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マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤
説明

マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤

【解決課題】天然物由来のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を提供する。
【解決手段】イチョウ葉エキス、クミスチンエキス、ビワ葉エキスから選ばれる少なくとも1種類の植物抽出物を含有するマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含有する皮膚外用剤、老化防止剤、食品、化粧品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
植物より抽出したマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤に関する。より詳しくは、天然物由来のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及び/又はエラスターゼ活性阻害剤、及びこれを含有する皮膚外用剤、老化防止剤、食品、及び化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の構造は、最上層から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層に分かれている。表皮の最上層にある「角質層」は、皮膚の最も外側にあって、外気や紫外線など様々な外的な刺激にさらされている。表皮は外部環境に晒されており、外部環境に応じて皮脂腺や汗腺を開口させて皮脂や汗を分泌する。表皮の厚さは0.2mm〜0.07mmで、外側から角質層・顆粒層・有棘層・基底層から成っている。皮膚のターンオーバー(新陳代謝)は表皮の最下層の基底層で生まれて、一定の周期で最上層の角質層へ押し上げられ、やがて剥がれ落ちていく。皮膚表面には、皮脂膜が広がっており、この皮脂膜は、皮脂や汗から構成された天然のクリームで、乾燥や外部の刺激から肌を守っている。肌の乾燥やトラブル、肌老化の進行は、皮脂膜の不足が大きな影響を与える。
【0003】
表皮の最上層である角質層は、厚さ約0.02mmで、薄い角質細胞が層状に10数枚から20枚が重なり合って形成されている。正常な角質層は異物の侵入を防ぐなどバリア機能を有しており、肌健康を維持するうえで大変重要な層である。通常、角質層は「肌がなめらか」「肌が荒れている」「肌が潤っている」などの表現で角質層の健康状態が表されている。
【0004】
表皮の下に保護され外部からのダメージを受けにくい真皮は、水分を保持して皮膚の機能を支えている。繊維芽細胞で生成されたコラーゲンやエラスチンといった繊維成分とヒアルロン酸など保湿成分により皮膚の弾力性を保持するスポンジ構造を形成している。
【0005】
皮膚は、それぞれの層において、肌を保護し健やかに保ち、免疫情報を介して生体を防御する機能を有しているが、加齢による免疫力の低下・気温等の外部環境の変化・紫外線・外界の刺激・異物の過剰摂取等様々な要因により肌の健康機能は衰えてシワ・シミ・クスミ・タルミ・肌荒れなどの肌トラブルや老化現象が表れる。
【0006】
老化のメカニズムは明らかではないが、皮膚の場合、生体の最外層に位置して、生体防御の最前線の役割を担っていることから、環境因子による障害の蓄積が皮膚加齢現象に大きく作用していると考えられる。とりわけ紫外線は皮膚加齢、シワ形成に関与する最大の環境因子と考えられる。すなわち、紫外線により産生されるフリーラジカル(特に活性酸素)は日焼けなどの急性炎症のみでなく、慢性的に繰り返されることにより光老化を誘発することが知られている。詳細には、紫外線により発生する各種フリーラジカルや活性酸素(スーパーオキシド、ハイドロキシラジカル、一重項酸素等)は真皮成分のDNA−蛋白クロスリンク(架橋結合)、コラーゲンやエラスチンなどの蛋白クロスリンクの障害、変性、SODなどの抗酸化酵素の不活化、細胞成分の膜脂質過酸化とこれによる細胞機能の劣化などを惹起し、その結果として老化、シワが形成される。
【0007】
近年研究が進み、シワ形成の原因としては、コラーゲン、エラスチン等の真皮マトリックスの線維減少、変性によるものであることが明らかになってきた。これを誘導する因子として、特にマトリックスメタロプロテアーゼ(和名:マトリックス金属タンパク分解酵素、以下「MMPs」と記す。)の関与が指摘されている。MMPsは、活性部位に亜鉛(II)イオンを保有する細胞外マトリックス分解酵素の総称である。また、MMPsはその構造と基質特異性の違いから、コラゲナーゼ(MMP―1)、ゼラチナーゼ(MMP―2及び9)、ストロメライシン(MMP―3及び10)などの酵素分子種が知られている。コラゲナーゼ(MMP―1)及びゼラチナーゼ(MMP―2)はゼラチン、IV型コラーゲン(基底膜)、V型コラーゲン、フィブロネクチン(軟結合組織及び基底膜に存在する高度にクロスリンクした高分子の多機能性糖タンパク質)及びエラスチン(動脈、腱、皮膚などの弾性組織の特殊成分をなす構造タンパク質)を変性させることが知られている。
MMPsの中でも、MMP―1は皮膚の真皮マトリックスの主な構成成分であるコラーゲンを分解する酵素であり、紫外線の照射(UV−B)により障害を受けた表皮細胞でIL−1βという炎症性サイトカインを真皮に放出し、IL−1βは真皮細胞に移行し、MMP―1を産生させ、コラーゲン減少および変性の原因の一つとなり、シワ形成の一つの大きな要因であると考えられている。また、MMP―3は、紫外線の照射により増加することが確認され、プロテオグリカンのコア蛋白、IV型コラーゲン、ラミニン、IX型コラーゲン等を分解することが知られている。したがって、これらMMP―1、MMP―3を阻害することは、コラーゲンを保護し、繊維を形成する真皮マトリックスを保護することとなり、シワ形成を防ぐうえで重要である。このようなシワ形成を防ぐ方法の一つにMMPs活性阻害剤が知られている。
MMPs活性阻害剤として、植物由来のブドウ種子エキスがコラゲナーゼ(MMP―1)を阻害することが報告されている(特許文献1)。また、トウダイグサ科アカメガシワがMMP―1、MMP―9、及びMMP―13を総合的に阻害することが報告されている(特許文献2)。
しかし、これらは細胞外に分泌されたMMPsの酵素活性を阻害するものであり、産生を抑制するものではない。上記より、MMPsの中でMMP−1及びMMP−3の産生を抑制することが根本的にMMP−1及びMMP−3の阻害に繋がり、シワ形成抑制に効果があるため、産生抑制剤が望まれている。ピリドンカルボン酸化合物を有効成分とするMMP―1の産生抑制剤が報告されている(特許文献3)が、より安全性が高い天然物由来のMMP―1、MMP―3産生抑制剤が望まれている。
