マップデータ作成装置、それを備えた移動体、並びにマップデータ作成方法
周囲を撮影するカメラと、GPS受信部と、地図情報が記憶された地図情報記憶部と各部の動作を制御する制御部とを備え、この制御部によって、カメラが撮影した画像データを、GPS受信部によって検知した撮影時の位置情報と関連付け、さらに、位置情報に関連付けた画像データを、地図情報に関連付けてマップデータを作成する。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成するマップデータ作成装置、それを備えた移動体、並びにマップデータ作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の移動手段に搭載され、地図情報や位置情報などを表示するナビゲーション装置が広く普及している。
【0003】
ナビゲーション装置は、一般に、CD−ROM,DVD,ハードディスクなどの記憶手段と、GPS(Global Positioning System)と呼ばれる測位用の人工衛星を利用した測位システムと、地図情報を表示する表示手段とを備えている。そして、GPSによって現在位置を検出し、検出した現在位置の近傍における地図情報を記憶手段から読み出して表示手段に表示する。あるいは、GPSに代えて、方位センサや走行距離センサなどを備え、出発地点の情報、走行方向、走行速度、走行距離などをもとに現在位置の変化を追跡する測位システムを備えた、自律航法によるナビゲーション装置もある。
【0004】
ところが、これらのナビゲーション装置では、一般に、地図情報およびそれに付随する情報しか表示できない。なお、地図情報に付随する情報としては、例えば、道路,交差点,建物,河川,湖,山,公園,駐車場などの名称や記号、あるいは、記憶手段に予め記憶された観光地などを案内する画像などがある。
【0005】
このため、利用者が必要とする走行経路の画像を表示させることができず、例えば、利用者が、右左折すべき場所を適切に認識できない場合がある。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、自動車に走行方向を向いたビデオカメラを取付け、自動車の走行データ,方向指示データ,ハンドルデータを検出し、検出したこれらのデータをビデオカメラによって撮影した画像情報に重畳させて表示する技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献1には、方向指示が行われるとビデオカメラを所定角回転させ、ハンドルの回転角度が所定角度よりも大きい場合には、ビデオカメラによる撮影・記録を行ったまま曲がり角を曲がり、曲がり角を曲がるハンドルの回転に連動してビデオカメラを元の正面に向け、方向指示がOFF状態になってから一定時間後に撮影・記録することが記載されている。これにより、特許文献1では、曲がり角毎の周囲の景色及び曲がり切った後の前方の景色が記録されるようになっている。
【0008】
また、例えば、特許文献2には、移動体に備えられた撮影手段によって撮影した画像データと、その画像を撮影した位置及び方向を示すデータと、撮影した時刻のデータと、音声データがある場合にはその音声データとを、移動体に備えられた端末装置から電話回線を利用して中央装置に送信して蓄積させておき、端末装置からの要求があった場合に、中央装置に蓄積された情報を端末装置に送信して表示させる技術が記載されている。
【0009】
また、特許文献2には、端末装置で現在地から目的地までのルート設定を行った場合、当該端末装置が、目的地までのルート上に存在する主要交差点の座標と、その交差点を進行する座標及び方向を算出し、算出結果に応じた画像データを、電話回線を経由して中央装置から受け取ることが記載されている。そして、端末使用者は、端末装置によって中央装置から受信した各交差点の画像を表示部に順番に表示させたり、実際に設定したルート上の走行を開始し、該当する交差点に近づいたときに、その交差点の画像を表示させることができるようになっている。
【0010】
ところで、例えば、他人に自宅までの経路を説明する場合などに、地図を示すだけでは右左折すべき交差点などの情報を十分に認知させることができない場合がある。このような場合、地図情報に、右左折すべき交差点の画像などを関連付けて呈示することができれば便利である。また、このような、地図情報に画像データを関連付けたデータ(マップデータ)を、簡便に作成することができれば、より便利である。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、曲がり角近辺の画像を撮影・記録し、撮影・記録した画像を、出発点からの走行距離や、前の曲がり角からの走行距離とともに表示させることができるが、撮影・記録した画像が位置情報(緯度経度情報)とは関連づけられていないので、撮影した画像を反映させたマップデータを作成できない。
【0012】
また、上記特許文献2の技術では、端末装置において撮影した画像を、位置情報と対応させて中央装置に蓄積するが、この技術は、例えば端末利用者が現在位置近傍のレストランなどの情報を要求した場合に、それに該当するレストランの画像を表示するための技術であって、撮影した画像を用いたマップデータを作成するものではない。このため、例えば、走行中に撮影した画像データを用いて、走行した経路のマップデータを作成することができない。
【特許文献1】特開平3−169180号公報(公開日:1991年7月22日)
【特許文献2】特開平10−232135号公報(公開日:1998年9月2日)
【発明の開示】
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できるマップデータ作成装置、それを備えた移動体、並びにマップデータ作成方法を提供することにある。
【0014】
本発明のマップデータ作成装置は、上記の課題を解決するために、周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えている。
【0015】
ここで、マップデータとは、移動中に撮影した画像データを地図情報に関連付けて付加したデータを意味する。なお、移動中とは、移動に係る期間中であることを意味しており、例えば、移動動作を行いながら撮影したものであっても、移動期間中において移動動作を一時停止した状態で撮影したものであってもよい。例えば、本発明のマップデータ作成装置を自動車に搭載する場合、走行中に撮影したものであっても、あるいは、交差点などで一時停止した状態で撮影したものであってもよい。また、上記地図情報提供手段は、予め記憶されている地図情報を提供するものであり、マップデータ作成装置に装着または接続される記憶手段であってもよく、あるいは、通信によってマップ装置に地図情報を提供するものであってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、撮影手段によって撮影した画像データを、撮影時の位置情報および地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0017】
本発明の移動体は、上記の課題を解決するために、上記したマップデータ作成装置を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる移動体を実現できる。
【0019】
本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを、上記検出した位置情報に関連付ける工程と、上記位置情報に関連付けた画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0020】
上記の方法によれば、撮影した画像データを、撮影時の位置情報と関連付け、さらに地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0021】
また、本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を連続的に撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを上記検出した位置情報に関連付けて記憶する工程と、上記位置情報に関連付けて記憶した画像データの一部を抽出する工程と、上記抽出した画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むようにしてもよい。
【0022】
上記の方法によれば、連続的に撮影を行うので、ユーザが移動中に撮影操作を行うことなく、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成でき、マップデータの作成にかかるユーザの負担を軽減できる。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本実施形態にかかるナビゲーション装置(マップデータ作成装置)1の構成を示すブロック図である。なお、ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、地図情報およびそれに付随する情報等を運転者に提示するものである。また、ナビゲーション装置1は、走行中に撮影した画像を地図情報に関連付けた、走行経路のマップデータを作成することができる。なお、地図情報とは、ナビゲーション装置1に装着または接続される記録媒体などに予め記憶されている地図、あるいは通信によってナビゲーション装置1に提供される地図、およびそれらの地図に付随する情報(例えば、河川,湖,山,道路,交差点,建物,橋梁,路線,店舗,公園,駐車場などの名称や記号、あるいは、予め記憶された観光地などを案内する画像など)を意味する。また、マップデータとは、移動中に撮影した画像データを地図情報に関連付けて付加したデータを意味する。
【0026】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、カメラ11、操作入力部12、表示部13、通信部14、通信用アンテナ15、GPS受信部16、GPS用アンテナ17、方位センサ18、操舵角センサ19、メモリ20、マップデータ記憶部21、地図情報DB(データベース)22、時計23、制御部24、音声入力部25、音声出力部26を備えている。
【0027】
カメラ11は、車両周囲の画像を撮影するものである。なお、本実施形態では、カメラ11として、自車の向いている方位を中心に、所定の角度範囲について同時に撮影可能な広角レンズを備えたカメラを用いている。
【0028】
カメラ11の搭載位置や搭載台数は特に限定されないが、例えば、図2に示すように配置すればよい。なお、図2において、破線はカメラが撮影可能な角度の限界を示している。
【0029】
図2では、カメラ11を、屋根の上に取り付けた例であり、死角が生じることを防止するために前後左右の四方に取り付けている。ナビゲーション装置1では、4台のカメラ11のうち、自車の向いている方位を向いたカメラ11によって撮影した画像を用いてマップデータの作成を行う。なお、例えば、図2に示した4台のカメラ11によって撮影した画像を、運転者が、走行中あるいは発進・停車時における車両周囲の安全確認用に用いることもできる。また、カメラ11を図2のように配置する場合、屋根に取り付けることにより運転中に他の物と接触し難いため、カメラの角度が変わらないというメリットがある。
【0030】
表示部13は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報や、GPSによって検出した位置情報などに基づくナビゲーション情報、あるいは、カメラ11によって撮影した画像、作成したマップデータなどを表示する表示手段である。なお、本実施形態にかかる表示部13は、アスペクト比(表示領域の縦横比)が3:7以上(縦方向の長さに対して横方向の長さが7/3倍以上)という超ワイド画面を備えた液晶パネルであり、速度計、エンジン回転数計、燃料残量計などの計器類の表示と、ナビゲーション情報や、撮影した画像、マップデータなどを、同時に表示することも可能となっている。なお、表示部13は、インストルメントパネルとして設置されるものであってもよく、あるいは、インストルメントパネルとは別に備えられるものであってもよい。
【0031】
操作入力部12は、ユーザからの指示を受け付け、制御部24に伝達するものである。操作入力部12は、複数の入力キーからなり、ユーザは、これらの入力キーを介して制御部24に各種指示を与えることができるようになっている。
【0032】
通信部14は、通信用アンテナ15を介して、他の通信装置との間でデータの送受信を行うためのものである。すなわち、制御部24の指示に応じて、送信するデータを送信に適したデータに変換し、通信用アンテナ15から外部へ送信する。また、通信用アンテナ15を介して外部から受信したデータを、制御部24における処理に適したデータに変換する。これにより、ナビゲーション装置1では、例えば、画像データやマップデータなどを、他の装置との間で送受信することが可能となっている。
【0033】
GPS受信部16は、GPS用アンテナ17で受信した測位用人工衛星からのGPS用測位信号をもとに現在位置(緯度、経度、高度)を解析し、現在位置にかかる情報を制御部24に伝達するものである。
【0034】
方位センサ18は、自車の向いている方位(進行方向の方位)を検出し、その情報を制御部24に伝達するものである。
【0035】
操舵角センサ19は、ハンドル(操舵手段)の操舵角を検出するとともに、検出した操舵角を制御部24に伝達するものである。
【0036】
メモリ20は、カメラ11によって撮影した画像データ、撮影した時刻、撮影した位置、撮影した方位などの情報を、一時記憶しておくものである。
【0037】
マップデータ記憶部21は、例えばハードディスクからなり、制御部24が地図情報と撮影した画像データとを関連付けて作成したマップデータを記憶するものである。
【0038】
地図情報記憶部22は、例えばハードディスクからなり、地図情報が予め記憶されている。また、記憶された地図情報を、制御部24の指示に応じて、制御部24に提供する。
【0039】
時計23は、時刻を計時するとともに、制御部24に時刻データを伝達(供給)するものである。
【0040】
制御部24は、ナビゲーション装置1における全てのデータ処理、制御、判断などをつかさどるCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)からなる。なお、制御部24は、ナビゲーション装置1の起動、カメラ11による撮影、GPS受信部を用いた現在位置の検出、撮影した画像と時刻情報,位置情報,方位情報,走行経路情報,音声情報等の情報との関連付け、マップデータの作成などを行う。
【0041】
音声入力部25は、外部からの音声を収集し、電気信号(音声データ)に変換して制御部24に伝達するものである。
【0042】
音声出力部26は、制御部24の指示に応じて、音声信号を音声に変換して出力するものである。
【0043】
ここで、ナビゲーション装置1における、マップデータの作成方法について説明する。図3は、マップデータ作成処理の流れを示すフロー図である。
【0044】
ナビゲーション装置1の電源がONにされると、制御部24は、自車の現在位置、自車の向いている方位、現在の時刻を検出する(S1)。すなわち、制御部24は、GPS受信部16に、GPS用アンテナ17で受信した測位用人工衛星からのGPS用測位信号をもとに現在位置(緯度、経度、高度)を解析させ、方位センサ18に、自車の向いている方位を検出させ、時計23から現在の時刻情報を受け取る。なお、現在位置、方位、時刻の検出は、ナビゲーション装置1の電源がONになっている間、常時行われる。また、ナビゲーション装置1では、ユーザが操作入力部を介して電源ONの指示を与えるようになっている。
【0045】
次に、制御部24は、地図、現在位置、方位を表示部13に表示させる(S2)。すなわち、制御部24は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報に基づく地図を表示部13に表示するとともに、この地図上における、GPSによって検知した自車の現在位置に対応する位置に、方位センサ18によって検知した自車の方位を示すマークを表示する。
【0046】
