説明

マニピュレータ制御装置

【課題】物体表面に対してマニピュレータを適切に作用させる。
【解決手段】直線を含む曲線を有する物体表面上の複数点の位置測定を行う測定手段と、上記物体表面に物理的作用を施すマニピュレータと、上記測定手段による測定データを基に上記マニピュレータを制御する制御手段とからなる。物体表面上の任意の位置測定点の近傍の複数の位置測定点を用いて円弧近似を行う演算部を備え、該演算部は上記円弧近似を行う位置測定点の組合せを前記円弧近似の相関係数が最も高い組合せとして選択し、上記制御手段は演算部で演算された円弧近似によって得られる校正曲線を基にマニピュレータを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の表面形状を測定して該測定結果に基づいて物体表面に対してマニピュレータによる作用を施すマニピュレータ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物体の表面形状の測定には接触方式と非接触方式とがあるが、マニピュレータで物体表面に作用を施すにあたっては、通常、測定結果としての表面座標をプロットして表面形状を求め、プロットした結果に基づいてマニピュレータを作動させている。
【0003】
たとえば、マニピュレータが人体表面に対してマッサージ作用を及ぼす施療子である場合、つまりマニピュレータ制御装置がマッサージ機である場合、特開2001−120621号公報(特許文献1)には圧力センサを備えた施療子を人体に接触させつつ上下に動かすとともに上下方向位置及び接触方向(前後方向)位置を別途エンコーダで検出することで人体の上下方向における表面形状(体形ライン)を計測することが示されている。この場合、エンコーダの分解能に従った間隔で接触点の位置座標を求めて、各接触点の位置座標をプロットすることで表面形状を求めていることになる。そして分解能を細かくすればするほど、プロットした表面形状は物体表面形状に一致するものとなる。
【0004】
しかしながら分解能を細かくしたところで、得られた接触点の位置座標は位置を示すだけであるために、曲面である物体表面に対して法線方向からマニピュレータで作用を施したいことがあってもこれに対応することができない。
【0005】
被施療者の前面側を支持する支持体と、支持体後方に配設されて被施療者の背面を施療子でマッサージする施療手段とからなるとともに、上記支持体で支持された被施療者の身体外形状を計測する外形状計測手段を備えて、上記施療手段が上記外形状計測手段から得られた身体外形状データに基づいて施療子の動作を規定する制御部を備えたマッサージ装置が特開2009−160175号公報(特許文献2)で提案されているが、ここでの身体外形状データも上記のものと同様に位置を示すだけである。
【0006】
ちなみに、上記のようなマッサージ機の場合、マニピュレータである施療子が人体表面を押圧するにあたり、人体表面に対してその法線方向以外から押圧すると、マッサージが有効に働かないだけでなく痛みを誘発する場合がある。
【0007】
マニピュレータが物体表面に切削加工を施す切削具である場合、物体表面の接線方向を認識して切削具を移動させないと、切削具が物体に噛み込んでしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−120621号公報
【特許文献2】特開2009−160175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、物体表面に対してマニピュレータを適切に作用させることができるマニピュレータ制御装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、直線を含む曲線を有する物体表面上の複数点の位置測定を行う測定手段と、上記物体表面に物理的作用を施すマニピュレータと、上記測定手段による測定データを基に上記マニピュレータを制御する制御手段とからなるマニピュレータ制御装置において、前記物体表面上の任意の位置測定点の近傍の複数の位置測定点を用いて円弧近似を行う演算部を備えるとともに、該演算部は上記円弧近似を行う位置測定点の組合せを前記円弧近似の相関係数が最も高い組合せとして選択するものであり、上記制御手段は上記演算部で演算された円弧近似によって得られる校正曲線を基に上記マニピュレータを制御するものであることに特徴を有している。