また、上記MMPs活性・産生阻害剤とは別に、シワ形成の原因であるエラスチンの減少、変性を予防するためのエラスターゼ活性阻害剤が報告されている(特許文献4及び5)。エラスチンは、コラーゲンに絡みつくように存在するコイル状の分子構造をしたタンパク質であり、ゴムのような弾力性を持つため、皮膚の張りや弾力等を保つ大きな要因となっている。このため、エラスチンの減少や分解は皮膚の張りが失われるとともに、弾力性も低下する。エラスチンを分解する酵素であるエラスターゼは、紫外線の照射により活性化することが知られており、これによりエラスチンの分解が加速し、皮膚の張りや弾力等を低下させている。そのため、エラスターゼの活性を阻害することにより、エラスチンの分解が抑制され、皮膚の老化を予防・改善することが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−71294号公報
【特許文献2】特開2009−091284号公報
【特許文献3】特開2002−201130号公報
【特許文献4】特開2004−018493号公報
【特許文献5】特開2010−215536号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】M.Kylmanimi et al.,:J.Dent.Res.,75,919-926,1996
【非特許文献2】吉原, 新名:炎症と免疫,2,177−185,1994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、天然物由来のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑及び/又はエラスターゼ活性阻害剤を提供することである。本発明の別の目的は、このようなマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及び/又はエラスターゼ活性阻害剤を含有する皮膚外用剤、老化防止剤、食品及び化粧品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために鋭意研究を積み重ねた結果、本発明者らは、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスがマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、より具体的にはMMP−1およびMMP−3の産生抑制作用、並びにエラスターゼ活性阻害作用を兼ね備えていることを見出した。
すなわち、本発明の特徴は、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、および、ビワ葉エキスからなる植物エキス群から選択される少なくとも1種類の植物エキスを含有することで、マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用とエラスターゼ活性阻害作用とを兼ね備えたことを特徴とする、酵素産生抑制及び酵素活性阻害剤(A)である。
本発明の別の特徴は、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、および、ビワ葉エキスからなる植物エキス群から選択される少なくとも1種類の植物エキスを含有することを特徴とする、マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤(B)である。
本発明の別の特徴は、クミスクチンエキスを含有することを特徴とするエラスターゼ活性阻害剤(C)である。
本発明の別の特徴は、上記酵素産生抑制及び酵素活性阻害剤(A)、上記マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤(B)、又は、上記エラスターゼ活性阻害剤(C)を含有する皮膚外用剤である。
本発明の別の特徴は、上記酵素産生抑制及び酵素活性阻害剤(A)、上記マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤(B)、又は、上記エラスターゼ活性阻害剤(C)を含有することを特徴とする老化防止剤である。
本発明の別の特徴は、上記酵素産生抑制及び酵素活性阻害剤(A)、上記マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤(B)、又は、上記エラスターゼ活性阻害剤(C)を含有する食品である。
本発明の別の特徴は、上記酵素産生抑制及び酵素活性阻害剤(A)、上記マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤(B)、又は、上記エラスターゼ活性阻害剤(C)を含有することを特徴とする化粧品である。
【発明の効果】
【0012】
マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスの少なくとも1種類を含有するマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤、皮膚外用剤、老化防止剤、食品、又は化粧品を提供することができる。
マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスの少なくとも1種類を含有するマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤、皮膚外用剤、老化防止剤、食品、又は化粧品を提供することができる。
エラスターゼ活性阻害作用を有するクミスクチンエキスを含有するエラスターゼ活性阻害剤、皮膚外用剤、老化防止剤、食品、又は化粧品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、各種植物から抽出したエキスを添加した時の細胞外MMP−1産生量を示す。
【図2】図2は、各種植物から抽出したエキスを添加した時の細胞内MMP−1産生量を示す。
【図3】図3は、各種植物から抽出したエキスを添加した時の細胞内及び細胞外のMMP−1産生量の結果を積算値として示す。
【図4】図4は、各種植物から抽出したエキスを添加した時の細胞外MMP−3産生量を示す。
【図5】図5は、各種植物から抽出したエキスを添加した時の細胞内MMP−3産生量を示す。
【図6】図6は、各種植物から抽出したエキスを添加した時の細胞内及び細胞外のMMP−3産生量の結果を積算値として示す。
【図7】図7は、各種植物から抽出したエキスを100μg/mlで添加した時の細胞毒性を調べた結果を示す。
【図8】図8は、各種植物から抽出したエキスを50μg/mlで添加した時の細胞毒性を調べた結果を示す。