次に、制御部24は、マップデータ作成モードが選択されたか否かを判断する(S3)。なお、マップデータ作成モードの選択は、ユーザが操作入力部12を介して行う。
【0047】
そして、マップデータ作成モードが選択されていない場合(S3がNoの場合)には、後述するS12の処理を行う。
【0048】
一方、マップデータ作成モードが選択されている場合(S3がYesの場合)には、制御部24は、表示部13に、ユーザの目的地設定を促すメッセージを表示させる(S4)。
【0049】
さらに、制御部24は、目的地設定がなされたか否かを判断する(S5)。そして、制御部24は、目的地設定がなされていない場合(S5がNoの場合)には、引き続きS4の処理を行う。
【0050】
一方、目的地設定がなされている場合(S5がYesの場合)、制御部24は、カメラ11に撮影・録画を開始させる(S6)。ここで、例えば発進・走行時における車両周囲の安全確認などのために、カメラ11による撮影がすでに開始されている場合には、引き続きカメラ11による撮影を継続させればよい。なお、ナビゲーション装置1では、マップデータ作成モードが選択されている期間中、カメラ11による撮影が常時行われ、撮影した画像はメモリ20に記憶(録画)されるようになっている。
【0051】
また、制御部24は、走行経路情報のメモリ20への記憶を開始させる(S7)。すなわち、制御部24は、GPSを用いて検知した位置情報と時計23から得た時刻情報とを関連付けて走行経路情報を作成し、メモリ20に記憶させる。
【0052】
次に、制御部24は、操舵角センサ19を介して、ハンドル操舵角が予め定められた所定の角度以上になることを監視する(S8)。
【0053】
そして、ハンドル操舵角が所定の角度以上となった場合(S8がYesの場合)、制御部24は、その地点で撮影した画像、その地点における位置(緯度,経度,高度)、時刻、方位を関連付けて、メモリ20に記憶させる(S9)。
【0054】
次に、制御部24は、目的地に到着したか否かを判断する(S10)。なお、S8において、ハンドル操舵角が所定の角度以上になっていない場合(S8がNoの場合)にも、制御部24は、S10の処理を行う。
【0055】
そして、目的地に到着していない場合(S10がNoの場合)には、S8以降の処理を継続する。
【0056】
一方、目的地に到着した場合(S10がYesの場合)、制御部24は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報と、撮影時の位置、時刻、方位と関連付けてメモリ20に記憶されている画像データと、メモリ20に記憶されている走行経路情報と、目的地情報とから、マップデータを作成し、マップデータ記憶部21に記憶させる(S11)。
【0057】
そして、制御部24は、ユーザからの電源OFF指示があったか否かを判断する(S12)。ここで、電源OFF指示がない場合(S12がNoの場合)、制御部24は、S1からの処理を継続する。一方、電源OFF指示があった場合(S12がYesの場合)には、制御部24は、処理を終了する。
【0058】
図4は、S11において作成されたマップデータの一例を表示部13に表示した状態を示している。この図に示すように、制御部24は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報に基づく地図上に、走行経路(太線)を表示し、所定角度以上のハンドル操舵がなされた位置に対応する地図上の位置を記号(ここでは1,2,3,4)で表示するとともに、所定角度以上のハンドル操舵がなされた位置(ここでは1,2,3,4の位置)に対応する画像を、表示部13の表示面における地図とは異なる領域に表示させる。
【0059】
以上のように、ナビゲーション装置1では、制御部24が、操舵角センサ19によって検知したハンドル操舵角が所定角度以上であった場合に、その地点で撮影した画像と時刻情報,位置情報,方位情報とを関連付けた情報と、位置情報と時刻情報とを関連付けて作成した走行経路情報とをメモリ20に記憶させ、これらのメモリ20に記憶させた情報をさらに地図情報と関連付けることによって、マップデータを作成する。
【0060】
これにより、地図情報と、走行した経路と、走行中に撮影した周囲の画像と、を関連付けたマップデータを作成できる。
【0061】
また、ナビゲーション装置1では、マップデータ作成モードが選択されている場合、カメラ11によって常時撮影を行う。このため、ユーザが走行中に撮影操作を行う必要がない。
【0062】
また、常時撮影された画像データのうち、ハンドル操舵角が所定の角度以上の地点における画像は、撮影した位置,時刻,方位の情報に関連付けて記憶されているので、右左折等を行った地点における画像を地図情報に関連付けたマップデータを作成できる。
【0063】
また、ナビゲーション装置1は、上記したように、他の通信装置との間でデータの送受信を行う通信部14を備えている。これにより、例えば、ナビゲーション装置1において作成したマップデータを、他の通信装置に送信することができる。
【0064】
このため、例えば、自宅付近の道案内(例えば高速道路の出口から自宅までの道案内など)のために作成したマップデータを、友人などに送信(例えば電子メール(e-mail)に添付して送信)することができる。すなわち、自車で走行したルート(走行経路)に関するマップデータを、友人などに送信できる。また、印刷機能を備えた通信装置、あるいは印刷装置に接続可能な通信装置に、作成したマップデータを送信し、紙面等にプリントアウト(印刷)することも可能である。また、例えば、他者が作成したマップデータを、受信することも可能である。
【0065】
また、ナビゲーション装置1では、位置情報(緯度,経度)に関連付けられた画像データを受信し、受信した情報と地図情報記憶部22に記憶されている地図情報とを関連付けてマップデータを作成することもできる。
【0066】
なお、ナビゲーション装置1では、通信部14および通信用アンテナ15を備え、他の通信装置との間で、画像データやマップデータなどの送受信を行うとしたが、外部との画像データやマップデータの受け渡し方法は、これに限るものではない。例えば、通信用のケーブルを介して他の装置と接続し、データの授受をおこなってもよい。また、記録媒体にデータを記録する記録手段、および/または、記録媒体に記録されたデータを読み出す再生手段を備え、記録媒体を介してデータの受け渡しを行うようにしてもよい。ここで、記録手段および/または再生手段は、ナビゲーション装置1に内蔵されるものであってもよく、あるいは、ナビゲーション装置1とは別体の記録手段および/または再生手段が図示しないインターフェースを介してナビゲーション装置1に接続されるものであってもよい。また、このような記録媒体としては、例えば、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを用いることができる。
【0067】
また、上記の説明では、制御部24が、目的地に到着したときに、マップデータの作成を行うとしたが、これに限るものではない。例えば、ユーザからのマップデータ作成指示があったときに、作成するようにしてもよい。この場合、ユーザが所望する任意のタイミングでマップデータの作成が可能である。また、マップデータを作成するタイミングは、走行終了後であっても、走行中であってもかまわない。例えば、走行中、一定期間経過するごと、あるいは、一定距離走行するごとにマップデータを作成するようにしてもよい。あるいは、走行中、撮影が行われる毎にマップデータを随時作成するようにしてもよい。あるいは、メモリ20の記憶容量の残量が所定量以下になった場合にマップデータを作成してもよく、この場合、マップデータを作成した後、不要となったデータをメモリ20から適宜消去するようにしてもよい。
【0068】
また、ナビゲーション装置1では、GPSを用いて検知した位置情報と時計23から得た時刻情報とを関連付けて走行経路情報を作成し、この作成した走行経路情報をマップデータ作成に用いているが、これに限るものではない。
【0069】
例えば、ユーザが目的地設定に加えて目的地までのルート設定を行い、設定されたルート設定情報(移動経路情報)と、設定されたルートに沿った走行中に撮影した画像と、地図情報とを関連付けて、マップデータを作成するようにしてもよい。なお、ナビゲーション装置が設定されたルートに対応する情報をユーザに呈示するルート案内機能を備えている場合、ルート案内用のデータに、所定角度以上のハンドル操舵がなされた地点の画像データを付加するようにしてもよい。
【0070】
また、マップデータ作成モードが選択された場合であっても、必ずしも目的地やルート設定が行われる必要はない。目的地やルート設定の設定を行わない場合、例えば、GPSを用いて検知した位置情報と時計23から得た時刻情報とを関連付けた走行経路情報と、ハンドル操舵角が所定角度以上となった地点において撮影した画像を位置,時刻,方位に関連付けた画像データとを随時記憶するようにしてもよい。
【0071】
また、ナビゲーション装置1では、マップデータ作成モードが選択されている場合、カメラ11によって常時撮影・録画するとしたが、これに限らず、例えば、常時撮影し、ハンドル操舵角が所定の角度に達した地点の画像のみを録画するようにしてもよい。あるいは、撮影を常時行うのではなく、ハンドル操舵角が所定の角度に達した場合に撮影および録画を行うようにしてもよい。
【0072】
また、マップデータ作成モードが選択されている期間中、カメラ11によって常時撮影・録画を行う場合、例えば、メモリ20に記憶された画像データのうち、ハンドル操舵角が所定の角度以上の地点で撮影された画像データについては、撮影時刻が古いものから順次消去するようにしてもよい。すなわち、新しい撮影データのみを記憶し、古い撮影データを順次消去するようにしてもよい。なお、この際、例えば、メモリ20の記憶容量の残量が所定の量以下になったときに、古い画像データを消去するようにしてもよい。これにより、メモリ20に要求される記憶容量を削減できる。
【0073】
また、ナビゲーション装置1では、所定角度以上のハンドル操舵がなされた地点において撮影した画像をマップデータ作成に用いているが、所定角度以上のハンドル操舵がなされた地点において撮影した画像とは、ハンドル操舵角が所定角度に達した瞬間に撮影した画像に限るものではない。例えば、ハンドル操舵角が所定角度に達する直前(例えば数秒前)に撮影した画像であっても、そのハンドル操作中に撮影した画像であっても、あるいは、ハンドル操舵角が所定角度に達した後、元の状態(直進時のハンドル位置)に戻ったときに撮影した画像であってもよい。
【0074】
図5〜図8は、ハンドル操舵角が所定角度に達する直前(例えば数秒前)に撮影した画像の例である。これらの図に示すように、ハンドル操舵角が所定角度に達する直前の画像をマップデータ作成に用いる場合、その走行経路に沿って走行する際、右左折すべき交差点等をより認識しやすくなる。
【0075】
図9は、ハンドル操作中(右左折中)に撮影した画像の一例であり、図10は、ハンドル操舵角が所定角度に達した後、直進時のハンドル位置に戻ったとき(右左折後)に撮影した画像の一例である。このように、例えば、右左折中あるいは右左折後に撮影した画像を用いてマップデータを作成することもできる。
【0076】
また、静止画像に限らず、動画像を用いてマップデータを作成してもよい。例えば、ハンドル操作直前からハンドルを元の状態(直進方向)に戻した直後まで撮影した動画像を、地図情報と関連付け、マップデータ記憶部21に記憶させるようにしてもよい。また、このように動画と地図情報とを関連付けて記憶させたマップデータを表示する場合、例えば、記憶した動画像の一部を切り出して得られる静止画像を地図情報とともに表示部13に表示し、ユーザからの指示に応じて、その静止画像に対応する動画像を再生するようにしてもよい。
【0077】
また、マップデータ作成に用いる画像は、走行中に撮影した画像であっても、交差点などで一時停止した状態で撮影したものであってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、撮影した画像と時刻情報,位置情報,方位情報を関連付けた情報と、走行経路情報とを記憶しておき、それを地図情報と関連付けることによってマップデータを作成しているが、これに限るものではない。撮影した画像と地図情報とを関連付けることができればよく、例えば、時刻情報や方位情報を省略してもよい。
【0079】
また、上記したマップデータに加えて、音声情報をさらに関連付けたマップデータを作成してもよい。例えば、音声入力部25によって、走行中の撮影時に、ユーザが発した音声を収集し、撮影した画像,時刻情報,位置情報,方位情報などと関連付けて記憶させてもよい。あるいは、ユーザが任意のタイミングでマップデータを作成する際に、音声情報の入力を行い、音声情報を含むマップデータを作成できるようにしてもよい。
【0080】
これにより、例えば、交差点の名称や、交差点付近の目的物となる建物等の名称、特徴点などの音声情報を含むマップデータを作成することができる。また、例えば、マップデータを表示部13に表示する際、ユーザが選択した地図上の位置に対応する音声情報を、音声出力部26から出力するようにしてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、カメラ11によって走行中の車両周囲の画像を常時撮影,録画しておき、ハンドル操舵角が所定角度以上であった場合に、その時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるが、撮影した画像とその時刻,位置,方位などの情報とを関連付けるタイミングは、これに限るものではない。
【0082】
例えば、方位センサ18によって検出した車両の向いている方位が、所定の角度以上変化した場合に、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。あるいは、ハンドル操舵角、および、車両の向いている方位の両方が、所定の角度以上であった場合に、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
【0083】
また、ハンドル操舵角、および/または、車両の向いている方位が所定の角度以上であった場合に加えて、所定の時間経過するごと、所定の距離走行するごと、あるいは、ユーザからの指示があった場合などに、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。また、例えば、ユーザによる方向指示操作(ウインカー操作)があったときに、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
【0084】
また、例えば、走行中、常時録画した動画像を、全て、時刻,位置,方位などの情報と関連付けて記憶させておいてもよい。この場合、例えば、目的地までの走行終了後、録画された動画像の中から、ユーザが任意の静止画像を選択して切り出すことによって、マップデータを作成することも可能である。また、走行中に撮影した動画像を常時録画しておく場合、走行中に見過ごしてしまったまわりの風景を、後から見直すこともできる。また、走行経路にかかるムービークリップを作成することもできる。
【0085】
また、本実施形態では、地図情報記憶部22は、ハードディスクからなるものとしたが、これに限るものではない。例えば、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどに予め記憶された地図情報を読み出す構成としてもよい。あるいは、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介してナビゲーション装置1に提供される地図情報を用いる構成としてもよい。
【0086】
また、マップデータ記憶部21についても、ハードディスクに限らず、例えば、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを用いてもよい。あるいは、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介してナビゲーション装置1と接続されている記録媒体を用いてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、マップデータ記憶部21と地図情報記憶部22とを備えているが、両者を共通の記憶部で構成してもよい。また、例えば、予め記憶された地図情報に、撮影した画像データを関連付けたマップデータを付加し、地図情報を順次更新していくようにしてもよい。