【0011】
物体表面を位置測定点の群としてではなく、円弧近似で得た校正曲線で表現されるものとして扱うものであり、また相関係数が高い位置測定点の組み合わせから校正曲線を決定するようにしたものである。
【0012】
上記演算部は、円弧近似によって得られる校正曲線で表現できる複数の位置測定点を除いた残りの位置測定点の中で、任意の位置測定点の近傍の複数の位置測定点を用いて円弧近似を行うことを繰り返して行うものであると、物体表面形状全体を複数の円弧近似の組合せで表現することができる。
【0013】
上記制御手段は、校正曲線を算出した物体表面上の任意の点を通る法線上に上記の点から一定距離だけ離れた位置に前記マニピュレータを移動させた後、上記法線の方向に沿って前記マニピュレータを移動させて物体表面に物理的作用を施すものであることが物体表面にその法線方向から物理的作用を施すことができる点で好ましく、この時、少なくとも異なる2軸方向の力を各々検出できる力センサを前記マニピュレータの先端部に備えているとともに、上記力センサによる各軸の力検出値を前記法線方向へ斜影した合力を演算する合力演算部を備えておれば、物体表面にその法線方向から及ぼす力を容易に算出することができる。
【0014】
上記マニピュレータ先端部の向きを上記法線方向に合わせた状態で上記法線の方向に沿って上記マニピュレータを移動させて物体表面に物理的作用を施すものであってもよく、この場合、物体表面にその法線方向から物理的作用を施すことがより確実に行うことができる。また、前記法線方向の力を検出できる力センサを前記マニピュレータの先端部に備えていると、法線方向から物体表面に及ぼす力を1軸の力センサで検出することができる。
【0015】
さらに前記法線方向の力と、前記法線方向と直交する平面内において直交する2軸方向の力を各々独立に検出する力センサを前記マニピュレータの先端部に備えているとともに、上記直交する2軸方向の力の値の比から物体の表面下の状態を推定する推定部を備えていると、たとえば物体が人体であり、マニピュレータがマッサージ用の施療子である場合など、人体皮膚下にある筋繊維の方向を的確に推定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、物体表面を円弧近似で得た校正曲線で表現されるものとして扱うために、物体表面の法線方向や接線方向にマニピュレータを制御することも容易に且つ確実に行える上に、物体表面上の実際には位置測定をしていない点でもその位置を特定することができるものであり、特に円弧近似を行うにあたり、相関係数が高い位置測定点の組み合わせから校正曲線を決定することから、物体表面形状を的確に表現した校正曲線を基にマニピュレータを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)はブロック図、(b)は説明図である。
【図2】同上の説明図である。
【図3】同上のフローチャートである。
【図4】(a)(b)は同上のマニピュレータ動作の説明図である。
【図5】同上の力検出についての説明図である。
【図6】(a)(b)は同上のマニピュレータ動作の他例の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の他例を示す斜視図である。
【図8】筋繊維の方向についての説明図である。
【図9】同上の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図1に示す例においては、物体9の表面に物理的作用を施すマニピュレータ1の先端部に、レーザを用いた非接触式の距離測定器2を設置してある。また、上記マニピュレータ1を物体9の表面に沿った方向に動かす駆動部10にはマニピュレータ1の物体9の表面に沿った方向の位置データを出力するエンコーダ等からなる位置データ出力部11を設けてある。
【0019】
物体9の表面形状の測定は、上記マニピュレータ1及び距離測定器2を物体9の表面に沿った方向(図中の矢印方向)に駆動部10によって動かしつつ、距離測定器2で距離測定器2から物体9表面までの距離を測定する。この時、該距離測定器2からの距離情報と、上記位置データ出力部11からの位置データとに基づいて物体9の表面の測定点における位置座標を位置座標算出部12が算出する。つまり、本例においては、位置データ出力部11とレーザ距離測定器2と位置座標算出部12とで物体表面の位置測定を行う測定手段が構成されていることになる。なお、距離測定器としてここでは非接触式の距離測定器2を例にあげたが、接触式の距離測定器であってもよく、物体表面を撮影したステレオ画像から物体表面の位置座標を求めるものであってもよい。本発明は測定手段の構成を問わないものである。