【図9】図9は、各種植物から抽出したエキスを50μg/mlで添加した時のエラスターゼ活性阻害率を調べた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤は、イチョウ(Ginkgo biloba)、クミスクチン(Orthosiphon aristatus)、ビワ(Eriobotrya japonica)から選ばれる植物から抽出したエキスである。上記植物は、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部(樹皮)などの地上部および根、塊茎などの地下部、種子、果実、樹脂など全ての部位(以下「原体」と称する)が使用可能である。
植物エキス調製方法は、原体を乾燥し又は乾燥することなく粉砕した後、常温又は加温下に、溶剤により抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。ここで、使用される溶剤は特に限定されず、例えば、水(精製水)、メチルアルコール、エチルアルコール等の1級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、酢酸エチルエステル等の低級アルキルエステル、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素、エチルエーテル、アセトン等の公知の溶媒が挙げられ、これら溶媒は、1種又は2種以上を組み合せて使用することができる。
【0015】
原体からの好ましい抽出方法としては、各植物の乾燥粉砕物0.1〜10kgに対して1〜100倍の溶媒を加え、5〜121℃で0.5〜24時間抽出する。抽出後、濾過を行って固形物を取り除き抽出液を得る。このように得られた植物エキスは、抽出された溶液のまま使用しても良いが、さらに必要により、濾液をエバポレーター等で減圧濃縮を行った後、噴霧乾燥してエキス粉末として使用することができる。
【0016】
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤は、賦形剤などの添加剤と混合して非経口投与,経口投与又は外部投与に適した、医薬品,医薬部外品,食品,化粧品の形で使用することができる。食品においては、油脂製品や乳化製品、清涼飲料等に添加することができる。医薬品では経口剤,外用剤,注射剤,吸入剤,点鼻・点眼剤等に添加することができ、これらの使用方法に応じて、錠剤,液剤,注射剤,軟膏,クリーム,ローション,エアゾール剤,座剤等の所望の剤型にすることができる。また、必要に応じて賦形剤,基剤,乳化剤,安定剤,溶解助剤,矯味剤,保存剤,芳香剤,着色剤,コーティング剤などを適宜配合することができる。医薬部外品・化粧品としては、化粧水,乳液,クリーム等に添加することができ、必要に応じて油分,保湿剤,紫外線吸収剤,水溶性高分子,酸化防止剤,界面活性剤,金属イオン封鎖剤,抗菌防腐剤等が配合できる。
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含有する医薬品として利用する場合の投与量は、患者の年齢,症状等により大きく変動するが、一般には、経口投与の場合、乾燥重量として1〜2000mg/日の範囲である。食品や化粧品に配合する場合は、その効果や添加した際の香り、色調の点から考え、0.01〜50重量%の濃度範囲とすることが望ましい。
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスは、細胞内MMP−1およびMMP−3の産生を強く抑制することから、MMP−1およびMMP−3が関与する疾患の予防、治療剤に有用であると考えられる。
MMP−1およびMMP−3が関与する疾患の予防、治療剤に用いられる形態として錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤としての経口剤には、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を配合して常法に従って製造される。これら製剤中のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤の配合量は特に限定されるものではなく適宜設計することができる。この種の製剤には本発明の組成物の他に、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を適宜に使用することができる。
ここで、結合剤としてデンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等を例示できる。崩壊剤としてはデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等を例としてあげることができる。流動性促進剤では、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等を例としてあげることができる。また、マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤、エラスターゼ活性阻害剤は懸濁液、エマルション剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与することができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を含有させてもよい。
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含有する組成物は、例えば、錠剤、またはトローチ剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性散剤または顆粒剤、エマルション、シロップまたはエリキシルのような経口使用に適した形であり得る。経口使用を対象とする組成物は、本発明のエキスを含有する組成物を製造するための当技術分野で公知のいずれかの方法にしたがって調製でき、このような組成物には、甘味料、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含めてもよい。錠剤には、本発明のエキスを含有する組成物が、錠剤の製造に適している、非毒性の製薬上許容される賦形剤との混合物で含まれる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、造粒および崩壊剤、結合剤、および滑沢剤であり得る。錠剤はコーティングを施してなくてもよいし、消化管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたって持続作用を提供するために、既知の技術によってコーティングを施してもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用できる。