【0088】
また、ナビゲーション装置1は、上記したように、アスペクト比が3:7以上という超ワイド画面の液晶パネルからなる表示部13を備えているが、これに限るものではない。例えば、従来、車両に搭載されているナビゲーション装置やテレビ放送用の表示装置の多くに採用されているアスペクト比3:4の表示手段を用いてもよい。
【0089】
なお、本実施形態で用いられるアスペクト比が3:7以上の表示部13では、従来の表示装置のアスペクト比である3:4の表示領域を差し引いても、3:3の正方形状よりワイドな表示領域を残すことができる。このため、表示部13をインストルメントパネルとして用いる場合、この正方形状よりワイドな表示領域に速度計等の計器類を表示することもできる。例えば、速度計は円形のものが最も視認し易いことから好んで用いられるが、残された表示領域が正方形状よりワイドであれば、アスペクト比の短い辺を十分に用いて大きく速度計を表示させることができる。したがって、速度計の視認性が良く、安全性を高く保つことが可能となる。
【0090】
また、近年のナビゲーション装置では、アスペクト比9:15の表示装置を用いて表示するものもあり、このような表示手段を表示部13として用いてもよい。また、従来のアスペクト比9:15の表示手段に表示される画像と、計器類の表示とを、表示部13に表示させたい場合には、表示部13のアスペクト比を9:24以上にしてもよい。また、同様に、テレビ放送では9:16のものもあるが、このようなテレビ放送と、計器類の表示とを表示部13に表示させたい場合には、表示部13のアスペクト比を9:25以上にしてもよい。なお、アスペクト比の上限値については、短辺側の表示サイズが所定値以上であり、解像度が所定値以上であれば、特に制限は無い。
【0091】
また、本実施形態にかかる表示部13では、速度計、エンジン回転数計、燃料残量計などの計器表示と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などの表示とを、同時に表示することが可能となっているが、これに限るものではない。例えば、計器類を表示するための表示部と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などを表示する表示部とを、それぞれ別々に設けてもよい。すなわち、本実施形態にかかる表示部13は、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などを表示可能であればよい。また、表示部13は、マップデータを表示する際、地図情報と撮影した画像とを異なる領域に表示するようにしてもよく、あるいは、地図情報の一部に撮影した画像を重畳させて表示してもよい。
【0092】
また、本実施形態では、表示部13として液晶パネルを用いているが、これに限るものではない。カメラ11によって撮影した画像や地図情報などを表示可能であればよく、例えば、有機EL(Electro Luminesence)パネルや、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などを用いてもよい。
【0093】
また、表示部13に、速度計等の計器表示と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などの表示とを、表示部13に表示させる場合、非常用の表示装置(フェールセーフシステム)をさらに設けてもよい。例えば、表示部13が故障する場合や、表示部13が液晶パネルである場合、低温のために反応速度が実用上好ましい速度に達しない場合などが考えられる。このような場合であっても、運転者が安全運転を継続するためには、速度計等が適切に表示される必要がある。そこで、例えば、透明ELパネルなどからなる非常用表示装置(図示せず)を備えてもよい。これにより、表示部13が故障した場合や、表示不良が生じた場合であっても、非常用表示装置に速度計等を表示することにより、運転者は安全に運転を行うことができる。
【0094】
また、速度計等の計器類と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などの表示とを、表示部13に表示させる場合、例えば、計器類の表示領域の輝度よりも他の表示領域の輝度が高くなりすぎた場合、計器類の視認性が低下する恐れがある。このような事態を避けるために、他の表示領域における輝度が計器類の表示領域の輝度よりも高くならないようにしてもよい。例えば、他の表示領域の輝度が計器類の表示領域の輝度よりも高くなった場合に、他の表示領域の輝度を計器類の表示領域の輝度よりも下げるようにしてもよい。あるいは、他の表示領域の輝度が、あらかじめ定めた閾値よりも高くならないように、他の表示領域における輝度を閾値以下に制限するようにしてもよい。
【0095】
また、ナビゲーション装置1では、4台のカメラ11のうち、自車の向いている方位を向いたカメラ11によって撮影した画像を用いてマップデータの作成を行う。これにより、撮影した画像における、撮影時の方位を容易に把握できる。ただし、これに限らず、自車の向いている方向と異なる方向を撮影した画像を用いてマップデータを作成してもよく、あるいは、カメラ11の撮影方向を可変としてもよい。ただし、例えば方位センサ18の方位検知結果に基づいて、撮影した方位を特定可能であることが好ましい。
【0096】
また、ナビゲーション装置1では、所定の角度範囲について同時に撮影可能な広角レンズを備えたカメラを用いるとしたが、これに限るものではない。例えば、全方位(地表面に略垂直な方向を軸とする360度)の画像を撮影できる全方位カメラを用いてもよい。また、その場合、全方位の画像を瞬時に撮影可能な全方位カメラであってもよく、あるいは、撮影方向を連続的に変化させることによって全方位の撮影を行うものであってもよい。
【0097】
図11は、全方位の画像を瞬時に撮影可能なカメラ11の構成例を説明するための平面図である。この図に示すように、カメラ11は、カメラ部31、凸面鏡32、ケーシング33、ケーシング33の一部をなすカバー部材34によって構成されている。
【0098】
ケーシング33は、略円筒形の形状からなる。そして、ケーシング33の側壁のうち所定長さ部位は、その全周に渡って透明なカバー部材34によって構成されている。ケーシング33内には、カバー部材34の高さ位置に対応して、反射鏡としての凸面鏡32が配置されている。この凸面鏡32の表面は、所定の凸線を光軸となる所定軸線(ケーシング33の上下方向軸線)回りに回転させて得られる凸型回転体の表面となる。上記凸線としては、例えば、円弧線、双曲線、放物線等がある。凸面鏡32は、全体的に下方に向けて凸となるように配設されており、カバー部材34を通して入射される外部からの光が、下方へ向けて反射されるように設定されている。
【0099】
ケーシング33内には、凸面鏡32の下方において、CCDあるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像装置としてのカメラ部31が配置されている。このカメラ部31は、凸面鏡32で反射された外部からの光が入射されて、入射された光に対応した電気信号を出力する。このように、図11の構成では、反射鏡の全周囲が凸となった凸面鏡32であるために、水平方向からみたときに、全方位つまり360度の周囲を撮像可能となっている。
【0100】
また、カメラ11は、少なくとも1方向を撮影可能であればよく、広角レンズを備えたカメラや、全方位カメラに限らず、標準レンズからなるカメラであってもよい。また、カメラの撮影方向は必ずしも固定されている必要はなく、可変としてもよい。また、ユーザの指示に応じて、必要とする撮影方向を選択できるようにしてもよい。この場合、ユーザからの指示を受け付ける入力部を備えておくことが好ましい。
【0101】
また、カメラ11として、赤外線カメラを用いてもよい。あるいは、カメラ11による撮影範囲を照らすための照明手段を備えていてもよい。これらの構成では、夜間においても、マップデータ作成に用いるのに適した画像を撮影できる。
【0102】
また、カメラカメラ11の搭載位置および搭載数量は、図2に示した配置に限るものではない。例えば、図12(a)〜図12(c)に示すような配置にしてもよい。
【0103】
図12(a)の配置例では、前後左右の4方向を少なくとも撮影するために、前方助手席側の端部に前方を撮影するためのカメラ11及び助手席側側方を撮影するためのカメラ11を備えており、また、前方運転席側の端部に運転席側側方を撮影するためのカメラ11を備えており、さらには、後方運転席側の端部に後方を撮影するカメラを備えている。
【0104】
図12(b)の配置例では、さらに詳細に全方位の画像を撮影すべく、図12(a)に比べてカメラ11の数を追加したものである。すなわち、図12(a)のように配置されたカメラ11に加えて、前方助手席側の端部に助手席側前方を撮影するカメラ11を設け、また、前方運転席側の端部に前方の画像を撮影するカメラ11を配置している。このように、前方の画像を3台以上のカメラ11に分割して分担させることによって、死角なく撮影することが可能となる。
【0105】
図12(c)は、車両の前方助手席側の端部に、車両前方を撮影するカメラ11及び助手席側側方を撮影するカメラ11が備えられ、また、前方運転席側の端部に運転席側側方を撮影するカメラ11が備えられ、さらには、後方運転席側の端部に後方を撮影するカメラ11が備えられている。この場合、自車の車体によって死角が生じることを確実に防止できる。
【0106】
また、カメラ11は、例えば、車両内に格納されており、撮影時にのみ車両外部に露出して撮影可能となるものであってもよい。
【0107】
また、本実施形態では、GPSを用いて自車の現在位置(緯度経度)を検出するものとしたが、位置検出手段はこのような構成に限るものではなく、例えば、方位センサや走行距離センサなどを備え、出発地点の情報、自動車等の走行方向、走行速度、走行距離などをもとに現在位置の変化を追跡する、いわゆる自律航法によって自車の現在位置を検出するようにしてもよい。
【0108】
また、本実施形態における操作入力部12は、複数の入力キーからなるとしたが、これに限るものではない。例えば、操作入力部12として、表示部13を兼用してもよい。つまり、表示部13に運転者による入力が可能な項目を表示し、運転者が、所望する項目が表示されている表示領域に触れることにより、制御部24に指示を与えるようにしてもよい。あるいは、操作入力部12として、マウスやスティック状の操作装置などを設けてもよい。また、オーディオシステムなどの操作入力部を兼用するようにしてもよい。また、ドアミラー(フェンダーミラー)の角度等を電動で調整できるシステムを備える場合、これらの操作手段を兼用してもよい。
【0109】
また、本実施形態では、ナビゲーション装置1の電源として、エンジン起動用のバッテリーを用いるとしたが、これに限らず、ナビゲーション装置1用の電源供給手段を別途備えてもよい。例えば、電池や充電池によって駆動させるようにしてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、ユーザが操作入力部12を介してナビゲーション装置1の電源をONにする指示を与えるものとしたが、これに限るものではない。例えば、ナビゲーション装置1が搭載される車両に、イグニッションキーがONにされたことを検知する手段を備え、イグニッションキーがONされた時にナビゲーション装置1の電源をONさせるようにしてもよい。また、例えば、運転席のドアが開閉されたとき、ドアの施錠が開錠されたとき、などにナビゲーション装置1の電源をONさせるようにしてもよい。
【0111】
また、ナビゲーション装置1は、車両に搭載されるものとしたが、本実施形態における車両とは、自動車に限らず、自動二輪車、自転車などを含む。また、ナビゲーション装置1は、車両に限らず、例えばヘリコプターや航空機、船舶など、あらゆる移動体(移動手段)に搭載することができる。また、ナビゲーション装置1は、必ずしも移動体に備え付けられるものでなくてもよく、例えば、これらの移動体に脱着可能に備えられてもよい。
【0112】
また、例えば、ナビゲーション装置1を使用者によって持ち運び可能な構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置1を単独で持ち運び可能な構成としてもよく、あるいは、携帯電話,PHS(Personal Handyphone System、登録商標),PDA(Personal Digital Assistant),ノートパソコン等の移動端末装置に備えるようにしてもよい。これにより、例えば、使用者がナビゲーション装置1を携帯しながら移動した経路に関するマップデータを作成することができる。もちろん、持ち運び可能な構成からなるナビゲーション装置1を、上記した各移動体に載置して使用してもよい。
【0113】
以上のように、本発明のマップデータ作成装置は、周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えている。
【0114】
ここで、マップデータとは、移動中に撮影した画像データを地図情報に関連付けて付加したデータを意味する。なお、移動中とは、移動に係る期間中であることを意味しており、例えば、移動動作を行いながら撮影したものであっても、移動期間中において移動動作を一時停止した状態で撮影したものであってもよい。例えば、本発明のマップデータ作成装置を自動車に搭載する場合、走行中に撮影したものであっても、あるいは、交差点などで一時停止した状態で撮影したものであってもよい。また、上記地図情報提供手段は、予め記憶されている地図情報を提供するものであり、マップデータ作成装置に装着または接続される記憶手段であってもよく、あるいは、通信によってマップ装置に地図情報を提供するものであってもよい。
【0115】
上記の構成によれば、撮影手段によって撮影した画像データを、撮影時の位置情報および地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0116】
また、画像データを含む情報を記憶する画像データ記憶手段を備え、上記制御手段は、上記撮影手段に連続的に撮影を行わせ、撮影した画像データを、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報に関連付けて上記画像データ記憶手段に記憶させるとともに、上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データの一部を抽出し、抽出した画像データを、上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0117】
上記の構成によれば、上記制御手段が、上記撮影手段に連続的に撮影を行わせるので、ユーザは移動中に撮影操作を行う必要がなく、マップデータの作成にかかるユーザの負担を軽減できる。
【0118】
また、進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段とを備えた移動体に備えられ、上記制御手段は、上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が、所定の角度以上であった地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0119】
ここで、移動体とは、自動車、自動二輪車、自転車、ヘリコプター、航空機、船舶など、あらゆる移動手段を含む。
【0120】
上記の構成によれば、所定角度以上の操舵がなされた地点の近傍で撮影した画像が、マップデータに反映される。これにより、上記移動体が右左折等を行った地点の近傍における画像を反映したマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内に用いる場合、右左折すべき交差点等の周囲の状況を把握しやすくなる。
【0121】
また、進行方向の方位を検知する進行方位検知手段を有する移動体に備えられ、上記制御手段は、上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記進行方位検知手段によって検知した方位が、所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもとよい。