【0020】
上記測定手段で測定された物体9の表面の各測定点を順次k1,k2,k3…で表す点群とすると、これら測定点の位置座標はいったん記憶部3に記憶され、ついで演算部4が各測定点の位置座標を順次読み出して順次円弧近似を行う。この円弧近似は、まず連続する3点の測定点(k1〜k3)で行って円弧近似した校正曲線の相関係数r3を算出する。ついで、次の測定点を含む4点の測定点(k1〜k4)の円弧近似を行って、その円弧近似した校正曲線の相関係数r4を算出し、先に求めた校正曲線の相関係数r3と後の校正曲線の相関係数r4とを比較し、後者の相関係数r4の方が高ければ、さらに次の測定点を含む5点の測定点(k1〜k5)の円弧近似を行って、円弧近似した校正曲線の相関係数r5を算出し、先に求めた校正曲線の相関係数r4と後の校正曲線の相関係数r5とを比較するということを、測定点が多い方の校正曲線の相関係数が低くなるまで続ける。
【0021】
つまり、n点の測定点(k1〜kn)までの校正曲線の相関係数rkが、n+1点の測定点(k1〜kn+1)までの校正曲線の相関係数rk+1より高ければ、k〜knまでの測定点を単一の校正曲線C1=R2=(X−a)2+(Z−b)2で表す近似区間S1とする。
【0022】
そして、n+1点の測定点を次の新たなk1点とし、上述のように、円弧近似する点群の組合せ数を少なくとも3点以上の組合せから逐次計算し、その都度、その円弧近似した校正曲線の相関係数を算出するとともに、算出した相関係数が最も高くなる区間を近似区間S2として、その区間に該当する点群については当該近似曲線(校正曲線C2)を用いて形状を表現する。
【0023】
このようにして図2に示すように近似区間S1,S2,S3…を順次決定するとともに各近似区間S1,S2,S3…についての校正曲線C1,C2,C3…を順次決定して、物体9の表面形状を複数の円弧近似の組み合わせとなる関数で表現するのである。図3に上記動作のフローチャートを示す。
【0024】
円弧近似できた区間においては、測定点と次の測定点の間のように実際に測定していない点でも物体表面の位置を特定して把握することができることになる。特に形状を複数の円弧で近似して、円弧近似した際の相関係数が最も高くなる形状点群の組合せを採用するために、物体9の実際の表面形状に最も近似する円弧を簡便に求めることができる。
【0025】
物体9の表面形状を表す校正曲線を得たならば、マニピュレータ1の動きを制御する制御部5は、物体9の表面のA点にマニピュレータ1で物理的作用を及ぼすにあたり、図4に示すように、A点を含む校正曲線Cから物体9表面のA点の法線ベクトルHを求めてこの法線ベクトルH上でA点から一定距離だけ離されたプリアプローチポイントBにマニピュレータ1を移動させ、この後、上記法線ベクトルHに沿ってマニピュレータ1を移動させることでA点に物理的作用を及ぼすものとする。
【0026】
ここで、上記プリアプローチポイントBからA点に向けてマニピュレータ1を移動させた場合、マニピュレータ1のフランジ面と、物体9表面上の対象点Aにおける法線ベクトルHとが一致していないために、プリアプローチポイントBから法線ベクトルHに沿って物体9に接触させた際に、フランジ面に作用する力から物体9に作用する力を直接検出することはできない。
【0027】
このために、マニピュレータ1先端部に少なくとも異なる2軸方向X,Zの力を各々検出できる力センサを設けて、各軸の力検出値Fx,Fzから前記法線方向に斜影した合力Fを演算する演算部を備えたものとしておくことが、法線方向に所望の力を作用させる点において有効である。また、マニピュレータ1が物体9表面に圧力を加えるものである場合、マニピュレータ1における物体9との接触面は半球状としておくことが好ましい。
【0028】
マニピュレータ1として、その向きを変更することができるものを用いる場合は、図6に示すように、プリアプローチポイントBにマニピュレータ1を移動させた際にマニピュレータ1の向きを対象点Aの法線方向Hと一致させ、その後、マニピュレータ1のフランジ面の法線方向、すなわち物体対象点Aの法線方向Hに沿ってマニピュレータ1を移動させるのが好ましい。
