説明

マニキュア除光液の組成物

【課題】ガンマブチロラクトンを含むマニキュア除光液の組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、マニキュア除光液の組成物に関する。アセトンを含む公知のマニキュア除光液が、鼻を刺激する匂いを放ち、マニキュアを除去する際に、爪を腐蝕させたり傷めたりする欠点を有するのに対し、本発明の組成物は、重量百分率が10%乃至95%のガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)と、重量百分率が2.3899%乃至52.9%の水と、重量百分率が2.6101%乃至37.1%の添加剤とを含み、マニキュアを除去する成分には主に、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)を含む。なお、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)には、鼻を刺激する匂いはなく、爪を傷めることも少ないため、これをもって新規のマニキュア除光液を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニキュア除光液の組成物に係り、特に、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)を含む乳液状またはジェル状のマニキュア除光液に関する。
【背景技術】
【0002】
現代女性は、外見やお化粧を重視し、爪のおしゃれもまた既に身体を飾る不可欠な要素となっている。その内、マニキュアの主な成分は、有機塗料または有機色彩料であり、除去する時は水で簡単に落とせず、除光液中のVOC成分(例えばイソプロピルアルコール、アセトン、メタノール、酢酸エチル等の揮発性有機物)によって、有機塗料を溶かし水分で取り除く。その内、アセトン成分を含む除光液は、マニキュアを落とすのと同時に、爪自体を侵蝕し、爪の脱水症状を引き起こし脆弱にするため、爪が裂け易く、折れ易くし、さらには細菌やカビへの感染を起こし、長期間使用すると、爪甲剥離症等にかかる可能性もあり、人体への危害には甚だしいものがある。
【0003】
また、現在、マニキュアを取り除くために使用されている除光液はみな、液体状であり、液態状の除光液は粘性が低く流動性が高いため、直接、爪の上に塗布できず、使用時には、使用者は除光液をコットンに湿らせてから、爪を拭き取っている。よって、このような使用方式は、除光液を皮膚に直接付着させやすく、皮膚が過多の有機溶剤を吸収するため、長期的に有機溶剤の成分を吸収した身体は中毒となることも考えられ、尚且つ、繰り返し爪を拭き取ることにより、除光液が爪を侵蝕する程度も向上してしまう。
【0004】
上述したとおり、アセトンを主成分とする液体状の除光液は、適当なマニキュア去除剤ではないことが理解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、迅速にマニキュアを取り除き、尚且つ、爪を傷める除光液成分を低下させる除光液を提供することを目的として、本発明者は、創作、研究、開発を積み重ね、本発明のマニキュア除光液の組成物を生み出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のマニキュア除光液の組成物は、重量百分率が10%乃至95%のガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)と、重量百分率が2.3899%乃至52.9%の水と、重量百分率が2.6101%乃至37.1%の添加剤とを含む。
【0007】
前記添加剤の成分は、さらに、重量百分率が2.5%乃至25%の乳化剤を含むことにより、本発明の組成物を乳液状とし、尚且つ、乳化剤には、好ましくは、重量百分率が0.5%乃至5%のステアリン酸グリセリル(Glyceryl Stearate)と、重量百分率が0.5%乃至5%のステアリン酸(Stearic acid)と、重量百分率が0.5%乃至5%のグリセリルステアラート及びPEG−100ステアラート混合物(Arlacel 165(Glyceryl stearate & PEG−100 Stearate))と、重量百分率が0.5%乃至5%のセチル−ステアリルアルコール(Cetyl−Stearyl Alcohol)と、重量百分率が0.5%乃至1%のアクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNaコポリマー(Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer)とを含み、さらに、前記乳化剤には、重量百分率が0.01%乃至4%の蜜蝋(bee wax)を含むことも可能である。
【0008】
さらに、前記添加剤の成分には、重量百分率が0.05%乃至2%のゲル化剤を含むことにより、本発明の組成物をジェル状にし、尚且つ、ゲル化剤は、好ましくは、ヒドロキシプロピルグアー(Hydroxypropyl guar)とし、これは、親水性のゲル化剤である。
【0009】
また、前記添加剤の成分には、さらに、植物抽出液、制菌剤、抗カビ剤、香料、色素を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、次の効果を奏する。
(1)本発明の組成物において、マニキュアを除去するための成分は主に、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)を含む。ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)は鼻を刺激する匂いはなく、爪を傷めることも少ない。
(2)本発明は、組成物を乳液状またはジェル状とすることにより、粘稠性を高め、使用時には、身体のその他の部位に付着することがなく、爪自身を傷めることも少なく、人体吸收率が低いため、身体への危害が小さい。
(3)本発明の組成物の添加剤には、例えば、キュウリ抽出液の如き植物抽出液を加えることにより、抗酸化及び抗紫外線等の効果を発揮させ、爪ケアを用途とし、制菌剤及び抗カビ菌剤を加えることで、爪表面に堆積した細菌やカビ菌を取り除く効果を発揮し、また、香料や色素を加えることで視覚や嗅覚の楽しみを付け加え、製品に更なる競争力を持たせる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の主な効果は、下記の実施例においてはっきりと理解できる。
【実施例】
【0012】
本発明のマニキュア除光液の組成物は、重量百分率が10%乃至95%のガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)と、重量百分率が2.3899%乃至52.9%の水と、重量百分率が2.6101%乃至37.1%の添加剤とを含む。
【0013】
本実施例において、前記添加剤の成分には、重量百分率が2.5%乃至25%の乳化剤を含むことにより、本発明の組成物を乳液状とし、尚且つ、乳化剤には、好ましくは、重量百分率が0.5%乃至5%のステアリン酸グリセリル(Glyceryl Stearate)と、重量百分率が0.5%乃至5%のステアリン酸(Stearic acid)と、重量百分率が0.5%乃至5%のグリセリルステアラート及びPEG−100ステアラート混合物(Arlacel 165(Glyceryl stearate & PEG−100 Stearate))と、重量百分率が0.5%乃至5%のセチル−ステアリルアルコール(Cetyl−Stearyl Alcohol)と、重量百分率が0.5%乃至1%のアクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNaコポリマー(Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer)とを含む。本実施例において、前記乳化剤は、さらに、重量百分率が0.01%乃至4%の蜜蝋(bee wax)を含む。次の表1及び表2には、本考案の乳液状組成物の成分比率表の内の二種類と、マニキュア落としに必要な時間を示した。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