【0122】
上記の構成によれば、進行方向の方位が所定角度以上変化した地点の近傍で撮影した画像が、マップデータに反映される。これにより、上記移動体が右左折等を行った地点の近傍における画像を反映したマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内に用いる場合、右左折すべき交差点等の周囲の状況を把握しやすくなる。
【0123】
また、進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段と、進行方向の方位を検知する進行方位検知手段とを備えた移動体に備えられ、上記制御手段は、上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が所定の角度以上であり、かつ、上記進行方位検知手段によって検知した方位が所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0124】
上記の構成によれば、所定角度以上の操舵がなされ、かつ、進行方向の方位が所定角度以上変化した地点の近傍で撮影した画像が、マップデータに反映される。これにより、上記移動体が右左折等を行った地点の近傍における画像を反映したマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内に用いる場合、右左折すべき交差点等の周囲の状況を把握しやすくなる。
【0125】
また、ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、上記制御手段は、上記入力手段に対するユーザの指示に応じて、上記抽出する画像データを決定する構成としてもよい。
【0126】
上記の構成によれば、ユーザが、所望する地点の画像を選択し、それを反映させたマップデータを作成することができる。
【0127】
また、移動経路情報を記憶する移動経路記憶手段を備え、上記制御手段は、上記移動経路記憶手段に記憶した移動経路情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0128】
上記の構成によれば、ユーザが走行中にマップデータ作成にかかる処理を何ら行うことなく、走行経路に関するマップデータを作成できる。
【0129】
また、ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、上記制御手段は、上記入力手段を介して入力されたルート設定情報を上記移動経路情報とする構成としてもよい。
【0130】
上記の構成によれば、ユーザが走行中にマップデータ作成にかかる処理を何ら行うことなく、設定したルートに関するマップデータを作成できる。
【0131】
また、時刻を計時する計時手段を備え、上記制御手段は、上記位置検知手段によって検知した位置情報と、上記計時手段から供給された時刻情報とに基づいて、上記移動経路情報を作成する構成としてもよい。
【0132】
上記の構成によれば、ユーザが走行中にマップデータ作成にかかる処理を何ら行うことなく、実際に走行した走行経路に関するマップデータを作成できる。
【0133】
また、上記制御手段は、上記撮影手段によって撮影した画像データを、上記計時手段から供給された撮影時の時刻情報と関連付け、上記時刻情報に関連付けた画像データを、上記位置情報と上記移動経路情報と地図情報とに関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0134】
上記の構成によれば、撮影した画像データを撮影時の時刻情報と関連付け、上記時刻情報に関連付けた画像データを、上記位置情報と上記移動経路情報と地図情報とに関連付けてマップデータを作成する。このため、撮影した画像データを、位置情報、移動経路情報、地図情報に適切に関連付けることができる。
【0135】
また、上記撮影手段の撮影方位を検知する撮影方位検知手段を備え、上記制御手段は、上記撮影方位検知手段によって検知した方位情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0136】
上記の構成によれば、撮影した画像の撮影方向の方位を反映させたマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内などに用いる場合、右左折すべき交差点の状況などを、より適切に把握できる。
【0137】
また、音声を収集して音声データに変換する音声入力手段を備え、上記制御手段は、上記音声入力手段を介して入力された音声データと、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0138】
上記の構成によれば、音声データと、撮影した画像データと、地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。これにより、例えば、右左折すべき交差点の名称や、交差点付近の目的物となる建物等の名称、特徴点などの音声データを含むマップデータを作成することができる。
【0139】
また、マップデータを表示する表示手段を備えた構成としてもよい。この場合、作成したマップデータを、上記表示手段によってユーザに呈示することができる。
【0140】
また、他の装置との間でマップデータの通信を行う通信手段を備えた構成としてもよい。ここで、上記通信手段は、無線によってデータを通信するものであってもよく、通信用のケーブル等を介してデータを通信するものであってもよい。また、送信および受信の両方を行うものであっても、いずれか一方のみを行うものであってもよい。また、マップデータ作成装置に対して分離可能に備えられる記録媒体、または、マップデータ作成装置に接続される記録媒体を介して、他の装置との間でマップデータの受け渡し(通信)を行うものであってもよい。
【0141】
上記の構成によれば、他の装置との間で、マップデータの通信が可能となる。これにより、例えば、送信可能な通信手段を備える場合、道案内のために作成したマップデータを、友人などに送信することができる。また、例えば、印刷装置、あるいは印刷装置に接続可能な装置にマップデータを送信し、紙面等にプリントアウト(印刷)することも可能である。また、受信可能な通信手段を備える場合、例えば、他の装置によって作成されたマップデータを受け取ることができる。さらに、表示手段を備えている場合には、受け取ったマップデータを表示することもできる。
【0142】
本発明の移動体は、上記の課題を解決するために、上記したいずれかのマップデータ作成装置を備えていることを特徴としている。
【0143】
上記の構成によれば、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる移動体を実現できる。
【0144】
本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを、上記検出した位置情報に関連付ける工程と、上記位置情報に関連付けた画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0145】
上記の方法によれば、撮影した画像データを、撮影時の位置情報と関連付け、さらに地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0146】
また、本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を連続的に撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを上記検出した位置情報に関連付けて記憶する工程と、上記位置情報に関連付けて記憶した画像データの一部を抽出する工程と、上記抽出した画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0147】
上記の方法によれば、連続的に撮影を行うので、ユーザが移動中に撮影操作を行うことなく、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成でき、マップデータの作成にかかるユーザの負担を軽減できる。
【0148】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明のマップデータ作成装置は、自動車、自動二輪車、自転車、ヘリコプター、航空機、船舶など、あらゆる移動体(移動手段)に搭載することができる。また、これらの移動体に脱着可能に備えることもできる。また、本発明のマップデータ作成装置は、単独で持ち運び可能な構成とすることもできる。あるいは、携帯電話,PHS(Personal Handyphone System、登録商標),PDA(Personal Digital Assistant),ノートパソコン等の移動端末装置に備えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置における処理の一例を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって作成したマップデータを表示した表示部を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像の他の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって、撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの一構成例を示す断面図である。
【図12(a)】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置の一変形例を示す説明図である。
【図12(b)】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置の他の変形例を示す説明図である。
【図12(c)】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置のさらに他の変形例を示す説明図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成するマップデータ作成装置、それを備えた移動体、並びにマップデータ作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の移動手段に搭載され、地図情報や位置情報などを表示するナビゲーション装置が広く普及している。
【0003】
ナビゲーション装置は、一般に、CD−ROM,DVD,ハードディスクなどの記憶手段と、GPS(Global Positioning System)と呼ばれる測位用の人工衛星を利用した測位システムと、地図情報を表示する表示手段とを備えている。そして、GPSによって現在位置を検出し、検出した現在位置の近傍における地図情報を記憶手段から読み出して表示手段に表示する。あるいは、GPSに代えて、方位センサや走行距離センサなどを備え、出発地点の情報、走行方向、走行速度、走行距離などをもとに現在位置の変化を追跡する測位システムを備えた、自律航法によるナビゲーション装置もある。
【0004】
ところが、これらのナビゲーション装置では、一般に、地図情報およびそれに付随する情報しか表示できない。なお、地図情報に付随する情報としては、例えば、道路,交差点,建物,河川,湖,山,公園,駐車場などの名称や記号、あるいは、記憶手段に予め記憶された観光地などを案内する画像などがある。
【0005】
このため、利用者が必要とする走行経路の画像を表示させることができず、例えば、利用者が、右左折すべき場所を適切に認識できない場合がある。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、自動車に走行方向を向いたビデオカメラを取付け、自動車の走行データ,方向指示データ,ハンドルデータを検出し、検出したこれらのデータをビデオカメラによって撮影した画像情報に重畳させて表示する技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献1には、方向指示が行われるとビデオカメラを所定角回転させ、ハンドルの回転角度が所定角度よりも大きい場合には、ビデオカメラによる撮影・記録を行ったまま曲がり角を曲がり、曲がり角を曲がるハンドルの回転に連動してビデオカメラを元の正面に向け、方向指示がOFF状態になってから一定時間後に撮影・記録することが記載されている。これにより、特許文献1では、曲がり角毎の周囲の景色及び曲がり切った後の前方の景色が記録されるようになっている。
【0008】
また、例えば、特許文献2には、移動体に備えられた撮影手段によって撮影した画像データと、その画像を撮影した位置及び方向を示すデータと、撮影した時刻のデータと、音声データがある場合にはその音声データとを、移動体に備えられた端末装置から電話回線を利用して中央装置に送信して蓄積させておき、端末装置からの要求があった場合に、中央装置に蓄積された情報を端末装置に送信して表示させる技術が記載されている。
【0009】
また、特許文献2には、端末装置で現在地から目的地までのルート設定を行った場合、当該端末装置が、目的地までのルート上に存在する主要交差点の座標と、その交差点を進行する座標及び方向を算出し、算出結果に応じた画像データを、電話回線を経由して中央装置から受け取ることが記載されている。そして、端末使用者は、端末装置によって中央装置から受信した各交差点の画像を表示部に順番に表示させたり、実際に設定したルート上の走行を開始し、該当する交差点に近づいたときに、その交差点の画像を表示させることができるようになっている。
【0010】
ところで、例えば、他人に自宅までの経路を説明する場合などに、地図を示すだけでは右左折すべき交差点などの情報を十分に認知させることができない場合がある。このような場合、地図情報に、右左折すべき交差点の画像などを関連付けて呈示することができれば便利である。また、このような、地図情報に画像データを関連付けたデータ(マップデータ)を、簡便に作成することができれば、より便利である。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、曲がり角近辺の画像を撮影・記録し、撮影・記録した画像を、出発点からの走行距離や、前の曲がり角からの走行距離とともに表示させることができるが、撮影・記録した画像が位置情報(緯度経度情報)とは関連づけられていないので、撮影した画像を反映させたマップデータを作成できない。
【0012】
また、上記特許文献2の技術では、端末装置において撮影した画像を、位置情報と対応させて中央装置に蓄積するが、この技術は、例えば端末利用者が現在位置近傍のレストランなどの情報を要求した場合に、それに該当するレストランの画像を表示するための技術であって、撮影した画像を用いたマップデータを作成するものではない。このため、例えば、走行中に撮影した画像データを用いて、走行した経路のマップデータを作成することができない。
【特許文献1】特開平3−169180号公報(公開日:1991年7月22日)
【特許文献2】特開平10−232135号公報(公開日:1998年9月2日)
【発明の開示】
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できるマップデータ作成装置、それを備えた移動体、並びにマップデータ作成方法を提供することにある。
【0014】
本発明のマップデータ作成装置は、上記の課題を解決するために、周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えている。
【0015】
ここで、マップデータとは、移動中に撮影した画像データを地図情報に関連付けて付加したデータを意味する。なお、移動中とは、移動に係る期間中であることを意味しており、例えば、移動動作を行いながら撮影したものであっても、移動期間中において移動動作を一時停止した状態で撮影したものであってもよい。例えば、本発明のマップデータ作成装置を自動車に搭載する場合、走行中に撮影したものであっても、あるいは、交差点などで一時停止した状態で撮影したものであってもよい。また、上記地図情報提供手段は、予め記憶されている地図情報を提供するものであり、マップデータ作成装置に装着または接続される記憶手段であってもよく、あるいは、通信によってマップ装置に地図情報を提供するものであってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、撮影手段によって撮影した画像データを、撮影時の位置情報および地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0017】