水性懸濁液には、本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含有する組成物が、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物で含まれる。このような賦形剤としては、カルボキシメチル−セルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムなどの沈殿防止剤があり、分散剤または湿潤剤としては、天然リン脂質、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトールとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルと無水ヘキシトールとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであり得る。
また、本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含有する組成物の形は果実のジュース、その抽出物、果汁濃縮物、ノニオイル、葉粉末、または葉抽出物であり得る。本発明のコラーゲン産生促進剤を含有する組成物は、哺乳類のインビボ治療に適した、種々の担体または栄養補助組成物に組み込まれる。本発明のコラーゲン産生促進剤を含有する組成物は歯磨き剤ペーストまたはゲル、散剤、顆粒剤、崩壊錠、マウスウォッシュ、トローチ剤またはチューインガムに組み込むことができる。
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含む組成物は、水、香味剤、活性化合物、乳化剤、アルコール、甘味料、増粘剤、界面活性剤、沈殿防止剤、収れん剤および調色薬抽出物、矯味矯正物、研磨剤または光沢剤、脱臭剤、保存料、矯味緩衝剤、増白剤、創治癒および炎症阻害物質、着色剤、染料、顔料、研磨剤、光沢剤、抗菌剤、pH緩衝剤およびその他の添加剤ならびに充填剤をさらに含んでいてもよい。
また、本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含有する組成物は、食品組成物としても利用することができる。食品組成物としては、前述のようにして得られる本発明のMMP−1およびMMP−3の産生抑制作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスをそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、茶、スープ、豆乳、サラダ油、ドレッシング、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、ケーキミックス、粉末状または液状の乳製品、パン、クッキー等に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉等の賦形剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品等として利用できる。これらの食品類あるいは食用組成物における本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及び/又はエラスターゼ活性阻害剤の配合量は、当該食品や組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、0.01〜90重量%、より好ましくは0.1〜80重量%である。配合量が0.01重量%未満では経口摂取による所望の効果が小さく、90重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なったり当該食品を調製できなくなる場合がある。
さらに、本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含有する組成物の少なくとも何れか1種を含む皮膚外用剤として用いると、加齢や紫外線により促進される皮膚老化の防止、改善に有効な皮膚外用剤を提供することができる。
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含有する組成物を用いた皮膚外用剤としては、ローション、懸濁液、乳剤、クリーム、軟膏、粉末等の形態をとることができる。またさらに、柔軟性化粧水、収斂性化粧水、洗浄用化粧水等の化粧水類、エモリエントクリーム、モイスチュアクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップクリーム等のクリーム類、エモリエント乳液、ナリシング乳液、クレンジング乳液等の乳液類、ゼリー状パック、ピールオフパック、洗い流しパック、粉末パック等のパック類、美容液、洗顔料、化粧下地用ローションまたはクリーム、乳液状、クリーム状、軟膏状、固形状の各種ファンデーション等のメイクアップ化粧料、日焼け止めローションまたはクリーム等の日焼け止め化粧料、ハンドローションまたはクリーム、レッグローションまたはクリーム、ボディローションまたはクリーム等のボディ化粧料といった種々の製剤形態として提供することができる。(また、リポソームやマイクロカプセルに内包させた状態とすることもできる。)
なお、本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、及びエラスターゼ活性阻害作用を有するイチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを含有する組成物には、本発明の特徴を損なわない範囲で、保湿剤、美白剤、抗酸化剤、防菌防黴剤、紫外線吸収剤、顔料、色素類、香料等、皮膚外用剤添加成分を加えることもできる。
本発明の化粧料には、上記必須成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で通常の化粧料に配合されている油剤、界面活性剤、pH調節剤、セラミド類、擬セラミド類、保湿剤、ステロール類、アルコール類、キレート剤、抗炎症剤、一重項酸素消去剤、紫外線吸収剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を必要に応じて配合することができる。
ここで用いる油剤としては特に限定されないが、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、乳酸ミリスチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸セチル、乳酸セチル、1−イソステアロイル−3−ミリストイルグリセロール、コレステリルイソステアレート、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール、ジ−パラメトキシ桂皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル類;2−ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール、バチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素;ユーカリ油、ハッカ油、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、アボガド油、ラノリン、牛脂、豚脂、卵黄脂等の油脂;その他ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、パルミチン酸デキストリン、d−δ−トコフェロール;各種シリコーン誘導体などが用いられる。
