち、体圧センサ24は、ウレタンフォーム等のエラストマーで形成された誘電体層の一方の面に帯状で柔軟な第1電極膜が重ね合わされていると共に、他方の面に第1電極膜と略同一形状で異なる方向を長手とする第2電極膜が重ね合わされており、それら第1, 第2電極膜の対向部分に検出部が構成されるようになっている。そして、検出部に体圧等の外力(体荷重)が作用すると、誘電体層の厚さ(第1, 第2電極膜の対向面間距離)が変化して、検出部に構成されるコンデンサの静電容量が変化することから、静電容量の変化に基づいて検出部に作用した体圧が検出されるようになっている。特に、体圧センサ24は、寝心地に悪影響を及ぼさないために、薄肉であると共に、柔軟性を有することが望ましい。
【0076】
なお、本実施形態では、体圧センサ24の検出部が縦21個×横7個で設けられており、圧切換型マットレスユニット20aが選択されて組み付けられた際には、クッション体30aのセル36と位置合わせされて配置設置されるようになっている。即ち、体圧センサ24は、147の検出部を有しており、マットレス10が全21本の圧切換型マットレスユニット20aで構成された際にも、全147個のセル36に作用する荷重が測定可能とされている。尤も、体圧センサ24の検出部の数は、必ずしもセル36の数と同数に限定されるものではなく、例えば、セル36よりも多くの検出部を設けて、より高精度に体荷重を検出することもでき得る。
【0077】
そして、体圧センサ24による使用者の体圧の測定結果に基づいて、各セル36の流体室42の圧力が調節される。これにより、体圧が広範囲に分散して作用するようにセル36の弾性や高さが制御されて、褥瘡の発生が抑えられる。より具体的には、例えば、体圧センサ24によって測定された体圧が大きい部分では、流体室42内の流体が排出されて、セル36の高さが低くされると共に、体圧センサ24によって測定された体圧が小さい部分では、流体室42に流体が供給されて、セル36の高さが高くされることにより、使用者の体に対して体圧の反力が広範囲に亘って分散作用するようになっている。
【0078】
このような構成とされた本実施形態のマットレス10においては、人体支持面14の幅方向に延びるマットレスユニット20a,20bを一単位として、それらを人体支持面14の長さ方向に整列配置すると共に、マットレスユニット20a,20bの両端に設けた連結ブロック28a,28bにおいて相互に着脱可能に連結することにより構成されている。従って、不具合が生じた特定のマットレスユニット20a,20bのみ連結を離脱して取り出し、容易に、交換やメンテナンスを行うことができ、経済性にも優れている。
【0079】
特に、連結ブロック28aがベース部材26の両端上に設けられていることから、ベッド12の側方から連結ブロック28aの着脱操作も容易に行うことができ、取扱性や操作性にも優れている。
【0080】
また、マットレスユニット20a,20bとして、クッション体30a,30bの種類が異ならされた複数種類が準備されており、圧切換型マットレスユニット20a,静止型マットレスユニット20bを任意に選択して組み合わせることができる。従って、使用者の体型や症状に応じて、褥瘡が生じるおそれのある部位には圧切換型マットレスユニット20aを用い、それ以外の部分は安価な静止型マットレスユニット20bを用いることが可能となる。これにより、褥瘡の発生防止に有効な圧切換型のクッション体を備えたマットレス10を比較的安価に提供することも可能となるのである。
【0081】
そして、複数のセル36の駆動に多数の管路や電線等が必要となる圧切換型マットレスユニット20aにあっては、ベース部材26の端部上に設けられた連結ブロック28a、28bを利用して、かかる連結ブロック28a、28bの内部にバルブユニット52や制御ユニット54が集約して収容されている。これにより、圧切換型マットレスユニット20aの取扱性やメンテナンス性が有利に向上されると共に、連結ブロック28a、28b内にバルブユニット52を収容したことにより、切換弁60の動作音等の防音効果も図ることができる。特に、バルブユニット52が吸音材53を介して連結ブロック28に支持固定されていることにより、一層の防音効果が達成され得る。
【0082】
加えて、静止型マットレスユニット20bにおいても、連結ブロック28aの内部に流体管路86と導電路88が設けられていることから、圧切換型マットレスユニット20aの間に静止型マットレスユニット20bが介在しても、静止型マットレスユニット20bの流体管路86と導電路88を介して、両側の圧切換型マットレスユニット20aのバルブユニット52と制御ユニット54が相互に連通されるようになっている。従って、圧切換型マットレスユニット20aの機能を阻害することなく、任意の順番で圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bを組み合わせることができるのである。
【0083】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、マットレス10を圧切換型マットレスユニット20aと静止型マットレスユニット20bを組み合わせて構成した例を示したが、マットレス10を、圧切換型マットレスユニット20aのみ、或いは静止型マットレスユニット20bのみで構成することも可能であり、同一のクッション体で構成されたマットレスユニットを複数組み合わせて構成したマットレスが、本発明に含まれることは言うまでもない。その場合でも、マットレスユニット20a又は20b単位で分割されており、ベース部材26の少なくとも一方の端部上に設けられた連結ブロック28a,28bにおいて着脱可能に連結されているマットレス10のメンテナンス性や取扱性等の効果は同様に享受できる。