本発明の移動体は、上記の課題を解決するために、上記したマップデータ作成装置を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる移動体を実現できる。
【0019】
本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを、上記検出した位置情報に関連付ける工程と、上記位置情報に関連付けた画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0020】
上記の方法によれば、撮影した画像データを、撮影時の位置情報と関連付け、さらに地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0021】
また、本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を連続的に撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを上記検出した位置情報に関連付けて記憶する工程と、上記位置情報に関連付けて記憶した画像データの一部を抽出する工程と、上記抽出した画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むようにしてもよい。
【0022】
上記の方法によれば、連続的に撮影を行うので、ユーザが移動中に撮影操作を行うことなく、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成でき、マップデータの作成にかかるユーザの負担を軽減できる。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本実施形態にかかるナビゲーション装置(マップデータ作成装置)1の構成を示すブロック図である。なお、ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、地図情報およびそれに付随する情報等を運転者に提示するものである。また、ナビゲーション装置1は、走行中に撮影した画像を地図情報に関連付けた、走行経路のマップデータを作成することができる。なお、地図情報とは、ナビゲーション装置1に装着または接続される記録媒体などに予め記憶されている地図、あるいは通信によってナビゲーション装置1に提供される地図、およびそれらの地図に付随する情報(例えば、河川,湖,山,道路,交差点,建物,橋梁,路線,店舗,公園,駐車場などの名称や記号、あるいは、予め記憶された観光地などを案内する画像など)を意味する。また、マップデータとは、移動中に撮影した画像データを地図情報に関連付けて付加したデータを意味する。
【0026】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、カメラ11、操作入力部12、表示部13、通信部14、通信用アンテナ15、GPS受信部16、GPS用アンテナ17、方位センサ18、操舵角センサ19、メモリ20、マップデータ記憶部21、地図情報DB(データベース)22、時計23、制御部24、音声入力部25、音声出力部26を備えている。
【0027】
カメラ11は、車両周囲の画像を撮影するものである。なお、本実施形態では、カメラ11として、自車の向いている方位を中心に、所定の角度範囲について同時に撮影可能な広角レンズを備えたカメラを用いている。
【0028】
カメラ11の搭載位置や搭載台数は特に限定されないが、例えば、図2に示すように配置すればよい。なお、図2において、破線はカメラが撮影可能な角度の限界を示している。
【0029】
図2では、カメラ11を、屋根の上に取り付けた例であり、死角が生じることを防止するために前後左右の四方に取り付けている。ナビゲーション装置1では、4台のカメラ11のうち、自車の向いている方位を向いたカメラ11によって撮影した画像を用いてマップデータの作成を行う。なお、例えば、図2に示した4台のカメラ11によって撮影した画像を、運転者が、走行中あるいは発進・停車時における車両周囲の安全確認用に用いることもできる。また、カメラ11を図2のように配置する場合、屋根に取り付けることにより運転中に他の物と接触し難いため、カメラの角度が変わらないというメリットがある。
【0030】
表示部13は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報や、GPSによって検出した位置情報などに基づくナビゲーション情報、あるいは、カメラ11によって撮影した画像、作成したマップデータなどを表示する表示手段である。なお、本実施形態にかかる表示部13は、アスペクト比(表示領域の縦横比)が3:7以上(縦方向の長さに対して横方向の長さが7/3倍以上)という超ワイド画面を備えた液晶パネルであり、速度計、エンジン回転数計、燃料残量計などの計器類の表示と、ナビゲーション情報や、撮影した画像、マップデータなどを、同時に表示することも可能となっている。なお、表示部13は、インストルメントパネルとして設置されるものであってもよく、あるいは、インストルメントパネルとは別に備えられるものであってもよい。
【0031】
操作入力部12は、ユーザからの指示を受け付け、制御部24に伝達するものである。操作入力部12は、複数の入力キーからなり、ユーザは、これらの入力キーを介して制御部24に各種指示を与えることができるようになっている。
【0032】
通信部14は、通信用アンテナ15を介して、他の通信装置との間でデータの送受信を行うためのものである。すなわち、制御部24の指示に応じて、送信するデータを送信に適したデータに変換し、通信用アンテナ15から外部へ送信する。また、通信用アンテナ15を介して外部から受信したデータを、制御部24における処理に適したデータに変換する。これにより、ナビゲーション装置1では、例えば、画像データやマップデータなどを、他の装置との間で送受信することが可能となっている。
【0033】
GPS受信部16は、GPS用アンテナ17で受信した測位用人工衛星からのGPS用測位信号をもとに現在位置(緯度、経度、高度)を解析し、現在位置にかかる情報を制御部24に伝達するものである。
【0034】
方位センサ18は、自車の向いている方位(進行方向の方位)を検出し、その情報を制御部24に伝達するものである。
【0035】
操舵角センサ19は、ハンドル(操舵手段)の操舵角を検出するとともに、検出した操舵角を制御部24に伝達するものである。
【0036】
メモリ20は、カメラ11によって撮影した画像データ、撮影した時刻、撮影した位置、撮影した方位などの情報を、一時記憶しておくものである。
【0037】
マップデータ記憶部21は、例えばハードディスクからなり、制御部24が地図情報と撮影した画像データとを関連付けて作成したマップデータを記憶するものである。
【0038】
地図情報記憶部22は、例えばハードディスクからなり、地図情報が予め記憶されている。また、記憶された地図情報を、制御部24の指示に応じて、制御部24に提供する。
【0039】
時計23は、時刻を計時するとともに、制御部24に時刻データを伝達(供給)するものである。
【0040】
制御部24は、ナビゲーション装置1における全てのデータ処理、制御、判断などをつかさどるCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)からなる。なお、制御部24は、ナビゲーション装置1の起動、カメラ11による撮影、GPS受信部を用いた現在位置の検出、撮影した画像と時刻情報,位置情報,方位情報,走行経路情報,音声情報等の情報との関連付け、マップデータの作成などを行う。
【0041】
音声入力部25は、外部からの音声を収集し、電気信号(音声データ)に変換して制御部24に伝達するものである。
【0042】
音声出力部26は、制御部24の指示に応じて、音声信号を音声に変換して出力するものである。
【0043】
ここで、ナビゲーション装置1における、マップデータの作成方法について説明する。図3は、マップデータ作成処理の流れを示すフロー図である。
【0044】
ナビゲーション装置1の電源がONにされると、制御部24は、自車の現在位置、自車の向いている方位、現在の時刻を検出する(S1)。すなわち、制御部24は、GPS受信部16に、GPS用アンテナ17で受信した測位用人工衛星からのGPS用測位信号をもとに現在位置(緯度、経度、高度)を解析させ、方位センサ18に、自車の向いている方位を検出させ、時計23から現在の時刻情報を受け取る。なお、現在位置、方位、時刻の検出は、ナビゲーション装置1の電源がONになっている間、常時行われる。また、ナビゲーション装置1では、ユーザが操作入力部を介して電源ONの指示を与えるようになっている。
【0045】
次に、制御部24は、地図、現在位置、方位を表示部13に表示させる(S2)。すなわち、制御部24は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報に基づく地図を表示部13に表示するとともに、この地図上における、GPSによって検知した自車の現在位置に対応する位置に、方位センサ18によって検知した自車の方位を示すマークを表示する。
【0046】
次に、制御部24は、マップデータ作成モードが選択されたか否かを判断する(S3)。なお、マップデータ作成モードの選択は、ユーザが操作入力部12を介して行う。
【0047】
そして、マップデータ作成モードが選択されていない場合(S3がNoの場合)には、後述するS12の処理を行う。
【0048】
一方、マップデータ作成モードが選択されている場合(S3がYesの場合)には、制御部24は、表示部13に、ユーザの目的地設定を促すメッセージを表示させる(S4)。
【0049】
さらに、制御部24は、目的地設定がなされたか否かを判断する(S5)。そして、制御部24は、目的地設定がなされていない場合(S5がNoの場合)には、引き続きS4の処理を行う。
【0050】
一方、目的地設定がなされている場合(S5がYesの場合)、制御部24は、カメラ11に撮影・録画を開始させる(S6)。ここで、例えば発進・走行時における車両周囲の安全確認などのために、カメラ11による撮影がすでに開始されている場合には、引き続きカメラ11による撮影を継続させればよい。なお、ナビゲーション装置1では、マップデータ作成モードが選択されている期間中、カメラ11による撮影が常時行われ、撮影した画像はメモリ20に記憶(録画)されるようになっている。
【0051】
また、制御部24は、走行経路情報のメモリ20への記憶を開始させる(S7)。すなわち、制御部24は、GPSを用いて検知した位置情報と時計23から得た時刻情報とを関連付けて走行経路情報を作成し、メモリ20に記憶させる。
【0052】
次に、制御部24は、操舵角センサ19を介して、ハンドル操舵角が予め定められた所定の角度以上になることを監視する(S8)。
【0053】
そして、ハンドル操舵角が所定の角度以上となった場合(S8がYesの場合)、制御部24は、その地点で撮影した画像、その地点における位置(緯度,経度,高度)、時刻、方位を関連付けて、メモリ20に記憶させる(S9)。
【0054】
次に、制御部24は、目的地に到着したか否かを判断する(S10)。なお、S8において、ハンドル操舵角が所定の角度以上になっていない場合(S8がNoの場合)にも、制御部24は、S10の処理を行う。
【0055】
そして、目的地に到着していない場合(S10がNoの場合)には、S8以降の処理を継続する。
【0056】
一方、目的地に到着した場合(S10がYesの場合)、制御部24は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報と、撮影時の位置、時刻、方位と関連付けてメモリ20に記憶されている画像データと、メモリ20に記憶されている走行経路情報と、目的地情報とから、マップデータを作成し、マップデータ記憶部21に記憶させる(S11)。
【0057】
そして、制御部24は、ユーザからの電源OFF指示があったか否かを判断する(S12)。ここで、電源OFF指示がない場合(S12がNoの場合)、制御部24は、S1からの処理を継続する。一方、電源OFF指示があった場合(S12がYesの場合)には、制御部24は、処理を終了する。
【0058】
図4は、S11において作成されたマップデータの一例を表示部13に表示した状態を示している。この図に示すように、制御部24は、地図情報記憶部22から読み出した地図情報に基づく地図上に、走行経路(太線)を表示し、所定角度以上のハンドル操舵がなされた位置に対応する地図上の位置を記号(ここでは1,2,3,4)で表示するとともに、所定角度以上のハンドル操舵がなされた位置(ここでは1,2,3,4の位置)に対応する画像を、表示部13の表示面における地図とは異なる領域に表示させる。
【0059】
以上のように、ナビゲーション装置1では、制御部24が、操舵角センサ19によって検知したハンドル操舵角が所定角度以上であった場合に、その地点で撮影した画像と時刻情報,位置情報,方位情報とを関連付けた情報と、位置情報と時刻情報とを関連付けて作成した走行経路情報とをメモリ20に記憶させ、これらのメモリ20に記憶させた情報をさらに地図情報と関連付けることによって、マップデータを作成する。
【0060】
これにより、地図情報と、走行した経路と、走行中に撮影した周囲の画像と、を関連付けたマップデータを作成できる。
【0061】
また、ナビゲーション装置1では、マップデータ作成モードが選択されている場合、カメラ11によって常時撮影を行う。このため、ユーザが走行中に撮影操作を行う必要がない。
【0062】
また、常時撮影された画像データのうち、ハンドル操舵角が所定の角度以上の地点における画像は、撮影した位置,時刻,方位の情報に関連付けて記憶されているので、右左折等を行った地点における画像を地図情報に関連付けたマップデータを作成できる。
【0063】
また、ナビゲーション装置1は、上記したように、他の通信装置との間でデータの送受信を行う通信部14を備えている。これにより、例えば、ナビゲーション装置1において作成したマップデータを、他の通信装置に送信することができる。
【0064】
このため、例えば、自宅付近の道案内(例えば高速道路の出口から自宅までの道案内など)のために作成したマップデータを、友人などに送信(例えば電子メール(e-mail)に添付して送信)することができる。すなわち、自車で走行したルート(走行経路)に関するマップデータを、友人などに送信できる。また、印刷機能を備えた通信装置、あるいは印刷装置に接続可能な通信装置に、作成したマップデータを送信し、紙面等にプリントアウト(印刷)することも可能である。また、例えば、他者が作成したマップデータを、受信することも可能である。
【0065】
また、ナビゲーション装置1では、位置情報(緯度,経度)に関連付けられた画像データを受信し、受信した情報と地図情報記憶部22に記憶されている地図情報とを関連付けてマップデータを作成することもできる。
【0066】
なお、ナビゲーション装置1では、通信部14および通信用アンテナ15を備え、他の通信装置との間で、画像データやマップデータなどの送受信を行うとしたが、外部との画像データやマップデータの受け渡し方法は、これに限るものではない。例えば、通信用のケーブルを介して他の装置と接続し、データの授受をおこなってもよい。また、記録媒体にデータを記録する記録手段、および/または、記録媒体に記録されたデータを読み出す再生手段を備え、記録媒体を介してデータの受け渡しを行うようにしてもよい。ここで、記録手段および/または再生手段は、ナビゲーション装置1に内蔵されるものであってもよく、あるいは、ナビゲーション装置1とは別体の記録手段および/または再生手段が図示しないインターフェースを介してナビゲーション装置1に接続されるものであってもよい。また、このような記録媒体としては、例えば、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを用いることができる。