また界面活性剤としては特に限定されないが、ポリオキシエチレン(以下POEと略記)硬化ヒマシ油、POEアルキルエーテル、POE分岐アルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビトール脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油アルキル硫酸エステル、POEアルキル硫酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルリン酸エステル、POEアルキルリン酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸ナトリウム、エーテル変性シリコーン等が用いられる。
pH調節剤としては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属酸化物、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、L−アルギニン、L−リジン等の塩基性アミノ酸、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸等が用いられる。なお、本発明の化粧料は、これらによりpH4〜10の領域に調節することが好ましい。
セラミド類としては、脳や皮膚から抽出、精製されたものであっても、また、化学的方法によって合成されたものでもよい。セラミド類として特に好ましいものとしては、N−オレオイルスフィンゴシン、N−(12−ヒドロキシオクタデカノイル)スフィンゴシン、N−(16−ヒドロキシヘキサデカノイル)スフィンゴシン、牛脳セラミド等が挙げられる。
以下の実施例では、本発明を実施するいくつかの好ましい形態を例示するが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものではなく、代替的な材料及び方法を用いて、類似の結果を得ることが可能である。
【実施例1】
【0017】
[製造例1]イチョウ葉エキス
イチョウ(Ginkgo biloba)の乾燥葉を1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール100mlを加え、80℃で1時間加温し、還流下で抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮した後、噴霧乾燥し、エキス1gを得た。
[製造例2]クミスクチンエキス
クミスクチン(Orthosiphon aristatus)の乾燥葉を1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し精製水100mlを加え、80℃で1時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮した後、噴霧乾燥し、エキス1.2gを得た。
[製造例3]ビワ葉エキス
ビワ(Eriobotrya japonica)の乾燥葉を1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール100mlを加え、80℃で1時間加温し、還流下で抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮した後、噴霧乾燥し、エキス1gを得た。
【実施例2】
【0018】
[試験1]MMP−1産生抑制作用の評価
10%牛胎児血清添加DMEM培地にて培養した正常ヒト真皮線維芽細胞を24ウェル培養プレート(Nunc社製)に播種した。細胞がコンフレントになったところで、細胞培養培地を0.1%牛胎児血清添加DMEMに交換し、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスを100μg/mlの濃度で添加した。対照には溶媒の50%エタノールを添加した。24時間後、細胞培養培地を10ng/mlのIL−1βを添加した無血清DMEMに交換した。また、この際、対照の培養細胞では、IL−1βを添加しない無血清培地DMEMと交換する細胞も用意した。24時間後、細胞培養上清を回収し、冷アセトンを加え、−20℃にて静置した。24時間後、14,000×g 、15minで遠心分離した後、アセトンを除去した。沈殿したタンパク質を試料として用い、常法に従ってSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により展開した。ゲルのアクリルアミド濃度は10%を用いた。展開後のゲルから、セミドライ型転写装置を用いてタンパクをPVDF膜に転写し、常法に従ってウェスタンブロッティングを行った。洗浄液は0.1% Tween20含有トリス緩衝液(TBS−T)を、ブロッキング液は5% スキムミルクTBS−T溶液を、一次抗体はマウス由来抗MMP−1モノクローナル抗体(第一ファインケミカル社製)を1,000倍希釈にて、二次抗体は抗マウスIgG抗体(HRP標識、GE Healathcare社製)を5,000倍希釈にて、それぞれ用いた。検出はECL Plus Western Blotting Detection System (GE Healathcare社製)を用いた化学発光法で行った。細胞外MMP−1産生量を図1、細胞内MMP−1産生量を図2、解析ソフト(ImageJ)を用いて各バンドの濃さを積算値として数値化した結果を表1に示す。この結果から、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスは、細胞内および細胞外のMMP−1の産生を抑制することが確認され、優れたMMP−1産生抑制剤であることが確認された。
[試験2] MMP−3産生抑制作用の評価
試験1と同様にして、ウェスタンブロッティングを行った。一次抗体はマウス由来抗MMP−3モノクローナル抗体(第一ファインケミカル社製)を1,000倍希釈にて、二次抗体は抗マウスIgG抗体(HRP標識、GE Healathcare社製)を5,000倍希釈にて、それぞれ用いた。検出はECL Plus Western Blotting Detection System (GE Healathcare社製)を用いた化学発光法で行った。細胞外MMP−3産生量を図3、細胞内MMP−3を図4、解析ソフト(ImageJ)を用いて各バンドの濃さを積算値として数値化した結果を表2に示す。
この結果から、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスは、細胞内および細胞外のMMP―3の産生を抑制することが確認され、優れたMMP―3産生抑制剤であることが確認された。