【0029】
マニピュレータ1のフランジ面に作用する力と物体9の法線方向Hに作用する力とが常に一致するために、物体9の法線方向へ作用させる力の制御が容易となると同時に、マニピュレータ1のフランジ面に1軸の力センサを設置するだけで、物体9の表面に法線方向から作用させる力を正確に検出することができる。
【0030】
次に本マニピュレータ制御装置をマッサージ機に応用した場合について説明する。この場合の物体9は人体に相当することになり、人体に物理的作用を及ぼす施療子がマニピュレータ1に相当することになる。また、通常のマッサージ機は、椅子の背もたれ内などの人体表面を支える部材内にマッサージ機構を組み込んで上記部材によって支えられている人体表面(通常は背面)に施療子がマッサージを施すことになるが、ここでのマッサージ機は、図7に示すように、前面側が支持体8によって支持されている人体の背面をマッサージするものとする。
【0031】
図示例における支持体8は、着座部80と、人体の胸部前面を支える胸部支持部81と、人体の頭部前面側を支える頭部支持部82と、膝を載せるための膝当て部83と、上腕を載せるための上腕置き部84とを備えたものとして構成されており、上記頭部支持部82は呼吸を妨げることがないように抜き孔が中央に設けられている。そして、この支持体8においては、被施療者が着座部80に座るとともに胸部支持部81に胸を当て、更に頭部支持部82に顔を当てれば、被施療者は前傾姿勢を保った状態で支持体8に支持される。マニピュレータ(施療子)1は、この状態で支持されている人体背面に力を加えることでマッサージを行う。
【0032】
施療子であるマニピュレータ1としては、その向きを変更することができないものであってもよいが、次に述べる筋繊維方向の推定という点において、向きを変更することができるもの、つまり、図6に示したものを好適に用いることができる。
【0033】
人体表面に対して垂直な方向に力を加えつつ筋繊維方向に垂直方向(で且つ体表面に沿った方向)に筋繊維方向を引っ張る動作が理想的なマッサージと言われており、実際にも施療効果だけでなく官能的にも好ましいものとなっている。
【0034】
このマッサージを実現するにあたっては、人体の部位によって筋繊維の方向が異なることから、今から施療する部位の筋繊維の方向を特定する必要がある。図8は肩高さh、体幅w、曲率半径rの曲面で人体背面をモデル化したものにおいて、各部位の筋繊維7の方向を示している。
【0035】
この筋繊維7の方向を特定するにあたり、本出願人は特開2009−160175号公報において、マニピュレータ1に設けた力センサの出力から行うことを提案した。
【0036】
すなわち、力センサとして、3軸方向の力Fx,Fy,Fzを検出することができるとともに、施療子1の動きの3軸方向X,Y,Zと上記力Fx,Fy,Fzの方向とを一致させたものを用いるものとし、施療子1(図9では拇指を模した形状としている)を人体に向けて移動させる方向をZ、筋をほぐすために施療子1を人体表面に沿って動かす方向をXとすると、施療子1を人体に押し付けた状態で上記X方向に施療子1を動かした時、反力としての力Fx,Fy,Fzを力センサで検出することができる。
【0037】
ここで、ある部位下に存在する筋繊維7の方向をYo、体表面に沿った面内における筋繊維方向Yoと直交する方向をXoとする時、施療子1を人体表面に沿って動かす方向Xを筋繊維方向Yoに対してθ=90°の方向(=直交方向Xo)とする時、力センサで検出されるFx,Fyの値は、Fxの値がFyの値よりも十分大きくなる。
【0038】
そして施療子1を動かす方向XのYo方向からの角度θを小さくしていくにつれて、Fxの値がFyの値に接近したものとなる。つまり、Fxの値とFyの値の比が最も大きくなる方向Xが、筋繊維方向Yoと直交する方向Xoとなる。
【0039】
また、Fxの値が大きくなるまで施療子1を動かす方向Xを変化させなくても、Fxの値とFyの値の比を基に上記θの値を求めることができ、上記方向Xと角度θから筋繊維方向Yo及びこれに直交する方向Xoを推定することができる。そしてこの推定結果に基づいて施療子1を動かす方向Xを規定することで、好ましいとされているマッサージをより正確に行うことができる。
【0040】