【0084】
また、前記実施形態では、隣り合う連結ブロック28a,28bの連結手段として、第1,第2連結ベルト106,108により傾動可能に連結された例を示したが、連結手段はこれに限定されず、連結ブロック28a,28bが着脱可能に連結されるものであれば、周知の連結構造が何れも採用可能である。例えば、連結ブロック28a,28bの一方の対向壁90aに嵌合凸部を設けると共に、他方に対向壁90bに嵌合凹部を設け、それらを凹凸嵌合することにより、連結手段を構成してもよい。
【0085】
さらに、圧切換型マットレスユニット20aは、7つのセル36が幅方向に整列されたものを例示したが、セル36の数や形状が異なる複数種類の圧切換型マットレスユニット20aを設けることも可能である。また、同様に、静止型マットレスユニット20bにおいても、例示の多孔質のウレタンフォームの他、スプリング等の種類の異なる弾性体でクッション体30を構成した複数種類の静止型マットレスユニット20bを設けててもよい。これにより、一層使用者の体型や症状に合わせたクッション体30a,30bの選択が可能となる。
【0086】
また体圧センサ24とクッション体30a,30bの間に、クッション層(例えばウレタンフォーム)が挟まれていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10:マットレス、12:ベッド、14:人体支持面、16:頭部側ブロック、18:脚部側ブロック、20a:圧切換型マットレスユニット、20b:静止型マットレスユニット、26:ベース部材、28a,b:連結ブロック(連結部)、30a,b:クッション体、32:底部クッション層、34:天部クッション層、36:セル、42:流体室、46:分岐管路、52:バルブユニット、53:吸音材、54:制御ユニット、56:ポンプ装置、57:メイン管路、58:流体管路、60:切換弁、72:電源装置、74:制御装置、86:流体管路、88:導電路、90a,b:対向壁、92:入力コネクタ、94:入力ポート、96:出力コネクタ、98:出力ポート、100:被覆電線(電線)、102:連結管、104:凹所、106:第1連結ベルト(連結帯状体,連結手段)、108:第2連結ベルト(連結帯状体,連結手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の支持面上に配設されて用いられるマットレスであって、
前記支持面の幅方向に延びるベース部材と、該ベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方に設けられた連結部と、該ベース部材の長手方向の少なくとも中間部分に設けられたクッション体を含んで構成されたマットレスユニットを複数備えていると共に、
前記複数のマットレスユニットが、前記支持面の長さ方向に整列配置されて、各前記連結部に設けられた連結手段により相互に着脱可能に連結されて構成されていることを特徴とするマットレス。
【請求項2】
前記クッション体の構成が異ならされた複数種類の前記マットレスユニットから、任意に選択されたマットレスユニットにより前記複数のマットレスユニットが構成されている一方、
前記複数種類のマットレスユニットが、前記クッション体を内部に設けられた流体室の圧力を調節することで高さを変更設定可能な複数のセルで構成した圧切換型マットレスユニットと、前記クッション体を弾性体により構成した静止型マットレスユニットを含んでいる請求項1に記載のマットレス。
【請求項3】
前記圧切替型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、前記セルを外部のポンプ装置に連通する流体管路と、該流体管路に各前記セルを連結/遮断する複数の切換弁を備えたバルブユニットと、該切換弁の駆動を制御する制御ユニットが収容されている請求項2に記載のマットレス。
【請求項4】
前記連結体の前記連結ブロックに対して、前記バルブユニットが吸音材を介して支持固定されている請求項3に記載のマットレス。
【請求項5】
前記静止型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、流体管路と導電路が収容配置されている請求項2に記載のマットレス
【請求項6】
各前記連結部の前記連結ブロックが、前記複数のユニットセルの整列方向で対向する一対の対向壁を有しており、該一対の対向壁の一方には、前記流通管路の入力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する入力コネクタが設けられている一方、該一対の対向壁の他方には、前記流体管路の出力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する出力コネクタが設けられており、
前記マットレスユニットの整列方向で隣り合う前記連結ブロックの一方の前記出力ポートを他方の該入力ポートに順次連結管により連結することにより、各セルが前記ポンプ装置に連通可能とされる一方、
前記一方の前記出力コネクタと前記他方の入力コネクタを順次電線により接続することにより、前記連結ブロックの各前記制御ユニットに外部制御装置からの電源および制御信号が供給可能とされている請求項3〜5の何れか1項に記載のマットレス。