【0067】
また、上記の説明では、制御部24が、目的地に到着したときに、マップデータの作成を行うとしたが、これに限るものではない。例えば、ユーザからのマップデータ作成指示があったときに、作成するようにしてもよい。この場合、ユーザが所望する任意のタイミングでマップデータの作成が可能である。また、マップデータを作成するタイミングは、走行終了後であっても、走行中であってもかまわない。例えば、走行中、一定期間経過するごと、あるいは、一定距離走行するごとにマップデータを作成するようにしてもよい。あるいは、走行中、撮影が行われる毎にマップデータを随時作成するようにしてもよい。あるいは、メモリ20の記憶容量の残量が所定量以下になった場合にマップデータを作成してもよく、この場合、マップデータを作成した後、不要となったデータをメモリ20から適宜消去するようにしてもよい。
【0068】
また、ナビゲーション装置1では、GPSを用いて検知した位置情報と時計23から得た時刻情報とを関連付けて走行経路情報を作成し、この作成した走行経路情報をマップデータ作成に用いているが、これに限るものではない。
【0069】
例えば、ユーザが目的地設定に加えて目的地までのルート設定を行い、設定されたルート設定情報(移動経路情報)と、設定されたルートに沿った走行中に撮影した画像と、地図情報とを関連付けて、マップデータを作成するようにしてもよい。なお、ナビゲーション装置が設定されたルートに対応する情報をユーザに呈示するルート案内機能を備えている場合、ルート案内用のデータに、所定角度以上のハンドル操舵がなされた地点の画像データを付加するようにしてもよい。
【0070】
また、マップデータ作成モードが選択された場合であっても、必ずしも目的地やルート設定が行われる必要はない。目的地やルート設定の設定を行わない場合、例えば、GPSを用いて検知した位置情報と時計23から得た時刻情報とを関連付けた走行経路情報と、ハンドル操舵角が所定角度以上となった地点において撮影した画像を位置,時刻,方位に関連付けた画像データとを随時記憶するようにしてもよい。
【0071】
また、ナビゲーション装置1では、マップデータ作成モードが選択されている場合、カメラ11によって常時撮影・録画するとしたが、これに限らず、例えば、常時撮影し、ハンドル操舵角が所定の角度に達した地点の画像のみを録画するようにしてもよい。あるいは、撮影を常時行うのではなく、ハンドル操舵角が所定の角度に達した場合に撮影および録画を行うようにしてもよい。
【0072】
また、マップデータ作成モードが選択されている期間中、カメラ11によって常時撮影・録画を行う場合、例えば、メモリ20に記憶された画像データのうち、ハンドル操舵角が所定の角度以上の地点で撮影された画像データについては、撮影時刻が古いものから順次消去するようにしてもよい。すなわち、新しい撮影データのみを記憶し、古い撮影データを順次消去するようにしてもよい。なお、この際、例えば、メモリ20の記憶容量の残量が所定の量以下になったときに、古い画像データを消去するようにしてもよい。これにより、メモリ20に要求される記憶容量を削減できる。
【0073】
また、ナビゲーション装置1では、所定角度以上のハンドル操舵がなされた地点において撮影した画像をマップデータ作成に用いているが、所定角度以上のハンドル操舵がなされた地点において撮影した画像とは、ハンドル操舵角が所定角度に達した瞬間に撮影した画像に限るものではない。例えば、ハンドル操舵角が所定角度に達する直前(例えば数秒前)に撮影した画像であっても、そのハンドル操作中に撮影した画像であっても、あるいは、ハンドル操舵角が所定角度に達した後、元の状態(直進時のハンドル位置)に戻ったときに撮影した画像であってもよい。
【0074】
図5〜図8は、ハンドル操舵角が所定角度に達する直前(例えば数秒前)に撮影した画像の例である。これらの図に示すように、ハンドル操舵角が所定角度に達する直前の画像をマップデータ作成に用いる場合、その走行経路に沿って走行する際、右左折すべき交差点等をより認識しやすくなる。
【0075】
図9は、ハンドル操作中(右左折中)に撮影した画像の一例であり、図10は、ハンドル操舵角が所定角度に達した後、直進時のハンドル位置に戻ったとき(右左折後)に撮影した画像の一例である。このように、例えば、右左折中あるいは右左折後に撮影した画像を用いてマップデータを作成することもできる。
【0076】
また、静止画像に限らず、動画像を用いてマップデータを作成してもよい。例えば、ハンドル操作直前からハンドルを元の状態(直進方向)に戻した直後まで撮影した動画像を、地図情報と関連付け、マップデータ記憶部21に記憶させるようにしてもよい。また、このように動画と地図情報とを関連付けて記憶させたマップデータを表示する場合、例えば、記憶した動画像の一部を切り出して得られる静止画像を地図情報とともに表示部13に表示し、ユーザからの指示に応じて、その静止画像に対応する動画像を再生するようにしてもよい。
【0077】
また、マップデータ作成に用いる画像は、走行中に撮影した画像であっても、交差点などで一時停止した状態で撮影したものであってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、撮影した画像と時刻情報,位置情報,方位情報を関連付けた情報と、走行経路情報とを記憶しておき、それを地図情報と関連付けることによってマップデータを作成しているが、これに限るものではない。撮影した画像と地図情報とを関連付けることができればよく、例えば、時刻情報や方位情報を省略してもよい。
【0079】
また、上記したマップデータに加えて、音声情報をさらに関連付けたマップデータを作成してもよい。例えば、音声入力部25によって、走行中の撮影時に、ユーザが発した音声を収集し、撮影した画像,時刻情報,位置情報,方位情報などと関連付けて記憶させてもよい。あるいは、ユーザが任意のタイミングでマップデータを作成する際に、音声情報の入力を行い、音声情報を含むマップデータを作成できるようにしてもよい。
【0080】
これにより、例えば、交差点の名称や、交差点付近の目的物となる建物等の名称、特徴点などの音声情報を含むマップデータを作成することができる。また、例えば、マップデータを表示部13に表示する際、ユーザが選択した地図上の位置に対応する音声情報を、音声出力部26から出力するようにしてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、カメラ11によって走行中の車両周囲の画像を常時撮影,録画しておき、ハンドル操舵角が所定角度以上であった場合に、その時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるが、撮影した画像とその時刻,位置,方位などの情報とを関連付けるタイミングは、これに限るものではない。
【0082】
例えば、方位センサ18によって検出した車両の向いている方位が、所定の角度以上変化した場合に、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。あるいは、ハンドル操舵角、および、車両の向いている方位の両方が、所定の角度以上であった場合に、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
【0083】
また、ハンドル操舵角、および/または、車両の向いている方位が所定の角度以上であった場合に加えて、所定の時間経過するごと、所定の距離走行するごと、あるいは、ユーザからの指示があった場合などに、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。また、例えば、ユーザによる方向指示操作(ウインカー操作)があったときに、時刻,位置,方位などの情報を撮影した画像と関連付けて記憶させるようにしてもよい。
【0084】
また、例えば、走行中、常時録画した動画像を、全て、時刻,位置,方位などの情報と関連付けて記憶させておいてもよい。この場合、例えば、目的地までの走行終了後、録画された動画像の中から、ユーザが任意の静止画像を選択して切り出すことによって、マップデータを作成することも可能である。また、走行中に撮影した動画像を常時録画しておく場合、走行中に見過ごしてしまったまわりの風景を、後から見直すこともできる。また、走行経路にかかるムービークリップを作成することもできる。
【0085】
また、本実施形態では、地図情報記憶部22は、ハードディスクからなるものとしたが、これに限るものではない。例えば、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどに予め記憶された地図情報を読み出す構成としてもよい。あるいは、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介してナビゲーション装置1に提供される地図情報を用いる構成としてもよい。
【0086】
また、マップデータ記憶部21についても、ハードディスクに限らず、例えば、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを用いてもよい。あるいは、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介してナビゲーション装置1と接続されている記録媒体を用いてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、マップデータ記憶部21と地図情報記憶部22とを備えているが、両者を共通の記憶部で構成してもよい。また、例えば、予め記憶された地図情報に、撮影した画像データを関連付けたマップデータを付加し、地図情報を順次更新していくようにしてもよい。
【0088】
また、ナビゲーション装置1は、上記したように、アスペクト比が3:7以上という超ワイド画面の液晶パネルからなる表示部13を備えているが、これに限るものではない。例えば、従来、車両に搭載されているナビゲーション装置やテレビ放送用の表示装置の多くに採用されているアスペクト比3:4の表示手段を用いてもよい。
【0089】
なお、本実施形態で用いられるアスペクト比が3:7以上の表示部13では、従来の表示装置のアスペクト比である3:4の表示領域を差し引いても、3:3の正方形状よりワイドな表示領域を残すことができる。このため、表示部13をインストルメントパネルとして用いる場合、この正方形状よりワイドな表示領域に速度計等の計器類を表示することもできる。例えば、速度計は円形のものが最も視認し易いことから好んで用いられるが、残された表示領域が正方形状よりワイドであれば、アスペクト比の短い辺を十分に用いて大きく速度計を表示させることができる。したがって、速度計の視認性が良く、安全性を高く保つことが可能となる。
【0090】
また、近年のナビゲーション装置では、アスペクト比9:15の表示装置を用いて表示するものもあり、このような表示手段を表示部13として用いてもよい。また、従来のアスペクト比9:15の表示手段に表示される画像と、計器類の表示とを、表示部13に表示させたい場合には、表示部13のアスペクト比を9:24以上にしてもよい。また、同様に、テレビ放送では9:16のものもあるが、このようなテレビ放送と、計器類の表示とを表示部13に表示させたい場合には、表示部13のアスペクト比を9:25以上にしてもよい。なお、アスペクト比の上限値については、短辺側の表示サイズが所定値以上であり、解像度が所定値以上であれば、特に制限は無い。
【0091】
また、本実施形態にかかる表示部13では、速度計、エンジン回転数計、燃料残量計などの計器表示と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などの表示とを、同時に表示することが可能となっているが、これに限るものではない。例えば、計器類を表示するための表示部と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などを表示する表示部とを、それぞれ別々に設けてもよい。すなわち、本実施形態にかかる表示部13は、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などを表示可能であればよい。また、表示部13は、マップデータを表示する際、地図情報と撮影した画像とを異なる領域に表示するようにしてもよく、あるいは、地図情報の一部に撮影した画像を重畳させて表示してもよい。
【0092】
また、本実施形態では、表示部13として液晶パネルを用いているが、これに限るものではない。カメラ11によって撮影した画像や地図情報などを表示可能であればよく、例えば、有機EL(Electro Luminesence)パネルや、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などを用いてもよい。
【0093】
また、表示部13に、速度計等の計器表示と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などの表示とを、表示部13に表示させる場合、非常用の表示装置(フェールセーフシステム)をさらに設けてもよい。例えば、表示部13が故障する場合や、表示部13が液晶パネルである場合、低温のために反応速度が実用上好ましい速度に達しない場合などが考えられる。このような場合であっても、運転者が安全運転を継続するためには、速度計等が適切に表示される必要がある。そこで、例えば、透明ELパネルなどからなる非常用表示装置(図示せず)を備えてもよい。これにより、表示部13が故障した場合や、表示不良が生じた場合であっても、非常用表示装置に速度計等を表示することにより、運転者は安全に運転を行うことができる。
【0094】
また、速度計等の計器類と、撮影した画像や、作成したマップデータ、地図情報などの表示とを、表示部13に表示させる場合、例えば、計器類の表示領域の輝度よりも他の表示領域の輝度が高くなりすぎた場合、計器類の視認性が低下する恐れがある。このような事態を避けるために、他の表示領域における輝度が計器類の表示領域の輝度よりも高くならないようにしてもよい。例えば、他の表示領域の輝度が計器類の表示領域の輝度よりも高くなった場合に、他の表示領域の輝度を計器類の表示領域の輝度よりも下げるようにしてもよい。あるいは、他の表示領域の輝度が、あらかじめ定めた閾値よりも高くならないように、他の表示領域における輝度を閾値以下に制限するようにしてもよい。
【0095】
また、ナビゲーション装置1では、4台のカメラ11のうち、自車の向いている方位を向いたカメラ11によって撮影した画像を用いてマップデータの作成を行う。これにより、撮影した画像における、撮影時の方位を容易に把握できる。ただし、これに限らず、自車の向いている方向と異なる方向を撮影した画像を用いてマップデータを作成してもよく、あるいは、カメラ11の撮影方向を可変としてもよい。ただし、例えば方位センサ18の方位検知結果に基づいて、撮影した方位を特定可能であることが好ましい。
【0096】
また、ナビゲーション装置1では、所定の角度範囲について同時に撮影可能な広角レンズを備えたカメラを用いるとしたが、これに限るものではない。例えば、全方位(地表面に略垂直な方向を軸とする360度)の画像を撮影できる全方位カメラを用いてもよい。また、その場合、全方位の画像を瞬時に撮影可能な全方位カメラであってもよく、あるいは、撮影方向を連続的に変化させることによって全方位の撮影を行うものであってもよい。
【0097】
図11は、全方位の画像を瞬時に撮影可能なカメラ11の構成例を説明するための平面図である。この図に示すように、カメラ11は、カメラ部31、凸面鏡32、ケーシング33、ケーシング33の一部をなすカバー部材34によって構成されている。
【0098】
ケーシング33は、略円筒形の形状からなる。そして、ケーシング33の側壁のうち所定長さ部位は、その全周に渡って透明なカバー部材34によって構成されている。ケーシング33内には、カバー部材34の高さ位置に対応して、反射鏡としての凸面鏡32が配置されている。この凸面鏡32の表面は、所定の凸線を光軸となる所定軸線(ケーシング33の上下方向軸線)回りに回転させて得られる凸型回転体の表面となる。上記凸線としては、例えば、円弧線、双曲線、放物線等がある。凸面鏡32は、全体的に下方に向けて凸となるように配設されており、カバー部材34を通して入射される外部からの光が、下方へ向けて反射されるように設定されている。