[比較例1]
[製造例4]ブドウ種子エキス
ブドウ(Vitis vinifera)の乾燥した種子を1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール100mlを加え、80℃で1時間加温し、還流下で抽出した。その後濾過を行い固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮した後、噴霧乾燥し、エキス0.8gを得た。
[製造例5]緑茶エキス
緑茶(Camellia sinensis)の乾燥葉を1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し精製水100mlを加え、80℃で1時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮した後、噴霧乾燥し、エキス1.2gを得た。
[比較例2]
[試験3]MMP−1産生抑制作用の評価
試験1と同様の方法でブドウ種子エキス、緑茶エキスの50μg/mlの濃度で添加し、評価を行った。(後述する細胞毒性の評価より、ブドウ種子エキス、緑茶エキスは100μg/mlで細胞毒性が認められたため、50μg/mlの濃度で添加した。)細胞外MMP−1産生量を図1、細胞内MMP−1産生量を図2、解析ソフト(ImageJ)を用いて各バンドの濃さを積算値として数値化した結果を図3に示す。この結果から、ブドウ種子エキス、緑茶エキスは、細胞外のMMP−1の産生を抑制することが確認されたが、細胞内にMMP−1を蓄積することが確認された。このため、MMP−1の産生抑制効果は低いと考えられる。
[比較例3]
[試験4] MMP−3産生抑制作用の評価
試験2と同様の方法でブドウ種子エキス、緑茶エキスの50μg/mlの濃度で添加し、評価を行った。細胞外MMP−3産生量を図4、細胞内MMP−1産生量を図5、解析ソフト(ImageJ)を用いて各バンドの濃さを積算値として数値化した結果を図6に示す。この結果から、ブドウ種子エキス、緑茶エキスは、細胞外のMMP−3の産生を抑制することが確認されたが、細胞内にMMP−3を蓄積することが確認された。このため、MMP−3の産生抑制効果は低いと考えられる。
【実施例3】
【0019】
[試験5]エキスの細胞毒性の評価
試験1の細胞培養培地を回収後、各細胞に10%Premix WST−1試薬(Takara社製)を含む0.1%牛胎児血清添加DMEMを添加した。COインキュベータで30min静置した後、96ウェル培養プレート(Nunc社製)に各溶液を移し、450nmの吸光度を測定した。以下の計算式より、細胞生存率を計算し、結果を図7および図8に示す。
計算式
細胞生存率=100−{エキスサンプルAbs450/50%エタノールAbs450(IL−1β添加なし)×100}
この結果、イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、ビワ葉エキスは100μg/mlで細胞毒性が認められなかったが、ブドウ種子エキス、緑茶エキスは細胞毒性が認められた。また、50μg/mlでは、全てのエキスで細胞毒性は認められなかった。
【実施例4】
【0020】
[試験6]エラスターゼ活性阻害作用
ヒト正常真皮線維芽細胞を10mmディッシュにて、コンフルエントの状態になるまで培養した。PBS(−)で洗浄した後、緩衝液1mLを加え、細胞を溶解した。30分間氷上で静置させた後、14500rpmで20分間遠心し、上清を回収した。これを線維芽細胞由来エラスターゼの粗酵素液とした。次に、50v/v%エタノールで溶解したイチョウ葉エキス、ビワ葉エキス、クミスクチン抽出物を、96ウェル プレートに20μLずつ添加した。また、コントロールには50v/v%エタノールを用い、試料と同様に20μL添加した。続いて、エラスチンに代わる人工基質として6.25mMのSuc-Ala-Ala-Ala-pNAを10μLと粗酵素液を70μLずつ添加し、37℃で30分間反応させ、405nmの吸光度を測定した。得られた結果から、次式に基づき、エラスターゼ活性阻害率(%)を算出した。また、本実験における緩衝液は0.1%Triton X-100含有0.2M Tris-HCL(pH8.0)を用いた。
結果
エラスターゼ活性阻害率(%)={1-(A-B)/(C-D)}×100
上記式中、A:試料と粗酵素液、基質を添加した後の吸光度
B:試料と緩衝液、基質を添加した後の吸光度
C:コントロールと粗酵素液、基質を添加した後の吸光度
D:コントロールと緩衝液、基質を添加した後の吸光度
抽出物を0.050%濃度で添加した場合、図9に示すように、エラスターゼ活性の阻害率はイチョウ葉25%、ビワ葉14%、クミスクチンは27.5%であった。
【実施例5】
【0021】
[処方例1]
エキス100mgをそれぞれ含有する錠剤を以下の方法で製造した。
【0022】
<処方>
成分 (100錠当たり)
エキス(実施例1) ……… 10.0g
乳糖 ……… 50.7g
小麦デンプン ……… 7.5g
ポリエチレングリコール
6000 ……… 5.0g
タルク ……… 5.0g
マグネシウム ステアレート……… 1.8g
脱イオン水 ……… 適量

まず、エキス、乳糖、タルク、マグネシウムステアレート、及び処方半量の小麦デンプンを混和した。残余半量の小麦デンプンを上記水40mLに懸濁し、ついで、前記水100mL中にポリエチレングリコールの処方量が含まれ、煮沸された溶液に加えた。得られたパスタに賦形剤(pulverulent)を加え、もし必要ならば水を追加して、この混合物を顆粒化する。得られた顆粒を35℃で一夜乾燥、1.2mmメッシュの篩を通して整粒した後、両面がレンズ状の錠剤を打錠して製造した。
[処方例2]
エキス200mgをそれぞれ含有する錠剤を以下の方法で製造した。
【0023】
<処方>
成分 (100錠当たり)
エキス(実施例1) ……… 20.0g
乳糖 ……… 100.0g
小麦デンプン ……… 47.0g
マグネシウム ステアレート……… 3.0g

まず、エキス、乳糖、タルク、マグネシウム ステアレート、及び処方半量の小麦デンプンを混和した。残余半量の小麦デンプンを上記水40mLに懸濁し、ついで、前記懸濁液を煮沸水100mLに加えた。得られたパスタに賦形剤(pulverulent)を加え、もし必要ならば水を追加して、この混合物を顆粒化する。得られた顆粒を35℃で一夜乾燥、1.20mmメッシュの篩を通して整粒した後、両面がレンズ状の錠剤を打錠して製造した。
[処方例3]
エキス100mgをそれぞれ含有する、チューイング錠(tablet for chewing) を以下の方法で製造した。
【0024】
<処方>
成分 (100錠当たり)
エキス(実施例1) ……… 10.0g
マンニトール ……… 230.0g
乳糖 ……… 150.0g
タルク ……… 21.0g
グリシン ……… 12.5g
ステアリン酸 ……… 10.0g
サッカリン ……… 1.5g