【0016】
その内の前記実施例の乳液状組成物において、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)の含量が異なれば、マニキュア落としに必要な時間も約10秒から280秒となる。
【0017】
本発明の一応用例では、前記添加剤の成分には、重量百分率が0.05%乃至2%のゲル化剤を含むことにより、本発明の組成物をジェル状にし、尚且つ、ゲル化剤は、好ましくは、ヒドロキシプロピルグアー(Hydroxypropyl guar)とし、これは、親水性のゲル化剤である。次の表3及び表4には、本発明のジェル状組成物の成分比率表の内の二種類とマニキュア落としに必要な時間を示した。
【0018】
【表3】

【0019】
【表4】

【0020】
本実施例のジェル状組成物において、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)の含量が異なれば、マニキュア落としに必要な時間も約10秒から300秒となる。
【0021】
その内、前記実施例において、マニキュアを除去するための成分は主に、ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)である。ガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)は鼻を刺激する匂いはなく、爪を傷めることも少ない。また、組成物を乳液状またはジェル状とすることにより、粘稠性を高め、使用時には、適量の乳液またはジェルを爪の表面に塗布し、前述の適当な時間を待ち、更にペーパーで拭き取るだけで、完全にマニキュア落としができる。組成物の流動によって、その他の部位に付着させることがなく、繰り返し詰めを拭き取る必要もないため、爪自身を傷めることも少なく、人体吸收率が低いため、身体への危害も小さい。また、前記各実施例の添加剤には、植物抽出液、制菌剤(グルコン酸クロルヘキシジン、Chlorhexidine Gluconate)、抗カビ菌剤(ピロクトンオラミン、Piroctone olamine、PO)香料、色素の成分を含む。その内の植物抽出液は、例えば、キュウリ抽出液とし、抗酸化及び抗紫外線等の効果を備え、爪ケアを用途とし、制菌剤及び抗カビ菌剤を加えることで、爪表面に堆積した細菌やカビ菌を取り除く効果を発揮し、また、香料や色素を加えることで視覚や嗅覚の楽しみを付け加え、製品に更なる競争力を持たせる。
【0022】
前述を総合すると、本発明の好ましい実施例は、これによって本発明の実施範囲を制限するものではなく、本発明の特許請求の範囲及び発明の説明内容に基づいて行なった簡単な同じ効果を有する変化や修飾はすべて、本発明の特許範囲内に含むことをここに明記する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量百分率が10%乃至95%のガンマブチロラクトン(γ−butyrolactone)と、重量百分率が2.3899%乃至52.9%の水と、重量百分率が2.6101%乃至37.1%の添加剤とを含むことを特徴とするマニキュア除光液の組成物。
【請求項2】
前記添加剤の成分には、重量百分率が2.5%乃至25%の乳化剤を含むことにより、本発明の組成物を乳液状とすることを特徴とする請求項1に記載のマニキュア除光液の組成物。
【請求項3】
前記乳化剤には、重量百分率が0.5%乃至5%のステアリン酸グリセリル(Glyceryl Stearate)と、重量百分率が0.5%乃至5%のステアリン酸(Stearic acid)と、重量百分率が0.5%乃至5%のグリセリルステアラート及びPEG−100ステアラート混合物(Arlacel 165(Glyceryl stearate & PEG−100 Stearate))と、重量百分率が0.5%乃至5%のセチル−ステアリルアルコール(Cetyl−Stearyl Alcohol)と、重量百分率が0.5%乃至1%のアクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNaコポリマー(Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer)とを含むことを特徴とする請求項2に記載のマニキュア除光液の組成物。
【請求項4】
前記乳化剤には、さらに、重量百分率が0.01%乃至4%の蜜蝋(bee wax)を含むことを特徴とする請求項3に記載のマニキュア除光液の組成物。
【請求項5】
前記添加剤の成分には、重量百分率が0.05%乃至2%のゲル化剤を含むことにより、本発明の組成物をジェル状にすることを特徴とする請求項1に記載のマニキュア除光液の組成物。
【請求項6】
前記ゲル化剤は、ヒドロキシプロピルグアー(Hydroxypropyl guar)とすることを特徴とする請求項5に記載のマニキュア除光液の組成物。
【請求項7】
前記添加剤の成分には、さらに、植物抽出液、制菌剤、抗カビ剤、香料、色素を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマニキュア除光液の組成物。

【公開番号】特開2012−254958(P2012−254958A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129332(P2011−129332)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(511140633)
【Fターム(参考)】