ここにおいて、前述のようにマニピュレータ(施療子)1の向きを物体(人体)9の表面の法線方向Hに合わせることができるものを用いた場合、痛覚が少ない指圧を行うことができるだけでなく、上記筋繊維方向Yoを推定して筋繊維方向と直交する方向にマニピュレータ1を往復動させる揉捏マッサージを行うことで筋繊維をほぐすにあたり、力センサから出力されるFx,Fyの値をそのまま上記の筋繊維方向の推定のために用いることができるものであり、マニピュレータ1を物体9の表面の法線方向以外から力を加える場合に比して、物体の法線方向と接平面内の力を演算で算出する作業が不要となるだけでなく、無用なノイズが入らないために、筋繊維方向の推定の精度をきわめて高く保つことができる。
【0041】
また、マニピュレータ1を法線方向から作用させることができる場合、上記のような筋繊維方向の推定を行わない場合においても、1軸の力センサで物体の法線方向に所望の力を作用させることが可能となる。
【0042】
マッサージ機を具体例として示したが、本発明に係るマニピュレータ制御装置は、このような例に限定されるものではない。たとえば、液晶分子の配向を行うラビング装置にも用いることができる。この場合、曲率を有する液晶面においても一定の押付力で配向を行うことが可能であるために、平面に限られる現状の液晶面とは異なる形状の液晶を製作することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 マニピュレータ
2 距離測定器
9 物体
11 位置データ出力部
12 位置座標算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線を含む曲線を有する物体表面上の複数点の位置測定を行う測定手段と、上記物体表面に物理的作用を施すマニピュレータと、上記測定手段による測定データを基に上記マニピュレータを制御する制御手段とからなるマニピュレータ制御装置であって、前記物体表面上の任意の位置測定点の近傍の複数の位置測定点を用いて円弧近似を行う演算部を備えるとともに、該演算部は上記円弧近似を行う位置測定点の組合せを前記円弧近似の相関係数が最も高い組合せとして選択するものであり、上記制御手段は上記演算部で演算された円弧近似によって得られる校正曲線を基に上記マニピュレータを制御するものであることを特徴とするマニピュレータ制御装置。
【請求項2】
上記演算部は、円弧近似によって得られる校正曲線で表現できる複数の位置測定点を除いた残りの位置測定点の中で、任意の位置測定点の近傍の複数の位置測定点を用いて円弧近似を行うことを繰り返して行うものであることを特徴とする請求項1記載のマニピュレータ制御装置。
【請求項3】
上記制御手段は、校正曲線を算出した物体表面上の任意の点を通る法線上に上記の点から一定距離だけ離れた位置に前記マニピュレータを移動させた後、上記法線の方向に沿って前記マニピュレータを移動させて物体表面に物理的作用を施すものであることを特徴とする請求項1または2記載のマニピュレータ制御装置。
【請求項4】
少なくとも異なる2軸方向の力を各々検出できる力センサを前記マニピュレータの先端部に備えているとともに、上記力センサによる各軸の力検出値を前記法線方向へ斜影した合力を演算する合力演算部を備えていることを特徴とする請求項3記載のマニピュレータ制御装置。
【請求項5】
上記制御手段は、上記マニピュレータ先端部の向きを上記法線方向に合わせた状態で上記法線の方向に沿って上記マニピュレータを移動させて物体表面に物理的作用を施すものであることを特徴とする請求項3記載のマニピュレータ制御装置。
【請求項6】
前記法線方向の力を検出できる力センサを前記マニピュレータの先端部に備えていることを特徴とする請求項5記載のマニピュレータ制御装置。
【請求項7】
前記法線方向の力と、前記法線方向と直交する平面内において直交する2軸方向の力を各々独立に検出する力センサを前記マニピュレータの先端部に備えているとともに、上記直交する2軸方向の力の値の比から物体の表面下の状態を推定する推定部を備えていることを特徴とする請求項4記載のマニピュレータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−24909(P2012−24909A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168650(P2010−168650)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】