5%ゼラチン溶液 ……… 適量

まず、マンニトールと乳糖を混和し、ゼラチン溶液を添加して顆粒化、2mmメッシュ篩と用いて整粒化、50℃で乾燥した後、1.7mmメッシュの篩を用いて整粒した。グリシンとサッカリンとを注意深く混合したエキス、マンニトール、乳糖顆粒、ステアリン酸、及びタルクを混和した。ついで、この完全に混和した組成物を、両面がレンズ状で上面に割り溝を形成した錠剤を打錠して製造した。
[処方例4]
エキス100mgをそれぞれ含有する、ゼラチン硬カプセル剤を以下の方法で製造した。
【0025】
<処方>
成分 (100カプセル錠当たり)
エキス(実施例1) ……… 10.0g
微結晶セルロース ……… 30.0g
コーンスターチ ……… 17.5g
ラウリル硫酸ナトリウム ……… 2.0g
マグネシウム ステアレート……… 8.0g

エキス中に、ラウリル硫酸ナトリウムを加えて、両者を10分間良く混和した。 0.9mm メッシュ篩を通した微結晶セルロースを加え、全体を10分間良く混和した。最後に、0.8mm メッシュ篩を通したマグネシウム ステアレートを加えてさらに3分間混和した後、得られた混合物をゼラチン硬カプセル中にそれぞれ充填した。
【実施例6】
【0026】
[処方例1]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態の化粧水の代表的な処方は以下の通りである。
化粧水
エキス(実施例1) 0.1部
1,3−ブチレングリコール 8.0
グリセリン 2.0
キサンタンガム 0.02
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.1
エタノール 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
香料 適量
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0027】
[処方例2]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態のクリームの代表的な処方は以下の通りである。
エキス(実施例1) 0.05部
スクワラン 5.5
オリーブ油 3.0
ステアリン酸 2.0
ミツロウ 2.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
ベヘニルアルコール 1.5
モノステアリン酸グリセリン 2.5
香料 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
1,3−ブチレングリコール 8.5
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
[処方例3]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態の乳液の代表的な処方は以下の通りである。
エキス(実施例1) 0.01部
スクワラン 5.0
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
セタノール 1.5
モノステアリン酸グリセリン 2.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
(20E.O.) 2.0
香料 0.1
プロピレングリコール 1.0
グリセリン 2.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0028】
[処方例4]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態のゲル剤の代表的な処方は以下の通りである。
エキス(実施例1) 1.0部
エタノール 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
香料 適量
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 5.0
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.2
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分2〜5と、成分1及び6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0029】
[処方例5]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態のパックの代表的な処方は以下の通りである。
エキス(実施例1) 0.1〜0.3部
ポリビニルアルコール 12.0
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
香料 適量
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
【0030】
[処方例6]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態のファンデーションの代表的な処方は以下の通りである。
エキス(実施例1) 1.0部
ステアリン酸 2.4
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
(20E.O.) 1.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
セタノール 1.0
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 6.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
二酸化チタン 8.0
タルク 4.0
ベンガラ 1.0
黄酸化鉄 2.0
香料 適量
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分2〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10〜13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14〜17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0031】
[処方例7]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態の浴用剤の代表的な処方は以下の通りである。
浴用剤
エキス(実施例1) 5.0部
炭酸水素ナトリウム 50.0
黄色202号(1) 適量
香料 適量
硫酸ナトリウムにて全量を100とする
製造方法:成分1〜5を均一に混合し製品とする。
[処方例8]
本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制及びエラスターゼ活性阻害剤を含む組成物の実施形態の軟膏の代表的な処方は以下の通りである。