【0099】
ケーシング33内には、凸面鏡32の下方において、CCDあるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像装置としてのカメラ部31が配置されている。このカメラ部31は、凸面鏡32で反射された外部からの光が入射されて、入射された光に対応した電気信号を出力する。このように、図11の構成では、反射鏡の全周囲が凸となった凸面鏡32であるために、水平方向からみたときに、全方位つまり360度の周囲を撮像可能となっている。
【0100】
また、カメラ11は、少なくとも1方向を撮影可能であればよく、広角レンズを備えたカメラや、全方位カメラに限らず、標準レンズからなるカメラであってもよい。また、カメラの撮影方向は必ずしも固定されている必要はなく、可変としてもよい。また、ユーザの指示に応じて、必要とする撮影方向を選択できるようにしてもよい。この場合、ユーザからの指示を受け付ける入力部を備えておくことが好ましい。
【0101】
また、カメラ11として、赤外線カメラを用いてもよい。あるいは、カメラ11による撮影範囲を照らすための照明手段を備えていてもよい。これらの構成では、夜間においても、マップデータ作成に用いるのに適した画像を撮影できる。
【0102】
また、カメラカメラ11の搭載位置および搭載数量は、図2に示した配置に限るものではない。例えば、図12(a)〜図12(c)に示すような配置にしてもよい。
【0103】
図12(a)の配置例では、前後左右の4方向を少なくとも撮影するために、前方助手席側の端部に前方を撮影するためのカメラ11及び助手席側側方を撮影するためのカメラ11を備えており、また、前方運転席側の端部に運転席側側方を撮影するためのカメラ11を備えており、さらには、後方運転席側の端部に後方を撮影するカメラを備えている。
【0104】
図12(b)の配置例では、さらに詳細に全方位の画像を撮影すべく、図12(a)に比べてカメラ11の数を追加したものである。すなわち、図12(a)のように配置されたカメラ11に加えて、前方助手席側の端部に助手席側前方を撮影するカメラ11を設け、また、前方運転席側の端部に前方の画像を撮影するカメラ11を配置している。このように、前方の画像を3台以上のカメラ11に分割して分担させることによって、死角なく撮影することが可能となる。
【0105】
図12(c)は、車両の前方助手席側の端部に、車両前方を撮影するカメラ11及び助手席側側方を撮影するカメラ11が備えられ、また、前方運転席側の端部に運転席側側方を撮影するカメラ11が備えられ、さらには、後方運転席側の端部に後方を撮影するカメラ11が備えられている。この場合、自車の車体によって死角が生じることを確実に防止できる。
【0106】
また、カメラ11は、例えば、車両内に格納されており、撮影時にのみ車両外部に露出して撮影可能となるものであってもよい。
【0107】
また、本実施形態では、GPSを用いて自車の現在位置(緯度経度)を検出するものとしたが、位置検出手段はこのような構成に限るものではなく、例えば、方位センサや走行距離センサなどを備え、出発地点の情報、自動車等の走行方向、走行速度、走行距離などをもとに現在位置の変化を追跡する、いわゆる自律航法によって自車の現在位置を検出するようにしてもよい。
【0108】
また、本実施形態における操作入力部12は、複数の入力キーからなるとしたが、これに限るものではない。例えば、操作入力部12として、表示部13を兼用してもよい。つまり、表示部13に運転者による入力が可能な項目を表示し、運転者が、所望する項目が表示されている表示領域に触れることにより、制御部24に指示を与えるようにしてもよい。あるいは、操作入力部12として、マウスやスティック状の操作装置などを設けてもよい。また、オーディオシステムなどの操作入力部を兼用するようにしてもよい。また、ドアミラー(フェンダーミラー)の角度等を電動で調整できるシステムを備える場合、これらの操作手段を兼用してもよい。
【0109】
また、本実施形態では、ナビゲーション装置1の電源として、エンジン起動用のバッテリーを用いるとしたが、これに限らず、ナビゲーション装置1用の電源供給手段を別途備えてもよい。例えば、電池や充電池によって駆動させるようにしてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、ユーザが操作入力部12を介してナビゲーション装置1の電源をONにする指示を与えるものとしたが、これに限るものではない。例えば、ナビゲーション装置1が搭載される車両に、イグニッションキーがONにされたことを検知する手段を備え、イグニッションキーがONされた時にナビゲーション装置1の電源をONさせるようにしてもよい。また、例えば、運転席のドアが開閉されたとき、ドアの施錠が開錠されたとき、などにナビゲーション装置1の電源をONさせるようにしてもよい。
【0111】
また、ナビゲーション装置1は、車両に搭載されるものとしたが、本実施形態における車両とは、自動車に限らず、自動二輪車、自転車などを含む。また、ナビゲーション装置1は、車両に限らず、例えばヘリコプターや航空機、船舶など、あらゆる移動体(移動手段)に搭載することができる。また、ナビゲーション装置1は、必ずしも移動体に備え付けられるものでなくてもよく、例えば、これらの移動体に脱着可能に備えられてもよい。
【0112】
また、例えば、ナビゲーション装置1を使用者によって持ち運び可能な構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置1を単独で持ち運び可能な構成としてもよく、あるいは、携帯電話,PHS(Personal Handyphone System、登録商標),PDA(Personal Digital Assistant),ノートパソコン等の移動端末装置に備えるようにしてもよい。これにより、例えば、使用者がナビゲーション装置1を携帯しながら移動した経路に関するマップデータを作成することができる。もちろん、持ち運び可能な構成からなるナビゲーション装置1を、上記した各移動体に載置して使用してもよい。
【0113】
以上のように、本発明のマップデータ作成装置は、周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えている。
【0114】
ここで、マップデータとは、移動中に撮影した画像データを地図情報に関連付けて付加したデータを意味する。なお、移動中とは、移動に係る期間中であることを意味しており、例えば、移動動作を行いながら撮影したものであっても、移動期間中において移動動作を一時停止した状態で撮影したものであってもよい。例えば、本発明のマップデータ作成装置を自動車に搭載する場合、走行中に撮影したものであっても、あるいは、交差点などで一時停止した状態で撮影したものであってもよい。また、上記地図情報提供手段は、予め記憶されている地図情報を提供するものであり、マップデータ作成装置に装着または接続される記憶手段であってもよく、あるいは、通信によってマップ装置に地図情報を提供するものであってもよい。
【0115】
上記の構成によれば、撮影手段によって撮影した画像データを、撮影時の位置情報および地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0116】
また、画像データを含む情報を記憶する画像データ記憶手段を備え、上記制御手段は、上記撮影手段に連続的に撮影を行わせ、撮影した画像データを、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報に関連付けて上記画像データ記憶手段に記憶させるとともに、上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データの一部を抽出し、抽出した画像データを、上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0117】
上記の構成によれば、上記制御手段が、上記撮影手段に連続的に撮影を行わせるので、ユーザは移動中に撮影操作を行う必要がなく、マップデータの作成にかかるユーザの負担を軽減できる。
【0118】
また、進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段とを備えた移動体に備えられ、上記制御手段は、上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が、所定の角度以上であった地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0119】
ここで、移動体とは、自動車、自動二輪車、自転車、ヘリコプター、航空機、船舶など、あらゆる移動手段を含む。
【0120】
上記の構成によれば、所定角度以上の操舵がなされた地点の近傍で撮影した画像が、マップデータに反映される。これにより、上記移動体が右左折等を行った地点の近傍における画像を反映したマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内に用いる場合、右左折すべき交差点等の周囲の状況を把握しやすくなる。
【0121】
また、進行方向の方位を検知する進行方位検知手段を有する移動体に備えられ、上記制御手段は、上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記進行方位検知手段によって検知した方位が、所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもとよい。
【0122】
上記の構成によれば、進行方向の方位が所定角度以上変化した地点の近傍で撮影した画像が、マップデータに反映される。これにより、上記移動体が右左折等を行った地点の近傍における画像を反映したマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内に用いる場合、右左折すべき交差点等の周囲の状況を把握しやすくなる。
【0123】
また、進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段と、進行方向の方位を検知する進行方位検知手段とを備えた移動体に備えられ、上記制御手段は、上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が所定の角度以上であり、かつ、上記進行方位検知手段によって検知した方位が所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0124】
上記の構成によれば、所定角度以上の操舵がなされ、かつ、進行方向の方位が所定角度以上変化した地点の近傍で撮影した画像が、マップデータに反映される。これにより、上記移動体が右左折等を行った地点の近傍における画像を反映したマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内に用いる場合、右左折すべき交差点等の周囲の状況を把握しやすくなる。
【0125】
また、ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、上記制御手段は、上記入力手段に対するユーザの指示に応じて、上記抽出する画像データを決定する構成としてもよい。
【0126】
上記の構成によれば、ユーザが、所望する地点の画像を選択し、それを反映させたマップデータを作成することができる。
【0127】
また、移動経路情報を記憶する移動経路記憶手段を備え、上記制御手段は、上記移動経路記憶手段に記憶した移動経路情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0128】
上記の構成によれば、ユーザが走行中にマップデータ作成にかかる処理を何ら行うことなく、走行経路に関するマップデータを作成できる。
【0129】
また、ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、上記制御手段は、上記入力手段を介して入力されたルート設定情報を上記移動経路情報とする構成としてもよい。
【0130】
上記の構成によれば、ユーザが走行中にマップデータ作成にかかる処理を何ら行うことなく、設定したルートに関するマップデータを作成できる。
【0131】
また、時刻を計時する計時手段を備え、上記制御手段は、上記位置検知手段によって検知した位置情報と、上記計時手段から供給された時刻情報とに基づいて、上記移動経路情報を作成する構成としてもよい。
【0132】
上記の構成によれば、ユーザが走行中にマップデータ作成にかかる処理を何ら行うことなく、実際に走行した走行経路に関するマップデータを作成できる。
【0133】
また、上記制御手段は、上記撮影手段によって撮影した画像データを、上記計時手段から供給された撮影時の時刻情報と関連付け、上記時刻情報に関連付けた画像データを、上記位置情報と上記移動経路情報と地図情報とに関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0134】
上記の構成によれば、撮影した画像データを撮影時の時刻情報と関連付け、上記時刻情報に関連付けた画像データを、上記位置情報と上記移動経路情報と地図情報とに関連付けてマップデータを作成する。このため、撮影した画像データを、位置情報、移動経路情報、地図情報に適切に関連付けることができる。
【0135】
また、上記撮影手段の撮影方位を検知する撮影方位検知手段を備え、上記制御手段は、上記撮影方位検知手段によって検知した方位情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0136】
上記の構成によれば、撮影した画像の撮影方向の方位を反映させたマップデータを作成できる。このため、例えば、作成したマップデータを道案内などに用いる場合、右左折すべき交差点の状況などを、より適切に把握できる。
【0137】
また、音声を収集して音声データに変換する音声入力手段を備え、上記制御手段は、上記音声入力手段を介して入力された音声データと、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する構成としてもよい。
【0138】
上記の構成によれば、音声データと、撮影した画像データと、地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。これにより、例えば、右左折すべき交差点の名称や、交差点付近の目的物となる建物等の名称、特徴点などの音声データを含むマップデータを作成することができる。
【0139】
また、マップデータを表示する表示手段を備えた構成としてもよい。この場合、作成したマップデータを、上記表示手段によってユーザに呈示することができる。
【0140】
また、他の装置との間でマップデータの通信を行う通信手段を備えた構成としてもよい。ここで、上記通信手段は、無線によってデータを通信するものであってもよく、通信用のケーブル等を介してデータを通信するものであってもよい。また、送信および受信の両方を行うものであっても、いずれか一方のみを行うものであってもよい。また、マップデータ作成装置に対して分離可能に備えられる記録媒体、または、マップデータ作成装置に接続される記録媒体を介して、他の装置との間でマップデータの受け渡し(通信)を行うものであってもよい。
【0141】
上記の構成によれば、他の装置との間で、マップデータの通信が可能となる。これにより、例えば、送信可能な通信手段を備える場合、道案内のために作成したマップデータを、友人などに送信することができる。また、例えば、印刷装置、あるいは印刷装置に接続可能な装置にマップデータを送信し、紙面等にプリントアウト(印刷)することも可能である。また、受信可能な通信手段を備える場合、例えば、他の装置によって作成されたマップデータを受け取ることができる。さらに、表示手段を備えている場合には、受け取ったマップデータを表示することもできる。
【0142】
本発明の移動体は、上記の課題を解決するために、上記したいずれかのマップデータ作成装置を備えていることを特徴としている。
【0143】