【請求項7】
各前記連結部の前記連結ブロックの前記一対の対向壁の少なくとも一方には凹所が形成されており、該凹所内に前記入出力ポートおよび入出力コネクタ並びにそれらに取り付けられる前記連結管および前記電線が収容されるようになっている請求項6に記載のマットレス。
【請求項8】
前記複数のマットレスユニットの前記連結部に設けられた前記連結手段が、前記幅方向に並んで配設された複数の連結帯状体によって構成されており、それら複数の連結帯状体の長さ方向の中間部分が、前記整列方向で隣り合う前記連結部の間を上下に延びていると共に、少なくとも1つの該連結帯状体の両端部分が、前記整列方向で隣り合う一方の該連結部の上面と他方の該連結部の下面とに取り付けられていると共に、他の該連結帯状体の両端部分が、該一方の連結部材の下面と該他方の連結部材の上面とに取り付けられている請求項1〜7の何れか1項に記載のマットレス。
【請求項9】
前記連結帯状体の両端部分が前記連結部材に対して面ファスナで着脱可能に取り付けられている請求項8に記載のマットレス。
【請求項1】
人体の支持面上に配設されて用いられるマットレスであって、
前記支持面の幅方向に延びるベース部材と、該ベース部材の長手方向両端部の少なくとも一方に設けられた連結部と、該ベース部材の長手方向の少なくとも中間部分に設けられたクッション体を含んで構成されたマットレスユニットを複数備えていると共に、
前記複数のマットレスユニットが、前記支持面の長さ方向に整列配置されて、各前記連結部に設けられた連結手段により相互に着脱可能に連結されて構成されていることを特徴とするマットレス。
【請求項2】
前記クッション体の構成が異ならされた複数種類の前記マットレスユニットから、任意に選択されたマットレスユニットにより前記複数のマットレスユニットが構成されている一方、
前記複数種類のマットレスユニットが、前記クッション体を内部に設けられた流体室の圧力を調節することで高さを変更設定可能な複数のセルで構成した圧切換型マットレスユニットと、前記クッション体を弾性体により構成した静止型マットレスユニットを含んでいる請求項1に記載のマットレス。
【請求項3】
前記圧切替型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、前記セルを外部のポンプ装置に連通する流体管路と、該流体管路に各前記セルを連結/遮断する複数の切換弁を備えたバルブユニットと、該切換弁の駆動を制御する制御ユニットが収容されている請求項2に記載のマットレス。
【請求項4】
前記連結体の前記連結ブロックに対して、前記バルブユニットが吸音材を介して支持固定されている請求項3に記載のマットレス。
【請求項5】
前記静止型マットレスユニットにおいて、前記連結部が中空箱体状の連結ブロックを含んで構成されており、前記連結ブロックの内部に、流体管路と導電路が収容配置されている請求項2に記載のマットレス
【請求項6】
各前記連結部の前記連結ブロックが、前記複数のユニットセルの整列方向で対向する一対の対向壁を有しており、該一対の対向壁の一方には、前記流通管路の入力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する入力コネクタが設けられている一方、該一対の対向壁の他方には、前記流体管路の出力ポートと前記制御ユニット又は導電路に接続する出力コネクタが設けられており、
前記マットレスユニットの整列方向で隣り合う前記連結ブロックの一方の前記出力ポートを他方の該入力ポートに順次連結管により連結することにより、各セルが前記ポンプ装置に連通可能とされる一方、
前記一方の前記出力コネクタと前記他方の入力コネクタを順次電線により接続することにより、前記連結ブロックの各前記制御ユニットに外部制御装置からの電源および制御信号が供給可能とされている請求項3〜5の何れか1項に記載のマットレス。
【請求項7】
各前記連結部の前記連結ブロックの前記一対の対向壁の少なくとも一方には凹所が形成されており、該凹所内に前記入出力ポートおよび入出力コネクタ並びにそれらに取り付けられる前記連結管および前記電線が収容されるようになっている請求項6に記載のマットレス。
【請求項8】
前記複数のマットレスユニットの前記連結部に設けられた前記連結手段が、前記幅方向に並んで配設された複数の連結帯状体によって構成されており、それら複数の連結帯状体の長さ方向の中間部分が、前記整列方向で隣り合う前記連結部の間を上下に延びていると共に、少なくとも1つの該連結帯状体の両端部分が、前記整列方向で隣り合う一方の該連結部の上面と他方の該連結部の下面とに取り付けられていると共に、他の該連結帯状体の両端部分が、該一方の連結部材の下面と該他方の連結部材の上面とに取り付けられている請求項1〜7の何れか1項に記載のマットレス。
【請求項9】
前記連結帯状体の両端部分が前記連結部材に対して面ファスナで着脱可能に取り付けられている請求項8に記載のマットレス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−27535(P2013−27535A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165311(P2011−165311)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
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