軟膏
エキス(実施例1) 0.01〜0.5部
ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
モノステアリン酸グリセリン 10.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 6.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
プロピレングリコール 10.0
精製水にて全量を100とする
製造方法:成分3〜6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び7〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0032】
[処方例9]
固形石鹸の製造は、適量の水に、アルカリを溶解させ、アルカリ溶液を調製した。さらに、脂肪を加熱して、溶解し、上記のアルカリ溶液の温度まで冷まして、脂肪を液体状にし、上記アルカリ溶液を、上記の液体状の脂肪に加えて、ゆっくりと攪拌する。この段階で、約1%〜約15%(w/w)の、実施例1の植物エキスを加え、必要に応じて香料を加える。このようにして作られる固形石鹸は、植物エキスの特性であるMMP−1及びMMP−3産生抑制作用、並びに、エラスターゼ活性阻害作用を兼ね備えている。
グリセリン固形石鹸の場合、グリセリン、陰イオン性又は非イオン性の界面活性剤、溶剤、スキンコンディショナー、乳化剤、並びに保存剤が含まれる。これら物質は、使用前に混合されてもよく、これら物質を含む、都合のよい固形物に成型して用いてもよい。上記固形物は、80℃より低い温度で液化する。この段階で、約1%〜15%(w/w)の、実施例1の植物エキスを加え、必要に応じて、香料を加える。このようにして作られる固形石鹸は、植物エキスの特性であるMMP−1及びMMP−3産生抑制作用、並びに、エラスターゼ活性阻害作用を兼ね備えている。
液状石鹸の場合は、陰イオン性又は非イオン性界面活性剤、スキンコンディショナー、乳化剤、真珠光沢剤(pearlescent)、及び保存剤が含まれている。これら物質は、使用前に混合されてもよく、これら物質を含む、都合のよい液体として、用いてもよい。約0.01%〜5%(w/w)の実施例1の植物エキスを加え、必要に応じて香料を加える。このようにして作られる液状石鹸は、植物エキスの特性であるマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用、並びに、エラスターゼ活性阻害作用を兼ね備えている。
【実施例7】
【0033】
[食品例1]
実施例1で得られた植物抽出エキス50g、デキストリン76gおよびリン酸三カルシウム24gを混合し、造粒、乾燥および16〜80メッシュにて篩過した後、常法に従って顆粒化して顆粒剤形態の本発明のMMP−1およびMMP−3の産生抑制、並びに、エラスターゼ活性阻害剤を含む食品を得た。
[食品例2]
実施例1で得られた植物抽出エキス5.0gを100mlの蒸留水に再溶解し、ガラス製瓶に充填し、液剤化して液剤形態の本発明のMMP−1およびMMP−3の産生抑制、並びに、エラスターゼ活性阻害剤を含む食品を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、および、ビワ葉エキスからなる植物エキス群から選択される少なくとも1種類の植物エキスを含有することで、マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制作用とエラスターゼ活性阻害作用とを兼ね備えたことを特徴とする、酵素産生抑制および酵素活性阻害剤。
【請求項2】
マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制の対象となるマトリックスメタロプロテアーゼは、MMP−1及びMMP−3であることを特徴とする、請求項1に記載の酵素産生抑制および酵素活性阻害剤。
【請求項3】
イチョウ葉エキス、クミスクチンエキス、および、ビワ葉エキスからなる植物エキス群から選択される少なくとも1種類の植物エキスを含有することを特徴とする、マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤。
【請求項4】
マトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制の対象となるマトリックスメタロプロテアーゼは、MMP−1及びMMP−3であることを特徴とする、請求項3に記載のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤。
【請求項5】
クミスクチンエキスを含有することを特徴とするエラスターゼ活性阻害剤。
【請求項6】
請求項1もしくは請求項2に記載の酵素産生抑制および酵素活性阻害剤、請求項3もしくは請求項4に記載のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤、又は、請求項5に記載のエラスターゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項7】
請求項1もしくは請求項2に記載の酵素産生抑制および酵素活性阻害剤、請求項3もしくは請求項4に記載のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤、又は、請求項5に記載のエラスターゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする老化防止剤。
【請求項8】
請求項1もしくは請求項2に記載の酵素産生抑制および酵素活性阻害剤、請求項3もしくは請求項4に記載のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤、又は、請求項5に記載のエラスターゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする食品。
【請求項9】
請求項1もしくは請求項2に記載の酵素産生抑制および酵素活性阻害剤、請求項3もしくは請求項4に記載のマトリックスメタロプロテアーゼ産生抑制剤、又は、請求項5に記載のエラスターゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−225550(P2011−225550A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72429(P2011−72429)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000106771)シーシーアイ株式会社 (245)
【出願人】(597112472)財団法人岐阜県研究開発財団 (25)
【Fターム(参考)】