上記の構成によれば、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる移動体を実現できる。
【0144】
本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを、上記検出した位置情報に関連付ける工程と、上記位置情報に関連付けた画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0145】
上記の方法によれば、撮影した画像データを、撮影時の位置情報と関連付け、さらに地図情報に関連付けることができる。これにより、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成できる。
【0146】
また、本発明のマップデータ作成方法は、周囲の画像を連続的に撮影する工程と、撮影時の位置を検出する工程と、撮影した画像データを上記検出した位置情報に関連付けて記憶する工程と、上記位置情報に関連付けて記憶した画像データの一部を抽出する工程と、上記抽出した画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0147】
上記の方法によれば、連続的に撮影を行うので、ユーザが移動中に撮影操作を行うことなく、移動中に撮影した周囲の画像と地図情報とを関連付けたマップデータを作成でき、マップデータの作成にかかるユーザの負担を軽減できる。
【0148】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明のマップデータ作成装置は、自動車、自動二輪車、自転車、ヘリコプター、航空機、船舶など、あらゆる移動体(移動手段)に搭載することができる。また、これらの移動体に脱着可能に備えることもできる。また、本発明のマップデータ作成装置は、単独で持ち運び可能な構成とすることもできる。あるいは、携帯電話,PHS(Personal Handyphone System、登録商標),PDA(Personal Digital Assistant),ノートパソコン等の移動端末装置に備えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置における処理の一例を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって作成したマップデータを表示した表示部を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像の他の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって、撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置によって撮影された画像のさらに他の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの一構成例を示す断面図である。
【図12(a)】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置の一変形例を示す説明図である。
【図12(b)】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置の他の変形例を示す説明図である。
【図12(c)】本発明の一実施形態にかかるナビゲーション装置に備えられるカメラの、搭載位置のさらに他の変形例を示す説明図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、
上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えていることを特徴とするマップデータ作成装置。
【請求項2】
画像データを含む情報を記憶する画像データ記憶手段を備え、
上記制御手段は、
上記撮影手段に連続的に撮影を行わせ、撮影した画像データを、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報に関連付けて上記画像データ記憶手段に記憶させるとともに、
上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データの一部を抽出し、抽出した画像データを、上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項3】
進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段とを備えた移動体に備えられ、
上記制御手段は、
上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が、所定の角度以上であった地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項4】
進行方向の方位を検知する進行方位検知手段を有する移動体に備えられ、
上記制御手段は、
上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記進行方位検知手段によって検知した方位が、所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項5】
進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段と、進行方向の方位を検知する進行方位検知手段とを備えた移動体に備えられ、
上記制御手段は、
上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が所定の角度以上であり、かつ、上記進行方位検知手段によって検知した方位が所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項6】
ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、
上記制御手段は、
上記入力手段に対するユーザの指示に応じて、上記抽出する画像データを決定することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項7】
移動経路情報を記憶する移動経路記憶手段を備え、
上記制御手段は、
上記移動経路記憶手段に記憶した移動経路情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項8】
ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、
上記制御手段は、
上記入力手段を介して入力されたルート設定情報を上記移動経路情報とすることを特徴とする請求項7に記載のマップデータ作成装置。
【請求項9】
時刻を計時する計時手段を備え、
上記制御手段は、
上記位置検知手段によって検知した位置情報と、上記計時手段から供給された時刻情報とに基づいて、上記移動経路情報を作成することを特徴とする請求項7に記載のマップデータ作成装置。
【請求項10】
上記制御手段は、
上記撮影手段によって撮影した画像データを、上記計時手段から供給された撮影時の時刻情報と関連付け、
上記時刻情報に関連付けた画像データを、上記位置情報と上記移動経路情報と地図情報とに関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項9に記載のマップデータ作成装置。
【請求項11】
上記撮影手段の撮影方位を検知する撮影方位検知手段を備え、
上記制御手段は、
上記撮影方位検知手段によって検知した方位情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項12】
音声を収集して音声データに変換する音声入力手段を備え、
上記制御手段は、上記音声入力手段を介して入力された音声データと、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項13】
マップデータを表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項14】
他の装置との間でマップデータの通信を行う通信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項15】
周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、
上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えているマップデータ作成装置、を備えた移動体。
【請求項16】
周囲の画像を撮影する工程と、
撮影時の位置を検出する工程と、
撮影した画像データを、上記検出した位置情報に関連付ける工程と、
上記位置情報に関連付けた画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴とするマップデータ作成方法。
【請求項17】
周囲の画像を連続的に撮影する工程と、
撮影時の位置を検出する工程と、
撮影した画像データを上記検出した位置情報に関連付けて記憶する工程と、
上記位置情報に関連付けて記憶した画像データの一部を抽出する工程と、
上記抽出した画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴とするマップデータ作成方法。
【請求項1】
周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、
上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えていることを特徴とするマップデータ作成装置。
【請求項2】
画像データを含む情報を記憶する画像データ記憶手段を備え、
上記制御手段は、
上記撮影手段に連続的に撮影を行わせ、撮影した画像データを、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報に関連付けて上記画像データ記憶手段に記憶させるとともに、
上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データの一部を抽出し、抽出した画像データを、上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項3】
進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段とを備えた移動体に備えられ、
上記制御手段は、
上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が、所定の角度以上であった地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項4】
進行方向の方位を検知する進行方位検知手段を有する移動体に備えられ、
上記制御手段は、
上記画像データ記憶手段に記憶させた画像データのうち、上記進行方位検知手段によって検知した方位が、所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項5】
進行方向を切り替える操舵手段と、上記操舵手段の操舵角を検知する操舵角検知手段と、進行方向の方位を検知する進行方位検知手段とを備えた移動体に備えられ、
上記制御手段は、
上記操舵角検知手段によって検知した操舵角が所定の角度以上であり、かつ、上記進行方位検知手段によって検知した方位が所定の角度以上変化した地点の近傍において撮影した画像の一部を抽出し、抽出した画像データを上記地図情報に関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項6】
ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、
上記制御手段は、
上記入力手段に対するユーザの指示に応じて、上記抽出する画像データを決定することを特徴とする請求項2に記載のマップデータ作成装置。
【請求項7】
移動経路情報を記憶する移動経路記憶手段を備え、
上記制御手段は、
上記移動経路記憶手段に記憶した移動経路情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項8】
ユーザからの指示を受け付ける入力手段を備え、
上記制御手段は、
上記入力手段を介して入力されたルート設定情報を上記移動経路情報とすることを特徴とする請求項7に記載のマップデータ作成装置。
【請求項9】
時刻を計時する計時手段を備え、
上記制御手段は、
上記位置検知手段によって検知した位置情報と、上記計時手段から供給された時刻情報とに基づいて、上記移動経路情報を作成することを特徴とする請求項7に記載のマップデータ作成装置。
【請求項10】
上記制御手段は、
上記撮影手段によって撮影した画像データを、上記計時手段から供給された撮影時の時刻情報と関連付け、
上記時刻情報に関連付けた画像データを、上記位置情報と上記移動経路情報と地図情報とに関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項9に記載のマップデータ作成装置。
【請求項11】
上記撮影手段の撮影方位を検知する撮影方位検知手段を備え、
上記制御手段は、
上記撮影方位検知手段によって検知した方位情報と、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項12】
音声を収集して音声データに変換する音声入力手段を備え、
上記制御手段は、上記音声入力手段を介して入力された音声データと、上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項13】
マップデータを表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項14】
他の装置との間でマップデータの通信を行う通信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のマップデータ作成装置。
【請求項15】
周囲を撮影する撮影手段と、自身の位置を検知する位置検知手段と、地図情報を提供する地図情報提供手段とを備え、
上記撮影手段によって撮影した画像データと、上記位置検知手段によって検知した撮影時の位置情報と、上記地図情報とを関連付けてマップデータを作成する制御手段を備えているマップデータ作成装置、を備えた移動体。
【請求項16】
周囲の画像を撮影する工程と、
撮影時の位置を検出する工程と、
撮影した画像データを、上記検出した位置情報に関連付ける工程と、
上記位置情報に関連付けた画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴とするマップデータ作成方法。
【請求項17】
周囲の画像を連続的に撮影する工程と、
撮影時の位置を検出する工程と、
撮影した画像データを上記検出した位置情報に関連付けて記憶する工程と、
上記位置情報に関連付けて記憶した画像データの一部を抽出する工程と、
上記抽出した画像データを地図情報に関連付け、マップデータを作成する工程とを含むことを特徴とするマップデータ作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図12(c)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図12(c)】
【公表番号】特表2008−500561(P2008−500561A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545831(P2006−545831)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/JP2005/010448
【国際公開番号】WO2005/119630
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/JP2005/010448
【国際公開番号】WO2005/119630
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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